JP3551209B2 - ディスク情報処理装置およびディスク情報処理システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、同期運転に好適な、ディスク情報処理装置およびディスク情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、小型の光磁気ディスク(ミニディスク,MD)を記録媒体とする、ポータブルのオーディオ記録再生装置が、本出願人により提案され、市販されるに至った。このディスク記録再生装置は、「コンパクト」「記録可能」など、コンパクトカセットの持つ長所と、「高音質」「クイックランダムアクセス」など、コンパクトディスク(CD)の持つ長所とを兼ね備えており、コンパクトカセットに代わる、次世代パーソナル・オーディオとして期待されている。
なお、このディスク記録再生装置は、CDと同様に、オーディオデータが物理的なピットの形で記録された、再生専用の光ディスクにも対応している。
また、このディスク記録再生装置では、データの記録変調方式として、CDと同様に、EFM(Eight Fourteen Modulation,8−14変調)が用いられる。
【0003】
記録可能な光磁気ディスクには、トラッキング制御のため、予め、スパイラル状のプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、ディスク全周にわたる絶対アドレスデータに基づいてFM変調されて記録されている。したがって、光磁気ディスクのプリグルーブは、絶対アドレスデータに基づいて、光ディスクの径方向に蛇行(ウォブリング)している。
【0004】
記録可能な光磁気ディスクの記録時と再生時に、ディスク記録再生装置では、いわゆるプッシュプル信号から、ウォブリング成分を検出し、このウォブリング成分が一定周波数となるように、スピンドルモータの回転をサーボ制御することにより、ディスクが一定線速度(Constant Line Velocity)で回転駆動される。また、ウォブリング成分をFM復調することにより、ディスクの全周にわたる絶対アドレス情報、いわゆる、ADIP(ADress In Pre−groobe)が得られる。
【0005】
参考文献: 前田:“ミニディスクシステム”
テレビジョン学会誌第47巻第6号(1993年6月)など
上述のような、ミニディスクを媒体とするデジタル記録再生装置は、携帯使用時などの便利のために、有線式の遠隔制御が可能とされる。
【0006】
即ち、図5において、10はミニディスク1の記録再生装置の本体であって、システム制御用のCPU11が搭載されると共に、電源12が内蔵される。また、15は有線式の遠隔制御装置(コマンダ)であって、制御用のキーボード16とCPU17とが搭載されると共に、液晶ディスプレイ18が搭載される。
【0007】
記録再生装置の本体10には、それぞれ1対の電源端子13a,13bと制御端子13c,13dとが設けられると共に、図示は省略するが、録音,再生,早送り,巻き戻し,停止などの操作キーが設けられて、動作状態を直接に制御される。
【0008】
そして、本体10の端子13a〜13dにコマンダ15のコード19が接続されて、コマンダ15に電力が供給されると共に、双方のCPU11,17の間に伝送線路が形成されて、制御情報の授受が行われる。
【0009】
コマンダ15のキーボード16は、本体10と同様に、録音〜停止などの操作キーを備え、コード19が本体10の端子13a〜13dに接続された、遠隔制御モードでは、いずれかのキーが操作されると、対応する制御信号がコマンダ15側のCPU17から、パラレルまたはシリアルのデータ形式で、接続コード19と制御端子13cとを通じて、本体10側のCPU11に転送され、ディスク1の駆動を含む、本体10の動作が制御される。
また、この本体10の動作状態が、CPU11から、制御端子13dと接続コード19とを通じて、コマンダ15側のCPU17に転送され、液晶ディスプレイ18上に表示される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のミニディスクを媒体とするデジタル記録再生装置は、一般の民生用オーディオ記録再生装置と同様に、2チャンネルステレオ音声に対応しており、両チャンネル間で音声信号の同期がとられている。
【0011】
2チャンネルを超える、多チャンネル音声のデジタル録音再生を行う場合も、各チャンネル間で音声信号の同期がとられていなければならないが、この場合、各チャンネル間での音声信号の同期が困難であって、従来は、チャンネル数分のトラックを1本のテープ上に同時に形成して、記録再生を行うようにするマルチトラックレコーダなどが用いられていた。
【0012】
ところが、マルチトラックテープレコーダは、多チャンネル専用機であり、しかも概ね業務用が中心であり、価格や寸法、重量などの点で、民生用には不向きであった。
【0013】
このような問題を解消するため、本出願人は、特願平4−264318号において、2チャンネルステレオ音声のデジタル記録・再生を行える記録再生装置を、必要なチャンネル数分、接続することにより、比較的低価格で、多チャンネル音声のデジタル録音再生が可能な、記録装置および再生装置を既に提案している。
【0014】
以下、図6〜図9を参照しながら、既提案による記録装置および再生装置の一例について説明する。
【0015】
まず、図6を参照しながら、単体の光磁気ディスク記録再生装置の構成および動作について説明する。
【0016】
図6において、1は光ディスクであって、この例の場合、光磁気記録膜を持った記録再生、消去が可能な書換形の光磁気ディスクが用いられる。
ディスク1の外径は例えば64mmで、このディスク1には、例えば1.6μmのピッチでスパイラル状に記録トラックが形成される。ディスク1は、一定の線速度、例えば1.2〜1.4m/sで回転される。そして、ディスク1には、オーディオ情報がデジタル信号とされ、かつ、圧縮されて記録されることにより、対象となる情報が130Mバイト以上記録再生可能である。
【0017】
