JP2016014368A - 空気調和機 - Google Patents

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竜佑 太田黒
Ryusuke Otaguro
竜佑 太田黒
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Abstract

【課題】ベルマウスに沿って流れる空気の剥離に起因する騒音を効果的に抑制することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機は、空気の吸込口(2A)を形成する内周面(20)を有するベルマウス(2)と、ベルマウス(2)によって案内された空気が流入する羽根車(6)と、内周面(20)に周方向に沿って並び、内周面(20)に沿って流れる気流において縦渦(V1)を生じさせる複数の縦渦生成部(3)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルマウスと羽根車とを備える空気調和機に関する。
従来、軸周りに回転する羽根車と、この羽根車に空気を案内するベルマウスとを備えた空気調和機が知られている。この空気調和機では、ベルマウスに沿って流れる空気が剥離することに起因して騒音が発生することがある。
特許文献1は、乱流発生手段が設けられたベルマウスを開示している。特許文献1では、ベルマウスの中央開口の縁部を送風機に向かって流れる空気を乱流発生手段が乱すことにより、ベルマウスの表面において気流の剥離が生じるのを抑制できると記載されている。
特開平10−184594号公報
しかし、特許文献1の乱流発生手段によって空気の剥離が抑制できたとしても、乱流発生手段において生成された多数の渦は、横渦であるか、もしくは、十分強い縦渦でないため、下流側ではそれぞれが独立した渦ではなく周方向につながった大きな横渦となっており、それがベルマウスに沿って羽根車側に流れるうちに次第に大きな渦に成長する傾向にある。このような大きな渦は、羽根車に流入して羽根と衝突したときに騒音の原因となることがある。
本発明の目的は、ベルマウスに沿って流れる空気の剥離に起因する騒音を効果的に抑制することができる空気調和機を提供することである。
本発明の空気調和機は、空気の吸込口(2A)を形成する内周面(20)を有するベルマウス(2)と、前記ベルマウス(2)によって案内された空気が流入する羽根車(6)と、前記内周面(20)に周方向に沿って並び、前記内周面(20)に沿って流れる気流において縦渦(V1)を生じさせる複数の縦渦生成部(3)と、を備える。
本発明では、ベルマウス(2)の内周面(20)に周方向に沿って並ぶ複数の縦渦生成部(3)が設けられているので、ベルマウス(2)の内周面(20)において空気の流れが縦渦(V1)によって乱される。その結果、ベルマウス(2)の内周面(20)において空気の剥離が生じるのを抑制することができるので、剥離による騒音の発生を抑制することができる。
しかも、本発明では、複数の縦渦生成部(3)のそれぞれにおいて生じた縦渦(V1)は、特許文献1の乱流発生手段において生成されるような横渦に比べると、下流側(羽根車(6)側)に流れる過程において周方向に隣り合う渦がそれぞれ独立した渦のままで、より遠方まで届きやすい。したがって、本発明では、複数の縦渦生成部(3)のそれぞれにおいて生じた縦渦(V1)は、ベルマウス(2)よりも下流の羽根近傍に到達したときであっても、縦渦同士の合体が抑制されているので、周方向に細分化された小さな渦の状態が維持されやすい。よって、横渦同士の合体が進むことによって大きな渦が羽根に衝突する特許文献1の場合に比べて、本発明では、渦と羽根との衝突の強さが軽減され、その結果、騒音を低減することができる。
具体的には、各縦渦生成部(3)は、前記内周面(20)に沿って流れる空気が当たる一対の縦渦生成面(31,32)を有し、前記一対の縦渦生成面(31,32)は、空気の流れの下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びている形態を例示することができる。このように下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びる一対の縦渦生成面(31,32)を乗り越える流れは、元々の空気の流れ方向と直交する流れ成分を持つため、その結果、縦渦(V1)が生成される。特に、各縦渦生成面は、前記内周面(20)に対して切り立った面によって構成されているのが好ましく、この場合には、縦渦(V1)がより効果的に生成される。
前記空気調和機において、一対の縦渦生成面(31,32)の配置例としては、次の2つの具体的形態を例示することができる。
前記空気調和機において、前記羽根車(6)の径方向に前記一対の縦渦生成面(31,32)のそれぞれを側面視したときに、前記羽根車(6)の回転方向の前側に位置する縦渦生成面(31)と、前記回転方向の後側に位置する縦渦生成面(32)とは、前記羽根車(6)の軸方向に対する傾斜角度が同じになるように、前記一対の縦渦生成面(31,32)が配置されていてもよい。
