JP3554206B2 - 内燃エンジン用シリンダの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯型動力作業機等に使用される小型空冷2サイクルガソリンエンジン等の内燃エンジン用のシリンダの製造方法に係り、特に、ハイプレッシャーダイカスト法等の金型鋳造法で製造する場合に、アンダーカット部分となる掃気口部等を合理的に形成することができる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型動力作業機等に使用されている小型空冷2サイクルガソリンエンジンのシリンダは、例えば、特開昭58−155114号公報等にも見られるように、通常、アルミニウム合金製とされ、ピストンが嵌挿されるシリンダボアを有する胴部と、スキッシュドーム形等の燃焼室が設けられた頭部と、が一体に形成されており、その外周部には多数の冷却フィンが形成されている。
【0003】
そして、前記シリンダボアには、前記ピストンにより開閉される吸気口及び排気口が上下に段違いで向かい合うように形成されるとともに、該吸気口及び排気口と約90°位置をずらして所定厚みを有する内壁付きの中空掃気通路が設けられ、この掃気通路の下流側端部(上端部)に、前記ピストンにより開閉される左右一対の掃気口が、前記シリンダボアの前記排気口とは反対方向に向けてやや上向きに形成されている。
【0004】
なお、前記公報に示されているシリンダは、前記排気口を二分割する縦断面を挟んで対称的に一対の掃気口が設けられた所謂二流掃気式のシリンダであるが、掃気口をさらに追加して二対設けた、所謂四流掃気式のものも知られている(本発明の出願人による特願平10−203750号等を参照)。
【0005】
また、前記掃気通路の形態としては、前記公報に示されている如くの、内壁付き中空のもの及び前記内壁が無いもの(シリンダボア側が開口している)ものの他、例えば、本発明の出願人による特願平10−203751号に開示されているように、クランク室から掃気通路を通じて掃気口に導かれる混合気をピストンのスカート部に接触させるべく、前記掃気通路の上部に所定厚みを有する半壁を残して、その下部に高さ方向に沿って切欠開口部を形成した、半壁付きのものもある。
【0006】
前記した如くの2サイクル内燃エンジン用シリンダのうち、特に、内壁付き(半壁付きを含む)中空掃気通路を有するものを、精密な寸法形状の鋳造成形品が低コストで得られる、ハイプレシャーダイカスト法等の金型鋳造法で製造する場合、前記掃気通路の掃気口部分がアンダーカット部となるが、崩壊性を有する中子金型は高圧下では使用できないので、通常は、前記アンダーカット部となる掃気口部分が塞がった状態のシリンダ素材を鋳造成形し、その後、前記掃気口部分を機械加工により切除する(前記特開昭58−155114号公報参照)ようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した如くに、鋳造後に掃気口を機械加工により切除する場合、工具を挿入するスペースが狭小であること等から、加工作業が極めて難しく、加工精度も上げにくいといった問題があった。この場合、2サイクル内燃エンジンにおいては、掃気口の寸法形状及びその加工精度がエンジン性能に重大な影響を及ぼすので、前記問題は特に重要である。
【0008】
また、前記掃気口部分に挿入するインサート中子を使用した金型鋳造法により、前記内壁付き中空掃気通路を有するシリンダを製造することも考えられるが、この場合は、インサート部分が鋳造成形品に残るため、熱伝導性が悪くなるとともに、変形、剥離等の不具合が発生しやすくなるといった問題を生じる。
本発明は、前記した如くの従来の問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内燃エンジン用シリンダを、ハイプレシャーダイカスト法等の金型鋳造法を使用して、熱伝導性の悪化や変形、剥離等の不具合を招くことなく、低コストで精密に製造することができる、内燃エンジン用シリンダの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る内燃エンジン用シリンダの製造方法は、ピストンにより開閉される掃気口が形成された内壁付き中空掃気通路を備えた内燃エンジン用シリンダを製造するためのもので、基本的には、得るべきシリンダのボア径と略等しい外径の円筒状部、及び、該円筒状部から径方向外方に向けて突設された、前記掃気口と略等しい断面寸法形状を有する掃気口形成部を有するインサート用中子をボア中子金型にセットして使用し、金型鋳造法によりシリンダ素材を得、しかる後、前記インサート中子の前記円筒状部を切削削除し、前記シリンダ素材に残っている前記掃気口形成部を中空掃気通路側に押し出して離脱除去して前記シリンダを製造することを特徴としている。
