JP3554680B2 - 合成樹脂ランナー引き戻し構造を有する成形金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の成形金型に関するものであり、詳しくは、極度に低硬度な合成樹脂に適したランナー引き戻し構造を有する成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の成形金型としては、例えば、図7に示す構造のものが採用されている。(a)は成形金型の断面図、(b)は(a)のA部拡大図である。同図に示すように、この成形金型は、可動型1、中間型2、ランナープレート4および固定型6が順次組み合わされて構成されている。前記固定型6には、複数のランナーロックピン5がランナープレート4を貫通可能に設けられ、該ランナーロックピン5の先端部にはランナー3と係合する係合部5aが形成されている。
【0003】
前記可動型1と中間型2との間に形成されているキャビティ7によって成形品8が形成され、中間型2によってランナー3が形成され、固定型6とランナープレート4に貫通されているノズルブッシュ9によってスプル10が形成される。
【0004】
上記成形金型のキャビティ7に充填された溶融樹脂が固化すると、型開工程が開始し、まず、可動型1が図中左側に移動して、可動型1と中間型2のパーティングラインPL1が開き、成形品8が取り出される。次に、中間型2が図中左側に移動して、中間型2とランナープレート4のパーティングラインPL2が開く。この時、成形されたランナー3は、ランナーロックピン5の食い付き抵抗により固定された形で、ランナープレート4と共に固定型6側に留まる。次に、ランナープレート4が図中左側に移動して固定型6から切り離されることにより、ランナー3はランナーロックピン5から取り外されて、外部に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の成形金型は、以上のように構成されているので、次のような問題点が存在していた。すなわち、中間型とランナープレートのパーティングラインが開く際、ランナーの材料がJIS−A硬度50以上であれば、ランナーは、ランナーロックピンへの食い付き抵抗が大きいので、ランナープレートと共に固定型側に留まるが、JIS−A硬度50以下であれば、ランナーは、ランナーロックピンへの食い付き抵抗が少ないので中間型に残り、次のショットが出来なくなる。
【0006】
これを解決するため、種々のランナー抜き出しピンの開発がなされたが、ランナーロックピンでランナーを引けば引くほどランナーがちぎれ、ランナーやスプルのカスが金型内に残り、樹脂流路を埋めてしまう。
【0007】
このように、極度に低硬度な合成樹脂の場合、中間型からランナーの離形が困難であるので、射出成形が不可能とされ、成形事例はほとんど確認されていない。したがって、離形可能な最低硬度以上の合成樹脂でないと、成形できない状況にあり、低コスト金型であるコールドランナー金型での低硬度な合成樹脂の成形は不可能とされていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、従来のコールドランナーでは不可能であった低硬度な合成樹脂を容易に成形することができるランナー引き戻し構造を有する成形金型を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、成形金型のランナー部の周辺において、ランナーを形成する金型に、型開工程中にランナーとの間に生じる滑り抵抗によってランナーと共に前記金型に対して型開方向に所定の距離だけスライドした後にランナーから離れる分離離形部材を構成している。この分離離形部材は、ランナーとの間に生じる滑り抵抗によりスライドしてランナーと共に抜けるので、ランナーをランナーロックピンにより千切らずに抜き出すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明による成形金型の構成図である。同図に示すように、成形金型は、可動型1、中間型2、固定型6が順次組み合わされて構成されている。
【0012】
前記中間型2の各ランナー部の周部内側には、それぞれ分離離形部材であるランナースライドブロック11が型開方向にスライド可能に設けられている。前記各ランナー部の周部外側には、前記スライドブロック11に対向した位置に、固定型6に設けられたランナーロック部材であるランナーロックピン5が挿入可能とされている。本実施例では、ランナーロックピン5は半円柱形状とされ、その内側に鋸刃が形成されている。前記可動型1と中間型2との間に形成されているキャビティ7によって成形品8が形成され、中間型2によってランナー3が形成され、固定型6に挿入されているノズルブッシュ9によってスプル10が形成される。
【0013】
図2は、ランナースライドブロックの構成図であり、図3は、ランナースライドブロックの斜視図である。
【0014】
