JP3556307B2 - アクティブマトリクス表示装置 - Google Patents

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JP3556307B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アクティブマトリクス表示装置の表示画面の画質向上をはかる回路および素子に関する。本発明の対象とするアクティブマトリクス表示装置とは、液晶を用いるもの以外にも、プラズマ発光を用いるもの(プラズマ・ディスプレー=PDP)やエレクトロ・ルミネッセンス(=EL)を用いるものも含む。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクス表示装置とは、マトリクス状に配置された画素の各々にスイッチング素子を設けたものであり、大容量の表示をおこなえ、表示特性(コントラスト)等も良いという特徴を有する。図1(A)には、スイッチング素子として1つの薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス表示装置の概略図を示す。図中の破線で囲まれた領域(104)が表示領域であり、その中に薄膜トランジスタ(101)がマトリクス状に配置されている。前記薄膜トランジスタ(101)のソース電極に接続している配線が画像(データ)信号線(106)であり、前記薄膜トランジスタ(101)のゲート電極に接続している配線がゲート(選択)信号線(105)である。
【0003】
ここで、スイッチング素子について着目すると、前記薄膜トランジスタ(101)はデータのスイッチングをおこない、このときに画像信号線(106)に供給された電圧が液晶等の画素セル(103)に供給される。補助容量(102)は、画素セルの容量を補強するためのコンデンサで画像データの保持用として用いられる。薄膜トランジスタのソースを固定し、ゲートに逆バイアス(すなわち、Nチャネル型では負、Pチャネル型では正の電圧)を印加すると、トランジスタのチャネルが形成されないので、ソース/ドレイン間には電流が流れないはずなのだが、実際には逆バイアスの電圧が大きくなるにしたがって、大きな電流が流れるようになる。これをOFF電流という。
【0004】
Nチャネル形薄膜トランジスタの場合、ゲートを負にバイアスした時のOFF電流は、半導体薄膜の表面に誘起されるP型層と、ソース領域及びドレイン領域のN型層との間に形成されるPN接合を流れる電流により規定される。そして、半導体薄膜中には多くのトラップが存在するため、このPN接合は不完全であり接合リーク電流が流れやすい。ゲート電極を負にバイアスするほどOFF電流が増加するのは半導体薄膜の表面に形成されるP型層のキャリア濃度が増加してPN接合のエネルギー障壁の幅が狭くなるため、電界の集中が起こり、接合リーク電流が増加することによるものである。
【0005】
このようにして生じるOFF電流は、ソース/ドレイン電圧に大きく依存する。例えば、薄膜トランジスタのソース/ドレイン間に印加される電圧が大きくなるにしたがって、OFF電流が飛躍的に増大することが知られている。すなわち、ソース/ドレイン間に5Vの電圧を加えた場合と10Vの電圧を加えた場合とでは、後者のOFF電流は前者の2倍ではなく、10倍にも100倍にもなる場合がある。また、このような非線型性はゲート電圧にも依存する。一般にゲート電極の逆バイアスの値が大きい場合(Nチャネル型では、大きなマイナス電圧)には、両者の差が著しい。OFF電流は、薄膜トランジスタのチャネルに低濃度不純物領域(LDD)もしくはオフセット領域を形成することによってある程度低減できる。
【0006】
OFF電流は画素セルの電圧が当初のものから変動することを意味している。この変動は画素セルおよびそれと並列に接続された容量素子の容量が大きいほど小さくなる。補助四量(102)はそのような目的のために設けられる。
また、OFF電流自体を少なくすることも考えられる。例えば、特公平5−44195と特公平5−44196に記述されているように、薄膜トランジスタを直列に接続する方法(マルチゲート法)が提案されている。これは、個々の薄膜トランジスタのソース/ドレインに印加される電圧を減少させることによって、個々の薄膜トランジスタのOFF電流を低減せしめることを意図している。
【0007】
例えば、図1(B)のように2個の薄膜トランジスタを直列に接続した場合、薄膜トランジスタ(111)および(112)のソース/ドレインに印加される電圧は半分になる。ソース/ドレインに印加される電圧が半分になれば、前述の議論からOFF電流は1/10にも1/100にもなる。
この場合にも補助容量(113)を設けることにより、さらに画素セルの電圧の変動を小さくできる。
【0008】
また、Okumura他の開示するように(International Workshop On Active−Matrix Liquid−Crystal Displays Nov. 30−Dec. 1, 1994, Digest of Technical Papers, pp24−27)、直列接続された2つの薄膜トランジスタの間に容量素子を設けてもOFF電流を低減することができ、画素セルの電圧変動を小さくすることができる。(図1(C))
【0009】
この場合の具体的な動作について述べると、ゲート信号線(126)に選択信号が送られたときに、薄膜トランジスタ(121)、(122)がどちらもONとなり、画像信号線(126)の信号に応じて、容量(123)画素セル(124)が充電される。十分に充電がなされた(平衡)段階では、薄膜トランジスタ(122)のソース/ドレイン間の電圧はほぼ等しい状態となる。
【0010】
この状態で選択信号が切られると、薄膜トランジスタ(121)、(122)はいずれもOFFとなる。その後、画像信号線(126)には他の画素の信号が印加されており、薄膜トランジスタ(121)は有限のOFF電流があるので、容量(123)に充電された電荷が放出され、電圧が低下することとなる。しかし、この速度は、図1(A)で示した通常のアクティブマトリクス回路の容量(102)の電圧降下と同じ程度の速度で進行する。
