JP3554180B2 - 吸気・送風装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0003】
本願発明は、吸気・送風される空気に螺旋状の渦流を形成することができる吸気・送風装置に関するものである。
【従来の技術】
【0004】
例えば局所的な特定の場所の排気を行う方法として、一般に送風空気との関係で螺旋状の吸気渦流を発生させる吸気・送風装置が用いられている。
【0005】
例えば、その一例として特開昭64−38540号公報に開示されているように、4本の支柱から空気流を吹き出し、エアカーテンで仕切られた空間内に螺旋状の上昇渦流を発生させ、当該空間の中心部において上記渦流に直交する方向に吸気作用を生ぜしめるようにしたものがある。
【0006】
ところが、該装置の場合、4本の支柱を設置しなければならない問題があるとともに、設置スペースが制約される。
【0007】
そこで、上記のような支柱を不要にした吸気・送風装置として、例えば特開平4−140号公報や特開平9−25889号公報、特開平8−75208号公報等に示されるものが提案されている。
【0008】
先ず特開平4−140号公報のものでは、排気対象空間の上部に排気フードを設け、該排気フードの中央部に排気ファンに連結された排気口を形成するとともに、該排気フードの下面に上記排気口の中心と同一円周の接線方向へ空気を噴出して該噴出空気と上記排気口からの負圧とにより螺旋状に上昇する渦巻気流を生ぜしめ、該渦巻気流によって排気対象空間内の排気を行うようにした排気装置において、上記排気フードの下部外周部に給気チャンバを固定する一方、該給気チャンバの下面に一定の間隔で上記排気口の中心と同一円周の接線方向へ空気を噴出させるための噴出口と下方側床面に向かって空気を噴出させるための固定噴出口とを交互に配設し、上記噴出口から空気を床面に向けて噴出させることにより、上記渦巻気流を乱さないようにしながら、上記渦巻気流により上記排気対象空間内の排気を行うように構成されている。
【0009】
次に特開平9−25889号公報のものでは、羽根車の回転により空気吸込口から空気を吸い込み、その空気を羽根車の内部から外周に向けて吐き出すように構成された遠心送風機を使用し、上記羽根車の吸い込み側となる端面に回転軸方向下方に延長して筒部を設け、この筒部の外周面に、上記羽根車と共に回転し、上記吸込口に向かって吸い込まれる吸込気流の周囲を筒状に包み込んで旋回気流を発生させるプロペラを設けて構成されている。
【0010】
さらに特開平8−75208号公報のものでは、空気吸い込み口が円形である排気路と、空気吹き出し口が上記空気吸い込み口の外側に同心円をなすように環状に配置され、上記空気吹き出し口側が環状路になった空気供給路と、該空気供給路の上記環状路内部に当該環状路の方向に伸長して設けられ、当該環状路の環状方向を分割するように配置された複数の空気流案内羽根と、上記空気供給路の空気吹き出し口外周に上記排気路の空気吸い込み口と同心円をなすように突設された末広がりの旋回空気流案内フードとを備え、上記排気路と上記空気供給路とが上記空気吸い込み口および空気吹き出し口の面に対して同じ側に位置し、また、上記空気流案内羽根のすべてが上記排気路の空気吸い込み口の空気の吸い込みによって生じる吸い込み空気流の中心軸方向に対して斜め同方向に旋回して構成され、上記空気吸い込み口周囲の環状の空気吹き出し口から、上記案内羽根により上記空気吸い込み口の空気吸い込み方向に対して斜め逆方向に旋回した旋回空気流を上記空気吸い込み口の外周囲に吹き出させるように構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来例には、それぞれ次のような問題がある。
【0012】
すなわち、先ず特開平4−140号公報のものの場合、排気ダクトに連続する大きな開口径の排気フードの外周に対応する外径の給気チャンバを設け、該給気チャンバに排気口中心に対して接線方向に空気を吹き出す空気噴出口と下方側床面方向に空気を吹き出す空気噴出口とを多数並設することが必要であり、排気ダクトを含む大がかりで、複雑な装置構成が必須となり、騒音も高く、工場等の大施設のスポット排気装置としてしか適用することができない。
【0013】
したがって、例えば空気調和機や空気清浄機等の小型で快適性が求められるものには向かない。
【0014】
次に特開平9−25889号公報のものは、上記快適性の要求には一応対応できるが、ダクト方式の換気装置にしか適用することができない。また排気ファンの吸入口を下方に延長して給気用のファンを設ける必要があるため、小型化が困難である。
【0015】
次に特開平8−75208号公報のものでは、吹出口の外周に旋回流案内フード等が必要となり、構造が複雑となる。またダクト型の換気装置にしか適用できない。
【0016】
本願発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、本体ケーシングの下面側開口部に着脱可能に設けられた吸気・吹出パネルの同一平面上に、空気吸込口と該吸込口を囲む空気吹出口とを設ける一方、本体ケーシングの内部に全周方向に空気の吹出しが可能な送風ファンを設置し、さらに上記空気吹出口の空気吹出通路中に、上記空気吹出口から吹出される空気流を螺旋方向に旋回させる旋回流生成ステータを設けることによって、螺旋状に旋回する吹出気流を生成させ、該吹出気流を上記空気吹出口から下方側斜め方向に所定角傾斜させて吹き出させることによって、その中心軸側に螺旋状に上昇する竜巻状の吸気旋回流を生成するようにするとともに、上記吸気・吹出パネルを、相互に分離可能に嵌合一体化される外枠パネルと内枠パネルとから形成し、内枠パネルの外周面に旋回流生成ステータを固定するようにして、旋回流生成ステータ側を本体ケーシングに対して自由に取付け、取外しすることができるようにした吸気・送風装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0018】
(1) 請求項1記載の発明