また、ディスク1には、予め、光スポット制御用(トラッキング制御用)のプリグルーブが形成されているが、特に、この例の場合には、このプリグルーブにトラッキング用のウォブリング信号に重畳して絶対番地コードが記録されている。なお、ディスク1は防塵および傷付着防止のため、ディスクカートリッジ2内に収納されている。
【0018】
また、ディスク1には、その最内周のトラック位置に、記録されているオーディオデータに関する情報が記録されている。これは、一般にTOC(Table of content)と呼ばれ、記録されている曲数、各曲の記録位置に関する情報、各曲の演奏時間などが含まれている。
【0019】
[記録再生装置の記録系]
図6の記録再生装置は、IC化によりできるだけ構成を簡略化できるように工夫されている。先ず、光磁気ディスクへの記録時について説明する。なお、記録時と再生時とでは、システム制御回路20からのモード切換信号R/Pにより、各回路部がモード切り換えされるようにされている。システム制御回路20には、録音,再生など、複数の操作キーK1〜Knが接続されており、このキーKの操作により動作モードが指定される。
【0020】
1対の入力端子21LT,21RTを通じた2チャンネルのアナログオーディオ信号は、A−D変換器22において、サンプリング周波数44.1kHzでサンプリングされ、各サンプリング値が16ビットのデジタル信号に変換される。この16ビットのデジタル信号は、データ圧縮回路23Rに供給され、この例の場合には、入力デジタルデータが例えば約1/5にデータ圧縮される。このデータ圧縮の方法としては、例えば、量子化数が4ビットのADPCM(Adaptive Delta
Pulse Code Modulation) が使用される。
【0021】
また、例えば、入力デジタルデータを高域ほど帯域幅が広くなるように複数の帯域に分割し、分割された各帯域毎に複数のサンプル(サンプル数は各帯域で同数とする方が良い)からなるブロックを形成し、各帯域のブロックごとに直交変換を行ない、係数データを得、この係数データに基づいて各ブロックごとのビット割り当てを行なうようにする方法を用いることもできる。この場合のデータ圧縮方法は、音に対する人間の聴感特性を考慮しており、高能率でデータ圧縮ができる(特願平1−278207号参照)。
【0022】
こうしてA−D変換器22からのデジタルデータDAは、圧縮回路23Rにおける処理により約1/5にデータ圧縮され、このデータ圧縮されたデータdaは、メモリ制御回路24により制御されるバッファメモリ25に転送される。この例の場合には、バッファメモリ25は、1Mビットの容量を有するD−RAMが用いられている。
【0023】
メモリ制御回路24は、記録中に振動等によりディスク1上の記録位置が飛んでしまうトラックジャンプが生じなければ、バッファメモリ25から圧縮データdaを書き込み速度の約5倍の転送速度で順次読み出し、読み出したデータを、データエンコード回路26Rに転送する。
【0024】
また、記録中にトラックジャンプが生じたことを検出したときは、エンコード回路26Rへのデータ転送を停止し、処理回路23Rからの圧縮データdaをバッファメモリ25に蓄積する。そして、記録位置が修正されたとき、バッファメモリ25からエンコード回路26Rへのデータ転送を再開するようにする制御を行う。
【0025】
トラックジャンプが生じたか否かの検出は、例えば振動計を装置に設け、振動の大きさがトラックジャンプが生じるようなものであるか否かを検出することにより行うことができる。また、この例のディスク1には、前述したように、プリグルーブを形成する際に、トラッキング制御用のウォブリング信号に重畳して絶対番地コードが記録されている。そこで、このプリグルーブからの絶対番地コードを記録時に読取り、そのデコード出力からトラックジャンプを検出するようにすることもできる。また、振動計と絶対番地コードのオアを取ってトラックジャンプを検出するようにしても良い。なお、トラックジャンプが生じたときには、光磁気記録のためのレーザ光のパワーを下げる、あるいはパワーを零とするようにしておくものである。
【0026】
そして、トラックジャンプが生じたときの記録位置の修正は、前記の絶対番地コードを用いて行うことができる。
また、この場合のバッファメモリ25のデータ容量としては、上述から理解されるように、トラックジャンプが生じてから記録位置が正しく修正されるまでの間の時間分に相当する圧縮データdaを蓄積できる容量が最低必要である。この例では、バッファメモリ25の容量としては、前記のように1Mビット有し、この容量は前記の条件を十分に満足するように余裕を持ったものとして選定されているものである。
【0027】
また、この場合、メモリ制御回路24は、この記録時において、正常動作時は、できるだけバッファメモリ25に蓄積されるデータが少なくなるようにメモリ制御を行う。例えば、バッファメモリ25のデータ量が予め定められた所定量以上になったら、所定量のデータ、例えば32セクタ分(1セクタは1CD−ROMセクタ(約2Kバイト))のデータだけバッファメモリ25から読み出して、常に所定データ量以上の書込み空間を確保しておくようにメモリ制御を行う。
【0028】
データエンコード回路26Rは、バッファメモリ25から転送されてきた圧縮データdaをCD−ROMのセクタ構造のデータにエンコードする。なお、32セクタ分のオーディオデータを含むデータを以下クラスタと称する。
【0029】
このデータエンコード回路26Rの出力データ(クラスタ単位のデータ)は、記録エンコード回路27に供給される。この記録エンコード回路27では、データにエラー検出訂正用の符号化処理を行うと共に、記録に適した変調処理、この例ではEFM符号化処理などを施す。エラー検出訂正用の符号は、この例ではCDのCIRC(クロスインターリーブ・リード・ソロモン符号)に対してインターリーブを変更したものを用いる。記録データがクラスタ単位の間欠的なデータであるので、32セクタのクラスタの前後に、クラスタ接続用の複数個のセクタが付加される。
【0030】
この記録エンコード回路27からの符号化処理の施されたデータは、磁気ヘッド駆動回路28を介して磁気ヘッド29に供給される。磁気ヘッド駆動回路28は、記録データに応じた変調磁界をディスク1(光磁気ディスク)に印加するように磁気ヘッド29を駆動する。このヘッド29に供給されるオーディオデータは、クラスタ単位であり、記録は間欠的に行われる。
