JP3216125B2 - 薬液処理方法および薬液処理装置 - Google Patents

薬液処理方法および薬液処理装置

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JP3216125B2
JP3216125B2 JP549399A JP549399A JP3216125B2 JP 3216125 B2 JP3216125 B2 JP 3216125B2 JP 549399 A JP549399 A JP 549399A JP 549399 A JP549399 A JP 549399A JP 3216125 B2 JP3216125 B2 JP 3216125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置等の製
造プロセスにおいて、薬液により半導体基板表面あるい
は半導体基板表面に形成された材料のエッチングまたは
洗浄を行う薬液処理方法および薬液処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体基板のエッチングや洗浄プロセス
では、薬品を使ったウェット処理が主流である。洗浄プ
ロセスでは、対象となる処理物に対して数種類の薬液が
使い分けられる。半導体基板の表面に付着したパーティ
クルには、アンモニアと過酸化水素を含有した薬液(ア
ンモニア−過酸化水素薬液:APM)が、半導体基板の
表面の金属には、塩酸と過酸化水素を含有した薬液(塩
酸−過酸化水素薬液:HPM)が使用される。
【0003】近年、薬液を用いた半導体基板の処理で
は、半導体装置の高集積化に伴い、薬液の処理性能の厳
密な制御が重要な課題となっている。例えば、APMに
よる半導体基板の洗浄では、半導体基板に付着したパー
ティクルが、基板表面のエッチングによる脱離と、その
後に生じる基板表面との静電反発で除去されるが、エッ
チングによる基板表面のダメージ(例えば、表面マイク
ロラフネス)は、半導体装置自体の特性を劣化させた
り、また、成膜不良などの製造プロセスに関わる問題を
引き起こし、最終的な製品の歩留まりを低下させる原因
となる。このように、薬液による半導体基板の処理で
は、薬液と半導体基板表面との化学反応の制御が重要と
なる。
【0004】そこで、APMの洗浄性能を制御する技術
として、特開平7−142435号公報には、一定のエ
ッチング速度が得られるように、アンモニア濃度が3.
5から2.5重量%の範囲内で、APMを制御する洗浄
方法が開示されている。また、特開平4−107922
号公報には、基板のエッチング量を低減するため、過酸
化水素水の容量比率が、アンモニア水の容量比率から計
算式を用いて算出した領域に収まるように、APMを制
御する方法が開示されている。また、特開平10−18
3185には、APMの処理時間を短縮するため、アン
モニア濃度、過酸化水素濃度、処理液温度、処理時間を
代入して得られた数式の値が所定の値以上になるよう
に、APMを制御する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−142435号公報に開示された方法では、APM
の温度と過酸化水素濃度が固定されており、変更可能な
パラメータがアンモニア濃度に限定されるため、APM
の洗浄性を管理する方法として汎用性がなく、厳密な制
御ができないという問題があった。また、特開平4−1
07922号公報に開示された方法では、過酸化水素水
の容量比率の温度変化が考慮されておらず、算出式が特
定の温度でしか成り立たないという問題があった。ま
た、特開平10−183185号公報に開示された方法
では、限られた実験結果に基づき、複数のパラメータ
(アンモニア濃度、過酸化水素水濃度、処理液温度、処
理時間)を1つの経験式に組み込んだため、経験式に汎
用性がなく、適用範囲が実験結果を補償する濃度領域に
限定されるという問題があった。
【0006】APM洗浄では、半導体基板に付着したパ
ーティクルが、基板表面のエッチングによる脱離と、そ
の後に生じる基板表面との静電反発で除去される。この
ため、APMの洗浄性は、薬液と半導体基板表面との化
学反応に基づくパラメータで制御すべきである。しかし
ながら、前記の従来技術では、薬液の成分濃度による間
接的な制御に留まっており、この手法では薬液の洗浄性
の厳密な制御は困難であった。
【0007】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、半導体基板の薬液処理において、薬液の処理条件の
設定に必要な時間と労力を大幅に短縮することができ、
また、薬液の処理性能をより適確かつ厳密に制御するこ
とができる薬液処理方法およびその方法を実行する薬液
処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、下記(1)〜(8)の薬液処理方法及び
(9)〜(13)の薬液処理装置を提供する。
【0009】(1)半導体基板の薬液処理において、薬
液中に溶存する化学種の濃度と半導体基板表面との関係
から、薬液と半導体基板表面との各化学反応を解析し、
各化学反応が全化学反応に寄与する比率を反応速度の比
から求めるとともに、前記比率をパラメータとして含む
化学反応の関係式を用い、薬液中に溶存する化学種と半
導体基板表面との化学反応で発生あるいは変化する化学
物質量を求め、前記化学物質量が所定の領域内に収まる
ように、基板処理中の薬液処理条件の制御あるいは基板
処理前の薬液処理条件の予測を行うことを特徴とする薬
液処理方法。
【0010】(2)各化学反応の全化学反応に寄与する
比率と基板処理量の許容範囲から、薬液処理条件である
