JP3552196B2 - 印刷制御装置、印刷制御方法および記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル印刷システムにおいて、印刷媒体の表裏両面に対して印刷を行う際に適用される表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像との生成/出力を行う印刷制御装置、印刷制御方法およびその処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル印刷システムでは、フロントエンドコンピュータにおいて印刷すべき内容が編集されてページデータが生成される。この編集作業においては、文章、図形、画像の編集やこれらのレイアウトなどの作業が行われるが、一般的にはそれぞれの作業に適したアプリケーションソフトウェアを使用することによって作業が遂行される。
【0003】
印刷用紙などの印刷媒体に対して両面印刷を行う場合には、表面に印刷すべき内容と裏面に印刷すべき内容とのそれぞれについて編集作業が行われ、表面用と裏面用のページデータがそれぞれ個別に生成される。
【0004】
ここで、印刷媒体に対して両面印刷を行う際には表面に印刷される画像と裏面に印刷される画像との印刷位置を一致させることが望まれる。
【0005】
ところが、上記のようにフロントエンドコンピュータにおいて編集作業を行うと、表面についての編集作業で使用されるアプリケーションソフトウェアと裏面についての編集作業で使用されるアプリケーションソフトウェアとが異なる場合があり、この場合にはアプリケーションソフトウェアの相違によって双方のページデータ間に演算誤差が発生することがある。このように表面と裏面とのページデータ間に誤差が発生すると、表面用に生成されたページデータの画像部分の位置と裏面用に生成されたページデータの画像部分の位置とが一致せず、これに基づいた印刷を行うと、表面に印刷される画像と裏面に印刷される画像との印刷位置にズレを生じる。
【0006】
このため、従来のディジタル印刷システムにおいては、いくつかの手法により表裏両面の記録画像のズレを解消することが試みられている。
【0007】
まず、第1には、CRTなどのディスプレイ(表示部)に表面用の画像と裏面用の画像とを同一倍率で表示し、電子メジャー計測と呼ばれる手法によって表面の画像と裏面の画像とのズレ量を求め、補正を行うものである。具体的には、オペレータが表示された表面と裏面との画像を参照しながら、表面および裏面についてそれぞれの画像部分が配置されたポイントを手操作にて指定することにより、双方の画像部分のズレ量を求める。そして、表面用と裏面用との画像を印刷装置に対して出力する際に、上記のようにして求められたズレ量を再度手入力して設定することにより、表面と裏面とのズレが補正されるような構成が採用されていた。
【0008】
また、第2には、印刷装置において印刷する際にズレ量を解消するものである。具体的には、印刷装置において印刷媒体の表面に画像を記録した後、表面側の画像枠の外側部分に記録されたトンボと呼ばれるレジスターマークの記録位置を計測することにより表面の画像の絶対位置を検出し、裏面用の画像を記録する際に裏面の画像の位置を表面の画像位置に合わせ込むようにして両面印刷を行う方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の手法では、表面用の画像と裏面用の画像とを表示する際の表示時間を要するとともに、オペレータにかかる負担が大きくなり、ズレ量の計測にも多大な時間を要するという問題がある。
【0010】
また、上記第2の手法では、オペレータにかかる負担は小さいが、印刷装置において印刷を1枚行う度にレジスターマークの記録位置の計測をして裏面を合わせ込む処理が必要になるため、1枚の両面印刷に要する時間が多大になる。この結果、印刷装置における生産性が向上せず、大量印刷には適用することができないという問題がある。
【0011】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消し、かつ、印刷装置の生産性を低下させることのない印刷制御装置、印刷制御方法およびその処理プログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録するに際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御装置であって、(a) 表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成するデータ変換手段と、 (b)前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得するとともに、前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する実画像領域特定手段と、(c)前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求めるズレ量検出手段と、(d)前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成するズレ量補正手段とを備えている。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、前記実画像領域特定手段は、前記表面用入力データと前記裏面用入力データとのそれぞれに含まれる所定のコメント情報に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とを特定することによって、前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報を取得することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置において、前記表面用イメージ画像における実画像領域と前記裏面用イメージ画像における実画像領域とは、所定のレジスターマークを含むことを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置において、前記ズレ量検出手段は、前記表面用イメージ画像における実画像領域の特定の基準位置と、前記基準位置と前記印刷媒体に関して同一位置に対応する前記裏面用イメージ画像における実画像領域の基準位置とを比較することによって、前記ズレ量を求めることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明は、印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録するに際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御方法であって、(a)表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成する工程と、 (b)前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得する工程と、(c)前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する工程と、(d)前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求める工程と、(e)前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成する工程とを有している。
【0018】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録するに際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御装置として機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、前記コンピュータに、(a) 表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成する手順、 (b)前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得する手順、(c)前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する手順、(d)前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求める手順、(e)前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成する手順を実行させることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
【0020】
a)ディジタル印刷システムの全体構成
図1は、この実施形態におけるディジタル印刷システム1を示す配置構成図である。図示のように、このディジタル印刷システム1は、フロントエンドコンピュータ2およびコントローラ10が相互にLANなどのネットワークによって電気的に接続されており、コントローラ10には印刷装置100が接続されている。
【0021】
フロントエンドコンピュータ2は、内部にCPU、メモリ、ハードディスク等を備えた一般的なコンピュータであり、オペレータの操作によって印刷すべきページについて画像や文書や図形等の編集作業が行われる。このような編集作業の結果、最終的に生成されるデータは、画像や文書や図形等が1ページ内に配置された状態を表現したページ記述データ等のページデータである。このページデータはいわゆるベクトルデータとして表現されている。そして、生成されたページデータはコントローラ10に対して出力される。印刷用紙などの印刷媒体の表裏両面に対して印刷を行う場合は、表面に印刷すべき内容と裏面に印刷すべき内容とのそれぞれについて編集作業が行われ、表面用と裏面用のページデータがそれぞれ個別に生成される。そして、表面用のページデータと裏面用のページデータとは共にコントローラ10に出力される。
【0022】
コントローラ10は、印刷装置100に対する印刷制御装置として機能するものであり、一般的なコンピュータによって構成されている。そして、上記フロントエンドコンピュータ2および印刷装置100と通信可能となっている。そして、上記フロントエンドコンピュータ2において生成された表面用と裏面用とのページデータをそれぞれ入力し、表面用と裏面用とのページデータをそれぞれにRIP処理(ラスター展開)してビットマップ形式で表現されたイメージ画像(ラスターデータ)を生成する。このRIP処理は、一般にラスタライズ処理と呼ばれるものと同じである。そして、RIP処理によって生成された表面用のラスターデータと裏面用のラスターデータとについて発生する位置ズレを補正した後、印刷装置100にそれぞれの補正後のラスターデータを出力する。
【0023】
印刷装置100は、印刷媒体に対して両面印刷が可能なように構成されており、コントローラ10からの表面用のラスターデータに基づいて印刷媒体の表面側に印刷出力を行い、また、裏面用のラスターデータに基づいて印刷媒体の裏面側に印刷出力を行う。
【0024】
b)第1の実施の形態
図2は、この発明の第1実施形態におけるコントローラ(印刷制御装置)10の概略構成図である。
【0025】
図2に示すように、このコントローラ10には、処理ユニット20と、ページデータ等を記憶する記憶手段として機能する記憶ディスク13とが設けられている。また、処理ユニット20には、データ入力部21と、データ変換部22と、実画像領域特定部23と、ズレ量検出部24と、ズレ量補正部25とが設けられている。
【0026】
データ入力部22は、フロントエンドコンピュータ2から入力する表面と裏面とのそれぞれについてのベクトルデータ形式で表現されたページデータを記憶ディスク13内に格納保存する。
【0027】
データ変換部22は、記憶ディスク13内から表面用のページデータと裏面用のページデータとを読み出し、それぞれのページデータに対してRIP処理を施すことにより、ビットマップ形式のイメージ画像となるラスターデータが生成される。そして、データ変換部22で生成される表面用のラスターデータ(表面用イメージ画像)と裏面用のラスターデータ(裏面用イメージ画像)とは実画像領域特定部23とズレ量補正部25とに送られる。
