JP3557185B2 - 副舵板付き舵及び副舵板付き舵による操舵方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舵性能、特に、後進時における舵性能に優れた副舵板付き舵及び副舵板付き舵による操舵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軸芯廻りに回動可能な舵軸に固定される主舵板の後部に副舵板の前部を固着したヒンジピンを回動可能に取り付けるとともに、舵軸とヒンジピンとの間にリンクピンを位置固定的に設け、リンクピンとヒンジピンを伸縮可能なリンク機構で連結した副舵板付き舵は、高い揚力を発生する、所謂、フラップ付き舵として知られている。この場合、副舵板(フラップ)は、舵軸、リンクピン、ヒンジピン及びリンク機構の関係から、主舵板の振れ(転舵)を更に増す方向に振れることになり、より高い揚力を発生する。
【0003】
例えば、今、面舵を切ろうとして、主舵板の後部を右側に振らすと、船尾は左方、船首は右方に旋回することになるが、このとき、副舵板はリンクピンとリンク機構の作用によってその後部を更に右側に振らすことになり、主舵板と副舵板とからなる舵板のキャンバーは好都合な方向に増し、結果的に大きな揚力を得ることになる。
【0004】
ところが、船体がバック、即ち、後進するときには、舵板に対する水流の方向が逆になり、上記した面舵のときには、船尾は右側、船首は左側に旋回しようとする。従って、このとき、主舵板と副舵板とが上記の関係にあると、キャンバーが逆の膨らみになって揚力がより低下することになる。
【0005】
ところで、本出願人は、先に、副舵板を主舵板と関係なく回動できるようにした案件を特開2000−185693として提案している。しかし、この案件は、元々は、オートパイロット航走時等において、副舵板付き舵の高揚力性を抑えるために低揚力化することを念頭においたものであり、その構造も、副舵板を舵軸を中心に回動するリンクピン保持部材で回動させるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようなことを踏まえた上で案出されたものであり、本来は固定すべきリンクピンを舵軸を中心に回動できるようにして副舵板を主舵板と関係なく転舵できるようにしたものであるが、この構成をより簡単にするとともに、後進時にも不都合のない操舵ができるようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、軸芯廻りに回動可能な舵軸に固定される主舵板の後部に副舵板の前部を固着したヒンジピンを回動可能に取り付けるとともに、舵軸に回転可能に設けられるリンクピン保持部材を取り付け、リンクピン保持部材の舵軸とヒンジピンとの間に位置にリンクピンを取り付ける一方、リンクピンとヒンジピンとを、ヒンジピンの上部に固定したスライダにリンクピンを固定したシューをスライド自在に嵌合したリンク機構で連結したことを特徴とする副舵板付き舵を提供する。
【0008】
このような副舵板付き舵によれば、副舵板の操舵、即ち、リンクピンの位置変更は、舵軸を中心に回動可能なリンクピン保持部材を回動させることによったものであるから、リンクピンを取り付けたリンクピン保持部材を舵軸に回動可能に嵌合すればよいことになり、その構造が簡単になる。又、ヒンジピンもリンクピンも、共に舵軸を中心に回動することになるから、作動が円滑である。
【0009】
又、本発明は、請求項2に記載した、船舶の後進時における上記副舵板付き舵による操舵方法であり、この操舵方法が、舵軸とリンクピン保持部材とを別個に回動させて主舵板及び副舵板をそれぞれ別々に操舵することを特徴とする副舵板付き舵による操舵方法を提供する。これによれば、後記したように種々の操舵方法が可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る副舵板付き舵の一部断面側面図、図2は平面図、図3は図2のA−A断面図であるが、この舵は、主舵板10と副舵板12とから構成される。主舵板10の頂部には平面視円形の舵頭盤14が設けられており、舵頭盤14は船体の底壁16に軸受18によって回転自在に支持されている。
【0011】
この場合、舵頭盤14の下面、則ち、主舵板10の頂部は底壁16の下面とほぼ同じレベル設定されており、加えて、副舵板12を操舵する後述のリンク機構等は舵頭盤14の上方の船体内に設けられている。従って、リンク機構等は水中に存在しておらず、水の抵抗が極めて少ない高効率の舵装置を具現している。主舵板10には、これの略中央で、これと一体化される舵軸20が舵頭盤14の中心を貫通して縦設されており、その上方露出部分に舵軸20を自動又は手動で回動させる主舵板駆動機構が取り付けられている(図示省略)。
