JP2001162143A - 医療用中空糸膜、及びその製造方法 - Google Patents

医療用中空糸膜、及びその製造方法

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JP2001162143A
JP2001162143A JP34742399A JP34742399A JP2001162143A JP 2001162143 A JP2001162143 A JP 2001162143A JP 34742399 A JP34742399 A JP 34742399A JP 34742399 A JP34742399 A JP 34742399A JP 2001162143 A JP2001162143 A JP 2001162143A
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discharge hole
hydrophobic
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Masashi Yoshida
政司 吉田
Michiharu Nakao
通治 中尾
Sadanori Hori
禎憲 堀
Hidehiko Sumi
秀彦 須見
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜の外表面の疎水性を残しつつ内表面
には親水性を付与して発熱物質の体内混入を防ぎ、簡便
に製造できる医療用中空糸膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 疎水性高分子を主成分とする第1紡糸原
液と、第1紡糸原液に親水性高分子を含ませた第2紡糸
原液とを調製し、中心吐出孔3と小径環状吐出孔4と大
径環状吐出孔5を同心上に有する三重管紡糸口金1の中
心吐出孔から芯液を、小径環状吐出孔から第2紡糸原液
を、大径環状吐出孔から第1紡糸原液をそれぞれ吐出さ
せて、両紡糸原液を凝固液中で凝固させることにより、
中空糸状親水性層の外周全面に疎水性層を一体化した状
態で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液透析療法、血
液濾過療法、血液濾過透析療法などの血液浄化療法に用
いる血液浄化器、また、開心術等に用いる人工肺等に用
いる医療用中空糸膜、及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、血液透析療法などの血液浄化療法
には半透膜や限外濾過膜が用いられている。この血液浄
化療法に用いる膜(半透膜や限外濾過膜)の材質として
は、セルロース、セルロースエステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリエステル等が使用されている。
【0003】血液浄化療法では、上述した膜を中空糸状
に紡糸したもの(以下、中空糸膜という)を用い、約5
000本〜10000本程度の中空糸を束ねた中空糸束
をケーシング内に装填して構成した血液浄化器を用いて
いる。そして、血液濾過療法では、血液浄化器における
中空糸膜の内表面側に血液を流すことにより、尿毒症物
質を濾別除去する。また、血液透析療法では、血液浄化
器における中空糸膜の内表面側に血液を流すとともに外
表面側に透析液を流し、中空糸膜を介して血液と透析液
とを接触させ、拡散により尿毒症物質を除去するととも
に体内の過剰な水分を除去する。また、血液濾過透析療
法では、血液濾過療法と血液透析療法の両方の特性、即
ち、濾過と拡散によって尿毒症物質と体内の過剰な水分
を除去する。また、人工肺として使用する場合には、中
空糸膜の外表面側に血液を流す。
【0004】このような中空糸膜は、セルロースに代表
される親水性膜と、ポリスルホンやポリエステルに代表
される疎水性膜とに大別される。
【0005】この疎水性膜においては、疎水性であるが
故に本来の透過能を直ちに発揮することができないの
で、本来の透過能を直ちに発揮させるために疎水性膜に
親水性を付与する処理を行っている。
【0006】この親水性を付与するための処理として
は、例えば、特公平5−54373号公報、あるいは、
特開平7−289863号公報に開示された方法があ
る。これらの公報では、疎水性高分子であるポリスルホ
ン系樹脂の原液に対して親水性高分子であるポリビニル
ピロリドンを混入し、この液を製膜原液として紡糸する
方法が開示されている。
【0007】上記の公報に開示された方法では、親水性
高分子を混入した製膜原液から紡糸を行っているので、
