JP3548694B2 - 光ピックアップ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(ディジタルビデオディスク/ディジタルバーサタイルディスク)等の光記録ディスクの記録、再生に用いられる光ピックアップ装置およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、光ピックアップ装置に搭載された偏向器の位置合わせ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光記録ディスクの記録、再生に用いられる光ピックアップ装置としては、レーザダイオードから出射されたレーザ光がハーフミラーで偏向され、このレーザ光が全反射ミラーで偏向されて立ち上げられ、このレーザ光が対物レンズによって光記録ディスクにスポットとして集光されるものがある。光記録ディスクからの戻り光は、対物レンズに戻り、全反射ミラーで偏向され、ハーフミラーを透過した後、センサーレンズにより光検出器に集光される。光検出器では、集光されたレーザ光のスポット形状によりフォーカシングエラー信号を生成し、スポットの強度分布によりトラッキングエラー信号を生成している。
【0003】
このように構成された光ピックアップ装置では、全反射ミラーを装置フレームに搭載する際に、全反射ミラーの傾角調整を行い、レーザ光が対物レンズに入射する角度を調整して対物レンズでのコマ収差の発生を抑制している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
再生専用の光ピックアップ装置では、必ずしもスポットの中心と強度分布の中心が合っている必要がないことから、レーザダイオードは、出射するレーザ光の強度分布の中心がレーザ光の光軸からずれていることが多い。この場合には、レーザ光が対物レンズに入射する角度を調整しただけでは、対物レンズが形成するスポットの中心にレーザ光の強度分布の中心が合わない。
【0005】
従って、再生専用の光ピックアップ装置にならって、光記録ディスクへの記録も行う光ピックアップ装置を構成すると、光記録ディスク上に集光したレーザ光のスポットの中心が強度分布の中心からずれていることに起因して、スポットの品質が悪く、品質の高い記録ができないという問題がある。また、光記録ディスク上に集光したレーザ光のスポットの中心から強度分布の中心がずれていると、別の光記録ディスクを用いたときに、光検出器で生成するトラッキングエラー信号にオフセットが発生してしまう。この理由によっても、品質の高い記録ができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、品質の高い記録が可能な光ピックアップ装置およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、レーザ発光素子と、該レーザ発光素子から出射されたレーザ光を偏向する偏向器と、該偏向器によって偏向されたレーザ光を光記録ディスクに集光する対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動する対物レンズ駆動装置と、前記レーザ発光素子、前記偏向器、および前記対物レンズ駆動装置が搭載されたフレームとを有する光ピックアップ装置において、前記偏向器は、前記対物レンズの光軸に対して前記レーザ光の強度分布の中心が一致するように位置合わせされていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、偏向器の位置合わせにより、レーザ発光素子から出射された強度分布の中心を対物レンズの光軸に合わせている。従って、対物レンズが光記録ディスク上に集光するスポットの中心にレーザ光の強度分布の中心が一致した品質の高いスポットを形成できる。また、光記録ディスク上に集光するスポットの中心にレーザ光の強度分布の中心が一致しているので、光記録ディスクからの戻り光を検出する光検出器では、使用する光記録ディスクによってトラッキングエラー信号にオフセットが発生するという問題もない。このように、光記録ディスク上に品質の高いスポットを形成でき、かつ、トラッキングエラー信号のオフセットが発生しないので、品質の高い記録を行うことができる。
【0009】
ここで、例えばレーザダイオードのように、光軸と直交する角度方向のうち発散角が最も狭い方向、およびこの狭い方向に対して直交する発散角が最も広い方向を備えたレーザ光を出射するレーザ発光素子を用いた場合には、対物レンズが光記録ディスクに集光するスポットの中心に対するレーザ光の強度分布の中心のずれのうち、レーザ光の発散角の狭い方向のずれが記録品質に与える影響が大きく、発散角の広い方向のずれは記録品質にそれほど影響を与えない。
