JP3158840B2 - ウェット処理装置 - Google Patents

ウェット処理装置

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JP3158840B2
JP3158840B2 JP02725394A JP2725394A JP3158840B2 JP 3158840 B2 JP3158840 B2 JP 3158840B2 JP 02725394 A JP02725394 A JP 02725394A JP 2725394 A JP2725394 A JP 2725394A JP 3158840 B2 JP3158840 B2 JP 3158840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウェット処理装置に関
し、特に半導体基板の化学処理や洗浄を行うウェット処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】処理液を用いて半導体基板の洗浄等の化
学処理を行う場合、半導体基板表面に付着している不純
物を除去するとともに不純物の再付着を防止することが
重要である。従来のウェット処理装置においては、ウェ
ット処理後にウェーハキャリアを他の処理槽に移す際
に、処理液がクリーンルーム雰囲気中に飛散し、種類の
異なる処理液中に混入することがあった。そこで、かか
る問題を回避すべく、特開平2−10728号公報に係
るウェット処理装置が案出された。このウェット処理装
置によれば、N2ガスを用いて気流を起こし、この気流
を雰囲気ダクトへ強制的に排出することによりクリーン
ルーム雰囲気中に処理液を拡散させないようにしてい
る。
【0003】また、近代工業の発達に伴い急速な勢いで
産業廃棄物が増加しており、地球環境保護の立場から資
源を有効利用するため処理液を再利用する必要性が高ま
っている。従来より、半導体基板の化学処理および洗浄
に用いる処理液としては高濃度かつ多量の酸またはアル
カリが使用されている。例えば、半導体基板の洗浄方法
においては、アンモニア水(29%)/過酸化水素水
(30%)/水(1:1:10)を用い、主にパーティ
クルの除去を行い、仕上げに塩酸/過酸化水素/水
(1:1:5)を用いた洗浄を行っていた。そして、あ
る一定枚数の半導体基板の洗浄を行う毎に洗浄液を廃棄
し、新しい洗浄液に交換していた。
【0004】洗浄液のリサイクルを行うウェット処理装
置として、特開昭55−62794号公報に開示された
ものがある。このウェット処理装置にあっては、1重量
%以下の希薄な酸またはアルカリ溶液を用いるプリント
基板の洗浄液中の金属不純物を、キレート型イオン交換
樹脂を用いて除去している。そして、この金属不純物と
入れ替わりに溶出してくるナトリウムイオンをイオン交
換樹脂で除去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のウェット処理装置にあっては、以下に述べる問
題が生じていた。
【0006】上述した特開平2−10728号公報に係
るウェット処理装置にあっては、処理液の飛散を防止す
るためにN2気流を用いている。ところが、このウェッ
ト処理装置はあくまでも搬送中のウェーハキャリアから
の処理液の飛散を防止できるのみであり、洗浄時におけ
るクリーンルーム雰囲気から処理液への不純物の混入を
防止することはできない。したがって、ウェット処理時
において、クリーンルーム雰囲気から処理液へ不純物が
混入し、半導体基板上に不純物が付着する等の問題が生
じていた。
【0007】アンモニア系の洗浄液は、微粒子除去能力
に優れているが、強アルカリ性のため、洗浄液中に金属
が微量(洗浄液1g中に10-12g程度)含まれている
だけでも半導体基板表面に1×1012〜1×1013原子
/cm2の割合で金属が付着することになる。また、ク
リーンルーム雰囲気内においても粒子状の不純物は低減
されているが、フィルターを通過してしまう微細な分子
や原子の不純物は浮遊している。そしてその量は外気と
差異はほとんどない。特に、地球上での存在確率が高い
Fe,Al,Ca等の金属不純物の浮遊量は多い。最近
では、処理液の原料である個々の薬液の純度は向上して
おり、金属の混入はクリーンルーム雰囲気もしくは被洗
浄物からの溶出が主な原因となっている。したがって、
この原因の一つである、クリーンルーム雰囲気から処理
液への不純物の混入を防止することは極めて重要であっ
た。
【0008】また、上述した特開昭55−62794号
公報でのキレート型イオン交換樹脂を利用するウェット
処理装置にあっては、pHに依存しやすい親水性の樹脂
を使用している。ところで、半導体基板用の処理液に
