JP3553782B2 - 小旋回型油圧ショベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを冷却するファンで発生する冷却風で搬送される浮遊異物が、オイルクーラやラジェータ等の熱交換装置のフィンに付着するのを防止する異物除去ネットを備えた小旋回型油圧ショベルの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械、例えば典型的な油圧ショベルを、その外観図の図3と、図3のC−C線断面図の図4とを参照しながら説明すると、図に示す符号1は油圧ショベルであり、この油圧ショベル1はクローラ式の下部走行体2に上部旋回体3が旋回可能に搭載され、この上部旋回体3には後述するフロント作業気候4が装着されている。このフロント作業気候4は、上部旋回体3に俯仰自在に設けられたブーム5と、このブーム5に上下方向に回動可能に連結されたアーム6と、このアーム6の先端に回動可能に装着されたバケット7とから構成され、ブーム5はブームシリンダ5aにより、アーム6はアームシリンダ6aにより、バケット7はバケットシリンダ7aにより作動されるようになっている。また、上部旋回体3にはオペレータが搭乗してこの油圧ショベル1の操作を行う運転室8が設けられ、さらに運転室8の後部には機械室9が配置されている。カバー10により囲繞され、上面に開閉自在なボンネット16が配置される機械室9の空間内には、エンジン11およびこのエンジン11で駆動される油圧ポンプ12が設けられている。
【0003】
つまり、エンジン11の作動により駆動される油圧ポンプ12から、下部走行体2に設けた図示しない油圧モータに圧油を供給し、上部旋回体3に設けた図示しない旋回モータに圧油を供給し、また上記各シリンダ5a,6a,7aに圧油を供給することにより、これらを作動させて走行旋回およびフロント作業機構4を作動させるように構成されている。さらに、上部旋回体3にはエンジン11を冷却するラジェータ13が、また各アクチュエータからの戻り油を冷却するオイルクーラ14が設けられており、これらはエンジン11の設けられたファン15で冷却されるようになっている。カバー10には、空気取入れ口10aと空気排出口10bとが設けられており、ファン15の回転により空気が空気取入れ口10aから流入し、オイルクーラ14、ラジェータ13を通って、空気排出口10bから排出するようになっている。
【0004】
そのため、空気中の浮遊異物、例えば虫、枯れ葉、ごみ等の浮遊異物が空気取入れ口10aから機械室9内に吸込まれ、ラジェータ13、オイルクーラ14のフィンの間に入り込むことがある。すると、冷却風の流れが阻害され、冷却効果が低下するので作動油温度の異常上昇、エンジン冷却水温の異常上昇という不具合が生じる。このような不具合を解消し得るようにした油圧ショベルとしては、例えば特開平7−189695号公報に開示されてなるものが公知である。以下、熱交換装置の構成を示す斜視図の図5と、熱交換装置の全体構成を示す説明図の図6とを参照しながら、同明細書に記載されている同一名称ならびに同一符号を以て説明する。但し、油圧ショベルの本体構成については、前記典型例と同様であるから、その熱交換装置だけの説明に止める。
【0005】
符号20はオイルクーラ、21はラジェータ、22はファン、23はファンガイドである。オイルクーラ20およびラジェータ21は左右両側の連結板24,24により所定間隔を保持し得るように組立てられている。オイルクーラ20とラジェータ21との間の下部には、オイルクーラ20側にヒンジ25aを介して、冷却風の通風時の冷却風の流路の圧力低下による負圧で回動して、先端部がラジェータ21の下部に当接することによりその間の隙間を閉塞する開閉可能な底板25が設けられている。符号30は防除ネットで、虫や枯れ葉、ごみ等の浮遊異物が冷却風に搬送されて、オイルクーラ20およびラジェータ21を構成するフィンに付着するのを防止するものである。
【0006】
これは、前部ネット部31と、この前部ネット部31の状端部に直角に連設した上部ネット部32とから構成されている。これらはフレーム31a,32aに金網31b,32bを装着したものである。この防除ネット30は、その前部ネット部31がファン22による冷却風の上流側に位置するオイルクーラ20前面部に、また上部ネット部32はこのオイルクーラ20の上部から、これとラジェータ21との間の隙間を覆い、その先端がラジェータ21まで延在させてある。この防除ネット30は容易に着脱でき、かつ位置ずれしないように装着されるようになっている。即ち、前部ネット部31の左右両側のフレーム31aは、オイルクーラ20の前面に設けた略U字状であって、かつ複数の蝶ねじ34が螺合されてなるスライドガイド33に挿通されるようになっており、蝶ねじ34を締付けることにより、スライドガイド33に挿通された防除ネット30が固定されるように構成されている。
