JP3547728B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄剤組成物に関し、より詳しくは、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩や脂肪酸エタノールアミン塩を洗浄成分として含有する洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩は穏和な洗浄力でマイルドな使用感があること、常温で透明性状であること等から、また、脂肪酸エタノールアミン塩は、泡質が非常にクリーミーであること、常温で透明性状であること等から、共に、洗浄成分として、液体洗浄剤や透明固型洗浄剤に多用されている。
【0003】
しかし、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩や脂肪酸エタノールアミン塩を含有する洗浄剤組成物は、高温で長期間保存した場合に著しく褐変するという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する方法として、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩等のイオウ含有還元剤を配合すること(例えば、特許第3215111号公報、特公平6−31426号公報、特開平11−106307号公報、特開平5−255693号公報等)、並びに、尿素を配合すること(例えば、特開平10−36886号公報、特開平6−264092号公報等)がそれぞれ提案されている。
【0005】
しかし、高温で長期間保存した場合、イオウ含有還元剤を配合した洗浄剤組成物では、ある程度の褐変の防止効果を有するものの、イオウ含有還元剤由来のイオウ臭があるという問題があり、一方、尿素を配合した洗浄剤組成物では、褐変の防止効果が不十分であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決しようとするものであり、その目的は、高温で長期間保存しても、褐変が防止されかつイオウ臭がなく、保存安定性に優れた洗浄剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し、鋭意検討した結果、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩や脂肪酸エタノールアミン塩に対して、イオウ含有水溶性還元剤と尿素類の両方を配合することにより、それらの相乗効果によって、高温で長期間保存した場合でも、褐変の防止とイオウ臭の防止の両方を同時に満足する、保存安定性に優れた洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
洗浄成分としての、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩および脂肪酸エタノールアミン塩からなる群より選択される少なくとも1つのエタノールアミン塩と、
少なくとも1つの尿素類と、
少なくとも1つのイオウ含有水溶性還元剤と、
を含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。
【0009】
本発明において、好適な実施態様としては、組成物中の上記エタノールアミン塩の含有量は2重量%以上であり、また、組成物中の尿素類の含有量は0.1〜3重量%であり、さらに、イオウ含有水溶性還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびピロ亜硫酸塩から選択され、組成物中のその含有量は0.0001〜0.1重量%である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の洗浄剤組成物について詳細に説明する。本発明では、洗浄成分として、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩および脂肪酸エタノールアミン塩からなる群より少なくとも1つのエタノールアミン塩が選択されて使用される。
【0011】
本発明で使用されるN−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩において、アミノ酸としては、等電点がpH7以下の酸性または中性アミノ酸が好ましく、具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、サルコシン(N−メチルグリシン)、アラニン、グリシン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン等が挙げられる。なお、これらのアミノ酸は、d体、l体、dl体のいずれでもよい。長鎖アシル基としては、直鎖状または分岐鎖状で、飽和または不飽和の、好ましくは炭素数8〜20のアシル基であり、具体的には、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイルや、これらの混合物である、ヤシ油脂肪酸アシル、パーム核油脂肪酸アシル、牛脂脂肪酸アシル等が挙げられる。
【0012】