は、Fe,Al,Ca等の金属不純物による汚染が必ず
見られるため、現在では仕上げとして金属除去効果の高
い酸による洗浄で金属不純物を除去している。このよう
な状況から、上述したキレート型イオン交換樹脂等のよ
うにpHに依存しやすい樹脂を半導体基板用の処理液に
適用することはできない。また、従来のウェット処理装
置は、主成分の濃度や不純物の濃度を監視する機能を有
していないため、イオン交換樹脂の交換、洗浄時期を正
確に把握することはできない。さらに、リサイクル後の
処理液の濃度は薬液調整後よりも若干希薄になるため、
リサイクルするごとに洗浄能力は劣化してしまう。すな
わち、従来のウェット処理装置にあっては、洗浄能力を
一定に保ちながら半導体基板用の処理液を再利用するこ
とは困難であった。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、ウェット
処理時に大気中の不純物が処理液に混入するのを防止可
能なウェット処理装置を提供することにある。また、本
発明の第2の目的は、半導体基板用の強酸性または強ア
ルカリ性の処理液を再利用可能なウェット処理装置を提
供することを目的としている。
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
半導体基板処理用の強酸性または強アルカリ性の処理液
が蓄えられた処理槽と、耐酸性または耐アルカリ性のス
チレン系の重合体を含み上記処理液を透過させることに
より上記処理液中の不純物を除去するイオン交換樹脂
と、該イオン交換樹脂に供給される処理液の不純物の濃
度を検出しイオン交換の実施または不実施の判断に供す
る不純物濃度情報を提供する不純物監視手段を備えたこ
とを特徴とするウエット処理装置である。
【0013】請求項2記載の発明は、上記不純物監視手
段は、上記処理液の光吸収スペクトルを測定することに
より上記処理液中の不純物の濃度を検出することを特徴
とする請求項1記載のウエット処理装置である。
【0014】請求項3記載の発明は、半導体基板処理用
の強酸性または強アルカリ性の処理液が蓄えられた処理
槽と、耐酸性または耐アルカリ性のスチレン系の重合体
を含み上記処理液を透過させることにより上記処理液中
の不純物を除去するイオン交換樹脂と、該イオン交換樹
脂を通過した後の処理液中の不純物の濃度を検出し上記
イオン交換樹脂の継続実施または新規交換の判断に供す
る不純物濃度情報を提供する不純物監視手段を備えたこ
とを特徴とするウエット処理装置である。
【0015】請求項4記載の発明は、上記不純物監視手
段は、上記処理液の光吸収スペクトルを測定することに
より上記処理液中の不純物の濃度を検出するとともに、
上記イオン交換樹脂に供給される処理液の不純物濃度も
測定することを特徴とする請求項5記載のウエット処理
装置である。
【0016】請求項5記載の発明は、上記処理液面を不
活性ガスで覆うガス供給手段を備えたことを特徴とする
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のウエット処理装
置である。
【0017】請求項6記載の発明は、上記イオン交換樹
脂がカチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1
〜請求項5のいずれかに記載のウエット処理装置であ
る。
【0018】請求項9記載の発明は、上記不活性ガス
は、ArガスまたはN2ガスであることを特徴とする請
求項1または請求項8記載のウェット処理装置である。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明において、ガス供給手段
は、処理槽内の処理液面を不活性ガスで覆う。処理液面
は大気に触れることはないため、大気中の不純物等が処
理液に混入するのを防止できる。したがって、本発明に
よれば、半導体基板に不純物が付着するのを回避でき
る。
【0020】
【0021】請求項1記載の発明において、不純物監視
手段は、イオン交換樹脂に供給される処理液中の不純物
濃度を検出し、イオン交換の実施または不実施を判断す
る情報を提供する。
【0022】
【0023】請求項3記載の発明において、不純物監視
手段は、イオン交換樹脂を通過した処理液中の不純物の
濃度を検出する。これにより、イオン交換樹脂の劣化を
早急に察知し、交換、洗浄時期を正確に把握することが
できる。例えば、処理液中の不純物濃度が高い場合に
は、イオン交換樹脂に多量の不純物が付着していること
が考えられる。したがって、このような場合には、イオ
ン交換樹脂を交換または洗浄することにより、イオン交
換樹脂における浄化能力を維持できる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0029】図1に本発明の第1実施例に係るウェット