薬液の成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を決定するこ
とを特徴とする(1)の薬液処理方法。
【0011】(3)薬液に溶存する化学種の濃度と薬液
温度をモニタし、算出した各化学反応の反応速度に基づ
き、各化学反応の全化学反応に寄与する比率と基板処理
量が許容範囲に入るように、薬液処理条件である薬液の
成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を制御することを特
徴とする(1)の薬液処理方法。
【0012】(4)半導体基板の薬液処理において、薬
液中に溶存する化学種の濃度と半導体基板表面との関係
から、薬液と半導体基板表面との各化学反応を解析し、
各化学反応が全化学反応に寄与する比率を反応速度の比
から求めるとともに、前記比率をパラメータとして含む
化学反応の関係式を用い、薬液が半導体基板に対して必
要十分な処理能力を有する薬液の濃度領域を求め、薬液
の使用量ができるだけ少なくなる様に、基板処理中の薬
液処理条件の制御あるいは基板処理前の薬液処理条件の
予測を行うことを特徴とする薬液処理方法。
【0013】(5)薬液に溶存する化学種の濃度と薬液
温度から各化学反応の反応速度を算出し、各化学反応の
全化学反応に寄与する比率が所定範囲に入るように薬液
成分の濃度領域を求め、前記濃度領域において、薬液成
分濃度の変動幅が所定範囲に入り、かつ、使用する薬液
量が必要最小限になるように、薬液の成分濃度、薬液温
度、薬液処理時間を決定することを特徴とする(4)の
薬液処理方法。
【0014】(6)薬液がエッチング剤と酸化剤を含
み、表面にSi面が全面あるいは部分的に露出した半導
体基板が処理対象物であり、前記薬液処理が当該表面の
エッチング反応を利用した処理であることを特徴とする
(1)〜(5)の薬液処理方法。
【0015】(7)前記薬液のエッチング剤が弗化水素
酸、アンモニア水または電気分解で得られるカソード水
であり、酸化剤が過酸化水素水、硫酸、硝酸、酸素また
はオゾンであることを特徴とする(6)の薬液処理方
法。
【0016】(8)前記薬液がアンモニアと過酸化水素
を含む水溶液であり、該薬液によるシリコン基板の処理
において、薬液中でエッチング作用のある化学種がOH
-、酸化作用のある化学種がHO2 -であり、シリコン基
板のエッチングが、SiがOH -により直接溶解される
反応経路と、SiがHO2 -で酸化された後OH-により
溶解する反応経路の2つの反応経路からなり、全反応に
対してSiがOH-により直接溶解される反応経路の寄
与する比率を0.001未満、あるいは全反応に対して
SiがHO2 -で酸化された後OH-により溶解する反応
経路の比率を0.999以上にするように、基板処理中
の薬液処理条件の制御あるいは基板処理前の薬液処理条
件の予測を行うことを特徴とする(7)の薬液処理方
法。
【0017】(9)前記(1)〜(8)の薬液処理方法
を実行する薬液処理装置であって、薬液の成分濃度と温
度を間欠的あるいは連続的に計測する計測装置と、前記
計測装置により得られたデータから予め実験的に求めた
関係式を用いて全化学反応に対する各化学反応の寄与す
る比率を算出する機能、および決定された前記比率に従
って薬液の成分濃度と温度を制御する機能を有する制御
装置とを具備することを特徴とする半導体基板の薬液処
理装置。
【0018】(10)半導体基板が内部に設置され薬液
処理が行われる処理槽と、該処理槽の周囲を囲むように
設置されたオーバーフロー槽と、該オーバーフロー槽に
連通した循環ポンプとを有し、前記オーバーフロー槽に
は、薬液に含まれる所定成分を補充するための供給管と
超純水を供給するための供給管とが設けられ、前記循環
ポンプの下流側にパーティクル成分を除去するためのろ
過装置が設けられ、前記循環ポンプにより、前記所定成
分が前記処理槽に循環供給されるようになっていること
を特徴とする(9)の半導体基板の薬液処理装置。
【0019】(11)半導体基板を吸引保持して所定の
回転数で回転させる機能を有する支持台と、該支持台に
保持した基板表面に薬液を流下させる薬液ノズルとを有
し、該薬液ノズルは、薬液の混合槽を備え、前記混合槽
には、薬液に含まれる所定成分を供給するための供給管
と超純水を供給するための供給管とが設けられ、当該混
合槽は送液ポンプに連通し、前記送液ポンプの下流側に
パーティクル成分を除去するためのろ過装置が設けら
れ、前記混合槽で調製された薬液が送液ポンプにより薬
液ノズルから、前記支持台に保持して回転中の基板表面
に供給されるようになっていることを特徴とする(9)
又は(10)の半導体基板の薬液処理装置。
【0020】(12)薬液ノズルから半導体基板に供給
された薬液が基板処理後に処理槽のドレインから送液ポ
ンプで回収槽に回収され、回収槽内で薬液成分濃度と薬
液温度と溶解成分がモニタされ、(1)〜(8)の薬液
処理方法により薬液成分の補充あるいはヒータによる調
温が行われ、前記回収槽で再生できない薬液は該回収槽
のドレインから排出され、前記回収槽で再調製され所定
の処理性能を有する薬液は該回収槽に連通する送液ポン
プにより、薬液ノズルから支持台に保持して回転中の基
板表面に供給されるようになっていることを特徴とする
(11)の半導体基板の薬液処理装置。
【0021】(13)半導体装置の構造もしくは組成の
状態または半導体装置の汚染状態を実測する機能を組み
合わせ、実測データを基板処理中の薬液処理条件の制御
あるいは基板処理前の薬液処理条件の予測に利用するこ
とを特徴とする(9)〜(12)の半導体基板の薬液処
理装置。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を示