【0007】
従って、上記構成になる防除ネット30によれば、ファン22の作動による冷却風により搬送される浮遊異物が、オイルクーラ20およびラジェータ21に入り込もうとしても、これら浮遊異物は防除ネット30により確実に捕捉されるので、浮遊異物のオイルクーラ20およびラジェータ21への進入が防止される。なお、この特開平7−189695号公報においては、上記実施例の他に第2実施例として、オイルクーラの前面に前部防除ネットをビスで固定すると共に、オイルクーラとラジェータの間の隙間を塞ぐ上部防除ネットをビスで固定する構成になるものも開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧ショベルには、その側面図の図7と、その平面図の図8と、図7のD−D線断面図の図9に示すような、小旋回型油圧ショベルといわれるものがある。以下、これを、上記典型例と同一のものならびに同一機能を有するものに同一符号を付して、その相違する点について説明すると、運転室8の後部には機械室9が配置されている。この機械室9の平面形状は、上部旋回体3の旋回中心を中心とする所定半径の円弧の一部で形成されており、そして上にはこの円弧の一部に対応する形状の開閉自在なボンネット16が設けられている。エンジン11やオイルクーラ20とラジェータ21とからなる熱交換装置の配置、つまりエンジン11の回転中心線は、図9に示すように、上部旋回体3の前後方向の中心線と直交するようになっている。機械室9内に収容されているエンジン11や熱交換装置は、ボンネット16を上方に開いてメインテナンスするのであるが、ボンネット16を開いてもエンジン11や熱交換装置の一部、例えば3/4程度が見えるだけであり、残りの部分は運転室8等の下側に隠れている。
【0009】
このような小旋回型油圧ショベルでは、市街地の特に狭い作業現場でも土砂等の掘削作業が行えるように、旋回に際して上部旋回体の後部がクローラ式の下部走行体からはみ出すことがないように形成されていてボンネット16を開いても開口部が狭く、上記従来例に係る構成の防除ネットでは開口部から挿入することができないので、この防除ネットを熱交換装置の前面に装着することができないし、また掃除等のために取外すこともできない。そのため、防除ネットを着脱するに際しては湾曲形成されてなるカウンターウェイト3a、カバー類等の囲繞部材の着脱作業が必要になるので、防除ネットの着脱に多大な労力を要するという解決すべき課題が生じる。つまり、上記特開平7−189695号公報に開示されてなる防除ネットは、機械室のスペースが十分に広い大型の油圧ショベルに対してのみ適用し得るものである。
【0010】
従って、本発明の目的とするところは、小旋回型油圧ショベルの熱交換装置に対しても、カウンターウェイト、カバー類の着脱作業を行うことなく、容易に着脱することを可能ならしめる異物防除ネットを備えた小旋回型油圧ショベルを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る小旋回型油圧ショベルが採用した手段の特徴とするところは、下部走行体を備え、この下部走行体の上部に旋回自在に搭載され、旋回時に後部が前記下部走行体の車幅内に略収まるように円弧状に形成された上部旋回体を備えてなる小旋回型油圧ショベルにおいて、前記上部旋回体の後部内部に、横置きされたエンジンと、このエンジンを冷却するファンの前面に配置された熱交換装置と、この熱交換装置の前面に装着されて浮遊異物を捕捉する異物防除ネットとを備え、前記上部旋回体の後部上面に前記熱交換装置の前後幅より小開口を有する開口部が形成され、前記異物防除ネットは、前記開口部から順次出し入れ可能に分割され、前記熱交換装置の前面で幅方向に並設される複数のネット分割体から構成され、これら複数のネット分割体のそれぞれは、その上部が折り曲げられて開口部と対面する面が形成され、この面を介してネット分割体のそれぞれを着脱自在に前記熱交換装置に固定する取付け位置が前記開口部から臨む範囲内に設けられてなるところにある。
【0012】
本発明の請求項2に係る小旋回型油圧ショベルが採用した手段の特徴とするところは、請求項1に記載の小旋回型油圧ショベルにおいて、前記ネット分割体が、枠体と、この枠体に張設された網とからなり、前記枠体の幅方向の端部を上下方向に案内する側部ガイド部を熱交換装置の前面の両側に設けたところにある。
