JP3554031B2 - 画像出力装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像記録材料を保管手段から取り出して装着部に送り、該装着部に装着された画像記録材料に対して画像記録を行う画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に感光フィルム等の感光材料に対して連続的に画像を露光していく画像出力装置では、感光材料を記録ドラム等に保持させて露光を行うようになっているが、用いる感光材料の形態、即ち毎葉状の感光材料を用いるか、或はロール状の感光材料を用いるかによって装置の構造が異なっている。前者の場合には、予め所定の長さに切断され積重ねられた複数の毎葉状感光材料を保管しておき、これを順に記録ドラムに送り出して露光を行うようになっている。これに対し、後者の場合には、ロール状の感光材料を保管しておいて、これを順に所定の長さ送りだして切断し、記録ドラムに巻き付けて露光を行うようになっている。後者については、ロール状の感光材料をそのまま用いることができるという利点がある。
【0003】
図9は、ロール状感光材料を用いる画像出力装置の従来例を示す概略構成図である。この画像出力装置は、図に示すように、ロール状に巻かれたフィルム505を保管するフィルム保管ケース510と、フィルム505を繰出すフィルム繰出しローラ511と、繰出されたフィルム505を所定の長さにカットするカッター512と、フィルム505をその外周に巻き付けて保持しながら回転する記録ドラム520と、フィルム505を記録ドラム520に押さえつけるスクイズローラ521と、記録ドラム520に保持されているフィルムに対して露光を行う記録ヘッド523と、露光されたフィルムを記録ドラム520から剥離して装置外へ排出するフィルム排出部540等から構成されている。
【0004】
このような画像出力装置においては、以下に示すような工程が繰り返して行われる。まずフィルム繰出しローラ511でフィルム505を送り出し、フィルム505先端が所定の位置Jに来れば、繰出しローラ511をストップさせて、真空吸引を開始し、フィルム505の先端を記録ドラム520に保持させる。そして、記録ドラム520を矢印Xの方向に回転させることによってフィルム505を所定の長さだけ巻き付け、記録ドラム520をストップさせてカッター512でフィルム505をカットする。その後、再び記録ドラム520を回転させてカットしたフィルム片を全部巻き付け、記録ドラム520を回転させながら記録ヘッド523で画像露光を行った後、フィルム排出部540がフィルムを記録ドラム520から剥離して装置の外へ排出する。フィルム505の装置外への排出が完了した後に、次のフィルム505を上述の手順で準備して記録ドラム520に装着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の画像出力装置において課題となるのは、複数回の画像記録を連続して行う際の処理時間が長くなることである。たとえばロール状の感光材料を使用する画像出力装置では、先行するフィルムの排出が終わった後に、後行のフィルムの先端を記録ドラム520に保持させて、記録ドラム520を回転させることによってフィルムを巻き付け、記録ドラム520を一旦停止させてフィルムをカットした後、再び記録ドラム520を回転させてフィルムを巻き付け、画像記録を行うという順序で処理されるので、先行するフィルムの排出後、次順のフィルムの画像記録を開始するまでに、長時間を要していた。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みなされたものであり、保管手段に保管された複数回分の画像記録材料を順次取り出して装着部に送り、この画像記録材料に対して画像記録を行う画像記録装置において、複数回の画像記録の連続処理を迅速に行うことが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、第1の発明に係る画像出力装置は、保管手段に保管されたロールフィルムを繰出す繰出し手段と、所定長繰出されたロールフィルムを順次切断する切断手段と、該切断されたフィルム片を順次搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送されたフィルム片が装着される記録ドラムと、前記記録ドラムに装着されたフィルム片に対して画像データに基づいて信号光を照射する記録ヘッドと、前記記録ドラムからフィルム片を排出する排出手段と、を備えた画像出力装置であって、
前記搬送手段は、前記切断手段によって切断されたフィルム片を待機させるトレーを有し、前記繰出手段は、先行するフィルム片が記録ドラムから排出されるまでに後行のフィルム片の切断が終了するように、前記保管手段からのロールフィルムの繰出しを開始することを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明に係る画像出力装置は、第1の発明に係る画像出力装置において、記録ドラムは、フィルム片が装着される装着面と、この装着面に負圧力を生じさせる吸引手段とを含むことを特徴としている。
【0009】
また、第3の発明に係る画像出力装置は、第2の発明に係る画像出力装置において、装着面が複数の領域に分割され、吸引手段はこの複数の領域に対して選択的に負圧力を生じさせるものであることを特徴としている。
【0010】
また、第4の発明に係る画像出力装置は、第2の発明または第3の発明のいずれかに係る画像出力装置において、フィルム片を押圧してこのフィルム片を装着面に順次密着させるスクイーズローラをさらに含むことを特徴としている。
【0011】
また、第5の発明に係る画像出力装置は、第1の発明に係る画像出力装置において、前記トレーは傾斜がつくよう設定されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の画像出力装置によると、先行のフィルム片が記録ドラムから排出されるときには、後行のフィルム片が切断手段によって既に切断されているので、搬送手段は即座に後行のフィルム片を記録ドラムに搬送できる。
さらにフィルム片が記録ドラムに装着されるときに、フィルム片の後端は保管手段に接続されていないのでフィルム片は変形しない。
【0014】
請求項2の画像出力装置によると、記録ドラムはフィルム片が装着される装着面と、該装着面に負圧力を生じさせる吸引手段とを含み、搬送手段から装着面に移動されたフィルム片は吸引手段が生じさせる負圧力によって装着面上に固定される。
【0015】
請求項3の画像出力装置によると、装着面は複数の領域に分割されており、吸引手段は該複数の領域に対して選択的に負圧力を生じさせるので、装着面のうちの一部領域のみに負圧力を発生させることが可能である。
【0016】
請求項4の画像出力装置によると、フィルム片はスクイーズローラによって装着面に対して順次密着させられる。
【0017】
請求項5の画像出力装置によると、トレーは傾斜がつくよう設定されているので、トレーに待機するフィルム片を滑り落とすことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の画像出力装置の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
[本画像出力装置の全体構成の説明]
図1は、本発明の第1の実施例に係る画像出力装置の全体構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、ロールフィルム5を所定の長さに切断して一時待機させておく装填ブロック1(図中、一点鎖線で囲む内部の構成を取る)と、装填ブロック1から搬送されたフィルム5に画像を露光する露光ブロック2(図中、破線で囲む内部の構成を取る)と、装填ブロック1及び露光ブロック2の動作を制御する制御部3と、制御部3が制御を行うのに必要な指示内容等を操作者が入力するための入力部4と、これらの各部を支えるフレーム(不図示)と、装置全体を覆うカバー(不図示)とから構成されている。
【0020】
装填ブロック1は、装着したロールフィルム5を保管するフィルム保管手段10と、フィルム保管手段10からロールフィルムを繰出すフィルム繰出しローラ11と、繰出されたロールフィルム5を所定長さに切断するカッター12と、切断されたフィルム(フィルム片)の先端を当接させて待機させる止め具14と、繰出されたロールフィルム5や切断されたフィルム片を載置するトレー15とから構成されており、各構成要素は上記フレームによって支持されている。
【0021】
フィルム保管手段10は、ロールフィルム5の巻芯を回転可能に支持しながら収納するフィルムマガジン10aに、繰出されるロールフィルム5が通過するための開口部10bが開設されている。フィルム繰出しローラ11は、開口部10bに隣接して設けられた回転駆動するローラ対であって、フィルム保管手段10内のロールフィルム5を挟んで、トレー15上に引き出す。また、フィルム繰出しローラ11には、ロールフィルム5の繰出し量を測定するエンコーダ(不図示)が備えられており、このエンコーダで測定した繰出し量データ信号32が制御部3に送られるようになっている。なお、本実施例において使用するロールフィルム5は、その外側が感光面となっているものとする。
【0022】