す。薬液による半導体基板の処理における、薬液と半導
体基板との各化学反応の全化学反応に寄与する比率(寄
与率)による薬液の処理性能の制御方法を説明する。
【0023】薬液による半導体基板表面の化学反応は複
数の化学反応からなる反応経路1,2,3,…,Xで進
行する(化1)。全化学反応に対する各反応経路の寄与
率(α1,α2,α3,…,αX)は各化学反応の反応速度
(v1,v2,…,vX)の相対比で決定される。例え
ば、化2に示すように、反応経路1の寄与率はα1、反
応経路2の寄与率はα2で表される。全化学反応の反応
速度は各反応経路の反応速度の和であるから、薬液によ
る半導体基板の反応速度vTotalは各化学反応の反応速
度を用いて化3のように表される。各反応経路の反応速
度は、その反応に固有の反応速度定数と、薬液中の反応
に関わる溶存化学種の濃度(活量)から求められる(化
4)。なお、薬液中の各溶存化学種濃度(活量)は、特
開平9−203405号公報に開示されている解析方法
を用いて算出できる。化1〜化4の関係に基づき、コン
ピュータを用いれば、薬液の成分濃度と温度から、各反
応経路の寄与率を求めることができる。逆に、予め各反
応経路の寄与率を設定し、その寄与率が得られるような
薬液の成分濃度と温度を求めることも可能である。
【0024】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0025】薬液による半導体基板の処理では、半導体
基板にできるだけダメージを与えず、基板自体あるいは
基板表面に形成された材料を短時間で効率よく処理する
ことが理想である。各反応経路の中には、前記条件に適
合する反応経路と適合しない反応経路がある。前記条件
に適合する反応経路の寄与率をできるだけ大きくし、か
つ、適合しない反応経路の寄与率ができるだけ小さくな
るような処理条件を選択すれば、最適な処理を行うこと
ができる。
【0026】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態について、基板処理前の薬液処理条件の設定方法
の一例をフローチャートで図1に示す。この例では、各
化学反応の寄与率と基板処理量の許容範囲から、薬液処
理条件である薬液の成分濃度、薬液温度、薬液処理時間
を決定する。
【0027】本発明の薬液制御方法では、薬液の洗浄性
を制御するために、全化学反応に対する各反応経路の寄
与率を指標として利用する。薬液と半導体基板表面の化
学反応を直接制御することになるため、薬液濃度を管理
する従来の間接的な制御方法に比べ、薬液処理条件の適
確な設定や薬液の洗浄性の厳密な制御が可能となる。ま
た、装置立ち上げやプロセス変更の度毎に必要な処理条
件の初期設定にかかる時間と労力が大幅に短縮される。
【0028】化学反応の寄与率と基板処理量の許容範囲
を設定する(S100)。初期値として薬液の成分濃度
と薬液温度を設定し(S101)、当該成分濃度と温度
から溶存する化学種濃度を算出する(S102)。前記
化学種濃度と温度から各化学反応の反応速度を算出する
(S103)。前記反応速度から各化学反応の寄与率を
求める(S104)。前記寄与率の評価(S105)に
おいて、前記寄与率が許容範囲から外れる場合は、薬液
の成分濃度と薬液温度の補正を行い(S106)、再
び、化学種濃度の算出(S102)から化学反応の寄与
率の評価(S105)までを行う。前記寄与率の評価
(S105)において、当該寄与率が許容範囲内の場合
は、薬液処理時間を設定し(S107)、当該処理時間
と反応速度から得られる基板処理量を算出する(S10
8)。前記処理量の評価(S109)において、前記処
理量が許容範囲から外れる場合、薬液処理時間の評価
(S110)を行い、当該処理時間が許容範囲内で変更
可能ならば、薬液処理時間の設定(S107)から基板
処理量の評価(S109)までを行う。前記処理時間が
許容範囲内で変更不可能ならば、薬液の成分濃度と薬液
温度を補正し(S106)、再び、化学種濃度の算出
(S102)から行う。前記処理量の評価(S109)
において、前記処理量が許容範囲内の場合、得られた薬
液の成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を薬液処理条件
として決定する(S111)。
【0029】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態について、基板処理中の薬液処理条件の制御方法
の一例をフローチャートで図2に示す。この例では、薬
液に溶存する化学種の濃度と薬液温度をモニタし、算出
した各化学反応の反応速度に基づき、各化学反応の寄与
率と基板処理量が許容範囲に入るように、薬液の成分濃
度、薬液温度、薬液処理時間を制御する。
【0030】基板処理量は基板表面自体あるいは基板表
面に形成された材料(薄膜など)を示す。例えば、薬液
で半導体基板表面に形成された薄膜を処理する場合、当
該薄膜の膜厚の変化量を正確に把握して処理することが
できるので、膜厚の必要以上の変化で発生する製品の性
能劣化や製品の歩留まり低下を未然に防ぐことができ
る。また、薄膜の変化量のデータを積極的に利用し、成
膜時の膜厚のばらつきを薬液の処理時間で補正すること
もできる。
【0031】化学反応の寄与率と基板処理量の許容範囲
を設定する(S200)。薬液の成分濃度と薬液温度を
モニタし(S201)、当該成分濃度と温度から溶存す
る化学種濃度を算出する(S202)。前記化学種濃度
と温度から各化学反応の反応速度を算出する(S20
3)。前記反応速度から全反応に対する各化学反応の寄
与率を求める(S204)。前記寄与率の評価(S20
5)において、前記寄与率が許容範囲から外れる場合