【0031】
ディスク1はカートリッジ2に収納されているが、装置に装填されることにより、シャッタ板が開けられて、シャッタ開口からディスク1が露呈する。そして、スピンドル挿入用開口にディスク駆動モータ30Mの回転軸が挿入連結されて、ディスク1が回転駆動される。この場合、ディスク駆動モータ30Mは、後述するサーボ制御回路32により、線速度1.2〜1.4m/sでディスク1を回転駆動するように回転速度制御がなされる。
【0032】
磁気ヘッド29は、前記カートリッジ2のシャッタ開口から露呈するディスク1に対向している。また、ディスク1の磁気ヘッドに対向する面とは反対側の面と対向する位置には、光学ヘッド30が設けられている。この光学ヘッド30は、例えばレーザダイオード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、偏光ビームスプリッタ、円筒レンズなどの光学部品および光検出器などから構成されており、この記録時は、記録トラックには、再生時より大きな一定のパワーのレーザ光が照射されている。この光照射と、磁気ヘッド29による変調磁界とにより、ディスク1には熱磁気記録によってデータが記録される。そして、磁気ヘッド29と光学ヘッド30とは、共にディスク1の半径方向に沿って移動できるように構成されている。
【0033】
なお、この記録時において、光学ヘッド30の出力がRF信号処理回路31を介して絶対番地デコード回路34に供給されて、ディスク1のプリグルーブからの絶対番地コードが抽出されると共に、デコードされる。そして、そのデコードされた絶対番地情報が記録エンコード回路27に供給されて、記録データ中に絶対番地情報として挿入されて、ディスクに記録される。絶対番地デコード回路34からの絶対番地情報は、また、システム制御回路20に供給され、前述したように、記録位置の認識および位置制御に用いられる。
【0034】
また、RF信号処理回路31からの信号がサーボ制御回路32に供給され、ディスク1のプリグルーブからの信号からモータ30Mの線速度一定サーボのための制御信号が形成され、モータ30Mが速度制御される。
【0035】
[記録再生装置の再生系]
装置に装填されたディスクは、ディスク駆動モータ30Mにより回転駆動される。そして、記録時と同様にして、このディスク駆動モータ30Mは、サーボ制御回路32により、プリグルーブからの信号により、ディスク1が記録時と同じ速度、すなわち線速度1.2〜1.4m/sで、一定となるように回転速度制御される。
【0036】
再生時、光学ヘッド30は、目的トラックに照射したレーザ光の反射光を検出することにより、例えば非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、また、例えばプッシュプル法によりトラッキングエラーを検出すると共に、目的トラックからの反射光の偏光角(カー回転角)の違いを検出して、再生RF信号を出力する。
【0037】
光学ヘッド30の出力は、RF信号処理回路31に供給される。RF信号処理回路31は、光学ヘッド30の出力からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を抽出してサーボ制御回路32に供給すると共に、再生信号を2値化して再生デコード回路33に供給する。
【0038】
サーボ制御回路32は、前記フォーカスエラー信号が零になるように、光学ヘッド30の光学系のフォーカス制御を行うと共に、トラッキングエラー信号が零になるように、光学ヘッド30の光学系のトラッキング制御を行う。
【0039】
また、RF信号処理回路31はプリグルーブからの絶対番地コードを抽出して絶対番地デコード回路34に供給する。そして、システム制御回路20に、このデコード回路34からの絶対番地情報が供給され、サーボ制御回路32による光学ヘッド30のディスク半径方向の再生位置制御のために使用される。また、システム制御回路20は、再生データ中から抽出されるセクタ単位のアドレス情報も、光学ヘッド30が走査している記録トラック上の位置を管理するために用いることができる。
【0040】
この再生時、後述するように、ディスク1から読み出された圧縮データはバッファメモリ25に書き込まれ、読み出されて伸長されるが、両データの伝送レートの違いから、ディスク1からの光学ヘッド30によるデータ読み出しは、例えばバッファメモリに蓄えられるデータが所定量以下にならないように間欠的に行われる。
【0041】
ディスク1から読み出されたデータは、RF信号処理回路31を介して再生デコード回路33に供給される。再生デコード回路33は、RF信号処理回路31からの2値化再生信号を受けて、記録エンコード回路27に対応した処理、すなわち、EFM復号化処理、エラー検出訂正のための復号化処理や補間処理などを行う。この再生デコード回路33の出力データは、データデコード回路26Pに供給される。
【0042】
このデータデコード回路26Pは、CD−ROMのセクタ構造のデータを圧縮された状態の元データにデコードする。
【0043】
このデータデコード回路26Pの出力データは、トラックジャンプメモリ制御回路24により制御されるバッファメモリ25に転送され、所定の書き込み速度で書き込まれる。
【0044】
そして、この再生時においては、メモリ制御回路24は、再生中に振動等により再生位置が飛んでしまうトラックジャンプが生じなければ、データデコード回路26Pからの圧縮された状態のデータを書き込み速度の約1/5倍の転送速度で順次読み出し、読み出したデータを、データ伸長処理回路23Pに転送する。この場合、メモリ制御回路24は、バッファメモリ25に蓄えられているデータ量が、所定以下にならないようにバッファメモリ25の書き込み/読み出しを制御する。
【0045】
また、再生中にトラックジャンプが生じたことを検出したときは、データデコード回路26Pからバッファメモリ25へのデータの書き込みを停止し、データ伸長処理回路23Pへのデータの転送のみを行う。そして、再生位置が修正されたとき、データデコード回路26Pからバッファメモリ25へのデータ書き込みを再開するようにする制御を行う。