【0013】
本発明の請求項3に係る小旋回型油圧ショベルが採用した手段の特徴とするところは、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の小旋回型油圧ショベルにおいて、前記熱交換装置の前面の下部に、前記枠体の下端部を左右方向に移動可能に案内するネット下部支持部材を設けたところにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る小旋回型油圧ショベルの機械室におけるエンジンおよび熱交換装置の配置説明図の図1と、熱交換装置の構成を示す斜視図の図2(a)と、図2(a)のA部拡大図の図2(b)と、図2(b)のB矢視図の図2(c)とを参照しながら説明する。但し、この小旋回型油圧ショベルの構成は、段落番号〔0008〕で説明 したものと同一であるから、その主要部についての説明は省略し、同一のものならびに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。
【0015】
小旋回型油圧ショベルの運転室の後部に設けられている機械室9の空間内には、特開平7−189695号公報に開示されてなる従来例と同様、オイルクーラ20と、ラジェータ21とが組立てられてなる熱交換装置と、オイルクーラ20側からラジェータ21方向に冷却風を流すエンジン冷却用のファン22を有するエンジン11とが配置されている。
勿論、この機械室9の平面形状は、従来例に係る小旋回型油圧ショベルの場合と同様に、円弧の一部で形成されており、上にはこの円弧の一部に対応する形状の開閉自在なボンネット16(想像線で示されている。)が設けられている。またボンネット16を開いたとしてもエンジン11や熱交換装置の約3/4が見えるだけで、他の残りの部分は運転室等の下側に隠れるように構成されている。
【0016】
オイルクーラ20およびラジェータ21は、図2(a)に示すように、オイルクーラ20の冷却風の出側である背面と、ラジェータ21の冷却風の入側である前面とが接する状態で左右両側の連結板24,24により一体的に組立てられている。これら連結板24,24のオイルクーラ20の冷却風の入側である前面からの突出端は相対する方向、かつオイルクーラ20の前面との間に所定の間隙を持って折曲げられることにより、後述する異物防除ネットの端部を上下方向に案内し得る側部ガイド部33,33が形成されている。
【0017】
これら側部ガイド部33,33の下端部であって、それらの前面には平板状の下部固定板33aが水平に固着されており、またこの下部固定板33aのオイルクーラ20側の背面側であって、かつその長手方向には、所定の感覚を持つ3枚のネット下部支持部材33b,33b,33bが、それらの下端部が、例えばスポット溶接されることにより固着されている。さらに、オイルクーラ20の上面には、2つの雌ねじ20a,20aが螺刻されている。なお、オイルクーラ20とラジェータ21とを接する状態で組立てるのは、図1から良く理解されるように、機械室9のスペースが狭いからである。また、ネット下部支持部材33bの枚数は1枚であっても、また4枚であっても良い。また、図2(a)において、とラジェータ21の反オイルクーラ側に突設されてなるものは、内側でファン22が回転するファンガイドである。
【0018】
そして、側部ガイド部33,33のそれぞれに幅方向の端部側が嵌込まれ、下端が下部固定板33aとネット下部支持部材33bとの間に嵌込まれると共に、雌ねじ20aのそれぞれに螺着される蝶ねじ34により、虫や枯れ葉、ごみ等の浮遊異物が冷却風に搬送されて、オイルクーラ20およびラジェータ21を構成するフィンに付着するのを防止する後述する構成になる異物防除ネット30が装着されるようになっている。
【0019】
上記異物防除ネット30は、相対する端面が接触する状態で組合わさられる2組のネット分割体30′,30′から構成されている。即ち、それぞれのネット分割体30′は、前部ネット部31と、この前部ネット部31の上端部に直角に折曲げられた上部ネット部32とから構成されている。より詳しくは、これらは長方形状の枠体を直角に折り曲げ形成した、その側面がΓ状であって、垂直部と、この垂直部の上端で直角な上部の水平部とからなる折曲げ枠体30a′と、この折曲げ枠体30a′の垂直部および水平部に張設される網からなる前部ネット31aおよび上部ネット32aと、水平部の幅方向の両側の板部材に端部が固着され、上記蝶ねじ34が貫通される2個の取付穴30c′が設けられてなるネット上部固定用板30b′とから構成されている。なお、折曲げ枠体30a′には、冷却風の通風を阻害しない範囲内において、その左右の縦部材間に適宜補強板を配設することができる。