【0011】
一方、薄膜トランジスタ(122)に関しては、当初、ソース/ドレイン間の電圧がほぼ0であったために、OFF電流は極めて僅かであったが、その後、容量(123)の電圧が降下するため、徐々にソース/ドレイン間の電圧が増加し、したがって、OFF電流も増加することとなる。しかしながら、このOFF電流の増加による画素セル(124)の電圧降下は、図1(A)に示す通常のアクティブマトリクス回路におけるものよりも十分に緩やかである。
【0012】
図1(A)および(B)の場合には補助容量は大きければ大きいほど電位変動を小さくできたが、図1(C)においては、電位変動を最も小さくするには、補助容量(123)の大きさを画素セル(124)の容量との比率において最適なものを決定しなければならない。
図1(D)のように、さらに、画素セルに並列に容量(134)を付加すればより効果的である。(図1(D))
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図1の各々に示したように、補助容量を用いることにより、画素セルの電圧の変動を低減することができる。しかしながら、従来は、このような容量素子を作製するために画素セルのうち、表示に使用できる面積の比率(開口率)が低下したり、プロセスが複雑化することがあった。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、実質真性の半導体表面に誘起させたチャネルをもちいて静電容量(MOS容量ともいう)を形成するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では、図1の補助容量(102)、(113)、(123)、(133)、(134)を薄膜トランジスタを用いて構成することにより、上記の課題を解決する。すなわち、一般的に容量素子は、図2に示すように、薄膜トランジスタを用いた回路によって置き換えることができる。すなわち、図2(A)に示すように、薄膜トランジスタのソース/ドレインを短絡し、ゲートを適切な正の電位(薄膜トランジスタがNチャネル型の場合)に保持すれば、点a、bの電位の変動をそれほど受けずに安定して容量素子を形成できる。また、図2(A)に示すように、薄膜トランジスタのソース/ドレインを短絡しなくても、同様な容量素子を形成できる。
【0015】
このような容量素子は、特にMIS(金属−絶縁体−半導体)容量と呼ばれる。なお、図2(B)で示す回路においては、チャネルが誘起されている状態であっても、チャネルの抵抗成分は無視できないので、厳密には、点a−b間には抵抗が挿入された回路として表される。
【0016】
例えば、図1(A)の補助容量(102)を図2(A)もしくは(B)の薄膜トランジスタのMIS容量置き換えたとする。画像信号が−10V〜+10Vで変動する場合には、薄膜トランジスタのゲートは+15V以上、好ましくは+20V以上の電位に常に保たれることが望ましい。例えば、薄膜トランジスタのゲートの電位が+11Vであれば、ゲート/ソース間の電位差はしきい値電圧の近辺の+1〜+11Vの間で変動し、薄膜トランジスタにおいて得られる容量も大きく変動する。これに対して、薄膜トランジスタのゲートの電位が+20Vであれば、ゲート/ソース間の電位差は+10〜+30Vの間で変動するものの、しきい値電圧からは十分に離れているので、薄膜トランジスタにおいて得られる容量の変動はほとんどない。
【0017】
この場合の、補助容量の薄膜トランジスタのゲートには常に上記の電位が印加されている必要はない。すなわち、表示装置において補助容量が機能する期間のみ上記の電位が保持されていればよいことは自明であろう。また、当該行が選択されている間は、画素セルとの電荷の移動があるので、薄膜トランジスタはON状態となるべく、上記の電位が与えられなければならない。
一方、補助容量とすべき薄膜トランジスタのゲートに逆バイアスを与えれば、薄膜トランジスタはOFF状態のトランジスタとなり、等価的には、2つのトランジスタが直列された回路と同等となる。したがって、補助容量とすべき薄膜トランジスタもゲートの電位を適切に制御することにより、より多彩な機能を利用できる。
【0018】
図2(A)、(B)においては、薄膜トランジスタとしてNチャネル型のものを例示したが、Pチャネル型のものでもよい。その場合には、ゲートに印加される電位は負となる。容量用の薄膜トランジスタの形成は、他の薄膜トランジスタの形成と同様におこなえるため、集積化の点で有効である。
また、薄膜トランジスタを容量素子とした場合には、ゲート酸化膜が誘電体となり、膜厚、膜質の点で好ましいものであった。
【0019】
同様なことは以前にもなされていたが、容量素子作製のために、新たな工程が必要であった。従来の一般的な方法は図13に示すようなもので、基板(151)および下地膜(152)上に形成された実質的に真性な半導体被膜(153)の容量素子を形成する部分にN型もしくはP型の領域(154)を形成する必要があった。(図13(A))
そして、ゲート絶縁膜(155)、ゲート電極(156)、(157)と容量電極(158)を形成した後、ゲート電極・容量電極をマスクとして領域(154)と同じ導電型の不純物のドーピングをおこない、不純物領域(159)、(160)、(161)を形成する。(図13(A))
【0020】
ここで、容量電極(158)は容量素子を形成するためのもので、その下の半導体領域は不純物がドーピングされて導電性が良好であるため、容量電極(158)に特に電圧が印加されなくとも容量素子として機能する。しかしながら、不純物領域(154)のドーピングのために余計な工程が必要であった。これに対し、本発明では、容量素子を薄膜トランジスタを用いて構成するため、このように工程が増えることはない。
なお、図2の薄膜トランジスタのチャネルにLDD領域またはオフセット領域を入れると、それらの領域はドレイン抵抗・ソース抵抗となるため、ドレイン接合の電界強度を緩和させ、さらにOFF電流を減少させることができる。
【0021】
