JP3552181B2 - 空気噴射式織機のメインノズルユニットの噴射方法 - Google Patents

空気噴射式織機のメインノズルユニットの噴射方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は空気噴射式織機のメインノズルユニットの噴射方法に関するものであり、さらに詳しくは補助メインのノズルを上流側(緯糸の送出しについて)に配した前後2連装式メインノズルユニットにおける、特に太さの太い緯糸使用を考慮に入れた、主補助メインノズルの噴射相関タイミングの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記形式の織機におけるメインノズルユニットの噴射方式としては、特開平5−287639号に開示されているように補助メインノズルの噴射開始が主メインノズルの噴射開始と同時に設定されているか、あるいは補助メインノズルの噴射開始が主メインノズルの噴射開始以降に設定されているものが一般的である。すなわち係止ピンによる緯糸解放に伴って、まず主メインノズルが噴射を開始し、それと同時またはそれ以降に補助メインノズルの噴射を開始させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような噴射方式だと、太さの太い緯糸を使用した場合に問題が起きてくるのである。すなわち、一般に緯入れに際しては、係止ピンが緯糸を解放した後、メインノズルから圧縮空気の噴射が開始され、これにより緯糸が飛走を開始して緯入れが行われる。しかしながら実際に緯糸は、メインノズルの噴射開始と同時に飛走を開始するのではなく、上記圧縮空気の噴射圧が、緯糸が貯留装置から解舒される際に発生する抵抗等の引出し抵抗に打ち勝つ程度に高まってから飛走を開始する。したがって、緯入れされる緯糸の太さが太くなると上記引出し抵抗が増大し、太さの細いものに比べて緯糸の飛走開始が遅れる。この結果、同じ緯入れ条件のもとでは太い緯糸の方が緯糸の到達タイミングが遅くなることになる。これが上記のような2連装式メインノズルユニットにおいても同様である。
【0004】
かかる緯糸の飛走開始の遅れを回避して所定の製織条件を満すには、メインノズルの噴射圧力を高くする必要がある。ところがこのようにメインノズルの噴射圧力を高めると、噴射開始時における気流の乱れなどが原因して、緯糸の先端に「暴れ」が発生する。この結果緯入れ中の緯糸が経糸開口に引っ掛かって緯入れミスが発生することになる。
【0005】
かかる従来技術の欠点に鑑みてこの発明の目的は、空気噴射式織機の2連装式メインノズルユニットにおいて、太さの太い緯糸を使用した場合でも、メインノズルの噴射圧力を増加させることなく、所定の製織条件を満たす。
【0006】
同じくこの発明の目的は、メインノズルの噴射圧力増加による緯糸の姿勢乱れに起因する緯入れミスの低減を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このためこの発明にあっては、係止ピンの緯糸解放と補助メインノズルの噴射開始とを行ない、爾後主メインノズルの噴射を開始することを要旨とするものである。
【0008】
すなわちこの発明においては、メインノズルの噴射圧力を増加させないという制約の下で、メインノズルの噴射開始タイミングについて、従来の主先補後という発想を逆転させたものである。
【0009】
補助メインノズルの噴射開始タイミングは、係止ピンの緯糸解放より後であってもよく、同時であってもよく、また前であってもよい。
【0010】
【作用】
補助メインノズルが噴射を開始することにより、係止ピンから解放された緯糸が緯糸貯留装置から引き出される。一方主メインノズルはまだ噴射を開始していないので、この引出しにより主補助メインのノズル間で緯糸の僅かな弛みが生じる。この弛みの存在の故に、ついで主メインノズルが噴射を開始したときの緯糸への引出し抵抗がほぼゼロに近くなる。
【0011】
【実施例】
図1に示すのはこの発明を実施する緯糸供給システムの一例であって、緯糸貯留装置1と主メインノズル9との間には補助メインノズル7が配置されている。係止ピン3から解放された緯糸Wはガイド5を経て補助メインノズル7に至り、補助メインノズル7の噴射開始(このとき主メインノズル9はまだ噴射を開始していない)により緯糸貯留装置1から引き出された緯糸Wは主補助メインノズル9、7間で図示のような弛みを形成する。
【0012】
図2に示すのはこの発明の方法の第1の実施例であって、補助メインノズル7の噴射開始が係止ピン3の緯糸解放の後になるケースである。図中横軸はクランク角を示し、縦軸の番号は図1に準じたものである。この実施例ではまず係止ピン3が緯糸を解放し、つづいて補助メインノズル7が噴射を開始し、それから所定の期間Tを経てから主メインノズル9が噴射を開始する。
【0013】
上記の所定の期間Tはクランク角にして5〜20度位の範囲内で設定するのが望ましい。ただし、主補助メインノズル間に形成される緯糸の弛みが大きくなり過ぎると緯入れミスの原因となる恐れがある。したがって、上記所定の期間Tは、織機の回転数あるいは緯糸の太さ等を考慮に入れて設定する必要がある。
【0014】
図5に示すのは従来技術の場合のメインノズルの噴射態様の典型的な例である。係止ピンはクランク角80度付近で緯糸を解放し、ついで主メインノズルが90度付近で噴射を開始し、最後に補助メインノズルが噴射を開始する。主補助メインノズルの噴射は176度付近まで続く。係止ピンはその後再び緯糸を拘束する状態となる。
【0015】
図3に示すのはこの発明の方法の第2の実施例であって、補助メインノズル7の噴射開始が係止ピン3の緯糸解放と同時になるケースである。この実施例ではまず係止ピン3が緯糸を解放すると同時に補助メインノズル7が噴射を開始し、それから所定の期間Tを経てから主メインノズル9が噴射を開始する。
