JP3548354B2 - 中空糸膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液中に存在する物質の濾過や透析等に用いる中空糸膜及びその製造方法に関し、より詳しくは、腎疾患あるいは薬物中毒等の治療を目的とした血液浄化、特に血液透析療法、血液濾過透析療法、あるいは血液濾過療法に適した中空糸膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空糸膜は、例えば工業分野では、ビールやジュース等の飲料の濃縮や精製あるいは水処理等に使用されている。そして、医療分野では、血液透析療法、血液濾過透析療法、あるいは血液濾過療法等(以下、血液浄化療法という)に用いる血液浄化器には半透膜や限外濾過膜が用いられている。
この血液浄化療法用の膜(半透膜や限外濾過膜)としては、セルロース、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエステル等が使用されている。
【0003】
血液浄化療法では、上述した膜を中空糸状に紡糸したもの(以下、中空糸膜という)を用い、1万本程度の中空糸を束ねた中空糸束をケーシング内に装填して構成した血液浄化器を用いている。
そして、血液濾過療法では、中空糸膜の内表面側に血液(被処理液)を流すことにより、尿毒素物質を濾別除去する。また、透析療法では、中空糸膜の内表面側に血液を流すとともに外表面側に透析液(処理液)を流し、中空糸膜を介して血液と透析液とを接触させ、拡散により尿毒素物質を除去するとともに体内の過剰な水分を除去する。
【0004】
このような中空糸膜は、セルロースに代表される親水性膜と、ポリスルホンやポリエステルに代表される疎水性膜とに大別される。
この疎水性膜の材料は、本来、エンジニアリングプラスチックとして開発されたものであるが、その機械的強度、耐熱性、耐薬品性、さらには良好な生体適合性を有していることから血液浄化療法用の中空糸膜として用いられている。
【0005】
一般に、疎水性膜は物質の吸着能が高いという性質を有している。この吸着能が高いという性質は、透析液と接触する側の表面にとっては、透析液中のエンドトキシン等の発熱物質を吸着して体内に入り込むことを防ぐことができるので好ましい。一方、血液と接触する側の表面にとっては、血液成分(蛋白等)が透析終了時においてもこの表面に付着し易くなるので、この血液成分が浄化器内に残り易いという欠点となり得る。
【0006】
このような欠点を改善するため、従来、疎水性膜に親水性を付与する場合には、例えば、特公平5−54373号公報、あるいは、特開平7−289863号公報にて開示されているように、疎水性高分子であるポリスルホン系樹脂の製膜原液に対して親水性高分子であるポリビニルピロリドンを混入し、この液を製膜原液として紡糸していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記処理によって作成された中空糸膜では、中空糸の内外表面及び厚み方向の全域に亘って親水性が付与されているので、発熱物質が吸着されず血液側(体内)に入り込む確率が高くなってしまう。
本発明はこのような事情に鑑み提案されたものであり、中空糸膜の一方の表面〔透析液(処理液)接触側の面〕の疎水性を残しつつ他方の表面〔血液(被処理液)接触側の面〕に対して親水性を付与することができる血液浄化用中空糸膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものであり、請求項1記載の発明は、吸着能を備えた疎水性高分子を主たる膜素材とした中空糸膜において、
前記中空糸膜のいずれか一方の表面にのみ平均分子量70000以上の親水性高分子が付着保持されており、当該表面を孔半径30Å乃至100Å程度の孔が形成されている緻密層としたことを特徴とする中空糸膜である。
【0009】
請求項2記載の発明は、吸着能を備えた疎水性高分子を主たる膜素材とした中空糸膜において、
前記中空糸膜の緻密層は孔半径が30Å乃至100Å程度であり、中空糸膜のいずれか一方の表面にのみ平均分子量70000以上の親水性高分子が保持されていることを特徴とする中空糸膜である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記疎水性高分子が発熱物質吸着能を備え、
前記中空糸膜の外表面を処理液との接触面、内表面を被処理血液との接触面とし、
前記外表面の発熱物質吸着能を維持しながら、前記内表面に親水性を付与したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方を主たる膜素材としていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の中空糸膜である。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記ポリエステル系樹脂がポリアリレート樹脂であり、前記ポリスルホン系樹脂がポリエーテルスルホン樹脂であることを特徴とする請求項4記載の中空糸膜である。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記疎水性高分子がポリアリレート樹脂とポリエーテルスルホン樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の中空糸膜である。