【0012】
主舵板10の後部にはヒンジピン22が舵頭盤14を上方に突き抜けて回動自在に縦設されており、このヒンジピン22には副舵板12の前部が主舵板10の後方に連続する状態で固定されている。この場合の副舵板12の翼面積は、主舵板10の翼面積よりもかなり小さくしてある。そして、舵頭盤14の上方に突出するヒンジピン22の上端には、断面が凹形をして半径方向(舵軸20方向)に所定の長さを有するシュー24を取り付けている。
【0013】
一方、舵頭盤14の上方の舵軸20の途中には、リンクピン保持部材(以下、保持板という)26が舵軸20に落下しないように遊嵌されて回動可能に設けられており、この保持板26の下面にヒンジピン22までの長さよりも短い長さでリンクピン28が取り付けられている。リンクピン28は、上記したシュー24にスライド自在に嵌合するスライダ30に突入させられて一体化させられている。これにより、シュー24やスライダ30はヒンジピン22とリンクピン28とを伸縮可能に連結するものとなるから、ここではリンク機構32と総称する。
【0014】
図4は主舵板10と副舵板12の転舵状況を図1のBーB断面図で示したものであるが、以上の副舵板付き舵によれば、種々の操舵方法がある。まず、第一は、保持板26を固定して従来の副舵板付き舵と同じように操舵する方法である(b)。今、主舵板10、即ち、舵軸20をある方向に操舵角αで操舵すると、上記のリンク機構32により、副舵板12は常にリンクピン28の方向に向くことになるから、副舵板12は同じ方向に操舵角βで操舵されることになる。この場合、主舵板10の操舵角αに対して副舵板12の操舵角βは約二倍となるようにヒンジピン22とリンクピン28の配置を決めるのが最も効率の良い舵になると言われている。
【0015】
しかし、本発明のように、副舵板12を主舵板10とは独立して操舵できるようにしておくと、上記の関係に拘束されない操舵方法を取ることができる。例えば、保持板26の回動角度を通常よりも大きめにしたり小さめにすると、やや揚力を低下させて舵性能を落とすことができる。又、保持板26を主舵板10の操舵角αと同じ方向に同じ操舵角αで回動すれば、主舵板10と副舵板12とが一直線になった一枚舵とすることもできる(b)。更に、主舵板10を操舵角0°に固定して副舵板12のみを転舵すれば、低揚力の舵とすることができる(a)。いずれも、低揚力が好ましいオートパイロット等で航走しているときに有効である。
【0016】
以上は、前進時の操舵方法であるが、後進時には、主舵板10、副舵板12に対する水流の向きが逆になることから、これらのことが当てはまらないのは上記したとおりである。そこで、後進時には次のような操舵方法によるのが効果的である。即ち、ある操舵角αで転舵したときには、保持板26をこの方向にこの操舵角αを越える操舵角γで転舵する。すると、副舵板12は今までとは逆の方向に振れて(c)、後進時に好ましい方向のキャンバーを構成し、大きな揚力を得ることができる。船体の後進は、離接岸時に行われることが多いから、舵の鋭敏性を増すことは、このときの操船を安全で迅速なものにする。
【0017】
副舵板12の操舵は、主舵板10の操舵に伴って自動で行えるのが好ましい。このため、本例では、保持板26の前後(又は左右)に二基の油圧シリンダ34を据え、これで行うようにしている。具体的には、保持板26の前後(又は左右)に支柱36を立て、これに油圧シリンダ34のヘッド側をボルト38で枢着するとともに、保持板26の反リンクピン28側にピン40を穿ち、これに油圧シリンダ34のロッド34aを枢着しておくのである。
【0018】
尚、これらの構成を二基設けておき、一方が伸長すると、片方は縮短するように同期させておくのが好ましい。バランスを取るためと、出力に余裕を持たせるためであるが、勿論、一基であってもよい。更に、保持板26を自動的に動かす構成はこれに限定されないのは言うまでもない。具体的には、エンジンやモータ等の回転型駆動源で駆動するものであってもよい。
【0019】
ところで、この副舵板12の回動は、主舵板10を回動させた後でもよいし、同時でもよい。操舵時間を短くするためには、同時に操舵されるのが好ましいであろう。加えて、副舵板12の操舵方向や角度は、上記した種々の態様に応じて主舵板10の操舵に伴って自動的に設定されるようにしておくのが、正確で省力化できることからも好ましい。
【0020】
【発明の効果】