【0010】
そこで、本発明では、前記偏向器は、前記レーザ光による記録品質を高めるために、前記レーザ発光素子の出射光軸に対して直交する発散角が最も狭い方向および発散角が最も広い方向のうち、発散角の狭い方向が光記録ディスクのラジアル方向に一致するように反射面を傾けた状態で、当該発散角の狭い方向における前記レーザ光の強度分布の中心が前記対物レンズの光軸に対して一致するように位置合わせされている。
【0011】
本発明では、偏向器を位置合わせすることにより、対物レンズの光軸に対するレーザ光の強度分布の中心のずれのうちレーザ光の発散角の狭い方向のずれをなくしている。従って、対物レンズが光記録ディスクに集光するレーザ光のスポットの中心に対して、レーザ光の強度分布の中心は発散角の狭い方向にずれないので、品質の高い記録を行うことができる。また、レーザ光の発散角の狭い方向のずれをなくすだけで、発散角の広い方向のずれをなくす必要がないので、その分、偏向器の位置合わせを簡単にできる。
【0012】
ここで、レーザ発光素子から出射されるレーザ光の光軸が、対物レンズ光軸の方向から見た場合に、トラッキング方向と一致している場合には、偏向器をレーザ光の光軸方向あるいは対物レンズ光軸方向に移動させることにより、レーザ光の強度分布の中心を、光記録ディスク上に形成される光スポットの中心に一致させるための調整が簡単にできる。
【0013】
本発明において、前記フレームには、前記偏向器との間に当該偏光器を前記レーザ光の光軸方向に移動させることができる構造の偏向器搭載部が最初から形成されていると、偏向器をレーザ光の光軸方向に移動させてレーザ光の強度分布の中心を対物レンズの光軸に対して一致させるのに都合がよい。
【0014】
このような光ピックアップ装置の製造方法において、前記偏向器の位置合わせは、前記レーザ光が前記対物レンズに入射するように前記反射面の傾角調整を行った後、前記偏向器を前記レーザ光の光軸方向に移動することにより行うことができる。このように、対物レンズの光軸に対するレーザ光の強度分布の中心のずれのうち発散角の狭い方向のずれは、偏向器をレーザ光の光軸方向に移動させるだけの簡単な方法でなくすことができる。
【0015】
この場合には、前記反射面の傾角調整は、前記レーザ光が前記対物レンズの開口に対して垂直に入射するように行うことが好ましい。
【0016】
本発明において、前記反射面に照射された前記レーザ光の発散角の狭い方向および広い方向の2軸回りに前記偏向器の傾角調整を行う傾角調整機能、および前記レーザ光の光軸方向に前記偏向器の位置調整を行う移動機能を備えた調整器に前記偏向器を支持させ、前記調整器によって前記偏向器の前記傾角調整および前記位置調整を行った後、前記調整器によって前記偏向器を支持したまま前記偏向器を前記フレームに接着することが好ましい。このようにすれば、フレームに接着されるまで調整器によって支持されているので、偏向器の傾角調整および位置調整を行った結果、偏向器がフレームに対して浮いた状態に位置合わせされても、偏向器をフレームに固定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した光ピックアップ装置を示す断面図、およびその底面図である。図1(A)、(B)に示すように、光ピックアップ装置1は、略長方形の厚板状に形成されたフレーム2と、フレーム2の上面21に搭載された対物レンズ駆動装置4と、フレーム2の下面22側に搭載された光学系5とを有している。
【0019】
対物レンズ駆動装置4は、対物レンズ56を保持する円筒状のレンズホルダ41と、レンズホルダ41を支持する摺動軸42と、レンズホルダ41の外周面を取り囲むと共に摺動軸42が固定されたカップ状のヨーク43とを備えている。レンズホルダ41の外周面とヨーク43の内周面との間には、レンズホルダ41を摺動軸42の軸線方向に移動させるフォーカシング磁気回路(図示せず。)と、レンズホルダ41を摺動軸42の回りに回転させるトラッキング磁気回路(図示せず。)が構成されている。従って、対物レンズ56をフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動させることができる。
【0020】
光学系5は、フレーム2の側面24から差し込まれたレーザダイオード51(レーザ発光素子)と、フレーム2の下面側に区画形成された部分に収納された回折格子52、ハーフミラー53、コリメートレンズ54、および全反射ミラー55(偏向器)を備え、レーザダイオード51から出射されたレーザ光Lの進行方向に沿ってこの順に配列されている。
