JP3549216B2 - 液晶デバイス用基板の洗浄装置および液晶デバイス用基板の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶デバイスの製造工程において用いる液晶デバイス用基板の洗浄装置および液晶デバイス用基板の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体集積回路、液晶デバイス等の製造工程においては、多数回の洗浄工程が必要である。洗浄工程の実施形態としては、以下に述べるような洗浄があり、実に多種多様である。
【0003】
第1の例としては、写真食刻工程における感光性樹脂を塗布する前の塗布前洗浄があり、これは所望の感光性樹脂パターンの形成に障害となる大小の付着したパーティクルやダスト、異物の除去が主目的である。
【0004】
第2の例としては、製膜工程における製膜前の洗浄があり、これはピンホールや膜剥がれのない製膜に障害となる大小の付着したパーティクルやダスト、異物の除去に加えて、膜の密着性を強化するための表面改質と多層配線構造において上下の導電性パターン間に接触(コンタクト)不良が生じないように下地の導電膜表面の酸化膜を除去するための表面処理とがあり、複数の目的を有している。
【0005】
第3の例としては、食刻後および感光性樹脂の剥離後の洗浄があり、これは主としてこれらの処理に使用した薬液と剥離液中に残存する未分解の感光性樹脂の除去を目的としている。この他の洗浄を必要とする工程については、ここでは省略する。
【0006】
上記した洗浄工程においては、何れも洗浄の最終工程では純水を使用するのが一般的であり、写真食刻時の現像プロセスや食刻プロセスにおいては純水を基板上にシャワーまたはスプレー状に吹き付けるようにして1枚ずつ連続的に処理する製造装置が量産工場では多用される。
【0007】
図2はこのような洗浄装置の概略の構成図を示す。洗浄装置としての構成では、処理室1、水洗室2および乾燥室3が最低限の構成要素であり、薬液処理時間が長くなる場合には処理室を2段にしたり、処理液の水洗室への持ち出し量を低下させるために処理室と水洗室との間に液切り室を設ける等の設計的手法が加味されることは公知である。
【0008】
以下に簡単に装置の構成内容を説明すると、薬液循環ポンプ4、薬液中のダストまたはパーティクルを除去するためのフィルタ5および流量調整用のバルブ6よりなる配管系7と、液を噴射するノズル8、処理室1、処理室底部に設けられた薬液回収配管9および薬液循環タンク10とで閉ループを構成して薬液11を循環使用する構成が代表的である。
【0009】
ストップバルブ12を有する配管系13は循環タンク10に薬液11を供給するための薬液供給配管であり、図示はしないが例えば別に設置された供給タンクからN2加圧で圧送によって新規な薬液が循環タンク10に供給される。同じくストップバルブ14を有する配管系15は使用済の薬液11を外部に廃棄するための薬液廃棄配管であり、図示はしないが別に設置された廃液タンク等に移し替えてから産業廃棄物として処理する等の手続きがなされる。
【0010】
水洗室2では基板に付着している薬液を洗い流すために一般的には適度な純度の純水が必要なので、流量調整用バルブ16を有する純水供給配管17が設けられ、配管の先端には純水を噴射するノズル18が配置される。19は基板を水洗した処理水の排水管であり、純水洗浄の初期には微量ではあるが排水中に薬液が含まれるので、通常は公害対策のための処理を施してから工場排水として廃棄される。水洗室を2段構成とし、第1の水洗室の処理水は上記したように処理し、第2の水洗室の処理水は純度が高いので回収して再び他の目的の純水として、あるいは純水製造装置への原水として使用するなどの省資源の取り組みも最近では取り入られることが多くなってきたようである。
【0011】
ただ単純に基板に純水を噴射するだけでなく、噴射する純水に超音波を重畳させたり、高圧の噴射ジェットにしたりして物理的な力で基板に付着した異物やパーティクルの除去能力を高めることも最新の洗浄機では導入が定着しつつある。
【0012】