【0014】
請求項7記載の発明は、前記親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の中空糸膜である。
【0015】
請求項8記載の発明は、吸着能を備えた疎水性高分子を主成分とする製膜原液と芯液とを口金から凝固液中に吐出して製膜する中空糸膜の製造方法において、親水性高分子を、前記芯液又は凝固液のいずれか一方にのみ添加したことを特徴とする中空糸膜の製造方法である。
【0016】
請求項9記載の発明は、前記疎水性高分子が、発熱物質吸着能を有することを特徴とする請求項8記載の中空糸膜の製造方法である。
【0017】
請求項10記載の発明は、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であることを特徴とする請求項9記載の中空糸膜の製造方法である。
【0018】
請求項11記載の発明は、前記ポリエステル系樹脂がポリアリレート樹脂であり、前記ポリスルホン系樹脂がポリエーテルスルホン樹脂であることを特徴とする請求項10記載の中空糸膜の製造方法である。
【0019】
請求項12記載の発明は、前記親水性高分子が、平均分子量70000以上の親水性高分子であることを特徴とする請求項8から請求項11の何れかに記載の中空糸膜の製造方法である。
【0020】
請求項13記載の発明は、前記親水性高分子が、前記中空糸膜の内表面を透過せず、尚且つ前記内表面に所定強度の吸着力で付着保持される親水性高分子であることを特徴とする請求項8から請求項12の何れかに記載の中空糸膜の製造方法である。
【0021】
ここで、所定強度の吸着力とは、中空糸の内表面側を流れる液体の流れに抗して内表面との付着保持状態を維持し得る程度の吸着力である。
【0022】
請求項14記載の発明は、前記親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれたことを特徴とする請求項13記載の中空糸膜の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、本発明に係る中空糸膜の製造方法について説明する。
まず、製膜原液を調製する。ここでは、疎水性高分子としてのポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との合計量を、10重量%乃至25重量%の割合で有機溶媒に溶解して製膜原液を調製する。
【0024】
なお、本実施形態における前記ポリエステル系樹脂は、次式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂である。
【0025】
【化1】
【0026】
また、前記ポリスルホン系樹脂は、次式(2)で表される繰り返し単位及び次式(3)で表される繰り返し単位の少なくとも何れかを有するポリスルホン樹脂である。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
さらに、前記有機溶媒としては、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂に対して良溶媒であれば特に制限はなく、例えば、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を用いることができる。これらの中で、N−メチルピロリドンが最も好適に使用することができる。
【0030】
この製膜原液を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中に吐出することにより、中空糸膜を製造することができる。
ここで、芯液及び凝固液は、製膜原液を中空糸膜に成形するためのものであるが、樹脂溶解に使用した有機溶媒を水に混合した混合溶媒の方が、水単独よりも好ましい。これは、混合溶媒を使用した方が均一なフイブリル構造を形成しやすいためである。混合する有機溶媒としては、樹脂に対する良溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を用いることができる。これらの中で、N−メチルピロリドンが最も好適に使用することができる。
【0031】
さらに、芯液には、所定濃度に調製された親水性高分子を添加している。この親水性高分子は、中空糸膜の内表面に親水性を付与するためのものであり、中空糸膜の凝固時において、この中空糸膜の内表面に付着し保持されて、この内表面にのみ親水性を付与する。
この製造方法では、親水性高分子を芯液に添加するだけで良いので、簡単な工程で済むとともに既存の製造設備を流用可能であり、膜の変更に係るコストを極めて低く抑えることができる。また、添加する親水性高分子の種類や濃度等を比較的自由に設定することもできる。
【0032】
そして、この方法に用いる親水性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、ポリアクリルアミドからなる群から選ぶことができる。これらの群から選択することにより、取り扱い及び芯液への添加が容易となる。