この発明の吸気・送風装置は、本体ケーシング2の下面側開口部に着脱可能に設けられた吸気・吹出パネル4の同一平面上に空気吸込口5と該空気吸込口5を囲む環状の空気吹出口9とを設けるとともに、本体ケーシング2の内部に上記空気吸込口5から上記空気吹出口9に到る通風路10を形成し、該通風路10中に全周方向に空気の吹出しが可能な送風ファン11を設置する一方、上記空気吹出口9の空気吹出通路中に、旋回方向に所定の傾斜角θ2を有し、当該空気吹出口9から吹出される空気流を螺旋方向に旋回させる複数の旋回流生成ステータ14,14・・・を設けることによって螺旋状に旋回する吹出気流を形成し、その中心軸側に上記空気吸込口5方向への強い吸引力を有する吸気渦流を生成させるようにするとともに、上記空気吹出口9の空気吹出通路を、上記空気流の上流側から下流側にかけて斜め外方に所定傾斜角θ1傾斜させて形成することによって、上記螺旋状に旋回する吹出気流を下方側斜め方向に吹き出すようにしてなる吸気・送風装置において、上記吸気・吹出パネル4は、上記所定傾斜角θ1の空気吹出通路の外側面を形成するテーパ面状の内周面40aを有する開口を有した外枠パネル40と、該外枠パネル40の上記開口内に嵌合され、上記所定傾斜角θ1の空気吹出通路の内側面を形成するテーパ面状の外周面41aを有する内枠パネル41とからなり、これら外枠パネル40と内枠パネル41とが相互に分離可能な状態で嵌合一体化されているとともに、上記内枠パネル41の中央に上記空気吸込口5が形成され、かつ上記外枠パネル40の開口のテーパ面状の内周面40aと上記内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aとによって上記外周方向に所定傾斜角θ1傾斜した空気吹出通路を有する上記空気吹出口9が形成され、該空気吹出口9の上記空気吹出通路部分に位置して上記内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aに上記複数の旋回流生成ステータ14,14・・・が固定されていることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、先ず本体ケーシング2の内部に形成された通風路10中の上記送風ファン11が駆動されると、同本体ケーシング2の下面側開口部に着脱可能に設けられた吸気・吹出パネル4の空気吸込口5下方の所定スポット領域の空気が当該空気吸込口5から吸い込まれ、さらに同送風ファン11により、その外周方向全周に吹き出される。
【0020】
そして、該送風ファン11の外周方向全周に吹き出された空気は、上記通風路10を経て、上記空気吹出口9の空気吹出通路中に旋回方向に所定の傾斜角θ2を有して設けられている旋回流生成ステータ14,14・・・により螺旋方向に旋回させられ、空気流の上流側から下流側にかけて斜め外方に所定傾斜角θ 1 傾斜して形成された空気吹出通路を有する空気吹出口9から、より小さな通風抵抗でスムーズに下方側床面に向けて斜め方向に吹き出されて効率良くエアカーテン状の旋回気流が生成される。そして、該空気吹出口9から下方側床面に向けて斜め方向に吹き出されるエアカーテン状の旋回気流が、さらに、その中心軸側に床面側から上記空気吸込口5の方向に竜巻状に上昇する大きな吸引力を伴った吸気旋回流を形成するようになる。
【0021】
その結果、上記床面側所定スポット領域の空気が、上記外側のエアカーテン状の吹出旋回気流によって確実に遮断され、外部にリークすることなく確実に上記空気吸込口5から上述の送風ファン11方向に有効に吸い込まれるようになり、例えばエアフィルタ等の空気浄化手段や蒸発器又は凝縮器等の空気熱交換器を設ければ空気清浄効率とともに空気調和(冷暖房)効率が向上するようになる。
【0022】
特に以上の構成の場合、上述の本体ケーシング2の下面側開口部に着脱可能に設けられた吸気・吹出パネル4が、相互に分離可能な外枠パネル40と内枠パネル41とからなり、外枠パネル40の開口のテーパ面状の内周面40aと内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aとによって上記外周方向に所定傾斜角θ1傾斜した空気吹出通路を有する空気吹出口9が形成され、該空気吹出口9の空気吹出通路部分に位置するように内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aに旋回流生成ステータ14,14・・・が固定されているので、旋回流生成ステータ14,14・・・側を本体ケーシング2側に対して自由に取付け、取外しすることができる。
【0023】
したがって、通常の空気清浄機又は空気調和機の本体ケーシングに対して、必要に応じて上記構成の吸気・吹出パネル4を取り付けるだけで、上記のような吸気・送風機能を任意に付加することができる。
【0024】
その結果、スポット型の空気清浄機や空気調和機等に適した、コンパクトで換気機能の高い吸気・送風装置を提供することができるようになる。
【0025】
(2) 請求項2記載の発明
この発明の吸気・送風装置は、上記請求項1記載の発明の吸気・送風装置において、空気吹出口9における空気吹出条件は、周方向の速度成分Vθと鉛直方向の速度成分Vzとの比が、0.25〜1となるように設定されている。
【0026】
このように、空気吹出口9における空気吹出条件を、周方向の速度成分Vθと鉛直方向の速度成分Vzとの比が、0.25〜1となるように設定すると、所定吸気領域の空気が外部にリークするリーク率が低くなり、換気効率が向上する。
【発明の効果】
【0027】
以上の結果、上記本願発明の吸気・送風装置によると、次のような有益な効果を得ることができる。
【0028】
(1) 1台の送風ファンにより同一平面上の空気吸込口から空気吹出口方向に環流状態で吸気および送風することができるようになるので、従来の給排気システムのようなダクト装置を必要とせず、コンパクト化が可能となる。
【0029】
(2) 外乱の影響を受けることなく、安定した外周側エアカーテン状の吹き出し旋回気流と中心軸側吸気旋回気流を形成することができるので、所定スポット領域の空気を、外部にリークさせることなく、確実に換気することができるようになる。
【0030】