また、前記空気調和機において、前記羽根車(6)の径方向に前記一対の縦渦生成面(31,32)のそれぞれを側面視したときに、前記羽根車(6)の回転方向の前側に位置する縦渦生成面(31)よりも前記回転方向の後側に位置する縦渦生成面(32)の方が前記羽根車(6)の軸方向に対する傾斜角度が大きくなるように、前記一対の縦渦生成面(31,32)が配置されていてもよい。この構成では、各縦渦生成部(3)において生成される縦渦(V1)には、羽根車(6)の回転方向とは逆方向の速度成分が付与される。このとき、縦渦(V1)は回転する羽根とは逆方向の速度の差が大きいので、縦渦(V1)と羽根との衝突時間を短縮でき、これにより、前側の縦渦生成面(31)の軸方向に対する傾斜角度と後側の縦渦生成面(32)の軸方向に対する傾斜角度が同じ場合に比べて、騒音の低減効果を高めることができる。
本発明によれば、ベルマウスに沿って流れる空気の剥離による騒音を効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機を示す断面図である。 実施形態に係る空気調和機の室内機の内部を下から見た図である。 (A)は、実施形態におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した断面図であり、(B)は、実施形態におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図である。 (A)は、参考例1におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した断面図であり、(B)は、参考例1におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図である。 実施形態の特性と参考例1の特性を比較した結果を示すグラフである。 実施形態の特性と参考例1の特性を比較した結果を示す表である。 ベルマウスと羽根車とを示す斜視図である。 (A)は、実施形態における縦渦生成部において縦渦が形成される様子を示す斜視図であり、(B)は、(A)におけるVIIIB−VIIIB線断面図であり、(C)は、(A)におけるVIIIC−VIIIC線断面図である。 (A)は、実施形態における縦渦生成部を羽根車の径方向に側面視したときの図であり、(B)は、変形例1における縦渦生成部を羽根車の径方向に側面視したときの図である。 (A)は、実施形態におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図であり、(B)は、実施形態の変形例1におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図である。 実施形態の変形例2に係る室内機の内部を下から見た図である。 (A)は、実施形態の変形例3における縦渦生成部の斜視図であり、(B)は、実施形態の変形例4における縦渦生成部の斜視図であり、(C)は、実施形態の変形例5における縦渦生成部の斜視図である。 参考例2に係る室内機の内部を下から見た図である。 参考例3に係る室内機の内部を下から見た図である。 (A)は、参考例2におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図であり、(B)は、参考例3におけるベルマウス及び羽根車の一部を拡大した斜視図である。 送風音のスペクトルの比較をした結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本実施形態の空気調和機が天井に埋め込まれる天井埋込型の室内機である場合を例に挙げているが、これに限られない。本発明の空気調和機は、例えば天井に吊り下げられる天井吊り下げ型の室内機、床に設置される室内機、壁に設置される室内機などであってもよい。また、本発明の構成は、空気調和機の室外機に適用することもできる。
[空気調和機の室内機の全体構造]
図1に示す室内機1は、天井に設けられた開口に埋め込まれる箱形状を有するケーシング15と、ケーシング15の下部に取り付けられたパネル11(化粧パネル11)とを備えている。ケーシング15内には、ベルマウス2と、遠心ファン16と、熱交換器12と、ドレンパン13と、エアフィルタ14とが設けられている。
パネル11は、平面視の形状がケーシング15よりも一回り大きく、天井に設けられた開口を覆った状態で室内に露出している。パネル11は、その中央部に設けられた空気の吸込口11Aと、この吸込口11Aの周りに設けられた複数の吹出口11Cとを有している。図2に示すように本実施形態では4つの吹出口11Cが設けられているが、吹出口11Cの個数はこれに限られない。吸込口11Aには、矩形状の吸込グリル11Bが設けられている。4つの吹出口11Cは、パネル11の4つの辺に沿って設けられている。各吹出口11Cは、対応する辺に沿って延びる細長い形状を有している。
図1及び図2に示す本実施形態における遠心ファン16は、ターボファンであり、羽根車6と、羽根車6を回転させるファンモータ10とを備える。羽根車6は、ハブ7と、シュラウド8と、複数の羽根9とを含む。ハブ7は、ケーシング15の天板に固定されたファンモータ10のシャフト10Aに固定されている。
シュラウド8は、ハブ7よりもベルマウス2側に配置されている。シュラウド8は、羽根車6の回転軸Aを中心として円形に開口する空気の流入口8Aを有している。シュラウド8の外径は、回転軸Aの軸方向に沿ってハブ7側に向かうにつれて大きくなっている。
複数の羽根9は、ハブ7とシュラウド8との間において流入口8Aの周方向に沿って所定の間隔をあけて配列されている。各羽根9の軸方向一方の端部(シュラウド8側の端部)はシュラウド8の内面に接合されている。各羽根9の軸方向他方の端部(ハブ7側の端部)はハブ7に接合されている。
