JP3555133B2 - ファクシミリ装置のメンテナンス方法とそれに用いる通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
この発明は、ファクシミリ装置のメンテナンスとそれに用いる通信装置に関する。
【0002】
【従来技術】
ファクシミリ装置のメンテナンスでは、メンテナンスの終了後に報告書を顧客に提出する。報告書はサービス要員が持参のパーソナルコンピュータで作成できるが、携帯用のパーソナルコンピュータにはプリンタが付属していない。そこで報告書は、別途に顧客にファクシミリや郵送等で送る必要がある。
【0003】
【発明の課題】
この発明の基本的課題は、メンテナンスを行った際に、プリンタの無い携帯型文書作成装置を用いて報告書を作成して、その場で報告書を顧客に提出でき、かつこれと同時にメンテナンスしたファクシミリ装置の動作確認も行えるようにすると共に、ファクシミリ装置以外の電話回線が無い場合でも、報告書をファクシミリ装置へ送信できるようにし、さらにサービスセンターにも報告書を残せるようにすることにある(請求項1)。
この発明の通信装置での課題は、ファクシミリ装置のメンテナンスを行った際に、プリンタのない携帯型文書作成装置を用いて報告書を作成し、その場でファクシミリ装置自身の電話回線を用いて報告書をファクシミリ装置へ送信してプリントアウトし、しかもセンターにも報告書を残せるようにすることにある(請求項2)。
【0004】
【発明の構成】
この発明のファクシミリ装置のメンテナンス方法では、ファクシミリ装置のメンテナンス時に、携帯型文書作成装置で報告書を作成すると共に、ファクシミリ装置から電話回線を外して前記携帯型文書作成装置に接続し、携帯型文書作成装置から報告書を前記電話回線を介してセンターの通信装置へ送信し、該通信装置で受信した報告書を保存すると共に、前記電話回線をファクシミリ装置に戻し、この後に前記通信装置から保存した報告書を前記ファクシミリ装置へ送信することにより、ファクシミリ装置へ報告書を送信し、該ファクシミリ装置で報告書をプリントアウトする。携帯型文書作成装置はプリンタが付属していないものとし、例えば携帯用のパーソナルコンピュータや携帯用のワードプロセッサとする。ファクシミリ装置への送信は好ましくはファクシミリ送信とするが、e−メール送信でも良い。
【0005】
この発明のファクシミリ装置のメンテナンス用の通信装置は、サービス要員の携帯型文書作成装置から報告書をファクシミリ受信して画像メモリに記憶するための手段と、前記携帯型文書作成装置が報告書の送信時に用いた電話番号、言い換えるとメンテナンス対象のファクシミリ装置の電話番号、を検出して記憶するための手段と、前記ファクシミリ受信から所定時間後に前記記憶した電話番号のファクシミリ装置へ、前記報告書をファクシミリ送信するための手段とを設けたものである(請求項2)。
【0006】
【発明の作用と効果】
この発明のファクシミリ装置のメンテナンス方法では、ファクシミリ装置をメンテナンスした際に、ラップトップやノート型等のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の携帯型文書作成装置で、報告書を作成する。作成した報告書をメンテナンスしたファクシミリ装置へ送信して、このファクシミリ装置から報告書をプリントアウトする。このためファクシミリ装置自体を用いて報告書をプリントアウトできるので、サービス要員がプリンタを持ち運びする必要がない。また報告書をファクシミリ装置でプリントアウトするため、メンテナンスしたファクシミリ装置自体の動作確認にもなる(請求項1)。
【0007】
この発明ではさらに、サービス要員の携帯型文書作成装置に、メンテナンスしたファクシミリ装置から電話回線を外して接続し、報告書を携帯型文書作成装置からセンターの通信装置へ送信し、この通信装置で受信した報告書を保存すると共に、電話回線をファクシミリ装置に戻して、センターの通信装置から報告書をファクシミリ受信してプリントアウトする。このためファクシミリ装置以外に電話回線がない場合でも、携帯型文書作成装置からファクシミリ装置へ報告書を送信でき、しかもセンターにも報告書を残すことができる(請求項1)。
【0008】
この発明の通信装置では、サービス要員の携帯型文書作成装置から受信した報告書を画像メモリに保存し、また携帯型文書作成装置が報告書の送信に用いた電話番号を検出して記憶して、所定時間後に記憶した電話番号のメンテナンスしたファクシミリ装置へ、画像メモリに保存した報告書をファクシミリ送信する。このためサービス要員が、電話回線を携帯型文書作成装置に切り換えて報告書をセンターの通信装置へファクシミリ送信し、次いで電話回線をファクシミリ装置に戻して、センターからの報告書の受信を待てば、報告書をファクシミリ装置でプリントアウトできる。用いる電話回線はファクシミリ装置に付属のもので良く、またセンターにも報告書を残すことができる。
