JP3548323B2 - 走査型露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法 - Google Patents
走査型露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法に関し、IC、LSI、CCP、磁気ヘッド、液晶パネル等のデバイスを製造する為のリソグラフィー工程において、ウエハに適切なる露光量を与え高集積度のデバイスを製造する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IC、LSI等の半導体デバイスの高集積化がますます加速度を増しており、これに伴う半導体ウエハの微細加工技術の中心をなす投影露光装置として、円弧状の露光域を持つ等倍のミラー光学系に対してマスクと感光基板を走査しながら露光する等倍投影露光装置(ミラープロジェクションアライナー)や、マスクのパターン像を屈折光学系により感光基板上に形成し感光基板をステップアンドリピート方式で露光する縮小投影露光装置(ステッパー)等が提案されている。
【0003】
又、最近では高解像力が得られ、且つ画面サイズを拡大できるステップアンドスキャン方式の走査型投影露光装置(露光装置)が種々と提案されている。この走査型露光装置では、レチクル面上のパターンをスリット状光束により照明し、該スリット状光束により照明されたパターンを投影系(投影光学系)を介し、スキャン動作によりウエハ上に露光転写している。
【0004】
このような走査型投影露光装置では、ウエハ面を適切なる露光量で露光することが投影解像力を向上させる為の大きな要素となっている。一般に、走査型露光装置においては、露光領域内の各点の照度はスリット照明領域内の走査方向の積算露光量で表される。従って、走査方向に照度ムラが存在していたとしても、照度分布の時間的変動がなければ走査方向の同一線上の点の積算露光量は等しくなる。つまり、走査方向の同一線上の点の照度は全て等しくなる。
【0005】
しかしながら、走査直交方向の照度ムラに関しては、直接露光量ムラとなり、焼付性能に大きな影響を与える。この為、走査直交方向の照度ムラを計測し、その測定値を用いて露光量制御を行う照度ムラ測定装置及び露光量制御装置を搭載した走査型露光装置が従来から種々と提案されている。
【0006】
図13は従来の走査型露光装置の要部概略図である。
【0007】
図中、光源1から射出した光束は、第1コンデンサーレンズ系2を介して、マスキングブレード3上に照射している。ここで光源1は第1コンデンサーレンズ系2の物体面に配置され、マスキングブレード3は第1コンデンサーレンズ系2の瞳面に配置される、所謂ケーラー照明系を構成している。マスキングブレード3は走査型露光装置においては、走査方向を短辺とするスリット状のマスク形状になっていて照明領域をここで制限している。4は第2コンデンサーレンズ系である。Rはレチクルであり、その面上には回路パターンが形成されている。マスキングブレード3とレチクル面Rは第2コンデンサーレンズ系4によって共役に配置している。
【0008】
即ち、マスキングブレード3は透過したスリット状の光束がスリット照明領域5としてレチクル面R上に結像するようにしている。
【0009】
更に、スリット照明領域5に相当するレチクルR上の回路パターンは投影レンズ6によってウエハ8上に結像している。実際の露光の際には、レチクルRがスリット照明領域5の短辺方向(X方向)16に走査し、それに同期してステージ9が走査されて露光領域全域にわたってレチクルR上の回路パターンをウエハ8面上に投影転写している。
【0010】
ステージ9上でウエハ8が配置されていない領域、或いはステージ9の端に設けられたセンサー台10上に配置されたセンサー111を、図14に示すようにスリット照明領域内を2次元的に走査し、各点のセンサー111からの出力を検出し、演算することにより照度を計測している。ここでスリット走査方向のセンサー111の移動は走査方向(X方向)のセンサー受光幅に等しいピッチでステップ的に移動させている。そして走査方向の同一線上の各ステップ位置でのセンサー111からの出力を積算露光量演算部12で積算し、走査方向の同一線上の点の積算露光量を得ている。この結果、積算露光量演算部12の出力とステージ制御部13のステージ位置情報から露光量制御部14で、図15に示すような走査直交方向(Y方向)の積算露光量分布、即ち走査直交方向の照度ムラを得ている。
【0011】
この走査直交方向の照度ムラは、前述したように、焼付性能に大きな影響を与える為に、以下のようにして積算露光量の制御を行うことにより露光量の制御を行っている。得られた走査直交方向の照度ムラをもとに露光量制御部14からマスキングブレード3へ走査方向のスリット幅を部分的に変化させる指令を出している。マスキングブレード3は走査方向の幅が変化できる機構になっている。マスキングブレード幅の変化は、例えば図15のような照度分布が得られた場合は、スリット両端の幅を中心部の幅に比べて広くして、これにより走査直交方向の照度ムラを低減している。ここで露光量制御の手段はレチクルの共役面近傍に配置されたマスク(スリット)であれば、マスキングブレードそのものでなくても良い。
【0012】
また走査方向の積算光量はセンサー111の走査方向の長さがスリット照明領域以上であれば、走査方向の移動は必要ない。更にスリット照明領域以下であっても、スリット照明領域幅に近いほど走査方向のセンサー移動量を少なくすることができるので測定時間を短くできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示す従来の走査型投影露光装置における照度ムラ測定装置においては、以下のような問題点があった。