【0033】
但し、この親水性高分子は、中空糸膜を透過しない性質及び吸着力が強固である性質を有することが求められる。
このような性質は分子量によって規定されるものと考えられる。一般に、水溶性高分子(親水性高分子)では、1つの分子が多数の吸着点で吸着することが知られており、分子量が高いほど強い吸着力が得られ、また、水溶性高分子の分子量が高いほど分子の大きさが大きくなり、中空糸膜を透過し難くなる。
【0034】
ところで、芯液に親水性高分子を添加せずに中空糸膜を製造した場合には、この中空糸膜は、内外表面が共に疎水性であり、高いエンドトキシン吸着能を備えている。即ち、この中空糸膜では、エンドトキシンが混入した液(例えば、井戸水、エンドトキシン濃度3〜5EU/mL)を1〜2週間に亘って連続的に濾過しても、その濾液中のエンドトキシン濃度は検出限界(0.03EU/mL以下)であった。エンドトキシンは、膜の外表面にて濾別あるいは吸着して中空糸膜の透過を阻止されたと考える。
【0035】
また、構造に関しては、その内側に緻密層が形成されるとともに、この緻密層の外側を覆うように多孔質層が形成される。緻密層は、この中空糸膜において、物質の選択透過性並びに透過速度を規定する部分で、孔半径30Å乃至100Å程度の孔が形成されている。また多孔質層は、緻密層を支持し膜の強度を保つ支持層として機能しており、緻密層よりもかなり粗い孔が形成される。
【0036】
この中空糸膜は、図1に示す分子量分画特性を有している。
同図に示すように、例えば、分子量35000の物質については、篩係数(SC)が約0.5、即ち、全体量の約50%がこの中空糸膜を透過し、分子量70000の物質については、篩係数が約0.05、即ち全体量の約5%がこの中空糸膜を透過し、残りの約95%が透過できないことが判る。同様に、分子量100000以上の物質については、ほぼ全量(100%)透過できないと考えられる。
【0037】
そして、芯液中に存在する親水性高分子は、膜の凝固の過程で緻密層に付着し保持されるものと考えられる。
従って、芯液に添加する親水性高分子としては、中空糸膜の内表面側(即ち緻密層)に形成された30Å乃至100Å程度の孔は透過せずに遮られ、尚且つ中空糸膜の内表面に対して所定強度の吸着力を備えている分子量のものが適していると考えられる。
この場合、図1より、中空糸膜の非透過率が95%以上の高分子が適している(即ち、非透過率95%で透過しないとみなす)とするならば分子量70000以上の高分子であればよいと考えられ、さらに好ましくは分子量100000以上の高分子であれば問題なく使用できると考えられる。
【0038】
そして、本発明者の研究により、上述した条件を満足する親水性高分子として、ポリビニルピロリドンが最も適しているこという知見を得た。但し、このポリビニルピロリドンも分子量に応じて複数の種類がある。実験的には、平均分子量が約40000のK30を添加した場合には、吸着力が弱く付着したものが剥がれ落ちてしまうとともに中空糸膜の内表面側から外表面側への透過が認められ使用することが困難であることが確認できた。また、平均分子量1200000のK90を添加した場合には、強固な吸着力が得られるとともに中空糸膜の内表面側から外表面側への透過も認められず好適に使用できることが確認できた。
【0039】
以上から、好適に使用できるポリビニルピロリドンの分子量の下限値は、これらのK30及びK90の範囲、即ち、平均分子量40000から平均分子量1200000の範囲内に存在することが予測されるが、現時点においては、K30とK90との間の平均分子量を有し、尚且つ医療用として使用できるポリビニルピロリドンが入手困難であることから確認はできていない。しかしながら、図1より、分子量が70000以上であれば使用できるものと考えられる。
また、ポリビニルピロリドンの濃度に関し、このK90を用いた場合には、芯液中におけるK90の濃度が、少なくとも0.5%以上であれば、好適に使用できる(即ち、中空糸膜の内表面に付着保持される)。
【0040】
次に、紡糸した中空糸膜を、有機溶媒等を除去するために水洗いし、その後、乾燥して中空糸膜を得る。このようにして得られた中空糸膜は、その内表面に親水性高分子であるポリビニルピロリドンが付着保持されている。さらに、このポリビニルピロリドンは、中空糸膜を透過しないので、中空糸膜の外表面には中空糸膜本来の疎水性が残っている。即ち、この中空糸膜は、中空糸膜の外表面の疎水性を維持しながら内表面に親水性を付与した中空糸膜となっている。
【0041】
そして、この中空糸膜を血液浄化療法に使用する場合には、この中空糸膜を用いた血液浄化器を作製する。
以下、この血液浄化器の作製について簡単に説明する。
血液浄化器の作製にあたり、まず、バンドル化処理を行う。このバンドル化処理は、1万本程度の中空糸膜を1つの束(以下、中空糸束という)にする処理である。このとき、中空糸束は、円筒状のケーシングの内径に応じた外径に調整される。
【0042】
次に、この中空糸束をケーシング内に装填し、ポッティングを行ってモジュール化する。