トレー15は、ロールフィルム5の幅に応じた所定幅と、ロールフィルム5が切断される長さに応じて設定された長さを有する平板状の部材であって、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aから、露光ブロック2に切断されたフィルム片を供給する位置Cにわたって設けられている。ここで、位置A及び位置Cは、切断されたフィルム片がトレー15上を滑り落ちるようにトレー15が適度な傾斜がつくよう設定されている。
【0023】
カッター12は、トレー15上に繰出されたロールフィルム5を幅方向に切断するものであって、フィルム繰出しローラ11の近傍に配置されている。止め具14は、位置Cにおいてフィルム片の走行路を開閉するために設置されており、閉塞状態ではトレー15上を滑り落ちてくるフィルム片の先端に当接されてフィルム片の走行を待機させ、開放状態では、トレー15上を滑り落ちてくるフィルム片をそのまま通過させて露光ブロック2側へ供給するようになっている。
【0024】
このような装填ブロック1の構成により、フィルム繰出しローラ11を駆動してロールフィルム5を所定の長さだけ繰出してカッター12を作動し所定の長さのフィルム片に切断することができる。ここで、ロールフィルム5を切断する長さが、カッター12から止め具14までの距離よりも短く設定されていれば、切断時にロールフィルム5の先端が止め具14に到達しない状態で切断され、切断後のフィルム片はトレー15上を滑り落ちて止め具14に当接する。一方、ロールフィルム5を切断する長さが、カッター12から止め具14までの距離よりも長ければ、切断時にはロールフィルム5の先端が止め具14に当接してロールフィルム5は、図中点線で示されたフィルム5aのようにたわんだ状態となるが、たわみが大きすぎなければ切断に支障はない。このようにロールフィルム5をたわませて切断することも考慮して装置を設計すれば、止め具14とカッター12の間隔は、ロールフィルム5の切断長さよりも短く設定することができ、またトレー15の長さも短く設定することも可能であるので、装置の小型化に寄与することができる。
【0025】
なお、ロールフィルム5がたわんだ状態で切断すると、切断されたフィルム片がたわみを解消するようにトレー15上で伸びるが、このフィルム片の長さがフィルム繰出しローラ11と止め具14との間隔ACよりも大きい場合には、フィルム片の両端がこの両者によって押さえられるため、たわみが完全には解消されない状態でトレー15上で待機することになる。
【0026】
露光ブロック2は、装填ブロック1から供給されるフィルム片を外周面に巻き付けて回転する記録ドラム20と、フィルム片を記録ドラム20に押さえつけるスクイズローラ21と、記録ドラム20の外周面にフィルム片を吸着するために記録ドラム20に対して設けられたフィルム吸着手段50と、記録ドラム20の外周面からフィルム片を剥離して排出するフィルム排出部40と、記録ドラム20に保持されているフィルム片に対して画像信号26に基づいて露光を行う記録ヘッド23と、画像データを記憶し記録ヘッド23に画像信号26を送る画像データメモリ24と、この画像データメモリ24を制御するためメモリ制御信号27を送信するメモリ制御手段25等から構成されており、各構成要素は上述したフレームによって支持されている。
【0027】
記録ドラム20は中空の円筒形状であって、フィルム片を少なくともその外周面に巻き付けることのできる大きさを有している。また、上記フレームによって回転自在に軸支されており、パルスモータ(不図示)の回転駆動により、順方向(図中矢印Xの方向)あるいは逆方向に回転駆動することができるようになっている。また、記録ドラム20は、装填ブロック1のフィルム供給位置Cに合わせて、トレー15から滑り落ちてくるフィルム片の先端が記録ドラム20の外周に近接するような位置に設置されている。なお、記録ドラム20の外周面全体には、フィルムを吸着するために、中空部と外部とを連通する多数の孔(不図示)が開設されている。
【0028】
スクイズローラ21は、記録ドラム20にフィルム片が近接する上記位置に取り付けられており、トレー15から滑り落ちてくるフィルム片は、このスクイズローラ21によって記録ドラム20の外周面に押し付けられるようになっている。フィルム吸着手段50は、記録ドラム20の中空部分から空気を吸引する真空ポンプ(不図示)と、記録ドラム20の外周面を所定数に分割した円弧状表面の各表面毎に真空ポンプの吸引力を分割して伝える吸引力伝達機構(不図示)と、上述した記録ドラム20の外周面の多数の孔とからなっており、このフィルム吸着手段50によって、記録ドラム20の分割された円弧状表面毎に、吸着状態(その円弧状表面に吸引力を作用させている状態)又は非吸着状態(その円弧状表面に吸引力を作用させていない状態)にすることができるようになっている。
【0029】
フィルム片への画像の露光は次のようにしてなされる。画像データメモリ24は、メモリ制御手段25から送られるメモリ制御信号27に従って、複数の画像データを記憶する外部記憶装置(不図示)から画像データを1つずつ順に読み込み、読み込んだ画像データに基づいて画像信号26を記録ヘッド23に送る。また、メモリ制御手段25は、画像データメモリ24に読み込んだ画像データについての露光が全部終了すれば、所定時間内に外部記憶装置から次の画像データを読み込むようになっている。記録ヘッド23は、受け取った画像信号26に基づいて、所定の露光位置Kにおいてフィルム片の幅方向に延びる信号光を照射する。そして、順方向Xに回転する記録ドラム20上に吸着されているフィルム片がこの露光位置Kを通過するときに上記信号光が照射され、フィルム片に画像が露光される。
【0030】
制御部3は、フィルム繰出しローラ11に対する繰出し指示信号31、カッター12に対する切断指示信号33、止め具14に対する開閉指示信号34等を出すことによって装填ブロック1を制御する一方、フィルム繰出しローラ11から上述した繰出し量データ信号32を受け取る。また、制御部3は、スクイズローラ21に対する固定指示信号35、メモリ制御手段25に対する露光開始指示信号36、記録ドラム20に対する順方向及び逆方向の回転指示信号(不図示)、フィルム吸着手段50に対する吸着指示信号38等を出すことによって、露光ブロック2を制御する一方、露光終了信号37をメモリ制御手段25から受け取る。また、図2に示すフィルム排出部40のベルトアクチュエータ44からは排出完了信号39を受け取る。
【0031】
入力部4はキーボード等からなっており、操作者の入力部4に対する操作に従って、制御を行うのに必要な指示内容(各フィルム片に露光すべき画像の指定等)を制御部3に入力する。図2は、図1に示すフィルム排出部40と、本画像出力装置に隣接して設置されている自動現像装置60の構成を示す図である。
【0032】
フィルム排出部40は、図に示すように、記録ドラム20からフィルム片を剥離させる剥離爪41と、記録ドラム20から剥離されたフィルム片を本画像出力装置の外へ排出する排出ベルト42と、剥離されたフィルム片を排出ベルト42に案内するガイド43と、剥離されたフィルム片の動きに合わせて排出ベルト42をON−OFFし、かつ排出完了信号39を発するベルトアクチュエータ44とから構成されている。
【0033】
剥離爪41は記録ドラム20の外周面上の排出位置D近傍に設置されており、剥離するために記録ドラム20表面に爪の先端を下ろしたり、あるいは記録ドラム20表面から爪の先端を上げたりすることができるようになっている。また、ベルトアクチュエータ44は、ガイド43の上面に近接した位置で排出ベルト42の近傍に設けられており、ガイド43上をフィルム片の前後端が通過する時にON−OFFされる。そして、フィルム排出時には、後述するようにフィルム排出部40と記録ドラム20とフィルム吸着手段50が制御されることにより、露光後のフィルム片は、記録ドラム20から剥離され排出されるようになっている。このような構成の露光ブロック2によって、装填ブロック1から送られたフィルム片は、記録ドラム20に装着されて、画像が露光された後排出される。
【0034】
また、自動現像装置60は、本画像出力装置から排出される露光済みのフィルム片を受け取って、自動的に現像,定着,水洗,乾燥を行う装置である。
【0035】
[制御部の処理とそれに基づいた動作の説明]
図3は、制御部3が行う制御処理のフローチャートである。このフローチャートに基づき、本画像出力装置の動作について説明する。
【0036】
初期において、フィルム保管手段10に装着されているロールフィルム5の先端は、カッター12の所に位置しているものとし、外部記憶装置には、あらかじめこのロールフィルム5に露光する複数の画像データが順番に記憶されているものとする。操作者が入力部4から処理開始の入力を行うと、制御部3は、記録ドラム20に回転指示信号を送って、記録ドラム20を装着位置に位置決めする(S10)。この装着位置は、トレー15から滑り落ちるフィルム片の先端を記録ドラム20に装着することができる位置である。そして、制御手段3は何枚目のフィルム片の処理を行っているかを示すカウンタiに、初期値1を入れ(S20)、1枚目のフィルム片に露光する画像データを、外部記憶装置から画像データメモリ24に読み込む(S30)。
【0037】