N−長鎖アシルアミノ酸の好適な具体例としては、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−パルミトイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸、N−イソステアロイルグルタミン酸、N−オレオイルグルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸;N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ミリストイルアスパラギン酸、N−パルミトイルアスパラギン酸、N−ステアロイルアスパラギン酸、N−イソステアロイルアスパラギン酸、N−オレオイルアスパラギン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸;N−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−パルミトイルサルコシン、N−ステアロイルサルコシン、N−イソステアロイルサルコシン、N−オレオイルサルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシルサルコシン;N−ラウロイルアラニン、N−ミリストイルアラニン、N−パルミトイルアラニン、N−ステアロイルアラニン、N−イソステアロイルアラニン、N−オレオイルアラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシルアラニン;N−ラウロイルグリシン、N−ミリストイルグリシン、N−パルミトイルグリシン、N−ステアロイルグリシン、N−イソステアロイルグリシン、N−オレオイルグリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン;N−ラウロイル−β−アラニン、N−ミリストイル−β−アラニン、N−パルミトイル−β−アラニン、N−ステアロイル−β−アラニン、N−イソステアロイル−β−アラニン、N−オレオイル−β−アラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−β−アラニン;N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニン、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニン、N−パルミトイル−N−メチル−β−アラニン、N−ステアロイル−N−メチル−β−アラニン、N−イソステアロイル−N−メチル−β−アラニン、N−オレオイル−N−メチル−β−アラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−メチル−β−アラニン等が挙げられる。これらのN−長鎖アシルアミノ酸は、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
【0013】
本発明で使用される脂肪酸エタノールアミン塩において、脂肪酸としては、直鎖状または分岐鎖状で、飽和または不飽和の、好ましくは炭素数8〜20の脂肪酸である。好適な脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸や、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
【0014】
N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩および脂肪酸エタノールアミン塩におけるエタノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのいずれであってもよい。これらのエタノールアミンは、単独で使用しても2種以上併用してもよい。なお、アミノ酸が、グルタミン酸やアスパラギン酸のような2つのカルボキシル基を有する酸性アミノ酸である場合には、モノ塩でも、ジ塩でもどちらでもよい。
【0015】
本発明においては、組成物中の上記エタノールアミン塩の含有量は2重量%以上が好ましい。この含有量が2重量%未満であると、泡立ちが劣ったり、洗浄力が弱かったりする傾向にあり、好ましくない。上記エタノールアミン塩の含有量は、本発明の洗浄剤組成物が液体洗浄剤の形態である場合には2〜30重量%、固型洗浄剤の形態である場合には4〜70重量%であることが、それぞれ好ましい。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物は、上記エタノールアミン塩と共に、少なくとも1つの尿素類と、少なくとも1つのイオウ含有水溶性還元剤を含有する。
【0017】
本発明で使用される尿素類としては、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。組成物中の尿素類の含有量は、その種類や併用するイオウ含有水溶性還元剤の種類や量にもよるが、0.1〜3重量%、特に0.5〜2.0重量%が好ましい。この含有量が0.1重量%未満であると、高温で長期間保存した時の褐変の防止効果やイオウ臭の防止効果が不十分となり、逆に、3重量%を超えると、高温で長期間保存した時にアンモニア臭が発生するおそれがあり、好ましくない。
【0018】
本発明で使用されるイオウ含有水溶性還元剤としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ハイドロサルファイト等が挙げられ、これらの中でも、褐変の防止効果がより高く、またそれ自体のイオウ臭の発生量も少ない点から、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩が好ましい。上記の塩の塩基としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属類;エタノールアミン、アミノメチルプロパノール等の有機アミン等が挙げられる。
【0019】
組成物中のイオウ含有水溶性還元剤の含有量は、その種類や併用する尿素類の種類や量にもよるが、0.0001〜0.1重量%、特に0.005〜0.05重量%が好ましい。この含有量が0.0001重量%未満であると、高温で長期間保存した時の褐変の防止効果が不十分となり、逆に、0.1重量%を超えると、高温で長期間保存した時に、イオウ臭の発生量が多くなって、尿素類によるこのイオウ臭の防止効果が不十分となるおそれがあり、好ましくない。