【0014】
(A)積算露光量を得る為に走査方向にステップ移動させ、各ステップ位置での検出量の積算値を演算する必要がある為に、
(A1)走査直交方向の全域の照度分布を得るまでには時間がかかる
(A2)その為に、光源の強度変動等に起因する照度変化の影響を受け照度分布測定精度が低下してくる。
【0015】
(B)更に、走査方向のセンサー幅を長くすれば、センサーの空間的な感度ムラが増大し、積算光量測定精度が低下する。
【0016】
本発明はスリット形状の照明光束でレチクル面(第1物体)を照明し、該レチクル面のパターンを投影光学系によりウエハ(第2物体)上に走査露光方式を利用して投影露光する際、ウエハ面上の積算露光量を測定する為のセンサーとして、スリット照明領域の走査方向の幅以上の長さを有するセンサーを使用し、更に、その際に生じるセンサーの空間的な感度ムラの影響を低減する為に走査方向にもセンサーの空間的な感度ムラの広がり相当の距離だけセンサーを移動させることにより、レチクル(ウエハ)の積算露光量を高精度に検出し、高解像力でしかも大画面への投影露光を容易にした走査型露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の走査型露光装置は、照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の受光面の走査方向の寸法は前記スリット開口の走査方向の寸法以上であることを特徴としている。
請求項2の発明の走査型露光装置は、照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の走査方向の移動量は該照度検出手段の空間的な感光ムラの広がり以上であることを特徴としている。
請求項3の発明の走査型露光装置は、照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の走査方向の移動時の複数回の積算光量の測定間隔は該照度検出手段の移動距離がその空間的な感度ムラの広がりよりも短くなる時間間隔であることを特徴としている。
請求項4の発明の走査型露光装置は、照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記スリット開口による照明領域をスポット光束に変換する為のスポット光変換手段が前記第1物体面と共役面に設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、請求項1から5のいずれか1項記載の走査型露光装置を用いてデバイス製造することを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明のデバイス製造方法は、前記照度検出手段の走査方向の移動量は前記スポット光束を該照度検出手段の走査方向に走査したときに得られる光量変化を基準に決定していることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1の要部概略図である。
【0021】
同図において、超高圧水銀灯やエキシマレーザー等の光源1から射出した光束は第1コンデンサーレンズ系2を介してマスキングブレード3上に照射している。ここで光源1は第1コンデンサーレンズ系2の物体面に配置され、マスキングブレード3は第1コンデンサーレンズ系2の瞳面に配置される、所謂ケーラー照明系を構成している。尚、この第1コンデンサーレンズ系2はクリティカル照明系であっても構わない。
【0022】
マスキングブレード3は走査型露光装置においては、走査方向を短辺とするスリット状のマスク形状になっていて、照明領域をここで制限している。4は第2コンデンサーレンズ系である。Rはレチクル(第1物体)であり、その面上には回路パターンが形成されている。マスキングブレード3とレチクル面Rは第2コンデンサーレンズ系4によって共役に配置している。即ちマスキングブレード3を透過したスリット状の光束がスリット照明領域5としてレチクルR面上に結像するようにしている。
【0023】
更に、スリット照明領域5に相当するレチクルR上の回路パターンは投影レンズ6によってウエハ(第2物体)8上に結像している。実際の露光の際には、レチクルRがスリット照明領域5の短辺方向(X方向)16に走査し、それに同期してステージ9が走査されて露光領域全域にわたってレチクルR上の回路パターンをウエハ8面上に投影転写している。
【0024】
回路パターン転写においては、露光領域内における照度ムラが焼付性能に大きな影響を与える。このため本実施形態では、その照度ムラを計測し露光量を制御するようにしている。本実施形態では、次のようにしてウエハ8面上におけるスリット照明領域7の照度ムラ計測及び露光量制御を行っている。尚、走査型の投影露光装置における照度とは、スリット照明領域5の走査方向(通常は短辺方向)16の積算露光量に等しくなる。
【0025】
本実施形態においては、照度ムラ測定装置(照度検出手段)として、図2に示すように、スリット照明領域7の走査方向16の幅W以上の受光部を有するセンサー11を用いている。このようなセンサー11を使用すれば、センサー11で得られる出力は走査方向16の積算光量そのものとなる。そこで図2に示すように、走査直交方向15にだけセンサー11を移動させ、走査直交方向15の各位置でのセンサー11からの出力を得ている。
【0026】
そして、センサー11からの出力信号を積算露光量演算部12で積算している。そして積算露光量演算部12からの出力信号とステージ9を駆動制御するステージ制御部13からのステージ位置情報から、露光量制御部14で走査直交方向の積算露光量分布、即ち走査直交方向の照度ムラ(照度分布)を検出している。
【0027】