【0010】
本発明方法のより好ましい具体的な態様では、前記インサート用中子をボア中子金型に外挿するようにしてセットし、それを使用して金型鋳造を行い、前記インサート用中子が残っているシリンダ素材を得、しかる後、該シリンダ素材におけるシリンダボアのボーリングを行って、前記インサート用中子の前記円筒状部を切削除去し、次いで、前記シリンダ素材に残っている前記インサート中子の前記掃気口形成部をプレス等により離脱除去するようにされる。
また、さらに好ましい態様では、前記金型鋳造前に、前記インサート用中子の少なくとも前記掃気口形成部の外表面に離型剤を塗布乃至メッキして離型層を形成しておくようにされる。
【0011】
一方、本発明に係るインサート用中子は、前記製造方法を実施する際に使用されるもので、得るべきシリンダのボア径と略等しい外径の円筒状部、及び、該円筒状部から径方向外方に向けて若干末広がり状に突設された、前記掃気口と略等しい断面寸法形状を有する掃気口形成部を有し、金型鋳造法により、前記円筒状部と前記掃気口形成部とを一体成形したことを特徴としている。
本発明に係るインサート用中子は、より好ましい態様では、得るべきシリンダと同じアルミニウム合金を材料として金型鋳造法により一体成形され、また、外表面に離型剤が塗布乃至メッキされてなる離型層が形成される。
【0012】
なお、インサート用中子の材質は、前記アルミニウム合金に限られることはなく、他の鉄系金属等を使用できる。また、インサート用中子の材料として、得るべきシリンダと同じアルミニウム合金を使用する場合は、シリコン等の添加物の配合量をシリンダより多くして融点を高くすることにより、相互間の融着等を防ぐようにする。
また、前記インサート用中子の外表面に塗布ないしメッキする離型剤としては、クロム、ニッケル、カーボン等が挙げられ、それらを電解メッキや蒸着等の手法で塗布乃至メッキして離型層を形成する。
【0013】
前記の如くの構成とされた本発明に係るインサート用中子を用いた内燃エンジン用シリンダの製造方法の好ましい態様においては、前記インサート用中子を用いることで、精密な寸法形状の鋳造成形品が低コストで得られるハイプレシャーダイカスト法を使用でき、しかも、鋳造後に、前記インサート用中子の前記円筒状部をシリンダボアの荒ボーリングを行うことで切削除去し、さらに、該荒ボーリングで除去できない前記インサート用中子の前記掃気口形成部をプレス等により離脱除去するようにされるので、インサート部分が製品(シリンダ)に全く残らないようにでき、その結果、従来のように、鋳造後に掃気口部分を機械加工により切除する製造方法や、前記掃気口部分に挿入するインサート中子を使用した従来の金型鋳造法による製造方法に比して、シリンダをより精密にかつより低コストで製造できるとともに、鋳造成形品(シリンダ)に残ってしまうインサート用中子による熱伝導性の悪化や変形、剥離等の不具合を招くことがないようにできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃エンジン用シリンダの製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態の製造方法により製造すべき内燃エンジン用シリンダは、図8に示される如くの、携帯型動力作業機等に使用される小型空冷2サイクルガソリンエンジンのシリンダ1であり、該シリンダ1は、アルミニウム合金製とされ、ピストン60が嵌挿されるシリンダボア10を有する胴部2と、スキッシュドーム形等の燃焼室4が設けられた頭部3と、が一体に形成され、その外周部には、多数の冷却フィン9が一体形成される。
【0015】
そして、前記シリンダボア10には、前記ピストン60により開閉される吸気口11及び排気口12が上下に段違いで向かい合うように形成されるとともに、該吸気口11及び排気口12と約90°位置をずらして二対の中空掃気通路14、14、15、15(図2において仮想線で示されている)が設けられる。すなわち、前記シリンダ1は、前記排気口12を二分割する縦断面Fを挟んで対称的に掃気通路が二対設けられている所謂四流掃気式のものであり(本発明の出願人による前記特願平10−203750号等を参照)、前記掃気通路14、14、15、15の下流側端部(上端部)に、前記ピストン60により開閉される左右で対をなす掃気口16、16、17、17(後述するインサート用中子30の平面図を示す図2において仮想線で示されている)が、前記シリンダボア10の前記排気口12とは反対方向(前記吸気口11側)に向けてやや上向きに形成される。