以上、本発明は、副舵板の回動、即ち、リンクピンの位置変更は、舵軸を中心に回動可能なリンクピン保持部材を回動させることによったものであるから、リンクピンを取り付けたリンクピン保持部材を舵軸に回動可能に嵌合すればよいことになり、構造が簡単になる。
【0021】
加えて、この舵によると、種々の操舵方法が可能になる。特に、船舶の後進時において、舵軸をある方向に回動させるときにリンクピン保持部材をその方向に当該舵角を越えて回動させるようにすれば、キャンバーも逆の膨らみとなり、大きな揚力を受けることになり、舵性能が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す副舵板付き舵の一部断面側面図である。
【図2】本発明の一例を示す副舵板付き舵の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である
【図4】図1のBーB断面図である。
【符号の説明】
10 主舵板
12 副舵板
20 舵軸
22 ヒンジピン
26 リンクピン保持部材
28 リンクピン
32 リンク機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、舵性能、特に、後進時における舵性能に優れた副舵板付き舵及び副舵板付き舵による操舵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軸芯廻りに回動可能な舵軸に固定される主舵板の後部に副舵板の前部を固着したヒンジピンを回動可能に取り付けるとともに、舵軸とヒンジピンとの間にリンクピンを位置固定的に設け、リンクピンとヒンジピンを伸縮可能なリンク機構で連結した副舵板付き舵は、高い揚力を発生する、所謂、フラップ付き舵として知られている。この場合、副舵板(フラップ)は、舵軸、リンクピン、ヒンジピン及びリンク機構の関係から、主舵板の振れ(転舵)を更に増す方向に振れることになり、より高い揚力を発生する。
【0003】
例えば、今、面舵を切ろうとして、主舵板の後部を右側に振らすと、船尾は左方、船首は右方に旋回することになるが、このとき、副舵板はリンクピンとリンク機構の作用によってその後部を更に右側に振らすことになり、主舵板と副舵板とからなる舵板のキャンバーは好都合な方向に増し、結果的に大きな揚力を得ることになる。
【0004】
ところが、船体がバック、即ち、後進するときには、舵板に対する水流の方向が逆になり、上記した面舵のときには、船尾は右側、船首は左側に旋回しようとする。従って、このとき、主舵板と副舵板とが上記の関係にあると、キャンバーが逆の膨らみになって揚力がより低下することになる。
【0005】
ところで、本出願人は、先に、副舵板を主舵板と関係なく回動できるようにした案件を特開2000−185693として提案している。しかし、この案件は、元々は、オートパイロット航走時等において、副舵板付き舵の高揚力性を抑えるために低揚力化することを念頭においたものであり、その構造も、副舵板を舵軸を中心に回動するリンクピン保持部材で回動させるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようなことを踏まえた上で案出されたものであり、本来は固定すべきリンクピンを舵軸を中心に回動できるようにして副舵板を主舵板と関係なく転舵できるようにしたものであるが、この構成をより簡単にするとともに、後進時にも不都合のない操舵ができるようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、軸芯廻りに回動可能な舵軸に固定される主舵板の後部に副舵板の前部を固着したヒンジピンを回動可能に取り付けるとともに、舵軸に回転可能に設けられるリンクピン保持部材を取り付け、リンクピン保持部材の舵軸とヒンジピンとの間に位置にリンクピンを取り付ける一方、リンクピンとヒンジピンとを、ヒンジピンの上部に固定したスライダにリンクピンを固定したシューをスライド自在に嵌合したリンク機構で連結したことを特徴とする副舵板付き舵を提供する。
【0008】
このような副舵板付き舵によれば、副舵板の操舵、即ち、リンクピンの位置変更は、舵軸を中心に回動可能なリンクピン保持部材を回動させることによったものであるから、リンクピンを取り付けたリンクピン保持部材を舵軸に回動可能に嵌合すればよいことになり、その構造が簡単になる。又、ヒンジピンもリンクピンも、共に舵軸を中心に回動することになるから、作動が円滑である。
【0009】