(3) 吸気・吹出パネルが、相互に分離可能な外枠パネルと内枠パネルとからなり、内枠パネル外周面に旋回流生成ステータが設けられているので、本体ケーシングに対して旋回流生成ステータ側を自由に取付け、取外しすることができる。
【0031】
したがって、通常の空気清浄機又は空気調和機の本体ケーシングに対して、上記構成の吸気・吹出パネルを取り付けるだけで、上記のような吸気・送風機能を付加することができる。
【0032】
(4) 以上の結果、スポット型の空気清浄機や空気調和機等に適したコンパクトで換気機能の高い吸気・送風装置を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0033】
(実施の形態1)
図1〜図10は、例えば天井埋込型の空気清浄機に適用した本願発明の実施の形態1にかかる吸気・送風装置の構成および作用効果を示している。
【0034】
図中、先ず符号2は当該天井埋込型空気清浄機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その吸気・吹出パネル(下面パネル部)4が天井3と略同一平面状に連続するようにして、例えば図1に示すように天井3内に埋設されている。
【0035】
そして、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4には、例えば図2に示すように、中央部に方形の空気吸込グリル5が設けられ、さらに、その内側にターボファン11用のベルマウス6が連設されている。そして、それらの間に位置してプレフィルタ7、空気清浄エレメント8が順次空気流上流側から下流側方向に並設されている。
【0036】
また、上記本体ケーシング2の吸気・吹出パネル4の上記空気吸込グリル5の外周部には同じく図2に示されるように、所定の幅の環状の空気吹出口9が設けられている。
【0037】
上記本体ケーシング2は、例えば図1〜図3に示されるように、上下が開口した箱型の枠体20の上面側に天井パネル12を一体化するとともに下面側に吸気・吹出パネル4を取り外し可能に一体化して構成されている。この吸気・吹出パネル4は、例えば図3に詳細に示されるように、上記環状の空気吹出口9の空気吹出通路のテーパ面状の外側面を形成するテーパ面状の内周面40aを有する円形開口を有した方形の外枠パネル40と該外枠パネル40の上記円形開口内に嵌合され、上記環状の空気吹出口9の空気吹出通路のテーパ面状の内側面を形成するテーパ面状の外周面41aを有する円形の内枠パネル41とからなり、該外枠パネル40と内枠パネル41とを図1および図2のように相互に分離できるように嵌合一体化して形成されている。
【0038】
そして、上記内枠パネル41の中央に上記空気吸込グリル5の開口が形成されている。
【0039】
上記環状の空気吹出口9は、上記外枠パネル40の円形開口のテーパ面状の内周面40aと上記内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aとによって外周方向に所定角θ1傾斜した空気吹出通路を有する環状の空気吹出口9を形成している。そして、この空気吹出通路の傾斜角θ1が、結局空気吹出口9の吹出角θ1となる。
【0040】
そして、以上の構成により上記本体ケーシング2内には上記空気吸込グリル5からプレフィルタ7、空気清浄エレメント8、ベルマウス6を経て上記空気吹出口9に到る全周方向の通風路10が形成されており、該通風路10の上記空気清浄エレメント8の背後(図示上部)の中央に位置して空気吸込側(シュラウド側)が上記ベルマウス6に対応するターボファン11がファンモータ11aを介して上記本体ケーシング2の天井パネル12に吊設されている。
【0041】
また、上記本体ケーシング2内には、上記ターボファン11を囲む状態で上記空気吹出口9方向へのスクロール13が設けられている。
【0042】
また、上記空気吹出口9には、上記スクロール13に対応して、上記空気吹出口9から吹出される空気流を螺旋方向に旋回させるための旋回流生成手段である多数の旋回流生成ステータ(固定羽根)14,14・・・が所定の旋回方向への傾斜角θ2を有して周方向に等間隔で設けられている。
【0043】
該各ステータ14,14・・・は、上記内枠パネル41のテーパ面状の外周面41aに対して固定されている。
【0044】
以上のように、本実施の形態に係る吸気・送風装置では、天井埋込型のカセット型空気清浄機において、そのカセット型本体ケーシング2の下面部側吸気・吹出パネル4中央に方形の空気吸込グリル5を、また該空気吸込グリル5の外周囲に外周方向に所定角θ1傾斜した空気吹出通路を有する環状の空気吹出口9を各々設けるとともに上記空気吸込グリル5から空気吹出口9に到る環流型の通風路10を形成し、該通風路10の中央にターボファン11を介設することによって、上記空気吸込グリル5から吸込んだ空気を上記プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を介して上記空気吹出口9から室内の下方側床面方向に所定の吹出角度θ1で吹き出すようになっている。
【0045】
そして、上記通風路10を形成する上記本体ケーシング2の空気吹出口9には上記空気吹出口9から吹き出される空気流に旋回方向のベクトルを与える旋回流生成ステータ14,14・・・が所定の旋回角θ2を有して周方向に一定の間隔を保って設けられている。
【0046】
したがって、上記ターボファン11が駆動されると、上記空気吸込グリル5から当該空気吸込グリル5下方の所定のスポット領域の室内空気が吸込まれ、プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を通して清浄化された後、ターボファン11により外周方向に吹き出され、上記空気吹出口9の空気吹出通路において上記旋回流生成ステータ14,14・・・によって旋回方向のベクトルが付与され、螺旋状の旋回流となって下方側床面に向けて斜め方向に吹き出される。
【0047】
この結果、該螺旋状の旋回吹出気流により、その中心軸方向内側には、それと逆方向に上記ターボファン11の吸引力により上昇する竜巻状の大きな吸引力の旋回吸気流が形成される。
【0048】