ステップS30で画像データメモリ24に読み込んだ画像データを基に、i枚目のフィルム片を切断する長さLiを算出する(S40)。そして、フィルム繰出しローラ11に繰出指示信号31を送って、ロールフィルム5を長さLiだけ繰出し(S50)、カッター12に切断指示を送ってロールフィルム5を切断する。切断されたフィルム片の長さはLiであり、トレー15上を滑り落ちて、フィルム片の先端が止め具14に当接して待機する。なお、ロールフィルム5がたわんだ状態で切断した場合は、先述したようにフィルム片の待機状況が多少異なるが、フィルム片の先端が止め具14に当接した状態て待機する点においては同様である(S60)。
【0038】
フィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、記録ドラム20の外周面のフィルム片の先端を装着する位置に対する吸引を開始し、止め具14に開閉指示信号34を出して止め具14を開放すると、トレー15上に待機していたフィルム片が滑り落ちる。スクイズローラ21に固定指示信号35を送ってスクイズを開始させると、そのフィルム片の先端がスクイズローラ21により記録ドラム20の外周面に押し付けられ、フィルム片の先端は記録ドラム20の外周面に装着される(S70〜S80)。
【0039】
さらにフィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、記録ドラム20の外周面全体に対する吸引を開始し(S90)、記録ドラム20に回転指示信号を送って、ステップS40で算出したLiに相当する角度だけ順方向に回転する。この間、フィルム片は、スクイズローラ21によって記録ドラム20の外周面に押し付けられながら記録ドラム20に巻き取られ、記録ドラム20の外周面に装着される。装着後、スクイズローラ21に固定指示信号35を送ってスクイズを停止させる(S100)。
【0040】
次に記録ドラム20に回転指示信号を送って、装着されたフィルム片の先端を露光位置Kに合わせる。それから、記録ドラム20に回転指示信号を送って記録ドラム20を順方向に定速度で回転開始させると共に、メモリ制御手段25に露光開始指示信号36を送る。露光開始指示信号36を受け取ったメモリ制御手段25は、画像データメモリ24にメモリ制御信号27を送り、ステップS30で画像データメモリ24に読み込んだ画像信号に基づいて、記録ヘッド23が信号光を照射するよう制御する(S110)。そして、カウンタiに1を加算する(S120)。
【0041】
ここで、制御手段3は外部記憶装置を検索し、次のフィルム片に露光する画像データが有ればステップS130以下に従って次の画像処理を行う。もし、外部記憶装置に画像データがなければ、ステップS122に従ってフィルム片が排出されれば処理を終了する(S121)。ステップS130においては、装填ブロック1側で、上記ステップS40〜S60の処理を行うことによってi番目のフィルム片を切断しトレー15上に待機させる。なお、この間も、露光ブロック2側では(i−1)番目の画像データの露光が継続して行われているが、露光に要する時間と比べてステップS121の処理に要する時間とステップS40〜S60の処理に要する時間はかなり短いので、露光が終了する前に、ステップS40〜S60の処理は終了してしまう。従って、露光終了時には、次のフィルム片がトレー15上に待機していることになる(S130)。
【0042】
そして、露光が終了するまで待ち(S140)、終了すれば、図4に示すフィルム排出のフローチャートに従って、(i−1)番目のフィルム片を排出する(S150)。そして、フィルム排出が終われば、制御部3は後述のベルトアクチュエータ44からの排出完了信号39を受けて、次のフィルム片の記録ドラム20への装着のための作業を開始させる(S160)。
【0043】
この後は、再びステップS70からの処理を繰り返し行う。そして、この繰り返しは、ステップS121で次の画像データが無い(即ち外部記憶装置の最後の画像データまで処理を行った)と判断されるまで行う。次に、図4のフィルム排出サブルーチンのフローチャートに従って、S150のフィルム排出処理について説明する。
【0044】
フィルム排出時には、記録ドラム20を回転させて、装着されているフィルム片の後端を排出位置Dに合わせる(S150−1)。そして、フィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、排出位置Dの円弧状表面を非吸着状態にすると同時に、記録ドラム20の外周面全体への吸引を弱める(S150−2)。そして、剥離爪41の先端を下ろし(S150−3)、記録ドラム20を逆方向(図2の矢印Y方向)に回転して、フィルム片先端(即ち装着時のフィルム片後端)と記録ドラム20の間に、剥離爪41の先端を介入させることによってフィルム片の剥離を行う。そして、記録ドラム20の逆方向に1回転させる(S150−4)ことによってフィルム片全体が剥離されると、フィルム吸着手段50による記録ドラム20の外周面全体への吸引を停止する(S150−5)。
【0045】
なお、フローチャートには示さないが、制御部3がフィルム排出部40を制御することにより、剥離されたフィルム片は次のようにして画像出力装置の外に排出される。フィルム片を記録ドラム20から剥離すると、フィルム片は図2に示すガイド43の上面に沿って排出ベルト42へ送られる。ここで、フィルム片の先端がベルトアクチュエータ44を通過するときに、ベルトアクチュエータ44を0Nすることにより排出ベルト42を駆動する。そして、排出ベルト42は、到達したフィルム片の先端を引き込んで、排出口方向へ移動させる。
【0046】
フィルム片の後端がベルトアクチュエータ44を通過するときに、ベルトアクチュエータ44を0FFする。ベルトアクチュエータ44が0FFされると、排出完了信号39が制御部3に送られ、制御部3はフィルム片が本画像出力装置の外へ排出されたタイミングで排出ベルト42を停止させる。以上説明したように、制御部3は、フィルム片が記録ドラム20にセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断した状態でトレー15上に待機させるよう制御を行う。
【0047】
[割り込み処理についての説明]
次に、本画像出力装置において、割り込み処理により別の長さにロールフィルム5を切断して露光する構成について説明する。フィルム片がトレー15上に待機してないとき、即ち、上述したステップS10〜S50の処理の間、或はステップS90〜S121の処理の間において割り込み処理するときには、露光中の場合は一旦処理を中断して、割り込み用の処理を実行した後、処理を再開するように制御処理の変更を行えばよい。
【0048】
しかし、フィルム片がトレー15上に待機しているとき、即ち、上述したステップS60〜S80の処理の間、或はステップS130〜S80の処理の間において、割り込み処理を行う場合は、上記のような制御処理の変更とともに、トレー上に待機しているフィルム片によって、割り込み処理が妨げられるという課題を解決する必要がある。即ち、割り込み用としてロールフィルム5を繰出すときには、すでに待機しているフィルム片に引っかかりやすいという課題と、また仮に割り込み用のロールフィルム5の引出し、切断及び待機までうまくできたとしても、止め具14を開放して記録ドラム20に装着しようとするときには、割り込み用のフィルム片と共に、待機していたフィルム片もトレー15から滑り落ちるという課題を解決する必要がある。
【0049】
このような課題を解決するための装置構成について説明する。図5は、割り込み処理用に改良したトレー115及びフィルム落下防止機構の構成図である。トレー115は、図に示す様にその上面は階段状になっている。この段は、止め具14までの距離が、本装置において想定されるロールフィルム5の切断長さよりも若干長い位置であって、段の高さはロールフィルム5の厚さよりも若干高く形成されている。例えば、図に示すように長さLiのフィルム片Fiに対応して、止め具14からの距離がLi+△Lの位置には段が形成されている。このような段を形成することによって、割り込みの為に新たなロールフィルム5を繰出すときに、待機しているフィルム片Fiに引っかかりにくくなる。
【0050】
また、トレー115の下端近傍には、トレー115上のフィルム片Fiを吸着する為の孔115aが開設されている。そして、この孔115aは、真空ポンプ(不図示)とつながっており、トレー115上にフィルム片Fiが待機しているときの割り込み処理時には、真空ポンプを作動させてトレー115上のフィルム片Fiを吸着するようになっている。従って、止め具14を開放した時には、フィルム片Fiは滑り落ちず、割り込み用のフィルム片がフィルム片Fiを乗り越えて滑り落ちる。
【0051】
なお、本実施例の画像出力装置において、止め具14の代わりに、トレー15の下端位置Cに、切断したフィルム片を露光ブロック2側へ送るフィルム送りローラーを設置し、フィルム装着時にこのフィルム送りローラを駆動するようにしても、同様に実施できる。
【0052】
(実施例2)
本実施例は、上述した実施例1の画像出力装置において、平板状のトレー15の代わりに山形のトレーを用いる例である。
【0053】
