JP3553382B2 - トランジスタ増幅段 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、 npn増幅トランジスタを有するトランジスタ増幅段であって、該npn増幅トランジスタのベースは交流電圧入力端子と、エミッタは固定電位と、コレクタは交流電圧出力端子と接続されている形式のトランジスタ増幅段に関する。
【0002】
とりわけ本発明は、高周波(HF)トランジスタ増幅段に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
種々のトランジスタ増幅段が公知であるが、これらは通常次のような欠点を有する。すなわち、高周波増幅用に構成する場合、その直流安定性が低下してしまうのである。例としてここでは、第1のトランジスタのエミッタが第2のトランジスタのベースと接続され、第2のトランジスタのコレクタが第1のトランジスタのコレクタと接続されたダーリントン段をあげておく。さらにこの公知の回路では、第1のトランジスタのベースが第1の電気抵抗を介してそのコレクタと接続されており、第2の電気抵抗を介してアースと接続されている。第1のトランジスタのエミッタも、第2のトランジスタのエミッタも第3ないし第4の電気抵抗を介して同じようにアースと接続されている。第1のトランジスタのベースは交流電圧入力端子に、第2のトランジスタのコレクタは交流電圧出力端子に接続されている。第2のトランジスタの十分な高周波増幅率を達成するためには、比較的に小さな値の第4の抵抗を設けなければならない。しかしこのことによって第2のトランジスタの直流安定性が低下する。
【0004】
日本特許抄録E−1366、1993,Vol.17/No.249(JP−A−4369907)から、請求項1の上位概念によるトランジスタを有する高周波増幅段が公知である。
【0005】
EP−A−0544387には、MMICチップ上の高周波増幅用集積回路が公知である。この回路はダーリントントランジスタ構成を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、npn増幅トランジスタを有するトランジスタ増幅段を改善し、npn増幅トランジスタの直流安定性を向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題は本発明により、直流電圧入力端子とnpn増幅トランジスタのベースとの間に、第1のpnpトランジスタと第2のpnpトランジスタを備えたアクティブ型動作点安定化ユニットが設けられており、
当該アクティブ型動作点安定化ユニットでは、第1のpnpトランジスタのコレクタが第2のpnpトランジスタのベースと、第1のpnpトランジスタのベースが第2のpnpトランジスタのエミッタと、第1のpnpトランジスタのエミッタが直流電圧入力端子と、第2のpnpトランジスタのコレクタがnpn増幅トランジスタのベースと接続されており、
第2のpnpトランジスタのエミッタには別の回路端子が接続されているように構成して解決される。
【0008】
本発明の有利な実施形態は、請求項2から5に記載されている。
【0009】
本発明では、冒頭に述べた形式のトランジスタ増幅段において、直流電圧入力端子とnpn増幅トランジスタのベースとの間に、第1と第2のpnpトランジスタを有するアクティブ型動作点安定化ユニットが設けられる。第1のpnpトランジスタのコレクタは第2のpnpトランジスタのエミッタに、第2のpnpトランジスタのコレクタはnpn増幅トランジスタのベースに接続されている。さらに第2のpnpトランジスタのエミッタには別の回路端子が接続されている。アクティブ型動作点安定化ユニットは、トランジスタ増幅段の直流安定性の向上に作用する。
【0010】
本発明のトランジスタ増幅段のとくに有利な構成では、npn前置段トランジスタが設けられる。このトランジスタは、npn増幅トランジスタと共に1つのダーリントン増幅段を形成するようにnpn増幅トランジスタに接続されている。例えば、npn前置段トランジスタのエミッタがnpn増幅トランジスタのベース並びに固定電位に、コレクタがnpn増幅トランジスタのコレクタに、およびベースが交流電圧入力端子に接続される。npn前置段トランジスタのベースとコレクタとの間、npn前置段トランジスタのエミッタと固定電位との間、およびnpn前置段トランジスタのベースと固定電位との間にはそれぞれ1つの電気抵抗が配置されている。
