JP3550704B2 - 治療台等の安頭台傾動調整装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は安頭台を任意の傾度に調整自在としたことを特徴とする治療台の手動式傾動調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来の安頭台の手動式傾動調整装置は,円弧状案内溝を備えた案内筒を背板から突設させ,安頭台に下設された円弧状支持軸を該案内筒に摺動自在に嵌挿し,該支持軸の下周面に多数のラチェット歯を刻設し,該案内筒の基幹部に該ラチェット歯に噛合するラチェット爪を枢設し,安頭台の付け根に突設したロック装置の操作ハンドルにより前記ラチェット歯へのラチェット爪の噛合を入り切りさせて,安頭台の傾度を調整していた。
しかしながら,従来装置はラチェット歯とラチェット爪の噛合によって調整するので段階式の傾度調整となり,治療に必要な傾度に無段階に調整することが困難であった。
また,安頭台の付け根にロック装置の操作ハンドルが突設しているため,傾度の調整範囲が制限され,術者の施療時の動作や居場所の邪魔になり,また時には該操作ハンドルに接触して傾動機構のロックが外れるという不具合発生の原因となっていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題の解決を目的とするもので,傾度のロック装置をローラーウェッジ式ロック装置Rにして無段階の傾度調整を可能にし,そのロック解除装置Fを安頭台2の裏面凹部2aに埋没するようにして,術者の邪魔にならないようにし,接触の恐れをなくし,傾度調整の支障をなくした。
すなわち本発明は, 治療台等の背板1に装備される安頭台2を支持する円弧状支持角筒3と,背板1から突設して該円弧状支持角筒3に摺動自在に嵌挿されてなる円弧状支持角軸5を有する安頭台傾動調整装置において,前記円弧状支持角筒3内に側設され,円弧状案内角溝4の側面の途中に凹設されたくさび形状のウエッジ室7内に配置されたロックローラー6と同ローラーをウエッジ室のテーパー面に押し込む方向へ付勢するためのスプリング8とを具備してなるローラーウェッジ式ロック装置Rと,そのロック解除装置Fとを備えてなることを特徴とする治療台等の安頭台傾動調整装置である。
また本発明装置では,円弧状支持角筒3が,安頭台2をその裏面凹部2aに埋没するようにして支持する台座3aの下部に,円弧状案内角溝4を内設した円弧状角函体3bを連結して形成され,円弧状支持角軸5が,前記円弧状案内角溝4に摺動自在な円弧状角軸体5aと背板1への取付部材5bとを連結して形成され,ローラーウェッジ式ロック装置Rが,円弧状支持角筒3内に側設され , 円弧状案内角溝4の側面の途中に凹設されたくさび形状のウエッジ室7内に配置されたロックローラー6と同ローラーをウエッジ室のテーパー面に押し込む方向へ付勢するためのスプリング8とを具備してなり,円弧状案内角溝4内を摺動する円弧状支持角軸5の側面をそのロックローラー6により楔止するごとくし,ロック解除装置Fが,その解除装置台9を台座3aの裏面に設置し,該解除装置台9に手動の操作ボタン9bを嵌着し,該操作ボタン9bの手押しとロックローラー6の楔止を連動し,該操作ボタン9bを手で押すとロックローラー6の楔止を解除して安頭台2を傾動自在とし,該操作ボタン9bを放すとスプリング8によりロックローラー6を楔止させ,安頭台2の傾動をロックするごとく構成することにより傾動調整に最適なものとなし得る。
また本発明装置では,安頭台2を支持する台座3aの裏面に設置された解除装置台9と,該解除装置台9に嵌着された円柱状の操作ボタン9bと,該操作ボタン9bに形設された円錐カム9cと,該解除装置台9に揺動自在に枢着され,その一端に円錐カム9cの対接ローラー9dを装着し,その他端を円弧状支持角筒3の円弧状案内角溝4内に突設させた解除リンク9eと,前記円弧状案内角溝4に沿って掘設された凹溝10a内を摺動自在で,その一端を該解除リンク9eの突出部9fに当接し,その他端をくさび形状のウェッジ室7内のロックローラー6に当接する円弧状ロック解除角棒10とを備え,前記操作ボタン9bの手押しとロックローラー6の楔止を連動させるごとくした構成とすることが,邪魔にならず,簡潔な点で望ましいことである。
【0004】
【実施例】
以下に,本発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1は本発明装置を装備した状態を示す縦断面図,図2は図1のA・A線に沿った本発明装置の平面展開断面図,図3は図1のB・B線断面図,図4は図1のC・C線断面図である。また図5は本発明装置の全体斜視図である。図中,1は背板,2は安頭台,3は円弧状支持角筒,4は円弧状案内角溝,5は円弧状支持角軸,6はロックローラー,7はくさび形状のウェッジ室,8はスプリング,9は解除装置台,10は円弧状ロック解除角棒である。