図1に示した補助容量を図2(A)、(B)で示した回路で置き換えただけのもの以外にも、図3に示すような各回路も、本発明に含まれる。図3(A)は図1(A)の補助容量(102)を薄膜トランジスタ(302)と通常の容量素子(303)によって構成したもので、薄膜トランジスタ(302)のゲート電極と通常の容量素子(303)の電極は、容量線に接続され、、薄膜トランジスタ(302)は適切な容量を示すように容量線は適切な電位に保持される。なお、薄膜トランジスタ(301)は図1(A)の薄膜トランジスタ(101)に相当する。(図3(A))
【0022】
このように、薄膜トランジスタと通常の容量素子を並列に接続し、かつ、薄膜トランジスタのゲート電極と通常の容量素子の電極を容量線に接続するという回路で、図1の各補助容量を置き換えてもよい。
図3(B)は図1(D)の補助容量(133)を薄膜トランジスタを用いて構成したものであり、また、図3(C)は図1(D)の補助容量(134)を薄膜トランジスタを用いて構成したものである。いずれも、通常の容量素子(314)、(324)の電極は、薄膜トランジスタ(312)、(322)のゲート電極と同じ容量線と接続すると配線の配置の上で効果的である。
【0023】
図3(D)は図1(D)の補助容量(133)、(134)の双方を薄膜トランジスタを用いて構成したものであり、薄膜トランジスタ(332)、(334)のゲート電極は容量線に接続される。図3においては、いずれも図2(B)の構造の素子を用いた例を示したが、図2(A)に示される素子を用いても全く同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例は薄膜トランジスタを中心としたアクティブマトリクス回路のスイッチング素子等の作製工程に関するものである。本実施例では、ゲート電極を陽極酸化することにより、オフセットゲートを構成し、OFF電流を低減することを特色とする。なお、ゲート電極を陽極酸化する技術は特開平5−267667に開示されている。
【0025】
図6の(A)〜(D)に本実施例の工程を示す。まず、基板(401)(コーニング7059、100mm×100mm)上に、下地膜として酸化珪素膜(402)を1000〜5000Å、例えば、3000Åに成膜した。この酸化珪素膜の成膜には、TEOSをプラズマCVD法によって分解・堆積して成膜した。この工程はスパッタ法によっておこなってもよい。
【0026】
その後、プラズマCVD法やLPCVD法によってアモルファスシリコン膜を300〜1500Å、例えば、500Å堆積し、これを550〜600℃の雰囲気に8〜24時間放置して、結晶化せしめた。その際には、ニッケルを微量添加して結晶化を促進せしめてもよい。ニッケル・コバルト等を添加することによって結晶化を促進せしめ、結晶化温度・結晶化時間を低下・短縮する技術は特開平6−244104に示されている。
【0027】
この工程は、レーザー照射等の光アニールによっておこなってもよい。また、熱アニールと光アニールを組み合わせてもよい。
そして、このように結晶化させたシリコン膜をエッチングして、島状領域(403)を形成した。さらに、この上にゲート絶縁膜(404)を形成した。ここでは、プラズマCVD法によって厚さ700〜1500Å、例えば、1200Åの酸化珪素膜を形成した。この工程はスパッタ法によっておこなってもよい。
【0028】
その後、厚さ1000Å〜3μm、例えば、5000Åのアルミニウム(1wt%のSi、もしくは0.1〜0.3wt%のScを含む)膜をスパッタ法によって形成して、これをエッチングしてゲート電極(405)、(406)、(407)を形成した。(図6(A))
【0029】
そして、ゲート電極に電解溶液中で電流を通じて陽極酸化し、厚さ500〜2500Å、例えば、2000Åの陽極酸化物を形成した。用いた電解溶液は、L−酒石酸をエチレングリコールに5%の濃度に希釈し、アンモニアを用いてpHを7.0±0.2に調整したものである。その溶液中に基板を浸し、定電流源の+側を基板上のゲイト電極に接続し、−側には白金の電極を接続して20mAの定電流状態で電圧を印加し、150Vに達するまで酸化を継続した。さらに、150Vの定電圧状態で、電流が0.1mA以下になるまで酸化を継続した。この結果、厚さ2000Åの酸化アルミニウム被膜(408)、(409)、(410)が得られた。
【0030】
その後、イオンドーピング法によって、島状領域(403)に、ゲート電極部(すなわち、ゲート電極とその周囲の陽極酸化物被膜)をマスクとして自己整合的に不純物(ここでは燐)を注入し、N型不純物領域を形成した。ここで、ドーピングガスとしてはフォスフィン(PH )を用いた。この場合のドーズ量は1×1014〜5×1015原子/cm、加速電圧は60〜90kV、例えば、ドーズ量を1×1015原子/cm、加速電圧は80kVとした。この結果、N型不純物領域(411)〜(414)が形成された。(図6(B))
【0031】
さらに、KrFエキシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングされた不純物領域(411)〜(414)の活性化をおこなった。レーザーのエネルギー密度は200〜400mJ/cm 、好ましくは250〜300mJ/cm が適当であった。この工程は熱アニールによっておこなってもよい。特に触媒元素(ニッケル等)を含有しておれば、通常の場合に比較して低温の熱アニールで活性化できる(特開平6−267989)。
【0032】
このようにしてN型不純物領域が形成されたのであるが、本実施例では、陽極酸化物の厚さ分だけ不純物領域がゲート電極から遠い、いわゆるオフセットゲートとなっていることがわかる。
次に、層間絶縁膜として、プラズマCVD法によって酸化珪素膜(415)を厚さ5000Åに成膜した。このとき、原料ガスにTEOSと酸素を用いた。そして、層間絶縁膜(415)、ゲート絶縁膜(404)のエッチングをおこない、N型不純物領域(411)にコンタクトホールを形成した。その後、アルミニウム膜をスパッタ法によって形成し、エッチングしてソース電極・配線(416)を形成した。これは画像信号線の延長である。(図6(C))