【0009】
【実施例】
図1〜図3に実施例を示す。各図において、同じ符号は同じものを示し、図1〜図3の実施例に関する説明は、特に指摘した点以外は、図4や図5の参考例にも当てはまる。また送出と送信は同義語とする。
【0010】
図1に、メンテナンスしたファクシミリ装置2と、サービス要員が持参したパーソナルコンピュータ4と、センターの通信装置10との関係を示す。なおメンテナンスするファクシミリ装置2は通常のファクシミリ装置で、NCU(網制御装置)やモデム、画像メモリ、スキャナ、記録部並びに操作・表示パネル等を備えている。ファクシミリ装置2はファクシミリ機能を備えたものであればよく、公衆電話回線を介してファクシミリするものでも、インターネット等のネットワークを介してファクシミリするものでも良い。またファクシミリ装置2は、ファクシミリ機能以外に、スキャナ機能やコピー機能、プリンタ機能等を備えたものでも良い。
【0011】
パーソナルコンピュータ4はラップトップやノート型等の持ち運びが容易なパーソナルコンピュータで、ファクシミリボード6を備えている。ただし持ち運びのため、パーソナルコンピュータ4にはプリンタが接続されていない。またパーソナルコンピュータ4に代えて、ワードプロセッサを用いても良い。
【0012】
10はサービスセンターに設けられた通信装置で、12はCPU、14はNCUで、16はモデムであり、18は画像メモリである。20は電話番号検出部で、パーソナルコンピュータ4からファクシミリボード6を介して報告書がファクシミリ送信された際に、パーソナルコンピュータ4側の電話番号を検出して記憶する。22は折り返しファクシミリ制御部で、パーソナルコンピュータ4からメンテナンスの報告書を受信した後、所定時間経過後に電話番号検出部20で記憶した電話番号に対し、報告書をファクシミリ送信するように通信装置10の各部を制御する。なおパーソナルコンピュータ4からファクシミリ受信した報告書は、画像メモリ18に保存する。
【0013】
23はタイマーで、報告書のファクシミリ受信を終了した後、保存した報告書を折り返しファクシミリするまでの待ち時間を定めると共に、回線が未接続で折り返しファクシミリできなかった場合の、リダイヤル間隔を定めるためのものである。24は再接続部で、タイマー23からの信号により、電話番号検出部20で記憶している電話番号に対して、ファクシミリ送信のために再接続を行うようにNCU14等を制御する。
【0014】
サービス要員は顧客先でファクシミリ装置2をメンテナンスすると、パーソナルコンピュータ4を用いて報告書を作成し、ファクシミリ装置2に元々接続されていた電話回線を外してパーソナルコンピュータ4へ接続し、ファクシミリ装置2の電話番号を用いて、サービスセンターへ通信装置10へ報告書をファクシミリ送信する。次いで電話回線をファクシミリ装置2に戻し、通信装置10は画像メモリ18に記憶した報告書を、パーソナルコンピュータ4からのファクシミリ通信を受信する際に検出した電話番号に対しファクシミリ送信する。この結果、報告書はパーソナルコンピュータ4から通信装置10を介してファクシミリ装置2へ送られ、通信装置10とファクシミリ装置2でプリントアウトされる。
【0015】
図2,図3に、パーソナルコンピュータ4からファクシミリ装置2への報告書の送信を示す。図2に示すように、パーソナルコンピュータで報告書を作成し(ステップ1)、ファクシミリ装置の電話回線を外して、パーソナルコンピュータに接続する(ステップ2)。次いでファクシミリ装置2の電話番号を発番号として、センターの通信装置10へ発呼する(ステップ3)。この時センターの通信装置10では、ナンバーディスプレイ情報を受信するとこれを検出して記憶する(ステップ4)。パーソナルコンピュータは次いで送信端末識別信号TSIとデジタル命令信号DCSを送出し(ステップ5)、通信装置はTSIとDCSを検出すると、TSI中の電話番号を記憶し、DCS中の例えば”同じ電話番号へ所定時間後に再送信”との命令を記憶する(ステップ6)。
【0016】
パーソナルコンピュータは次いで報告書をファクシミリ送出し(ステップ7)、通信装置は受信したファクシミリ画像を画像メモリに保存して、プリントアウトする(ステップ8)。次いでパーソナルコンピュータは切断命令信号DCNを送出し(ステップ9)、通信装置側ではこれに対応して回線を切断する(ステップ10)。この後サービス要員は電話回線をパーソナルコンピュータから外し、元のファクシミリ装置へ戻す(ステップ11)。
【0017】