【0020】
なお、本発明においては、洗浄剤組成物のpHは9.5以下、特に4.0〜9.0であることが好ましい。pHが9.5を超えると、高温で長期間保存した場合に尿素類が分解してアンモニア臭が発生しやすくなり、好ましくない。
【0021】
本発明においては、イオウ含有水溶性還元剤と尿素類の両方を含有することにより、それらの相乗効果によって、洗浄剤組成物を高温で長期間保存した場合でも、褐変の防止効果とイオウ臭の防止効果の両方が同時に発揮される。つまり、イオウ含有水溶性還元剤と尿素類の両方の配合により、高温での長期間保存による洗浄剤組成物の褐変を十分に防止する。これら両方の配合により、イオウ含有水溶性還元剤の量を単独で配合する場合よりも少なく設定できるので、イオウ含有水溶性還元剤由来のイオウ臭自体の量を低減できる。そして、尿素類の配合により、イオウ含有水溶性還元剤由来のイオウ臭を確実に防止する。この防止は、尿素類がイオウ臭を捕捉することにより達成されていると推測される。尿素類の配合によりイオウ臭が防止されるということは、本出願人により初めて見出された事項である。また、尿素類の量も単独で配合する場合よりも少なく設定できるので、尿素類由来のアンモニア臭の発生も抑制できる。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物は、上記のエタノールアミン塩、尿素類、イオウ含有水溶性還元剤と共に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、必要に応じて他の公知の成分を含有してもよい。そのような公知成分としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤の界面活性剤;殺菌剤;保湿剤(グリセリン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル等);油分;香料;色素;キレート剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;生薬等の天然抽出物(レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等);非イオン、カチオンもしくはアニオン性の水溶性高分子;乳酸エステル等の使用性向上剤;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等の起泡性向上剤等が挙げられる。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物は、固型状、液体状、ペースト状等の通常使用される形態のいずれの形態とすることができる。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物を固型洗浄剤の形態とする場合、透明性を有効に得るために、グリセリン、ポリグリセリン(ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン等)、プロピレングリコール、ソルビトール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコールを含有してもよい。上記の多価アルコールの含有量は、組成物中、5〜30重量%が好ましい。当該含有量が30重量%を超えると、組成物の固化性が劣るので好ましくない。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物を液体洗浄剤の形態に製造するには、通常の製造方法が採用される。即ち、上記のエタノールアミン塩、尿素類およびイオウ含有水溶性還元剤と、その他の成分や水、アルコール等の溶媒とを混合し、50〜70℃程度で加熱溶解することにより調製される。なお、この製造工程中に、N−長鎖アシルアミノ酸や脂肪酸からそれらのエタノールアミン塩を調製してもよい。
【0026】
本発明の洗浄剤組成物を固型洗浄剤の形態に製造するには、通常の製造方法が採用される。即ち、上記のエタノールアミン塩、尿素類、イオウ含有水溶性還元剤と、その他の成分を混合し、通常の枠練り法により石鹸膠を得て、これを用いて、通常の成形工程、熟成工程(必要に応じて)、整型工程を行なうことにより、固型洗浄剤が得られる。なお、この製造工程中に、N−長鎖アシルアミノ酸や脂肪酸からそれらのエタノールアミン塩を調製してもよく、その場合は、上記の石鹸膠を得る工程中で行われる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1〜2および比較例1〜5(液体洗浄剤)
各成分を表1に示す割合で配合し、次の方法によりサンプルを調製した。なお、尿素とイオウ含有水溶性還元剤(亜硫酸水素ナトリウム)の配合量は、それぞれ表2に示す量とした。
【0029】
ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノ(トリエタノールアミン)塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、グリセリン、エデト酸3ナトリウム2水和物、尿素、亜硫酸水素ナトリウム、香料および水を混合し、これを60℃で加熱溶解した。次いで、60℃でこれにエタノールアミンを加えて混合し、サンプルとした。各サンプルに対し、色調と臭いについて以下の方法により評価した。その結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
<評価方法>
1.色調
各サンプルを37℃または50℃で4週間保存した。保存後の各サンプルについて、−5℃で4週間保存したサンプルを標準品として、専門のパネラー5名により、以下の判断基準により色調が評価された。
◎:標準品と比較して全く変化なし
○:標準品と比較して僅かに差異が認められる(問題なし)