【0028】
実画像領域特定部23では、表面用のラスターデータにおける実画像領域が配置された位置を特定するとともに、裏面用ラスターデータにおける実画像領域が配置された位置を特定する。
【0029】
ここで、実画像領域とは、表面用ラスターデータ(表面用イメージ画像)および裏面用ラスターデータ(裏面用イメージ画像)のそれぞれにおいて、有効な画像成分が含まれた部分の領域をいう。例えば、図4および図5は、RIP処理の結果得られたラスターデータ(イメージ画像)D1の一例を示す図である。図4(a)に示すようなイメージのラスターデータD1が得られた場合は、このラスターデータD1における実画像領域は、図4(b)に点線で示す領域R1となる。したがって、印刷媒体を基準にX方向とY方向との方向性を設定したとすると、図4(b)に示すように実画像領域R1はX方向とY方向との方向性に基づいた矩形となる。また、図5(a)には、トンボなどのレジスターマークが含まれた状態で生成されたラスターデータD2を示している。この場合は、有効な画像成分にトンボなどのレジスターマークが含まれるため、実画像領域は図5(b)に点線で示す領域R2となる。この場合も、実画像領域R2はX方向とY方向との方向性に基づいた矩形となる。
【0030】
そして、実画像領域特定部23においては、上記のように実画像領域がイメージ画像中のどの部分に配置されているかを表面と裏面とのそれぞれについて特定し、その結果得られた表面側についての位置情報(表面側位置情報)と裏面側についての位置情報(裏面側位置情報)とをズレ量検出部24に送る。
【0031】
ズレ量検出部24では、表面側についての位置情報と裏面側についての位置情報とを比較することによって、表面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置と裏面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置とのズレ量を求め、このズレ量をズレ量補正部25に送る。
【0032】
そして、ズレ量補正部25は、ズレ量検出部24から得られるズレ量に基づいて、データ変換部22から得られる表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとにおける実画像領域の配置位置を調整することによりズレ量を解消する処理が行われる。その結果、実画像領域の配置位置にズレのない表面用ラスターデータ(表面用出力イメージ画像)と裏面用ラスターデータ(裏面用出力イメージ画像)とが生成され、これらが印刷装置100に対して出力される。
【0033】
なお、図2に示したコントローラ10は既述のように一般的なコンピュータで構成されているが、当該コンピュータ内のCPU(処理ユニット)が、図2に示すようにフレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体9から所定の処理プログラムを読み出して実行することによって、上記の各処理部(データ入力部21,データ変換部22等)としての機能が実現するものであってもよいことは言うまでもない。
【0034】
以上のような図2に示した構成において、実際にコントローラ10で行われる処理シーケンスについて説明する。図6および図7は、この実施形態におけるコントローラ10における処理シーケンスを示すフローチャートである。
【0035】
まず、図6に示すフローチャートにおいて、データ入力部21がフロントエンドコンピュータ2から送られてくる表面用のページデータと裏面用のページデータとの受信を行う(ステップS1)。そして、受信した表面用のページデータと裏面用のページデータとは、記憶ディスク13に格納される。
【0036】
そして、ステップS2およびS3においては、データ変換部22が作用する。まず、ステップS2においてデータ変換部22は、記憶ディスク13内から表面用のページデータを読み出し、表面用のページデータに対してRIP処理を施す。この結果、印刷媒体の表面側への印刷対象となる画像がイメージ形式(ビットマップ形式)で表現された表面用ラスターデータ、すなわち、表面用イメージ画像が生成される。ここで、生成された表面用ラスターデータは、実画像領域特定部23とズレ量補正部25とに送られる。
【0037】
次に、ステップS3においてデータ変換部22は、記憶ディスク13内から裏面用のページデータを読み出し、裏面用のページデータに対してRIP処理を施す。この結果、印刷媒体の裏面側への印刷対象となる画像がイメージ形式(ビットマップ形式)で表現された裏面用ラスターデータ、すなわち、裏面用イメージ画像が生成される。ここで、生成された裏面用ラスターデータは、実画像領域特定部23とズレ量補正部25とに送られる。
【0038】
そして、ステップS4に進み、実画像領域特定部23が機能し、表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとのそれぞれにおける実画像領域が配置された位置情報を取得する。この実施の形態においては、実画像領域特定部23は、表面用ラスターデータから実画像領域を特定する際には、表面用ラスターデータを所定の走査方向に沿ったピクセルごとの検査を行うことにより、有効な画像成分が含まれた部分である実画像領域を特定する。また、裏面用ラスターデータについて実画像領域を特定する際も同様である。
【0039】
図8は、この実施形態における実画像領域を特定する処理の概要を示す図である。例えば、図8(a)に示すように、表面用ラスターデータDaには有効な画像成分として「F」なる画像が含まれているとする。この場合、実画像領域特定部23は、印刷媒体を基準に設定された互いに直交する2方向、すなわちX方向とY方向とに基づいてラスターデータを1ピクセルごとに検証する。具体的には、図8(a)に示すように、表面用ラスターデータDaの示すイメージ画像において左上端部からX方向に1ピクセルずつピクセル値を検証し、ピクセル値の変化点を検出することにより、有効な画像成分の検出を行う。ピクセルごとの検証がイメージ画像において右端まで到達すると、次に、Y方向に1ピクセル分だけ移動し、上記と同様にイメージ画像の左端からX方向に1ピクセルずつ検証していく。
【0040】