図6は、本発明の第2の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、実施例1の画像出力装置において、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aとフィルム供給位置Cとの間隔が短くなっており、この位置Aから位置Cにわたって、断面が山形のトレー215が設置されている。このトレー215は、ロールフィルム5の幅に応じた所定幅と、ロールフィルム5を切断する長さに応じた長さを持つ平板を、山形に折り曲げて形成されている。そして実施例1と同様に、トレー215の位置A側の端近傍にはカッター12が、トレー215の位置C側の端には止め具14が設置されている。
【0054】
また、カッター12の近傍には、トレー215上の切断されたフィルム片の後端を持ち上げるフィルム持ち上げ板201が設置されている。フィルム持ち上げ板201は、上下駆動手段(不図示)によって、トレー215の下側の下位置E1から、トレー215に開設された窓202を貫通して、トレー215の頂点Hよりも上方の上位置E2に到るまで上昇することができるようになっている。なお、その他の構成については、実施例1の画像出力装置と同様である。
【0055】
このような構成の画像出力装置において、制御部3は実施例1と同様に制御を行うが、ロールフィルム5を切断し待機するときの動作においては、次のような若干の違いがある。フィルム繰出しローラ11によってロールフィルム5が繰出されるとき、トレー215に沿って位置Aから山形のトレー215の頂点Hに向かって登って行き、頂点Hで折れ曲がり、頂点Hを越した部分については、位置Cに向かって下って行く。そして、所定長だけロールフィルム5が繰出された後、カッター12によって切断される。
【0056】
繰出されたロールフィルム5の頂点Hを越している部分が多い場合は、ロールィルム5が切断されると自動的に位置Cの方へ滑り落ちて、その先端が止め具14に当接して待機するが、繰出されたロールフィルム5の頂点Hを越している部分が少ない場合には、ロールフィルム5が切断されると逆に位置Aの方へ滑り落ちて、フィルム片の後端がフィルム繰出しローラ11に当接することになる。この場合、フィルム持ち上げ板201を下位置E1から上位置E2へと上昇させ、フィルム片の後端を持ち上げることによって(図中点線Fiで示す状態)、フィルム片は位置C側へと滑り落ちて、フィルム片の先端が止め具14に当接して待機する。
【0057】
本実施例の画像出力装置においては、トレー215を山形の形状とすることにより、位置Aと位置Cの間隔が短くなるので、装置の設置面積を少なくすることができる。
【0058】
(実施例3)
本実施例は、トレーの先端を記録ドラムに接近させてフィルム片を装着させる画像出力装置の例である。
【0059】
図7は、本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、実施例1の画像出力装置において、フィルム供給位置Cが記録ドラム20の下側に設定されており、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aはこの位置Cよりも高く設定されている。
【0060】
フィルム片を待機させるトレー315は、実施例1のトレー15と同様の形状であり、位置Aから位置Cにわたって傾斜をつけて設置されている。そしてトレー315の下端には、滑り落ちてくるフィルム片を当接させる当接部314が設けられている。ただし、トレー315は、その下端が記録ドラム20から離間している姿勢P1と、下端が記録ドラム20に近接している姿勢P2との間を移動できるように保持されており、ソレノイド等のトレー駆動手段(不図示)によって、姿勢P1又は姿勢P2を取ることができるようになっている。
【0061】
本実施例において、記録ドラム20の順回転方向は、図中矢印Yで示すように、実施例1における回転方向とは逆であり、スクイズローラ21の位置もフィルム供給位置Cに合わせて記録ドラム20の下側に設けられている。また、図に示すように、記録ドラム20に装着されるとき、フィルム片の感光面が外側になるよう、フィルム保管手段10にロールフィルム5を装着する向きが実施例1とは逆になっている。
【0062】
このような構成の画像出力装置において、制御部3は実施例1と同様に制御を行うが、フィルム片を装着するときの制御において若干の違いがある。即ち、実施例1においては、通常は止め具14を閉じておき、装着時にだけ止め具14を開き、フィルム片をトレー15から滑り落とすことによって供給したが、本実施例においては、通常はトレー315を姿勢P1にしておき、装着時にだけ姿勢P2を取るようトレー駆動手段を制御する。従って装着時には、トレー315が姿勢P2を取ることによって、当接部314に当接した状態で待機しているフィルム片の先端が記録ドラム20に接近し、このフィルム片はフィルム吸着手段50の作用によって記録ドラム20に吸着される。この時、記録ドラム20は、フィルム片の先端部を固定する領域のみを吸引している。
【0063】
本画像出力装置においても、フィルム片が記録ドラム20にセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断した状態でトレー315上に待機させることができる。図8は本実施例に係る画像出力装置の変形例の概略構成図である。この画像出力装置においては、図に示すようにフィルム保管手段10が記録ドラム20に近い上方位置に設置され、平板状のトレー315の代わりに記録ドラム20の外周に沿った曲線状のトレー415が用いられている。そして、フィルム装着時にはトレー415がトレー315と同様の動作をすることによって、当接部414に当接した状態で待機しているフィルム片が記録ドラム20に装着される。
【0064】
このような構成により、フィルム保管手段10と記録ドラム20が近づき、かつ位置Aと位置Cの水平距離も小さくなるので、画像出力装置を小型化することができる。なお、上記実施例1〜3においては、記録ドラム20の外周面にフィルム片を装着して、記録ドラム20を回転させながら露光する画像出力装置の例を示したが、露光の方法はこれに限定されることなく、例えばドラムの内面にフィルム片を装着して、プリズムミラーで露光位置を変えながら露光していく内面走査型の画像出力装置においても同様に実施可能である。
【0065】
また、上記実施例1〜3においては、先行するフィルム片の露光が終了する時までに、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断して次順のフィルム片を待機させる例を示したが、次順のフィルム片は、先行するフィルム片が露光終了時までに待機させなくても、記録ドラム20から排出されるまでに待機させればよい。
【0066】
また、上記実施例1〜3において用いたスクイズローラ21は、フィルム片を記録ドラム20に装着する精度を上げるために用いたものであって、スクイズローラを設けなくても実施することは可能である。
【0067】
請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、ロールフィルムからフィルム片を切断して画像を露光する画像出力装置において、先行のフィルム片が記録ドラムにセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルムを繰出し、所定長に切断した状態で待機させるよう制御するので、処理時間を短縮することができる。また、フィルム片が記録ドラムに保持される前に切断が行われているので、ロールフィルムにかかるテンションを抑制することができる。
【0068】
従って、処理速度が速く、フィルム片のレジストレーションの優れた画像出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像出力装置の全体構成図である。
【図2】実施例1のフィルム排出部と、実施例1の画像出力装置に隣接して設置されている自動現像装置の構成を示す図である。
【図3】実施例1の制御部が行う制御処理のフローチャートである。
【図4】実施例1の制御部が行うフィルム排出サブルーチンのフローチャートである。
【図5】実施例1に係る、割り込み処理の為に改良したトレー及びフィルム落下防止機構の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の変形例の概略構成図である。
【図9】ロール状感光材料を用いる画像出力装置の従来例の該略構成図である。
【符合の説明】
1 装填ブロック
2 露光ブロック
3 制御部
10 フィルム保管手段
11 フィルム繰出しローラ
12 カッター
14 止め具
15 トレー
20 記録ドラム
23 記録ヘッド
40 フィルム排出部
【産業上の利用分野】
本発明は、画像記録材料を保管手段から取り出して装着部に送り、該装着部に装着された画像記録材料に対して画像記録を行う画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に感光フィルム等の感光材料に対して連続的に画像を露光していく画像出力装置では、感光材料を記録ドラム等に保持させて露光を行うようになっているが、用いる感光材料の形態、即ち毎葉状の感光材料を用いるか、或はロール状の感光材料を用いるかによって装置の構造が異なっている。前者の場合には、予め所定の長さに切断され積重ねられた複数の毎葉状感光材料を保管しておき、これを順に記録ドラムに送り出して露光を行うようになっている。これに対し、後者の場合には、ロール状の感光材料を保管しておいて、これを順に所定の長さ送りだして切断し、記録ドラムに巻き付けて露光を行うようになっている。後者については、ロール状の感光材料をそのまま用いることができるという利点がある。
