JP3551658B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関するものである。詳しくは、特定の下引き層を使用した電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。電子写真技術の中核となる感光体については、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素−セレニウム合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛といった無機系の光導電体から、現在では有機系の光導電材料を使用した感光体が主流となっている。
【0003】
一般に電子写真感光体は、アルミニウム等の導電性基体上にこの様な感光層を設けて形成されるが、実際の電子写真プロセスで使用する上で基体表面が及ぼす影響は非常に大きい。例えば、基体表面に存在する汚れや異物の付着、傷などは多かれ少なかれ電気特性に悪影響を及ぼし、結果的に画像欠陥として現れる。この様な基体表面の欠陥をなるべく除去するためには感光体のコストアップにつながる切削加工や鏡面研磨などの二次加工及び精密な洗浄が必要となる。一方このような工程を経ず均一で清浄な基体表面を得る手段として基体と感光層の間に下引き層を設けることが公知の技術として知られている。
【0004】
下引き層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層、及び無機粒子及び有機顔料と有機バインダーの混合層が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、下引き層に要求される特性としてはまず第一に電気特性が挙げられる。すなわち電子写真特性に影響を及ぼさないことが必要である。このためには、電気抵抗が低いこと(低温下においても)が必要である。また感光層に対して、キャリアーの注入性がないことも必要である。感光層に対しキャリアーの注入性のある下引き層を用いると帯電電位を減少させ、結果的に画像のコントラストを低下させたり、カブリの原因となる(このカブリは、反転現像において特に問題となる)。更に感光体の電気特性を阻害しない範囲で、基体表面の様々な欠陥を被覆するため、なるべくその膜厚が厚くできることも必要である。
この様な要求特性に対し、これまで知られているたとえば上記に示した下引き層は必ずしも満足していないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記の要求特性を満足できる下引き材料について鋭意検討した結果、特定の結晶を有するアルミナ粒子を適度に混合した下引き層が非常に効果的であることを見い出し、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は導電性基体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する電子写真感光体において、該下引き層がα型相を50重量%〜85重量%含みかつα型以外の相を15重量%〜50重量%含んでいるアルミナ粒子と、樹脂バインダーを含有することを特徴とする電子写真感光体にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の感光体は導電性基体上に設けられる。導電性基体としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙、ガラス等の絶縁性基体が使用される。なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプが望ましい基体である。
【0008】
導電性基体と感光層の間に本発明の下引き層が設けられる。
本発明における下引き層は、α型相を50重量%以上含みかつα型以外の相を15重量%〜50重量%含んでいるアルミナ粒子がバインダー樹脂中に分散された形で設けられる。α型相以外の相としては、より好ましくは、θ型相である。尚、α型相とは、アルミナの結晶相のなかで、最も高温安定な結晶相である。
【0009】
アルミナ粒子の平均粒径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒径とは、一次粒子の凝集体である二次粒子の平均を表す。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼインナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアセタール、ゼラチン、デンプン、フェノキシ、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド樹脂等が単独或いは硬化剤と共に硬化した形で使用できるが、中でもアルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。より好ましくは、下記一般式(I)で示されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミドを用いるのが好ましい。
【0010】
【化3】
【0011】
は、それぞれ独立して置換基を有していてもよいシクロヘキシル環を表し、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基を表す。)
更に好ましくは、下記一般式(II)で示されるジアミンを構成成分として有する共重合ポリアミドを用いるのが好ましい。
一般式
【0012】
【化4】
【0013】
の置換基及びR1 、R2 は、それぞれ独立して水素、アルキル基、アルコキシ基を表す。)
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられるが、
【0014】
【化5】
【0015】
の置換基及びR1 、R2 として好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基である。
かかる共重合ポリアミドの数平均分子量は1万〜5万、より好ましくは1.5万〜3.5万である。この範囲を外れると塗布性や保存性に問題を生じることもある。
【0016】
バインダー樹脂に対するアルミナ粒子の添加比は任意に選べるが、50w%から500w%の範囲で使用することが、分散液の保存安定性、塗布性の面で好ましい。下引き層の膜厚は、0.1μmから10μm、好ましくは0.2μmから5μmの範囲で使用されるのが最も効果的である。