以下、同様の検証を繰り返し、イメージ画像において最も−X方向側(左側)に位置する有効な画像成分のピクセル位置をXa1とし、最も+X方向側(右側)に位置する有効な画像成分のピクセル位置をXa2とする。また、最も−Y方向側(上側)に位置する有効な画像成分のピクセル位置をYa1とし、最も+Y方向側(下側)に位置する有効な画像成分のピクセル位置をYa2とする。
【0041】
ここで、図8(b)に示すように、有効な画像成分が含まれている領域の左上部の位置をPa1とし、右下部の位置をPa2とすると、位置Pa1の座標は(Xa1,Ya1)で表現でき、位置Pa2の座標は(Xa2,Ya2)で表現できる。そして、この2つの位置Pa1,Pa2から有効な画像成分が含まれる領域、すなわち実画像領域Ra(図中に点線で示す矩形領域)の位置を特定することができる。
【0042】
なお、裏面用ラスターデータについても同様にして有効な画像成分が含まれる実画像領域を特定することができるが、裏面用ラスターデータは、印刷媒体の裏面側に印刷されることから表面用ラスターデータとの関係において、X方向が図8とは逆方向になる。
【0043】
すなわち、図9に示すように、印刷媒体4に対して表面側に「F」なる画像を記録し、裏面側に「K」なる画像を記録する場合について考えると、裏面側に印刷記録する画像は、表面側の画像に対して左右反転したものとなる。このため、上記のX方向とY方向とを印刷媒体4を基準に設定すると、裏面用ラスターデータDbについてピクセルごとの検証を行う際には、X方向は右側から左側に設定されることになる。
【0044】
したがって、図9に示すような印刷媒体4の表面側に「F」なる画像を記録し、裏面側に「K」なる画像を記録する場合は、表面用ラスターデータDaについては図10(a)に示すように右方向に向かってX方向が設定されて実画像領域Raが特定される。一方、裏面用ラスターデータDbについては図10(b)に示すように左方向に向かってX方向が設定されて実画像領域Rbが特定される。そして、図10(a)において実画像領域Raの配置位置を特定する表面側位置情報としては位置Pa1,Pa2の2点の座標値が使用され、図10(b)において実画像領域Rbの配置位置を特定する裏面側位置情報としては位置Pb1,Pb2の2点の座標値が使用される。
【0045】
この実施形態においては、上記のようにして表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとの双方について実画像領域を特定し、表面側について特定された実画像領域の配置位置を表面側位置情報としてズレ量検出部24に送出するとともに、裏面側について特定された実画像領域の配置位置を裏面側位置情報としてズレ量検出部24に送出する。
【0046】
そして、ステップS5に進み、ズレ量検出部24における表裏両面における実画像領域のズレ量の検出処理が行われる。ズレ量検出部24においては、表面側の実画像領域と裏面側の実画像領域とを所定の基準位置において比較することによってズレ量を検出する。
【0047】
なお、ここで表面側と裏面側とを比較する際の基準位置はオペレータによって予め設定されているものとする。基準位置は、実画像領域における任意の位置を設定可能である。ただし、裏面側について特定される基準位置は、表面側について特定された基準位置と印刷媒体に関して同一位置に対応する位置であることが必要である。
【0048】
例えば、図10(a)のように表面用ラスターデータDaについて特定された実画像領域Raの配置位置が位置Pa1とPa2とによって特定される場合、図9からもわかるように、表面側の位置Pa1と印刷媒体に関して同一位置に対応する裏面側の実画像領域Rbの位置はPb1であり、表面側の位置Pa2と印刷媒体に関して同一位置に対応する裏面側の実画像領域Rbの位置はPb2である。
【0049】
このため、表面側について基準位置が位置Pa1として設定されている場合は、これに対応する裏面側の位置はPb1であるので、ズレ量検出部24においては、表面側の位置Pa1と裏面側の位置Pb1とのX方向およびY方向のズレ量を検出する。また、表面側について基準位置が位置Pa2として設定されている場合は、これに対応する裏面側の位置はPb2であるので、ズレ量検出部24においては、表面側の位置Pa2と裏面側の位置Pb2とのX方向およびY方向のズレ量を検出する。さらに、図10(a)に示す実画像領域Raのセンター部分(中央部分)でのズレ量を検出することも可能である。このズレ量検出処理の詳細は、図7に示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS51においてズレ量検出部24は、実画像領域のセンター位置でズレ量を検出するか否かを判定する。ここでの判定は、オペレータによって予め設定された基準位置がセンター位置として設定されているか否かによって行われる。そして、「YES」と判断された場合はステップS52に進み、「NO」と判断された場合は、ステップS53に進む。
【0051】
ステップS52では、センター位置の計算を行う。図10に示したように、実画像領域Ra,Rbの位置が2点の座標によって特定されるため、これら2点の座標値からセンター位置の計算を行うことになる。すなわち、実画像領域Raのセンター位置をMaとし、そのMaの座標値を(MaX,MaY)とすると、「MaX=(Xa1+Xa2)/2」と「MaY=(Ya1+Ya2)/2」とでセンター位置Maの座標値を求めることができる。また、同様に、実画像領域Rbのセンター位置をMbとし、そのMbの座標値を(MbX,MbY)とすると、「MbX=(Xb1+Xb2)/2」と「MbY=(Yb1+Yb2)/2」とでセンター位置Mbの座標値を求めることができる。このようにして導かれたセンター位置の座標値も実画像領域の位置情報として使用される。
【0052】
なお、表面用ラスターデータDaにおいて、上記のセンター位置Maは、図11に示すように実画像領域Raの中央部であるが、基準位置として設定されるセンター位置はこれに限定するものではなく、図11の端部側センター位置Ha1〜Ha4であってもよい。この場合も、X方向とY方向とのうちのいずれか一方の座標値については、上記のような計算を行うことにより求めることができる。また、基準位置として図11に示すように実画像領域Raのコーナー部分の位置Pa3,Pa4が設定された場合は、実画像領域Raについて求められた2点の位置Pa1とPa2の座標値を用いることによってその座標値を取得することができるので、計算処理を行う必要はない。