【0003】
図9は、ロール状感光材料を用いる画像出力装置の従来例を示す概略構成図である。この画像出力装置は、図に示すように、ロール状に巻かれたフィルム505を保管するフィルム保管ケース510と、フィルム505を繰出すフィルム繰出しローラ511と、繰出されたフィルム505を所定の長さにカットするカッター512と、フィルム505をその外周に巻き付けて保持しながら回転する記録ドラム520と、フィルム505を記録ドラム520に押さえつけるスクイズローラ521と、記録ドラム520に保持されているフィルムに対して露光を行う記録ヘッド523と、露光されたフィルムを記録ドラム520から剥離して装置外へ排出するフィルム排出部540等から構成されている。
【0004】
このような画像出力装置においては、以下に示すような工程が繰り返して行われる。まずフィルム繰出しローラ511でフィルム505を送り出し、フィルム505先端が所定の位置Jに来れば、繰出しローラ511をストップさせて、真空吸引を開始し、フィルム505の先端を記録ドラム520に保持させる。そして、記録ドラム520を矢印Xの方向に回転させることによってフィルム505を所定の長さだけ巻き付け、記録ドラム520をストップさせてカッター512でフィルム505をカットする。その後、再び記録ドラム520を回転させてカットしたフィルム片を全部巻き付け、記録ドラム520を回転させながら記録ヘッド523で画像露光を行った後、フィルム排出部540がフィルムを記録ドラム520から剥離して装置の外へ排出する。フィルム505の装置外への排出が完了した後に、次のフィルム505を上述の手順で準備して記録ドラム520に装着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の画像出力装置において課題となるのは、複数回の画像記録を連続して行う際の処理時間が長くなることである。たとえばロール状の感光材料を使用する画像出力装置では、先行するフィルムの排出が終わった後に、後行のフィルムの先端を記録ドラム520に保持させて、記録ドラム520を回転させることによってフィルムを巻き付け、記録ドラム520を一旦停止させてフィルムをカットした後、再び記録ドラム520を回転させてフィルムを巻き付け、画像記録を行うという順序で処理されるので、先行するフィルムの排出後、次順のフィルムの画像記録を開始するまでに、長時間を要していた。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みなされたものであり、保管手段に保管された複数回分の画像記録材料を順次取り出して装着部に送り、この画像記録材料に対して画像記録を行う画像記録装置において、複数回の画像記録の連続処理を迅速に行うことが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、第1の発明に係る画像出力装置は、保管手段に保管されたロールフィルムを繰出す繰出し手段と、所定長繰出されたロールフィルムを順次切断する切断手段と、該切断されたフィルム片を順次搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送されたフィルム片が装着される記録ドラムと、前記記録ドラムに装着されたフィルム片に対して画像データに基づいて信号光を照射する記録ヘッドと、前記記録ドラムからフィルム片を排出する排出手段と、を備えた画像出力装置であって、
前記搬送手段は、前記切断手段によって切断されたフィルム片を待機させるトレーを有し、前記繰出手段は、先行するフィルム片が記録ドラムから排出されるまでに後行のフィルム片の切断が終了するように、前記保管手段からのロールフィルムの繰出しを開始することを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明に係る画像出力装置は、第1の発明に係る画像出力装置において、記録ドラムは、フィルム片が装着される装着面と、この装着面に負圧力を生じさせる吸引手段とを含むことを特徴としている。
【0009】
また、第3の発明に係る画像出力装置は、第2の発明に係る画像出力装置において、装着面が複数の領域に分割され、吸引手段はこの複数の領域に対して選択的に負圧力を生じさせるものであることを特徴としている。
【0010】
また、第4の発明に係る画像出力装置は、第2の発明または第3の発明のいずれかに係る画像出力装置において、フィルム片を押圧してこのフィルム片を装着面に順次密着させるスクイーズローラをさらに含むことを特徴としている。
【0011】
また、第5の発明に係る画像出力装置は、第1の発明に係る画像出力装置において、前記トレーは傾斜がつくよう設定されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の画像出力装置によると、先行のフィルム片が記録ドラムから排出されるときには、後行のフィルム片が切断手段によって既に切断されているので、搬送手段は即座に後行のフィルム片を記録ドラムに搬送できる。
さらにフィルム片が記録ドラムに装着されるときに、フィルム片の後端は保管手段に接続されていないのでフィルム片は変形しない。
【0014】
請求項2の画像出力装置によると、記録ドラムはフィルム片が装着される装着面と、該装着面に負圧力を生じさせる吸引手段とを含み、搬送手段から装着面に移動されたフィルム片は吸引手段が生じさせる負圧力によって装着面上に固定される。
【0015】
請求項3の画像出力装置によると、装着面は複数の領域に分割されており、吸引手段は該複数の領域に対して選択的に負圧力を生じさせるので、装着面のうちの一部領域のみに負圧力を発生させることが可能である。
【0016】
請求項4の画像出力装置によると、フィルム片はスクイーズローラによって装着面に対して順次密着させられる。
【0017】
請求項5の画像出力装置によると、トレーは傾斜がつくよう設定されているので、トレーに待機するフィルム片を滑り落とすことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の画像出力装置の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
[本画像出力装置の全体構成の説明]
図1は、本発明の第1の実施例に係る画像出力装置の全体構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、ロールフィルム5を所定の長さに切断して一時待機させておく装填ブロック1(図中、一点鎖線で囲む内部の構成を取る)と、装填ブロック1から搬送されたフィルム5に画像を露光する露光ブロック2(図中、破線で囲む内部の構成を取る)と、装填ブロック1及び露光ブロック2の動作を制御する制御部3と、制御部3が制御を行うのに必要な指示内容等を操作者が入力するための入力部4と、これらの各部を支えるフレーム(不図示)と、装置全体を覆うカバー(不図示)とから構成されている。
【0020】
装填ブロック1は、装着したロールフィルム5を保管するフィルム保管手段10と、フィルム保管手段10からロールフィルムを繰出すフィルム繰出しローラ11と、繰出されたロールフィルム5を所定長さに切断するカッター12と、切断されたフィルム(フィルム片)の先端を当接させて待機させる止め具14と、繰出されたロールフィルム5や切断されたフィルム片を載置するトレー15とから構成されており、各構成要素は上記フレームによって支持されている。
【0021】
フィルム保管手段10は、ロールフィルム5の巻芯を回転可能に支持しながら収納するフィルムマガジン10aに、繰出されるロールフィルム5が通過するための開口部10bが開設されている。フィルム繰出しローラ11は、開口部10bに隣接して設けられた回転駆動するローラ対であって、フィルム保管手段10内のロールフィルム5を挟んで、トレー15上に引き出す。また、フィルム繰出しローラ11には、ロールフィルム5の繰出し量を測定するエンコーダ(不図示)が備えられており、このエンコーダで測定した繰出し量データ信号32が制御部3に送られるようになっている。なお、本実施例において使用するロールフィルム5は、その外側が感光面となっているものとする。
【0022】
トレー15は、ロールフィルム5の幅に応じた所定幅と、ロールフィルム5が切断される長さに応じて設定された長さを有する平板状の部材であって、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aから、露光ブロック2に切断されたフィルム片を供給する位置Cにわたって設けられている。ここで、位置A及び位置Cは、切断されたフィルム片がトレー15上を滑り落ちるようにトレー15が適度な傾斜がつくよう設定されている。
【0023】
カッター12は、トレー15上に繰出されたロールフィルム5を幅方向に切断するものであって、フィルム繰出しローラ11の近傍に配置されている。止め具14は、位置Cにおいてフィルム片の走行路を開閉するために設置されており、閉塞状態ではトレー15上を滑り落ちてくるフィルム片の先端に当接されてフィルム片の走行を待機させ、開放状態では、トレー15上を滑り落ちてくるフィルム片をそのまま通過させて露光ブロック2側へ供給するようになっている。
