JP3550916B2 - 車両用盗難検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐停車前後の車両状態変化に基づき、盗難を検出する車両用盗難検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の盗難防止装置が提案されている。例えば、イグニッションキーに所定の暗号を送信する送信機を内蔵しておき、始動時に暗号のチェックを行う装置などが実用化されている。
【0003】
また、特表平7−509203号公報に記載の装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)装置により検出した位置情報および予め記憶されている地図情報などを加味した盗難検出装置が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例において、盗難検出にGPS装置の検出値を利用する場合、位置特定までにある程度の時間が必要となる。また、場所によっては、GPS装置により、位置検出が行えない場合もある。従って、十分な精度で盗難を検出することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、簡単な構成で、精度の高い盗難検出が行える車両用盗難検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、駐停車前後の車両状態変化に基づき、盗難を検出する車両用盗難検出装置であって、車両の方位を検出する方位検出手段と、この方位検出手段により検出した駐停車開始時における方位を記憶する駐停車情報記憶手段と、車両の再始動時に、前記方位検出手段により検出されるその時の車両の方位と、駐停車情報記憶手段に記憶されている駐停車開始時の車両の方位を比較する比較手段と、を有し、比較手段の比較結果に基づいて盗難を検出することを特徴とする。さらに、車両の自車位置を検出する自車位置検出手段と、この自車検出手段により検出した駐停車開始時における自車位置を記憶する駐停車位置記憶手段と、車両の再始動時に、前記自車位置検出手段により検出されるその時の自車位置と、駐停車情報記憶手段に記憶されている駐停車開始時の自車位置を比較する自車位置比較手段と、を有し、前記比較検出手段の車両の方位の比較結果において、不一致であった場合に、さらに前記自車位置比較手段の比較結果を判定して盗難を検出することが好適である。
【0007】
このように、本発明では、車両の再始動時に方位を検出し、駐停車開始時と異なっているかを判定する。従って、車両が盗難にあい、車両の不当な移動があった場合に、これを検出できる。そこで、この盗難の検出に基づいて、警報を鳴らしたり、エンジンを不動にすることができる。方位センサは、比較的簡単な構成でよく、装置が全体として、簡易なもので構成できる。
【0008】
さらに、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、地図上の自車位置に応じて、他の交通機関に自車を搭載して移動していることを検出する搭載移動検出手段と、を有し、他の交通機関による自車の移動を認識して、盗難を検出することが好適である。さらに、 駐停車開始後、一定時間経過後に自車位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記搭載移動検出手段により、他の交通機関による自車の移動を検出することが好適である。
【0009】
フェリーボートやカートレイン等による移動を検出できるため、盗難の誤検出を防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の盗難検出装置を利用した盗難防止装置の全体構成を示すブロック図である。
【0011】
ナビECU10は、経路案内のための各種処理を行うものであり、地図データを記憶する地図データベース12、現在位置を検出するGPS装置14、車両の方位を検出する方位センサ16等が接続されている。そして、ナビECU10は、GPS装置14において検出した現在地に応じて、現在地を含む地図データを地図データベース12から読み出し、これを現在地表示と共にディスプレイに表示する。また、目的地が設定された場合には、地図データベース12に記憶されている地図データを利用して目的地までの最適経路を探索し、経路を設定した走行においては、設定した経路を表示して経路案内を行う。
【0012】
また、方位センサ16は、地磁気センサやジャイロなどから構成され、車両の向き(方位)を検出する。ナビECU10は、この方位センサ16からの方位データと走行距離センサ(図示せず)からの走行距離データに基づき、GPS装置14による位置データを補完する。
【0013】
ナビECU10には、マルチメディアECU20が接続されている。このマルチメディアECU20は各種の車載機器を制御する他、車両の盗難を検出する。マルチメディアECU20には、メモリ22が接続されており、ここに各種データが記憶される。また、マルチメディアECU20には、IGスイッチ24が接続されており、IGスイッチ24のオンオフ状態がマルチメディアECU20に供給される。さらに、マルチメディアECU20には、エンジンECU26が接続されており、盗難を検出した時には、エンジンECU26がエンジンを不動にする。
【0014】
次に、マルチメディアECU20における盗難防止の動作について、図2、3に基づいて説明する。まず、駐車時の処理について、図2に基づいて説明する。この処理では、最初に盗難防止装置の作動を禁止する禁止手順がなされているかを判定する(S11)。そして、禁止手順がなされていれば、盗難防止のための処理は不要であるため、そのまま処理を終了する。この禁止手順は、専用のボタン等を設けてもよいが、ドアロックの2度押し等すでにある機器の操作にするのが好ましい。
【0015】