乾燥室3では水洗後の濡れた基板を乾燥するために、圧力計20と流量調整用バルブ21を有するドライエアまたは窒素ガス等の乾燥ガス供給配管22が設けられ、配管の先端には上記乾燥ガスを基板上にシート状に噴射するノズル23が配置される。24は乾燥室3内でノズル23によって凝集した水を廃棄するための排水管である。このように乾燥したガスを基板に吹き付けて乾燥する方式は別名エアナイフとも呼ばれる。エアナイフ以外にもIPA等の速乾性の有機溶剤を用いた置換型乾燥や基板を高速回転させながら乾燥するスピン乾燥があるが、ここでは説明は省略する。なお、ノズル18および23は基板上のみならず基板下からも噴射するのが効率的であり、かつ一般的である。なお25は基板の搬送ラインで、基板の搬送機構や処理室や水洗室との間に設置されるゲートバルブやエアカーテン等の干渉防止機構も図面上では省略している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような洗浄装置は、液晶デバイスの分野ではごく最近までは主としてTFT基板の製造工程において使用され、液晶パネル組立工程においては、TFT基板と対向基板の2つの基板を対象としてパネル組立工程の投入洗浄または受け入れ洗浄として使用されていたにすぎなかった。
【0014】
しかしながら、最近では配向膜のラビングによる配向処理後にラビング布から転写された繊維、異物および汚れを除去するために純水を使う洗浄の導入が必須となりつつある。この場合の洗浄工程においては、純水だけでは目的の達成が困難であるので然るべき薬品の併用が検討されているが、非常にデリケートな配向処理を受けた基板であるので種々の制約があり、半導体産業で確立した例えば硫酸またはアンモニア水に過酸化水素水を添加した、いわゆるRCA洗浄のようなものはないのが現状である。本発明者の知る限りにおいては、処理薬液としては数%程度のIPAを添加した純水や界面活性剤を含んだ中性洗剤が用いられているに過ぎない。
【0015】
このような化学的活性度の低い薬品では異物やダストの除去に効果はあっても汚れに対しては実効が上がらず、またIPAや中性洗剤は純水に溶けても電離しないために純水による洗浄水の抵抗値を測定してもこれらの薬品の混入度合いを測定することができず、何れの場合も洗浄不良の結果として液晶パネルの長期的な使用または高温時の使用時に液晶パネルに染みあるいは斑状の画像欠陥が発生するという品質管理面では重要な課題を抱えている。
【0016】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたもので、洗浄に使用した純水中に含まれる汚れ、不純物とりわけ有機性物質を検知することが可能な液晶デバイス用基板の洗浄装置および洗浄方法を提供することにより品質管理の強化を図ることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明においては、洗浄槽からの排水管内の排水に紫外線またはX線の高エネルギーの光を照射する機構と、照射後の排水からの発光を検知する光センサーまたは排水の抵抗値を測定する抵抗測定機とを設けたものである。
【0018】
【作用】
本発明によれば、液晶デバイス用基板を洗浄した純水に含まれる有機性物質は高エネルギー光の照射によって励起され、発光したりまたは電離するので、前者の場合には発光を検知する光センサーによって、また後者の場合には電離した有機性物質が純水中で溶けて純水の抵抗値を低下させるので純水の抵抗値を測定することにより、排水中の、すなわち液晶デバイス用基板上の有機性物質の存在を定量的に計測することが可能となる。
【0019】
【実施例】
図1に本発明による洗浄装置の概略構成図を示す。図2の従来例との差異は、水洗室2からの排水に高エネルギー光源30からの高エネルギー光、例えば紫外線やX線を照射するための機構と高エネルギー光を照射された排水からの発光を検知するための光センサー31とを排水管19の外側に対向して設けた点と、排水の抵抗値を測定するための純水比抵抗測定機33を設けた点にある。
【0020】
第1の差異は具体的には、排水管19の一部に紫外線に対して透明度の高い例えば石英やサファイア製の管材を使用することと、同部位と排水からの発光を検知する光センサー31と高エネルギー光源30とを不透明性材質で作製した遮光容器32内に配置することによって達成される。これは有機性物質の排水内の含有量が少なく、従って発光量が少なくなるので外部光による検出感度の低下を回避するための設計であり、光センサー31と高エネルギー光源30との位置関係も高エネルギー光が直接光センサー31を直射しないように例えば照射中心から90度ずらして配置する光学設計を採用している。
【0021】
第2の差異は具体的には、排水管の内部に排水の抵抗値を測定するための電極を配置したことである。
【0022】
以上述べた洗浄装置の構成によれば、液晶デバイス用基板の洗浄に使用された排水内に溶解または残存している有機性物質は高エネルギー光の照射を受けて励起状態になり、発光したり、電離する。発光するか電離するかは高エネルギー光の有するエネルギーと有機性物質の物理、化学的な構造に依存しているので、具体的にはラビング布の材質、ラビング布の洗浄に使用した有機性溶剤、配向膜材料および処理室1で使用する薬液11等を考慮して高エネルギーの光源を決定する必要がある。