【0021】
レーザダイオード51から出射されたレーザ光Lは、回折格子52を通り、ハーフミラー53によって反射され、コリメートレンズ54に導かれる。コリメートレンズ54によって平行光にされたレーザ光Lは、全反射ミラー55によってフレーム2の上面側に偏向される。全反射ミラー55の上側には、フレーム2を厚さ方向に貫通する円形孔23が形成されている。フレーム2の上面側には、対物レンズ駆動装置4が保持した対物レンズ56が円形孔23に対応する位置に配置されているので、全反射ミラー55によって反射されたレーザ光Lは対物レンズ56に導かれ、対物レンズ56によって光記録ディスク10に集光される。
【0022】
光記録ディスク10からの戻り光Lは、再び対物レンズ56を通り、全反射ミラー55によってコリメートレンズ54に導かれ、ハーフミラー53に照射する。ハーフミラー53では、この戻り光Lを透過させ、フレーム2に固定されたセンサーレンズ57に導く。戻り光Lは、センサーレンズ57によってフレーム2の側面25に取り付けられた光検出器58に集光される。この光検出器58の検出結果に基づいて、トラッキングエラー信号およびフォーカシングエラー信号を生成し、対物レンズ駆動装置4によって対物レンズ56をトラッキング方向およびフォーカシング方向に駆動する。
【0023】
(全反射ミラー55の位置合わせ)
図2を参照して、本形態の光ピックアップ装置1の製造工程のうち、フレームに対する全反射ミラー55の取り付け時に行う全反射ミラーの位置合わせ方法を説明する。
【0024】
図2は、全反射ミラー55の位置合わせを説明するため斜視図である。なお、図2では、説明を簡略化するために、回折格子52およびハーフミラー53は省略してある。
【0025】
図2に示すように、レーザダイオード51が出射するレーザ光Lは、光軸L1と直交する角度方向のうちの発散角が最も狭い方向(レーザダイオード51から全反射ミラー55までのレーザ光LAではy方向、全反射ミラー55から対物レンズ56までのレーザ光LCではx方向)と、この狭い方向x、yに直交する発散角が最も広い方向(レーザダイオード51から全反射ミラー55までのレーザ光LA、および全反射ミラー55から対物レンズ56までのレーザ光LC共にz方向)を備えた長円型のファーフィールドパターンを有している。
【0026】
全反射ミラー55の反射面551は、レーザ光Lの発散角の狭い方向x、yに対して略45°傾かせて配置する。本形態では、対物レンズ56に入射するレーザ光LCの発散角の狭い方向xが光記録ディスク10のラジアル方向、発散角の広い方向zが光記録ディスク10のジッター方向である。
【0027】
また、反射面551で反射したレーザ光LCの光軸L1が対物レンズ56の光軸56Lに対して平行(対物レンズ56の開口に対して垂直)となるように、全反射ミラー55を第1の軸555まわり(矢印A)および第2の軸556まわり(矢印B)に回転させる。すなわち、全反射ミラー55の回動により、対物レンズ56の光軸56Lに対してレーザ光LCの光軸L1の傾角調整を行う。
【0028】
ここで、レーザダイオード51から出射されたレーザ光Lの強度分布の中心L2は、レーザ光Lの光軸L1に対して僅かにずれている。従って、レーザ光Lの光軸L1を対物レンズ56の光軸56Lに対して平行に設定しただけでは、レーザ光Lの強度分布の中心L2は対物レンズ56の光軸56Lからずれている。このため、対物レンズ56が光記録ディスク10に集光するスポットの中心からレーザ光Lの強度分布の中心L2がずれてしまい、レーザ光Lの光強度の強い部分(強度分布の中心L2)を有効に利用できない。このため、品質の高い記録ができない。
【0029】
そこで、本形態では、レーザ光Lの光強度の強い部分(強度分布の中心L2)を有効に利用するために、強度分布の中心合わせを行っている。
【0030】
特に、本形態では、対物レンズ56のトラッキングシフト方向(矢印Cで示す方向)にファーフィールドパターンを狭く構成している。このように、対物レンズ56のトラッキングシフト方向にファーフィールドパターンの狭い方を一致させた場合に、対物レンズ56の光軸56Lとレーザ光Lの強度分布の中心L2とが一致していないと、一点鎖線で示すように、対物レンズ56がトラッキングシフトしたときに、対物レンズ56の中心からレーザ光Lの強度分布の中心L2が大きく外れてしまう。そこで、本形態では、ファーフィールドパターンが狭い方向において対物レンズ56の光軸56Lとレーザ光Lの強度分布の中心L2とを一致させて、対物レンズ56がトラッキングシフトしたときでも、対物レンズ56の中心から光強度の強い部分が外れることを防止し、強い光を有効に利用している。