図2に示すように、各羽根9は、羽根出口が回転方向Dと反対側に傾いている後向き羽根である。各羽根9は、羽根車6の径方向外側に向いた正圧面91と、その反対側の負圧面92とを有する。各羽根9は、シュラウド8によって案内される気流が最初に接する部位である前縁93と、羽根9の最後端であって気流が最後に接する部位である後縁94とを有する。
ベルマウス2は、シュラウド8よりもパネル11側に配置されている。ベルマウス2は、回転軸Aを中心として円形に開口する空気の吸込口2Aを有している。図1に示すように、ベルマウス2の吸込口2Aにおけるハブ7側の端部は、シュラウド8の空気の流入口8A内に配置されている。ベルマウス2の吸込口2Aは、その外径が回転軸Aの軸方向に沿ってハブ側に向かうにつれて小さくなる湾曲形状を有している。
図1及び図2に示すように、熱交換器12は、羽根車6の周囲を取り囲むように設けられている。熱交換器12は、厚みの小さな扁平な形状を有しており、遠心ファン16から吹き出された空気(気流F)が通過する位置に配置されている。図1に示す実施形態では、熱交換器12は、その下端部に沿って延設された皿状のドレンパン13から上方に起立した状態で羽根車6の径方向外側に配置されている。熱交換器12は、羽根車6とケーシング15の側壁15Aとの間に介在するように設けられている。
熱交換器12としては、例えばフィンアンドチューブ形の熱交換器を用いることができるが、これに限られない。熱交換器12は、互いに離間して配置された複数のフィンと、フィンを貫通する複数の伝熱管とを備えている。熱交換器12では、伝熱管内部を通る冷媒とフィンの周囲の空気との間で熱交換される。
ドレンパン13は、熱交換器12において生じる水滴を収容する。収容された水は図略の排水経路を通じて排出される。エアフィルタ14は、ベルマウス2の吸込口2Aを覆う大きさを有し、ベルマウス2と吸込グリル11Bとの間に吸込グリル11Bに沿って設けられている。エアフィルタ14は、吸込グリル11Bからケーシング15内に吸い込まれた空気に含まれる塵埃を捕捉する。
室内機1では、遠心ファン16の羽根車6がファンモータ10によって回転すると、ケーシング15の内部において、図1において二点鎖線で示す空気の流れF(気流F)が形成される。すなわち、吸込グリル11Bから吸い込まれた室内空気は、ベルマウス2に案内されて羽根車6に流入し、羽根車6から吹き出される。羽根車6から吹き出された空気は、熱交換器12を通過するときに伝熱管内を流れる冷媒と熱交換することによって冷却又は加熱される。そして、熱交換された空気は、吹出口11Cから室内へ供給される。
[騒音抑制構造]
次に、本実施形態に係る空気調和機の室内機1において騒音を抑制する構造について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の室内機1は、複数の縦渦生成部3(ボルテックスジェネレーター)を備え、複数の縦渦生成部3は、ベルマウス2の吸込口2Aを形成する内周面20に周方向に沿って並んでいる。
図3(A)及び図3(B)に示すように、各縦渦生成部3は、内周面20に沿って流れる気流Fにおいて縦渦V1を生じさせる。縦渦V1は、渦軸がおおよそ気流Fの方向に向いている渦である。具体的には、縦渦V1は、ベルマウス2の内周面20に沿って流れる主な気流Fの方向に向いた渦軸を有する螺旋状の渦である。横渦は、渦軸が気流Fの方向におおよそ直交する方向に向いている渦である。
本実施形態では、複数の縦渦生成部3が設けられているので、ベルマウス2の内周面20において気流Fが縦渦V1によって乱される。その結果、ベルマウス2の内周面20において空気の剥離が生じるのを抑制することができるので、剥離による騒音の発生を抑制することができる。
しかも、図3(A)及び図3(B)に示す本実施形態では、複数の縦渦生成部3のそれぞれにおいて生じた縦渦V1は、図4(A)及び図4(B)に示す参考例1において生じる横渦V2に比べて、下流側(羽根車6の側)に流れる過程において周方向に隣り合うもの同士はそれぞれが独立した渦のままで、より遠方まで届きやすい。したがって、本実施形態では、複数の縦渦生成部3のそれぞれにおいて生じた縦渦V1は、ベルマウス2よりも下流の羽根9の近傍に到達したときであっても、縦渦として十分な強さを保持できているため、周方向に細分化された小さな渦の状態が維持されやすい。よって、本実施形態では、渦と羽根9との衝突の強さが軽減され、その結果、騒音を低減することができる。
また、縦渦V1により主流との混合が促進されるため、図3(A)に示すように境界層B1が発達してベルマウス表面で剥離するのを抑制することができる。これにより、本実施形態では、ベルマウス2の吸込口2Aにおける有効吸い込み面積を大きくできるので、吸い込み風速を低減することができる。これにより、吸い込み時の抵抗を低減できる。したがって、気流Fがベルマウス2の吸込口2A及び羽根車6を通過するときの抵抗(機内抵抗)が増加するのを抑制できる。
これに対し、図4(A)及び図4(B)に示す参考例1の室内機では、吸込口102Aを形成するベルマウス102の内周面120には本実施形態のような縦渦生成部3が設けられていない。したがって、気流Fがベルマウス102の内周面120に沿って下流側(羽根車6側)に流れる過程において横渦V2が生じる。横渦V2は、下流側においては周方向につながった大きな渦である。このような参考例1では、本実施形態に比べて大きく成長した渦が羽根車6の羽根9と衝突することになり、渦と回転する羽根9とが干渉する空間スケールが大きいため衝突時間も長くなると考えられる。その結果、参考例1では、騒音(例えばNZ音)が大きくなる。