処理装置の概略図を示す。ウェット処理槽8には、純水
を供給する純水供給部3と、高純度のアンモニア水を供
給するアンモニア水供給部5と、過酸化水素水供給部1
0と、ウェット処理槽8内の処理液81を排水する排水
部4とが配設されている。ウェット処理槽8内には複数
枚の半導体基板7を保持可能なウェーハキャリア6が載
置されている。また、ウェット処理槽8の下部には処理
液81を加熱する加熱機構9が設けられている。
【0030】ウェット処理槽8の開口部(上部)には、
2ガス供給部1aおよびN2ガス排出部1bが配設され
ている。N2ガス供給部1aから供給された高純度N2
スは、N2ガス排出部1bへと流れる。これにより、ウ
ェット処理槽8開口部にN2ガスのカーテン2を形成す
ることができ、処理雰囲気の不純物が処理液81に混入
するのを防止することが可能となる。N2ガス供給部1
aは流量計を備えており、一定量のN2ガスを断続的に
供給可能である。なお、N2ガスに代えてArガスを使
用してもよい。
【0031】このように構成されたウェット処理装置に
おいて、高純度アンモニア水(29%)をアンモニア水
供給部5から供給した後、純水供給部3から純水を供給
する。最後に過酸化水素水(30%)を過酸化水素水供
給部10より供給し、三種類の薬液からなる処理液81
の液面からウェット処理槽8の開口部までの距離が1c
m以下となるようにする。そして、高純度N2ガスをN2
ガス供給部1aからN2ガス排出部1bに向けて断続的
に流し、処理液81の液面の全域にわたってN2ガスの
カーテン2を形成する。この場合のN2ガスの気流は5
l/minとすることが望ましい。そして、加熱機構9
の電源を入れて、先に調合した処理液81の温度を65
℃±5℃まで高める。なお、洗浄処理ならびに純水リン
ス処理の期間中、N2ガスのカーテン2を形成しておく
ことが望ましい。
【0032】このようにして、準備した処理液81中に
被洗浄物である半導体基板7をウェーハキャリア6とと
もに処理槽8内に浸漬させ、10分間洗浄した。このと
き、処理液81の温度を65℃±5℃に維持する。洗浄
後、処理液81は排水部(ドレイン)4より排水する。
そして、純水供給部3より純水を処理槽内に供給し、純
水リンス洗浄を10分間行った。このときの純水リンス
の液温は常温である。
【0033】第1実施例に係るウェット処理装置を用い
た洗浄処理においては、N2ガスのカーテン2を形成す
ることにより、薬液調合後の高純度の処理液が大気に露
出することを防止できる。したがって、大気中からのF
e,Al,Ca等の金属不純物が処理液81中に混入す
ることを回避でき、半導体基板7上に残存する金属不純
物の量を大幅に低減することが可能となる。
【0034】第1比較例として、図1に示されたウェッ
ト処理装置を使用し、N2ガスのカーテン2を形成せず
に洗浄処理を行った。なお、処理液81および処理時間
等の条件ついては、上述した第1実施例に係る洗浄処理
と同様である。この洗浄処理は、処理液面がクリーンル
ーム雰囲気中に暴露された状態で行われるので、クリー
ンルーム雰囲気から処理液81内へのFe,Al,Ca
等の金属不純物の混入を避けることはできない。また、
このような金属不純物が処理液81内に混入した場合に
は、処理液81が強アルカリ性(pH=13.5)のた
めに、Fe,Al,Ca等の金属不純物は、処理液81
内では安定な状態で存在し難い。このため、微量の金属
不純物が半導体基板7上などに付着してしまう。
【0035】図2に第1実施例と第1比較例のそれぞれ
についての表面金属不純物濃度を示す。この図は、アン
モニア過水洗浄処理後に半導体基板7表面に残存してい
る各種金属元素をフッ酸蒸気で溶解させた後、原子吸光
分光法によって定量した結果を示している。このグラフ
から明らかなように、第1実施例に係る洗浄処理後の半
導体基板7上には、金属不純物はアンモニア過水洗浄処
理前の参照水準と同様にほとんど残存していない。これ
に対して、第1比較例における洗浄処理後の半導体基板
上には、アンモニア過水洗浄処理前の参照水準よりもは
るかに多くの金属が残存していることがわかる。そし
て、この残存する金属不純物は明らかに洗浄処理時に付
着したものと考えられる。これにより、本発明におけ
る、N2ガスのカーテン2を設けたウェット処理装置の
有効性が実証された。
【0036】図3に本発明の第2実施例に係るウェット
処理装置を示す。
【0037】処理槽8のリサイクル用の排水部11には
処理液81中の金属を除去するカチオン交換樹脂12が
配設されている。流量計を有するHe(ヘリウム)ガス
供給部13は、高純度のHeガスをカチオン交換樹脂1