【0016】
さらに、前記掃気通路14、14は、前述した半壁付きものであり、本発明の出願人による前記特願平10−203751号に開示されているように、クランク室から掃気通路を通じて掃気口に導かれる混合気をピストンのスカート部に接触させるべく、前記掃気通路14、14、15、15の上部に、前記シリンダボア10と同径の、所定厚みを有する半壁18、18、19、19(図2において仮想線で示されている)を残して、その下部に高さ方向に沿って図8に示されている切欠開口部21、21と、図8には示されていない前記半壁19、19の下側にも、切欠開口部22、22(図2参照)が形成される。
【0017】
そして、本実施形態の製造方法には、図1〜図3に示される如くのインサート用中子30が使用される。図示例のインサート用中子30は、アルミニウム合金を材料として金型鋳造法により一体成形されたもので、得るべき前記シリンダ1のボア径と略等しい外径の円筒状部32、及び、該円筒状部32の下端部から径方向外方に向けて突設された、前記掃気口16、16、17、17に略等しい断面寸法形状を有する、左右二対の掃気口形成部36、36、37、37を有し、前記円筒状部32の下端部付近における前記掃気口形成部36、36、37、37とは約90°位置をずらした前記縦断面F上には、図3に示される如くの、排気口用中子40の先端部に設けられた円錐台状のボス42が嵌挿される、外周側程大径の挿通穴33が径方向に穿設されている。
【0018】
なお、前記円筒状部32の高さHi(図1参照)は、前記シリンダボア10の上端から前記掃気口16、16の下端までの高さHa(後述する図7参照)より若干低くされている。
また、図1に示される如くに、前記二対の掃気口形成部36、36、37、37の上面36a、36a、37a、37a及び下面36a、36a、37a、37aは、外端から基端(前記円筒状部32側)にかけて、それぞれ水平面に対してα(例えば13°)、β(例えば15°)だけ上向きに傾斜せしめられ、若干末広がり状に形成されている。
【0019】
上記に加え、前記インサート用中子30の外表面全体には、クロム、ニッケル等の離型剤が塗布乃至メッキされた離型層38が形成されている(図1参照)。
なお、該離型層38は、通常は前記掃口形成部36、36、37、37の外表面に形成されていれば良いが、後述する前記インサート用中子30の前記円筒状部32を切削除去せしめる際に、前記シリンダボア10の表面がむしり取られたりすること等を防止するためには、前記の如く、前記インサート用中子30の外表面全体に形成せしめると良い。
前記した如くのインサート用中子30を用いて前記シリンダ1を製造するにあたっては、まず、図4に示される如くに、前記インサート用中子30をボア中子金型50にセットするとともに、図3に示される如くに、前記挿通穴33に前記排気口用中子40の先端部に設けられた円錐台状の前記ボス42を嵌挿して位置決め、抜け止めを行う。
【0020】
前記ボア中子金型50は、ハイプレッシャーダイカスト法で使用される通常の中子金型であり、前記インサート用中子30の前記円筒状部32が外挿される円柱状のボア挿入部52、このボア挿入部52の上方に連設された、前記シリンダ1の前記燃焼室4形状に対応した燃焼室形成部53、前記ボア挿入部52の下方に連設された円柱状のボア下部形成部54、及び、このボア下部形成部54の左右に連設された、図8に示されている前記掃気通路14、14に対応した掃気通路形成部55、55と、図8には示されていないもう一対の掃気通路15、15の形状に対応した掃気通路形成部(図示省略)からなっている。
【0021】
前記ボア挿入部52は、前記インサート用中子30の内径と略同じ外径を有し、その高さは、前記インサート用中子30の高さHiより若干高い、得るべき前記シリンダ1における前記シリンダボア10の上端から前記掃気口16、16の下端までの高さHa(図7参照)と略同じとされている。また、前記ボア下部形成部54は、その外径が、前記ボア挿入部52の外径より大きい、前記インサート用中子30の外径と略同じとされており、前記インサート用中子30の前記円筒状部32を受け止め、係止するようになっている。さらに、図4に示されている前記掃気通路形成部55、55と、図4には示されていないもう一対の掃気通路形成部には、それぞれ前記インサート用中子30の前記掃気口形成部36、36、37、37が挿入される切欠部56、56、(57、57)や、前記半壁21、21、22、22の寸法形状に対応した切欠部58、58、(59、59)が形成されている。また、前記ボア下部形成部54には、前記吸気口11に対応した形状の吸気口用中子(図示省略)がセットされる。
【0022】