【0023】
高エネルギー光の照射によって排水からの発光がある場合には、光センサー31での受光量から、また有機性物質が電離する場合には排水の抵抗値が低下するので比抵抗測定機33による排水の抵抗値から、何れの場合も排水内に含まれる有機性物質の残存または溶解量を定量することが可能である。この測定結果に基づき処理室1内における薬液処理時間を長くして、あるいは水洗室2内における純水処理時間を長くするなどの処置により液晶デバイス用基板の洗浄を強化することができる。
【0024】
なお、本実施例における抵抗値検知手段においては、排水に含まれる有機性物質の検知を目的としているため、排水に溶解して簡単に電離する炭酸ガスは排水の近傍に存在させてはならない。そのためには水洗室2内は不活性ガスである窒素ガスでパージする配慮が必要である。
【0025】
なお、洗浄装置としてシャワーまたはスプレー状に純水を噴射する枚葉処理のものを取り上げて説明したが、カセット等の収納容器に複数枚の基板を収納して同時に処理するバッチ型の洗浄装置においても、カセット材質からの溶解成分が存在しなければ、本発明の有効性は損なわれるものではないことは明らかである。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による液晶デバイス用基板の洗浄装置は、有機性物質の存在を定量化する機能を有しており、強力な薬品洗浄を実行できない液晶パネルの組立工程におけるラビング後洗浄等のように有機性物質による汚染が生じ易い工程において極めて有用である。本発明の実施によって完成直後の液晶パネルでは観測されないが高温動作または長期使用時に発生する各種の有機性汚染による染みや斑等の画像欠陥を防止できるようになり、品質確保の面からその工業的価値は大きい。そして宇宙環境や地球環境にも優しい技術として環境保護の観点からも重要な管理技術(環境保護マネジメント)であることは言うまでも無い。
【0027】
また本実施例における抵抗値検知手段においては、排水の抵抗値を測定する機能が与えられているので、本発明の対象とした有機性物質に限らず、無機性物質による汚染も検知可能である。また一般的に無機性物質は純水に溶解してイオン化し易いので汚染または混入の程度を検知するのは容易であるが、本発明のように高エネルギー光を照射すれば発光または電離する性質はイオン化しにくい無機性物質においても当てはまるので、無機性物質による汚染種の対象が拡張できたこと、すなわち汚染検出能力が向上したことと等価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶デバイス用基板の洗浄装置の一実施例の概略構成図
【図2】従来の洗浄装置の概略構成図
【符号の説明】
1 (薬液)処理室
2 水洗室
3 乾燥室
4 循環ポンプ
5 フィルタ
6、16、21 流量調整バルブ
8 薬液噴射ノズル
9 薬液回収配管
13 薬液供給配管
15 薬液廃棄配管
17 純水供給配管
18 純水噴射ノズル
22 乾燥ガス供給配管
23 エア噴射ノズル
25 基板搬送ライン
30 高エネルギー光源
31 光センサー
32 遮光容器
33 純水比抵抗測定機
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶デバイスの製造工程において用いる液晶デバイス用基板の洗浄装置および液晶デバイス用基板の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体集積回路、液晶デバイス等の製造工程においては、多数回の洗浄工程が必要である。洗浄工程の実施形態としては、以下に述べるような洗浄があり、実に多種多様である。
【0003】
第1の例としては、写真食刻工程における感光性樹脂を塗布する前の塗布前洗浄があり、これは所望の感光性樹脂パターンの形成に障害となる大小の付着したパーティクルやダスト、異物の除去が主目的である。
【0004】
第2の例としては、製膜工程における製膜前の洗浄があり、これはピンホールや膜剥がれのない製膜に障害となる大小の付着したパーティクルやダスト、異物の除去に加えて、膜の密着性を強化するための表面改質と多層配線構造において上下の導電性パターン間に接触(コンタクト)不良が生じないように下地の導電膜表面の酸化膜を除去するための表面処理とがあり、複数の目的を有している。
【0005】