つぎにこの様な下引き層の上に感光層が設けられるが感光層は、積層型、単層型のいずれであってもよいが、積層型の場合に、特に本発明の効果が顕著である。
【0017】
積層型感光体の場合その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては、例えば、セレニウム、及びその合金、硫化カドミニウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種が使用できるが、中でもフタロシアニン顔料、特にチタニルフタロシアニンは、感度、帯電性、繰り返し安定性に優れ本願発明の効果が顕著に得られるため良好な電子写真特性を示す。これらの微粒子を例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは、0.15μmから0.6μmが好適である。
【0018】
電荷移動層の電荷移動材料としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。これらの電荷移動材料とともに必要に応じてバインダー樹脂が配合される。好ましいバインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等があげられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。また電荷移動層には、必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいても良い。電荷移動層の膜厚は、10〜40μm、好ましくは、13〜35μmの厚みで使用されるのがよい。
【0019】
単層分散型の場合前述の電荷発生材料及び電荷移動材料を例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート等のバインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生材料は1から50重量部、電荷移動材料は30から150重量部の範囲より使用されるのが好ましい。また膜厚は通常5から50μm、好ましくは10から35μmが好適である。また必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
【0020】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下引き層塗布液1調液方法
共重合ナイロンA(構造:下記参照)を溶解した混合アルコール(メタノール/n−プロパノール=7/3)溶液に、予めボールミルにより分散したアルミナ〔昭和電工(株)製;UA−5305〕の混合アルコール溶液を混合し、更に超音波で分散処理を行い、UA−5305/ナイロン=2/1組成(重量比)で、固形分濃度9%下引き層塗布液1を調液した。(塗布液中のアルミナ粒子の平均粒径;0.5μm)
【0021】
【化6】
【0022】
下引き層塗布液2調液方法
アルミナに昭和電工(株)製:UA−5205を用いる以外は、下引き層塗布液1調液方法と同様にして、UA−5205/ナイロン=2/1組成(重量比)で、固形分濃度9%の下引き層塗布液2を調液した。
下引き層塗布液3調液方法
アルミナに住友化学(株)製:AKP−30とAKP−G008を重量比7/3で用いる以外は、下引き層塗布液1調液方法と同様にして、AKP−30/AKP−G008/ナイロン=1.4/0.6/1組成(重量比)で、固形分濃度9%の下引き層塗布液3を調液した。
【0023】
下引き層塗布液4調液方法
共重合ナイロンAを混合アルコール(メタノール/n−プロパノール=70/30)溶液に溶かし、固形分6%の下引き塗布液4を調液した。
下引き層塗布液5調液方法
アルミナに昭和電工(株)製:UA−5105を用いる以外は、下引き層塗布液1調液方法と同様にして、UA−5105/ナイロン=2/1組成(重量比)で、固形分濃度9%の下引き層塗布液5を調液した。
【0024】
下引き層塗布液6調液方法
アルミナに住友化学(株)製:AKP−G008を用いる以外は、下引き層塗布液1調液方法と同様にして、AKP−G008/ナイロン=1/1組成(重量比)で、固形分濃度8%の下引き層塗布液6を調液した。
下引き層塗布液7調液方法
共重合ナイロンAを溶解した混合アルコール(メタノール/n−プロパノール=7/30)溶液に、予め超音波により分散したアルミナ〔日本アエロジル(株)製:Aluminum oxide C〕の混合アルコール溶液を混合し、更に超音波で分散処理を行い、Aluminum oxide C/ナイロン=1/1組成(重量比)で、固形分濃度6%の下引き層塗布液7を調液した。
【0025】
下引き層塗布液8調液方法
アルミナに昭和電工(株)製:UA−5805を用いる以外は、下引き層塗布液7調液方法と同様にして、UA−5805/ナイロン=1/1組成(重量比)で、固形分濃度8%の下引き層塗布液8を調液した。
上記の下引き層塗布液に使用したアルミナ粒子の結晶型は粉末X線回折から同定される。
【0026】
α型相アルミナの比率は、α型相アルミナの主ピークである35.1度と43.3度のピーク値の大きさから簡易的に推定される。(100%α型相アルミナの35.1度と43.3度のピーク値に対する、該アルミナのピーク値の平均の割合として計算)
*AKP−30:粉末X線回折では、α型相アルミナに由来するピークしかないアルミナ
UA−5105:α相アルミナ約95%、θ型相アルミナ約5%の混合相
UA−5205:α相アルミナ約66%、θ型相アルミナ約34%の混合相
UA−5305:α相アルミナ約69%、θ型相アルミナ約31%の混合相
UA−5805:粉末X線回折では、δ型相アルミナに由来するピークしかないアルミナ
AKP−G008:粉末X線回折では、θ型相アルミナに極少量(数%以下)のα相アルミナが同定
Aluminum oxide C:粉末X線回折では、δ型相アルミナに由来するピークしかないアルミナ
【0027】
CGL塗布液1調液方法
オキシチタニウムフタロシアニン10重量部に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製:デンカブチラール#6000−C)5重量部に1,2−ジメトキシエタン500重量部を加え、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行ってCGL塗布液1を調液した。
CTL塗布液1
次に示すヒドラゾン化合物56重量部と
【0028】
【化7】
【0029】
次に示すヒドラゾン化合物14重量部、
【0030】
【化8】
【0031】
及び下記のシアノ化合物1.5重量部
