JP6044165B2 - 多翼ファン及びこれを備える空気調和機の室内機 - Google Patents

多翼ファン及びこれを備える空気調和機の室内機 Download PDF

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Description

本発明は、クロスフローファン、シロッコファンなどの多翼ファン、及びこれを備える空気調和機の室内機に関する。
従来、クロスフローファン、シロッコファンなどの多翼ファンは、例えば空気調和機などの機器の送風機として用いられている。この多翼ファンでは、羽根車の回転により騒音が生じやすいため、種々の騒音対策が検討されている(例えば特許文献1)。
特許第3995010号公報
従来の多翼ファンでは、例えば図8(A),(B)に示すように、羽根の縁部に流入した空気が負圧面に沿いにくいため、負圧面において気流の剥離Hが生じやすい。これにより、騒音が発生し、ファン効率が低下する。
本発明の目的は、剥離に起因する騒音を低減することができるとともに、剥離に起因するファン効率の低下を抑制することができる多翼ファンを提供することである。
本発明の多翼ファンは、クロスフローファンであって、回転軸の周囲に配列された複数の前向き羽根(2)を有する。各羽根(2)における気流が導入される側の外縁部(21)の外面は、外側に凸の湾曲面(25)である。前記湾曲面(25)は、負圧面(23)と滑らかに接続され、圧力面(24)とは90°〜85°の角度(θ2)で接続されている。前記角度(θ2)は、前記湾曲面(25)と前記圧力面(24)との接続点(P2)における前記湾曲面(25)の接線(L3)と前記接続点(P2)における前記圧力面(24)の接線(L4)とのなす角度である。
この構成では、前記縁部の湾曲面(25)と圧力面(24)とが90°〜85°の角度(θ2)で接続されているので、羽根(2)の前記縁部の近傍に到達した空気は、負圧面(23)に沿って流れやすくなる。これにより、負圧面(23)において剥離が生じるのを抑制できるので、剥離に起因する騒音を低減し、剥離に起因するファン効率の低下を抑制することができる。具体的には次の通りである。
すなわち、従来の羽根では、縁部の外面は、負圧面と滑らかに接続されているだけでなく、圧力面とも滑らかに接続されている。このような羽根では、例えば図8(B)に示す参考例1のように、縁部121の外面125の曲率半径が小さくなる。したがって、縁部121の近傍に到達した空気は負圧面123に沿って流れにくく、その結果、負圧面123において剥離Hが生じやすい。
一方、縁部の湾曲面(25)と圧力面(24)とが90°〜85°の角度(θ2)で接続されている本構成では、例えば図3(B)に示すように湾曲面(25)の曲率半径は、参考例1の羽根の外面125の曲率半径よりも大きくなる。そして、本構成では、曲率半径の大きな湾曲面(25)と負圧面(23)とが滑らかに接続されているので、羽根(2)の縁部の近傍に到達した空気は、負圧面(23)に沿って流れやすくなる。これにより、負圧面(23)において剥離が生じるのを抑制できるので、剥離に起因する騒音を低減することができるとともに、剥離に起因するファン効率の低下を抑制することができる。
ここで、縁部の湾曲面(25)と圧力面(24)とが、本構成のように直角に近い角度ではなく直角よりもかなり小さい角度(例えば45°程度の角度)で接続されている場合には、縁部に鋭いエッジが形成されるので、羽根車の回転時に異音が発生しやすくなる。この異音とは、例えば特定の周波数にピークを有する音(回転数(N)と羽根枚数(Z)で表される周波数にピークを有するNZ音、翼通過周波数音などと呼ばれる。)である。
一方、湾曲面(25)と圧力面(24)とが90°〜85°の角度(θ2)で接続されている本構成では、上記のような異音が生じるのを抑制できる。
前記多翼ファンにおいて、前記湾曲面(25)と前記圧力面(24)とが接続されている前記角度(θ2)が直角である場合には、羽根車の回転時における異音の発生をさらに効果的に抑制できる。
本発明の空気調和機の室内機は、上記のいずれかの多翼ファンを備える。