【0053】
そして、ステップS53に進み、表面側位置情報と裏面側位置情報とを基準位置にて比較することにより、表面側と裏面側との実画像領域の配置された位置のズレ量を求める。具体的には、表面側において基準位置に対応する座標値と裏面側において基準位置に対応する座標値とをX方向およびY方向について差分を導くことによってズレ量を求める。
【0054】
例えば、センター位置を基準位置として比較した場合は、X方向のズレ量ΔXは、「ΔX=MaX−MbX」で導かれれ、Y方向のズレ量ΔYは、「ΔY=MaY−MbY」で導かれる。
【0055】
また、表面側において位置Pa1が基準位置として設定されている場合は、X方向のズレ量ΔXは、表面側の位置Pa1のX座標値と裏面側の位置Pb1のX座標値との差分によって導かれ、Y方向のズレ量ΔYは、表面側の位置Pa1のY座標値と裏面側の位置Pb1のY座標値との差分によって導かれる。
【0056】
このようにして求められた所定の基準位置における表面側と裏面側との実画像領域のズレ量は、ズレ量補正部25に送られる。
【0057】
そして、図7のフローチャートは終了し、図4のフローチャートのステップS6に進む。
【0058】
ステップS6では、ズレ量補正部25がズレ量検出部24から得られるズレ量に基づいて表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとの一方若しくは双方に対して実画像領域の配置を補正する処理を行い、ズレ量を解消する。ここで行うズレ量の補正としては、公知の実画像領域の位置をズレ量に基づいてピクセル単位で移動させる方法であればどのようなものであっても適用することができる。
【0059】
また、その他に一例を挙げると、空白データを追加することによって補正することもできる。すなわち、X方向についてのズレ量ΔXに基づいて、表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとのうちの少なくとも一方に対し、+X方向側若しくは−X方向側の画像端部側にズレ量ΔXに相当する幅の空白データ(画像として有効でないデータ)を追加することにより、X方向のズレ量を解消することができる。また、Y方向についてのズレ量ΔYに基づいて、表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとのうちの少なくとも一方に対し、+Y方向側(上側)若しくは−Y方向側(下側)の画像端部側にズレ量ΔYに相当する幅の空白データを追加することにより、Y方向のズレ量を解消することができる。
【0060】
そして、ズレ量補正部25においてズレを解消するための補正を行うことにより、上記の基準位置におけるズレ量が解消されることとなる。したがって、両面印刷において、表面側の実画像領域と裏面側の実画像領域との間で、位置合わせを行いたい位置を予め基準位置として設定しておけば、双方の実画像領域のサイズが一致していない場合であっても、基準位置において配置位置のズレが解消されるため、適切な両面印刷を行うことができる。
【0061】
このようにズレ量補正部25においてズレ量に基づいた補正を行うことにより、ズレの解消され、印刷装置100への出力に適した出力形式の表面用ラスターデータ(表面用出力イメージ画像)と裏面用ラスターデータ(裏面用出力イメージ画像)とを生成することができる。
【0062】
そして、ステップS7に進んで、ステップS6で生成された出力形式の表面用ラスターデータ(表面用出力イメージ画像)と裏面用ラスターデータ(裏面用出力イメージ画像)とを印刷装置100に出力することにより、両面印刷の際に、表裏両面間でズレのない適切な印刷物を得ることができる。
【0063】
以上説明したように、この実施形態におけるコントローラ(印刷制御装置)10では、実画像領域特定部23が、印刷媒体4の表面側への印刷対象となる表面用ラスターデータ(表面用イメージ画像)において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得するとともに、印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用ラスターデータ(裏面用イメージ画像)において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得し、そして、ズレ量検出部24が、表面側位置情報と裏面側位置情報とを比較することによって、表面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置と裏面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置とのズレ量を求める。そして、ズレ量補正部25が、ズレ量検出部24において得られたズレ量に基づいて、表面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置を補正して出力形式の表面用ラスターデータ(表面用出力イメージ画像)を生成するとともに、裏面用ラスターデータにおける実画像領域の配置位置を補正して出力形式の裏面用ラスターデータ(裏面用出力イメージ画像)を生成するように構成されているため、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消することができる。また、これに加えて、印刷装置100の生産性を低下させることもない。
【0064】
また、この実施形態ではデータ変換部22が印刷媒体の表面側への印刷対象として入力する表面用のページデータ(表面用入力データ)に対してRIP処理という所定のデータ変換を施すことにより出力イメージとして表現される表面用ラスターデータを生成するとともに、印刷媒体の裏面側への印刷対象として入力する裏面用のページデータ(裏面用入力データ)に対してRIP処理を施すことにより出力イメージとして表現される裏面用ラスターデータを生成するため、ズレ量検出部23では、RIP処理などのデータ変換処理が終了した後の出力形式のデータでズレ量を検出することができるので、適切にズレ量を検出することができる。