【0024】
このような装填ブロック1の構成により、フィルム繰出しローラ11を駆動してロールフィルム5を所定の長さだけ繰出してカッター12を作動し所定の長さのフィルム片に切断することができる。ここで、ロールフィルム5を切断する長さが、カッター12から止め具14までの距離よりも短く設定されていれば、切断時にロールフィルム5の先端が止め具14に到達しない状態で切断され、切断後のフィルム片はトレー15上を滑り落ちて止め具14に当接する。一方、ロールフィルム5を切断する長さが、カッター12から止め具14までの距離よりも長ければ、切断時にはロールフィルム5の先端が止め具14に当接してロールフィルム5は、図中点線で示されたフィルム5aのようにたわんだ状態となるが、たわみが大きすぎなければ切断に支障はない。このようにロールフィルム5をたわませて切断することも考慮して装置を設計すれば、止め具14とカッター12の間隔は、ロールフィルム5の切断長さよりも短く設定することができ、またトレー15の長さも短く設定することも可能であるので、装置の小型化に寄与することができる。
【0025】
なお、ロールフィルム5がたわんだ状態で切断すると、切断されたフィルム片がたわみを解消するようにトレー15上で伸びるが、このフィルム片の長さがフィルム繰出しローラ11と止め具14との間隔ACよりも大きい場合には、フィルム片の両端がこの両者によって押さえられるため、たわみが完全には解消されない状態でトレー15上で待機することになる。
【0026】
露光ブロック2は、装填ブロック1から供給されるフィルム片を外周面に巻き付けて回転する記録ドラム20と、フィルム片を記録ドラム20に押さえつけるスクイズローラ21と、記録ドラム20の外周面にフィルム片を吸着するために記録ドラム20に対して設けられたフィルム吸着手段50と、記録ドラム20の外周面からフィルム片を剥離して排出するフィルム排出部40と、記録ドラム20に保持されているフィルム片に対して画像信号26に基づいて露光を行う記録ヘッド23と、画像データを記憶し記録ヘッド23に画像信号26を送る画像データメモリ24と、この画像データメモリ24を制御するためメモリ制御信号27を送信するメモリ制御手段25等から構成されており、各構成要素は上述したフレームによって支持されている。
【0027】
記録ドラム20は中空の円筒形状であって、フィルム片を少なくともその外周面に巻き付けることのできる大きさを有している。また、上記フレームによって回転自在に軸支されており、パルスモータ(不図示)の回転駆動により、順方向(図中矢印Xの方向)あるいは逆方向に回転駆動することができるようになっている。また、記録ドラム20は、装填ブロック1のフィルム供給位置Cに合わせて、トレー15から滑り落ちてくるフィルム片の先端が記録ドラム20の外周に近接するような位置に設置されている。なお、記録ドラム20の外周面全体には、フィルムを吸着するために、中空部と外部とを連通する多数の孔(不図示)が開設されている。
【0028】
スクイズローラ21は、記録ドラム20にフィルム片が近接する上記位置に取り付けられており、トレー15から滑り落ちてくるフィルム片は、このスクイズローラ21によって記録ドラム20の外周面に押し付けられるようになっている。フィルム吸着手段50は、記録ドラム20の中空部分から空気を吸引する真空ポンプ(不図示)と、記録ドラム20の外周面を所定数に分割した円弧状表面の各表面毎に真空ポンプの吸引力を分割して伝える吸引力伝達機構(不図示)と、上述した記録ドラム20の外周面の多数の孔とからなっており、このフィルム吸着手段50によって、記録ドラム20の分割された円弧状表面毎に、吸着状態(その円弧状表面に吸引力を作用させている状態)又は非吸着状態(その円弧状表面に吸引力を作用させていない状態)にすることができるようになっている。
【0029】
フィルム片への画像の露光は次のようにしてなされる。画像データメモリ24は、メモリ制御手段25から送られるメモリ制御信号27に従って、複数の画像データを記憶する外部記憶装置(不図示)から画像データを1つずつ順に読み込み、読み込んだ画像データに基づいて画像信号26を記録ヘッド23に送る。また、メモリ制御手段25は、画像データメモリ24に読み込んだ画像データについての露光が全部終了すれば、所定時間内に外部記憶装置から次の画像データを読み込むようになっている。記録ヘッド23は、受け取った画像信号26に基づいて、所定の露光位置Kにおいてフィルム片の幅方向に延びる信号光を照射する。そして、順方向Xに回転する記録ドラム20上に吸着されているフィルム片がこの露光位置Kを通過するときに上記信号光が照射され、フィルム片に画像が露光される。
【0030】
制御部3は、フィルム繰出しローラ11に対する繰出し指示信号31、カッター12に対する切断指示信号33、止め具14に対する開閉指示信号34等を出すことによって装填ブロック1を制御する一方、フィルム繰出しローラ11から上述した繰出し量データ信号32を受け取る。また、制御部3は、スクイズローラ21に対する固定指示信号35、メモリ制御手段25に対する露光開始指示信号36、記録ドラム20に対する順方向及び逆方向の回転指示信号(不図示)、フィルム吸着手段50に対する吸着指示信号38等を出すことによって、露光ブロック2を制御する一方、露光終了信号37をメモリ制御手段25から受け取る。また、図2に示すフィルム排出部40のベルトアクチュエータ44からは排出完了信号39を受け取る。
【0031】
入力部4はキーボード等からなっており、操作者の入力部4に対する操作に従って、制御を行うのに必要な指示内容(各フィルム片に露光すべき画像の指定等)を制御部3に入力する。図2は、図1に示すフィルム排出部40と、本画像出力装置に隣接して設置されている自動現像装置60の構成を示す図である。
【0032】
フィルム排出部40は、図に示すように、記録ドラム20からフィルム片を剥離させる剥離爪41と、記録ドラム20から剥離されたフィルム片を本画像出力装置の外へ排出する排出ベルト42と、剥離されたフィルム片を排出ベルト42に案内するガイド43と、剥離されたフィルム片の動きに合わせて排出ベルト42をON−OFFし、かつ排出完了信号39を発するベルトアクチュエータ44とから構成されている。
【0033】
剥離爪41は記録ドラム20の外周面上の排出位置D近傍に設置されており、剥離するために記録ドラム20表面に爪の先端を下ろしたり、あるいは記録ドラム20表面から爪の先端を上げたりすることができるようになっている。また、ベルトアクチュエータ44は、ガイド43の上面に近接した位置で排出ベルト42の近傍に設けられており、ガイド43上をフィルム片の前後端が通過する時にON−OFFされる。そして、フィルム排出時には、後述するようにフィルム排出部40と記録ドラム20とフィルム吸着手段50が制御されることにより、露光後のフィルム片は、記録ドラム20から剥離され排出されるようになっている。このような構成の露光ブロック2によって、装填ブロック1から送られたフィルム片は、記録ドラム20に装着されて、画像が露光された後排出される。
【0034】
また、自動現像装置60は、本画像出力装置から排出される露光済みのフィルム片を受け取って、自動的に現像,定着,水洗,乾燥を行う装置である。
【0035】
[制御部の処理とそれに基づいた動作の説明]
図3は、制御部3が行う制御処理のフローチャートである。このフローチャートに基づき、本画像出力装置の動作について説明する。
【0036】
初期において、フィルム保管手段10に装着されているロールフィルム5の先端は、カッター12の所に位置しているものとし、外部記憶装置には、あらかじめこのロールフィルム5に露光する複数の画像データが順番に記憶されているものとする。操作者が入力部4から処理開始の入力を行うと、制御部3は、記録ドラム20に回転指示信号を送って、記録ドラム20を装着位置に位置決めする(S10)。この装着位置は、トレー15から滑り落ちるフィルム片の先端を記録ドラム20に装着することができる位置である。そして、制御手段3は何枚目のフィルム片の処理を行っているかを示すカウンタiに、初期値1を入れ(S20)、1枚目のフィルム片に露光する画像データを、外部記憶装置から画像データメモリ24に読み込む(S30)。
【0037】
ステップS30で画像データメモリ24に読み込んだ画像データを基に、i枚目のフィルム片を切断する長さLiを算出する(S40)。そして、フィルム繰出しローラ11に繰出指示信号31を送って、ロールフィルム5を長さLiだけ繰出し(S50)、カッター12に切断指示を送ってロールフィルム5を切断する。切断されたフィルム片の長さはLiであり、トレー15上を滑り落ちて、フィルム片の先端が止め具14に当接して待機する。なお、ロールフィルム5がたわんだ状態で切断した場合は、先述したようにフィルム片の待機状況が多少異なるが、フィルム片の先端が止め具14に当接した状態て待機する点においては同様である(S60)。
【0038】
フィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、記録ドラム20の外周面のフィルム片の先端を装着する位置に対する吸引を開始し、止め具14に開閉指示信号34を出して止め具14を開放すると、トレー15上に待機していたフィルム片が滑り落ちる。スクイズローラ21に固定指示信号35を送ってスクイズを開始させると、そのフィルム片の先端がスクイズローラ21により記録ドラム20の外周面に押し付けられ、フィルム片の先端は記録ドラム20の外周面に装着される(S70〜S80)。
【0039】
さらにフィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、記録ドラム20の外周面全体に対する吸引を開始し(S90)、記録ドラム20に回転指示信号を送って、ステップS40で算出したLiに相当する角度だけ順方向に回転する。この間、フィルム片は、スクイズローラ21によって記録ドラム20の外周面に押し付けられながら記録ドラム20に巻き取られ、記録ドラム20の外周面に装着される。装着後、スクイズローラ21に固定指示信号35を送ってスクイズを停止させる(S100)。
【0040】
次に記録ドラム20に回転指示信号を送って、装着されたフィルム片の先端を露光位置Kに合わせる。それから、記録ドラム20に回転指示信号を送って記録ドラム20を順方向に定速度で回転開始させると共に、メモリ制御手段25に露光開始指示信号36を送る。露光開始指示信号36を受け取ったメモリ制御手段25は、画像データメモリ24にメモリ制御信号27を送り、ステップS30で画像データメモリ24に読み込んだ画像信号に基づいて、記録ヘッド23が信号光を照射するよう制御する(S110)。そして、カウンタiに1を加算する(S120)。
【0041】
ここで、制御手段3は外部記憶装置を検索し、次のフィルム片に露光する画像データが有ればステップS130以下に従って次の画像処理を行う。もし、外部記憶装置に画像データがなければ、ステップS122に従ってフィルム片が排出されれば処理を終了する(S121)。ステップS130においては、装填ブロック1側で、上記ステップS40〜S60の処理を行うことによってi番目のフィルム片を切断しトレー15上に待機させる。なお、この間も、露光ブロック2側では(i−1)番目の画像データの露光が継続して行われているが、露光に要する時間と比べてステップS121の処理に要する時間とステップS40〜S60の処理に要する時間はかなり短いので、露光が終了する前に、ステップS40〜S60の処理は終了してしまう。従って、露光終了時には、次のフィルム片がトレー15上に待機していることになる(S130)。
【0042】
そして、露光が終了するまで待ち(S140)、終了すれば、図4に示すフィルム排出のフローチャートに従って、(i−1)番目のフィルム片を排出する(S150)。そして、フィルム排出が終われば、制御部3は後述のベルトアクチュエータ44からの排出完了信号39を受けて、次のフィルム片の記録ドラム20への装着のための作業を開始させる(S160)。
【0043】
この後は、再びステップS70からの処理を繰り返し行う。そして、この繰り返しは、ステップS121で次の画像データが無い(即ち外部記憶装置の最後の画像データまで処理を行った)と判断されるまで行う。次に、図4のフィルム排出サブルーチンのフローチャートに従って、S150のフィルム排出処理について説明する。
【0044】
フィルム排出時には、記録ドラム20を回転させて、装着されているフィルム片の後端を排出位置Dに合わせる(S150−1)。そして、フィルム吸着手段50に吸着指示信号38を送って、排出位置Dの円弧状表面を非吸着状態にすると同時に、記録ドラム20の外周面全体への吸引を弱める(S150−2)。そして、剥離爪41の先端を下ろし(S150−3)、記録ドラム20を逆方向(図2の矢印Y方向)に回転して、フィルム片先端(即ち装着時のフィルム片後端)と記録ドラム20の間に、剥離爪41の先端を介入させることによってフィルム片の剥離を行う。そして、記録ドラム20の逆方向に1回転させる(S150−4)ことによってフィルム片全体が剥離されると、フィルム吸着手段50による記録ドラム20の外周面全体への吸引を停止する(S150−5)。
【0045】
なお、フローチャートには示さないが、制御部3がフィルム排出部40を制御することにより、剥離されたフィルム片は次のようにして画像出力装置の外に排出される。フィルム片を記録ドラム20から剥離すると、フィルム片は図2に示すガイド43の上面に沿って排出ベルト42へ送られる。ここで、フィルム片の先端がベルトアクチュエータ44を通過するときに、ベルトアクチュエータ44を0Nすることにより排出ベルト42を駆動する。そして、排出ベルト42は、到達したフィルム片の先端を引き込んで、排出口方向へ移動させる。
【0046】
フィルム片の後端がベルトアクチュエータ44を通過するときに、ベルトアクチュエータ44を0FFする。ベルトアクチュエータ44が0FFされると、排出完了信号39が制御部3に送られ、制御部3はフィルム片が本画像出力装置の外へ排出されたタイミングで排出ベルト42を停止させる。以上説明したように、制御部3は、フィルム片が記録ドラム20にセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断した状態でトレー15上に待機させるよう制御を行う。
【0047】
[割り込み処理についての説明]
次に、本画像出力装置において、割り込み処理により別の長さにロールフィルム5を切断して露光する構成について説明する。フィルム片がトレー15上に待機してないとき、即ち、上述したステップS10〜S50の処理の間、或はステップS90〜S121の処理の間において割り込み処理するときには、露光中の場合は一旦処理を中断して、割り込み用の処理を実行した後、処理を再開するように制御処理の変更を行えばよい。
【0048】
しかし、フィルム片がトレー15上に待機しているとき、即ち、上述したステップS60〜S80の処理の間、或はステップS130〜S80の処理の間において、割り込み処理を行う場合は、上記のような制御処理の変更とともに、トレー上に待機しているフィルム片によって、割り込み処理が妨げられるという課題を解決する必要がある。即ち、割り込み用としてロールフィルム5を繰出すときには、すでに待機しているフィルム片に引っかかりやすいという課題と、また仮に割り込み用のロールフィルム5の引出し、切断及び待機までうまくできたとしても、止め具14を開放して記録ドラム20に装着しようとするときには、割り込み用のフィルム片と共に、待機していたフィルム片もトレー15から滑り落ちるという課題を解決する必要がある。
【0049】
このような課題を解決するための装置構成について説明する。図5は、割り込み処理用に改良したトレー115及びフィルム落下防止機構の構成図である。トレー115は、図に示す様にその上面は階段状になっている。この段は、止め具14までの距離が、本装置において想定されるロールフィルム5の切断長さよりも若干長い位置であって、段の高さはロールフィルム5の厚さよりも若干高く形成されている。例えば、図に示すように長さLiのフィルム片Fiに対応して、止め具14からの距離がLi+△Lの位置には段が形成されている。このような段を形成することによって、割り込みの為に新たなロールフィルム5を繰出すときに、待機しているフィルム片Fiに引っかかりにくくなる。
【0050】
また、トレー115の下端近傍には、トレー115上のフィルム片Fiを吸着する為の孔115aが開設されている。そして、この孔115aは、真空ポンプ(不図示)とつながっており、トレー115上にフィルム片Fiが待機しているときの割り込み処理時には、真空ポンプを作動させてトレー115上のフィルム片Fiを吸着するようになっている。従って、止め具14を開放した時には、フィルム片Fiは滑り落ちず、割り込み用のフィルム片がフィルム片Fiを乗り越えて滑り落ちる。
【0051】
なお、本実施例の画像出力装置において、止め具14の代わりに、トレー15の下端位置Cに、切断したフィルム片を露光ブロック2側へ送るフィルム送りローラーを設置し、フィルム装着時にこのフィルム送りローラを駆動するようにしても、同様に実施できる。
【0052】
(実施例2)
本実施例は、上述した実施例1の画像出力装置において、平板状のトレー15の代わりに山形のトレーを用いる例である。
【0053】
図6は、本発明の第2の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、実施例1の画像出力装置において、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aとフィルム供給位置Cとの間隔が短くなっており、この位置Aから位置Cにわたって、断面が山形のトレー215が設置されている。このトレー215は、ロールフィルム5の幅に応じた所定幅と、ロールフィルム5を切断する長さに応じた長さを持つ平板を、山形に折り曲げて形成されている。そして実施例1と同様に、トレー215の位置A側の端近傍にはカッター12が、トレー215の位置C側の端には止め具14が設置されている。
【0054】
また、カッター12の近傍には、トレー215上の切断されたフィルム片の後端を持ち上げるフィルム持ち上げ板201が設置されている。フィルム持ち上げ板201は、上下駆動手段(不図示)によって、トレー215の下側の下位置E1から、トレー215に開設された窓202を貫通して、トレー215の頂点Hよりも上方の上位置E2に到るまで上昇することができるようになっている。なお、その他の構成については、実施例1の画像出力装置と同様である。