図2および図3に示すようにランナースライドブロック11は、半円錐台状で、その平面部には軸方向にランナー3の内側表面を形成する半円錐状のランナー溝12が形成されている。図2(b)に示すように、前記スライドブロック11の外周(反ランナー側)の左右両側には、中間型2の半円錐台状の溝に斜めに加工された傾斜溝13に嵌合される係合部14がそれぞれ形成されている。なお、前記スライドブロック11の先端側の下面にはストッパ−15が形成され、後端側の端面には、前記ランナー溝12と連通するランナー溝16が形成されている。
【0015】
すなわち、ランナースライドブロック11は、その外周のスライド部分に、スライドすることで斜めに移動する係合部14を有し、この係合部14が、中間型2に斜めに加工された傾斜溝13に沿って摺動することにより、前記スライドブロック11はスライドしながらランナー3から離れる。
【0016】
次に、成形金型の動作について、図1〜図2、図4〜図6を参照して説明する。
【0017】
図1および図2は、形閉じ状態を示し、中間型2の各ランナー部の周部には、ランナースライドブロック11とランナーロックピン5が対向して配置されている。成形金型に充填された溶融樹脂が固化すると、可動型1が図1中左側に移動して、可動型1と中間型2のパーティングラインPL1が開き、成形品8が取り出される。
【0018】
図4は、型開き途中、ランナーが中間型から抜きだされる状態を示している。
【0019】
同図に示すように、中間型2が図1中左側に移動して、中間型2と固定型6のパーティングラインPL2が開くと、成形されたランナー3が、ランナーロックピン5の食い付き抵抗により固定された状態で中間型2から引き抜かれる。その際、樹脂の滑り抵抗によって、ランナースライドブロック11はランナー3と一緒に引き抜かれる。ランナー3は、中間型2に斜めに加工された傾斜溝13に嵌合された係合部14によって、ランナースライドブロック11から離形する。ランナースライドブロック11は、ストッパー15が中間型2に形成された段部に当るまで抜き出される。この段部は、ランナースライドブロック11を中間型2から取り外すことができるように、板材などで形成することが望ましい。
【0020】
このように、ランナースライドブロック11は、ランナー3の滑り抵抗によりスライドしてランナー3と共に抜けるので、ランナー3をランナーロックピン5により千切らずに抜き出すことができる
図5は、型開き完了時におけるランナースライドブロックとランナーの状態を示し、型開き工程によって、スプル3は、ランナーロックピン5に固定された状態で、ランナースライドブロック11から離れる。
【0021】
図6は、ランナーが離形される状態を示し、固定型6に残されたランナー3は、外部から取り出しロボットなどで剥ぎ取られる。
【0022】
前記引き出されたランナースライドブロック11は、型閉工程において、固定型6によって押され、前記スライドブロック11の係合部14が傾斜溝13を摺動して、元の位置に戻される。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると、コールドランナーの成形金型において、低硬度の合成樹脂のランナーを容易に取り出すことができるので、低硬度の合成樹脂の射出成形が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成形金型の構成図である。
【図2】ランナースライドブロックの構成図であり、(a)は縦断面図でランナーが成形された状態を示し、(b)は(a)のA−A線断面図でランナーが取出された状態を示す。
【図3】ランナースライドブロックの斜視図である。
【図4】型開き途中、ランナーが中間型から抜きだされる状態を示す図である。
【図5】型開き完了時におけるランナースライドブロックとランナーの状態を示す図であり、(a)は、ランナースライドブロック側、(b)は、ランナーロックピン側を示す。
【図6】ランナーが離形される状態を示す図であり、(a)は、ランナースライドブロック側、(b)は、ランナーロックピン側を示す。
【図7】従来の成形金型の構成図である。
【符号の説明】
1 可動型
2 中間型
3 ランナー
4 ランナープレート
5 ランナーロックピン(ランナーロック部材)
5a 係合部
6 固定型
7 キャビティ
8 成形品
9 ノズルブッシュ
10 スプル
11 ランナースライドブロック(分離離形部材)
12、16 ランナー溝
13 傾斜溝
14 係合部
15 ストッパー
Claims (3)
- 成形金型のランナー部の周辺において、ランナー(3)を形成する金型に、型開工程中にランナー(3)との間に生じる滑り抵抗によってランナー(3)と共に前記金型に対して型開方向に所定の距離だけスライドした後にランナー(3)から離れる分離離形部材(11)を構成したことを特徴とする、合成樹脂ランナー引き戻し構造を有する成形金型。
- 前記分離離形部材(11)は半円錐台形状であり、ランナー(3)との間に生じる滑り抵抗により斜めにスライドすることを特徴とする、請求項1記載の合成樹脂ランナー引き戻し構造を有する成形金型。
- 前記分離離形部材(11)に対向する位置に、ランナーロック部材(5)が挿入可能とされていることを特徴とする、請求項1または2記載の合成樹脂ランナー引き戻し構造を有する成形金型。
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