図2の断面図に示すように、本発明の血液浄化用中空糸膜を用いた血液浄化器1は、ポリカーボネイトにより構成された円筒状部材のケーシング2と、このケーシング2の両端部で、ケーシング2に着脱自在に螺合する閉塞蓋部材としての注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4とから構成されている。ケーシング2の側面には、透析液の流入口5と透析液の排出口6とが形成されている。また、注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4には、それぞれ、血液を注入するための注入口7と、血液を排出させるための排出口8とが突設されている。さらに、注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4とケーシング2との接触部には、水密性を保つためのシール材としてOリング9が配設されている。
【0043】
そして、このモジュール化では、同図において符号10で示す中空糸束を、ケーシング2の開口よりケーシング2内に装填し、同じく符号11で示すケーシング2の開口部をシーリング材としてのウレタン系樹脂12により封止する。さらに、中空糸束10におけるケーシングの外部にはみ出した部分を、ケーシングの開口部11と同一平面となるように切断する。これにより、ケーシング2内に中空糸束10が装填されたモジュールが作成される。そして、このモジュールに、注入側血液ポート3及び排出側血液ポート4を接続して血液浄化療法に用いる。
【0044】
なお、中空糸束10の切断面は、図3(a)に示すように、端部が開口した状態の中空糸膜13が多数密集した状態となるとともに、図3(b)に示すように、ウレタン系樹脂12が中空糸膜13同士の隙間を塞いだ結束状態となっている。また、ウレタン系樹脂12は、透析液の流入口5及び排出口6を塞いでいないので、このモジュールにおいては、血液の流路(中空糸膜の内表面側)と透析液の流路(中空糸膜の外表面側)とが中空糸膜13により分離されている。
【0045】
なお、以上説明した実施形態においては、疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との混合物である例について説明したが、この疎水性高分子については、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂の一方を主たる膜素材とすることもできる。
【0046】
また、以上説明した実施形態では、芯液のみにポリビニルピロリドンを添加し、中空糸膜の内表面のみを親水化したが、凝固液にのみポリビニルピロリドンを添加し、条件を最適化することにより、中空糸膜の外表面のみを親水化することも可能である。
【0047】
【実施例】
次に、本発明の実施例を示して、本発明を更に具体的に説明する。
【0048】
(実施例1)
前記式(1)にて示されるポリアリレート樹脂〔(株)ユニチカ製、商品名;Uポリマー〕と、前記式(3)にて示されるポリエーテルスルホン樹脂〔住友化学工業(株)製、商品名;スミカエクセルPES〕と、N−メチルピロリドンとから製膜原液を調製した。また、N−メチルピロリドン水溶液を凝固液とし、凝固液と同濃度のN−メチルピロリドン水溶液に、液中濃度が0.5%となるようにポリビニルピロリドンK90(BASF製、商品名;コリドンK−90)を添加した液を芯液とした。
そして、製膜原液を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐出して中空糸膜を作製した。
【0049】
(比較例1)
凝固液(実施例1と同じ)と同濃度のN−メチルピロリドン水溶液を芯液とし、製膜原液(実施例1と同じ)を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐出して、親水性高分子が保持されていない中空糸膜を作製した。
【0050】
(比較例2)
凝固液(実施例1と同じ)と同濃度のN−メチルピロリドン水溶液に、液中濃度が0.5%となるようにポリビニルピロリドンK30(BASF製、商品名;コリドンK−30)を添加した液を芯液とし、製膜原液(実施例1と同じ)を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐出して中空糸膜を作製した。
【0051】
そして、実施例1、比較例1及び比較例2で作製した中空糸膜について、この中空糸膜をバンドル化して中空糸束とし、中空糸束を円筒状のケーシング内に装填し、ウレタン系樹脂の一種であるポリウレタン樹脂にて端部を接着してモジュール化し、このモジュールの両端部に血液ポートを接続して、膜面積1.5平方メートルの血液浄化器を各例毎に試作した(図2、図3参照)。
【0052】
実施例1及び比較例1の中空糸束を用いた血液浄化器について、牛血液(ヘマトクリット30%、総蛋白6.5g/dL)を200mL/minの流量で循環させるとともに濾過流量を90mL/minに調整し、限外濾過量(UFR、mL/hr・mmHg)の経時変化を調べる試験を行った。更に、試験終了後の中空糸膜の残血状態を観察した。試験結果を表1に、観察結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
実施例1において、限外濾過量の経時変化は殆ど認められなかった。また、中空糸膜に対する血液付着は0本〜5本程度で殆ど認められず、血液ポートに対する血液付着も認められなかった。