一般に、センサー11の受光部が大型化してくると、図3に示すように、特に走査方向(X方向)16について空間的な感度ムラが増大してくる。走査方向16の空間的な感度ムラは、直接、積算光量の計測誤差となる為に走査直交方向15の照度ムラ計測誤差の原因となってくる。
【0028】
そこで本実施形態では、走査方向にもセンサー11を移動させ、センサー11の移動中に積算光量の検出を複数回行い、複数回の積算光量を平均化することにより、この問題も解決している。本実施形態では走査方向(X方向)へのセンサー11の移動はステージ9そのものの移動、又は別のセンサー11だけの為の移動機構を用いて行っている。
【0029】
本実施形態においては、図3に示すようなセンサー11の局所的な感度ムラによる積算露光量計測への影響を低減する為に、微小量だけセンサー11を走査方向16に走査直交方向への移動速度に比べて高速に移動させ、その移動中に複数回の光量検出を行い、更にその複数回の検出結果の平均値を求めるようにしている。走査方向の移動はステップ的に行い、各ステップ位置での検出量の平均値としても構わない。この結果、図3における感度ムラの影響31を、図4における感度ムラの影響41のように低減させている(局所的影響が減る)。
【0030】
センサー11の空間的な感度ムラが、例えば図5に示すような周期ΔXの特性を持っている場合は、少なくともセンサー11の走査方向16への移動量をΔX以上とし、これにより図6に示すように感度ムラによる影響を低減している。また図5のような空間的に周期の短い感度ムラとは異なり、図7に示すようなセンサー11の長さ相当の長い周期の感度ムラが存在する場合は、センサー11の長さ相当の移動(ΔX′)を走査方向に行い、これにより、やはり図6に示すように感度ムラの影響を低減している。尚、本実施形態では、センサー11の移動量(例えばΔX,ΔX′)は予め使用するセンサーの種類に応じて決定して設定している。
【0031】
図8は本発明の実施形態2の要部概略図である。図1の実施形態1においては、センサー11の走査方向16の移動量を予め設定済みの移動量に基づいて決定していた。これに対して本実施形態ではセンサー移動量を検出する為の手段を新たに設け、これからの信号を利用してセンサー11を走査方向16に移動させている点が異なっており、その他の構成は同じである。
【0032】
図8において、照度ムラ測定以前にピンホール移動制御部82によりマスキングブレード3上にピンホール81を挿入している。尚、ピンホール81とピンホール移動制御部82はスポット光変換手段の一要素を構成している。ピンホール81はマスキングブレード3と入れ替えても構わない。またピンホール81の挿入位置に関しては、レチクルRと共役面であればマスキングブレード3面でなくても構わない。
【0033】
この結果、図9に示すようにセンサー11面上の1部にのみスポット光束91が照射される。このスポット径はセンサー11の走査方向の長さに比べて十分小さく、かつセンサー11の空間的な感度ムラの広がりに比べて十分小さくしている。センサー11の走査方向への移動にともないスポット光束91がセンサー11面上を移動する。
【0034】
この結果、センサー11からの出力の時間的な変化を記録して、例えば図2,5,7に示したような図と同等の信号を得ている。その図から空間的な感度ムラの広がりを求めている。例えば、図5のような周期的なデータを得て、その周期を検出することによりセンサー11の走査方向Xの移動量ΔXを決定している。この演算結果に基づいて、実施形態1で記述したようなセンサー11の走査方向の移動を行い、センサー11の空間的な感度ムラの影響による積算露光量の測定誤差を低減している。
【0035】
図10は本発明の実施形態3の要部概略図である。
【0036】
本実施形態は光源103としてエキシマレーザー等のパルス光源を用い、また光源からの光量をモニターする光量モニター手段を用いており、その他の構成は実施形態1と同じである。
【0037】
パルス光源を用いた場合は、各パルス毎の光量のばらつきが大きい為に走査方向の積算光量を正確に得る為にはパルス毎の光量ばらつきの影響を低減させる必要がある。この為に本実施形態では、マスキングブレード3と第1コンデンサー系2との間にハーフミラー102を設け、光源103からの光量の1部を光量モニター用のセンサー101でセンサー11の検出と同期させて検出している。このセンサー101での検出光量でセンサー11からの出力を割り算することにより光源103の各パルス毎のばらつきの影響を打ち消している。ここで、光量モニター用のセンサー101は光源103からレチクル面Rまでの間に配置すれば良いが、レチクル面Rと同一の条件の光量をモニターする為には、レチクル面Rと共役な面に配置するのが良い。尚、本実施形態の光量モニターの構成は、パルス光源ではなくて連続光源であっても光量変動が大きい場合に有効である。
【0038】
次に上記説明した投影露光装置を利用した半導体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0039】
図11は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造のフローを示す。
【0040】
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0041】
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
【0042】
次のステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。
【0043】
ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0044】
図12は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
【0045】
ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0046】
ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0047】
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製造することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように、スリット形状の照明光束でレチクル面(第1物体)を照明し、該レチクル面のパターンを投影光学系によりウエハ(第2物体)上に走査露光方式を利用して投影露光する際、ウエハ面上の積算露光量を測定する為のセンサーとして、スリット照明領域の走査方向の幅以上の長さを有するセンサーを使用し、更に、その際に生じるセンサーの空間的な感度ムラの影響を低減する為に走査方向にもセンサーの空間的な感度ムラの広がり相当の距離だけセンサーを移動させることにより、レチクル(ウエハ)の積算露光量を高精度に検出し、高解像力でしかも大画面への投影露光を容易にした走査型露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法を達成することができる。
【0049】
特に本発明によれば、走査方向のセンサーの受光部の大きさが走査方向のスリット照明幅以上を有する照度測定装置(センサー)を搭載し、且つその照度測定装置を走査直交方向だけでなく走査方向にも走査することにより、走査直交方向の照度ムラを正確且つ短時間で測定可能となり、その結果、露光量制御の精度が向上し、結像性能の向上がはかられるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】露光領域と照明領域及びセンサーの動きを示す図
【図3】センサー上の見かけ上の光量分布を示す図
【図4】センサー上の見かけ上の光量分布を示す図
【図5】センサー上の感度に周期的なうねりがある場合の見かけ上の光量分布を示す図
【図6】センサー上の見かけ上の光量分布を示す図
【図7】センサー上の感度に緩いうねりがある場合の見かけ上の光量分布を示す図
【図8】本発明の実施形態2の要部概略図
【図9】図8においてセンサー上にスポット照明された状態を示す図
【図10】本発明の実施形態3の要部概略図
【図11】本発明のデバイスの製造方法のフローチャート
【図12】本発明のデバイスの製造方法のフローチャート
【図13】従来の走査型露光装置の概略図
【図14】従来例における露光領域と照明領域及びセンサーの動きを示す図
【図15】従来の走査直交方向の照度分布を示す図
【符号の説明】
1 光源
2 第1コンデンサーレンズ系
3 マスキングブレード
4 第2コンデンサーレンズ系
5 レチクル上のスリット照明光束
6 投影レンズ
7 スリット照明領域
8 ウエハ
9 ステージ
10 センサー台
11 センサー
12 センサー光量検出部
13 ステージ制御部
14 露光量制御部
15 走査直交方向
16 走査方向
21 露光領域
31 局所的感度ムラの影響
41 低減された局所的感度ムラの影響
81 ピンホール
82 ピンホール移動制御部
83 積算光量演算部
91 スポット照明部
101 光量モニタ用センサー
102 ハーフミラー
103 パルス光源
111 センサー
Claims (6)
- 照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の受光面の走査方向の寸法は前記スリット開口の走査方向の寸法以上であることを特徴とする走査型露光装置。 - 照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の走査方向の移動量は該照度検出手段の空間的な感光ムラの広がり以上であることを特徴とする走査型露光装置。 - 照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記照度検出手段の走査方向の移動時の複数回の積算光量の測定間隔は該照度検出手段の移動距離がその空間的な感度ムラの広がりよりも短くなる時間間隔であることを特徴とする走査型露光装置。 - 照明系からのスリット開口を介したスリット形状の照明光束で第1物体面上のパターンを照明し、該第1物体面上のパターンを投影光学系により可動ステージに載置した第2物体面上に該第1物体と該可動ステージを該スリット開口の短手方向に該投影光学系の投影倍率に対応させた速度比で同期させて相対的に走査させながら投影露光する走査型露光装置において、
照度検出手段を該スリット開口の走査直交方向に移動させて該スリット開口の走査直交方向の積算光量分布を測定する際、該照度検出手段を走査方向に移動させて複数回の積算光量を測定して求めており、
前記スリット開口による照明領域をスポット光束に変換する為のスポット光変換手段が前記第1物体面と共役面に設けられていることを特徴とする走査型露光装置。 - 前記照度検出手段の走査方向の移動量は前記スポット光束を該照度検出手段の走査方向に走査したときに得られる光量変化を基準に決定していることを特徴とする請求項4の走査型露光装置。
- 請求項1から5のいずれか1項記載の走査型露光装置を用いてデバイス製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
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