本発明によれば、剥離に起因する騒音を低減することができるとともに、剥離に起因するファン効率の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る多翼ファンとしてのクロスフローファンを備える空気調和機の室内機を示す断面図である。 前記クロスフローファンの羽根車を、その回転軸を含む平面で切断した断面図である。 (A)は、前記羽根車における複数の羽根のうちの一部を拡大した断面図であり、羽根に流入する空気の流れを示している。(B)は、羽根の外縁部を拡大した図である。(C)は、その外縁部の周辺における空気の流れを示す図である。 (A)は、前記クロスフローファンにおける羽根の変形例1を示す図である。(B)は、前記クロスフローファンにおける羽根の変形例2を示す図である。 (A)は、風量とモータ入力との関係を示すグラフである。(B)は、風量と送風音との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る多翼ファンとしてのシロッコファンを示す正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 (A)は、参考例1のクロスフローファンの羽根に流入する空気の流れを示す図である。(B)は、参考例1のクロスフローファンの羽根の外縁部の周辺における空気の流れを示す図である。 参考例2のクロスフローファンの羽根の外縁部の周辺における空気の流れを示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る多翼ファンについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る多翼ファンとしてのクロスフローファン1を備える空気調和機の室内機51を示す断面図である。第1実施形態では、多翼ファンがクロスフローファンである場合を例示しているが、これに限定されない。多翼ファンは、例えば後述する第2実施形態のようにシロッコファンであってもよい。
図1に示すように、クロスフローファン1を備える室内機51は、壁掛けタイプの室内機であるが、これに限定されない。クロスフローファン1は、床置きタイプ、天井設置タイプなどの他のタイプの室内機に用いることもできる。室内機51のケーシング11内には、クロスフローファン1、熱交換器12、この熱交換器の下端部に沿って配置されたドレンパン13,13などが設けられている。
図1及び図2に示すように、クロスフローファン1は、羽根車3と、この羽根車3を回転させるモータ4とを備える。羽根車3は、ケーシング11の幅方向に沿って延びる略円筒形状を有する。本実施形態では、羽根車3は、熱交換器12に対して空気が流れる方向の下流側に配置されているが、これに限定されず、熱交換器12よりも上流側に配置されていてもよい。
室内機51は、舌部18と、案内部19とを備える。舌部18の内面18aと案内部19の内面19aは、クロスフローファン1の下流側の吹出流路を形成している。案内部19の内面19aは、羽根車3の径方向外側に凹む湾曲面であり、空気吹出口16まで延びている。舌部18の内面18aは、羽根車3を挟んで案内部19の内面19aと対向している。案内部19の内面19a及び舌部18の内面18aのそれぞれは、羽根車3の軸方向に沿って延びている。
モータ4によって羽根車3が図1に示す実線矢印の回転方向Dに回転すると、室内の空気は、一点鎖線の矢印で示すように、ケーシング11に設けられた空気吸込口14,15を通じてケーシング11内に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、熱交換器12を通過する際に冷媒と熱交換して温度調節される。温度調節された空気は、クロスフローファン1の羽根車3を通過して、ケーシング11に設けられた空気吹出口16から室内に吹き出される。室内に吹き出される空気の方向は、空気吹出口16に沿ってケーシング11に設けられたフラップ17,17によって調節される。
次に、クロスフローファン1について詳しく説明する。図2に示すように、クロスフローファン1の羽根車3は、複数の羽根2と、少なくとも1つの仕切り板5と、第1端板6と、第2端板7とを備える。複数の羽根2は、羽根車3の回転軸Aを中心として回転軸Aの周囲に配列されている。隣り合う羽根2は、所定の間隔をあけて配置されている。図1に示すように、各羽根2は、径方向外側に向かうにつれて回転方向Dに湾曲した前向き羽根である。