△:標準品と比較して差異が認められる(問題あり)
×:標準品と比較して著しく差異が認められる(問題あり)
また、50℃で保存した各サンプルと標準品との色差(ΔE)をSPECTRO COLOR METER SE2000(日本電子工業(株)製)を用いて測定した(実施例3〜6および比較例6〜10のみ評価)。
【0033】
2.臭い
各サンプルを37℃または50℃で4週間保存した。保存後の各サンプルについて、−5℃で4週間保存したサンプルを標準品として、専門のパネラー5名により、以下の判断基準により臭いが評価された。
◎:標準品と比較して全く変化なし
○:標準品と比較して僅かに差異が認められる(問題なし)
△:標準品と比較して差異が認められる(問題あり)
×:標準品と比較して著しく差異が認められる(問題あり)。
【0034】
表2より、尿素と亜硫酸水素ナトリウムの両方を配合した実施例1〜2で得られたサンプルは、いずれも37℃や50℃で長期保存しても、色調の変化がなくまた臭いもないので、保存安定性に優れたサンプルであることがわかる。
【0035】
しかし、尿素のみ配合した比較例2〜4のサンプルは、いずれも50℃で長期保存すると色調に変化があった。加えて、尿素のみを比較的多く配合した比較例4のサンプルは、50℃で長期保存するとアンモニア臭いがあった。さらに、亜硫酸水素ナトリウムのみを配合した比較例5のサンプルは、50℃で長期保存するとイオウ臭いがあった。
【0036】
実施例3〜6および比較例6〜10(液体洗浄剤)
各成分を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様の方法によりサンプルを調製した。なお、尿素とイオウ含有水溶性還元剤(ピロ亜硫酸ナトリウム)の配合量は、それぞれ表3に示す量とした。各サンプルに対し、色調(およびΔE)と臭いについて上記の方法により評価した。その結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
表3より、尿素とピロ亜硫酸ナトリウムの両方を配合した実施例3〜6で得られたサンプルは、いずれも37℃や50℃で長期保存しても、色調の変化がなくまた臭いもないので、保存安定性に優れたサンプルであることがわかる。
【0039】
特に、尿素の配合量が0.5〜1.0重量%でかつピロ亜硫酸ナトリウムの配合量が0.01重量%である実施例2および実施例4は、いずれもΔEの値の値が非常に小さく色調の変化がほとんどないことから、50℃における褐変の防止効果が非常に優れていることがわかる。
【0040】
しかし、尿素のみ配合した比較例7〜8のサンプルやピロ亜硫酸ナトリウムのみを配合した比較例9〜10のサンプルは、いずれも50℃で長期保存すると色調の変化が大きかった。また、ピロ亜硫酸ナトリウムがある程度配合されている比較例10のサンプルは、50℃で長期保存するとイオウ臭いがあった。
【0041】
実施例7(固型洗浄剤)
各成分を表4に示す割合で配合して次の方法により石鹸溶液を調製した。ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ジ(トリエタノールアミン)塩、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウレート、グリセリンおよびエタノールを混合し、70℃にて加熱溶解した。次いで、イオン交換水の一部に、エデト酸3ナトリウム2水和物、尿素およびピロ亜硫酸ナトリウムを溶解し、これを70℃で上記に混合した。続いて、残りのイオン交換水を加えて70℃で1時間攪拌して、均一な石鹸溶液を調製した。この石鹸溶液を直径70mmの丸型の冷却パイプに流し込み、冷却・固化した。固化後、パイプより取り出し、所定の重量に切断し、約50日間熟成させた。その後、これを所定の金型で整型して、サンプルとした。このサンプルに対し、色調と臭いについて上記の方法により評価した。その結果を表5に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
表5より、実施例7で得られたサンプルは、37℃や50℃で長期保存しても、色調の変化がなくまた臭いもないので、保存安定性に優れたサンプルであることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩や脂肪酸エタノールアミン塩に対して、イオウ含有水溶性還元剤および尿素類を配合することにより、これらの相乗効果によって、洗浄剤組成物を高温で長期間保存した場合でも、褐変の防止効果とイオウ臭の防止効果の両方が同時に発揮され、保存安定性に優れた洗浄剤組成物を提供することができる。
Claims (5)
- 洗浄成分としての、N−長鎖アシルアミノ酸エタノールアミン塩および脂肪酸エタノールアミン塩からなる群より選択される少なくとも1つのエタノールアミン塩と、
少なくとも1つの尿素類と、
少なくとも1つのイオウ含有水溶性還元剤と、
を含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。 - エタノールアミン塩の含有量が2重量%以上である、請求項1記載の洗浄剤組成物。
- 尿素類の含有量が0.1〜3重量%である、請求項1または2記載の洗浄剤組成物。
- イオウ含有水溶性還元剤が、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびピロ亜硫酸塩から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- イオウ含有水溶性還元剤の含有量が0.0001〜0.1重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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