【0031】
すなわち、本形態では、前記のように全反射ミラー55の傾角調整を行った後、レーザ光Lの光軸L1の方向(レーザダイオード51から全反射ミラー55まではx方向、全反射ミラー55から対物レンズ56まではy方向)のうちのx方向に向けて全反射ミラー55を平行移動して、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれのうちの発散角の狭い方向xのずれx1をなくし、レーザ光Lの光強度の強い部分を有効に利用した品質の良い光スポットを形成している。
【0032】
例えば、図3に示すように、レーザダイオード51から出射された発散するレーザ光Lの強度分布の中心L2が光軸L1に対してy方向に1°傾いていた場合には、焦点距離x2が15.5mmのコリメートレンズ54を使用すると、強度分布の中心L2は、対物レンズ56の光軸56Lからx方向に向けて平行に0.28mmずれる。このずれをなくすには、図3に点線で示す全反射ミラー55のように、全反射ミラー55をx方向に0.28mm平行移動させればよい。
【0033】
また、レーザ光Lの光軸L1の方向のうちのy方向に向けて全反射ミラー55を平行移動して、全反射ミラー55の反射面551を図3の点線で示す全反射ミラー55の反射面551と一致させても、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれのうちの発散角の狭い方向xのずれx1をなくすことができる。
【0034】
このように全反射ミラー55の位置合わせを行い、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光LCの強度分布の中心L2のずれのうち、レーザ光LCの発散角の狭い方向xのずれをなくしているので、対物レンズ56が光記録ディスク10に集光するレーザ光Lのスポットの中心に対して、レーザ光Lの強度分布の中心L2は発散角の狭い方向にずれない。ここで、本形態のレーザダイオード51のように、光軸Lと直交する角度方向のうち発散角が最も狭い方向x、y、およびこの狭い方向に対して直交する発散角が最も広い方向zを備えたレーザ光Lでは、対物レンズ56が光記録ディスク10に集光するスポットの中心に対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれのうち、レーザ光Lの発散角の狭い方向xのずれが記録品質に与える影響が大きく、発散角の広い方向zのずれは記録品質にそれほど影響を与えない。このため本形態では、対物レンズ56が光記録ディスク10に集光するレーザ光Lのスポットの中心に対して、レーザ光Lの強度分布の中心L2は発散角の狭い方向にずれない品質の高いスポットを形成している。また、本形態では、光記録ディスク10に集光するレーザ光Lのスポットの中心に対してレーザ光Lの強度分布の中心L2は発散角の狭い方向xにずれていないスポットを形成しているので、光記録ディスク10からの戻り光Lを検出する光検出器58では、使用する光記録ディスク10によってトラッキングエラー信号にオフセットが発生するという問題もない。このように、光記録ディスク10上に品質の高いスポットをでき、かつ、トラッキングエラー信号のオフセットが発生しないので、品質の高い記録を行うことができる。
【0035】
また、本形態では、レーザ光Lの発散角の狭い方向xのずれをなくすだけで、発散角の広い方向zのずれをなくす必要がない。しかも、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれのうち発散角の狭い方向xのずれは、全反射ミラー55をレーザ光Lの光軸L1方向に平行移動させるだけの簡単な方法でなくすことができる。従って、品質の高い記録ができる光ピックアップ装置1を容易に実現できる。
【0036】
(全反射ミラー55の搭載部)
図4(A)〜(C)はそれぞれ、全反射ミラー55をフレーム2に取り付けた様子を示す右側面図、その底面図、およびその左側面図である。図4(A)〜(C)に示すように、フレーム2には、前記したように全反射ミラー55を位置調整可能な搭載部3(偏向器搭載部)が形成されている。搭載部3は、略台形の断面形状をもって左右に延びた全反射ミラー55の両側を挟む第1および第2のミラーガード31、32を備えている。
【0037】