作製した中空糸膜の内外表面及び厚み方向の全域に亘っ
て親水性が付与されている。
【0008】また、この方法では、親水性高分子を紡糸
原液に混入することが、膜構造の形成という目的をも担
っているので、この親水性高分子を一定量以上混入しな
ければならない。このため、紡糸後の中空糸膜からは、
混入した親水性高分子が大量に溶出する可能性がある。
従って、この中空糸膜を血液浄化器に使うためには、親
水性高分子が溶出しなくなるまで洗浄しなければならず
大変である。
【0009】この親水性高分子の溶出を防ぐための方法
としては、例えば、特公平8−9668号公報に開示さ
れた方法がある。この方法では、疎水性高分子であるポ
リスルホン系樹脂の原液に対して親水性高分子であるポ
リビニルピロリドンを混入した製膜原液から紡糸した中
空糸膜に、放射線照射、熱処理等の不溶化処理を施して
ポリビニルピロリドンを架橋・不溶化して、中空糸膜か
らの溶出を防止している。
【0010】ところで、疎水性の表面は、一般的に透析
液中に含まれるエンドトキシン等の発熱性物質を吸着す
るので、これにより、透析中の発熱性物質の侵入が原因
で発生する発熱等を防ぐことができるといわれている。
しかし、上記した公報に開示された方法では、中空糸膜
の膜厚方向の全体が親水化されてしまうので、このエン
ドトキシン等の毒素が膜内部に侵入し易く、せっかくの
吸着能が損なわれてしまう。また、疎水性の表面は、血
液中の蛋白質等を吸着する性質も持っているため、血液
接触部分の表面が疎水性であると、血液中の蛋白質等が
血液接触部分の表面に付着しやすく、透析器の性能の低
下を招く原因になりやすい。
【0011】そして、特開平6−228887号公報に
開示された方法では、中空糸膜表面と血液成分との間で
生じる生体反応を改善するため、ポリスルホン樹脂のみ
で製造した中空糸膜における内表面(血液接触側の面に
相当)側のみに親水性高分子であるポリビニルピロリド
ンを付着させた後、この付着したポリビニルピロリドン
に放射線照射、熱処理等の不溶化処理を施して架橋・不
溶化して中空糸膜からのポリビニルピロリドンの溶出を
防止している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、疎水性
高分子の原液に対して親水性高分子を混入した製膜原液
により紡糸した中空糸膜に不溶化処理を施す方法では、
中空糸膜の内外表面が親水化されて毒素の吸着能が損な
われてしまうばかりでなく、親水性高分子の混入量が多
いため、不溶化処理によっても不溶化しきれなかった親
水性高分子が溶出してしまう虞がある。
【0013】一方、中空糸膜における血液接触側面のみ
に親水性高分子付着させ、この付着させた親水性高分子
に不溶化処理を施す方法では、不溶化処理やその後の水
充填処理により製造工程が複雑になり、製品のコストア
ップを招いてしまう虞がある。また、血液接触側面の表
面のみに親水性高分子を付着させた場合、膜を通過する
蛋白が親水化されていない血液接触側面近くに吸着して
膜の透過性が経時的に劣化する可能性がある。
【0014】本発明は、このような事情に鑑み提案され
たものであり、中空糸膜の内外表面の一方(透析液接触
側の面)の疎水性を残しつつ他方の表面(血液接触側の
面)には親水性を付与して発熱物質の体内混入を防ぎつ
つ、血液成分の付着・残留を防ぐことができ、尚且つ、
放射線照射及び熱処理等の不溶化処理を別途に行うこと
を必要とせずに簡便に製造できる医療用中空糸膜、及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたもので、請求項1のものは、疎水
性高分子を主成分とする膜素材を中空糸状に形成した疎
水性層と、この疎水性層の外周または内周のいずれか一
方の全面に、上記疎水性高分子を含ませるとともに親水
性高分子を含ませた膜素材からなる親水性層を積層して
一体化したことを特徴とする医療用中空糸膜である。
【0016】請求項2に記載のものは、親水性層を形成
する前記膜素材が、疎水性層を形成する前記膜素材に親
水性高分子を含ませたものであることを特徴とする請求
項1に記載の医療用中空糸膜である。
【0017】請求項3に記載のものは、疎水性高分子を
主成分とする第1紡糸原液と、この第1紡糸原液に親水
性高分子を含ませた第2紡糸原液との2種類の紡糸原液
を調製し、中心吐出孔と小径環状吐出孔と大径環状吐出
孔を同心上に有する三重管紡糸口金の上記中心吐出孔か
ら芯液を吐出させながら、第1紡糸原液または第2紡糸
原液のいずれか一方の紡糸原液を小径環状吐出孔から、
他方の紡糸原液を大径環状吐出孔からそれぞれ吐出させ