そして、それにより上記螺旋状の吹出旋回気流によって包まれた所定スポット領域の確実な空気の清浄化が可能となる。
【0049】
ところで、上記環状の空気吹出口9における空気吹出条件について検討すると、次のようになる。
【0050】
上記空気吹出口9における吹出旋回気流の吹出条件は、例えば図5に示すように、鉛直方向の速度成分(下向き速度)Vzと半径方向の速度成分(遠心方向速度)Vr、周方向の速度成分(水平方向速度)Vθによって決定される。
【0051】
したがって、これらVz、Vr、Vθ相互の関係を適切に設定することによって、最も換気効率の高い所望の吹出および吸気旋回気流を生成させることができる。
【0052】
今例えば図4のような吸気および空気吹出状態の下において、空気吸込グリル5から所定距離(2.5m)離れた鉛直方向下方側の床面上の換気領域(縦横1.1mの正方形領域)の中心に発煙源(ドライアイス)を設置し、上記VzとVrの数値を例えば図6に示すように所望に変えて当該換気領域外への煙のリーク率をシュミレーション測定した。
【0053】
その結果、先ず図6のグラフに示すように、上記VθとVzの比Vθ/Vzが0.50の時が最も煙のリーク率が低く、最も換気効率が高いことが判明した。
【0054】
また、上記Vθ/Vzを該0.50に設定した煙リーク率が10%以下の時のVrとVθとの比Vr/Vθは、例えば図7のグラフに示されるように略0〜2の範囲が適していた。
【0055】
また、上記Vθ/Vzが0.50の時のVzとVrの関係は、例えば図8のようになり、煙のリーク率が10%以下となるVzとVrの比Vz/Vrは0〜1の範囲が適していた。
【0056】
また、上記煙のリーク率が10%以下となるVθ/Vzは、例えば図9のようになり、0.4(θ3=20°)〜0.75(θ3≒27°)の範囲が適していた。
【0057】
また、上記の状態において吸気旋回流が安定した状態で形成されるVθ/Vzは、例えば図10のようになり、0.25(θ3=15°)〜1(θ3≒45°)の範囲が適していた。
【0058】
したがって、上記図5のVz,Vr,Vθが上述のような関係になるように、上記空気吹出口9の吹出方向の傾斜角θ1を設定するとともに旋回流生成ステータ14,14・・・の旋回角θ2を設定することにより、有効な換気効率を実現することができる。
【0059】
(変形例1)
先ず図12は、上記本願発明の実施の形態1に係る吸気・送風装置の要部を改良した変形例1の構成を示している。
【0060】
上記実施の形態1の空気吹出口9の構成では、例えば図11に示すように、その空気吹出通路が斜め外周方向に所定角θ1傾斜して形成されており、しかも旋回流生成ステータ14,14・・・によって旋回方向のベクトルを有して空気が吹き出されるために、吹き出される旋回気流が空気吹出口9の外周側端部から本体ケーシング2下面の吸気・吹出パネル4の外周側方向に付着する傾向が生じ、流れが乱れて有効な吹出旋回気流の生成を阻害する問題がある。
【0061】
そこで、該変形例1では、例えば図12に示すように、上記空気吹出口9の外側外枠パネル40の円形口内周面40aの吹出し側端部の一部を空気吹出方向に所定長さ延設することによって空気流ガイド片9aを設けている。
【0062】
この結果、図12中に矢印で示すように、上記空気吹出口9から吹き出される空気流の吸気・吹出パネル4面への付着は防止され、スムーズに吹き出されるようになり、有効な吹出旋回気流が生成されるようになる。
【0063】
(変形例2)
次に図13は、上記本願発明の実施の形態1に係る吸気・送風装置の要部を改良した変形例2の構成を示している。
【0064】
上記実施の形態1の空気吹出口9の構成では、上述の図11に示すように空気吹出通路が斜め外周方向に所定角θ1傾斜して形成されており、しかも旋回流生成ステータ14,14・・・によって旋回方向のベクトルを有して空気が吹き出されるために、吹き出される旋回気流が空気吹出口9の外周側端部から本体ケーシング2下面の吸気・吹出パネル4の外周側方向に付着する傾向が生じ、流れが乱れて有効な吹出旋回気流の生成を阻害する問題がある。
【0065】
そこで、該変形例2では、例えば図13に示すように、上記空気吹出口9の外側外枠パネル40の円形口内周面40aの吹出し側端部に凸片9bを設けることによって外周側の空気流を内周側方向に抑え込むようにしている。
【0066】
この結果、図13中に矢印で示すように、上記空気吹出口9から吹き出される空気流の下面側吸気・吹出パネル4面への付着は防止され、スムーズに吹き出されるようになり、有効な吹出旋回気流が生成されるようになる。
【0067】
(変形例3)
さらに図14は、上記本願発明の実施の形態1に係る吸気・送風装置の要部を改良した変形例3の構成を示している。
【0068】
上記実施の形態1の空気吹出口9の構成では、上述の図11に示すように空気吹出通路が斜め外周方向に所定角θ1傾斜して形成されており、しかも旋回流生成ステータ14,14・・・によって旋回方向のベクトルを有して空気が吹き出されるために、吹き出される旋回気流が空気吹出口9の外周側端部から本体ケーシング2下面の吸気・吹出パネル4の外周側方向に付着する傾向が生じ、流れが乱れて有効な吹出旋回気流の生成を阻害する問題がある。
【0069】
そこで、該変形例3では、例えば図14に示すように、上記空気吹出口9の外側外枠パネル40の円形口内周面40aの吹出し側端部に断面三角形状の突部9cを設けると同時に、内枠パネル41の外周面41aに半流線形状の突起9dを吹出側端部近傍に設け、空気流を絞り、流速を増すことによって吹き出される空気流を内周側にスムーズに抑え込むようにしている。
【0070】
この結果、図14中に矢印で示すように、上記空気吹出口9から吹き出される空気流の吸気・吹出パネル4面への付着は防止され、スムーズに吹き出されるようになり、有効な吹出旋回気流が生成されるようになる。
【0071】
(実施の形態2)
次に図15は、本願発明の実施の形態2に係る吸気・送風装置の構成を示している。
【0072】
この実施の形態のものでは、空気清浄機1を構成する上述の実施の形態1のものと同一の構成の吸気・送風装置を、図15に示すように、室内の壁30内に吸気・吹出パネル4面が壁面と同一平面を形成するように埋設することによって、壁30側方の空間中の所定スポット領域の空気を清浄化できるようにしたことを特徴とするものである。