【0033】
その後、パッシベーション膜(417)を形成した。ここでは、NH/SiH/H混合ガスを用いたプラズマCVD法によって窒化珪素膜を2000〜8000Å、例えば、4000Åの膜厚に成膜して、パッシベーション膜とした。そして、パッシベーション膜(417)、層間絶縁膜(415)、ゲート絶縁膜(404)のエッチングをおこない、陽極酸化物被膜(409)上に開孔部を、また、N型不純物領域(414)に画素電極のコンタクトホールを形成した。そして、インディウム錫酸化物(ITO)被膜をスパッタ法によって成膜し、これをエッチングして画素電極(418)を形成した。
【0034】
画素電極(418)は陽極酸化物被膜(409)を挟んで、ゲート電極(406)と対向し、容量(419)を形成した。また、N型不純物領域(412)と(413)を同電位に保てば、ゲート電極(406)とその下のシリコン半導体との間にゲート絶縁膜(404)を誘電体としたMIS容量が形成される。(図6(D))
【0035】
以上のような工程により、Nチャネル型薄膜トランジスタ(421)、(422)と容量(419)、(420)を有するアクティブマトリクス回路素子が形成された。ゲート電極(405)、(407)はゲート信号線に、また、ゲート電極(406)が容量線に接続され、それぞれに信号が与えられる。すなわち、ゲート電極(406)を適切な電位とすることにより、ゲート電極の下の実質真性の半導体領域にチャネルを誘起せしめることができ、容量が形成される。
【0036】
なお、本実施例では、画素電極はMIS容量のゲート(容量線)と容量を形成するので、図3(B)に示される回路と同じである。また、本実施例では、ゲートが3本も存在するが、コンタクトは2か所で済み、かつ、容量は多層配線を利用して構成されているので専有面積は小さい。
【0037】
なお、MIS容量と直列に抵抗を挿入すると、OFF電流低減の上で効果が大きい。そのためには、不純物ドーピングを高濃度(本実施例図6(B)の工程)と低濃度の2段階おこない、図4に示すように、特に、ゲート電極(406)の近傍にのみ低濃度不純物領域(480)を形成せしめるとよい。低濃度不純物領域は他の不純物領域(411)〜(414)に比較して、シート抵抗が高いため、図2(B)に相当する素子を用いた場合(上面図を図4(A)に示す)では、図4(B)に示すような回路が得られる。(図4(A)、(B))
図2(A)に相当する素子を用いた場合(上面図を図4(C)に示す)でも、同様に、図4(D)に示すような回路が得られる。(図4(C)、(D))
いずれの場合にも抵抗(480)はOFF電流を低減する効果を有する。
【0038】
MIS容量として標準的な薄膜トランジスタを使用する場合には、チャネル幅は一般に小さいものであるから、ゲート(406)の幅を十分に大きくしなければ、十分な容量を確保することが難しい。そのような場合には、図5(A)〜(C)のように島状領域を変形して、概略コの字型(もしくはU字型、もしくは馬蹄型)とし、これにゲート信号線と容量線を重ねればよい。すなわち、半導体被膜はゲート信号線(すなわち、ゲート電極(405)と(407))と2か所の重なる部分と、容量線(すなわち、ゲート電極(406))と1か所の重なる部分を有する。そして、ゲート信号線は容量線と平行に形成される。この場合は、ゲート(405)と(407)を同一直線上に形成できるため、レイアウトの面で有利である。
【0039】
図5(A)においては、ゲート電極(406)が半導体領域を分断するため図2(B)と同様な回路となる。図5(A)の構造の特徴を述べれば、半導体領域には、画像信号線とコンタクトを有する領域(411)と、画素電極とコンタクトを有する領域(414)と、容量線とゲート信号線とによって分離された2つのN型(もしくはP型)導電型を示す領域(412)、(413)とが形成される。
なお、図5(B)に示すように容量線と半導体被膜とが完全に重ならず、一部半導体被膜のはみだした領域(481)が形成されても何ら問題はない。必要なことは領域(412)と(413)がゲート信号線、すなわち、ゲート電極(405)と(407)と容量線、すなわち、ゲート電極(406)によって完全に分離されていることである。
【0040】
一方、図5(C)においては、ゲート電極(406)によって半導体領域(412)と(413)を分断されないので、図2(A)と同様な回路となる。
以上のように主として半導体被膜(活性層)の形状を工夫することにより、回路の集積度を向上させることができる。同様に、半導体被膜を概略N字型もしくはS字型として、これに行選択信号線やゲート信号線を重ねれば、より多くの薄膜トランジスタやMIS容量を形成できる。
【0041】
〔実施例2〕
図6(E)に本実施例の断面を示す。本実施例では、Nチャネル型薄膜トランジスタ(452)、(453)とその間にゲート(454)を形成し、その下のシリコン半導体との間にゲート絶縁膜を誘電体としてMIS容量(450)が形成される。また、薄膜トランジスタ(453)と画素電極(457)のコンタクトの間にもゲート(455)を形成し、同様にMIS容量(451)が形成される。一方、金属配線(456)は画像信号線の延長である。
【0042】
本実施例では、ゲート(454)、(455)は容量線に接続され、その他のゲートはゲート信号線に接続される。薄膜トランジスタ(452)、(453)の間に第1のMIS容量(450)が形成され、画素電極(457)と薄膜トランジスタ(453)の間に第2のMIS容量(451)が形成されているので、図3(D)に相当する。本実施例ではゲートが4本も存在するが、コンタクトは2つで済むので専有面積は比較的小さい。
【0043】
〔実施例3〕
図6(F)に本実施例の断面を示す。本実施例では、Nチャネル型薄膜トランジスタ(472)、(473)とその間から金属配線(474)を引き出し、これを薄膜トランジスタ(473)と画素電極(476)との間に設けたゲート(477)の上面に延長し、陽極酸化物を誘電体として容量(470)を構成している。一方、ゲート(477)においてはその下のシリコン半導体との間にゲート絶縁膜を誘電体としてM1S容量(471)が形成される。