【0046】
トラックジャンプが生じたか否かの検出は、記録時と同様に、例えば振動計を用いる方法および光ディスクのプリグルーブにトラッキング制御用のウォブリング信号に重畳して記録されている絶対番地コードを用いる方法(つまり、絶対番地デコード回路34のデコード出力を用いる方法)、あるいは、振動計と絶対番地コードのオアを取ってトラックジャンプを検出する方法を用いることができる。さらには、この再生時には、前述したように再生データ中から絶対番地情報およびセクタ単位のアドレス情報が抽出されるのでこれを用いることもできる。
【0047】
この再生時の場合のバッファメモリ25のデータ容量としては、上述から理解されるように、トラックジャンプが生じてから再生位置が正しく修正されるまでの間の時間分に相当するデータを常に蓄積できる容量が最低必要である。何故なら、それだけの容量があれば、トラックジャンプが生じても、バッファメモリ25からデータ伸長回路23Pにデータを転送し続けることができるからである。この例のバッファメモリ25の容量としての1Mビットは、前記の条件を十分に満足するように余裕を持った容量として選定されている。
【0048】
また、前述もしたように、メモリ制御回路24は、正常動作時は、できるだけバッファメモリ25に前記必要最小限以上の所定データが蓄積されるようにメモリ制御を行う。この場合、例えば、バッファメモリ25のデータ量が予め定められた所定量以下になったら、光学ヘッド30によりディスク1からのデータの間欠的な取り込みを行って、データデコード回路26Pからのデータの書き込みを行い、常に所定データ量以上の読み出し空間を確保しておくようにメモリ制御を行う。
【0049】
データ伸長処理回路23Pでは、ADPCMデータを、記録時のデータ圧縮処理とは逆に、約5倍に伸長する。
【0050】
このデータ伸長回路23Pからのデジタルオーディオデータは、D−A変換器35に供給され、2チャンネルのアナログオーディオ信号に戻され、1対の出力端子36LT,36RTから出力される。
【0051】
[記録再生装置のタイミング信号系]
上述のような記録系,再生系の各種動作のタイミングは、前述のサンプリング周波数信号などの各種タイミング信号を基準として設定される。
タイミング信号発生回路40は、非同期運転の場合を想定して、水晶発振器を含んで周波数固定に構成される基準信号発生回路41を備える。この例では、後述のように、複数の記録再生装置が同期運転されるので、タイミング信号発生回路40は、PLL回路を備えて構成される同期信号発生回路42をも備える。そして、非同期モードと同期モードとを切り換えるためのスイッチ43が設けられる。
【0052】
そして、非同期モードでは、スイッチ43が接点i側に接続され、基準信号発生回路41からの各種タイミング信号が、システム制御回路20などに適宜供給される。
【0053】
同期モードでは、スイッチ43が接点e側に接続される。そして、外部同期信号入力端子45を通じて入力される外部同期信号が同期信号発生回路42の入力端子42iに供給される。そして、この外部同期信号に位相同期(ロック)した各種タイミング信号が、この同期信号発生回路42から得られ、各種タイミング信号がシステム制御回路20などに適宜供給される。
【0054】
この例の同期信号発生回路42は、破線で示すように、入力端子42iに実質的に直結された分岐出力端子42bを備え、この端子42bには同期信号出力端子46が接続される。
また、システム制御回路20も、同様に、入力端子20iと、これに実質的に直結された分岐出力端子20bとを備え、外部制御信号の入力端子47と出力端子48とにそれぞれ接続される。
【0055】
なお、スイッチ43は、手動で切り換えられるが、外部同期信号の入力端子45をジャックで構成し、このジャックにプラグが挿入されたとき、そのことを機械的に、あるいは電気的に検出し、その検出出力によりスイッチ43を自動的に接点e側に切り換えるように構成することもできる。
【0056】
[記録再生装置の同期運転]
次に、図7〜図9を参照しながら、既提案による記録装置および再生装置の同期運転について説明する。
【0057】
この例では、2チャンネルステレオ音声データ圧縮伸長型の光磁気ディスク記録再生装置を、多チャンネルのチャンネル数に応じた数だけ、接続して、各1枚のディスクには2チャンネルづつを記録するが、多数枚で多チャンネル分を同期記録するようにする。同期記録の方法としては、同じタイミングでサンプリングされた各チャンネルの信号は、ディスク上の同一記録位置に記録する。
【0058】
再生時には、上記複数枚のディスクには、上記のように多チャンネル信号が、記録位置を同じにして記録されているので、同じ記録位置の信号は、デジタル信号処理用のバッファメモリの同一アドレスに書き込むようにする。このようにすれば、複数のメモリからの多チャンネルデータの読み出しを、同じアドレスを指定して同期して行なうことにより、容易に多チャンネル再生ができる。
【0059】
図7において、50はマスタ制御回路である。このマスタ制御回路50は、同期信号SYと、記録開始命令、停止命令、再生開始命令や、記録および再生位置制御信号などの制御信号(以下、コマンドという)CMを、それぞれ出力端子51および52より発生する。
【0060】
100,200はそれぞれ前述した光磁気ディスク記録再生装置であって、両記録再生装置100,200において、前述の図6の例に対応する部分には、下2桁が同一の符号を付して重複説明を省略する。また、この図7の例では、記録再生装置100,200の記録信号処理系および再生信号処理系は、それぞれ簡略化されて、処理系160および170,処理系260および270として示されている。
【0061】
そして、マスタ制御回路50の同期信号出力端子51が記録再生装置100の同期信号入力端子145に接続され、制御信号出力端子52が記録再生装置100の外部制御信号の入力端子147に接続される。また、記録再生装置100の出力端子146と、記録再生装置200の外部同期信号の入力端子245とが接続され、記録再生装置100の出力端子148と、記録再生装置200の外部制御信号の入力端子247とが接続される。