【0073】
(実施の形態3)
図16は、本願発明の実施の形態3に係る吸気・送風装置の構成を示している。
【0074】
この実施の形態のものでは、空気清浄機1を構成する上述の実施の形態1のものと同一の構成の吸気・送風装置を、図16に示すように、室内の壁30面に掛けることによって、実施の形態2のものと同様に壁30側方の空間中の所定スポット領域の空気を清浄化できるようにしたことを特徴とするものである。
【0075】
(実施の形態4)
次に図17は、本願発明の実施の形態4に係る吸気・送風装置の構成を示している。
【0076】
この実施の形態の吸気・送風装置は、空気清浄機1として構成した上記実施の形態1の吸気・送風装置における空気清浄エレメント8をターボファン11の外周囲に環状の構造にして配設したことを特徴とするものである。その他の構成は、上述の実施の形態1のものと同一である。
【0077】
このような構成によっても、ターボファン11が駆動されると、上記実施の形態1の空気清浄機1の場合と全く同様に、空気吸込グリル5下方の所定スポット領域の空気が空気吸込グリル5から吸い込まれ、プレフィルタ7を介して大きな塵埃が除去された後、ターボファン11により、その外周側空気清浄エレメント8方向に吹き出される。
【0078】
次に、該吹き出された空気が、上記空気清浄エレメント8を通して清浄化された上で、空気吹出口9から旋回流生成ステータ14,14・・・の作用により螺旋状の旋回気流となって吹き出される。
【0079】
そして、該空気吹出口9から吹き出される螺旋状の旋回気流が、その中心軸方向内側に床面側から上記空気吸込グリル5方向に竜巻状に上昇する大きな吸引力を伴った吸気旋回気流を形成するようになる。
【0080】
その結果、上記床面側所定スポット領域の空気が、上記外側のエアカーテン状の吹出旋回流によって確実に遮断され、外部にリークすることなく確実に空気吸込グリル5から空気清浄エレメント8方向に有効に吸い込まれるようになり、空気清浄化効率が向上する。
【0081】
(実施の形態5)
次に図18は、本願発明の実施の形態5に係る吸気・送風装置の構成を示している。
【0082】
この実施の形態の吸気・送風装置は、空気清浄機1として構成した上記実施の形態1の吸気・送風装置において、ターボファン11の外周囲に環状の構造の空気熱交換器22を配設し、冷暖房用の空気調和機として構成したことを特徴とするものである。その他の構成は、上述の実施の形態1のものと同一である。
【0083】
このような構成によると、上記ターボファン11が駆動されると、上記実施の形態1の空気清浄機1の場合と同様に、空気吸込グリル5下方の所定スポット領域の空気が空気吸込グリル5から吸い込まれ、プレフィルタ7を介して大きな塵埃が除去され、さらに空気清浄エレメント8を介して空気が清浄化された後、ターボファン11により、その外周側空気熱交換器22方向に吹き出される。
【0084】
次に、該吹き出された空気が、上記空気熱交換器22を通して熱交換された上で、空気吹出口9から床面方向にステータ14,14・・・の作用により螺旋状の旋回気流となって吹き出される。
【0085】
そして、該空気吹出口9から吹き出される螺旋状の旋回気流が、その中心軸方向内側に床面側から上記空気吸込グリル5方向に竜巻状に上昇する大きな吸引力を伴った吸気旋回流を形成するようになる。
【0086】
その結果、上記床面側所定スポット領域の空気が、上記外側のエアカーテン状の吹出旋回気流によって確実に遮断され、外部にリークすることなく確実に空気吸込グリル5から空気清浄エレメント8および空気熱交換器22方向に有効に吸い込まれるようになり、空気清浄化効率とともに空気調和(冷暖房)効率が向上する。
【0087】
(実施の形態6)
図19〜図23は、例えば前述の実施の形態1のものと同様の天井埋込型の空気清浄機に適用した本願発明の実施の形態6にかかる吸気・送風装置の構成および作用効果を示している。
【0088】
図中、先ず符号2は当該天井埋込型空気清浄機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その一面側吸気・吹出パネル4が本体ケーシング2から取外し可能な1枚のパネル体よりなり、部屋の天井3と略同一平面状に連続するようにして、図19に示すように天井3内に埋設されている。
【0089】
そして、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4には、例えば図20および図21に示すように、中央部に方形の空気吸込グリル5が設けられ、さらに、その内側(上部側)に空気吸込用のベルマウス6が連設されている。そして、それらの間に位置してプレフィルタ7、空気清浄エレメント8が順次空気流上流側から下流側方向に並設されている。
【0090】
また、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4の上記空気吸込グリル5の外周部には、例えば図21に示されるように、所定幅かつ所定長さの複数のスリット状の空気吹出口9,9・・・が周方向に所定の間隔を置いて設けられている。
【0091】
そして、それにより上記空気吸込グリル5からプレフィルタ7、空気清浄エレメント8、ベルマウス6を経て上記空気吹出口9に到る全周方向の通風路10が形成されており、該通風路10の上記空気清浄エレメント8の背後(図示上部)中央に位置して空気吸込側(シュラウド側)が上記ベルマウス6に対応するターボファン11がファンモータ11aを介して上記本体ケーシング2の天井パネル12に吊設されている。
【0092】
また、上記本体ケーシング2内には、上記ターボファン11を囲む状態で空気吹出口9方向へのスクロール13が設けられている。
【0093】
また、上記空気吹出口9の上部には、例えば図22および図23に示すように、半径方向外周側第1のスリーブ17と半径方向内周側第2のスリーブ18とを所定の間隔を保って嵌合させることにより空気吹出通路90が形成されており、該空気吹出通路90には、上記スクロール13に対応して螺旋方向の旋回渦流を生成させるための旋回流生成手段である第1の旋回流生成ステータ91,91・・・と第2の旋回流生成ステータ92,92・・・が各々上下に対応して直交方向に設けられている。