【0044】
また、金属配線(475)は画像信号線の延長である。ゲート(470)は容量線に接続され、その他のゲートはゲート信号線に接続される。
本実施例ではMIS容量のゲート(471)と薄膜トランジスタ(472)、(473)から延在した配線(474)の間に容量が形成され、MIS容量は画素電極(476)と並列に存在するので、図3(C)に相当する。
【0045】
〔実施例4〕
図7に本実施例の工程を示す。まず、基板(501)上に、下地酸化珪素膜(502)(厚さ2000Å)を堆積し、結晶性シリコン膜によって島状領域(503)を形成した。さらに、この上にゲート絶縁膜(504)を形成した。
その後、厚さ、5000Åのアルミニウム膜をスパッタ法によって形成した。後の多孔質陽極酸化物被膜形成工程におけるフォトレジストとの密着性の改善のために、アルミニウム膜表面に厚さ100〜400Åの薄い陽極酸化膜を形成してもよい。
【0046】
その後、スピンコーティング法によって厚さ1μm程度のフォトレジストを形成した。そして、公知のフォトリソグラフィー法によって、ゲート電極(505)、(506)、(507)をエッチングにより形成した。ゲート電極上には、フォトレジストのマスク(508)、(509)、(510)を残存させた。(図7(A))
【0047】
次に、基板を10%シュウ酸水溶液に浸し、定電流源の+側を基板上のゲイト電極(505)、(507)に接続し、−側には白金の電極を接続して陽極酸化をおこなった。この技術は特開平6−338612に開示されている。このとき、5〜50V、例えば、8Vの定電圧で、10〜500分、例えば、200分陽極酸化をおこなうことによって、厚さ5000Åの多孔質の陽極酸化物(511)、(512)をゲート電極(505)、(507)の側面に形成した。得られた陽極酸化物は多孔質であった。ゲート電極の上面には、マスク材(508)、(510)が存在するために陽極酸化はほとんど進行しなかった。また、ゲート電極(506)には電流を通じなかったので、陽極酸化物は形成されなかった。(図7(B))
【0048】
その後、マスク材を除去してゲイト電極上面を露出させた。そして、実施例1と同様にL−酒石酸をエチレングリコールに5%の濃度に希釈し、アンモニアを用いてpHを7.0±0.2に調整した電解溶液中でゲート電極(505)、(506)、(507)に電流を通じて陽極酸化し、厚さ500〜2500Å、例えば、2000Åの陽極酸化物を形成した。この結果、厚さ2000Åの緻密な酸化アルミニウム被膜(513)、(514)、(515)が得られた。
【0049】
その後、イオンドーピング法によって、島状シリコン領域(503)に、ゲイト電極部をマスクとして自己整合的に不純物(ここでは硼素)を注入し、P型不純物領域を形成した。ここで、ドーピングガスとしてはジボラン(B)を用いた。この場合のドーズ量は1×1014〜5×1015原子/cm、加速電圧は40〜90kV、例えば、ドーズ量を1×1015cm−2、加速電圧は65kVとした。この結果、P型不純物領域(516)〜(519)が形成された。(図7(C))
【0050】
さらに、KrFエキシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングされた不純物領域(516)〜(519)の活性化をおこなった。
次に、層間絶縁膜として、プラズマCVD法によって酸化珪素膜(520)を厚さ3000Åに成膜した。さらに、層間絶縁膜(520)、ゲイト絶縁膜(504)のエッチングをおこない、P型不純物領域(516)にコンタクトホールを形成した。その後、アルミニウム膜をスパッタ法によって形成し、エッチングして画像信号線(521)を形成した。(図7(D))
【0051】
その後、パッシベーション膜(522)を形成し、パッシベーション膜(522)、層間絶縁膜(520)、ゲイト絶縁膜(504)のエッチングをおこない、陽極酸化物被膜(514)上に開孔部を、また、P型不純物領域(519)に画素電極のコンタクトホールを形成した。そして、ITOを成膜、エッチングして画素電極(523)を形成した。画素電極(523)は陽極酸化物被膜(514)を誘電体としてゲート電極(506)と対向し、容量を形成している。また、P型不純物領域(517)と(518)を同電位に保てば、ゲート電極(506)とその下のシリコン半導体との間にゲート絶縁膜(504)を誘電体としたMIS容量が形成される。(図7(E))
【0052】
以上のような工程により、Pチャネル型薄膜トランジスタ(526)、(527)と容量(524)、MOS容量(525)を有するアクティブマトリクス回路素子が形成された。ゲート(505)、(507)はゲート信号線に、ゲート(506)は容量線に接続される。本実施例では、画素電極はMIS容量のゲートと容量を形成するので、図3(B)に示される回路と同じである。
【0053】
〔実施例5〕
図8に本実施例の工程を示す。まず、基板(601)上に、下地酸化珪素膜(602)(厚さ2000Å)を堆積し、結晶性シリコン膜によって島状領域(603)を形成した。さらに、この上にゲート絶縁膜(604)を形成した。
その後、実施例4と同様な技術を用いて、バリヤ型陽極酸化物で被覆されたアルミニウムを主成分とするゲート電極(605)〜(607)を形成した。本実施例では中央のゲート電極のみが側面に多孔質の陽極酸化物(608)を有する構成とした。(図8(A))
【0054】
次に、ドライエッチング法によって、ゲート絶縁膜(604)をエッチングした。この結果、ゲート電極(605)〜(607)およびその陽極酸化物の下の部分にのみ、ゲート絶縁膜(609)〜(611)が残存した。(図8(B))
その後、多孔質陽極酸化物(608)を選択的に除去した。この工程に関しては、特開平6−338612に開示されている。(図8(C))
【0055】
その後、イオンドーピング法によって、島状シリコン領域(603)に、ゲイト電極部およびゲート絶縁膜(610)をマスクとして自己整合的に不純物(ここでは燐)を注入し、N型不純物領域を形成した。本実施例では、ドーピングを実質的に2段階おこなった。すなわち、高加速電圧・低ドーズと低加速電圧・高ドーズである。