図3のアルゴリズムに移り、通信装置10の側ではタイマー23で定まる待ち時間が経過するのを待ち、ナンバーディスプレイ情報を検出して記憶している場合は、ナンバーディスプレイ情報中の電話番号に発呼し、そうでない場合TSI信号中の電話番号に発呼する(ステップ20〜23)。ファクシミリ装置2は元々の通信回線に接続されており、通信装置からの発呼を着呼することができる(ステップ24)。通信装置は画像メモリに保存したファクシミリ画像(報告書の画像)を送出し、ファクシミリ装置はこの画像を受信するとプリントアウトする(ステップ25,26)。次いでファクシミリ装置2からプリントアウトした報告書の画質をサービス要員が評価して、顧客に提出し、これと同時にファクシミリ装置2のメンテナンスが良好に行われたことを確認する。
【0018】
実施例では、ファクシミリ装置2に接続してある電話回線のみを用いて、パーソナルコンピュータ4からファクシミリ装置2まで報告書を送信してプリントアウトでき、サービス要員がプリンタを持ち運びする必要がない。また報告書はサービスセンターとファクシミリ装置2の2ヶ所でプリントアウトでき、サービスセンターにメンテナンスの記録を残すと共に、ファクシミリ装置2が正常に受信してプリントアウトできるかどうかの機能確認も行うことができる。
【0019】
図4に参考例を示す。この参考例でも、ファクシミリ装置2に接続した電話回線以外に、通信回線がない状況は同じである。この場合、モジュラーケーブル30でパーソナルコンピュータ4のファクシミリボード等とファクシミリ装置2とを接続し、ファクシミリボードからトーナル信号(例えばCNG信号)を送出することにより、ファクシミリ装置2を起動する。そして報告書をファクシミリ送信する。ファクシミリ装置を起動するためのトーナル信号として、例えばF網(ファクシミリ通信網)からの呼び出し信号である1300Hz信号を、擬似的にファクシミリボードから送出しても良い。あるいはファクシミリ装置の受信ボタンを操作しても良い。このため図4の参考例では、モジュラーケーブルを用いて、パーソナルコンピュータ4からファクシミリ装置2へ報告書を送信してプリントアウトできる。
【0020】
図5の参考例では携帯電話40を用い、パーソナルコンピュータ4のファクシミリボード6からの信号を、データケーブルを介して、携帯電話40へデータ信号として送り、携帯電話40からファクシミリ装置2へ送信する。そしてファクシミリ装置2で報告書をプリントアウトする。ただし図5の参考例は、ファクシミリデータを送信できる携帯端末等を必要とし、汎用性に欠けている。このため図1〜図3の実施例の方が、図5の参考例よりも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例での、パーソナルコンピュータとファクシミリ装置とセンターの通信装置との相互関係を示すブロック図
【図2】メンテナンス終了時に、報告書をパーソナルコンピュータからセンターの通信装置までファクシミリ送信する際のアルゴリズムを示すフローチャート
【図3】図2以降の処理で、センターの通信装置からファクシミリ装置へ報告書を送信する際のアルゴリズムを示すフローチャート
【図4】参考例を示す図
【図5】第2の参考例を示す図
【符号の説明】
2 ファクシミリ装置
4 パーソナルコンピュータ
6 ファクシミリボード
10 通信装置
12 CPU
14 NCU
16 モデム
18 画像メモリ
20 電話番号検出部
22 折り返しファクシミリ制御部
23 タイマー
24 再接続部
30 モジュラーケーブル
40 携帯電話
Claims (2)
- ファクシミリ装置のメンテナンス時に、携帯型文書作成装置で報告書を作成すると共に、
ファクシミリ装置から電話回線を外して前記携帯型文書作成装置に接続して、携帯型文書作成装置から報告書を前記電話回線を介してセンターの通信装置へ送信し、該通信装置で受信した報告書を保存すると共に、前記電話回線をファクシミリ装置に戻し、この後に前記通信装置から保存した報告書を前記ファクシミリ装置へ送信することにより、メンテナンスしたファクシミリ装置へ前記報告書を送信し、該ファクシミリ装置で報告書をプリントアウトするようにした、ファクシミリ装置のメンテナンス方法。 - サービス要員の携帯型文書作成装置から報告書をファクシミリ受信して画像メモリに記憶するための手段と、前記携帯型文書作成装置が前記報告書の送信時に用いた電話番号を検出して記憶するための手段と、前記ファクシミリ受信から所定時間後に前記記憶した電話番号のファクシミリ装置へ、前記報告書をファクシミリ送信するための手段とを設けた、ファクシミリ装置のメンテナンス用の通信装置。
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