又、本発明は、請求項2に記載した、船舶の後進時における上記副舵板付き舵による操舵方法であり、この操舵方法が、舵軸とリンクピン保持部材とを別個に回動させて主舵板及び副舵板をそれぞれ別々に操舵することを特徴とする副舵板付き舵による操舵方法を提供する。これによれば、後記したように種々の操舵方法が可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る副舵板付き舵の一部断面側面図、図2は平面図、図3は図2のA−A断面図であるが、この舵は、主舵板10と副舵板12とから構成される。主舵板10の頂部には平面視円形の舵頭盤14が設けられており、舵頭盤14は船体の底壁16に軸受18によって回転自在に支持されている。
【0011】
この場合、舵頭盤14の下面、則ち、主舵板10の頂部は底壁16の下面とほぼ同じレベル設定されており、加えて、副舵板12を操舵する後述のリンク機構等は舵頭盤14の上方の船体内に設けられている。従って、リンク機構等は水中に存在しておらず、水の抵抗が極めて少ない高効率の舵装置を具現している。主舵板10には、これの略中央で、これと一体化される舵軸20が舵頭盤14の中心を貫通して縦設されており、その上方露出部分に舵軸20を自動又は手動で回動させる主舵板駆動機構が取り付けられている(図示省略)。
【0012】
主舵板10の後部にはヒンジピン22が舵頭盤14を上方に突き抜けて回動自在に縦設されており、このヒンジピン22には副舵板12の前部が主舵板10の後方に連続する状態で固定されている。この場合の副舵板12の翼面積は、主舵板10の翼面積よりもかなり小さくしてある。そして、舵頭盤14の上方に突出するヒンジピン22の上端には、断面が凹形をして半径方向(舵軸20方向)に所定の長さを有するシュー24を取り付けている。
【0013】
一方、舵頭盤14の上方の舵軸20の途中には、リンクピン保持部材(以下、保持板という)26が舵軸20に落下しないように遊嵌されて回動可能に設けられており、この保持板26の下面にヒンジピン22までの長さよりも短い長さでリンクピン28が取り付けられている。リンクピン28は、上記したシュー24にスライド自在に嵌合するスライダ30に突入させられて一体化させられている。これにより、シュー24やスライダ30はヒンジピン22とリンクピン28とを伸縮可能に連結するものとなるから、ここではリンク機構32と総称する。
【0014】
図4は主舵板10と副舵板12の転舵状況を図1のBーB断面図で示したものであるが、以上の副舵板付き舵によれば、種々の操舵方法がある。まず、第一は、保持板26を固定して従来の副舵板付き舵と同じように操舵する方法である(b)。今、主舵板10、即ち、舵軸20をある方向に操舵角αで操舵すると、上記のリンク機構32により、副舵板12は常にリンクピン28の方向に向くことになるから、副舵板12は同じ方向に操舵角βで操舵されることになる。この場合、主舵板10の操舵角αに対して副舵板12の操舵角βは約二倍となるようにヒンジピン22とリンクピン28の配置を決めるのが最も効率の良い舵になると言われている。
【0015】
しかし、本発明のように、副舵板12を主舵板10とは独立して操舵できるようにしておくと、上記の関係に拘束されない操舵方法を取ることができる。例えば、保持板26の回動角度を通常よりも大きめにしたり小さめにすると、やや揚力を低下させて舵性能を落とすことができる。又、保持板26を主舵板10の操舵角αと同じ方向に同じ操舵角αで回動すれば、主舵板10と副舵板12とが一直線になった一枚舵とすることもできる(b)。更に、主舵板10を操舵角0°に固定して副舵板12のみを転舵すれば、低揚力の舵とすることができる(a)。いずれも、低揚力が好ましいオートパイロット等で航走しているときに有効である。
【0016】
以上は、前進時の操舵方法であるが、後進時には、主舵板10、副舵板12に対する水流の向きが逆になることから、これらのことが当てはまらないのは上記したとおりである。そこで、後進時には次のような操舵方法によるのが効果的である。即ち、ある操舵角αで転舵したときには、保持板26をこの方向にこの操舵角αを越える操舵角γで転舵する。すると、副舵板12は今までとは逆の方向に振れて(c)、後進時に好ましい方向のキャンバーを構成し、大きな揚力を得ることができる。船体の後進は、離接岸時に行われることが多いから、舵の鋭敏性を増すことは、このときの操船を安全で迅速なものにする。
【0017】
副舵板12の操舵は、主舵板10の操舵に伴って自動で行えるのが好ましい。このため、本例では、保持板26の前後(又は左右)に二基の油圧シリンダ34を据え、これで行うようにしている。具体的には、保持板26の前後(又は左右)に支柱36を立て、これに油圧シリンダ34のヘッド側をボルト38で枢着するとともに、保持板26の反リンクピン28側にピン40を穿ち、これに油圧シリンダ34のロッド34aを枢着しておくのである。