比較例1においては、限外濾過量の経時的な低下が著しく、さらに、中空糸膜に対する血液付着は全体の2%〜5%(200本〜500本)で認められた。
【0056】
次に、実施例1及び比較例2の中空糸束を用いた血液浄化器について、ポリビニルピロリドンの溶出量を調べる試験を行った。
具体的には、それぞれの血液浄化器内に精製水を充填し、70℃で3時間加温した後に、充填した液(血液側流路の液)を抜き取り、ポリビニルピロリドンの濃度を測定し、充填液中のポリビニルピロリドン濃度を得た。また、前記実験にて充填液を抜き取った後の血液浄化器に対し、500mLの精製水を70℃で200mL/minの流量で4時間循環させ、この循環により精製水側に抽出されたポリビニルピロリドンの濃度を測定し、抽出液中のポリビニルピロリドン濃度を得た。試験結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
実施例1において、分子量の大きいポリビニルピロリドン(K−90)では、充填液及び抽出液の双方において溶出が殆ど認められなかった。
一方、比較例2において、分子量の小さいポリビニルピロリドン(K−30)では、充填液及び抽出液の双方において溶出が認められ、その濃度は充填液を1とすると抽出液が約0.38であった。即ち、分子量の小さいポリビニルピロリドンは、中空糸膜の内表面に付着保持してもこの内表面から徐々に離脱することが判る。
【0059】
次に、実施例1、比較例1及び比較例2で作製した中空糸膜について、ポリビニルピロリドンの付着保持状態を調べる試験を行った。
具体的には、各例で作製した中空糸膜を平面状に切り開き、この切り開いた中空糸膜を測定サンプルとして水との接触角を測定した。試験結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
実施例1において、分子量の大きいポリビニルピロリドン(K−90)では、内表面側(血液接触部側)については、水との接触角が10゜以下であり、親水性が付与されていることが認められた。外表面側(透析液接触部側)については、接触角が65゜であり、疎水性が残っていることが認められた。そして、この実施例1と比較例1との比較により、外表面側の疎水性は、中空糸膜自身の疎水性(接触角69゜)と同レベルであった。従って、分子量の大きいポリビニルピロリドンは、中空糸膜の内表面に形成された孔を透過せずに、この内表面に付着保持されていることが判る。
一方、比較例2において、分子量の小さいポリビニルピロリドン(K−30)では、内表面側及び外表面側の双方に対し、接触角が10゜以下であり、親水性が付与されていることが認められた。即ち、分子量の小さいポリビニルピロリドンは、中空糸膜の内表面に形成された孔を透過して、反対側の面である外表面側まで浸透する。
【0062】
以上より、分子量の大きいポリビニルピロリドンは、紡糸時において、中空糸膜の内表面に付着保持すると、この表面から離脱せず、また中空糸膜内に浸透しない性質を有しており、分子量の小さいポリビニルピロリドンは、中空糸膜の内表面に付着してもこの表面から徐々に離脱し、尚且つこの中空糸膜内を浸透して反対側の表面から溶出するという性質を有していることが判った。
【0063】
従って、分子量の大きいポリビニルピロリドンを用いた場合には、中空糸膜における透析液側表面の疎水性を残したまま血液接触側の表面に対して選択的に親水性を付与することができる。
【0064】
なお、以上説明した実施形態並びに実施例は、本発明の中空糸膜を血液浄化用に用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、飲料の濃縮や精製、排水処理など、多用途に適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、吸着能を備えた疎水性高分子を主たる膜素材とした中空糸膜において、前記中空糸膜のいずれか一方の表面にのみ平均分子量70000以上の親水性高分子が付着保持されており、中空糸膜の緻密層は孔半径が30Å乃至100Å程度としたので、中空糸膜の他方の表面の疎水性を維持しながら一方の表面を親水化することができる。即ち、膜の内外表面で異なった吸着特性を備えた中空糸膜を提供することができる。さらに、付着した親水性高分子が容易に離脱せず安定した性能を維持することができる。
また、この安定した性能を維持できる膜を容易に製造することができる。
【0066】
そして、一方の表面の吸着能を抑制することにより内外表面で異なった吸着特性を備えた中空糸膜を、芯液又は凝固液のいずれか一方に親水性高分子を添加するという簡単な処理で作製することができる。
【0067】
また、前記疎水性高分子が発熱物質吸着能を備え、前記中空糸膜の外表面を処理液との接触面、内表面を被処理血液との接触面とし、前記外表面の発熱物質吸着能を維持しながら、前記内表面に親水性を付与したので、血液成分による汚れ防止と処理液中に発熱物質が発生してしまった場合におけるこの発熱物質の体内混入防止という、従来では相反する機能を両立させることができる。
さらに、この血液成分による汚れ防止と発熱物質の体内混入防止という機能を両立した中空糸膜を容易に製造することができる。