【0065】
さらに、この実施形態においては、レジスターマークを使用した印刷を行う場合は、表面用ラスターデータ(表面用イメージ画像)における実画像領域と裏面用ラスターデータ(裏面用イメージ画像)における実画像領域とが、使用されるレジスターマークを含むように実現されるので、後工程において裁断などが行われる際に使用されるレジスターマークの位置が表裏両面においてズレが生じることを回避することができる。
【0066】
c)第2の実施の形態
次に、図3は、この発明の第2実施形態におけるコントローラ(印刷制御装置)10の概略構成図である。図3の構成においても、コントローラ10には、処理ユニット20と、ページデータ等を記憶する記憶手段として機能する記憶ディスク13とが設けられている。また、処理ユニット20には、第1実施形態の場合と同様に、データ入力部21と、データ変換部22と、実画像領域特定部23と、ズレ量検出部24と、ズレ量補正部25とが設けられている。
【0067】
この実施形態のコントローラ10が、上記第1実施形態のものと異なる点は、実画像領域特定部23が表面側と裏面側のそれぞれにおける実画像領域の配置位置を特定する際に、参照するデータがページデータに含まれているコメント情報であるという点である。
【0068】
すなわち、図3の構成の実画像領域特定部23は、記憶ディスク13から表面用と裏面用のそれぞれのページデータに含まれているコメント文中から実画像領域の位置に関するコメント情報を取得し、当該コメント情報から演算処理を行うことにより、表面用ラスターデータと裏面用ラスターデータとに含まれる実画像領域の配置位置を求めるように構成されている。この内容について説明する。
【0069】
図12は、表面用および裏面用のページデータ中に含まれているコメント文の一例を示す図である。この例ではページデータとしてアドビシステムズ社の「ポストスクリプト」(アドビシステムズ社の登録商標)で記述されたものを使用している。実画像領域特定部23は、図12に示すコメント文中から実画像領域の位置を示すコメント情報J1,J2を読み出す。コメント情報J1,J2には、ベクトルデータ形式で表現されたページデータにおいて実画像領域の位置する座標値が記されている。そして、実画像領域特定部23は、コメント情報J1,J2から得られる実画像領域の座標値に対して所定の演算を行うことによってピクセル値に対応する座標値に変換し、その結果得られる実画像領域の座標値を位置情報としてズレ量検出部23に出力する。このような処理を表面用のページデータと裏面用のページデータとのそれぞれに対して行うことにより、実画像領域特定部23は、イメージ画像の全体をピクセルごとに走査することなくイメージ画像中における実画像領域の配置位置を取得することができるので、効率的な処理を行うことができる。
【0070】
また、表面用と裏面用とのそれぞれのページデータ中にレジスターマークが含まれている場合は、それについてのコメント情報もページデータ中に含まれている。図13は、表面用および裏面用のページデータ中に含まれているレジスターマークに関するコメント情報の一例を示す図である。この例ではページデータとしてアドビシステムズ社の「ポストスクリプト」(アドビシステムズ社の登録商標)で記述されたものを使用している。実画像領域特定部23は、図13に示すコメント文中から各レジスターマークの位置を示すコメント情報J3〜J6を読み出す。コメント情報J3〜J6には、ベクトルデータ形式で表現されたページデータにおいてレジスターマークの位置する座標値が記されている。そして、実画像領域特定部23は、コメント情報J3〜J6から得られる各レジスターマークの座標値に対して所定の演算を行うことによってピクセル値に対応する座標値に変換し、その結果得られる各レジスターマークの座標値を位置情報としてズレ量検出部23に出力する。このような処理を表面用のページデータと裏面用のページデータとのそれぞれに対して行うことにより、実画像領域特定部23は、イメージ画像の全体をピクセルごとに走査することなくイメージ画像中におけるレジスターマークの配置位置を取得することができるので、効率的な処理を行うことができる。
【0071】
なお、この実施形態においては、実画像領域特定部23以外の処理ユニット20内の各部については、上記第1実施形態で説明した内容と同様の処理を行う。したがって、この実施形態における処理シーケンスは、上記第1実施形態で説明した図6および図7のフローチャートと同様になる。ただし、ステップS4における実画像領域特定部23の処理は、上述したようにページデータのコメント文中のコメント情報に基づいて表面側位置情報と裏面側位置情報とを取得する処理内容となる。
【0072】
この実施形態では、実画像領域特定部23は、表面用のページデータ(表面用入力データ)と裏面用のページデータ(裏面用入力データ)とのそれぞれに含まれる所定のコメント情報に基づいて、表面用ラスターデータ(表面用イメージ画像)における実画像領域の配置位置と裏面用ラスターデータ(裏面用イメージ画像)における実画像領域の配置位置とを特定することによって、表面側位置情報と裏面側位置情報とを取得するように構成されているため、効率的に表面および裏面についての実画像領域に関する位置情報を効率よく取得することができる。
【0073】
なお、この実施形態に示したコントローラ10は既述のように一般的なコンピュータで構成されているが、当該コンピュータ内のCPU(処理ユニット)が、図3に示すようにフレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体9から所定の処理プログラムを読み出して実行することによって、上記の各処理部(データ入力部21,データ変換部22,実画像領域特定部23等)としての機能が実現するものであってもよいことは言うまでもない。
【0074】