2に供給、加圧するためのものである。カチオン交換樹
脂12により金属を除去された処理液81は、アンモニ
ア水供給部5から再度処理槽8内に供給される構成とな
っている。なお、電気伝導度検出器14およびモニタ1
5はカチオン交換樹脂12を通過した処理液81の電気
伝導度を測定するためのものである。他の構成について
は、上述した第1実施例に係るウェット処理装置と同様
である。
【0038】アンモニア−過酸化水素水の洗浄は極微量
の金属不純物が含有しただけでも、処理液が強アルカリ
性のために、被洗浄物である半導体基板表面を汚染す
る。本実施例に係るウェット処理装置は、かかる問題を
回避せんとするものである。薬液調整後に洗浄処理に使
用した処理液81を排出部11より排出し、高純度He
ガス13により加圧(500psi)されたカチオン交換
樹脂12内を通過させる。カチオン交換樹脂12の素材
は高濃度の酸またはアルカリに耐性のあるスチレンジビ
ニルベンゼンを架橋度が約20%の割合で重合したもの
をスルホン酸で修飾したものである。図4に本実施例に
係るカチオン交換樹脂12の構造式と金属吸着反応式を
示す。
【0039】過酸化水素水は洗浄処理時に分解して水に
なっているため、イオン交換を行うカチオン樹脂12を
通過した処理液81は調合後の割合と異なったものとな
る。そこで、処理液81の主成分の濃度を把握するため
に、イオン交換処理した処理液81の一部を電気伝導度
検出器内14に注入し、純水と比較した電気伝導度に基
づき処理液81の濃度を算出する。そして、この算出結
果はモニタ15に表示される。アンモニア供給部5から
再度処理槽8にイオン交換処理した処理液を供給する際
に、濃度調節と体積調節のために少量のアンモニア水と
純水とをそれぞれアンモニア水供給口5、純水供給口3
より新たに供給する。また、薬液供給時ならびに洗浄時
に、N2ガスのカーテン2により処理液8を大気から遮
断する。その後、処理槽8内に適量の過酸化水素水を過
酸化水素水供給部10より供給し、65℃±5℃の温度
まで昇温した。
【0040】このようにして準備された処理液81を用
いて、半導体基板7を洗浄処理した。まず、ウェーハキ
ャリア6に搭載された半導体基板7を処理槽8内で10
分間浸積した。このとき、処理液81の温度は65℃±
5℃に保持した。洗浄後、処理液81は排出部11から
排出し、新たに純水供給部3より純水を処理槽8内に供
給した後、純水洗浄を10分間行った。このときの液温
は常温である。
【0041】第2実施例に係るウェット処理装置によれ
は、カチオン交換樹脂12に金属不純物等で汚染された
処理液81を通過させることにより、処理液81を清浄
化でき、処理液81の再利用が可能となる。また、処理
液81中の主成分の濃度をモニタ15等により監視でき
るので、処理液81の濃度がどれだけ希釈されたかを把
握することが可能となる。これにより、どの程度の量の
薬液を補充すればよいかを正確にとらえることができ、
リサイクルされた処理液81の濃度を常に一定に保つこ
とができる。薬液の使用量は全部廃棄した場合に比べて
アンモニア水で約10分の1に低減される。純水の場合
は、リサイクル時にはほとんど使用せず、純水リンス洗
浄のみとなるので約2分の1に低減される。
【0042】ここで、第2比較例として、図3に示され
たウェット処理装置を使用し、洗浄処理に使用した処理
液81を用いて半導体基板7を洗浄した。洗浄時におけ
る処理液8を65℃±5℃の温度に保持した。洗浄中は
第2実施例と同様にN2ガスのカーテン2で処理液8を
大気と遮断し、薬液洗浄10分、純水リンス洗浄10分
施した。
【0043】この場合の洗浄処理では、数回、半導体基
板を洗浄した処理液を使用しているため、処理液は金属
不純物等で汚染されている。また、過酸化水素水は過酸
化水素水供給口10より供給されているので、処理液温
度は単純に計算しただけでも、アンモニア水/過酸化水
素水/水(1:1:11)となり、10%弱程度の薬液
が希釈される。このため、パーティクルの洗浄能力は低
下してしまう。また、一度使用した処理液81を清浄す
ることなく使用するため、前の洗浄で半導体基板より溶
出したパーティクルを含む不純物が半導体基板7に再付
着する。当初より過酸化水素水に含有している微量の金
属不純物量がはじめの段階では無視できるものであった
としても、処理を重ねるごとに添加される過酸化水素水
が多くなり、これに伴い金属不純物量も処理液81に蓄
積されていく。したがって、この第2比較例にあって
は、半導体基板7表面に吸着する不純物量が増加するこ
とは避けられない。
【0044】図5に第2実施例と第2比較例のそれぞれ
についての金属不純物濃度を示す。この図は、アンモニ
ア過酸化水素水処理後に半導体基板上に残存している各