また、参考例1では、渦が大きくなりやすいので、図4(A)に示すように有効吸い込み面積が小さくなりやすい。これにより、参考例1では、気流Fがベルマウス102の吸込口102A及び羽根車6を通過するときの抵抗(機内抵抗)が増加しやすい。
また、特許文献1では、乱流発生手段としての複数の突起は、球状体であり、ベルマウスの湾曲部の表面に接着剤等により接着されている。この特許文献1の乱流発生手段では、ベルマウスの湾曲部の表面において剥離が抑制できたとしても、十分な強さの縦渦が形成されない。したがって、図4(A)及び図4(B)に示す参考例1と同様にベルマウスの表面に沿ってさらに下流側においては周方向につながった大きな横渦V2が形成される。その結果、特許文献1では、騒音(例えばNZ音)の発生を十分に抑制することができない。
図5は、実施形態の特性と参考例1の特性を比較した結果を説明する模式図である。図6は、実施形態の特性と参考例1の特性を比較した結果を示すグラフである。図5において、周方向につながった大きな渦が形成される参考例1では、その渦と羽根9との衝突時の音圧が高いのに対し、縦渦V1同士がそれぞれ独立して存在し小さな渦の状態が維持されやすい実施形態では、渦と羽根9との衝突時の音圧のピークが参考例1に比べて低減されることを示す。これは、実施形態では、細分化された複数の小さな渦が周方向に分散するため、複数の渦と羽根9との衝突の時刻がずれて、参考例1に比べて周期性が崩れるためである。すなわち、実施形態では、音圧のピークが参考例1に比べて広い周波数域に分散しているので、特に、NZ音を低減することができる。
したがって、図6のグラフに示されているように、同じ風量で比較した場合、実施形態では、参考例1に比べて送風音が低減されている。なお、図6に示す評価に用いた縦渦生成部3は、後述する図8(A)〜(C)に示すような略四角柱形状の第1生成部3Aと第2生成部3Bとによって構成され、第1生成部3Aにおける前側縦渦生成面31の長さL1が約10mmであり、第1生成部3Aにおける前側縦渦生成面31の高さH1が約2mmであり、第1生成部3Aの幅が約2mmであるものを用いた。また、第1生成部3Aと第2生成部3Bは例えば合成樹脂によって形成されたものである。また、図6に示す評価では、前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32とのなす角度θを60度に設定した(図8(A)参照)。
本実施形態における騒音抑制構造の概要は以上の通りであるが、以下では、本実施形態における騒音抑制構造についてさらに具体的に説明する。なお、本発明における騒音抑制構造は、以下の具体的な実施形態に限定されるものではない。
図7は、本実施形態におけるベルマウス2と羽根車6とを示す斜視図である。図7に示すように、ベルマウス2は、吸込口2Aが形成された筒状のダクト部24と、ダクト部24の周りに設けられた周辺部25とを有する。ダクト部24と周辺部25との境界2Bは、回転軸Aの軸方向に沿ってハブ7側に向かうにつれて内径が小さくなり始める部分である。周辺部25は、その大半が平板状であるが、これに限られない。
ベルマウス2の吸込口2Aは、ダクト部24の内周面20によって形成されている。すなわち、吸込口2Aは、ベルマウス2における境界2Bからベルマウス2におけるハブ7側の先端2E(図1及び図7においてダクト部24の上端)までの内周面20によって区画される開口である。
ダクト部24は、境界2Bからハブ7側に向かうにつれて内径が小さくなっている。また、ダクト部24におけるハブ7側の部分は、軸方向において内径が一定であってもよく、ハブ7側に向かうにつれて内径が大きくなっていてもよい。
ダクト部24におけるハブ7側の部分は、シュラウド8におけるパネル11側の部分(図1においてシュラウド8の下端部)とオーバーラップしている。すなわち、ダクト部24におけるハブ7側の部分は、シュラウド8におけるパネル11側の部分の内側に配置されていて、シュラウド8におけるパネル11側の部分に対して径方向に対向している。
本実施形態では、縦渦生成部3は、その少なくとも一部がベルマウス2の内周面20(ダクト部24の内周面20)に配置されていればよい。すなわち、縦渦生成部3の一部がダクト部24の内周面20に配置され、縦渦生成部3の残部が周辺部25の表面に配置されていてもよい。図1〜図3及び図7に示す具体例では、縦渦生成部3の全体がダクト部24の内周面に配置されている。また、縦渦生成部3は、ダクト部24の内周面20において、先端2Eよりも境界2Bに近い位置に設けられているのが好ましい。この場合には、ベルマウス2の吸込口2Aに吸い込まれた気流Fにおいて上流側(境界2B側)で縦渦V1を形成することができる。これにより、渦が大きく成長する前に縦渦V1を形成することができる。
図2及び図7に示す本実施形態では、複数の縦渦生成部3は、周方向に不等間隔に配置されているが、これに限られず、後述する図11に示す変形例2のように等間隔に配置されていてもよい。図2及び図7に示す具体例では、例えば、隣合う縦渦生成部3間の間隔は、大小2種類あり、これらが交互に設けられているが、これに限られない。
図8(A)は、本実施形態における縦渦生成部3において縦渦V1が形成される様子を示す斜視図であり、図8(B)は、図8(A)におけるVIIIB−VIIIB線断面図であり、図8(C)は、図8(A)におけるVIIIC−VIIIC線断面図である。図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示す縦渦生成部3は、ベルマウス2の内周面20に設けられた複数の縦渦生成部3のうちの1つを示している。本実施形態では、複数の縦渦生成部3は互いに同じ構造を備えているが、これに限られない。