【0055】
このような構成の画像出力装置において、制御部3は実施例1と同様に制御を行うが、ロールフィルム5を切断し待機するときの動作においては、次のような若干の違いがある。フィルム繰出しローラ11によってロールフィルム5が繰出されるとき、トレー215に沿って位置Aから山形のトレー215の頂点Hに向かって登って行き、頂点Hで折れ曲がり、頂点Hを越した部分については、位置Cに向かって下って行く。そして、所定長だけロールフィルム5が繰出された後、カッター12によって切断される。
【0056】
繰出されたロールフィルム5の頂点Hを越している部分が多い場合は、ロールィルム5が切断されると自動的に位置Cの方へ滑り落ちて、その先端が止め具14に当接して待機するが、繰出されたロールフィルム5の頂点Hを越している部分が少ない場合には、ロールフィルム5が切断されると逆に位置Aの方へ滑り落ちて、フィルム片の後端がフィルム繰出しローラ11に当接することになる。この場合、フィルム持ち上げ板201を下位置E1から上位置E2へと上昇させ、フィルム片の後端を持ち上げることによって(図中点線Fiで示す状態)、フィルム片は位置C側へと滑り落ちて、フィルム片の先端が止め具14に当接して待機する。
【0057】
本実施例の画像出力装置においては、トレー215を山形の形状とすることにより、位置Aと位置Cの間隔が短くなるので、装置の設置面積を少なくすることができる。
【0058】
(実施例3)
本実施例は、トレーの先端を記録ドラムに接近させてフィルム片を装着させる画像出力装置の例である。
【0059】
図7は、本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。図に示すように、本画像出力装置は、実施例1の画像出力装置において、フィルム供給位置Cが記録ドラム20の下側に設定されており、フィルム繰出しローラ11からロールフィルム5が繰出される位置Aはこの位置Cよりも高く設定されている。
【0060】
フィルム片を待機させるトレー315は、実施例1のトレー15と同様の形状であり、位置Aから位置Cにわたって傾斜をつけて設置されている。そしてトレー315の下端には、滑り落ちてくるフィルム片を当接させる当接部314が設けられている。ただし、トレー315は、その下端が記録ドラム20から離間している姿勢P1と、下端が記録ドラム20に近接している姿勢P2との間を移動できるように保持されており、ソレノイド等のトレー駆動手段(不図示)によって、姿勢P1又は姿勢P2を取ることができるようになっている。
【0061】
本実施例において、記録ドラム20の順回転方向は、図中矢印Yで示すように、実施例1における回転方向とは逆であり、スクイズローラ21の位置もフィルム供給位置Cに合わせて記録ドラム20の下側に設けられている。また、図に示すように、記録ドラム20に装着されるとき、フィルム片の感光面が外側になるよう、フィルム保管手段10にロールフィルム5を装着する向きが実施例1とは逆になっている。
【0062】
このような構成の画像出力装置において、制御部3は実施例1と同様に制御を行うが、フィルム片を装着するときの制御において若干の違いがある。即ち、実施例1においては、通常は止め具14を閉じておき、装着時にだけ止め具14を開き、フィルム片をトレー15から滑り落とすことによって供給したが、本実施例においては、通常はトレー315を姿勢P1にしておき、装着時にだけ姿勢P2を取るようトレー駆動手段を制御する。従って装着時には、トレー315が姿勢P2を取ることによって、当接部314に当接した状態で待機しているフィルム片の先端が記録ドラム20に接近し、このフィルム片はフィルム吸着手段50の作用によって記録ドラム20に吸着される。この時、記録ドラム20は、フィルム片の先端部を固定する領域のみを吸引している。
【0063】
本画像出力装置においても、フィルム片が記録ドラム20にセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断した状態でトレー315上に待機させることができる。図8は本実施例に係る画像出力装置の変形例の概略構成図である。この画像出力装置においては、図に示すようにフィルム保管手段10が記録ドラム20に近い上方位置に設置され、平板状のトレー315の代わりに記録ドラム20の外周に沿った曲線状のトレー415が用いられている。そして、フィルム装着時にはトレー415がトレー315と同様の動作をすることによって、当接部414に当接した状態で待機しているフィルム片が記録ドラム20に装着される。
【0064】
このような構成により、フィルム保管手段10と記録ドラム20が近づき、かつ位置Aと位置Cの水平距離も小さくなるので、画像出力装置を小型化することができる。なお、上記実施例1〜3においては、記録ドラム20の外周面にフィルム片を装着して、記録ドラム20を回転させながら露光する画像出力装置の例を示したが、露光の方法はこれに限定されることなく、例えばドラムの内面にフィルム片を装着して、プリズムミラーで露光位置を変えながら露光していく内面走査型の画像出力装置においても同様に実施可能である。
【0065】
また、上記実施例1〜3においては、先行するフィルム片の露光が終了する時までに、ロールフィルム5を繰出し、所定長さに切断して次順のフィルム片を待機させる例を示したが、次順のフィルム片は、先行するフィルム片が露光終了時までに待機させなくても、記録ドラム20から排出されるまでに待機させればよい。
【0066】
また、上記実施例1〜3において用いたスクイズローラ21は、フィルム片を記録ドラム20に装着する精度を上げるために用いたものであって、スクイズローラを設けなくても実施することは可能である。
【0067】
請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、ロールフィルムからフィルム片を切断して画像を露光する画像出力装置において、先行のフィルム片が記録ドラムにセットされてから排出されるまでの間に、ロールフィルムを繰出し、所定長に切断した状態で待機させるよう制御するので、処理時間を短縮することができる。また、フィルム片が記録ドラムに保持される前に切断が行われているので、ロールフィルムにかかるテンションを抑制することができる。
【0068】
従って、処理速度が速く、フィルム片のレジストレーションの優れた画像出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る画像出力装置の全体構成図である。
【図2】実施例1のフィルム排出部と、実施例1の画像出力装置に隣接して設置されている自動現像装置の構成を示す図である。
【図3】実施例1の制御部が行う制御処理のフローチャートである。
【図4】実施例1の制御部が行うフィルム排出サブルーチンのフローチャートである。
【図5】実施例1に係る、割り込み処理の為に改良したトレー及びフィルム落下防止機構の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る画像出力装置の変形例の概略構成図である。
【図9】ロール状感光材料を用いる画像出力装置の従来例の該略構成図である。
【符合の説明】
1 装填ブロック
2 露光ブロック
3 制御部
10 フィルム保管手段
11 フィルム繰出しローラ
12 カッター
14 止め具
15 トレー
20 記録ドラム
23 記録ヘッド
40 フィルム排出部
Claims (5)
- 保管手段に保管されたロールフィルムを繰出す繰出し手段と、所定長繰出されたロールフィルムを順次切断する切断手段と、該切断されたフィルム片を順次搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送されたフィルム片が装着される記録ドラムと、前記記録ドラムに装着されたフィルム片に対して画像データに基づいて信号光を照射する記録ヘッドと、前記記録ドラムからフィルム片を排出する排出手段と、を備えた画像出力装置であって、
前記搬送手段は、前記切断手段によって切断されたフィルム片を待機させるトレーを有し、前記繰出手段は、先行するフィルム片が記録ドラムから排出されるまでに後行のフィルム片の切断が終了するように、前記保管手段からのロールフィルムの繰出しを開始することを特徴とする画像出力装置。 - 前記記録ドラムは、フィルム片が装着される装着面と、該装着面に負圧力を生じさせる吸引手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の画像出力装置。
- 前記装着面は複数の領域に分割され、前記吸引手段は該複数の領域に対して選択的に負圧力を生じさせるものであることを特徴とする請求項2記載の画像出力装置。
- フィルム片を押圧して該フィルム片を前記装着面に順次密着させるスクイーズローラをさらに含むことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の画像出力装置。
- 前記トレーは傾斜がつくよう設定されていることを特徴する請求項1記載の画像出力装置。
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