図4(A)、(B)に示すように、第1のミラーガード31は、フレーム2の上面21側から下面22側に向けて延び、その下面313は全反射ミラー55の反射面551と略平行に傾いている。第1のミラーガード31の内側面311は、全反射ミラー55の一方の側面553に0.1mm程度の隙間Z1を開けて対峙している。また、第1のミラーガード31の内側面311には、下面313で矩形に開口した凹部312が形成されている。この凹部312の部分では、全反射ミラー55の側面553と第1のミラーガード31の内側面311との間に0.3mm程度の隙間Z3が開いており、この凹部312の部分に全反射ミラー55を固定する接着剤が充填される。
【0038】
また、第1のミラーガード31の内側面311のうち、凹部312が形成された部分の上方には、内側に向けて張り出した張り出し部33が形成されている。張り出し部33の下面331は、レーザ光Lの光軸L1と対物レンズ56の光軸56Lがほぼ一致する位置に全反射ミラー55を位置合わせしたときに、全反射ミラー55の反射面551に対して隙間G1を開けて対峙するように形成されている。
【0039】
一方、図4(B)、(C)に示すように、第2のミラーガード32は、第1のミラーガード31と左右対称に形成されている。すなわち、第2ミラーガード32は、フレーム2の上面21側から下面22側に向けて延び、その下面323は全反射ミラー55の反射面551と略平行に傾いている。第2のミラーガード32の内側面321は、全反射ミラー55の他方の側面554に0.1mm程度の隙間Z2を開けて対峙している。また、第2のミラーガード32の内側面321には、下面323で矩形に開口した凹部322が形成されている。この凹部322の部分では、全反射ミラー55の側面554と第2のミラーガード32の内側面321との間に0.3mm程度の隙間Z4が開いており、この凹部322の部分に全反射ミラー55を固定する接着剤が充填される。
【0040】
また、第2のミラーガード32の内側面321のうち、凹部322が形成された部分の上方には、内側に向けて張り出した張り出し部34が形成されている。張り出し部34の下面341は、レーザ光Lの光軸L1と対物レンズ56の光軸56Lがほぼ一致する位置に全反射ミラー55を位置合わせしたときに、全反射ミラー55の反射面551に対して隙間G2を開けて対峙するように形成されている。
【0041】
このように、レーザ光Lの光軸L1と対物レンズ56の光軸56Lがほぼ一致する位置に全反射ミラー55を位置合わせしたときに、全反射ミラー55の反射面551と、第1および第2のミラーガード31、32に形成された張り出し部33、34の下面331、341との間には、隙間G1、G2が開くので、前記したように、全反射ミラー55を光軸方向L(x方向またはy方向)に平行移動させることができる。
【0042】
(全反射ミラー55の位置合わせ方法)
図5は、全反射ミラー55の位置合わせを行う様子を示す模式図である。図5に示すように、全反射ミラー55の位置合わせを行う際には、全反射ミラー55を移動させる調整器11と、全反射ミラー55によって反射されたレーザ光Lを検出する検出装置13を用いている。
【0043】
調整器11は、全反射ミラー55を支持するアーム12を備えている。アーム12の先端121はエアーチャックとなっており、全反射ミラー55の裏面512に吸着した状態、および全反射ミラー55を放した状態に切り換えることができる。また、アーム12は、図2を参照して説明したように、全反射ミラー55に照射されるレーザ光LBの発散角の狭い方向を第1の軸555として、矢印Aで示すように、全反射ミラー55を傾角調整できる。また、全反射ミラー55に照射されるレーザ光LBの発散角の広い方向を第2の軸556として、矢印Bで示すように、全反射ミラー55を傾角調整できる。さらに、レーザ光Lの光軸Lの方向x、yのうちの少なくとも何れか一方に向けて全反射ミラー55を平行移動させることができる。このように、調整器11は、全反射ミラー55の傾角調整を行う傾角調整機能と、全反射ミラー55の位置調整を行う移動機能を備えている。
【0044】
検出装置13は、オートコリメータ14と、ハーフミラー15と、平行光強度分布測定器16を備えている。検出装置13を用いてレーザ光Lの測定を行う際には、対物レンズ駆動装置4から対物レンズ56を取り外しておき、全反射ミラー55で反射されたレーザ光Lが平行光のままで検出装置13に導かれるようにする。全反射ミラー55で反射されたレーザ光Lは、ハーフミラー15を透過し、オートコリメータ14に導かれる。また一方、ハーフミラー15で反射された光は平行光強度分布測定器16に導かれる。この平行光強度分布測定器16により、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれを検出することができる。