本発明の治療台等の安頭台傾動調整装置は,基本的には図1のごとく,円弧状支持角軸5を背板1に取付けて内曲がり状態に突出させ,該円弧状支持角軸5に円弧状支持角筒3を摺動自在に嵌着し,該円弧状支持角筒3の上部の台座3aを安頭台2の裏面凹部2aに突入させて該安頭台2を支持させ,該円弧状支持角軸5を案内する円弧状支持角筒3の円弧状案内角溝4の側部にローラーウェッジ式ロック装置Rを埋設し,そのロックローラー6により円弧状支持角軸5の側面を楔止して傾動をロックするようにし,前記台座3aの裏面に解除装置台9を設置して該解除装置台9を安頭台2の裏面凹部2aに埋設するようにし,該解除装置台9に嵌着された操作ボタン9bを手で押すと,その円錐カム9c,対接ロール9d,解除リンク9eを介して円弧状ロック解除角棒10を連動し,くさび形状のウェッジ室7内のロックローラー6を突き出してロックを解除して安頭台2を傾動自在とし,操作ボタン9bを放すとスプリング8によりロックローラー6を楔止し,その傾動をロックするごとく構成されている。
【0005】
前記の円弧状支持角筒3は,上部に安頭台2取付用の平板状の台座3aを備え,その下部には円弧状案内角溝4を内設した円弧状角函体3bを連結し,該円弧状角函体3bには円弧状カバー板3cが被着されて形成される。また前記の円弧状支持角軸5は,前記円弧状案内角溝4に摺動自在な円弧状角軸体5aと背板1への取付部材5bとを連結して形成され,該取付部材5bを背板1に螺着固定して,円弧状角軸体5aを背板1から突設するようにし円弧状支持角筒3を摺動自在に嵌挿する。
また安頭台2は裏面凹部2aを有しており,該裏面凹部2aは十分な深さを有しているので,台座3aは安頭台2を支持するとき該裏面凹部2a内に十分に埋没され,該台座3aの裏面に設置された解除装置台9(以下に説明する)まで埋没されるようになっている。
またローラーウェッジ式ロック装置Rは円弧状支持角筒3に内設された円弧状案内角溝4の側面の途中に凹設されたくさび形状のウェッジ室7内に設けられている。テーパー面を有するウェッジ室7内で,ロックローラー6は当て板6a,スプリング8を介してテーパー面に押し込む方向に付勢され,円弧状案内角溝4内で円弧状支持角軸5の側面を楔止して傾動をロックする。
【0006】
次に,ロックローラー6による楔止を解除するロック解除装置Fは,安頭台2を支持する台座3aの裏面に設置された解除装置台9と,該解除装置台9に嵌着された円柱状の操作ボタン9bと,該操作ボタン9bに形設された円錐カム9cと,該解除装置台9に揺動自在に枢着され,その一端に円錐カム9cの対接ローラー9dを装着し,その他端を円弧状支持角筒3の円弧状案内角溝4内に突出させた解除リンク9eと,前記円弧状案内角溝4に沿って掘設された凹溝10a内を摺動自在で,その一端を該解除リンク9eの突出部9fに当接し,その他端をウェッジ室7内のロックローラー6に当接する円弧状ロック解除角棒10とを備え,前記操作ボタン9bを手押しすると,円錐カム9c,対接ローラー9d,解除リンク9e,その突出部9fに当接する円弧状ロック解除角棒10の順に連動し,該円弧状ロック解除角棒10の先端でロックローラー6をスプリング8の付勢力に抗して押し戻し,テーパー面への押し込みを解放し,ロックローラー6の楔止を解除して安頭台2を傾動自在とするごとく構成されている。
また,傾動時に円弧状支持角軸5が円弧状支持角筒3から抜け出さないように,円弧状支持角軸5の底部に係止溝5cを掘設し,止めピン5dを螺着し,円弧状カバー板3cの止め板3dを突き当てる。
なお,該操作ボタン9bを放すと,スプリング8の付勢力により再びロックローラー6は楔止される。そのとき,ロックローラー6はテーパー面に押し込まれると同時に,円弧状ロック解除角棒10を押し戻して,逆に操作ボタン9bを復元させるように連動する。
また,解除リンク9eを円弧状支持角筒3内に突出させて揺動可能にするため,円弧状カバー板3cの上端には窓3eが開口されている。
また,円弧状ロック解除角棒10は凹溝10a内に埋設されて摺動するため,解除リンク9eの突出部9fに当接し易いようにその先端をL字状に折曲げている。
【0007】
【発明の効果】
本発明の安頭台傾動調整装置では安頭台を必要な角度に自由に調整できるから,術者の施療に最適の効果を有する。
また本発明のローラーウェッジ式ロック装置では,従来のようなラチェット部の複雑な加工がなくなり,大巾に加工口数を減小できる。
また安頭台の裏側に安頭台の裏面凹部に埋没させて解除装置台と操作ボタンを設置するので,術者の施療時に邪魔にならず,接触して不具合を発生する恐れもなく,傾度の調整範囲も大きくとれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を装備した状態を示す縦断面図である。
【図2】図1のA・A線に沿った本発明装置の平面展開図である。
【図3】図1のB・B線断面図である。
【図4】図1のC・C線断面図である。
【図5】本発明装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 背板 2 安頭台