第1端板6は、羽根車3の軸方向の一端に設けられており、例えば円板形状又は環形状の部材である。第2端板7は、羽根車3の軸方向の他端に設けられており、例えば円板形状の部材である。第2端板7は、回転軸A上に配置された軸部8を有する。この軸部8は、ケーシング11に支持される。本実施形態では、羽根車3は、複数の仕切り板5を備える。複数の仕切り板5は、第1端板6と第2端板7との間において互いに間隔をあけて配置されている。各仕切り板5は、例えば円板形状又は環形状の部材である。
第1端板6とこの第1端板6に最も近い仕切り板5との間には、複数の羽根2が配列されており、各羽根2の一端は第1端板6に支持され、他端は仕切り板5に支持されている。また、隣り合う仕切り板5,5の間には、複数の羽根2が配列されており、各羽根2の一端は一方の仕切り板5に支持され、他端は他方の仕切り板5に支持されている。さらに、第2端板7とこの第2端板7に最も近い仕切り板5との間には、複数の羽根2が配列されており、各羽根2の一端は仕切り板5に支持され、他端は第2端板7に支持されている。
図3(A)は、羽根車3における複数の羽根2のうちの一部を拡大した断面図であり、羽根2に流入する空気の流れを示している。図3(A)は、回転軸Aに垂直な平面で羽根2を切断した断面を示している。図3(B)は、図3(A)に示す羽根2の外縁部21を拡大した図である。図3(C)は、その外縁部21の周辺における空気の流れを示す図である。
図3(A)に示すように、第1実施形態に係るクロスフローファン1の各羽根2は、径方向外側の縁部である外縁部21と、径方向内側の縁部である内縁部22とを有する。各羽根2では、外縁部21と内縁部22との間の中間部付近の厚みが、外縁部21側の厚み及び内縁部22側の厚みよりも大きい。各羽根2は、径方向外側に向かうにつれて回転方向Dに湾曲した形状を有する。
各羽根2は、負圧面23と、圧力面24とを有する。負圧面23は、羽根車3の回転方向Dとは反対側に位置している。負圧面23は、回転方向Dの反対側に凸の凸曲面である。圧力面24は、負圧面23の反対面、すなわち羽根車3の回転方向Dの側に位置している。圧力面24は、回転方向Dの反対側に凹む凹曲面である。
本実施形態のクロスフローファン1は、外縁部21の外面に特徴を有する。外縁部21は、図1に示すように、羽根車3の全体のうち、熱交換器12を通過した空気が最初に到達する部位である。図1に示すように、複数の羽根2のうち、舌部18の内面18a及び案内部19の内面19aよりも気流方向の上流側領域A1に位置する羽根2においては、外縁部21は、気流が隣り合う羽根2,2の隙間に導入される側の縁部であり、内縁部22は、気流が隣り合う羽根2,2の隙間から流出する側の縁部である。
図3(B)に示すように、各羽根2の外縁部21の外面は、外側に凸の湾曲面25である。湾曲面25は、負圧面23と滑らかに接続されている一方で、圧力面24とは90°〜85°の角度θ2で接続されている。湾曲面25は、図3(B)に示す断面図において、円弧形状、楕円弧形状又はこれらの形状に近い形状を有する。
本実施形態では、湾曲面25の曲率半径は負圧面23の曲率半径よりもかなり小さい。したがって、湾曲面25と負圧面23との接続点P1は、その付近において羽根2の外面の曲率半径が大きく変化する部位である。このように湾曲面25の曲率半径と負圧面23の曲率半径とは大きく異なるが、接続点P1における湾曲面25の接線L1の方向は、接続点P1における負圧面23の接線L2の方向に近い方向に向いている。すなわち、湾曲面25の接線L1と負圧面23の接線L2のなす角度θ1は、少なくとも鈍角であり、本実施形態では180°に近い値である。なお、角度θ1は、接線L1と接線L2とのなす角度のうち圧力面24側の角度である。
湾曲面25と圧力面24とは接続点P2において接続されている。接続点P2における湾曲面25の接線L3と接続点P2における圧力面24の接線L4のなす角度θ2は、上述したように90°〜85°の範囲である。本実施形態では、湾曲面25は、接続点P1から接続点P2まで湾曲した凸曲面である。特に、角度θ2は、直角であるのが好ましい。なお、角度θ2は、接線L3と接線L4とのなす角度のうち負圧面23側の角度である。
図8(A)は、参考例1のクロスフローファンの羽根102に流入する空気の流れを示す図である。図8(B)は、参考例1のクロスフローファンの羽根102の外縁部121の周辺における空気の流れを示す図である。また、図3(B)には、比較のために、参考例1のクロスフローファンにおける羽根102の外縁部121の外面125を破線で示している。