種金属元素をフッ酸蒸気で溶解させた後、原子吸光分光
法によって定量した結果を示している。このグラフから
明らかなように、第2実施例のウェット処理装置を用い
た洗浄処理後の半導体基板7上に残存する金属不純物
は、アンモニア過水洗浄処理前の参照水準と同様に皆無
に等しい。これに対して、第2比較例における洗浄処理
後の半導体基板7上にはアンモニア過水洗浄前の参照水
準よりもはるかに多く金属不純物が残存していることが
わかる。
【0045】また、パーティクルカウンタを用いて、第
2実施例、第2比較例ならびにアンモニア過酸化水素水
洗浄前の参照水準のそれぞれの半導体基板7上に残留す
る微粒子を測定した結果を図6に示す。このグラフから
明らかなように、第2実施例では残留する微粒子の数は
きわめて少なく、処理前と比較して大幅に減少してい
る。しかしながら、第2比較例では処理前に比べて減少
しているが、その減少量は第2実施例のそれに比べては
るかに多い。以上により、本発明のカチオン交換樹脂1
2ならびに濃度を測定するモニタ15等を備えたウェッ
ト処理装置の有効性が実証された。
【0046】図7に本発明の第3実施例に係るウェット
処理装置を示す。本実施例に係るウェット処理装置は、
カチオン交換樹脂12の前後に金属不純物のオンライン
モニタ16、17、18を有している。他の構成につい
ては、上述した第2実施例に係るウェット処理装置と同
様である。
【0047】アンモニア過酸化水素水のリサイクルとし
て、カチオン交換樹脂12を使用しているが、どのよう
な樹脂を使用してもイオン交換容量は無限ではない。リ
サイクルをさらに徹底する意味でイオン交換樹脂の劣化
を察知する必要がある。そこで、本実施例に係るウェッ
ト処理装置にあっては、カチオン交換樹脂12の前後に
不純物のモニタリングシステムを設置した。このモニタ
リングシステムは、発色供給部16と、可視検出部17
と、モニタ18とを有して構成されている。
【0048】排水部11から排水された処理液81の一
部をポンプで吸引し、これに発色供給部16から遷移金
属に有効なピリジン系の発色剤を加え発色させる。そし
て、その発色量を可視検出器16で検知する。この可視
検出部16は、1×10-9g/g以上の不純物を検出可
能なものである。カチオン交換樹脂12によるイオン交
換後の処理液81についても同様に、上述のモニタリン
グシステムにより不純物の検出を行う。
【0049】イオン交換前のモニタリングにおいて、不
純物の検出がされない場合、その処理液81はイオン交
換処理をせずに再度使用する。イオン交換前のモニタリ
ングにおいて不純物が検出された場合には、カチオン交
換樹脂12に処理液81を通過させる。そして、イオン
交換された処理液81中の不純物が検出がされない場合
には、この処理液81を再利用する。しかし、ここで不
純物が検出がされた場合には、カチオン交換樹脂12を
取り外し、カチオン交換樹脂12の洗浄を施す。洗浄液
は酸化力の強い塩素酸/塩酸/アセトニトリル混合溶液
を用いるのが好ましい。洗浄後のカチオン交換樹脂12
はウェット洗浄装置内に取り付けられ、再利用される。
このようにカチオン交換樹脂の洗浄をしたにもかかわら
ず金属の溶出が認められた場合には、新規のカチオン交
換樹脂12に交換する。
【0050】このようにして、カチオン交換樹脂12の
前後での不純物をモニタリングすることにより、洗浄処
理後の処理液をカチオン交換樹脂12へ通過させる必要
の有無、カチオン交換樹脂12の洗浄時期ならびに取り
替え時期を決定することができた。また、処理液81の
清浄を行う必要のない場合にはカチオン交換樹脂12へ
処理液81を通過させないことにより、また、一時的に
劣化したカチオン交換膜を再生利用することによりカチ
オン交換樹脂12の寿命を延ばすことができた。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るウェッ
ト処理装置によれば、N2ガスのカーテンを処理液面に
形成することにより、クリーンルームから不純物が処理
液に混入するのを回避できる。したがって、半導体基板
表面上に金属不純物が付着するのを防止でき、半導体基
板上のパーティクル等を有効に除去することが可能とな
る。また、処理液面を外界から遮断することができるた
め、クリーンルームのみならず通常の実験室レベルでの
雰囲気下においても半導体基板の洗浄処理を行うことが
可能となる。
【0052】さらに、本発明によれば、耐酸性または耐
アルカリ性のカチオン交換樹脂を用いて処理液中の不純
物の除去を行うことにより、強酸性または強アルカリ性
の処理液を再利用することが可能となる。また、洗浄さ
れた処理液の濃度等を監視することにより、再利用され