また、上記第1実施形態で説明した効果は、この実施形態においても何ら問題なく実現される。すなわち、この実施形態においても、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消することができる。また、これに加えて、印刷装置100の生産性を低下させることもない。レジスターマークを使用した印刷を行う場合は、表面用ラスターデータ(表面用イメージ画像)における実画像領域と裏面用ラスターデータ(裏面用イメージ画像)における実画像領域とが、レジスターマークを含むように特定されるので、後工程において裁断などが行われる際に使用されるレジスターマークの位置が表裏両面においてズレが生じることを回避することができる。
【0075】
d)変形例
上記各実施形態は一例であり、この発明の内容は上記各実施形態の内容に限定されるものではない。例えば、図2および図3に示した処理ユニット20内の複数の処理部のうち、一部をフロントエンドコンピュータ2側や印刷装置100側に設けるように構成してもよい。また、図2および図3に示した処理ユニット20内の複数の処理部のすべてを印刷装置100に内蔵するように構成してもよい。これらはいずれも、この発明を実施するにあたっての各処理部の配置位置の変形であるため、技術的には上記各実施形態に示した技術内容を適用することができることは明らかである。
【0076】
また、上記各実施形態においては、ズレ量を検出して補正する際のデータはラスターデータであるとして説明したが、データの形式はラスターデータに限定されるものではない。すなわち、ピクセル単位でズレ量を検出したり、補正することができるイメージ画像として表現されたデータであれば、上述した内容の処理を適用することができるので、ラスターデータ以外のデータであってもよいことになる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得するとともに、前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得し、表面側位置情報と裏面側位置情報とを比較することによって、表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求め、当該ズレ量に基づいて、表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して表面用出力イメージ画像を生成するとともに、裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して裏面用出力イメージ画像を生成するため、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消することができる。また、これに加えて、印刷装置の生産性を低下させることもない。
【0079】
請求項2に記載の発明によれば、実画像領域特定手段は、表面用入力データと裏面用入力データとのそれぞれに含まれる所定のコメント情報に基づいて、表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とを特定することによって、表面側位置情報と裏面側位置情報を取得するため、効率的に表面側位置情報と裏面側位置情報とを取得することができる。
【0080】
請求項3に記載の発明によれば、表面用イメージ画像における実画像領域と裏面用イメージ画像における実画像領域とは、所定のレジスターマークを含むため、後に裁断などが行われる際に使用されるレジスターマークの位置が表裏両面においてズレが生じることを回避することができる。
【0081】
請求項4に記載の発明によれば、ズレ量検出手段は、表面用イメージ画像における実画像領域の特定の基準位置と、当該基準位置と印刷媒体に関して同一位置に対応する裏面用イメージ画像における実画像領域の基準位置とを比較することによって、ズレ量を求めるため、適切に表裏両面間の実画像領域のズレ量を検出することができる。
【0082】
請求項5に記載の発明によれば、印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得し、印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する。そして、表面側位置情報と裏面側位置情報とを比較することによって、表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求め、当該ズレ量に基づいて、表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して表面用出力イメージ画像を生成するとともに、裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して裏面用出力イメージ画像を生成するため、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消することができる。また、これに加えて、印刷装置の生産性を低下させることもない。
【0083】
請求項6に記載の発明によれば、コンピュータに、記録媒体に記録されたプログラムを読み取らせて実行させることにより、当該コンピュータを、オペレータに負担をかけることなく効率的に表裏両面の画像に生じるズレを解消することのできる印刷制御装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施形態におけるディジタル印刷システムを示す配置構成図である。
【図2】この発明の第1実施形態におけるコントローラ(印刷制御装置)の概略構成図である。
【図3】この発明の第2実施形態におけるコントローラ(印刷制御装置)の概略構成図である。
【図4】RIP処理の結果得られたラスターデータ(イメージ画像)の一例を示す図である。
【図5】RIP処理の結果得られたラスターデータ(イメージ画像)の一例を示す図である。
【図6】第1および第2実施形態におけるコントローラにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】第1および第2実施形態におけるコントローラにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態における実画像領域を特定する処理の概要を示す図である。
【図9】印刷媒体の表面側に「F」なる画像を記録し、裏面側に「K」なる画像を記録する場合の画像の位置関係を示す図である。