禁止手順がなされていなかった場合には、IGスイッチ24の状態からイグニッションがオフかを判定する(S12)。オフであれば、次にキーがキーシリンダにないかを判定する(S13)。イグニッションがオフで、キーが引き抜かれていれば、車両を停止して、ドライバーは車両から離れていると考えられる。そこで、駐車と判断する(S14)。
【0016】
そして、GPS装置14によって得られる現在位置Aと、方位センサ16から得られる進行方位BをナビECU10を介しマルチメディアECU20が取り込み、メモリ22に記憶する(S15)。
【0017】
次に、エンジン始動時の処理について、図3に基づいて説明する。まず、イグニッションがオンかを判定する(S21)。イグニッションがオンであった場合には、方位センサ16の出力より、進行方向Cを検出する(S22)。そして、検出した進行方向Cをメモリ22に記憶されている駐車時の進行方向Bと比較する(S23)。一致している場合には、GPS装置14の出力から現在位置Dを取り込み(S24)、この現在位置Dをメモリ22に記憶されている駐車時の位置Aと比較する(S25)。位置AとDが一致していれば、正常と判定し(S26)、処理を終了する。
【0018】
一方、S23およびS25の比較において、一致していない場合、すなわち方位または現在地が駐車時と異なっていた場合には、不正始動と判断し(S27)、エンジンECU26において、プラグの点火および燃料噴射を禁止し、車両を不動状態にする(S28)。なお、警報音を発生することも好適である。また、位置の比較を省略することもできる。
【0019】
このようにして、本実施形態によれば、エンジンの再始動のために、イグニッションがオンとなったときに、進行方向の判定を行う。進行方向の判定は、方位センサ16からの出力とメモリ22に記憶されているデータの比較により、直ぐに行える。従って、効果的なエンジンの始動禁止を行うことができる。すなわち、GPS装置14による現在位置検出には、ある程度の時間がかかり、また位置検出が行えない場合もあるが、方位検出は基本的にいつでも直ぐに行える。なお、GPS装置14により、位置検出ができない場所に駐車したときには、駐車時および始動時とも位置は不定であり、一致と判断される。
【0020】
このような構成により、車両がトレーラにより運び去られた場合等に、これを検出して、車両の始動を禁止することができる。ここで、フェリーボートや、カートレインで車両が移動した場合には、方位や位置が異なったものになる。そこで、これを検出し、車両についての不要な不動処理を禁止することも好適である。例えば、図2のS15の後に、図4に示すような処理を追加することができる。
【0021】
すなわち、一定時間(例えば、30分)経過したかを判定し(S31)、経過した場合に、位置検出を行い、これが鉄道上か(S32)、フェリールート上か(S33)を判定する。そして、これらに該当した場合には、図3の始動時の処理を行わないようにする(S34)。これによって、これら移動に基づく不都合を解消することができる。
【0022】
また、正当なキーを使用したエンジンの始動、正当なワイヤレスキーを使用したドアアンロック等があった場合に、このような盗難防止の処理を行わないようにすることもできる。これにより、正当な使用の際に不動の処理がなされることは防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】駐車時の動作を示すフローチャートである。
【図3】エンジン始動時の動作を示すフローチャートである。
【図4】他交通機関を利用した移動の判定を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ナビECU、12 地図データベース、14 GPS装置、16 方位センサ、20 マルチメディアECU、22 メモリ、24 IGスイッチ、26 エンジンECU。
Claims (4)
- 駐停車前後の車両状態変化に基づき、盗難を検出する車両用盗難検出装置であって、
車両の方位を検出する方位検出手段と、
この方位検出手段により検出した駐停車開始時における方位を記憶する駐停車情報記憶手段と、
車両の再始動時に、前記方位検出手段により検出されるその時の車両の方位と、駐停車情報記憶手段に記憶されている駐停車開始時の車両の方位を比較する比較手段と、
を有し、
比較手段の比較結果に基づいて盗難を検出することを特徴とする車両用盗難検出装置。 - 請求項1に記載の装置において、
さらに、
車両の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
この自車検出手段により検出した1駐停車開始時における自車位置を記憶する駐停車位置記憶手段と、
車両の再始動時に、前記自車位置検出手段により検出されるその時の自車位置と、駐停車情報記憶手段に記憶されている駐停車開始時の自車位置を比較する自車位置比較手段と、
を有し、
前記比較検出手段の車両の方位の比較結果において、不一致であった場合に、さらに前記自車位置比較手段の比較結果を判定して盗難を検出することを特徴とする車両用盗難検出装置。 - 請求項1に記載の装置において、
さらに、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地図上の自車位置に応じて、他の交通機関に自車を搭載して移動していることを検出する搭載移動検出手段と、
を有し、
前記比較手段の比較結果に基づいて盗難を検出した場合において、搭載移動検出手段により他の交通機関による自車の移動を検出し、他の交通機関による自車の移動を検出した場合には、盗難でないと判定することを特徴とする車両用盗難検出装置。 - 請求項3に記載の装置において、
駐停車開始後、一定時間経過後に自車位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記搭載移動検出手段により、他の交通機関による自車の移動を検出することを特徴とする車両用盗難検出装置。
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