前記のようにして、前記インサート用中子30を前記ボア中子金型50にセットし、前記排気口用中子40や前記吸気口用中子を前記のようにセットする等した後は、図5に示される如くに、ハイプレッシャーダイカスト法による金型鋳造を行い、その後、前記ボア中子金型50を抜き取り、図6に示される如くの、前記インサート中子30が残っているシリンダ素材1’を得る。
【0023】
かかる状態において、得られた前記シリンダ素材1’のボア10と前記インサート用中子30とは互いに密着しているが、予め前記インサート用中子30の外表面に前記した如くに離型層38を形成しているので、それらが互いに融着する等の不具合は生じない。
しかる後、図7に示される如くに、前記シリンダ素材1’のシリンダボア10の荒ボーリングを行って、前記インサート用中子30の前記円筒状部32を切削除去する。このときには、前記インサート用中子30の切削除去と同時に、前記シリンダボア10における若干径大なる上端部分10a(前記インサート用中子30の上方部分)も形成される。
【0024】
次いで、前記シリンダ素材1’に残っている前記インサート中子30の前記掃気口形成部36、36、37、37を、プレス等により前記掃気通路14、14、15、15側に押し出して離脱除去する。この場合も、予め前記掃気口形成部36、36、37、37の外表面に前記した如くに離型層38を形成しており、かつ、前記掃気口形成部36、36、37、37は、内側方に向けて若干末広がり状とされている前記掃気口16、16、17、17に沿うように、前記掃気通路14、14、15、15内に向けて下方に若干傾斜せしめられているので、前記掃気口形成部36、36、37、37は、前記シリンダボア10側からプレス等で押圧することにより、比較的容易に離脱除去せしめられる。
その後は、所要の仕上げ処理を行って、図8に示される如くの製品シリンダ1を得る。
【0025】
前記の如くの構成とされた本実施形態のインサート用中子30を用いた2サイクル内燃エンジン用シリンダ1の製造方法においては、前記インサート用中子30を用いることで、精密な寸法形状の鋳造成形品が低コストで得られる、ハイプレシャーダイカスト法を使用でき、しかも、鋳造後に、前記インサート用中子30の前記円筒状部32を、シリンダボア10の荒ボーリングを行うことで切削除去し、さらに、該荒ボーリングで除去できない前記インサート用中子30の前記掃気口形成部36、36、37、37をプレス等により離脱除去するようにされるので、インサート部分が製品(シリンダ)に全く残らないようにでき、その結果、従来のように、鋳造後に掃気口部分を機械加工により切除する製造方法や、前記掃気口部分に挿入するインサート中子を使用した従来の金型鋳造法による製造方法に比して、シリンダをより精密にかつより低コストで製造できるとともに、製品(シリンダ)に残ってしまうインサート中子による熱伝導性の悪化や変形、剥離等の不具合を招くことがないようにできる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る内燃エンジン用シリンダの製造方法によれば、得るべきシリンダのボア径と略等しい外径の円筒状部と掃気口と略等しい断面寸法形状を有する掃気口形成部とを有するインサート用中子を用いることで、精密な寸法形状の鋳造成形品が低コストで得られるハイプレシャーダイカスト法を使用でき、しかも、鋳造後に、前記インサート用中子の前記円筒状部をシリンダボアのボーリングを行うことで切削除去し、さらに、該ボーリングで除去できない前記インサート用中子の前記掃気口形成部を、プレス等により簡単に離脱除去するようにされるので、インサート部分が製品(シリンダ)に全く残らないようにでき、その結果、従来のように、鋳造後に掃気口部分を機械加工により切除する製造方法や、前記掃気口部分に挿入するインサート中子を使用した従来の金型鋳造法による製造方法に比して、シリンダをより精密にかつより低コストで製造できるとともに、製品(シリンダ)に残ってしまうインサート中子による熱伝導性の悪化や変形、剥離等の不具合を招くことがないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法に用いられるインサート用中子の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1に示されるインサート用中子の平面図。
【図3】図1に示されるインサート用中子の側面図。
【図4】図1に示されるインサート用中子をボア中子金型にセットした状態を示す縦断図。
【図5】図1に示されるインサート用中子及びボア中子金型を使用した金型鋳造工程の説明に供される縦断面図。