は、薬液の成分濃度と薬液温度の補正を行い(S20
7)、薬液成分濃度と薬液温度のモニタ(S201)か
ら化学反応の寄与率の評価(S205)までを行う。前
記寄与率の評価(S205)において、当該寄与率が許
容範囲内の場合は、薬液処理時間を設定し(S20
6)、当該処理時間と反応速度から得られる基板処理量
を算出する(S208)。前記処理量の評価(S20
9)において、前記処理量が許容範囲から外れる場合、
薬液処理時間の評価を行い(S210)、当該処理時間
が許容範囲内で変更可能ならば、薬液処理時間の設定
(S206)から基板処理量の評価(S209)までを
行う。前記処理時間が許容範囲内で変更不可能ならば、
薬液の成分濃度と薬液温度を補正し(S207)、再
び、薬液成分濃度と薬液温度のモニタ(S201)から
行う。前記処理量の評価(S209)において、前記処
理量が許容範囲内の場合、薬液による半導体基板の処理
と薬液の処理条件の制御(S201からS209まで)
を同時に行う。半導体基板の処理中および待機中に係わ
らず、薬液の処理性能が常に一定に保たれるように薬液
の処理条件を制御する。
【0032】図3は、図2に記載された本発明の薬液処
理条件の制御方法を組み込んだ半導体基板の薬液処理装
置の一実施形態の構成図である。薬液処理装置は、薬液
成分Aの貯留槽15と、薬液成分Bの貯留槽16と、超
純水の貯留槽17とを有し、貯留槽15、16、17か
ら薬液成分A、薬液成分B、超純水を、送液ポンプ1
8、19、20の駆動により必要な量だけオーバーフロ
ー槽2を介して処理槽1へ供給し、処理槽1内で半導体
基板4の処理を行う。薬液3は、循環ポンプ13の駆動
により、フィルタ14を通過するように循環され、処理
槽1内の薬液3にパーティクルが蓄積されるのを防いで
いる。
【0033】化学反応の寄与率と基板処理量の許容範囲
を設定し(S200)、薬液3の薬液成分Aの濃度と薬
液成分Bの濃度は濃度コントローラ11で、薬液温度は
温度コントローラ7で、薬液3の水位(薬液量)は水位
コントローラ10でそれぞれモニタする(S201)。
各コントローラで得られた薬液成分濃度と薬液温度に基
づき、解析装置12により、溶存する化学種濃度の算出
(S202)、各化学反応の反応速度の算出(S20
3)、化学反応の寄与率の算出(S204)を行う。解
析装置12で前記寄与率の評価(S205)を行い、前
記寄与率が許容範囲から外れる場合は、解析装置12か
ら指示を送り、送液ポンプ18、19、20による薬液
成分A、薬液成分B、超純水の補充あるいはヒータ8に
よる調温を行う(S207)。解析装置12で前記寄与
率の評価を行い(S205)、当該寄与率が許容範囲内
の場合は、薬液処理時間を設定し(S206)、当該処
理時間と反応速度から得られる基板処理量を算出する
(S208)。解析装置12で前記処理量の評価を行い
(S209)、前記処理量が許容範囲から外れる場合、
薬液処理時間の評価を行い(S210)、当該処理時間
が許容範囲内で変更可能ならば薬液処理時間の設定(S
206)から基板処理量の評価(S209)までを行
う。解析装置12で前記処理量の評価を行い(S20
9)、前記処理時間が許容範囲内で変更不可能ならば、
薬液の成分濃度と薬液温度を補正し(S207)、再
び、薬液成分濃度と薬液温度のモニタ(S201)から
行う。解析装置12で前記処理量の評価を行い(S20
9)、前記処理量が許容範囲内の場合、薬液による半導
体基板の処理と薬液の処理条件の制御(S201からS
209まで)を同時に行う。半導体基板の処理中および
待機中に係わらず、薬液の処理性能が常に一定に保たれ
る。
【0034】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態について、基板処理前の薬液処理条件の設定方法
の一例をフローチャートで図4に示す。この例では、薬
液に溶存する化学種の濃度と薬液温度から各化学反応の
反応速度を算出し、各化学反応の寄与率が所定範囲に入
るように、薬液成分の濃度領域を求める。さらに、前記
濃度領域において、薬液成分濃度の変動幅が所定範囲に
入り、かつ、使用する薬液量が必要最小限になるよう
に、薬液の成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を決定す
る。
【0035】本発明の薬液処理方法では、同一の処理能
力を持つ複数の薬液処理条件を選択することができる。
薬液による半導体基板の処理において、必要最小限の薬
液成分濃度を選択することで、薬液使用量を大幅に削減
することができる。
【0036】薬液成分濃度の変動幅と薬液処理量の許容
範囲を設定する(S300)。初期値として現在使用中
あるいは使用予定の薬液の成分濃度と薬液温度を設定し
(S301)、当該成分濃度と温度から溶存する化学種
濃度を算出する(S302)。前記化学種濃度と温度か
ら各化学反応の反応速度を算出する(S303)。前記
反応速度から全反応に対する各化学反応の寄与率を求め
る(S304)。前記寄与率の評価(S305)におい
て、前記寄与率が許容範囲から外れる場合は、薬液の成
分濃度と薬液温度の補正を行い(S306)、溶存する
化学種濃度の算出(S302)から化学反応の寄与率の
評価(S305)までを行う。前記寄与率の評価(S3
05)において、当該寄与率が許容範囲内の場合は、寄
与率が当該寄与率と同一であり、かつ、基板処理量が許
容範囲内である薬液成分の濃度領域を算出する(S30
7)。薬液成分濃度の低減率を設定し(S308)、薬
液成分濃度を算出する(S309)。前記薬液成分濃度
の評価(S310)において、当該薬液成分が前記濃度
領域から外れる場合は、成分濃度の低減率の補正を行い