第3の例としては、食刻後および感光性樹脂の剥離後の洗浄があり、これは主としてこれらの処理に使用した薬液と剥離液中に残存する未分解の感光性樹脂の除去を目的としている。この他の洗浄を必要とする工程については、ここでは省略する。
【0006】
上記した洗浄工程においては、何れも洗浄の最終工程では純水を使用するのが一般的であり、写真食刻時の現像プロセスや食刻プロセスにおいては純水を基板上にシャワーまたはスプレー状に吹き付けるようにして1枚ずつ連続的に処理する製造装置が量産工場では多用される。
【0007】
図2はこのような洗浄装置の概略の構成図を示す。洗浄装置としての構成では、処理室1、水洗室2および乾燥室3が最低限の構成要素であり、薬液処理時間が長くなる場合には処理室を2段にしたり、処理液の水洗室への持ち出し量を低下させるために処理室と水洗室との間に液切り室を設ける等の設計的手法が加味されることは公知である。
【0008】
以下に簡単に装置の構成内容を説明すると、薬液循環ポンプ4、薬液中のダストまたはパーティクルを除去するためのフィルタ5および流量調整用のバルブ6よりなる配管系7と、液を噴射するノズル8、処理室1、処理室底部に設けられた薬液回収配管9および薬液循環タンク10とで閉ループを構成して薬液11を循環使用する構成が代表的である。
【0009】
ストップバルブ12を有する配管系13は循環タンク10に薬液11を供給するための薬液供給配管であり、図示はしないが例えば別に設置された供給タンクからN2加圧で圧送によって新規な薬液が循環タンク10に供給される。同じくストップバルブ14を有する配管系15は使用済の薬液11を外部に廃棄するための薬液廃棄配管であり、図示はしないが別に設置された廃液タンク等に移し替えてから産業廃棄物として処理する等の手続きがなされる。
【0010】
水洗室2では基板に付着している薬液を洗い流すために一般的には適度な純度の純水が必要なので、流量調整用バルブ16を有する純水供給配管17が設けられ、配管の先端には純水を噴射するノズル18が配置される。19は基板を水洗した処理水の排水管であり、純水洗浄の初期には微量ではあるが排水中に薬液が含まれるので、通常は公害対策のための処理を施してから工場排水として廃棄される。水洗室を2段構成とし、第1の水洗室の処理水は上記したように処理し、第2の水洗室の処理水は純度が高いので回収して再び他の目的の純水として、あるいは純水製造装置への原水として使用するなどの省資源の取り組みも最近では取り入られることが多くなってきたようである。
【0011】
ただ単純に基板に純水を噴射するだけでなく、噴射する純水に超音波を重畳させたり、高圧の噴射ジェットにしたりして物理的な力で基板に付着した異物やパーティクルの除去能力を高めることも最新の洗浄機では導入が定着しつつある。
【0012】
乾燥室3では水洗後の濡れた基板を乾燥するために、圧力計20と流量調整用バルブ21を有するドライエアまたは窒素ガス等の乾燥ガス供給配管22が設けられ、配管の先端には上記乾燥ガスを基板上にシート状に噴射するノズル23が配置される。24は乾燥室3内でノズル23によって凝集した水を廃棄するための排水管である。このように乾燥したガスを基板に吹き付けて乾燥する方式は別名エアナイフとも呼ばれる。エアナイフ以外にもIPA等の速乾性の有機溶剤を用いた置換型乾燥や基板を高速回転させながら乾燥するスピン乾燥があるが、ここでは説明は省略する。なお、ノズル18および23は基板上のみならず基板下からも噴射するのが効率的であり、かつ一般的である。なお25は基板の搬送ラインで、基板の搬送機構や処理室や水洗室との間に設置されるゲートバルブやエアカーテン等の干渉防止機構も図面上では省略している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような洗浄装置は、液晶デバイスの分野ではごく最近までは主としてTFT基板の製造工程において使用され、液晶パネル組立工程においては、TFT基板と対向基板の2つの基板を対象としてパネル組立工程の投入洗浄または受け入れ洗浄として使用されていたにすぎなかった。
【0014】
しかしながら、最近では配向膜のラビングによる配向処理後にラビング布から転写された繊維、異物および汚れを除去するために純水を使う洗浄の導入が必須となりつつある。この場合の洗浄工程においては、純水だけでは目的の達成が困難であるので然るべき薬品の併用が検討されているが、非常にデリケートな配向処理を受けた基板であるので種々の制約があり、半導体産業で確立した例えば硫酸またはアンモニア水に過酸化水素水を添加した、いわゆるRCA洗浄のようなものはないのが現状である。本発明者の知る限りにおいては、処理薬液としては数%程度のIPAを添加した純水や界面活性剤を含んだ中性洗剤が用いられているに過ぎない。