【0062】
そして、スイッチ143および243は、手動により、あるいは上記のように入力端子145,245が外部機器と接続されることにより、自動的に接点e側に切り換えられ、第1および第2の記録再生装置が、共に、同期モードとされる。
【0063】
以上のように接続されているので、マスタ制御回路50からの同期信号SYとコマンドCMとが、外部同期信号および外部制御信号として、第1の記録再生装置100の同期信号入力端子145とコマンドの入力端子147に、それぞれ供給される。すると、同期信号SYおよびコマンドCMは、第1の記録再生装置100だけでなく、第2の記録再生装置200にも、第1の記録再生装置100を介して供給される。
【0064】
図示は省略するが、第3,第4…第n…の記録再生装置が使用される場合も、同様に、第(n−1)の記録再生装置の出力端子46および48と、第nの記録再生装置の入力端子45および47とが、それぞれ接続されることにより、マスタ制御回路50からの同期信号SYとコマンドCMとが、順次第nの記録再生装置に供給される。
【0065】
前述のように、同期モードでは、両記録再生装置100,200の各スイッチ143,243が接点e側に接続されており、両記録再生装置100,200のPLL142,242に同期信号SYが、共に供給されると共に、システム制御回路120,220には、コマンドCMが、供給される。
【0066】
そして、記録再生装置100,200の同期信号発生回路142,242からは、共通の同期信号SYにそれぞれ位相同期(ロック)した、各種のタイミング信号が、それぞれシステム制御回路120,220などに適宜供給される。
【0067】
これにより、各A−D変換器122,222におけるサンプリングのタイミングが一致する。また、各サーボ回路132,232を介して制御されるモータ130M,230Mの回転位相が一致し、ディスク101,201は同期して回転する。
【0068】
一方、各システム制御回路120,220は、光学ヘッド130,230が現に走査している、ディスク101,201のアドレス(絶対番地)情報をマスタ制御回路50に送り返す。
これにより、マスタ制御回路50は、複数のディスク101,201のアドレスを管理することができて、外部コマンドであるコマンドCMを用いて、各々のディスク101,201上のデータ記録ないし再生位置を制御することが可能となる。
【0069】
そして、記録時には、図8に示すように、記録再生装置100,200のA−D変換器122,222において、同一時刻t0,t1,t2‥‥でそれぞれサンプリングされた4チャンネルの音声データが、同期して回転する2枚のディスク101,201の同一アドレスA0,A1,A2‥‥に、2チャンネルずつ分配されて記録される。
【0070】
また、再生時には、図9に示すように、同期回転する2枚のディスク101,201の同一アドレスA0,A1,A2 ‥‥から再生された各2チャンネルの音声データが、バッファメモリ125,225の同一アドレスB0,B1,B2 ‥‥にそれぞれ書き込まれる。
【0071】
このバッファメモリ125,225からは、時刻t0,t1,t2 ‥‥に、同一アドレスB0,B1,B2 ‥‥のサンプルデータが同一タイミングで読み出されて、元の4チャンネルの音声データが同期して再生される。
【0072】
以上のようにして、この例では、記録・再生時に、音声データの大幅な圧縮・伸長を行なわれて、ディスクへのデータの書き込みと、ディスクからのデータの読み出しとは、いずれも間欠的に行なわれるので、複数のディスク間のアドレスを一致させることが容易となる。
【0073】
なお、音声データが記録される、ディスク101,201のアドレスは、必ずしも全く同一でなくても、相互に一定の関連があればよい。
【0074】
また、同期運転時には、複数の記録再生装置のいずれか、例えば、第1の記録再生装置の記録操作キー(図6参照)を操作することにより、全ての記録再生装置が記録動作をするように制御される。
【0075】
以上詳述のように、図7の例では、民生用の複数のディスク記録再生装置の間の信号タイミングを同期させて、複数のディスクを同期回転させると共に、記録時には、同時点の多チャンネル音声データを2チャンネルずつに分配して、複数のディスク上の同一アドレスに記録し、再生時には、複数のディスク上の同一アドレスから再生した各2チャンネルの音声データを、メモリを介して、同時に出力するようにしたので、比較的低価格で、多チャンネル音声のデジタル録音再生を簡単に行なうことができる。
【0076】
しかしながら、前出図7に示すような、既提案による記録装置および再生装置では、マスタ制御回路50から、第1,第2‥‥の記録再生装置100,200‥‥に供給される外部同期信号SYの周波数fSYは、再生系クロックの水晶発振周波数と等しいか、あるいは、その1/2の周波数であって、例えば、
fSY=384×44.1kHz=16,934.4kHz
のように、比較的高い周波数となる。
【0077】
このような高い周波数の信号は、一般に、同軸線路を通じて分配されるため、線材やコネクタのコストが高く、また、低インピーダンスの同軸線路に充分高いレベルで同期信号SYを送出するためには、比較的大出力の駆動増幅器が必要となって、更に、コストが上昇するという問題があった。
【0078】
かかる点に鑑み、この発明の目的は、複数の民生用デジタル録音再生装置を、低コストで同期運転することにより、多チャンネルのデジタル録音再生を行うことができる、記録装置および再生装置を提供するところにある。
【0079】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明によるディスク情報処理装置は、
ディスク上に予め記録されている絶対番地情報に基づいて、このディスク上での情報の記録位置又は再生位置を制御する位置制御手段を備えたディスク情報装置において、