【0016】
図4に示すのはこの発明の方法の第3の実施例であって、補助メインノズル7の噴射開始が係止ピン3の緯糸解放の前になるケースである。この実施例ではまず補助メインノズル7が噴射を開始し、つづいて係止ピン3が緯糸を解放し、最後に主メインノズル9が噴射を開始する。
【0017】
つぎに図6によりこの発明の場合の噴射態様を、図7に示す従来技術の場合と比較して、より詳細に説明する。いずれも横軸はクランク角を、縦軸は噴射圧力を示すものである。さらに縦軸の番号は図1に準ずるものである。
【0018】
まず係止ピン3が緯糸を解放し、補助メインノズル7が噴射を開始する。所定時間後から主メインノズル9の噴射開始までの期間(T1)に補助メインノズル7により引き出された緯糸が、主メインノズル噴射開始前の主補助メインノズル間での緯糸の弛み(長さL1)となる。
【0019】
クランク角θ1において主メインノズル9が噴射を開始するとともに緯糸が飛走を開始する。このとき上記の弛み(L1)があるので、緯糸に対する引出し抵抗はゼロに近いものとなり、主メインノズル9による噴射開始と同時に緯糸が飛走を開始する。この緯糸の飛走に伴ない、主メインノズル9から送り出される緯糸の速度が補助メインノズル7から送り出される緯糸の速度よりも大きいので、弛み(L1)がつぎつぎと消尽されていく。かくしてクランク角θ2において緯糸の弛み(L1)は完全に消尽されてしまう。
【0020】
クランク角θ1における主メインノズル9の噴射開始から弛み(L1)が完全に消尽されるクランク角θ2までの期間(T2)に亘って、緯糸は引出し抵抗がゼロに近い状態で主メインノズル9から送り出されていく。この間に送り出される緯糸の長さ(L2)は、上記の弛み(L1)に、期間T2間に補助メインノズル7により緯糸貯留装置から引き出される緯糸の長さを加えたもの、となる。
【0021】
図8に緯糸の速度の変化をクランク角に対比して示す。図中実線がこの発明の場合であり、一点鎖線が従来技術の場合である。図から明らかなように弛み(L1)が消尽した時点(クランク角θ2)までの緯糸の加速度(図中では曲線の勾配となる)は、この発明の場合の方が従来技術の場合よりも大である。したがって同時点におけるこの発明の場合の緯糸の飛走速度(V1)は、同時点における従来技術の場合の飛走速度(V2)より大である。
【0022】
再び図6〜7に戻って噴射圧力について説明する。弛み(L1)が消尽した時点(クランク角θ2)における補助メインノズル7の噴射圧力は、この発明ではP1であり、従来技術の場合のP2より明かに高い。したがって弛み消尽時点(クランク角θ2)から所定の飛走速度V3に達するまでの加速度(曲線の勾配)も、図8に示すように、この発明の場合の方が大きいのである。この結果所定の飛走速度(V3)に到達するまでの時間は、この発明の場合の方が従来技術の場合より期間T3だけ早くなる。換言すればこの発明の場合の緯糸は、この期間T3に相当する長さL3だけ、従来技術の場合より先行して飛走することになる。したがって緯糸の到達タイミングは(L3/V3)だけ早くなるのである。
【0023】
【発明の効果】
引出し抵抗がゼロに近くなるので、太さの太い緯糸を使用した場合であっても、メインノズルの噴射圧力を増加する必要がない。所定のタイミングに緯糸を到達させるにも噴射圧力を増加させる必要がなくなる。したがって、緯糸先端の暴れもそれだけ少なくなり、緯入れミスが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施する緯糸供給システムの典型的構成を示す側面図である。
【図2】この発明の方法の第1の実施例における噴射態様を示すグラフである。
【図3】この発明の方法の第2の実施例における噴射態様を示すグラフである。
【図4】この発明の方法の第3の実施例における噴射態様を示すグラフである。
【図5】従来技術における噴射態様の典型例を示すグラフである。
【図6】この発明における主補助メインノズルの噴射状態を示すタイミングダイアグラムである。
【図7】従来技術における主補助メインノズルの噴射状態を示すタイミングダイアグラムである。
【図8】この発明および従来技術における緯糸飛走状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 :緯糸貯留装置
3 :係止ピン
7 :補助メインノズル
9 :主メインノズル
T :主補助メインノズルの噴射時点の差期間
θ1 :主メインノズルの噴射開始時点
θ2 :弛み消尽完了時点
T2 :弛み消尽期間

Claims (5)

  1. 緯糸貯留装置と主メインノズルとの間に補助メインノズルを配した空気噴射式織機において、係止ピンの緯糸解放と補助メインのノズルの噴射開始とを行ない、爾後主メインノズルの噴射を開始することを特徴とする空気噴射式織機のメインノズルユニットの噴射方法。
  2. 係止ピンの緯糸解放より後に補助メインのノズルの噴射が開始することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 係止ピンの緯糸解放と同時に補助メインのノズルの噴射が開始することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 係止ピンの緯糸解放より前に補助メインのノズルの噴射が開始することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 主メインノズルの噴射開始よりも補助メインのノズルの噴射開始をクランク角にして5〜20度先行させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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