図2、図3(B)、図7及び図8(A)に示す本実施形態では、各縦渦生成部3は、第1生成部3Aと第2生成部3Bとによって構成されている。本実施形態では、第1生成部3Aと第2生成部3Bは、互いに別体の部材であるが、これに限られず、縦渦生成部3は、後述する図12(A)に示す変形例3のように一体成形されたものであってもよい。
図8(A)に示すように、第1生成部3A及び第2生成部3Bのそれぞれは、例えば柱状の細長い部材によって構成されているが、これに限られない。図8(A)に示す具体例では、第1生成部3A及び第2生成部3Bのそれぞれは、おおよそ四角柱の形状を有しており、ベルマウス2の湾曲した内周面20に沿って滑らかに湾曲している。
第1生成部3Aと第2生成部3Bは、ベルマウス2の内周面20の周方向に互いに間隔をあけて配置されている。第1生成部3Aと第2生成部3Bは、V字状に配置されている。具体的に、第1生成部3Aと第2生成部3Bは、気流Fの方向の上流側の端部同士が離隔し、気流Fの方向の下流側の端部同士も離隔しており、且つ、下流側に向かうにつれて互いの間隔が大きくなっている。
各縦渦生成部3は、ベルマウス2の内周面20に沿って流れる気流Fが衝突する一対の縦渦生成面31,32を有している。一対の縦渦生成面31,32は、羽根車6の回転方向Dの前側に位置する前側縦渦生成面31と、回転方向Dの後側に位置する後側縦渦生成面32とによって構成されている。これらの縦渦生成面31,32は、気流Fの方向の下流側(羽根車6側)に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びている。
上記のような一対の縦渦生成面31,32によって構成される縦渦生成部3を備える室内機1では、各縦渦生成部3において次のように縦渦V1が形成される。すなわち、図8(A)に示すようにベルマウス2の吸込口2Aに吸い込まれた気流Fは、前側縦渦生成面31及び後側縦渦生成面32に衝突すると、図8(A)に矢印で示すように縦渦生成面31,32に沿って縦渦生成部3に乗り上がるような動きが付与される。また、前側縦渦生成面31によって付与される回転方向と、後側縦渦生成面32によって付与される回転方向とは逆向きになる。このような逆向きの一対の縦渦V1がセットで形成されることによって、これらの縦渦V1が安定して長時間存在することが可能になると推測される。
図8(A)〜(C)に示す本実施形態では、前側縦渦生成面31は第1生成部3Aに設けられ、後側縦渦生成面32は第2生成部3Bに設けられている。また、第1生成部3Aは、気流Fの方向の上流側に位置する端面33と、下流側に位置する端面34と、前側縦渦生成面31とは反対側に位置する側面35と、側面35と前側縦渦生成面31をつなぐ天面36とを有する。同様に、第2生成部3Bは、気流Fの方向の上流側に位置する端面33と、下流側に位置する端面34と、後側縦渦生成面32とは反対側に位置する側面35と、側面35と前側縦渦生成面31をつなぐ天面36とを有する。
前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32とのなす角度θは、特に限定されるものではないが、例えば0〜120度の範囲にあるのが好ましく、30〜90度の範囲にあるのがより好ましい。前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32とのなす角度θは、例えば、前側縦渦生成面31と内周面20との境界線31Bと、後側縦渦生成面32と内周面20との境界線32Bとのなす角度とすることができる。境界線31B及び境界線32Bが湾曲している場合には、角度θは、例えば、境界線31Bの上流側(気流Fの方向の上流側)の端部31BUにおける接線L1と、境界線32Bの上流側の端部32BUにおける接線L2とのなす角度とすることができる。
図8(B)及び図8(C)に示すように、本実施形態における一対の縦渦生成面31,32のそれぞれは、ベルマウス2の内周面20に対して切り立った面によって構成されている。各縦渦生成面は、内周面20からベルマウス2の厚み方向(ダクト部24の厚み方向)に起立する面である。各縦渦生成面は、平面及び湾曲面の少なくとも一方を含む面である。各縦渦生成面は、気流Fの方向に対して傾斜している。
図8(B)及び図8(C)に示す具体例では、一対の縦渦生成面31,32のそれぞれと、内周面20とのなす角度は直角であるが、これに限られず、鋭角であってもよく、後述する図12(C)に示す変形例5のように鈍角であってもよい。一対の縦渦生成面31,32のそれぞれと、内周面20とのなす角度は、例えば60〜120度の範囲にあるのが好ましく、75〜105度の範囲にあるのがより好ましい。
図8(B)及び図8(C)において、前側縦渦生成面31の高さH1及び後側縦渦生成面32の高さH2のそれぞれは、特に限定されるものではないが、例えば0〜4mmの範囲にあるのが好ましく、1〜3mmの範囲にあるのがより好ましい。
図9(A)は、本実施形態における縦渦生成部3を羽根車6の径方向に側面視したときの図である。すなわち、図9(A)は、羽根車6の回転軸Aから縦渦生成部3を径方向外側に見たときの側面図である。図9(A)に示す本実施形態では、前側縦渦生成面31と回転軸Aの軸方向とのなす角度θ1と、後側縦渦生成面32と回転軸Aの軸方向のなす角度θ2とは同じ角度であるが、これに限られない。