【0011】
【実施例】
増幅段の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図面中、同じ構成部材ないしは同じ作用を有する構成部材には同じ参照符号が付してある。
【0012】
図1の回路装置では、npn増幅トランジスタTVのベースBVが交流電圧入力端子RFinに、エミッタEVが固定電位GNDに、コレクタKVが交流電圧出力端子RFoutに接続されている。直流電圧入力端子V+とnpn増幅トランジスタTVのベースBVとの間には、第1のpnpトランジスタT1と第2のpnpトランジスタT2を有するアクティブ型動作点安定化ユニットASが設けられている。このユニットでは、第1のpnpトランジスタT1のコレクタK1が第2のpnpトランジスタT2のベースB2と、第1のpnpトランジスタT1のベースB1が第2のpnpトランジスタT2のエミッタE2と、第1のpnpトランジスタT1のエミッタE1が直流電圧入力端子V+と、そして第2のpnpトランジスタT2のコレクタK2が第1の電気抵抗R1を介してnpn増幅トランジスタTVのベースBVと接続されている。第2のpnpトランジスタT2のエミッタE2には別の回路端子Vrが接続されている。
【0013】
交流電圧入力端子RFinとnpn増幅トランジスタTVのベースBVとの間には、第1のキャパシタC1が配置されている。このキャパシタは直流(DC)減結合に用い、npn増幅トランジスタTVに対する高周波適合に用いることもできる。
【0014】
第1のpnpトランジスタT1のコレクタK1は第2の電気抵抗R2を介して交流電圧入力端子RFinにも接続されている。第2のキャパシタC2と第3のキャパシタC3がそれぞれ、第1のpnpトランジスタT1のコレクタK1と、第2のpnpトランジスタT2のコレクタK2に接続されている。またキャパシタC2,C3の他端は固定電位GND、有利にはアースに接続されている。
【0015】
上に述べた回路素子全体は有利には1つのMMICチップに集積される。トランジスタ増幅段をオン・ウェハ測定するために、直流電圧入力端子V+と第2のpnpトランジスタT2のエミッタとの間に、第3の電気抵抗R3を接続することができる。
【0016】
図1の実施例によるトランジスタ増幅段の動作時には、直流電圧入力端子V+と別の回路端子Vrとの間に外部電気抵抗Rxが接続され、別の回路端子Vrと交流電圧出力端子RFoutとの間に外部インダクタンスLxが接続される。外部電気抵抗Rxにより増幅トランジスタTVの動作電流を正確に調整することができる。
【0017】
さらに交流電圧入力端子RFinには第4の電気抵抗R4を介して制御端子Vcが接続されている。制御端子Vcが固定電位GNDにあれば、電流をアクティブ型動作点安定化ユニットASにより調整することができる。制御端子Vcが高電位にあれば、第2のpnpトランジスタT2は遮断制御される。これによりnpn増幅トランジスタTVをオン/オフ接続することができる。
【0018】
第2の電気抵抗R2は、交流電圧入力端子RFinと接続する代わりに、図2の下で説明する実施例のように、固定電位GNDと接続することもできる。しかしこの場合は、npn増幅トランジスタTVのオン/オフ切換を行うことができない。
【0019】
図2の実施例ではnpnトランジスタT3が設けられている。このトランジスタはnpn増幅トランジスタTVと共にそれ自体公知のダーリントン増幅段DVを形成するように接続されている。npn前置段トランジスタT3のエミッタE3は第1のキャパシタC1を介してnpn増幅トランジスタTVのベースBV、並びに第5の電気抵抗R5を介して固定電位GNDに接続されている。さらにnpn前置段トランジスタT3のコレクタK3はnpn増幅トランジスタTVのコレクタKVと接続され、第6の電気抵抗R6を介してそのベースB3と接続されている。npn前置段トランジスタT3のベースB3は交流電圧入力端子RFinに接続され、第7の電気抵抗R7を介して固定電位GNDに接続されている。