【図10】表面側に「F」なる画像を記録し、裏面側に「K」なる画像を記録する場合の実画像領域を示す図である。
【図11】基準位置の一例を示す図である。
【図12】表面用および裏面用のページデータ中に含まれているコメント文の一例を示す図である。
【図13】表面用および裏面用のページデータ中に含まれているレジスターマークに関するコメント情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ディジタル印刷システム
2 フロントエンドコンピュータ
4 印刷媒体
9 記録媒体
10 コントローラ(印刷制御装置)
20 処理ユニット
21 データ入力部
22 データ変換部
23 実画像領域特定部
24 ズレ量検出部
25 ズレ量補正部
100 印刷装置
Ra,Rb 実画像領域
Claims (6)
- 印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録するに際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御装置であって、
(a) 表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成するデータ変換手段と、
(b) 前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得するとともに、前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する実画像領域特定手段と、
(c) 前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求めるズレ量検出手段と、
(d) 前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成するズレ量補正手段と、
を備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記実画像領域特定手段は、前記表面用入力データと前記裏面用入力データとのそれぞれに含まれる所定のコメント情報に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とを特定することによって、前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報を取得することを特徴とする印刷制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置において、
前記表面用イメージ画像における実画像領域と前記裏面用イメージ画像におけ る実画像領域とは、所定のレジスターマークを含むことを特徴とする印刷制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置において、
前記ズレ量検出手段は、前記表面用イメージ画像における実画像領域の特定の基準位置と、前記基準位置と前記印刷媒体に関して同一位置に対応する前記裏面用イメージ画像における実画像領域の基準位置とを比較することによって、前記ズレ量を求めることを特徴とする印刷制御装置。 - 印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録するに際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御方法であって、
(a) 表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成する工程と、
(b) 前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得する工程と、
(c) 前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する工程と、
(d) 前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求める工程と、
(e) 前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成する工程と、
を有することを特徴とする印刷制御方法。 - コンピュータを、印刷媒体の表裏両面に対して印刷記録する に際して、表面用出力イメージ画像と裏面用出力イメージ画像とを出力する印刷制御装置として機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
(a) 表面側に関する表面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の表面側への印刷対象となる表面用イメージ画像を生成するとともに、裏面側に関する裏面用入力データに対してラスタライズ処理を施すことにより前記印刷媒体の裏面側への印刷対象となる裏面用イメージ画像を生成する手順、
(b) 前記表面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって表面側位置情報を取得する手順、
(c) 前記裏面用イメージ画像において実画像領域の配置位置を特定することによって裏面側位置情報を取得する手順、
(d) 前記表面側位置情報と前記裏面側位置情報とを比較することによって、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置と前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置とのズレ量を求める手順、
(e) 前記ズレ量に基づいて、前記表面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記表面用出力イメージ画像を生成するとともに、前記裏面用イメージ画像における実画像領域の配置位置を補正して前記裏面用出力イメージ画像を生成する手順、
を実行させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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