図9(B)は、本実施形態の変形例1における縦渦生成部3を羽根車6の径方向に側面視したときの図である。図9(B)に示す変形例1では、前側縦渦生成面31と回転軸Aの軸方向とのなす角度θ1と、後側縦渦生成面32と回転軸Aの軸方向のなす角度θ2とは異なる角度に設定されている。図9(B)に示す具体例では、角度θ2が角度θ1よりも大きくなるように前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32が配置されている。
図9(B)に示す変形例1では、一対の縦渦生成面31,32を備え、且つ、これらの縦渦生成面31,32を図9(A)の実施形態に比べて回転方向Dとは反対側に傾けている。これにより、変形例1では、各縦渦生成部3において生成される縦渦V1には、羽根車6の回転方向とは逆方向の速度成分が付与される(逆旋回が付与される)。その結果、縦渦V1と羽根9との衝突時間を短縮できるので、前側縦渦生成面31の軸方向に対する傾斜角度と後側縦渦生成面32の軸方向に対する傾斜角度が同じである図9(A)に示す実施形態に比べて、騒音の低減効果を高めることができる。
なお、角度θ1が角度θ2よりも大きくなるように前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32が配置されていてもよい。
また、図9(A)に示す実施形態及び図9(B)に示す実施形態の変形例1の何れにおいても、縦渦生成部3を羽根車6の径方向に側面視したときに、前側縦渦生成面31は、その全体が回転軸Aよりも回転方向Dの前方に位置しており、後側縦渦生成面32は、その全体が回転軸Aよりも回転方向Dの後方に位置している。すなわち、図9(A)及び図9(B)に示すように縦渦生成部3を羽根車6の径方向に側面視したときには、前側縦渦生成面31、回転軸A及び後側縦渦生成面32はこの順に並んでいる。
図9(A)及び図9(B)において、前側縦渦生成面31における回転軸Aの軸方向の長さL1及び後側縦渦生成面32における回転軸Aの軸方向の長さL2は、特に限定されるものではない。
図10(A)は、実施形態におけるベルマウス2及び羽根車6の一部を拡大した斜視図であり、図10(B)は、実施形態の変形例1におけるベルマウス2及び羽根車6の一部を拡大した斜視図である。図10(A)に示す一点鎖線S0は、実施形態における前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32の真ん中を通る中心線(対称軸)である。図10(B)に示す一点鎖線S1は、変形例1における前側縦渦生成面31と後側縦渦生成面32の真ん中を通る中心線(対称軸)である。変形例1における中心線S1は、実施形態における中心線S0に比べて、回転方向Dとは反対側に傾いている。したがって、変形例1では、実施形態に比べて、縦渦V1の流れる方向が回転方向Dとは反対側に傾くことになる。これにより、変形例1では、実施形態に比べて、羽根9との衝突時間が短くなり、騒音(例えばNZ音)の低減効果を高めることができる。
図11は、実施形態の変形例2に係る室内機の内部を下から見た図である。図11に示す変形例2では、複数の縦渦生成部3は、周方向に等間隔に配置されている。この変形例2では、図2及び図7に示す本実施形態に比べて、複数の縦渦V1を周方向においてより多く生成することができる。そのため、周方向により細分化された小さな渦の状態が維持されやすく、騒音の低減効果を高めることができる。
また、縦渦生成部3の形態は、図8(A)〜(C)に示した形態に限られない。図12(A)は、実施形態の変形例3における縦渦生成部の斜視図であり、図12(B)は、実施形態の変形例4における縦渦生成部の斜視図であり、図12(C)は、実施形態の変形例5における縦渦生成部の斜視図である。
図12(A)に示す変形例3では、縦渦生成部3は、三角柱形状を有しており、単一の部材からなる。三角柱の3つの側面のうちの1つが前側縦渦生成面31を構成し、別の1つが後側縦渦生成面32を構成している。変形例3では、一対の縦渦生成面31,32のそれぞれと、内周面20とのなす角度は直角であるが、これに限られない。
図12(B)に示す変形例4では、縦渦生成部3は、第1生成部3Aと、第2生成部3Bとによって構成されている。第1生成部3A及び第2生成部3Bのそれぞれは、三角柱形状を有しており、互いに別々に成形されたものである。第1生成部3Aと第2生成部3Bは、周方向に間隔をあけて配置されている。第1生成部3Aにおける三角柱の1つの側面が前側縦渦生成面31を構成し、第2生成部3Bにおける三角柱の1つの側面が後側縦渦生成面32を構成している。変形例4では、一対の縦渦生成面31,32のそれぞれと、内周面20とのなす角度は直角であるが、これに限られない。
図12(C)に示す変形例5では、縦渦生成部3は、第1生成部3Aと、第2生成部3Bとによって構成されている。第1生成部3A及び第2生成部3Bのそれぞれは、三角錐形状を有しており、互いに別々に成形されたものである。第1生成部3Aと第2生成部3Bは、周方向に間隔をあけて配置されている。第1生成部3Aにおける三角錐の1つの側面が前側縦渦生成面31を構成し、第2生成部3Bにおける三角錐の1つの側面が後側縦渦生成面32を構成している。この変形例5では、一対の縦渦生成面31,32のそれぞれと、内周面20とのなす角度は鈍角である。なお、図12(C)に示す変形例5では、第1生成部3Aと第2生成部3Bは、周方向に間隔をあけずに配置されていてもよい。また、第1生成部3Aと第2生成部3Bは、一体に成形された単一の部材からなるものであってもよい。また、変形例5では、縦渦V1を効果的に発生させるために、一対の縦渦生成面31,32が空気の流れの下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように配置されている。一対の縦渦生成面31,32をこのように配置するための具体的な手段としては、図12(C)に示すように、第1生成部3Aと第2生成部3Bの下流側の間隔G2が第1生成部3Aと第2生成部3Bの上流側の間隔G1よりも大きくなるように第1生成部3Aと第2生成部3Bを配置するという手段を例示することができる。