図3(B)及び図8(A),(B)に示すように、参考例1における外縁部121の外面125は、外側に凸の湾曲面である。図8(B)に示すように、外面125と負圧面123とは接続点P11において滑らかに接続されており、外面125と圧力面124とは接続点P12において滑らかに接続されている。このような外面125を有する参考例1の羽根102では、外縁部121の外面125の曲率半径が小さくなることに起因して、負圧面123において剥離Hが生じやすい。
これに対し、本実施形態では、湾曲面25と圧力面24とが直角に近い角度で接続されることにより、湾曲面25の曲率半径は、参考例1の羽根の外面125の曲率半径よりも大きくできる。具体的に、図3(B)に示す図例では、参考例1の羽根の外面125の曲率半径Rに対し、本実施形態における湾曲面25の曲率半径は約2Rである。ただし、本実施形態の曲率半径は、参考例1の曲率半径の約2倍である場合に限定されるものではない。
このように本実施形態では、曲率半径の大きな湾曲面25と負圧面23とが滑らかに接続されているので、図3(C)に示すように、羽根2の外縁部21の近傍に到達した空気は、負圧面23に沿って流れやすくなる。これにより、負圧面23において剥離が生じるのを抑制できる。
また、湾曲面25は、接続点P1から接続点P2まで湾曲した凸曲面であるので、図9に示す参考例2に比べて、外縁部21の近傍に流入する空気と外縁部21の湾曲面25との衝突に起因するエネルギー損失を抑制できる。
具体的に、図9に示す参考例2では、羽根102の外縁部121の外面は、負圧面123に接続された湾曲面125aと、圧力面124に接続された平面125bとからなる。平面125bは、圧力面124と直角に近い角度で接続されている。この参考例2では、圧力面124側が圧力面124と直角に近い角度で接続された平面125bであるので、外縁部121の近傍に流入する空気が平面125bに衝突することによってエネルギー損失が大きくなる。これに対し、本実施形態では、圧力面24に接続される外縁部21の外面が湾曲面25であるので、湾曲面25に空気が衝突することによるエネルギー損失が参考例2に比べて小さくなる。
図4(A)は、羽根2の変形例1を示す図である。この変形例1では、各羽根2の内縁部22の外面が上述した図3(A)に示す湾曲面25と同様の特徴を有する。すなわち、変形例1では、内縁部22の湾曲面25は、負圧面23と滑らかに接続されており、圧力面24とは90°〜85°の角度で接続されている。
図1において破線の丸で囲んだ羽根車3における下流側領域A2において、内縁部22は、羽根車3内を通過する気流が隣り合う羽根2,2の隙間に導入される側の縁部であり、外縁部21は、気流が隣り合う羽根2,2の隙間から流出する側の縁部である。したがって、変形例2のように内縁部22の外面が図3(A)に示す湾曲面25と同様の湾曲面25であることにより、下流側領域A2において、羽根2の内縁部22の近傍に到達した空気は、負圧面23に沿って流れやすくなる。これにより、負圧面23において剥離が生じるのを抑制できる。
図4(B)は、羽根2の変形例2を示す図である。変形例2では、各羽根2の外縁部21の外面と内縁部22の外面がともに上述した図3(A)に示す湾曲面25と同様の特徴を有する。すなわち、変形例2では、外縁部21の湾曲面25は、負圧面23と滑らかに接続されており、圧力面24とは90°〜85°の角度で接続されている。内縁部22の湾曲面25は、負圧面23と滑らかに接続されており、圧力面24とは90°〜85°の角度で接続されている。この変形例2では、羽根車3における上流側領域A1と下流側領域A2の両方において、負圧面23における剥離を抑制できる。
図5(A)は、風量とモータ入力との関係を示すグラフである。図5(B)は、風量と送風音との関係を示すグラフである。図5(A),(B)に示すデータは、図3(A)に示す羽根2を有する第1実施形態のクロスフローファン1を用いた試験データである。また、図5(A),(B)に示す比較データは、図8(A)に示す参考例1の羽根102を有するクロスフローファンを用いた試験データである。
図5(A)に示すように、第1実施形態では、参考例1に比べてモータ入力が約0.5W低減されていることがわかる。また、図5(B)に示すように第1実施形態では、参考例1に比べて送風音が0.3〜0.6dBA低減されていることがわかる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る多翼ファンとしてのシロッコファン10を示す正面図である。図7は、図6のVII−VII線断面図である。図6及び図7に示すように、シロッコファン10は、渦巻形ケーシング31と、羽根車33と、モータ34とを備える。