て、両紡糸原液を凝固液中で凝固させることにより、中
空糸状親水性層の外周または内周のいずれか一方の全面
に疎水性層を一体化した状態で形成することを特徴とす
る医療用中空糸膜の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、膜素材である製膜原液の調
製を行う。本発明では製膜原液として、疎水性高分子の
紡糸原液(A)と、これに親水性高分子を含ませた紡糸
原液(B)との2種類の紡糸原液を調製する。なお、本
実施形態では紡糸原液(A)が第1紡糸原液、紡糸原液
(B)が第2紡糸原液として機能する。
【0019】疎水性高分子の紡糸原液(A)は、本実施
形態ではポリエステル系樹脂(a)とポリスルホン系樹
脂(b)との混合重量比(a/b)を0.1〜10の範
囲で定めると共に、両樹脂の合計量(a+b)が10重
量%〜25重量%の割合となるように有機溶媒に溶解し
て調製する。
【0020】なお、本実施形態における前記ポリエステ
ル系樹脂は、
【0021】式(1)
【化1】
【0022】で表される繰り返し単位を有するポリアリ
レート樹脂であり、前記ポリスルホン系樹脂は、
【0023】式(2)
【化2】
【0024】で表される繰り返し単位及び
【0025】式(3)
【化3】
【0026】で表される繰り返し単位の少なくとも何れ
かを有するポリスルホン樹脂である。
【0027】さらに、前記有機溶媒としては、ポリエス
テル系樹脂とポリスルホン系樹脂に対して良溶媒であれ
ば特に制限はなく、例えば、N−メチルピロリドン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等を用いることができる。こ
れらの中で、N−メチルピロリドンが最も好適に使用す
ることができる。
【0028】一方、親水性高分子を含ませた紡糸原液
(B)は、前記疎水性高分子の紡糸原液(A)に、親水
性高分子を含ませた紡糸原液であり、親水性高分子とし
ては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレングリ
コールの共重合体、ポリアクリルアミドからなる群から
選ぶことができる。
【0029】この様にして調製した2種類の紡糸原液
A,Bを三重管紡糸口金1を用いて芯液とともに凝固液
中に吐出することにより、中空糸膜を製造する。ここ
で、芯液及び凝固液は、紡糸原液を中空糸膜に成形する
ためのものであるが、樹脂溶解に使用した有機溶媒を水
に混合した混合溶媒の方が、水単独よりも好ましい。こ
れは、混合溶媒を使用した方が均一なフイブリル構造を
形成しやすいためである。混合する有機溶媒としては、
樹脂に対する良溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等を用いることができる。こ
れらの中で、N−メチルピロリドンが最も好適に使用す
ることができる。
【0030】三重管紡糸口金1は、図1に示すように、
直径が異なる3本の円筒管状区画壁2a,2b,2cを
所定の隙間をあけて同心上に配置することより、中心吐
出孔3と小径環状吐出孔4と大径環状吐出孔5を同心上
に有する。そして、この三重管紡糸口金1の中心吐出孔
3から芯液を吐出させながら、親水性高分子を含む紡糸
原液(B)を小径環状吐出孔4から吐出させるととも
に、疎水性高分子を含む紡糸原液(A)を大径環状吐出
孔5から吐出させ、上記両紡糸原液A,Bを凝固液中で
凝固させると、内側に中空糸状の親水性層が形成される
とともに、この親水性層の外周全面に疎水性層が一体化
した状態で形成され、全体として中空糸膜となる。
【0031】この様にして形成された親水性層は、親水
性高分子を含んだ紡糸原液が凝固した層であるから層の
厚み方向の全域に親水性を備えており、しかも、外側に
形成される疎水性層と同じ成分の紡糸原液をベースにし
ているので親和性が高く、疎水性層と強く結合して凝固
した後は両層の境目で剥離することはない。同様に、疎
水性層は、層の厚み方向の全域に疎水性を備える。な
お、親水性層および疎水性層の厚みは、それぞれ紡糸原
液を吐出させる吐出孔の間隔と紡糸原液の吐出量を調整
することにより適宜調整することができる。したがっ
て、従来は不確定あるいは不安定であった親水性の部分
の厚みを確実にコントロールすることができ、所望の親
水性を付与することができる。
【0032】また、上記のようにして紡糸した中空糸膜
は、内側が親水性で外側が疎水性であっても同じ成分の
紡糸原液をベースにしているので、従来の中空糸膜と同
様に、その内表面に緻密層が形成されると共に、この緻
密層の外側を覆うように多孔質層が形成される。緻密層