図13は、参考例2に係る室内機101の内部を下から見た図であり、図14は、参考例3に係る室内機101の内部を下から見た図である。図15(A)は、参考例2におけるベルマウス102及び羽根車6の一部を拡大した斜視図であり、図15(B)は、参考例3におけるベルマウス102及び羽根車6の一部を拡大した斜視図である。
図13及び図15(A)に示す参考例2では、ベルマウス102の吸込口の内周面120に複数の突起103が周方向に沿って配列されている。各突起103は、細長い柱状の形状を有している。各突起103は、傾斜方向に気流Fをガイドする機能を有し、気流Fに対して回転方向Dの速度成分を付与する(予旋回を付与する)ように羽根車6の回転軸に対して傾斜するように配置されている。
図14及び図15(B)に示す参考例3では、ベルマウス102の吸込口の内周面120に複数の突起103が周方向に沿って配列されている。各突起103は、細長い柱状の形状を有している。各突起103は、傾斜方向に気流Fをガイドする機能を有し、気流Fに対して回転方向Dとは反対方向の速度成分を付与する(逆旋回を付与する)ように羽根車6の回転軸に対して傾斜するように配置されている。
図13及び図15(A)に示す参考例2及び図14及び図15(B)に示す参考例3では、本実施形態のような一対の縦渦生成面31,32(すなわち、気流Fの下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びる一対の縦渦生成面31,32)を備えていないので、本実施形態のように安定した縦渦V1が形成されず、横渦V2が形成される。これらの参考例2及び参考例3では、各突起103によって気流Fが乱されるが、下流に流れるうちに、渦同士が周方向に合体しやすい。
図16は、送風音のスペクトルの比較をした結果を示すグラフである。図16のグラフでは、図3(A),(B)に示す実施形態と、図4(A),(B)に示す参考例1と、図13及び図15(A)に示す参考例2と、図14及び図15(B)に示す参考例3とを比較したものである。参考例2における各突起103は、実施形態における第1生成部3Aと同じ形状であり、同じ大きさであり、同じ傾斜角度で内周面120に取り付けられている。参考例3における各突起103は、実施形態における第2生成部3Bと同じ形状であり、同じ大きさであり、同じ傾斜角度で内周面120に取り付けられている。図16に示す評価では、羽根車6の回転数を同一に設定した。
図16に示すように、NZ音に関係するスペクトル強度は、実施形態が最も小さく、参考例3が次に小さく、参考例2が3番目に小さく、参考例1が最も大きい結果となった。NZ音に関係する周波数は、図16に示す「1NZ」の周波数と、「2NZ」の周波数とがある。これらの何れの周波数においても、スペクトル強度の順番は、上記の通りであった。このように実施形態は、参考例1〜3に比べて、騒音低減効果に優れていることがわかる。
参考例1〜3では、本実施形態に比べて大きく成長した渦が羽根車6の羽根9と衝突することになる。大きな渦が羽根9に衝突すると、羽根9近傍の圧力変動が大きくなる(圧力の落差が大きくなる)。これに対し、実施形態では、参考例1〜3に比べて、周方向に細分化された渦が羽根9に衝突するので、一つあたりの渦によって羽根9において生じる圧力変動が小さくなる。その結果、実施形態では、参考例1〜3に比べて騒音(例えばNZ音)を低減することができると考えられる。一つの渦と羽根9との衝突時間は、実施形態、参考例3、参考例2、参考例1の順に短いと考えられる。これにより、NZ音は、実施形態が最も小さく、参考例3、参考例2、参考例1の順に次第に大きくなっている。なお、逆旋回が付与されている参考例3では、予旋回が付与されている参考例2に比べて、1つ渦が羽根9に衝突する時間が短いと考えられる。
以上のように、実施形態及び変形例1〜5では、ベルマウス2の内周面20に周方向に沿って並ぶ複数の縦渦生成部3が設けられているので、ベルマウス2の内周面20において空気の流れが縦渦V1によって乱される。その結果、ベルマウス2の内周面20において空気の剥離が生じるのを抑制することができるので、剥離による騒音の発生を抑制することができる。
しかも、実施形態及び変形例1〜5では、複数の縦渦生成部3のそれぞれにおいて生じた縦渦V1は、特許文献1の乱流発生手段において生成されるような横渦に比べると、下流側(羽根車6側)に流れる過程において周方向に隣り合う渦がそれぞれ独立した渦のままで、より遠方まで届きやすい。したがって、実施形態及び変形例1〜5では、複数の縦渦生成部3のそれぞれにおいて生じた縦渦V1は、ベルマウス2よりも下流の羽根近傍に到達したときであっても、それぞれが独立して存在しやすいため、細分化された小さな渦の状態が維持されやすい。よって、周方向につながった大きな横渦が羽根に衝突する特許文献1の場合に比べて、本発明では、渦と羽根との衝突の強さが軽減され、その結果、騒音を低減することができる。