再生クロックの周波数に比較して低く設定された所定周期の基準時間情報と、この基準時間情報に同期し、上記絶対番地情報に対応する外部からの第1の位置情報とを受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記基準時間情報に基づくタイミングで上記ディスクからの絶対番地情報から第2の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成された第2の位置情報と、上記受信手段により受信した上記外部からの第1の位置情報とを、上記基準時間情報に基づくタイミングで比較する比較手段とを設け、
上記比較手段からの比較出力を上記位置情報制御手段に帰還して、上記ディスク上での記録位置又は再生位置を上記外部からの位置情報に同期させるようにした
ことを特徴とするものである。
【0080】
また、この発明によるマスタ装置とスレーブ装置からなるディスク情報処理システムにおいては、
上記マスタ装置は、
再生クロックの周波数に比較して周波数が低く設定された基準時間情報を発生する時間情報発生手段と、
上記ディスクからの絶対番地情報に対応する位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記基準時間情報と共に、上記位置情報生成手段により生成された上記位置情報を、上記基準時間情報に基づくタイミングで外部に導出すると共に、
上記スレーブ装置は、
ディスク上に予め記録されている絶対番地情報に基づいて、このディスク上での情報の記録位置又は再生位置を制御する位置情報制御手段と、
再生クロックの周波数に比較して低く設定された所定周期の基準時間情報と、この基準時間情報に同期し、上記絶対番地情報に対応する外部からの第1の位置情報とを受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記基準時間情報に基づくタイミングで上記ディスクからの絶対番地情報から位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成された上記位置情報と外部からの位置情報とを、上記基準時間情報に基づくタイミングで比較する比較手段とを設け、
上記比較手段からの比較出力を上記位置制御手段に帰還して、上記ディスク上での記録位置又は再生位置を上記外部からの位置情報に同期させるようにした
ことを特徴とするものである。
【0083】
【作用】
かかる構成の第1のこの発明による記録装置と再生装置においては、外部から伝送される所定周期Tsの基準時間情報SYに基づいて、内部の位置情報と外部からの位置情報Sadrsとが同時点で比較され、得られた誤差情報を帰還することにより、媒体上での記録位置または再生位置が外部からの位置情報に同期するように制御され、複数の記録装置または再生装置の同期運転が可能となる。また、外部から伝送される基準時間情報SYの周期Tsが長いので、低コストの伝送線路の利用が可能となる。
【0084】
また、かかる構成の第2のこの発明による記録装置と再生装置においては、所定周期Tsの基準時間情報SYと、この基準時間情報SYに基づく所定時点の位置情報とを外部に導出することにより、上述のような、この発明による記録装置と再生装置とそれぞれ同期運転する場合に、規準の装置としての動作が可能となる。また、基準時間情報SYの周期Tsが長いので、低コストの伝送系の利用が可能となる。
【0085】
【実施例】
以下、図1〜図3を参照しながら、この発明によるディスク情報処理装置およびディスク情報処理システムを、音声データ圧縮伸長型の光磁気ディスク記録再生装置に適用した一実施例について説明する。
【0086】
この実施例では、ミニディスク記録再生装置に、前述のような、遠隔制御のための有線式の伝送線路が設けられていることに着目し、この伝送線路を通じて、複数の2チャンネル記録再生装置間で、同期運転のための制御情報の授受を行うようにしたものである。
【0087】
この発明の一実施例の全体の構成を図2に示し、要部の構成を図1に示す。この両図において、前出図5に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0088】
図2において、10A〜10Mは、それぞれミニディスクを媒体とする、2チャンネル記録再生装置であって、各装置10A〜10Mは、元来は有線式遠隔制御のための端子13c,13dを通じて、伝送線路14に接続される。
【0089】
特定の1台の装置、例えば、10Mがマスタ(基準)装置とされると共に、その他の装置10A〜10Lがスレーブ(従属)装置とされ、各スレーブ装置10A〜10Lに対し、マスタ装置10Mから、同期運転のための、後述のような同期信号および同期情報SY,Sadrsが共通に供給されて、チャンネル数が2Mの、多チャンネル記録再生システムが構成される。
【0090】
なお、この実施例では、各装置10A〜10Mの一方の制御端子13cがそれぞれCPU11A〜11Mに接続されて、同期情報Sadrsの授受が行われると共に、他方の制御端子13dは、同期信号SYの授受に用いられる。
また、各装置10A〜10Mには、図示を省略した外部電源から所要の直流電力が供給される。
その余の構成は前出図5と同様である。
【0091】
図2のマスタ装置10Mおよびスレーブ装置10Lは、それぞれ図1に示すように構成される。
この図1において、マスタ装置10Mおよびスレーブ装置10Lの記録/再生位置制御回路171,181は、前出図6に示すような、RF信号処理回路31、サーボ制御回路32、絶対番地デコード回路34を含むものであって、前述のように、記録時または再生時に、RF信号から抽出された絶対番地情報がシステム制御回路(CPU)11M,11Lに供給されて、ディスク1M,1L上の記録位置または再生位置、換言すれば、光学ヘッドにより走査される位置の認識および位置制御が行われる。
【0092】
この実施例では、マスタ装置10M側において、位置制御回路171からの絶対番地情報がアドレスIDカウンタ172に供給され、このカウンタ172の出力がサンプリングレジスタ173に供給されると共に、水晶制御のタイミング信号発生回路174の出力が、分周回路175を通じて、適宜に分周されて、図3Aに示すような同期信号SYが形成され、この同期信号SYがサンプリングレジスタ173に供給される。
【0093】
