JP3549572B2 - 端末装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電話機等の端末装置の操作ボタン、液晶表示器等を実装したパネル操作面の傾斜角度を、選択調整できる角度調整機構を備えた端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電話機等の端末装置において、操作性向上のためにパネル操作面25の傾斜角度を変化させる角度調整機構は、図9に示すように端末装置の下ケース20に係合するフック部21とばね性を有する爪22とを設けた台形のサブケース23を有し、このサブケース23を下ケース20に取付けて角度(θ1からθ0、またはこの逆)を変更する方法がとられている。
【0003】
また、従来はパネル操作面25の角度を調整する場合は、図9に示すようにフック21と爪22を有するサブケース23を装着可能なように下ケース20の底面側に取付穴26、27等を設け、サブケース23を取付け、また取外して行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の端末装置が備える角度調整機構は、端末装置の下ケース20とは別のサブケース23を取付ける構成であるために、パネル操作面25の傾斜角度が緩やかな場合はサブケース23は不要となり、再度取付ける時までに紛失する恐れがあったし、また、端末装置のすべり防止用として貼付けているゴム製の接触足24も、下部ケース20の底面だけでなくサブケース23の底面にも必要となり、コスト高になる等の問題点があった。
【0005】
さらに、端末装置は高機能、多機能化の方向にありながら、かつ軽薄短小化しているため、下ケース20の底面部に例えば各種操作用スイッチ部あるいは外部接続用コネクタ取出口等の実装スペースが占める割合が多くなり、新たに別な構造を実現させるためのスペースを確保するのが困難な状況にある。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、その目的とするところは、従来からある壁掛け等の取付スペースや構造を利用して、簡便に操作面の傾斜角の度調整が可能な端末装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、装置本体の下部に、脚体を、その左右のアーム部の基部で支軸により回動可能に取り付け、前記アーム部の基部にロック爪部を形成し、装置本体の底面に設けられて、この装置本体を壁面固定金具に取り付けた際の脱落防止用のフックレバーの先側に前記ロック爪部に係合するストッパー爪を形成したことを特徴とする。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明は、請求項1記載の端末装置において、前記アーム部の基部を半円形状のフランジ部にして、このフランジ部の内面に、このフランジ部の周縁に沿って複数のV溝を形成して、これらのV溝間にロック爪部を形成した。
【0011】
【作用】
本発明は、脚体を手前に向けて回転しロック爪をフックレバーのストッパー爪を乗越えて次のV溝に噛み合わせて、端末装置の荷重による支軸を中心とした脚体の回転を防いで行う。したがって、従来からある壁掛け等の取付スペースや構造を利用して操作面の傾斜角度の調整が可能になって、卓上で使用するときには、工具等を使用することなく容易に設置角度の変更ができ、ダイヤルボタン等の操作性及び液晶表示器の視認性が向上できる効果がある。また、端末装置を梱包輸送するときや壁面取付けを行うときは邪魔になることがなく、また、不要時には別ピースにならないので紛失する恐れがない。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明に係わる電話機の外観を示す斜視図、図2は同電話機の右側面図、図3は同電話機の底面図、図4は同電話機の脚体の斜視図、図5は脚体取付部に脚体を取り付ける前の状態の部分詳細図、図6は脚体取付部の部分詳細図、図7は脚体取付部に脚体を取り付けた状態の部分断面図、図8は本発明に係わる電話機の壁面固定金具に取付けた状態の右側面図である。
【0013】
本発明に係わる端末装置としての電話機Tは上ケース1と下ケース2とからなる装置本体Aを備えている。この装置本体Aの上ケース1にはパネル操作面3が設けてあり、このパネル操作面3はダイヤルボタン3−1、ファンクションキー3−2、液晶表示器3−3等により構成されている。また、電話機Tの表面にハンドセット4が着脱可能に設けてある。