【0015】
このような化学的活性度の低い薬品では異物やダストの除去に効果はあっても汚れに対しては実効が上がらず、またIPAや中性洗剤は純水に溶けても電離しないために純水による洗浄水の抵抗値を測定してもこれらの薬品の混入度合いを測定することができず、何れの場合も洗浄不良の結果として液晶パネルの長期的な使用または高温時の使用時に液晶パネルに染みあるいは斑状の画像欠陥が発生するという品質管理面では重要な課題を抱えている。
【0016】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたもので、洗浄に使用した純水中に含まれる汚れ、不純物とりわけ有機性物質を検知することが可能な液晶デバイス用基板の洗浄装置および洗浄方法を提供することにより品質管理の強化を図ることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明においては、洗浄槽からの排水管内の排水に紫外線またはX線の高エネルギーの光を照射する機構と、照射後の排水からの発光を検知する光センサーまたは排水の抵抗値を測定する抵抗測定機とを設けたものである。
【0018】
【作用】
本発明によれば、液晶デバイス用基板を洗浄した純水に含まれる有機性物質は高エネルギー光の照射によって励起され、発光したりまたは電離するので、前者の場合には発光を検知する光センサーによって、また後者の場合には電離した有機性物質が純水中で溶けて純水の抵抗値を低下させるので純水の抵抗値を測定することにより、排水中の、すなわち液晶デバイス用基板上の有機性物質の存在を定量的に計測することが可能となる。
【0019】
【実施例】
図1に本発明による洗浄装置の概略構成図を示す。図2の従来例との差異は、水洗室2からの排水に高エネルギー光源30からの高エネルギー光、例えば紫外線やX線を照射するための機構と高エネルギー光を照射された排水からの発光を検知するための光センサー31とを排水管19の外側に対向して設けた点と、排水の抵抗値を測定するための純水比抵抗測定機33を設けた点にある。
【0020】
第1の差異は具体的には、排水管19の一部に紫外線に対して透明度の高い例えば石英やサファイア製の管材を使用することと、同部位と排水からの発光を検知する光センサー31と高エネルギー光源30とを不透明性材質で作製した遮光容器32内に配置することによって達成される。これは有機性物質の排水内の含有量が少なく、従って発光量が少なくなるので外部光による検出感度の低下を回避するための設計であり、光センサー31と高エネルギー光源30との位置関係も高エネルギー光が直接光センサー31を直射しないように例えば照射中心から90度ずらして配置する光学設計を採用している。
【0021】
第2の差異は具体的には、排水管の内部に排水の抵抗値を測定するための電極を配置したことである。
【0022】
以上述べた洗浄装置の構成によれば、液晶デバイス用基板の洗浄に使用された排水内に溶解または残存している有機性物質は高エネルギー光の照射を受けて励起状態になり、発光したり、電離する。発光するか電離するかは高エネルギー光の有するエネルギーと有機性物質の物理、化学的な構造に依存しているので、具体的にはラビング布の材質、ラビング布の洗浄に使用した有機性溶剤、配向膜材料および処理室1で使用する薬液11等を考慮して高エネルギーの光源を決定する必要がある。
【0023】
高エネルギー光の照射によって排水からの発光がある場合には、光センサー31での受光量から、また有機性物質が電離する場合には排水の抵抗値が低下するので比抵抗測定機33による排水の抵抗値から、何れの場合も排水内に含まれる有機性物質の残存または溶解量を定量することが可能である。この測定結果に基づき処理室1内における薬液処理時間を長くして、あるいは水洗室2内における純水処理時間を長くするなどの処置により液晶デバイス用基板の洗浄を強化することができる。
【0024】
なお、本実施例における抵抗値検知手段においては、排水に含まれる有機性物質の検知を目的としているため、排水に溶解して簡単に電離する炭酸ガスは排水の近傍に存在させてはならない。そのためには水洗室2内は不活性ガスである窒素ガスでパージする配慮が必要である。
【0025】