【0094】
第1の旋回流生成ステータ91,91・・・は、空気吹出通路90の長手方向と直交する軸97,97・・・によって吹出気流の旋回角θ2を設定できるように回転可能に支持され、空気吹出通路90の長手方向に所定の等しい間隔を保って並設されている。
【0095】
他方、第2の旋回流生成ステータ92,92・・・は、空気吹出通路90の長手方向に延びる軸98によって吹出気流の広がり角(吹出角)θ1を設定できるように回転可能に支持され、空気吹出通路90の長手方向に所定の等しい間隔を保って並設されている。
【0096】
以上のように、本実施の形態に係る吸気・送風装置では、天井埋込型のカセット型空気清浄機において、そのカセット型本体ケーシング2の下面側吸気・吹出パネル4の中央に方形の空気吸込グリル5を、また該空気吸込グリル5の外周囲に全体として環状に配設された複数のスリット状の空気吹出口9を各々設けるとともに上記空気吸込グリル5から空気吹出口9に到る環流型の通風路10を形成し、該通風路10の途中にターボファン11を介設することによって、上記空気吸込グリル5から吸い込んだ空気を上記プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を介して清浄化した後に上記空気吹出口9から室内の下方側床面方向に吹き出すようになっている。
【0097】
そして、上記通風路10を形成する上記本体ケーシング2の上記空気吹出口9,9・・・の上部には空気噴出用の空気吹出通路90が形成されており、該空気吹出通路90には上記空気吹出口9から吹き出される空気流に旋回方向のベクトルを与える第1の旋回流生成ステータ91,91・・・と該第1の旋回流生成ステータ91,91・・・によって生成された螺旋状の旋回気流を外周方向に広げ、また内周方向に所定角縮めて広がり角(吹出角)θ1を調節する第2の旋回流生成ステータ92,92・・・とが、それぞれ複数組周方向に所定の間隔を保って設けられている。
【0098】
したがって、上記ターボファン11が駆動されると、上記空気吸込グリル5から当該空気吸込グリル5下方の床面側所定スポット領域の室内空気が吸込まれ、プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を通して清浄化された後、ターボファン11により外周方向に吹き出され、スクロール13から第1の旋回流生成ステータ91,91・・・によって先ず第1段階として旋回方向のベクトルが付与される。そして、その後、上記第2の旋回流生成ステータ92,92・・・により第2段階として空気吹出口9からの広がり方向のベクトルが付与されて下方側床面に対して所望の広がり角の螺旋状の旋回吹出気流となって吹き出される。
【0099】
この結果、該螺旋状の旋回吹出気流により、その中心軸方向内側には、それと逆方向に上記ターボファン11の吸引力により上昇する竜巻状の螺旋状の大きな吸引力の旋回吸気流が形成される。
【0100】
そして、それにより上記所望の広がり角の螺旋状の吹出気流によって包まれた所定スポット領域の確実な空気の清浄化が可能となる。
【0101】
特に、以上の構成では、第1,第2の旋回流生成ステータ91,91・・・、92,92・・・がそれぞれ固定ではなく任意の傾斜角に調整できるから、旋回角やその広がり角を任意に調節することができ、スポット領域の広さに対応した広がり角に設定することができる。
【0102】
以上の結果、上記吸気・送風装置によると、次のような有益な効果を得ることができる。
【0103】
(1) 1台の送風ファンにより同一面の空気吸込口から空気吹出口方向に環流状態で吸気および送風することができるようになるので、従来の給排気システムのようなダクト装置を必要とせず、コンパクト化が可能となる。
【0104】
(2) 外乱の影響を受けることなく、安定したエアカーテン状の吹き出し旋回気流とその内側中心軸方向内側の吸気旋回流を形成することができるので、所定スポット領域の空気を、外部にリークさせることなく、確実に換気することができる。
【0105】
(3) 空気吹出口および該空気吹出口に旋回流生成ステータが設けられている吸気・吹出パネルが、本体ケーシングに取付けられるようになっているので、旋回流生成ステータ側を自由に取付け、取外しすることができる。
【0106】
したがって、通常の空気清浄機又は空気調和機の本体ケーシングに対して、上記構成の吸気・吹出パネルを取り付けるだけで、上記のような吸気・送風機能を付加することができる。
【0107】
(4) 以上の結果、スポット型の空気清浄機や空気調和機等に適したコンパクトで換気機能の高い吸気・送風装置を提供することができる。
【0108】
(実施の形態7)
図24〜図28は、例えば前述の実施の形態1のものと同様の天井埋込型の空気清浄機に適用した本願発明の実施の形態7にかかる吸気・送風装置の構成および作用効果を示している。
【0109】
図中、先ず符号2は当該天井埋込型空気清浄機1のカセット型の本体ケーシングである。該本体ケーシング2は、その一面側吸気・吹出パネル4が図26に示すような1枚のパネル体よりなり、部屋の天井3と略同一平面状に連続するようにして、例えば図24に示すように天井3内に埋設されている。
【0110】
そして、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4には、例えば図25および図26に示すように、中央部に方形の空気吸込グリル5が設けられ、さらに、その内側(上部側)にターボファン11の空気吸込用のベルマウス6が連設されている。そして、それらの間に位置してプレフィルタ7、空気清浄エレメント8が順次空気流上流側から下流側方向に並設されている。
【0111】
また、上記本体ケーシング2の上記吸気・吹出パネル4の上記空気吸込グリル5の外周部には、例えば図26に示されるように、所定幅かつ所定長さの複数のスリット状の空気吹出口9,9・・・が縦横4ケ所に所定の間隔を置いて設けられている。
【0112】