【0014】
前記下ケース2の底面部には、その中央部後側(図3において上部)に位置させて突出部5が突出形成されており、この突出部5の左、右側端面には軸受孔7が形成してある。また、下ケース2の底面部には、前記突出部5の左、右方に位置させてフック係止孔8が、また、下ケース2の底面部の前側左右(図3において下部左右)にはフック係止孔9がそれぞれ形成してある。
【0015】
また、前記下ケース2の底面部には、前記突出部5の左、右方に位置させて側面略三角状のストッパーブロック6と、フックレバー10とが形成してある。このストッパーブロック6は、その下面に案内面6aを有している。また、前記フックレバー10は元来図8に示すように電話機Tを壁面固定金具11に取付ける際の脱落防止用片持ち梁形状のレバーであり、強度を上げるためレバーの幅を広くし、先端部にはストッパー爪10−1が、外側には操作部10−3がそれぞれ設けてある。また、右側(図3においては左側)のフックレバー10には、ストッパー爪10−1、操作部10−3の他にロック爪10−2が形成してある。
【0016】
また、前記下ケース2の底面部には角度調整機構Bが設けてある。この角度調整機構Bは脚体12を備えており、この脚体12は図4に示すようにコ字形状をしていて、左右のアーム部12−1の基部内面には支軸13が形成してあり、また、アーム部12−1の基部は半円形状にしてあり、この半円形状のフランジ部12−2の内面にはV溝14と、V溝14間に位置するロック爪部15とが形成してあり、また、左右のアーム部12−1の先部にはゴム製の接触足16が設けてある。これらの接触足16の外面は半球状に形成してある。
【0017】
そして、このように構成された脚体12は、左右の支軸13が前記突出部5の左、右側端面の軸受孔7に挿入されて前記下ケース2に取り付けてある。この場合、前記脚体12は合成樹脂製であり、その弾性範囲内で広げることが可能である。したがって、前記下ケース2の軸受孔7間の横幅寸法W1に対し、脚体12のアーム部12ー1間の内側寸法W3はW1>W3であるが、アーム部12ー1を外方へ撓ませることができるので一時的にW3≧W1となり、前記支軸13は、前記軸受孔7に容易に挿入される。この時、内側寸法W2は軸受孔7間の横幅寸法W1に対し(数1)とし、挿入後に左右方向に隙間が発生しないようにする。そして、前記アーム部12−1の基部のフランジ部12−2は前記フランジ部収容溝6に位置している。
【数1】
【0018】
パネル操作面3の角度調整は、前記フックレバー10を利用し、前記脚体12の固定角度を変えるものである。すなわち、卓上等の設置面Lに対する電話機Tのパネル操作面3の傾斜角度が、角度調整機構Bの影響を受けない状態の時をθ0とし、角度調整機構Bにより傾斜を付けた場合はθN(N=1,2,3……)とすると、傾斜角度がθ0の状態では、前記脚体12のアーム部12ー1が下ケース2のストッパーブロック6に係脱可能に係止し、脚体12が電話機Tの荷重により支軸13を中心に回転するのを防いでおり、かつアーム部12−1の基部のV溝14の平坦部14ー1にフックレバー10がその弾性力で当接するので、電話機T全体を持ち上げた時に脚体12が自重で電話機Tの手前方向へ回転して戻るのも押える。
【0019】
パネル操作面3の傾斜角度がθ0からθ1(θ0=15°,θ1=25°)の状態にするには、脚体12を電話機Tの手前に向けて回転しV溝14間のロック爪15がフックレバー10のストッパー爪10−1を乗越えて次のV溝14に噛み合い、電話機Tの荷重による支軸13を中心とした脚体12の回転を防ぐ。また、パネル操作面3の傾斜角度がθ0時と同様にV溝14の平坦部14ー1へのフックレバー10の当接により脚体12の自重による戻りも押えられる。
【0020】
上記した実施例ではV溝14が2段階の切替えになっているが、さらに、パネル操作面3の傾斜角度をθ2、θ3……と段階的に切替えたい場合はV溝14の数を増やすことにより可能となる。ただし、この時、すべり止メ用の接触足16は、パネル操作面3の傾斜角度の変化に追従できるよう外面形状を半球状にしてあるので、V溝14の追加によりパネル操作面3の傾斜角度を変えても、常に接触足16の円周面が設置面Lに有効に接するようV溝14の位置を設定する必要がある。
【0021】