前者の例としては、例えば、加速電圧80kV、ドーズ量1×1013原子/cm、後者の例としては加速電圧20kV、ドーズ量を5×1014原子/cmとした。
【0056】
前者のドーピングでは、イオンに高い加速エネルギーを付与することができるのでゲート絶縁膜(610)を通してドーピングをおこなうことができるが、そのときに形成される不純物領域の不純物濃度は低い。一方、後者のドーピングでは高濃度の不純物領域を形成できるが、ゲート絶縁膜(610)を通してドーピングをおこなうことができない。その結果、高濃度N型領域(612)〜(615)と低濃度N型領域(616)、(617)を作りわけることができた。(図8(D))
【0057】
以上のようにして形成した不純物領域(612)〜(617)の活性化をおこなった後、層間絶縁膜として、プラズマCVD法によって酸化珪素膜(618)を厚さ3000Åに成膜した。さらに、層間絶縁膜(618)のエッチングをおこない、高濃度N型領域(612)にコンタクトホールを形成した。その後、アルミニウム膜をスパッタ法によって形成し、エッチングして画像信号線(619)を形成した。
【0058】
さらに、パッシベーション膜(620)を形成し、パッシベーション膜(620)、層間絶縁膜(618)をエッチングして、高濃度N型領域(615)に画素電極のコンタクトホールを形成した。そして、ITOを成膜、エッチングして画素電極(621)を形成した。(図8(E))
以上のような工程により、図8(F)に示すような回路を得ることができた。ここで、ゲート電極(606)を適切な電位に保つことにより、これを容量として用いることができる。また、低濃度N型領域(616)、(617)は、薄膜トランジスタ間に直列に挿入された抵抗として機能し、OFF電流を低減するうえで効果がある。(図8(E))
【0059】
〔実施例6〕
図9には、本発明を用いて回路を形成する様子を示した。具体的なプロセスについては、公知技術(もしくは実施例1、4、5に示される技術)を用いればよいので、ここでは詳述しない。
まず、概略U字型(もしくはコの字型あるいは馬蹄型)の半導体領域(活性層)(701)〜(704)を形成した。ここで、活性層(701)を基準とした場合、活性層(702)は当列次行、活性層(703)は次列当行、活性層(704)は次列次行を意味する。(図9(A))
【0060】
その後、ゲート絶縁膜(図示せず)を形成し、さらに、同一被膜により、ゲート信号線(705)、(706)および、容量線(707)、(708)を形成した。ここで、ゲート信号線および容量線と活性層の位置関係については図8と同様とした。(図9(B))
そして、活性層にドーピングをおこなった後、各活性層の左端にコンタクトホール(例えば、(711)に示される)を形成し、さらに、画像信号線(709)、(710)を形成した。(図9(C))
【0061】
その後、ゲート信号線と画像択信号線によって囲まれた領域に画素電極(712)、(713)を形成した。このようにして、容量線(707)と活性層(701)において薄膜トランジスタ(714)が形成されたのであるが、このとき、容量線(707)は当該行の画素電極(713)とは重ならず、1行上の画素電極(712)と重なるように配置した。すなわち、画素電極(713)にしてみれば、1行下の容量線(708)が画素電極(713)と重なって、容量(715)を形成した。容量線(707)、(708)には、他の実施例を同様に、薄膜トランジスタ(714)他がMIS容量として機能するに十分な一定電圧が供給される。(図9(D))
【0062】
このように、ゲート信号線を当該行の1行上(もしくは下)の画素電極と重ねる配置を取ることによって、図9(E)に示すような回路が構成されたが、容量(715)は図3(B)の容量(314)に相当するものであり、実質的に開口率を低下させずに、容量を付加することができ、回路の集積度を向上させる上で有効であった。
【0063】
参考のために、図9(F)には、同じ間隔で行選択信号線、画像信号線で囲まれた領域に形成された従来の単位画素(図1(A)参照)を示したが、補助容量(102)によって光の遮られる領域は本実施例(図9(D))と同じであり、本実施例では、半導体領域(701)が、ほとんどゲート信号線(705)、(707)で覆われた構造となっているため、開口率を減少させることはない。逆に従来のもの(図9(F))では、行選択信号線から分かれたゲート電極によって、開口率の低下が認められる。
【0064】
〔実施例7〕
図10には、本発明を用いて回路を形成する様子を示した。本実施例は、本発明のスイッチング素子に加えて、容量線および画像信号線の遮光性を積極的に用いることにより、TFTを外光から保護する遮光膜、および、画素間の色の分離を明確におこなうためのブラックマトリクスとして構成させることを主眼に置いて、設計された回路である。
【0065】
まず、長方形の活性層(801)を形成後、ゲート絶縁膜(図示せず)を堆積し、ゲート信号線(802)と容量線(803)を形成した。ここで、容量線は図に示すように、画素電極の形成される部分の周囲を取り囲むように配置した。(図10(A))
そして、活性層にドーピングをおこなった後、活性層の左端にコンタクトホールを形成し、さらに、画像信号線(804)を形成した。(図10(B))
【0066】
図から明らかなように、この段階で、透明な部分は画素電極が形成される中央部と、ゲート信号線と容量線の隙間である。その他の部分はゲート信号線や容量線、画像信号線によって遮光される構造となる。なお、画像信号線を延長して、薄膜トランジスタ(ゲート信号線、容量線と活性層の交差する部分)の上にも配置するようにすれば、外光が薄膜トランジスタに進入することを防止し、薄膜トランジスタの特性を安定化する上で効果的であった。
【0067】