このレジスタ173において、同期信号SYのタイミングで、サンプリングされたアドレスIDがシステム制御回路11Mに供給されて、図3Bに示すような同期情報Sadrsが生成され、分周回路175において形成された同期信号SYと共に、制御端子13c,13dを通じて伝送線路14に導出される。
【0094】
なお、分周回路175は、後述のように、同期信号SYの繰り返し周波数が低いことを説明するために示したものであって、タイミング信号発生回路174から、所要の周波数と精度の信号が得られる場合は、分周回路175を省略することができる。
【0095】
一方、スレーブ装置10L側においては、伝送線路14から制御端子13c,13dを通じて、マスタ装置10M側からの同期情報Sadrsがシステム制御回路11Lに供給されると共に、同期信号SYがサンプリングレジスタ183に供給される。
また、マスタ装置10M側と同様に、位置制御回路181からの絶対番地情報がアドレスIDカウンタ182に供給され、このカウンタ182の出力がレジスタ183に供給される。そして、このレジスタ183において、マスタ装置10M側からの同期信号SYのタイミングで、サンプリングされたアドレスIDがシステム制御回路11Lに供給されて、マスタ装置10M側からの同期情報Sadrsと比較され、この比較出力が、制御信号として、位置制御回路181に帰還される。
【0096】
次に、図3をも参照しながら、この発明の一実施例の同期運転について説明する。
この実施例においては、上述のように、マスタ装置10Mのタイミング信号発生回路174と分周回路175とによって、図3Aに示すような同期信号SYが形成される。この同期信号SYは、例えば、前述のように約17MHzもの高い周波数の水晶発振器の出力を適宜に分周することにより、その繰り返し周期Tsが、例えば、Ts=20ミリ秒程度に設定されると共に、同期の規準となる立ち上がりエッジの分解能が所要の高精度をもって確保される。
【0097】
そして、このエッジには、それぞれIDが付与され、この同期IDは、図3Bに示すように、アドレスIDと共に、同期情報Sadrsとして、データ通信により、線路14を通じて、各スレーブ装置10A〜10Lに伝送される。
【0098】
この実施例において、アドレスIDは、前述のようなディスクの絶対番地情報を規準とする、所要精度の空間的尺度であって、例えば、ディスクのクラスタないしはセクタに対応する。
なお、ディスクが線速度一定で駆動される場合は、アドレスIDが時間尺度ともなるが、上述から明らかなように、アドレスIDの周期は、同期信号の繰り返し周期Tsに比べて、十分に短く設定される。
【0099】
スレーブ装置10Lにおいては、それ自身のレジスタ183において、サンプリングされたアドレスIDと、マスタ装置10M側からの同期情報Sadrs中のアドレスIDとが、CPU11Lにより比較される。
双方のレジスタ173,183では、マスタ装置10M側で形成された同期信号SYのタイミングで、サンプリングが行われるので、スレーブ装置10LのCPU11Lには、マスタ装置10MのアドレスIDを規準とした、スレーブ装置10L側のアドレスIDの遅れ、もしくは、進みの誤差情報が得られる。
【0100】
そして、この誤差情報が記録/再生位置制御回路181に帰還されて、誤差がゼロとなるように、光学ヘッド(図示は省略)によるディスク1Lの走査位置が制御される。
これにより、スレーブ装置10L側のディスク1Lが、マスタ装置10M側のディスク1Mに位相同期して走査されることになる。
【0101】
この実施例では、同期運転の場合、スレーブ側の外乱は、マスタ側およびスレーブ側の水晶発振器の僅かの周波数差によってもたらされるので、スレーブ側の帰還系に与えられるべき外乱情報は、殆ど直流であり、高い周波数レートを必要としない。
【0102】
従って、同期信号SYの繰り返し周波数fsyを、例えば、50Hz程度と格段に低く設定することができて、エッジをある程度は急峻にするにしても、伝送線路の帯域は、例えば、オーディオ周波数程度でこと足り、遠隔制御のための有線式の伝送線路を通じて、同期運転のための情報の授受を行うことができる。
【0103】
そして、同期信号の周波数が高いことに起因する、高コストの線材やコネクタ、大出力の駆動増幅器が必要になるといった、従来の不都合が解消されて、複数の民生用デジタル録音再生装置を、低コストで同期運転して、多チャンネル録音再生を行うことができる。
【0104】
次に、図4を参照しながら、この発明による多チャンネル記録再生装置の他の実施例について説明する。
【0105】
この発明の他の実施例の要部の構成を図4に示す。この図4において、前出図2に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0106】
図4において、10MXはマスタ専用装置であって、前出図7の既提案例と同様に、スレーブ装置10A〜10Lとは異なる構成とされる。
即ち、この実施例のマスタ専用装置10MXは、図4からも明らかなように、記録/再生機能を備えず、図1の実施例の記録/再生位置制御回路171およびアドレスIDカウンタ172に代えて、疑似アドレスID発生回路176が設けられる。
【0107】
この発生回路176では、タイミング信号発生回路174から供給される所定周期の規準信号に同期して、前述のような適宜周期のアドレスIDが生成され、サンプリングレジスタ173に供給される。このレジスタ173においてサンプリングされたアドレスIDがシステム制御回路11Mに供給されて、図3Bに示すような同期情報Sadrsが生成され、制御端子13cを通じて、伝送線路14に導出される。
マスタ専用装置10MXのその余の構成は、前出図1のマスタ装置10Mと同様である。
【0108】
一方、各スレーブ装置10A〜10L側では、前述の実施例と同様に、マスタ専用装置10MXから伝送された同期情報Sadrsに基づいて、ディスク1A〜1Lの走査位置が制御される。
これにより、スレーブ装置10L側のディスク1Lが、マスタ装置10M側のディスク1Mに位相同期して走査されることになる。
【0109】
そして、この実施例では、前出図7の既提案例と同様に、各スレーブ装置10A〜10Lからのアドレス情報がマスタ専用装置10MXに送り返される。