そして、それにより上記空気吸込グリル5からプレフィルタ7、空気清浄エレメント8、ベルマウス6を経て上記空気吹出口9に到る全周方向の通風路10が形成されており、該通風路10の上記空気清浄エレメント8の背後(図示上部)中央に位置して空気吸込側(シュラウド側)が上記ベルマウス6に対応するターボファン11がファンモータ11aを介して上記本体ケーシング2の天井パネル12に吊設されている。
【0113】
また、上記本体ケーシング2内には、上記ターボファン11を囲む状態で空気吹出口9方向へのスクロール13が設けられている。
【0114】
さらに、上記空気吹出口9,9・・・の上部には、例えば図27および図28に示すように、半径方向外周側角筒状の第1のスリーブ17と半径方向内周側角筒状の第2のスリーブ18とを所定の間隔を保って嵌合させることにより空気吹出通路90,90・・・が形成されており、該空気吹出通路90には、上記スクロール13に対応して螺旋方向の旋回渦流を生成させるための旋回流生成手段である第1の旋回流生成ステータ93,93・・・と第2の旋回流生成ステータ94,94・・・が各々上下に対向するように位置して相互に直交する状態で回転可能に軸支されている。
【0115】
第1の旋回流生成ステータ93,93・・・は、各空気吹出通路90,90・・・の長手方向と直交する軸97,97・・・によって吹出気流の旋回角θ2を設定できるように回転可能に支持され、各空気吹出通路90,90・・・の長手方向に所定の等しい間隔を保って並設されている。
【0116】
そして、その上部側に軸95,95・・・を介して相対回動可能に連接された連接ロッド96の操作によって各空気吹出通路90,90・・・の複数の第1の旋回流生成ステータ93,93・・・の旋回方向の傾斜角θ2が共通に可変されるようになっている。
【0117】
他方、第2の旋回流生成ステータ94,94・・・は、各空気吹出通路90,90・・・の長手方向に延びる軸98,98・・・によって吹出気流の広がり角(吹出角)θ1を設定できるように回転可能に支持され、各空気吹出通路90,90・・・の長手方向に所定の等しい間隔を保って並設されている。
【0118】
以上のように、本実施の形態に係る吸気・送風装置では、天井埋込型のカセット型空気清浄機において、そのカセット型本体ケーシング2の下面側吸気・吹出パネル4の中央に方形の空気吸込グリル5を、また該空気吸込グリル5の外周囲の縦横4ケ所に配設されたスリット状の複数の空気吹出口9,9・・・を各々設けるとともに上記空気吸込グリル5から空気吹出口9,9・・・に到る環流型の通風路10を形成し、該通風路10の中央にターボファン11を介設することによって、上記空気吸込グリル5から吸い込んだ空気を上記プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を介して清浄化した後に上記空気吹出口9,9・・・から室内の下方側床面方向に吹き出すようになっている。
【0119】
そして、上記通風路10を形成する上記本体ケーシング2の上記空気吹出口9,9・・・の上部には鉛直方向に空気吹出通路90,90・・・が形成されており、該空気吹出通路90,90・・・には上記空気吹出口9,9・・・から吹き出される空気流に旋回方向のベクトルを与える第1の旋回流生成ステータ93,93・・・と該第1の旋回流生成ステータ93,93・・・によって生成された旋回流を外周方向に広げ、また内周方向に縮めて広がり角を調節する第2の旋回流生成ステータ94,94・・・とが、それぞれ複数組通路方向に所定の間隔を保って設けられている。
【0120】
したがって、上記ターボファン11が駆動されると、上記空気吸込グリル5から当該空気吸込グリル5下方の床面側所定スポット領域の室内空気が吸込まれ、プレフィルタ7、空気清浄エレメント8を通して清浄化された後、ターボファン11により外周方向に吹き出され、スクロール13から第1の旋回流生成ステータ93,93・・・によって先ず第1段階として旋回方向のベクトルが付与される。そして、その後、上記第2の旋回流生成ステータ94,94・・・により第2段階として空気吹出口9,9・・・からの広がり又は縮み方向のベクトルが付与されて下方側床面に対して所望の広がり角の螺旋状の旋回気流となって吹き出される。
【0121】
この結果、該螺旋状の旋回吹出気流により、その中心軸方向内側には、それと逆方向に上記ターボファン11の吸引力により上昇する竜巻状の螺旋状の大きな吸引力の旋回吸気流が形成される。
【0122】
そして、それにより上記所望の広がり角の螺旋状の吹出気流によって包まれた所定スポット領域内の確実な空気の清浄化が可能となる。
【0123】
特に、以上の構成では、第1,第2の旋回流生成ステータ93,93・・・、94,94・・・が、それぞれ固定ではなく任意の傾斜角に連接ロッド96による共通の操作で任意に調整できるようになっているから、旋回角θ2やその吹出方向広がり角θ1を所望に調節することができ、空気清浄機や空気調和機の設置条件に対応した適切な空気吹出条件に自由に対応できる。また、スポット領域の広さに対応した任意の広がり角に設定することができる。
【0124】
以上の結果、上記吸気・送風装置によると、次のような有益な効果を得ることができる。
【0125】
(1) 1台の送風ファンにより同一面の空気吸込口から空気吹出口方向に環流状態で吸気および送風することができるようになるので、従来の給排気システムのようなダクト装置を必要とせず、コンパクト化が可能となる。
【0126】
(2) 外乱の影響を受けることなく、安定したエアカーテン状の吹き出し旋回気流とその内側中心軸方向内側の吸気旋回流を形成することができるので、所定スポット領域の空気を、外部にリークさせることなく、確実に換気することができる。
【0127】
(3) 吸気・吹出パネルに空気吹出口と旋回流生成ステータが設けられているので、旋回流生成ステータ側を自由に取付け、取外しすることができる。
【0128】
したがって、通常の空気清浄機又は空気調和機の本体ケーシングに対して、上記構成の吸気・吹出パネルを取り付けるだけで、上記のような吸気・送風機能を付加することができる。
【0129】