【0045】
これらの装置を使用して、全反射ミラー55の位置合わせを行うには、まず、調整器11のアーム12に全反射ミラー55を支持させ、検出装置13によってレーザ光Lを検出しながら、対物レンズ56の光軸56Lに対して対物レンズ56に入射するレーザ光Lの光軸L1が平行になるように、全反射ミラー55の傾角調整を行う。次に、検出装置13の検出結果に基づいて、全反射ミラー55をx方向、またはy方向に平行移動して、対物レンズ56の光軸56Lに対するレーザ光Lの強度分布の中心L2のずれのうち、レーザ光Lの発散角の狭い方向のずれをなくす。
【0046】
このようにして全反射ミラー55の位置合わせが終了した後は、全反射ミラー55を調整器11のアーム12に支持させたままで、図4(B)を参照して説明したように、全反射ミラー55をフレーム2に形成された第1および第2のミラーガード31、32に接着固定する。このようにすれば、全反射ミラー55は、フレーム2に接着されるまで調整器11のアーム12によって支持されているので、全反射ミラー55の傾角調整および位置調整を行った結果、全反射ミラー55がフレーム2に対して浮いた状態に位置合わせされても、全反射ミラー55をフレーム2に固定することができる。
【0047】
(全反射ミラー搭載部の別の例)
図6は、図4に示す全反射ミラー搭載部3の変形例を示す右側面図および底面図であり、これらの図において図4の各部分に対応する部位には同一の番号を付し、それらの説明は省略する。
【0048】
本例のミラー搭載部3Aは、ミラー55の反射面551の四隅部分が接着剤361〜364を介して固着されているミラー支持面351〜354と、ミラー55の一方の端面556が当接しているミラー当接部355とを備えている。従って、ミラー55はミラー搭載部3Aに対して、出射レーザ光の光軸方向および対物レンズ光軸の方向に自由に移動可能な状態で搭載され、位置決めされた後に、ミラー支持面351〜354とミラー55の間が接着剤361〜364によって相互に接着固定されている。また、ミラー当接部355とミラー55の端面556の間も接着剤365によって相互に接着固定されている。
【0049】
この構成のミラー搭載部3Aを備えている場合には、例えば、ミラー55を対物レンズの光軸方向、すなわち図3におけるy方向に移動させることにより、ミラー55におけるレーザー光の反射位置をy方向に上下させ、これにより、レーザー光の光強度の中心が光記録媒体に形成される光スポットの中心に位置するように調整することができる。図においてはミラー支持面351〜354とミラー反射面551の間の隙間G1が形成された状態で、ミラー55がミラー支持面351〜354に対して接着固定されている。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ピックアップ装置は、偏向器の位置合わせにより、レーザ発光素子から出射された強度分布の中心を対物レンズの光軸に合わせているので、対物レンズが光記録ディスク上に集光するスポットの中心にレーザ光の強度分布の中心が一致した品質の高いスポットを形成できる。このため、光記録ディスクからの戻り光を検出する光検出器では、使用する光記録ディスクによってトラッキングエラー信号にオフセットが発生するという問題もない。このように、光記録ディスク上に品質の高いスポットをでき、かつ、トラッキングエラー信号のオフセットが発生しないので、品質の高い記録を行うことができる。
【0052】
また、本発明では、偏向器を位置合わせすることにより、対物レンズの光軸に対するレーザ光の強度分布の中心のずれのうちレーザ光の発散角の狭い方向のずれをなくしている。このようにすれば、対物レンズが光記録ディスクに集光するレーザ光のスポットの中心に対して、レーザ光の強度分布の中心は発散角の狭い方向にずれない。対物レンズが光記録ディスクに集光するスポットの中心に対するレーザ光の強度分布の中心のずれのうち、レーザ光の発散角の狭い方向のずれが記録品質に与える影響が大きく、発散角の広い方向のずれは記録品質にそれほど影響を与えないので、本発明でも、品質の高い記録を行うことができる。また、レーザ光の発散角の狭い方向のずれをなくすだけで、発散角の広い方向のずれをなくす必要がないので、その分、偏向器の位置合わせを簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の光ピックアップ装置の断面図および底面図である。