その後、上記の中央部に画素電極(805)を形成した。このとき、画素電極以外の部分で透明な領域は、画素電極(805)と画像信号線(804)の隙間の部分(806)とゲート信号線(802)、容量線(803)、画像信号線(804)の隙間の部分(807)のみである。前者は画像信号線と画素電極が重なることを避けねばならないため、また、後者は隣接する画像信号線を分離する必要があるため、それぞれ必然的に生じたものであるが、その面積は十分に小さい。これは、本実施例が、容量線を境界として上下の画素電極を分ける構造となっているためである。
【0068】
図12(A)には、本実施例の画素のうち、画素電極や各配線と重ならない部分を分かりやすく示したものである。すなわち、画素で黒を表示したときに漏れる光の分布である。このように、全体に占める面積は微小であり、特に問題とはならないが、好ましいことに、画像信号線にそって直線上に存在するため、この部分のみに別途ブラックマトリクスを設けて遮光してもよい。
【0069】
このように、特にブラックマトリクスを形成することなく、既存の配線を用いてブラックマトリクスと同等な構造を得ることができた。本実施例の回路では、容量線によるMIS容量以外に、
▲1▼当該行およびと画素電極の重なりによる容量(808)
▲2▼次行の容量線と画素電極の重なりによる容量(809)
▲3▼次行のゲート信号線と画素電極の重なりによる容量(810)
の2つの容量が存在する。
【0070】
本実施例の回路配置は図3(A)を基本としたものであるが、図3(A)の補助容量(303)に相当する容量素子(808)に加えて、新たに画素セルと並列に接続された容量素子(809)、(810)を加えたものであり、その分、電荷保持の上で効果的である。しかも、これらの容量は多層配線を用いて構成されているため、開口率を低下させる要因とはならない。(図10(C))
【0071】
〔実施例8〕 図11には、本発明を用いて回路を形成する様子を示した。本実施例の回路配置の基本的な思想は実施例6(図9)と同じである。ただし、本実施例では、容量線および画像信号線の遮光性を積極的に用いることにより、TFTを外光から保護する遮光膜、および、画素間の色の分離を明確におこなうためのブラックマトリクスとして構成させた。
【0072】
プロセスの順序については実施例6と同様である。まず、概略コの字型の活性層(901)の形成後、ゲート絶縁膜(図示せず)を堆積し、ゲート信号線(902)と容量線(903)を形成した。ここで、容量線は図に示すように、画素電極の形成される部分の周囲を取り囲むように配置した。(図11(A))
そして、活性層にドーピングをおこなった後、活性層の左端にコンタクトホールを形成し、さらに、画像信号線(904)を形成した。画像信号線も図に示すように、画素電極の周囲(特に薄膜トランジスタ周辺)を覆うように配置した。(図11(B))
【0073】
図から明らかなように、この段階で、透明な部分は画素電極が形成される中央部と、ゲート信号線と容量線の隙間を画像信号線で埋められなかった点状の2か所(各画素の右上端にある)だけである。その他の部分はゲート信号線や容量線、画像信号線によって遮光される構造となる。特に、本実施例では薄膜トランジスタの上にも画像信号線を配置したが、これは外光が薄膜トランジスタの特にチャネルに進入することを防止し、薄膜トランジスタの特性を安定化する上で効果的であった。
【0074】
その後、上記の中央部に画素電極(905)を形成した。このとき、画素電極以外の部分で透明な領域は、画素電極(905)と画像信号線(904)の隙間の部分(907)とゲート信号線(902)、容量線(903)、画像信号線(904)の隙間の部分(906)のみである。前者は画像信号線と画素電極が重なることを避けねばならないため、また、後者は隣接する画像信号線を分離する必要があるため、それぞれ必然的に生じたものであるが、その面積は十分に小さい。
【0075】
図12(B)には、本実施例の画素のうち、画素電極や各配線と重ならない部分を分かりやすく示したものである。すなわち、画素で黒を表示したときに漏れる光の分布である。このように、全体に占める面積は微小であり、特に問題とはならない。
このように、特にブラックマトリクスを形成することなく、既存の配線を用いてブラックマトリクスと同等な構造を得ることができた。(図11(C))
【0076】
【発明の効果】
以上、本発明に示したように、薄膜トランジスタをMIS容量として使用することにより、画素セルの電圧降下を抑制することができた。本発明は、より高度な画像表示が要求される用途において効果的である。すなわち、256階調以上の極めて微妙な濃淡を表現する場合には画素セルの電圧変動は1フレームの間に1%以下に抑えられることが必要である。
【0077】
また、本発明は特に行数の多いマトリクスの表示等の目的に適した結晶性シリコン半導体の薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス表示装置にも適している。一般に、行数の多いマトリクスでは、1行あたりの選択時間が短いのでアモルファスシリコン半導体の薄膜トランジスタは用いるのに適当でない。しかしながら、結晶性シリコン半導体を用いた薄膜トランジスタはOFF電流が多いことが問題となっている。このため、OFF電流を低減できる本発明はこの分野でも大きな貢献が可能である。もちろん、アモルファスシリコン半導体を用いた薄膜トランジスタにおいても効果を有することは言うまでもない。
【0078】
実施例においては、薄膜トランジスタ、MIS容量の構造としてはトップゲート型のものを中心に説明したが、ボトムゲート型その他の構造のものであっても本発明の効果が不変であることは言うまでもない。また、同じスイッチング素子にトップゲート型とボトムゲート型を組み合わせてもよい。このように本発明は工業上、有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクティブマトリクス回路のスイッチング素子の例を示す。
【図2】MIS容量の例を示す。
【図3】本発明によるスイッチング回路の例を示す。
【図4】実施例1におけるスイッチング素子の上面図と回路図を示す。
【図5】実施例1におけるスイッチング素子の上面図を示す。
【図6】実施例1〜3におけるスイッチング素子の製造工程を示す。
【図7】実施例4におけるスイッチング素子の製造工程を示す。