(S311)、再び、成分濃度の算出(S309)から
薬液成分濃度の評価(S310)までを行う。前記薬液
成分濃度の評価(S310)において、当該薬液成分が
前記濃度領域内の場合は、薬液成分濃度の変動幅を算出
する(S312)。前記変動幅の評価(S313)にお
いて、当該変動幅が許容範囲内の場合、設定した低い薬
液成分濃度を用い、低減率の設定(S308)から薬液
成分濃度の変動幅の評価(S313)までを行う。前記
操作を繰り返し、薬液成分濃度の変動幅の評価(S31
3)において、当該変動幅が許容範囲から外れる場合、
前回評価した薬液成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を
薬液処理条件として決定する(S314)。
【0037】本発明の薬液処理条件の制御方法は、図3
に記載された従来型バッチ式の薬液処理装置はもちろん
であるが、今後、半導体基板の大口径化に対応して使用
されると予想される枚葉式の薬液処理装置でより効果的
な薬液の運用を実現できる。通常、枚葉式の薬液処理装
置は1つの処理槽で構成され、半導体基板を処理した薬
液は1回のみの使用で廃棄される。薬液は使い捨てであ
る。薬液の使い捨ては、薬品の使用量を増大させ、廃液
の処理費用を含めると製造コストの大幅な上昇を引き起
こす原因となる。薬液を使い捨てする場合、薬品の使用
量を抑えるため、薬液は正常な処理ができる最低の濃度
に設定すべきである。従来の制御方法では、このような
薬液濃度の制御はできない。
【0038】しかし、本発明の方法を用いれば、寄与率
が同じ(薬液の洗浄性が同じ)である薬液成分濃度の複
数の組み合わせを選択できる。1回のみの使用では、基
板処理中の薬液条件の変動は僅かであるため、半導体基
板を処理する時には、寄与率が同じである薬液成分濃度
の組み合わせの内、各薬液成分濃度が最も低くなる組み
合わせを選択すれば良い。これにより、枚葉式の薬液処
理装置において、薬液使用量の削減が実現できる。
【0039】図5は、図4に記載された本発明の薬液処
理条件の設定方法を組み込んだ半導体基板の薬液処理装
置の一実施形態の構成図である。本発明の薬液処理装置
は、薬液成分Aの貯留槽15と、薬液成分Bの貯留槽1
6と、超純水の貯留槽17とを有し、貯留槽15、1
6、17から薬液成分A、薬液成分B、超純水を、送液
ポンプ18、19、20の駆動により予備槽25に供給
して攪拌器27で混合、ヒータ26で調温した後、送液
ポンプ30の駆動によりフィルタ31を通して薬液ノズ
ル24から支持台21に吸引保持して回転器22で回転
させた半導体基板4へ供給して処理を行う。半導体基板
4を処理した薬液はドレインから排出される。なお、薬
液調製部32を処理する薬液あるいは超純水の数だけ用
意すれば、処理槽23で複数の薬液処理あるいは超純水
処理が行える。予備槽25での薬液の調製時には、図4
に記載された本発明の薬液処理条件の設定が解析装置1
2で実施される。
【0040】また、図5に記載された薬液洗浄装置にお
いて、図2に記載された薬液処理条件の制御方法を用い
れば、廃棄される薬液の再生循環使用が可能になる。
【0041】図6は本発明の半導体基板の薬液処理装置
の一実施形態の構成図である。本発明の薬液処理装置
は、薬液成分Aの貯留槽15と、薬液成分Bの貯留槽1
6と、超純水の貯留槽17とを有し、貯留槽15、1
6、17から薬液成分A、薬液成分B、超純水を、送液
ポンプ18、19、20の駆動により予備槽25に供給
して攪拌器27で混合、ヒータ26で調温した後、送液
ポンプ30の駆動によりフィルタ31を通して薬液ノズ
ル24から支持台21に吸引保持して回転器22で回転
させた半導体基板4へ供給して処理を行う。半導体基板
4を処理した薬液は送液ポンプ38の駆動により回収槽
33へ送られる。回収槽33の薬液は濃度コントローラ
11と温度コントローラ37でモニタされ、解析装置1
2で算出した寄与率が許容範囲内の場合、そのまま薬液
をフィルタ40に通して処理槽23へ戻し、次の半導体
基板4の処理を行う。解析装置12で算出した寄与率が
許容範囲から外れる場合は、寄与率が許容範囲内の値に
なるように、貯留槽15、16、17からの必要最低限
の薬品補充とヒータ34による調温を行った後、薬液を
フィルターに通して処理槽23へ戻し、次の半導体基板
4の処理を行う。上記の操作を繰り返し、最小の薬品量
で半導体基板の処理を進める。予備槽25での薬液の調
製には図4に記載された薬液処理条件の設定方法が、回
収槽33での薬液の調製には図2に記載された薬液処理
条件の制御方法が適用される。
【0042】また、図5に記載された薬液洗浄装置に、
半導体装置の構造や組成の状態あるいは半導体装置の汚
染状態を実測する機能を組み合わせることで、より精度
の高い薬液処理を行うことができる。例えば、実測する
データとして、半導体基板に形成された薄膜の膜厚や構
成元素の濃度あるいは表面に残留する不純物の形態や濃
度などが挙げられる。測定装置では、測定の目的に合わ
せて市販の測定装置を用いることができる。
【0043】図7は本発明の半導体基板の薬液処理装置
の一実施形態の構成図である。本発明の薬液処理装置
は、薬液成分Aの貯留槽15と、薬液成分Bの貯留槽1
6と、超純水の貯留槽17とを有し、貯留槽15、1
6、17から薬液成分A、薬液成分B、超純水を、送液
ポンプ18、19、20の駆動により予備槽25に供給
して攪拌器27で混合、ヒータ26で調温した後、送液
ポンプ30の駆動によりフィルタ31を通して薬液ノズ
ル24から支持台21に吸引保持して回転器22で回転
させた半導体基板4へ供給して処理を行う。半導体基板
を処理した薬液はドレインから排出される。なお、使用
済みの薬液は、図6で示すように回収機能を有する装置