【0018】
尚、これらの構成を二基設けておき、一方が伸長すると、片方は縮短するように同期させておくのが好ましい。バランスを取るためと、出力に余裕を持たせるためであるが、勿論、一基であってもよい。更に、保持板26を自動的に動かす構成はこれに限定されないのは言うまでもない。具体的には、エンジンやモータ等の回転型駆動源で駆動するものであってもよい。
【0019】
ところで、この副舵板12の回動は、主舵板10を回動させた後でもよいし、同時でもよい。操舵時間を短くするためには、同時に操舵されるのが好ましいであろう。加えて、副舵板12の操舵方向や角度は、上記した種々の態様に応じて主舵板10の操舵に伴って自動的に設定されるようにしておくのが、正確で省力化できることからも好ましい。
【0020】
【発明の効果】
以上、本発明は、副舵板の回動、即ち、リンクピンの位置変更は、舵軸を中心に回動可能なリンクピン保持部材を回動させることによったものであるから、リンクピンを取り付けたリンクピン保持部材を舵軸に回動可能に嵌合すればよいことになり、構造が簡単になる。
【0021】
加えて、この舵によると、種々の操舵方法が可能になる。特に、船舶の後進時において、舵軸をある方向に回動させるときにリンクピン保持部材をその方向に当該舵角を越えて回動させるようにすれば、キャンバーも逆の膨らみとなり、大きな揚力を受けることになり、舵性能が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す副舵板付き舵の一部断面側面図である。
【図2】本発明の一例を示す副舵板付き舵の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である
【図4】図1のBーB断面図である。
【符号の説明】
10 主舵板
12 副舵板
20 舵軸
22 ヒンジピン
26 リンクピン保持部材
28 リンクピン
32 リンク機構
Claims (2)
- 軸芯廻りに回動可能な舵軸に固定される主舵板の後部に副舵板の前部を固着したヒンジピンを回動可能に取り付けるとともに、舵軸に回転可能に設けられるリンクピン保持部材を取り付け、リンクピン保持部材の舵軸とヒンジピンとの間に位置にリンクピンを取り付ける一方、リンクピンとヒンジピンとを、ヒンジピンの上部に固定したスライダにリンクピンを固定したシューをスライド自在に嵌合したリンク機構で連結したことを特徴とする副舵板付き舵。
- 請求項1の副舵板付き舵による操舵方法であり、この操舵方法が、舵軸とリンクピン保持部材とを別個に回動させて主舵板及び副舵板をそれぞれ別々に操舵することを特徴とする副舵板付き舵による操舵方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001293211A JP3557185B2 (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 副舵板付き舵及び副舵板付き舵による操舵方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001293211A JP3557185B2 (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | 副舵板付き舵及び副舵板付き舵による操舵方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003095193A JP2003095193A (ja) | 2003-04-03 |
JP3557185B2 true JP3557185B2 (ja) | 2004-08-25 |
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KR102311809B1 (ko) * | 2017-11-24 | 2021-10-08 | 주식회사 엘지에너지솔루션 | 분리막 및 이를 포함하는 전기화학소자 |
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2001
- 2001-09-26 JP JP2001293211A patent/JP3557185B2/ja not_active Expired - Fee Related
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