【図2】図1に示す装置の全反射ミラーの位置合わせを説明するための斜視図である。
【図3】図1に示す装置の全反射ミラーの位置合わせの具体例を説明するための模式図である。
【図4】(A)、(B),(C)はそれぞれ、図1に示す装置の偏向器搭載部を示す右側面図、底面図および左側面図である。
【図5】図1に示す装置の全反射ミラーの位置合わせを行う様子を示す模式図である。
【図6】(A)および(B)は、図4に示す全反射ミラー搭載部の変形例を示す側面図および底面図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ装置
2 フレーム
3 搭載部(偏向器搭載部)
4 対物レンズ駆動装置
5 光学系
10 光記録ディスク
11 調整器
13 検出装置
51 レーザダイオード(レーザ発光素子)
54 コリメートレンズ
55 全反射ミラー(偏向器)
56 対物レンズ
551 全反射ミラーの反射面
56L 対物レンズの光軸
L レーザ光
L1 レーザ光の光軸
L2 レーザ光の強度分布の中心
x、y 発散角が狭い方向
z 発散角が広い方向
Claims (7)
- レーザ発光素子と、該レーザ発光素子から出射されたレーザ光を偏向する偏向器と、該偏向器によって偏向されたレーザ光を光記録ディスクに集光する対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に駆動する対物レンズ駆動装置と、前記レーザ発光素子、前記偏向器、および前記対物レンズ駆動装置が搭載されたフレームとを有する光ピックアップ装置において、
前記偏向器は、前記レーザ光による記録品質を高めるために、前記レーザ発光素子の出射光軸に対して直交する発散角が最も狭い方向および発散角が最も広い方向のうち、発散角の狭い方向が光記録ディスクのラジアル方向に一致するように反射面を傾けた状態で、当該発散角の狭い方向における前記レーザ光の強度分布の中心が前記対物レンズの光軸に対して一致するように位置合わせされていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1において、前記フレームには、前記偏向器との間に当該偏光器を前記レーザ光の光軸方向に移動させることができる構造の偏向器搭載部が形成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 請求項1に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、前記偏向器の位置合わせは、前記レーザ光が前記対物レンズに入射するように前記反射面の傾角調整を行った後、前記偏向器を前記レーザ光の光軸方向に移動することにより行っていることを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
- 請求項3において、前記反射面の傾角調整は、前記レーザ光が前記対物レンズの開口に対して垂直に入射するように行うことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
- 請求項3において、前記反射面に照射された前記レーザ光の発散角の狭い方向および広い方向の2軸回りに前記偏向器の傾角調整を行う傾角調整機能、および前記レーザ光の光軸方向に前記偏向器の位置調整を行う移動機能を備えた調整器に前記偏向器を支持させ、前記調整器によって前記偏向器の前記傾角調整および前記位置調整を行った後、前記調整器によって前記偏向器を支持したまま前記偏向器を前記フレームに接着することを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
- 請求項1において、前記レーザ発光素子から出射されるレーザ光の光軸は、前記対物レンズの光軸方向からみた場合に、前記トラッキング方向と一致していることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 請求項1または6に記載の光ピックアップ装置の製造方法において、前記偏向器の位置合わせは、前記レーザ光が前記対物レンズに入射するように前記反射面の傾角調整を行った後に、前記偏向器を前記レーザ光の前記対物レンズの光軸方向に移動させることにより行うことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
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