構成にすれば再利用も可能である。半導体基板4は、測
定装置41により所定の測定が実施され、測定装置36
で得られた実測データに基づき、図4に記載された薬液
処理条件の設定方法が実施される。半導体基板4は常時
複数枚をクリーンケース42内に溜めておき、処理槽2
3で半導体基板4の処理が行われている間に、クリーン
ケース42から測定装置41へ半導体基板4を搬送し、
所定の測定を実施することで、スループットの低下を抑
えることができる。
【0044】
【実施例】(実施例1)APMによるシリコン基板表面
の洗浄処理を例にとり、APMの洗浄性の制御方法を説
明する。APM中の溶存化学種、NH3、NH4 +、H2
2、HO2 -、H+、OH-の各濃度(活量)は、特開平9
−203405号公報に開示されている解析方法を用い
て算出できる。
【0045】APMによるシリコン基板表面のエッチン
グ反応は、APM中の溶存化学種濃度とエッチング速度
の実測値の関係から、2つの反応経路で進行することを
確認した(化5)。1つはSiがOH2 -により酸化(反
応速度v1a)され、さらにOH-で溶解(反応速度
1b)される反応経路1であり、もう1つは、SiがO
-により直接溶解(反応速度v2)される反応経路2で
ある。全エッチング反応に対する反応経路1の寄与率は
α1、全エッチング反応に対する反応経路2の寄与率は
α2で表される(化6)。APMによる基板のエッチン
グ速度Erは各素反応の反応速度を用いて表される(化
7)。
【0046】
【化5】
【化6】
【化7】
【0047】反応経路1は、親水性の高い酸化膜を形成
し、その酸化膜をエッチングする反応であるので、パー
ティクルと基板の界面への薬液の浸透性を高め、パーテ
ィクルの除去性を向上させる。一方、反応経路2は、酸
化膜を形成しない異方性のエッチング反応であり、基板
表面のマイクロラフネス(凹凸)を増大させる。シリコ
ン基板のAPM洗浄では、基板表面のパーティクルをエ
ッチングで脱離させなければならない。これには、ある
量のエッチングが必要であるが、反応経路2のエッチン
グでは急激なエッチング速度の上昇、マイクロラフネス
の増加、パーティクル除去性の低下を引き起こすため、
正常なAPM洗浄を行うためには、反応経路1の反応の
寄与が大きく、また、反応経路2の寄与ができるだけ小
さくなる条件でシリコン基板を処理することが必要であ
る。
【0048】図3に記載の薬液処理装置を用い、全エッ
チング反応に対する反応経路1の寄与率α1を指標とし
てシリコン基板のAPM洗浄を行った場合における、A
PMの洗浄性の制御結果を説明する。
【0049】APMによるシリコン基板のエッチング速
度と寄与率α1との関係を図8に、APMによるシリコ
ン基板表面のマイクロラフネス(凹凸)と寄与率α1
の関係を図9に示す(温度:80℃、OH-濃度:2×
10-3mol/l)。また、APMによるシリコン基板
に付着したパーティクル(約5000個/基板)の除去
率と寄与率α1との関係を図10に示す(温度:80
℃、エッチング深さ:2nm)。寄与率α1の低下で、
エッチング速度とマイクロラフネスは急増し、パーティ
クルの除去率は低下した。APMでシリコン基板を洗浄
する場合、シリコン基板のダメージを抑えて高いパーテ
ィクル除去率を得るためには、反応経路1の寄与率α1
を指標として、α1値が0.999以上になるように洗
浄条件を制御すれば良い。α1値が0.999以上にな
るように、薬液成分濃度と薬液温度と薬液処理時間を制
御したところ、薬液で処理した半導体装置の形状あるい
は電気特性の劣化は見られず、歩留まりも大きく向上す
ることが確認できた。
【0050】(実施例2)APMによるシリコン基板表
面の洗浄処理を例にとり、実施例1で示したのと同様の
薬液の処理条件で、予め薬液温度と薬液処理時間(半導
体基板表面の処理量)とを設定した場合の薬液成分濃度
の制御方法を説明する。実施例1で示した通り、正常な
薬液処理が行える反応経路1の寄与率α1は0.999
以上とした。薬液温度が80℃、薬液処理時間が10分
間(半導体基板表面の処理量:4.5〜5.0nm)の
場合、反応経路1の寄与率α1が0.999以上になる
ように算出したAPM中のアンモニアと過酸化水素の濃
度領域を図11に示す。黒塗り領域が利用可能な濃度領
域である。なお、利用可能な濃度領域は、薬液温度ある
いは薬液処理時間で変化する。実際、図4に記載した薬
液処理装置において、シリコン基板をAPM洗浄する場
合、アンモニア濃度と過酸化水素濃度の組み合わせが、
図11の黒塗り領域に入るように制御すれば良い。アン
モニア濃度と過酸化水素濃度の組み合わせが黒塗り領域
内であれば、寄与率α1が0.999以上になり、いず
れの組み合せでも同等の洗浄性能が得られる。APMの
連続使用では、アンモニア濃度、過酸化水素濃度、温度
を常時モニタし、前記パラメータから解析装置で算出さ
れる寄与率α1が0.999以上になっていることを確
認し、寄与率α1が0.999を下回る場合は、アンモ
ニア濃度と過酸化水素濃度の組み合わせが、図11の黒
塗り領域に入るように、薬液の補充を行えば、正常なA
PM処理を維持できる。
【0051】(実施例3)APMによるシリコン基板表
面の洗浄処理を例にとり、実施例2で示したのと同様の
薬液の処理条件で、本発明の薬液処理方法を用いた薬液
使用量の低減を説明する。実施例2で示した通り、正常
な薬液処理が行える反応経路1の寄与率α 1は0.99
9以上とした。シリコン基板をAPM処理する場合、ア
ンモニア濃度と過酸化水素濃度の組み合わせが図11に
示す黒塗り領域内であれば、いずれの組み合わせでも同
等のAPM処理が行えるが、薬液使用量の低減の観点か
ら、アンモニア濃度と過酸化水素濃度の組み合わせをお