【図8】実施例5におけるスイッチング素子の製造工程等を示す。
【図9】実施例6における画素電極等の配置例を示す。
【図10】実施例7における画素電極等の配置例を示す。
【図11】実施例8における画素電極等の配置例を示す。
【図12】実施例7、8における画素の漏光を示す。
【図13】従来の補助容量の作製工程例を示す。
【符号の説明】
101 ・・・・薄膜トランジスタ
102 ・・・・補助容量
103 ・・・・画素セル
105 ・・・・ゲート信号線
106 ・・・・画像信号線
111、112・・・・薄膜トランジスタ
113 ・・・・補助容量
114 ・・・・画素セル
115 ・・・・ゲート信号線
116 ・・・・画像信号線
121、122・・・・薄膜トランジスタ
123 ・・・・補助容量
124 ・・・・画素セル
125 ・・・・ゲート信号線
126 ・・・・画像信号線
131、132・・・・薄膜トランジスタ
133、134・・・・補助容量
135 ・・・・画素セル
136 ・・・・ゲート信号線
137 ・・・・画像信号線
301 ・・・・薄膜トランジスタ
302 ・・・・MIS容量
303 ・・・・通常の容量素子
304 ・・・・画素セル
311、313・・・・薄膜トランジスタ
312 ・・・・MIS容量
314 ・・・・通常の容量素子
315 ・・・・画素セル
321、323・・・・薄膜トランジスタ
324 ・・・・MIS容量
322 ・・・・通常の容量素子
325 ・・・・画素セル
331、333・・・・薄膜トランジスタ
332、334・・・・MIS容量
335 ・・・・画素セル

Claims (4)

  1. 複数のゲート信号線と、該複数のゲート信号線と同一工程で形成される複数の容量線と、複数の画像信号線と、マトリクス状に配置される複数の画素とを有するアクティブマトリクス表示装置であって、
    前記画素は、画素電極と、前記画素電極前記画像信号線との間に接続された第1の薄膜トランジスタと第2の薄膜トランジスタとを有し、
    前記第1の薄膜トランジスタは、半導体膜と、該半導体膜上に形成される第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成される前記ゲート信号線とで形成され、
    前記第2の薄膜トランジスタは、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線とで形成され、
    チャネルが誘起された前記第2の薄膜トランジスタにおいて、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線で第1の容量が形成され、
    前記容量線と、該容量線上に形成される第2の絶縁膜と、前記画素電極とで第2の容量が形成されることを特徴とするアクティブマトリクス表示装置。
  2. 複数のゲート信号線と、該複数のゲート信号線と同一工程で形成される複数の容量線と、複数の画像信号線と、マトリクス状に配置される複数の画素とを有するアクティブマトリクス表示装置であって、
    前記画素は、画素電極と、前記画素電極と前記画像信号線との間に接続された第1の薄膜トランジスタと第2の薄膜トランジスタとを有し、
    前記第1の薄膜トランジスタは、半導体膜と、該半導体膜上に形成される第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成される前記ゲート信号線とで形成され、
    前記第2の薄膜トランジスタは、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線とで形成され、
    チャネルが誘起された前記第2の薄膜トランジスタにおいて、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線とで第1の容量が形成され、
    前記容量線上に、第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上の第3の絶縁膜とを有し、
    前記容量線と重なる部分において、前記第2の絶縁膜上の前記第3の絶縁膜は除去され、前記画素電極は、前記第3の絶縁膜が除去された前記第2の絶縁膜上に形成され、前記容量線と、前記第2の絶縁膜と、前記画素電極とで第2の容量が形成されることを特徴とするアクティブマトリクス表示装置。
  3. 複数のゲート信号線と、該複数のゲート信号線と同一工程で形成される複数の容量線と、複数の画像信号線と、マトリクス状に配置される複数の画素とを有するアクティブマトリクス表示装置であって、
    前記画素は、画素電極と、前記画素電極前記画像信号線との間に接続された第1の薄膜トランジスタと第2の薄膜トランジスタとを有し、
    前記第1の薄膜トランジスタは、半導体膜と、該半導体膜上に形成される第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成される前記ゲート信号線とで形成され、
    前記第2の薄膜トランジスタは、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線とで形成され、
    チャネルが誘起された前記第2の薄膜トランジスタにおいて、前記半導体膜と、前記第1の絶縁膜と、前記容量線で第1の容量が形成され、
    前記容量線と、該容量線上に形成される第2の絶縁膜と、前記画素電極とで第2の容量が形成され、
    次行の容量線と、該次行の容量線上に形成される第3の絶縁膜と、前記画素電極とで第3の容量が形成され、
    次行のゲート信号線と、前記第3の絶縁膜と、前記画素電極とで第4の容量が形成されることを特徴とするアクティブマトリクス表示装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記第2の絶縁膜は、前記容量線を陽極酸化することによって得られることを特徴とするアクティブマトリクス表示装置。
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