た処理液の洗浄力を一定に保つことができる。さらに
は、カチオン交換樹脂の交換時期を的確に把握すること
ができ、半導体製造コストの大幅な低減および資源の有
効利用を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るウェット処理装置を
表す図である。
【図2】本発明の第1実施例と第1比較例のそれぞれに
おけるウェット処理後の半導体基板上に残留した金属不
純物を表すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例に係るウェット処理装置を
表す図である。
【図4】本発明の第2実施例および第3実施例に係るカ
チオン交換樹脂の構造式と金属吸着反応式を表す図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例と第2比較例のそれぞれに
おけるウェット処理後の半導体基板上に残留する金属不
純物を表すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例と第2比較例のそれぞれに
おけるウェット処理後の半導体基板上に残留する微粒子
数を表すグラフである。
【図7】本発明の第3実施例に係るウェット処理装置を
表す図である。
【符号の説明】
1a N2ガス供給部(ガス供給機構) 1b N2ガス排出部(ガス供給機構) 2 N2ガスのカーテン(不活性ガス) 7 半導体基板 8 処理槽 12 カチオン交換趣旨(イオン交換樹脂) 13 Heガス供給部(加圧機構) 14 電気伝導度検出器(成分監視機構) 15 モニタ(成分監視機構) 16 発色供給部(不純物監視機構) 17 可視検出部(不純物監視機構) 18 モニタ(不純物監視機構) 81 処理液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−96234(JP,A) 特開 平4−9773(JP,A) 特開 平4−151832(JP,A) 特開 平4−278529(JP,A) 特開 平5−67603(JP,A) 特開 平5−293471(JP,A) 特開 平6−260462(JP,A) 特開 平7−122531(JP,A) 実開 平4−32525(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 648 H01L 21/304 642

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板処理用の強酸性または強アル
    カリ性の処理液が蓄えられた処理槽と、耐酸性または耐
    アルカリ性のスチレン系の重合体を含み上記処理液を透
    過させることにより上記処理液中の不純物を除去するイ
    オン交換樹脂と、該イオン交換樹脂に供給される処理液
    の不純物の濃度を検出しイオン交換の実施または不実施
    の判断に供する不純物濃度情報を提供する不純物監視手
    段を備えたことを特徴とするウエット処理装置。
  2. 【請求項2】上記不純物監視手段は、上記処理液の光吸
    収スペクトルを測定することにより上記処理液中の不純
    物の濃度を検出することを特徴とする請求項1記載のウ
    エット処理装置。
  3. 【請求項3】半導体基板処理用の強酸性または強アルカ
    リ性の処理液が蓄えられた処理槽と、耐酸性または耐ア
    ルカリ性のスチレン系の重合体を含み上記処理液を透過
    させることにより上記処理液中の不純物を除去するイオ
    ン交換樹脂と、該イオン交換樹脂を通過した後の処理液
    中の不純物の濃度を検出し上記イオン交換樹脂の継続実
    施または新規交換の判断に供する不純物濃度情報を提供
    する不純物監視手段を備えたことを特徴とするウエット
    処理装置。
  4. 【請求項4】上記不純物監視手段は、上記処理液の光吸
    収スペクトルを測定することにより上記処理液中の不純
    物の濃度を検出するとともに、上記イオン交換樹脂に供
    給される処理液の不純物濃度も測定することを特徴とす
    る請求項3記載のウエット処理装置。
  5. 【請求項5】上記処理液面を不活性ガスで覆うガス供給
    手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれかに記載のウエット処理装置。
  6. 【請求項6】上記イオン交換樹脂がカチオン交換樹脂で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載のウエット処理装置。
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