互いの濃度が低くなるように選択すれば、APMの低濃
度化が実現できる。例えば、RCA洗浄(RCA Revie
w,W. Kern et al.,1970)で一般的に使用される
容量比のAPM(NH3:H22:H2O=1:1:5,
80℃)を図11に当てはめた場合、アンモニア濃度と
過酸化水素濃度を共に1/20にまで低下させることが
できる(NH3濃度:29重量%、H22濃度:30重
量%)。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薬液の処
理方法によれば、薬液中に溶存する化学種の濃度と半導
体基板表面との関係から、各化学反応が全化学反応に寄
与する比率を解析し、当該比率を指標として、薬液処理
の制御あるいは処理条件の設定に使用するため、従来の
薬液の成分濃度による間接的な制御に比べ、処理条件の
初期設定に必要な時間と労力を大幅に短縮でき、また、
薬液の処理性能をより厳密に制御することができる。ま
た、上記薬液の処理方法によれば、最適な洗浄条件の設
定、特に薬液の低濃度領域での条件設定が可能となり、
薬液使用量の低減によるコスト削減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体基板の薬液処理方法の一例のフ
ローチャートである。
【図2】本発明の半導体基板の薬液処理方法の一例のフ
ローチャートである。
【図3】本発明の半導体基板の薬液処理装置の一実施形
態の構成図である。
【図4】本発明の半導体基板の薬液処理方法の一例のフ
ローチャートである。
【図5】本発明の半導体基板の薬液処理装置の一実施形
態の構成図である。
【図6】本発明の半導体基板の薬液処理装置の一実施形
態の構成図である。
【図7】本発明の半導体基板の薬液処理装置の一実施形
態の構成図である。
【図8】本発明の薬液処理装置を用いたシリコン基板の
APM処理において、反応経路1の寄与率α1とエッチ
ング速度の関係の一事例を示す図である。
【図9】本発明の薬液処理装置を用いたシリコン基板の
APM処理において、反応経路1の寄与率α1と基板の
表面マイクロラフネスの関係の一事例を示す図である。
【図10】本発明の薬液処理装置を用いたシリコン基板
のAPM処理において、反応経路1の寄与率α1と基板
表面に付着したパーティクルの除去率の関係の一事例を
示す図である。
【図11】本発明の薬液処理装置を用いたシリコン基板
のAPM処理において、反応経路1の寄与率α1が0.
999以上であるアンモニアと過酸化水素の濃度領域を
示す図である。
【符号の説明】
1 処理槽 2 オーバーフロー槽 3 薬液 4 半導体基板 5 キャリア 6,28,36 温度センサ 7,29,37 温度コントローラ 8,26,34 ヒータ 9 水位センサ 10 水位コントーラ 11 濃度コントローラ 12 解析装置 13 循環ポンプ 14,31,40 フィルタ 15,16,17 貯留槽 18,19,20,30,38,39 送液ポンプ 25 混合槽 27,35 攪拌器 32 薬液調製部 33 回収槽 41 測定装置 42 クリーンケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−183185(JP,A) 特開 平9−199468(JP,A) 特開 平9−45656(JP,A) 特開 平3−107477(JP,A) 特開 平11−54468(JP,A) 特開2000−183018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304,21/306,21/308

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の薬液処理において、薬液中
    に溶存する化学種の濃度と半導体基板表面との関係か
    ら、薬液と半導体基板表面との各化学反応を解析し、各
    化学反応が全化学反応に寄与する比率を反応速度の比か
    ら求めるとともに、前記比率をパラメータとして含む化
    学反応の関係式を用い、薬液中に溶存する化学種と半導
    体基板表面との化学反応で発生あるいは変化する化学物
    質量を求め、前記化学物質量が所定の領域内に収まるよ
    うに、基板処理中の薬液処理条件の制御あるいは基板処
    理前の薬液処理条件の予測を行うことを特徴とする薬液
    処理方法。
  2. 【請求項2】 各化学反応の全化学反応に寄与する比率
    と基板処理量の許容範囲から、薬液処理条件である薬液
    の成分濃度、薬液温度、薬液処理時間を決定することを
    特徴とする請求項1に記載の薬液処理方法。
  3. 【請求項3】 薬液に溶存する化学種の濃度と薬液温度
    をモニタし、算出した各化学反応の反応速度に基づき、
    各化学反応の全化学反応に寄与する比率と基板処理量が
    許容範囲に入るように、薬液処理条件である薬液の成分
    濃度、薬液温度、薬液処理時間を制御することを特徴と
    する請求項1に記載の薬液処理方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板の薬液処理において、薬液中
    に溶存する化学種の濃度と半導体基板表面との関係か
    ら、薬液と半導体基板表面との各化学反応を解析し、各
    化学反応が全化学反応に寄与する比率を反応速度の比か
    ら求めるとともに、前記比率をパラメータとして含む化
    学反応の関係式を用い、薬液が半導体基板に対して必要
    十分な処理能力を有する薬液の濃度領域を求め、薬液の
    使用量ができるだけ少なくなる様に、基板処理中の薬液
    処理条件の制御あるいは基板処理前の薬液処理条件の予