実施形態及び変形例1〜5では、各縦渦生成部3は、内周面20に沿って流れる空気が当たる一対の縦渦生成面31,32を有し、一対の縦渦生成面31,32は、空気の流れの下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びている。このように下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びる一対の縦渦生成面31,32に空気が衝突することによって縦渦V1が生成される。特に、各縦渦生成面は、内周面20に対して切り立った面によって構成されているのが好ましく、この場合には、縦渦V1がより効果的に生成される。
実施形態及び変形例2〜5では、羽根車6の径方向に一対の縦渦生成面31,32のそれぞれを側面視したときに、羽根車6の回転方向の前側に位置する縦渦生成面31と、回転方向の後側に位置する縦渦生成面32とは、羽根車6の軸方向に対する傾斜角度が同じになるように、一対の縦渦生成面31,32が配置されている。
変形例1では、羽根車6の径方向に一対の縦渦生成面31,32のそれぞれを側面視したときに、羽根車6の回転方向の前側に位置する縦渦生成面31よりも回転方向の後側に位置する縦渦生成面32の方が羽根車6の軸方向に対する傾斜角度が大きくなるように、一対の縦渦生成面31,32が配置されている。この変形例1では、各縦渦生成部3において生成される縦渦V1には、羽根車6の回転方向とは逆方向の速度成分が付与される。これにより、縦渦V1と羽根との衝突時間を短縮できるので、前側の縦渦生成面31の軸方向に対する傾斜角度と後側の縦渦生成面32の軸方向に対する傾斜角度が同じ場合に比べて、騒音の低減効果を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、縦渦生成部3は、ベルマウス2とは別体として成形された部材であって、ベルマウス2の吸込口2Aの内周面20に固定される場合を例示したが、これに限られない。縦渦生成部3は、ベルマウス2と一体成形されていてもよい。
前記実施形態では、縦渦生成部3における一対の縦渦生成面31,32は、ベルマウス2の吸込口2Aの内周面20から出っ張るように設けられていたが、これに限られない。縦渦生成部3における一対の縦渦生成面31,32は、ベルマウス2の吸込口2Aの内周面20に設けられた溝の側面によって構成されていてもよい。
前記実施形態では、ターボファンに気流Fを案内するベルマウス2に縦渦生成部3を設ける場合を例示したが、これに限られず、例えば複数の前向き羽根を備える多翼ファン(シロッコファン)に気流Fを案内するベルマウス2に縦渦生成部3を設けてもよい。一般に、ターボファン(例えば羽根9が7枚のターボファン)では、NZ音に関係する周波数は人間の耳が比較的鈍感な周波数帯にあるため、騒音低減効果が小さめである。これに対し、シロッコファンでは、ターボファンに比べて使用時の回転数が大きく、しかも、羽根の枚数も多いので、NZ音の低減による騒音低減効果がより顕著に現れると考えられる。
1 空気調和機の室内機
2 ベルマウス
2A ベルマウスにおける空気の吸込口
20 ベルマウスの吸込口の内周面
3 縦渦生成部
3A 第1生成部
3B 第2生成部
31 縦渦生成面(前側縦渦生成面)
32 縦渦生成面(後側縦渦生成面)
6 羽根車
7 ハブ
8 シュラウド
8A シュラウドにおける空気の流入口
A 羽根車の軸(回転軸)
D 羽根車の回転方向
F 空気の流れ
V1 縦渦
V2 横渦

Claims (5)

  1. 空気の吸込口(2A)を形成する内周面(20)を有するベルマウス(2)と、
    前記ベルマウス(2)によって案内された空気が流入する羽根車(6)と、
    前記内周面(20)に周方向に沿って並び、前記内周面(20)に沿って流れる気流において縦渦(V1)を生じさせる複数の縦渦生成部(3)と、を備える空気調和機。
  2. 各縦渦生成部(3)は、前記内周面(20)に沿って流れる空気が当たる一対の縦渦生成面(31,32)を有し、
    前記一対の縦渦生成面(31,32)は、空気の流れの下流側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように延びている、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 各縦渦生成面は、前記内周面(20)に対して切り立った面によって構成されている、請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記羽根車(6)の径方向に前記縦渦生成部(3)を側面視したときに、前記羽根車(6)の回転方向の前側に位置する縦渦生成面(31)よりも前記回転方向の後側に位置する縦渦生成面(32)の方が前記羽根車(6)の軸方向に対する傾斜角度が大きくなるように、前記一対の縦渦生成面(31,32)が配置されている、請求項2又は3に記載の空気調和機。
  5. 前記羽根車(6)の径方向に前記縦渦生成部(3)を側面視したときに、前記羽根車(6)の回転方向の前側に位置する縦渦生成面(31)と、前記回転方向の後側に位置する縦渦生成面(32)とは、前記羽根車(6)の軸方向に対する傾斜角度が同じになるように、前記一対の縦渦生成面(31,32)が配置されている、請求項2又は3に記載の空気調和機。
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