なお、洗浄装置としてシャワーまたはスプレー状に純水を噴射する枚葉処理のものを取り上げて説明したが、カセット等の収納容器に複数枚の基板を収納して同時に処理するバッチ型の洗浄装置においても、カセット材質からの溶解成分が存在しなければ、本発明の有効性は損なわれるものではないことは明らかである。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による液晶デバイス用基板の洗浄装置は、有機性物質の存在を定量化する機能を有しており、強力な薬品洗浄を実行できない液晶パネルの組立工程におけるラビング後洗浄等のように有機性物質による汚染が生じ易い工程において極めて有用である。本発明の実施によって完成直後の液晶パネルでは観測されないが高温動作または長期使用時に発生する各種の有機性汚染による染みや斑等の画像欠陥を防止できるようになり、品質確保の面からその工業的価値は大きい。そして宇宙環境や地球環境にも優しい技術として環境保護の観点からも重要な管理技術(環境保護マネジメント)であることは言うまでも無い。
【0027】
また本実施例における抵抗値検知手段においては、排水の抵抗値を測定する機能が与えられているので、本発明の対象とした有機性物質に限らず、無機性物質による汚染も検知可能である。また一般的に無機性物質は純水に溶解してイオン化し易いので汚染または混入の程度を検知するのは容易であるが、本発明のように高エネルギー光を照射すれば発光または電離する性質はイオン化しにくい無機性物質においても当てはまるので、無機性物質による汚染種の対象が拡張できたこと、すなわち汚染検出能力が向上したことと等価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶デバイス用基板の洗浄装置の一実施例の概略構成図
【図2】従来の洗浄装置の概略構成図
【符号の説明】
1 (薬液)処理室
2 水洗室
3 乾燥室
4 循環ポンプ
5 フィルタ
6、16、21 流量調整バルブ
8 薬液噴射ノズル
9 薬液回収配管
13 薬液供給配管
15 薬液廃棄配管
17 純水供給配管
18 純水噴射ノズル
22 乾燥ガス供給配管
23 エア噴射ノズル
25 基板搬送ライン
30 高エネルギー光源
31 光センサー
32 遮光容器
33 純水比抵抗測定機
Claims (2)
- 処理薬液を用いて、配向膜が形成された液晶デバイス用基板を洗浄する処理室と、
前記配向膜が形成された液晶デバイス用基板に付着した前記処理薬液を純水を用いて洗い流す水洗室とを備える液晶デバイス用基板の洗浄装置であって、
前記洗浄槽からの排水管に前記排水管内の排水に対して紫外線またはX線を照射する光源と前記紫外線またはX線が照射された排水の抵抗値を測定する抵抗測定機とを設け、前記抵抗測定機の出力により前記配向膜が形成された液晶デバイス用基板の洗浄状態を検知し、この検知した洗浄状態に基づき前記処理室における薬液処理時間を調整する液晶デバイス用基板の洗浄装置。 - 処理室において処理薬液を用いて、配向膜が形成された液晶デバイス用基板を洗浄した後、前記液晶デバイス用基板に付着した前記処理薬液を純水を用いて洗い流すにあたり、前記洗浄槽からの排水管内の排水に紫外線またはX線を照射して当該排水の抵抗値を測定することにより前記配向膜が形成された液晶デバイス用基板の洗浄状態を検知し、この検知した洗浄状態に基づき、前記処理室における薬液処理時間を調整する液晶デバイス用基板の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30201992A JP3549216B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 液晶デバイス用基板の洗浄装置および液晶デバイス用基板の洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP30201992A JP3549216B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 液晶デバイス用基板の洗浄装置および液晶デバイス用基板の洗浄方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06151400A JPH06151400A (ja) | 1994-05-31 |
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ID=17903923
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1992
- 1992-11-12 JP JP30201992A patent/JP3549216B2/ja not_active Expired - Fee Related
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