2a 裏面凹部 3 円弧状支持角筒
3a 台座 3b 円弧状角函体
3c 円弧状カバー板 3d 止め板
3e 窓 4 円弧状案内角溝
5 円弧状支持角軸 5a 円弧状角軸体
5b 取付部材 5c 係止溝
5d 止めピン 6 ロックローラー
6a 当て板 7 ウェッジ室
8 スプリング 9 解除装置台
9b 操作ボタン 9c 円錐カム
9d 対接ローラー 9e 解除リンク
9f 突出部 10 円弧状ロック解除角棒
10a 凹溝
R ローラーウェッジ式ロック装置
F ロック解除装置
Claims (3)
- 治療台等の背板1に装備される安頭台2を支持する円弧状支持角筒3と,背板1から突設して該円弧状支持角筒3に摺動自在に嵌挿されてなる円弧状支持角軸5を有する安頭台傾動調整装置において,
前記円弧状支持角筒3内に側設され,円弧状案内角溝4の側面の途中に凹設されたくさび形状のウエッジ室7内に配置されたロックローラー6と同ローラーをウエッジ室のテーパー面に押し込む方向へ付勢するためのスプリング8とを具備してなるローラーウェッジ式ロック装置Rと,そのロック解除装置Fとを備えてなることを特徴とする治療台等の安頭台傾動調整装置。 - 治療台等の背板1に装備される安頭台2を支持する円弧状支持角筒3と,背板1から突設して該円弧状支持角筒3に摺動自在に嵌挿されてなる円弧状支持角軸5を有する安頭台傾動調整装置において,
円弧状支持角筒3が,安頭台2をその裏面凹部2aに埋没するようにして支持する台座3aの下部に円弧状案内角溝4を内設した円弧状角函体3bを連結して形成され,円弧状支持角軸5が,前記円弧状案内角溝4に摺動自在な円弧状角軸体5aと背板1への取付部材5bとを連結して形成され,
ローラーウェッジ式ロック装置Rと,そのロック解除装置Fとを備えてなり,
ローラーウェッジ式ロック装置Rが,円弧状支持角筒3内に側設され,円弧状案内角溝4の側面の途中に凹設されたくさび形状のウエッジ室7内に配置されたロックローラー6と同ローラーをウエッジ室のテーパー面に押し込む方向へ付勢するためのスプリング8とを具備してなり,円弧状案内角溝4内を摺動する円弧状支持角軸5の側面をそのロックローラー6により楔止するごとくし,
ロック解除装置Fが,その解除装置台9を台座3aの裏面に設置し,該解除装置台9に手動の操作ボタン9bを嵌着し,該操作ボタン9bの手押しとロックローラー6の楔止を連動し,該操作ボタン9bを手で押すとロックローラー6の楔止を解除して安頭台2を傾動自在とし,該操作ボタン9bを放すとスプリング8によりロックローラー6を楔止させ,安頭台2の傾動をロックするごとくした構成を特徴とする治療台等の安頭台傾動調整装置。 - 安頭台2を支持する台座3aの裏面に設置された解除装置台9と,該解除装置台9に嵌着された円柱状の操作ボタン9bと,該操作ボタン9bに形設された円錐カム9cと,該解除装置台9に揺動自在に枢着され,その一端に円錐カム9cの対接ローラー9dを装着し,その他端を円弧状支持角筒3の円弧状案内角溝4内に突出させた解除リング9eと,前記円弧状案内角溝4に沿って掘設された凹溝10a内を摺動自在で,その一端を該解除リンク9eの突出部9fに当接し,その他端をくさび形状のウェッジ室7内のロックローラー6に当接する円弧状ロック解除角棒10とを備え,前記操作ボタン9bの手押しとロックローラー6の楔止を連動させるごとくした構成を特徴とする請求項2に記載の治療台等の安頭台傾動調整装置。
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JP26838293A JP3550704B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 治療台等の安頭台傾動調整装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0796012A JPH0796012A (ja) | 1995-04-11 |
JP3550704B2 true JP3550704B2 (ja) | 2004-08-04 |
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DE10253863B4 (de) * | 2002-11-19 | 2008-07-10 | Maquet Gmbh & Co. Kg | Motorisch verstellbare Kopfstütze |
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1993
- 1993-09-30 JP JP26838293A patent/JP3550704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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