【図6】図5に示される金型鋳造工程で得られたシリンダ素材のシリンダボアの荒ボーリングを行って、前記インサート用中子の円筒状部を切削除去する荒ボーリング工程の説明に供される断面図。
【図7】図6に示される荒ボーリング工程で除去されなかった前記インサート用中子の掃気口形成部をプレス等で離脱除去する工程の説明に供される断面図。
【図8】本発明に係る内燃エンジン用シリンダの製造方法により製造される小型空冷2サイクル内燃エンジンのシリンダを示す縦断面図。
【符号の説明】
1 空冷2サイクルガソリンエンジン(内燃エンジン)のシリンダ
1’ シリンダ素材
10 シリンダボア
14、15 中空掃気通路
16、17 掃気口
18、19 半壁(掃気通路内壁)
30 インサート用中子
32 円筒状部
36、37 掃気口形成部
38 離型層
50 ボア中子金型
60 ピストン
Claims (7)
- ピストン(60)により開閉される掃気口(16、16、17、17)が形成された内壁(18、18、19、19)付き中空掃気通路(14、14、15、15)を備えた内燃エンジン用シリンダ(1)の製造方法であって、
得るべきシリンダ(1)のボア径と略等しい外径の円筒状部(32)、及び、該円筒状部(32)から径方向外方に向けて突設された、前記掃気口(16、16、17、17)と略等しい断面寸法形状を有する掃気口形成部(36、36、37、37)を有するインサート用中子(30)をボア中子金型(50)にセットして使用し、金型鋳造法によりシリンダ素材(1’)を得、しかる後、前記インサート中子(30)の前記円筒状部(32)を切削削除し、前記シリンダ素材(1’)に残っている前記掃気口形成部(36、36、37、37)を前記中空掃気通路(14、14、15、15)側に押し出して離脱除去して前記シリンダ(1)を製造することを特徴とする内燃エンジン用シリンダの製造方法。 - 前記インサート用中子(30)をボア中子金型(50)にセットして金型鋳造を行い、前記インサート用中子(30)が残っているシリンダ素材(1’)を得、しかる後、該シリンダ素材(1’)におけるシリンダボア(10)のボーリングを行って、前記インサート用中子(30)の前記円筒状部(32)を切削除去し、次いで、前記シリンダ素材(1’)に残っている前記インサート中子(30)の前記掃気口形成部(36、36、37、37)をプレス等により離脱除去することを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジン用シリンダの製造方法。
- 前記金型鋳造前に、前記インサート用中子(30)の少なくとも前記掃気口形成部(36、36、37、37)の外表面に離型剤を塗布乃至メッキして離型層(38)を形成しておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃エンジン用シリンダの製造方法。
- ピストン(60)により開閉される掃気口(16、16、17、17)が形成された内壁(18、18、19、19)付き中空掃気通路(14、14、15、15)を備えた内燃エンジン用シリンダ(1)を金型鋳造法により製造する際に使用されるインサート用中子(30)であって、
得るべきシリンダ(1)のボア径と略等しい外径の円筒状部(32)、及び、該円筒状部(32)から径方向外方に向けて若干末広がり状に突設された、前記掃気口(16、16、17、17)と略等しい断面寸法形状を有する掃気口形成部(36、36、37、37)を有し、金型鋳造法により、前記円筒状部(32)と前記掃気口形成部(36、36、37、37)とを一体成形したことを特徴とするインサート用中子。 - アルミニウム合金を素材としたことを特徴とする請求項4に記載のインサート用中子。
- 外表面に離型剤が塗布乃至メッキされてなる離型層(38)が形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のインサート用中子。
- 請求項4乃至6のいずれか一項に記載のインサート用中子(30)をボア中子金型(50)にセットして金型鋳造を行い、前記インサート用中子(30)が残っているシリンダ素材(1’)を得、しかる後、該シリンダ素材(1’)におけるシリンダボア(10)のボーリングを行って、前記インサート用中子(30)の前記円筒状部(32)を切削除去し、次いで、前記シリンダ素材(1’)に残っている前記インサート中子(30)の前記掃気口形成部(36、36、37、37)をプレス等により前記中空掃気通路(14、14、15、15)側に押し出して離脱除去することにより製造された内燃エンジン用シリンダ。
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