    測を行うことを特徴とする薬液処理方法。
  5. 【請求項5】 薬液に溶存する化学種の濃度と薬液温度
    から各化学反応の反応速度を算出し、各化学反応の全化
    学反応に寄与する比率が所定範囲に入るように薬液成分
    の濃度領域を求め、前記濃度領域において、薬液成分濃
    度の変動幅が所定範囲に入り、かつ、使用する薬液量が
    必要最小限になるように、薬液の成分濃度、薬液温度、
    薬液処理時間を決定することを特徴とする請求項4に記
    載の薬液処理方法。
  6. 【請求項6】 薬液がエッチング剤と酸化剤を含み、表
    面にSi面が全面あるいは部分的に露出した半導体基板
    が処理対象物であり、前記薬液処理が当該表面のエッチ
    ング反応を利用した処理であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の薬液処理方法。
  7. 【請求項7】 前記薬液のエッチング剤が弗化水素酸、
    アンモニア水または電気分解で得られるカソード水であ
    り、酸化剤が過酸化水素水、硫酸、硝酸、酸素またはオ
    ゾンであることを特徴とする請求項6に記載の薬液処理
    方法。
  8. 【請求項8】 前記薬液がアンモニアと過酸化水素を含
    む水溶液であり、該薬液によるシリコン基板の処理にお
    いて、薬液中でエッチング作用のある化学種がOH-
    酸化作用のある化学種がHO2 -であり、シリコン基板の
    エッチングが、SiがOH-により直接溶解される反応
    経路と、SiがHO2 -で酸化された後OH-により溶解
    する反応経路の2つの反応経路からなり、全反応に対し
    てSiがOH-により直接溶解される反応経路の寄与す
    る比率を0.001未満、あるいは全反応に対してSi
    がHO2 -で酸化された後OH-により溶解する反応経路
    の比率を0.999以上にするように、基板処理中の薬
    液処理条件の制御あるいは基板処理前の薬液処理条件の
    予測を行うことを特徴とする請求項7に記載の薬液処理
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬
    液処理方法を実行する薬液処理装置であって、薬液の成
    分濃度と温度を間欠的あるいは連続的に計測する計測装
    置と、前記計測装置により得られたデータから予め実験
    的に求めた関係式を用いて全化学反応に対する各化学反
    応の寄与する比率を算出する機能、および決定された前
    記比率に従って薬液の成分濃度と温度を制御する機能を
    有する制御装置とを具備することを特徴とする半導体基
    板の薬液処理装置。
  10. 【請求項10】 半導体基板が内部に設置され薬液処理
    が行われる処理槽と、該処理槽の周囲を囲むように設置
    されたオーバーフロー槽と、該オーバーフロー槽に連通
    した循環ポンプとを有し、前記オーバーフロー槽には、
    薬液に含まれる所定成分を補充するための供給管と超純
    水を供給するための供給管とが設けられ、前記循環ポン
    プの下流側にパーティクル成分を除去するためのろ過装
    置が設けられ、前記循環ポンプにより、前記所定成分が
    前記処理槽に循環供給されるようになっていることを特
    徴とする請求項9に記載の半導体基板の薬液処理装置。
  11. 【請求項11】 半導体基板を吸引保持して所定の回転
    数で回転させる機能を有する支持台と、該支持台に保持
    した基板表面に薬液を流下させる薬液ノズルとを有し、
    該薬液ノズルは、薬液の混合槽を備え、前記混合槽に
    は、薬液に含まれる所定成分を供給するための供給管と
    超純水を供給するための供給管とが設けられ、当該混合
    槽は送液ポンプに連通し、前記送液ポンプの下流側にパ
    ーティクル成分を除去するためのろ過装置が設けられ、
    前記混合槽で調製された薬液が送液ポンプにより薬液ノ
    ズルから、前記支持台に保持して回転中の基板表面に供
    給されるようになっていることを特徴とする請求項9又
    は10に記載の半導体基板の薬液処理装置。
  12. 【請求項12】 薬液ノズルから半導体基板に供給され
    た薬液が基板処理後に処理槽のドレインから送液ポンプ
    で回収槽に回収され、回収槽内で薬液成分濃度と薬液温
    度と溶解成分がモニタされ、請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の薬液処理方法により薬液成分の補充あるいは
    ヒータによる調温が行われ、前記回収槽で再生できない
    薬液は該回収槽のドレインから排出され、前記回収槽で
    再調製され所定の処理性能を有する薬液は該回収槽に連
    通する送液ポンプにより、薬液ノズルから支持台に保持
    して回転中の基板表面に供給されるようになっているこ
    とを特徴とする請求項11に記載の半導体基板の薬液処
    理装置。
  13. 【請求項13】 半導体装置の構造もしくは組成の状態
    または半導体装置の汚染状態を実測する機能を組み合わ
    せ、実測データを基板処理中の薬液処理条件の制御ある
    いは基板処理前の薬液処理条件の予測に利用することを
    特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の半導
    体基板の薬液処理装置。
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