は、この中空糸膜において、物質の選択透過性並びに透
過速度を規定する部分である。また、多孔質層は緻密層
を支持し膜の強度を保つ支持層として機能しており、緻
密層よりもかなり粗い孔が形成されている。
【0033】そして、上記中空糸膜を使用して、図2に
示すような血液浄化器10とする場合には、1万本程度
の中空糸膜11を1つの束にまとめて所定の長さに切断
して中空糸膜束とし、これを円筒状のケーシング12内
に装填する。次に、ケーシング12の両端開口部をウレ
タン系樹脂13により封止するとともに、ケーシング1
2の外部にはみ出した中空糸膜束をケーシング12の開
口部と同一平面で切断し、ケーシング12の両端にキャ
ップ14を被せて血液浄化器10とする。なお、中空糸
束の切断面15は、端部が開口した状態の中空糸膜11
が多数密集した状態となるとともに、ウレタン系樹脂1
3が中空糸膜11同士の隙間を水密性を確保した状態で
塞いだ結束状態となっており、尚且つウレタン系樹脂1
3は、透析液の流入口16及び排出口17を塞いでいな
いので、血液の流路(中空糸膜11の内表面側)と透析
液の流路(中空糸膜11の外表面側)とが中空糸膜11
により分離された状態になる。図2中、符号19はOリ
ングである。
【0034】そして、この様にして組み立てた血液浄化
器10は、次に、水洗処理して、中空糸膜11の内表面
の余剰親水性高分子を洗い落とし、必要に応じて例えば
精製水を充填し、その後、γ線を照射するなどして滅菌
処理する。
【0035】この様な血液浄化器10により血液透析療
法を施す場合には、透析液の流入口16から透析液を注
入して中空糸膜11の外表面側を流して排出口17から
排出しつつ、キャップ14の血液注入ポート20から血
液を注入して中空糸膜11の内表面側を通して血液出口
ポート21から排出することにより、中空糸膜11を介
して血液と透析液とを接触させ、拡散により尿毒症物質
を除去するとともに体内の過剰な水分を除去する。
【0036】このとき、血液が接触する中空糸膜11の
内表面側は、親水性が付与されているので血液適合性が
良好である。すなわち、本発明に係る中空糸膜は、体液
接触側に親水性層を形成してある。そして、この親水性
を発揮する親水性高分子は、後処理により付着されたも
のではなくて紡糸原液の段階から含ませられており、し
かも膜の厚みの方向の一部分なので、溶出は皆無ではな
いが、膜の厚み方向の全域に親水性高分子を高い割合で
含ませた従来に比較して遥かに溶出量が少ない。したが
って、紡糸後に水洗するとしても簡単に水洗するだけで
よい。
【0037】また、透析液が接触する中空糸膜11の外
表面側は、疎水性のままなので、エンドトキシン等の毒
素を吸着して、発熱等の原因となる毒素が膜内部に侵入
することを防ぐことができる。
【0038】なお、前記実施形態では親水性層の外周の
全面に疎水性層を積層したが、親水性層の内周の全面に
疎水性層を積層してもよい。この場合には、三重管紡糸
口金1の中心吐出孔3から芯液を吐出させながら、前記
実施形態とは逆に、親水性高分子を含む紡糸原液(B)
を大径環状吐出孔5から吐出させるとともに、疎水性高
分子を含む紡糸原液(A)を小径環状吐出孔4から吐出
させ、上記両紡糸原液A,Bを凝固液中で凝固させる
と、外側に中空糸状の親水性層が形成されるとともに、
この親水性層の内周全面に疎水性層が一体化した状態で
形成され、全体として中空糸膜となる。
【0039】また、前記実施形態では疎水性層を形成す
るために使用する疎水性高分子としてポリエステル系樹
脂とポリスルホン系樹脂とを混合した例を挙げたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、従来から膜素材
として使用されている疎水性高分子を用いることができ
る。例えば、前記ポリスルホン樹脂、およびポリエステ
ル樹脂以外に、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等
を使用することができる。そしてまた、前記実施形態で
は血液浄化器10について説明したが、本発明にかかる
医療用中空糸膜の用途はこれに限定されるものではな
い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本
来的には疎水性である医療用中空糸膜であっても、紡糸
した後は内表面または外表面のいずれか一方に親水性が
付与されているので、後処理により親水性を別途付加す
る必要がなく製造工程の煩雑化を回避することができ
る。そして、内表面または外表面のいずれか一方が親水
化されている中空糸膜において、その親水化された方の