(4) 以上の結果、スポット型の空気清浄機や空気調和機等に適したコンパクトで換気機能の高い吸気・送風装置を提供することができる。
【0130】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態では、その何れにあっても、送風ファンとしてターボファン11を採用したが、これは通風路10の構成を工夫することによって、例えば軸流ファンや斜流ファンに変更することも可能である
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図(図2のA−A)である。
【図2】同装置の底面図である。
【図3】同装置の分解斜視図である。
【図4】同装置の空気吹出口の旋回流生成作用を示す説明図である。
【図5】同装置の空気吹出口における旋回流生成原理を解析した説明用ベクトル図である。
【図6】図5のベクトル図における吹出気流の鉛直方向の速度成分Vzと周方向の速度成分Vθの関係を示すシュミレーション測定データのグラフであるる。
【図7】図5のベクトル図における吹出気流の半径方向の速度成分Vrと周方向の速度成分Vθの関係を示すシュミレーション測定データのグラフであるる。
【図8】図5のベクトル図における吹出気流の鉛直方向の速度成分Vzと半径方向の速度成分Vrの関係を示すシュミレーション測定データのグラフであるる。
【図9】図5のベクトル図における煙リーク率が10%以下となる上記VzとVθの関係を示すシュミレーション測定データのグラフであるる。
【図10】図5のベクトル図において吸気旋回流が安定した状態で形成される上記VzとVθとの関係を示すシュミレーション測定データのグラフであるる。
【図11】同装置の要部の構成の第1の変形例を示す断面図である。
【図12】同装置の要部の構成の第2の変形例を示す断面図である。
【図13】同装置の要部の構成の第3の変形例を示す断面図である。
【図14】同装置の要部の構成の第4の変形例を示す断面図である。
【図15】本願発明の実施の形態2に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図である。
【図16】本願発明の実施の形態3に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図である。
【図17】本願発明の実施の形態4に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図である。
【図18】本願発明の実施の形態5に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図である。
【図19】本願発明の実施の形態6に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図(図20のB−B)である。
【図20】同装置の要部の平面図である。
【図21】同装置の要部の底面側斜視図である。
【図22】同装置の要部の側面図である。
【図23】同装置の要部の断面図(図20のC−C)である。
【図24】本願発明の実施の形態7に係る吸気・送風装置の構成を示す断面図(図25のD−D)である。
【図25】同装置の要部の平面図である。
【図26】同装置の要部の底面側斜視図である。
【図27】同装置の要部の側面図である。
【図28】同装置の要部の断面図(図25のE−E)である。
【符号の説明】
【0132】
2は本体ケーシング、3は天井、4は吸気・吹出パネル、5は空気吸込グリル、6はベルマウス、7はプレフィルタ、8は空気清浄エレメント、9は空気吹出口、10は通風路、11はターボファン、30は壁である。
Claims (2)
- 本体ケーシング(2)の下面側開口部に着脱可能に設けられた吸気・吹出パネル(4)の同一平面上に空気吸込口(5)と該空気吸込口(5)を囲む環状の空気吹出口(9)とを設けるとともに、本体ケーシング(2)の内部に上記空気吸込口(5)から上記空気吹出口(9)に到る通風路(10)を形成し、該通風路(10)中に全周方向に空気の吹出しが可能な送風ファン(11)を設置する一方、上記空気吹出口(9)の空気吹出通路中に、旋回方向に所定の傾斜角(θ2)を有し、当該空気吹出口(9)から吹出される空気流を螺旋方向に旋回させる複数の旋回流生成ステータ(14),(14)・・・を設けることによって螺旋状に旋回する吹出気流を形成し、その中心軸側に上記空気吸込口(5)方向への強い吸引力を有する吸気渦流を生成させるようにするとともに、上記空気吹出口(9)の空気吹出通路を、上記空気流の上流側から下流側にかけて斜め外方に所定傾斜角(θ1)傾斜させて形成することによって、上記螺旋状に旋回する吹出気流を下方側斜め方向に吹き出すようにしてなる吸気・送風装置において、上記吸気・吹出パネル(4)は、上記所定傾斜角(θ1)の空気吹出通路の外側面を形成するテーパ面状の内周面(40a)を有する開口を有した外枠パネル(40)と、該外枠パネル(40)の上記開口内に嵌合され、上記所定傾斜角(θ1)の空気吹出通路の内側面を形成するテーパ面状の外周面(41a)を有する内枠パネル(41)とからなり、これら外枠パネル(40)と内枠パネル(41)とが相互に分離可能な状態で嵌合一体化されているとともに、上記内枠パネル(41)の中央に上記空気吸込口(5)が形成され、かつ上記外枠パネル(40)の開口のテーパ面状の内周面(40a)と上記内枠パネル(41)のテーパ面状の外周面(41a)とによって上記外周方向に所定傾斜角(θ1)傾斜した空気吹出通路を有する上記空気吹出口(9)が形成され、該空気吹出口(9)の上記空気吹出通路部分に位置して上記内枠パネル(41)のテーパ面状の外周面(41a)に上記複数の旋回流生成ステータ(14),(14)・・・が固定されていることを特徴とする吸気・送風装置。
- 空気吹出口(9)における空気吹出条件は、周方向の速度成分(Vθ)と鉛直方向の速度成分(Vz)との比が、0.25〜1となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の吸気・送風装置。
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