【0020】
ところで、この異物防除ネット30では、オイルクーラ20とラジェータ21とは、上 記のとおり、連結板24,24によって、互いに接する状態で組立てられているので、特開平7−189695号公報に開示されてなる従来例のように、ネット分割体31の水平部をラジェータ21の上面まで延在させる必要がない。勿論、オイルクーラ20とラジェータ21との間に所定の間隔が設けられている場合には、従来と同様に、ネット分割体31の水平部をラジェータ21の上面まで延在させると共に、下部の隙間を閉塞する開閉可能な底板を設ければ良いものである。
【0021】
以下、上記異物防除ネット30をオイルクーラ20の前面に装着する仕方を説明すると、先ずボンネット16を開けて、第1のネット分割体30′を上部旋回体3の上面の開口部から挿入すると共に、下端部を下部固定板33aとネット下部支持部材33bとの間に嵌込んだ後に、上部旋回体3の前方向、つまり運転室の方向に移動させ、この第1のネット分割体30′の幅方向の端部を一方の側部ガイド部33に嵌込む。そして、蝶ねじ34をネット上部固定板30b′に設けられた取付穴30c′に通し、蝶ねじ34をオイルクーラ20の上部に設けた雌ねじ20aにねじ込んで、この第1のネット分割体30′を固定する。
【0022】
次いで、他のネット分割体30′を上部旋回体3の上面の開口部から挿入すると共に、既に装着されている第1のネット分割体30′の端面に接し、かつ他端を他方の側部ガイド部33に嵌込んだ状態で、下端部が下部固定板33aとネット下部支持部材33bとの間に嵌込まれるまで押し下げて、蝶ねじ34をネット上部固定板30b′に設けられた取付穴30c′に通し、通した蝶ねじ34をオイルクーラ20の上部に設けた雌ねじ20aにねじ込めば、この他のネット分割体30′が固定され、上記第1のネット分割体30′と、この他のネット分割体30′とにより異物防除ネット30が形成されることとなる。
【0023】
従って、このようにしてオイルクーラ20の前面に装着された異物防除ネット30によれば、上記特開平7−189695号公報に開示されてなる従来例と同様に、ファン22の吸引作用で生じる冷却風により搬送されて吸込まれる浮遊異物がオイルクーラ20およびラジェータ21に入り込もうとしても、これら浮遊異物は異物防除ネット30により確実に捕捉されるので、浮遊異物のオイルクーラ20およびラジェータ21への進入が防止される。
【0024】
勿論、それぞれのネット分割体30′の幅方向の一方側の端部は側部ガイド部33によって、また下端部がネット下部支持部材33bによって支えられているので、掘削作業に際して小旋回型油圧ショベルが振動したとしても、これらネット分割体30′の端面と端面との間に大きな隙間が生じるようなことがない。なお、幅が狭い小型のネット分割体30′の場合には、必ずしも下端部を支えるネット下部支持部材33bを設ける必要がないものである。
【0025】
このように、この実施の形態に係る異物防除ネット30によれば、この異物防除ネット30は特開平7−189695号公報に開示されてなる従来例のように一体型でなく、左右方向に2分割された構成であるから、狭い開口部でも容易に挿入することができ、カウンターウェイト3a、カバー類を取り外すまでもなく、オイルクーラ20の前面に装着することができ、異物防除ネット30の着脱作業労力の軽減が可能になるという優れた効果がある。
【0026】
一方、捕捉された浮遊異物の除去掃除のために、オイルクーラ20の前面に装着されている異物防除ネット30を取外すときには、ボンネット16を開いた後にカウンターウェイト3a側の蝶ねじ34を取外して、開口部からカウンターウェイト3a側のネット分割体30′を取出す。次いで、運転室側の蝶ねじ34を取外して、運転室側のネット分割体30′をカウンターウェイト3a側に移動させると共に、この移動させたネット分割体3 0′を開口部から取出すという手順によれば良いものである。
【0027】