表面側に血液を流して治療した場合に、膜の血液適合性
を向上させることができる。しかも、中空糸膜の一方の
面は疎水性を維持することができる。したがって、この
面から侵入するエンドトキシン等の毒素に対する吸着能
を維持することができる。このため、エンドトキシン等
が患者の血液に混入し、発熱等の不都合が発生すること
を根本的に防止することができ、安全性を従来よりも向
上することができる。
【0041】また、親水性層と疎水性層とは膜素材であ
る紡糸原液の成分が一部共通するので、紡糸した後も親
水性層と疎水性層との結合力が強くて剥離することもな
く、品質の安定化を図ることができる。
【0042】さらに、親水性を付与した層の厚みと疎水
性を付与した層の厚みを確実に制御することができる。
したがって、設計通りの親水性、疎水性を確実に発揮さ
せることができ、中空糸膜の機能の安定化を図ることが
できる。そして、紡糸後の親水化処理という余分な工程
を必要としないので、生産能率を高めることができるば
かりでなく、中空糸膜の血液接触側面のみに親水性高分
子を付着させて親水化する従来の方法と異なり、本発明
では、親水性を付与する層の厚みを制御できるので、所
望の厚みを持たせて親水性層を形成することができる。
したがって、これにより、膜の血液接触側面付近での蛋
白質等の血液成分の吸着を制御できる。このため、膜の
劣化を低減することができる。
【0043】さらにまた、膜の内表面または外表面のい
ずれか一方を限定して親水化できるので、親水性高分子
の使用量が少なくて済み、また、親水性高分子の漏出量
を従来に比較して減少させることができる。したがっ
て、水洗する場合でも簡単な水洗で親水性高分子の溶出
を必要レベルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三重管紡糸口金の断面図である。
【図2】血液浄化器の断面図である。
【符号の説明】
1 三重管紡糸口金 2 円筒管状区画壁 3 中心吐出孔 4 小径環状吐出孔 5 大径環状吐出孔 10 血液浄化器 11 中空糸膜 12 ケーシング 13 ウレタン樹脂 14 キャップ 15 切断面 16 透析液の流入口 17 透析液の排出口 19 Oリング 20 血液注入ポート 21 血液出口ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 禎憲 石川県金沢市北陽台3−1 日機装株式会 社金沢製作所内 (72)発明者 須見 秀彦 石川県金沢市北陽台3−1 日機装株式会 社金沢製作所内 Fターム(参考) 4C077 AA03 AA05 BB01 BB02 KK03 KK10 LL13 PP09 PP12 PP15 4D006 GA06 GA13 HA02 MA01 MB09 MB10 MC21 MC38 MC48 MC62 NA05 NA60 NA75 PA01 PB09 PC41 PC48

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性高分子を主成分とする膜素材を中
    空糸状に形成した疎水性層と、この疎水性層の外周また
    は内周のいずれか一方の全面に、上記疎水性高分子を含
    ませるとともに親水性高分子を含ませた膜素材からなる
    親水性層を積層して一体化したことを特徴とする医療用
    中空糸膜。
  2. 【請求項2】 親水性層を形成する前記膜素材は、疎水
    性層を形成する前記膜素材に親水性高分子を含ませたも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の医療用中空
    糸膜。
  3. 【請求項3】 疎水性高分子を主成分とする第1紡糸原
    液と、この第1紡糸原液に親水性高分子を含ませた第2
    紡糸原液との2種類の紡糸原液を調製し、 中心吐出孔と小径環状吐出孔と大径環状吐出孔を同心上
    に有する三重管紡糸口金の上記中心吐出孔から芯液を吐
    出させながら、第1紡糸原液または第2紡糸原液のいず
    れか一方の紡糸原液を小径環状吐出孔から、他方の紡糸
    原液を大径環状吐出孔からそれぞれ吐出させて、両紡糸
    原液を凝固液中で凝固させることにより、中空糸状親水
    性層の外周または内周のいずれか一方の全面に疎水性層
    を一体化した状態で形成することを特徴とする医療用中
    空糸膜の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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