【0020】
第2の電気抵抗R2はここでは、図1の実施例と同じように、交流電圧入力端子RFinの代わりに固定電位GNDに接続されている。npn増幅トランジスタTVのオン/オフ切換を可能にするため、第2の電気抵抗R2を図1と同じように接続することができる。
【0021】
トランジスタ増幅段の動作のために、図3に示すように外部抵抗Rxのほかに阻止キャパシタCaが別の回路端子Vr設けられている。外部インダクタンスLxは構成素子に動作電圧を供給し、交流電圧的に交流電圧出力端子RFoutを動作電圧から分離する。
【0022】
図3に示した構成素子は、MMICチップのリードフレームのチップ取り付け面に固定されている。この構成素子はボンディングワイヤによって、チップとる付け面から分離して配置された別の端子ピンと接続されている。これはそれ自体公知の、ここに詳細に説明しない技術である。図3はさらに、インダクタンスLx、外部抵抗Rxおよび阻止キャパシタCaを有する構成素子の外部接続を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の回路図である。
【図2】第2の実施例の回路図である。
【図3】本発明の増幅段を有する集積構成素子の概略図である。
Claims (5)
- npn増幅トランジスタ(TV)を有するトランジスタ増幅段であって、
該npn増幅トランジスタ(TV)のベース(BV)は交流電圧入力端子(RFin)と、エミッタ(EV)は固定電位(GND)と、コレクタ(KV)は交流電圧出力端子(RFout)と接続されている形式のトランジスタ増幅段において、
直流電圧入力端子(V+)とnpn増幅トランジスタ(TV)のベース(BV)との間に、第1のpnpトランジスタ(T1)と第2のpnpトランジスタ(T2)を備えたアクティブ型動作点安定化ユニットが設けられており、
当該アクティブ型動作点安定化ユニットでは、第1のpnpトランジスタ(T1)のコレクタ(K1)が第2のpnpトランジスタ(T2)のベース(B2)と、第1のpnpトランジスタ(T1)のベース(B1)が第2のpnpトランジスタ(T2)のエミッタ(E2)と、第1のpnpトランジスタ(T1)のエミッタ(E1)が直流電圧入力端子(V+)と、第2のpnpトランジスタ(T2)のコレクタ(K2)がnpn増幅トランジスタ(TV)のベース(BV)と接続されており、
第2のpnpトランジスタ(T2)のエミッタには別の回路端子(Vr)が接続されている、
ことを特徴とするトランジスタ増幅段。 - npn増幅トランジスタ(TV)のベース(BV)と第2のpnpトランジスタ(T2)のコレクタ(K2)との間には、第1の電気抵抗(R1)が配置されている、請求項1記載のトランジスタ増幅段。
- 第1のpnpトランジスタ(T1)のコレクタ(K1)は固定電位(GND)または制御端子(Vc)と接続されている、請求項1または2記載のトランジスタ増幅段。
- npn前置段トランジスタ(T3)が設けられており、
該トランジスタはnpn増幅トランジスタ(TV)と共にダーリントン増幅段を形成するように接続されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のトランジスタ増幅段。 - npn前置段トランジスタ(T3)のエミッタ(E3)はnpn増幅トランジスタ(TV)のベース(BV)並びに固定電位(GND)に接続され、コレクタ(K3)はnpn増幅トランジスタ(TV)のコレクタ(KV)に接続され、ベース(B3)は交流電圧入力端子(RFin)に接続されており、
npn前置段トランジスタ(T3)のベース(B3)とコレクタ(K3)との間、npn前置段トランジスタ(T3)のエミッタ(E3)と固定電位(GND)との間、およびnpn前置段トランジスタ(T3)のベース(B3)と固定電位(GND)との間にはそれぞれ1つの電気抵抗(R5,R6,R7)が配置されている、請求項4記載のトランジスタ増幅段。
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