前記脚体12の基部の半円形のフランジ部12ー2は脚体12の側面のデザイン上のポイントであると同時に、支軸13に対し偏心させることにより、脚体12を畳んだ状態での支軸13の軸受孔7への挿入を可能とし、傾斜角度θ0、θNの状態では下ケース2のストッパーブロック6の案内面6aに案内されるため、脚体12の広がりを押え、支軸7の抜けを防止する働きがある。
【0022】
逆に、パネル操作面3の傾斜角度をθ1からθ0の状態へ戻す場合は、前記フックレバー10の操作部10−3を押し、ストッパー爪10−1のロックを解除しながら、脚体12をθ0の方向へ回転させればよい。
【0023】
次に電話機Tを壁面Cに取付ける場合は、図8に示すように下ケース2のフック係止孔8および9に壁面固定金具11の上フック11−1および下フック11−2をそれぞれ入れながら下方向に電話機Tを摺動させると、壁面固定金具11の係止部11−3を、フックレバー10上のロック爪10−2が乗越えて逆方向に摺動しなくなり、壁面Cに固定後の電話機Tを脱落防止する。この時、前記脚体12は畳んだ状態の位置にあり、壁面固定金具11の取付けの防げにはならない。
【0024】
電話機Tを壁面固定金具11から取外す場合は、前記フックレバー10の操作部10−3を押して、このレバー10を撓ませ、係止部11−3へのロック爪10−2の掛りを外して行う。
【0025】
また、電話機Tを梱包輸送するときも、壁面Cへの取付け時と同様に下ケース2側に脚体12を畳み込んだ状態で可能となり、梱包箱の構造、形状を簡易コンパクトなものにできる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明は、装置本体の下部に、脚体を、その左右のアーム部の基部で支軸により回動可能に取り付け、前記アーム部の基部にロック爪部を形成し、装置本体の底面に設けられて、この装置本体を壁面固定金具に取り付けた際の脱落防止用のフックレバーの先側に前記ロック爪部に係合するストッパー爪を形成したから、脚体を手前に向けて回転しロック爪をフックレバーのストッパー爪を乗越えて次のV溝に噛み合わせて、端末装置の荷重による支軸を中心とした脚体の回転を防いで行う。したがって、梱包時や壁面固定時には邪魔にならず、卓上で使用するときには特殊な工具を必要とせず、容易に操作面の角度調整ができて、ダイヤルボタン類の操作性や液晶表示器の視認性を向上させることができるので、簡易に設置環境との調和を図る効果が得られる。
【0028】
また、請求項2に係わる発明は、請求項1記載の端末装置において、前記アーム部の基部を半円形状のフランジ部にして、このフランジ部の内面に、このフランジ部の周縁に沿って複数のV溝を形成して、これらのV溝間にロック爪部を形成したから、前記脚体の基部の半円形のフランジ部は脚体の側面のデザイン上のポイントであり、端末装置全体の外観意匠を審美性あるものにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】同電話機の右側面図である。
【図3】同電話機の底面図である。
【図4】同電話機の脚体の斜視図である。
【図5】脚体取付部に脚体を取り付ける前の状態の部分詳細図である。
【図6】脚体取付部の部分詳細図である。
【図7】脚体取付部に脚体を取り付けた状態の部分断面図である。
【図8】本発明に係わる電話機の壁面固定金具に取付けた状態の右側面図である。
【図9】従来の電話機の右側面図である。
【符号の説明】
1 上ケース(装置本体)
2 下ケース(装置本体)
3 パネル操作面(操作面)
3−1 ダイヤルボタン
3−3 液晶表示器
6 ストッパーブロック
7 軸受孔
11 壁面固定金具
10 フックレバー
10−1 ストッパー爪
10−2 ロック爪
10−3 操作部
11 壁面固定金具
12−1 アーム部
12−2 フランジ部
13 支軸軸
14 V溝
16 接触足
Claims (2)
- 装置本体の下部に、脚体を、その左右のアーム部の基部で支軸により回動可能に取り付け、前記アーム部の基部にロック爪部を形成し、装置本体の底面に設けられて、この装置本体を壁面固定金具に取り付けた際の脱落防止用のフックレバーの先側に前記ロック爪部に係合するストッパー爪を形成したことを特徴とする端末装置。
- 前記アーム部の基部を半円形状のフランジ部にして、このフランジ部の内面に、このフランジ部の周縁に沿って複数のV溝を形成して、これらのV溝間にロック爪部を形成した請求項2記載の端末装置。
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