これにより、マスタ専用装置10MXでは、各スレーブ装置10A〜10Lのディスク1A〜1Lのアドレスを管理することができて、各々のディスク1A〜1L上の記録ないし再生位置を制御することが可能となる。
【0110】
なお、図4の実施例では、各スレーブ装置10A〜10Lでのみ、記録再生が可能であるから、チャンネル数が2M−2の、多チャンネル記録再生システムが構成される。
【0111】
図4の実施例においても、図1の実施例と同様に、マスタ装置側からの同期情報(外乱情報)が、低い周波数レートで、スレーブ装置側に与えられるので、同期信号の周波数が高いことに起因する、従来の不都合が解消されて、複数の民生用デジタル録音再生装置を、低コストで同期運転して、多チャンネル録音再生を行うことができる。
【0112】
なお、図3から明らかなように、上述の両実施例では、同期信号SYが“H”の期間にのみ、同期情報Sadrsの伝送が行われるので、同期信号SYが“L”の期間には、流用した有線式の伝送線路にもともと流れている、遠隔制御のための情報を用いて、動作状態などを装置のディスプレイに表示することもできる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、媒体上に予め記録されている絶対番地情報に基づいて、記録位置または再生位置を制御するようにした記録装置または再生装置において、スレーブ側では、絶対番地情報に基づいて所定間隔の位置情報を生成し、この位置情報と外部からの位置情報とを、外部からの所定周期の基準時間情報に基づく所定時点で比較して、得られる誤差情報に基づいて、媒体上での記録位置または再生位置を外部からの位置情報に同期させるようにすると共に、マスタ側では、絶対番地情報に基づいて、所定間隔の位置情報を生成し、所定周期の基準時間情報を発生して外部に導出し、この基準時間情報に基づく所定時点で位置情報を外部に導出するようにしたので、複数の記録装置または再生装置の同期運転の場合、有線式遠隔制御用の、低コストの線路を利用して、基準時間情報と、所定時点での位置情報とを伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるディスク情報処理装置およびディスク情報処理システムの一実施例の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】この発明の他の実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明を説明するためのブロック図である。
【図6】この発明を説明するためのブロック図である。
【図7】従来の記録装置および再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】従来例の記録動作を説明するための概念図である。
【図9】従来例の再生動作を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1A〜1M 光磁気ディスク
10A〜10M ディスク記録再生装置
10MX マスタ専用装置
11A〜11M システム制御回路
13c,13d 制御端子
14 伝送線路
171,181 記録/再生位置制御回路
172,182 アドレスIDカウンタ
173,183 サンプリング・レジスタ
174,184 タイミング信号発生回路
175 分周回路
176 疑似アドレスID発生回路
Sadrs 同期情報
SY 同期信号
Claims (2)
- ディスク上に予め記録されている絶対番地情報に基づいて、このディスク上での情報の記録位置又は再生位置を制御する位置制御手段を備えたディスク情報装置において、
再生クロックの周波数に比較して低く設定された所定周期の基準時間情報と、この基準時間情報に同期し、上記絶対番地情報に対応する外部からの第1の位置情報とを受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記基準時間情報に基づくタイミングで上記ディスクからの絶対番地情報から第2の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成された第2の位置情報と、上記受信手段により受信した上記外部からの第1の位置情報とを、上記基準時間情報に基づくタイミングで比較する比較手段とを設け、
上記比較手段からの比較出力を上記位置情報制御手段に帰還して、上記ディスク上での記録位置又は再生位置を上記外部からの位置情報に同期させるようにした
ことを特徴とするディスク情報処理装置。 - マスタ装置とスレーブ装置からなるディスク情報処理システムにおいて、
上記マスタ装置は、
再生クロックの周波数に比較して周波数が低く設定された基準時間情報を発生する時間情報発生手段と、
上記ディスクからの絶対番地情報に対応する位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記基準時間情報と共に、上記位置情報生成手段により生成された上記位置情報を、上記基準時間情報に基づくタイミングで外部に導出すると共に、
上記スレーブ装置は、
ディスク上に予め記録されている絶対番地情報に基づいて、このディスク上での情報の記録位置又は再生位置を制御する位置情報制御手段と、
再生クロックの周波数に比較して低く設定された所定周期の基準時間情報と、この基準時間情報に同期し、上記絶対番地情報に対応する外部からの第1の位置情報とを受信する受信手段と、
上記受信手段により受信した上記基準時間情報に基づくタイミングで上記ディスクからの絶対番地情報から位置情報を生成する位置情報生成手段と、
上記位置情報生成手段により生成された上記位置情報と外部からの位置情報とを、上記基準時間情報に基づくタイミングで比較する比較手段とを設け、
上記比較手段からの比較出力を上記位置制御手段に帰還して、上記ディスク上での記録位置又は再生位置を上記外部からの位置情報に同期させるようにした
ことを特徴とするディスク情報処理システム。
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