以上では、本発明に係る技術的思想を、冷却風の上流側にオイルクーラ20が、このオイルクーラ20の下流側にラジェータ21が配置されてなる熱交換装置に対して適用した場合を説明したが、これとは逆に冷却風の上流側にラジェータ21が、このラジェータ21の下流側にオイルクーラ20が配置されてなる熱交換装置に対しても適用することができるので、上記実施の形態によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではない。また、以上では、異物防除ネット30が、2つのネット分割体30′の組合わせからなる場合を説明したが、これは開口寸法から2分割すれば十分であったからに過ぎず、例えば3分割構成であっても良い。勿論、異物防除ネット30が3分割構成である場合には、少なくとも中央位置に装着されるネット分割体の下端部を支えるネット下部支持部材を設ければ良いものである。なお、以上では、ファンにより吸引される浮遊異物を捕捉する異物防除ネットとしたが、逆にファンにより排出される浮遊異物を捕捉して良いのは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明は、小旋回型油圧ショベルのようにボンネットの開口部が狭い場合においても、カウンターウェイト、カバー等の取外し作業を必要とせず、ボンネットの開口部から異物防除ネットの着脱作業を容易に行うことができるという効果を奏することができる。
【0029】
また、請求項2に記載された発明においては、側部ガイド部を設けることによって、ショベル作業中の振動によって異物防除ネットが振動するのを防ぎ、ショベル作業を静音化することができる。さらに、異物防除ネットを固定する蝶ねじが作業中に外れた場合においても、異物防除ネットの脱落を防ぐことができる。
【0030】
また、請求項3に記載された発明は、ネット下部支持部材によって異物防除ネット装着の際に位置決めの案内ができるのは勿論のこと、ショベル作業中の振動によって異物防除ネットが振動するのを防ぎ、ショベル作業を静音化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る小旋回型油圧ショベルの機械室におけるエンジンおよび熱交換装置の配置説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係り、図2(a)は熱交換装置の構成を示す斜視図、図2(b)は図2(a)のA部拡大図、図2(c)は図2(b)のB矢視図である。
【図3】典型的な油圧ショベルの外観図である。
【図4】図3のC−C線断面図である。
【図5】従来例(特開平7−189695号公報)に係る油圧ショベルの熱交換装置の構成を示す斜視図である。
【図6】従来例(特開平7−189695号公報)に係る油圧ショベルの熱交換装置の全体構成を示す説明図である。
【図7】他の従来例に係り、小旋回型油圧ショベルの側面図である。
【図8】他の従来例に係り、小旋回型油圧ショベルの平面図である。
【図9】図7のD−D線断面図である。
【符号の説明】
3…上部旋回体,3a…カウンターウェイト,9…機械室,11…エンジン,20…オイルクーラ,20a…雌ねじ,21…ラジェータ,22…ファン,23…ファンガイド,24…連結板,30…異物防除ネット,30′…ネット分割体,30a′…折曲げ枠体,30b′…ネット上部固定板,30c′…取付穴,31…前部ネット部,31a…前部ネット,32…上部ネット部,32a…上部ネット,33…側部ガイド部,33a…下部固定板,33b…ネット下部支持部材,34…蝶ねじ
Claims (3)
- 下部走行体を備え、この下部走行体の上部に旋回自在に搭載され、旋回時に後部が前記下部走行体の車幅内に略収まるように円弧状に形成された上部旋回体を備えてなる小旋回型油圧ショベルにおいて、前記上部旋回体の後部内部に、横置きされたエンジンと、このエンジンを冷却するファンの前面に配置された熱交換装置と、この熱交換装置の前面に装着されて浮遊異物を捕捉する異物防除ネットとを備え、前記上部旋回体の後部上面に前記熱交換装置の前後幅より小開口を有する開口部が形成され、前記異物防除ネットは、前記開口部から順次出し入れ可能に分割され、前記熱交換装置の前面で幅方向に並設される複数のネット分割体から構成され、これら複数のネット分割体のそれぞれは、その上部が折り曲げられて開口部と対面する面が形成され、この面を介してネット分割体のそれぞれを着脱自在に前記熱交換装置に固定する取付け位置が前記開口部から臨む範囲内に設けられてなることを特徴とする小旋回型油圧ショベル。
- 前記ネット分割体が、枠体と、この枠体に張設された網とからなり、前記枠体の幅方向の端部を上下方向に案内する側部ガイド部を熱交換装置の前面の両側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の小旋回型油圧ショベル。
- 前記熱交換装置の前面の下部に、前記枠体の下端部を左右方向に移動可能に案内するネット下部支持部材を設けたことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の小旋回型油圧ショベル。
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