【0032】
【化9】
【0033】
及び下記に示すポリカーボネート樹脂100重量部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液
【0034】
【化10】
【0035】
実施例−1
下引き層塗布液1に、表面を鏡面仕上げした肉厚1mm、外径30mm、長さ254mmのアルミシリンダーを浸漬し、引き上げることにより乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように下引き層を設けた。
次にこのシリンダーを、CGL塗布液1に浸漬塗布し、乾燥後の着量が0.3g/m2 になるように電荷発生層を設けた。
更にこのシリンダーをCTL塗布液1に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が17μmとなるように電荷移動層を設けた。この様にして得られたドラムを感光体Aとする。
【0036】
実施例−2
下引き層塗布液として、下引き層塗布液2を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Bとする。
実施例−3
下引き層塗布液として、下引き層塗布液3を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Cとする。
【0037】
比較例−1 (下引き層無し)
表面を鏡面仕上げした肉厚1mm、外径30mm、長さ254mmのアルミナシリンダーを、CGL塗布液1に浸漬塗布し、乾燥後の着量が0.3g/m2 になるように電荷発生層を設けた。
更にこのシリンダーをCTL塗布液1に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が17μmとなるように電荷移動層を設けた。この様にして得られたドラムを感光体Dとする。
【0038】
比較例−2
下引き層塗布液として、下引き層塗布液4を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Eとする。
比較例−3
下引き層塗布液として、下引き層塗布液5を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Fとする。
【0039】
比較例−4
下引き層塗布液として、下引き層塗布液6を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Gとする。
比較例−5
下引き層塗布液として、下引き層塗布液7を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Hとする。
【0040】
比較例−6
下引き層塗布液として、下引き層塗布液8を用いる以外は、感光体Aを作製するのと全く同じ(シリンダー、下引き層膜厚、CGL着量、CTL膜厚など総て)ようにして、作製したドラムを感光体Iとする。
実施例−1〜3、比較例−1〜6
感光体A〜Iを感光体特性測定機に装着し、各環境条件下、回転数30rpmで、電気特性を測定した(この時、帯電はコロトロンで−700Vになるように設定)。次にこれらの感光体を市販の半導体レーザプリンタ(HEWLETT
PACKARD社 Laser Jet 4:反転現像方式)に装着し、各環境条件下でプリントを行い、画像評価を行った。表−1に各環境下での残留電位及びカブリ値を示す。(カブリ値とは、印刷前の紙の白度と、印刷後(無地の信号での)の紙の白度差:この値が大きいと、印刷後の紙は、微小黒点が多く黒ずんだ紙になっている。)
【0041】
カブリ値の測定
カブリ値は、標準サンプルの白度が94.4となるよう白度計を調節し、この白度計を用いて印刷前の紙(A4サイズ)の白度を測定し、その同じ紙に対し、全面白色となる信号を上述のレーザープリンタに入力することにより印刷を行い、その後この紙の白度を再度測定し、印刷前と印刷後の白度の差を測定することにより求めた。
【0042】
【表1】
【0043】
感光体A、B、C(実施例)は、各環境下でカブリ値が小さく、残留電位についても下引き層の無い感光体Dと比較して、大きな上昇は無く、良好な画像が得られた。下引き層の無い感光体Dは、各環境下においてカブリ値が大きく、良好な画像が得られなかった。アルミナ粒子を含まない下引き層の感光体E及びα相比率が95%と大きなアルミナ粒子を含有する下引き層を有する感光体Fは、各環境下において、カブリ値は小さいが、低温、低湿下では、残留電位が大きく、画像濃度が薄くなり良好な画像が得られなかった。その他のα相比率がほぼ0%であるアルミナ粒子を含有する下引き層を有する感光体G、H、Iは、残留電位については、各環境下で良好であったが、高温高湿下ではカブリ値が大きく、良好な画像が得られなかった。つまり、実施例の感光体については、各環境下において、良好な画像が得られたが、比較例の感光体については、特定の環境下では、良好な画像を得られるものもあったが、低温低湿、常温常湿、高温高湿の総ての環境下にわたっては、良好な画像が得られなかった。以上の結果から、本発明の電子写真感光体は非常に優れた性能を有していると判断できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明におけるα型相を50重量%以上含みかつα型以外の相を15重量%〜50重量%含んでいるアルミナ粒子を含有した下引き層は、低温低湿においても、残留電位が小さく、暗減衰も小さく安定した電気特性を示す。また、高温高湿下でも、カブリのない良好な画像が得られる。
Claims (7)
- 導電性基体上に、少なくとも下引き層及び感光層を有する有機電子写真感光体において、該下引き層が、α型相を50重量% 〜85重量% 含みかつα型以外の相を15
重量%〜50重量%含んでいるアルミナ粒子と、樹脂バインダーを含有することを特徴とする有機電子写真感光体。 - 該α型以外の相がθ型相であるアルミナ粒子を用いることを特徴とする請求項1記載の有機電子写真感光体。
- 該アルミナ粒子が、平均粒径として、1μm以下である請求項1又は2記載の有機電子写真感光体。
- 電荷発生層にチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の有機電子写真感光体。
- 下引き層のバインダー樹脂として、ポリアミドを用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の有機電子写真感光体。
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