渦巻形ケーシング31は、正面側に設けられたベルマウス37を有する。ベルマウス37は、ケーシング31内へ空気を吸い込む吸込口となる略円形の開口を有し、空気を羽根車33に案内する役割を果たす。
羽根車33は、ケーシング31内に収容されている。羽根車33は、ケーシング31の背面に対向して配置された円盤状の主板35と、回転方向Dに沿って配列された複数の前向き羽根2と、これらの羽根2の正面側の端部に連結されたリング部36とを有する。各羽根2の背面側の端部は主板35に固定されている。モータ34は、ケーシング31の背面に固定されている。モータ34のシャフトに羽根車33が固定されている。
モータ34により羽根車33が回転すると、図7において一点鎖線で示すように、ベルマウス37からケーシング31内に空気が吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、回転軸Aの軸方向の正面側から軸方向に沿って背面側に向かって羽根車33内に流入し、隣り合う羽根2の隙間を通過して羽根車33から流出する。この流出した空気は、ケーシング31の内部を回転方向Dに沿って移動し、ケーシング31の吐出口38から吐出される。
各羽根2は、負圧面23と、圧力面24とを有する。負圧面23は、羽根車3の回転方向Dとは反対側に位置している。負圧面23は、回転方向Dの反対側に凸の凸曲面である。圧力面24は、負圧面23の反対面、すなわち羽根車3の回転方向Dの側に位置している。圧力面24は、回転方向Dの反対側に凹む凹曲面である。
第2実施形態のシロッコファン10では、図7に示すように、各羽根2における気流が導入される側の縁部は、内縁部22である。したがって、この第2実施形態のシロッコファン10では、各羽根2の内縁部22の外面が、第1実施形態のクロスフローファン1の羽根2の湾曲面25と同様の特徴を有する。
各羽根2の内縁部22の湾曲面25は、外側に凸の湾曲面25である。この湾曲面25は、負圧面23と滑らかに接続されている一方で、圧力面24とは90°〜85°の角度で接続されている。第2実施形態における湾曲面25の他の特徴についても、第1実施形態における湾曲面25と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したように、第1実施形態及び第2実施形態では、前記縁部の湾曲面25と圧力面24とが90°〜85°の角度θ2で接続されているので、羽根2の前記縁部の近傍に到達した空気は、負圧面23に沿って流れやすくなる。これにより、負圧面23において剥離が生じるのを抑制できる。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、縁部の湾曲面25と圧力面24とが、上記のように直角に近い角度で接続されているので、羽根車回転時の異音発生を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
1 クロスフローファン
2 羽根
3 羽根車
4 モータ
5 仕切り板
6 端板
7 軸部
10 シロッコファン
21 外縁部
22 内縁部
23 負圧面
24 圧力面
25 湾曲面
θ1 湾曲面と負圧面とのなす角度
θ2 湾曲面と圧力面とのなす角度
A 羽根車の回転軸

Claims (3)

  1. 回転軸(A)の周囲に配列された複数の前向き羽根(2)を有するクロスフローファンからなる多翼ファンであって、
    各羽根(2)における気流が導入される側の外縁部(21)の外面は、外側に凸の湾曲面(25)であり、
    前記湾曲面(25)は、負圧面(23)と滑らかに接続され、圧力面(24)とは90°〜85°の角度(θ2)で接続されており、
    前記角度(θ2)は、前記湾曲面(25)と前記圧力面(24)との接続点(P2)における前記湾曲面(25)の接線(L3)と前記接続点(P2)における前記圧力面(24)の接線(L4)とのなす角度である、多翼ファン。
  2. 前記湾曲面(25)と前記圧力面(24)とが接続されている前記角度(θ2)が直角である、請求項1に記載の多翼ファン。
  3. 請求項1又は2に記載の多翼ファンを備える空気調和機の室内機。
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