【0068】
そして、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方を主たる膜素材としているので、発熱物質の吸着能を高めることができ、血液成分による汚れ防止と発熱物質の体内混入防止という機能を高いレベルで両立させることができる。
また、この血液成分による汚れ防止と発熱物質の体内混入防止という機能を高めた中空糸膜を、容易に製造することができる。
【0069】
同様に、前記親水性高分子が、前記中空糸膜の内表面を透過せず、尚且つ前記内表面に所定強度の吸着力で付着保持される親水性高分子であるので、付着した親水性高分子が容易に離脱せず安定した性能を維持することができる膜を容易に製造することができる。
【0070】
そして、前記親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドからなる群から選んだので、芯液へ容易に添加することができる。
また、取り扱いが容易な親水性高分子を選択したことにより、製造設備の設定の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空糸膜の分子量分画特性を示した図である。
【図2】血液浄化器を断面にした説明図である。
【図3】ケーシングの端部における中空糸束の切断面を示した図で、(a)が切断面全体を示した図、(b)が一部を拡大して示した図である。
【符号の説明】
1 血液浄化器
2 ケーシング
3 注入側血液ポート
4 排出側血液ポート
5 透析液の流入口
6 透析液の排出口
7 血液の注入口
8 血液の排出口
9 Oリング
10 中空糸束
11 ケーシングの開口部
12 ウレタン系樹脂
13 中空糸膜
Claims (14)
- 吸着能を備えた疎水性高分子を主たる膜素材とした中空糸膜において、
前記中空糸膜のいずれか一方の表面にのみ平均分子量70000以上の親水性高分子が付着保持されており、当該表面を孔半径30Å乃至100Å程度の孔が形成されている緻密層としたことを特徴とする中空糸膜。 - 吸着能を備えた疎水性高分子を主たる膜素材とした中空糸膜において、
前記中空糸膜の緻密層は孔半径が30Å乃至100Å程度であり、中空糸膜のいずれか一方の表面にのみ平均分子量70000以上の親水性高分子が保持されていることを特徴とする中空糸膜。 - 前記疎水性高分子が発熱物質吸着能を備え、
前記中空糸膜の外表面を処理液との接触面、内表面を被処理血液との接触面とし、
前記外表面の発熱物質吸着能を維持しながら、前記内表面に親水性を付与したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸膜。 - 前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方を主たる膜素材としていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の中空糸膜。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリアリレート樹脂であり、前記ポリスルホン系樹脂がポリエーテルスルホン樹脂であることを特徴とする請求項4記載の中空糸膜。
- 前記疎水性高分子がポリアリレート樹脂とポリエーテルスルホン樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の中空糸膜。
- 前記親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の中空糸膜。
- 吸着能を備えた疎水性高分子を主成分とする製膜原液と芯液とを口金から凝固液中に吐出して製膜する中空糸膜の製造方法において、
親水性高分子を、前記芯液又は凝固液のいずれか一方にのみ添加したことを特徴とする中空糸膜の製造方法。 - 前記疎水性高分子が、発熱物質吸着能を有することを特徴とする請求項8記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であることを特徴とする請求項9に記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリアリレート樹脂であり、前記ポリスルホン系樹脂がポリエーテルスルホン樹脂であることを特徴とする請求項10記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記親水性高分子が、平均分子量70000以上の親水性高分子であることを特徴とする請求項8から請求項11の何れかに記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記親水性高分子が、前記中空糸膜の内表面を透過せず、尚且つ前記内表面に所定強度の吸着力で付着保持される親水性高分子であることを特徴とする請求項8から請求項12の何れかに記載の中空糸膜の製造方法。
- 前記親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれたことを特徴とする請求項13記載の中空糸膜の製造方法。
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