JP3547476B2 - パチンコ機におけるタンクレールの取付構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機において、景品球タンクの球を整列して景品球払出装置へ導くタンクレールの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のタンクレールの取付構造は、例えば図13に示すようにタンクレール100に長孔状のねじ挿通孔101を有する複数の袋状の取付部102を一体に設け、一方、タンクレール100を取付ける機構板103には前記取付部102に対応させて複数の突起104を形成し、タンクレール100の取付部102を機構板103の突起104にそれぞれ合致させた状態でビス105を取付部102のねじ挿通孔101から突起104に螺締することにより取付けるようにしていた。そして、タンクレール100の傾斜勾配を変更する場合には、ビス105を緩るめてねじ挿通孔101の範囲内で角度調節した後再びビス止めすることにより行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパチンコ機におけるタンクレールの取付構造にあっては、複数本のビスを締着しなければならず、その取付けに手間が掛かって作業能率を著しく低下させていた。また、タンクレールの傾斜勾配の変更作業も容易でなかった。
【0004】
また、パチンコ機において、現状ではこの種のタンクレールの取付けを含む裏部品の組付けに際しては多数のビス止め作業が必要とされており、コストダウンを図るために1本でもビス止め作業を減らすことが重要な課題とされている。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点にかんがみてなされたものであり、ビス止めを必要とせず、しかも簡単な構造でタンクレールを確固と取付けることができると共に、傾斜勾配の変更もワンタッチ操作で容易にできるようなパチンコ機におけるタンクレールの取付構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のパチンコ機におけるタンクレールの取付構造は、遊技盤の裏面に景品球タンク,該景品球タンクの球を整列して景品球払出装置へ導く樋状のタンクレール等を組付けた機構板を配設してなるパチンコ機において、機構板の外側表面に当接するタンクレールの後側壁にL字形の係止片と嵌合突子を設け、一方、機構板にはタンクレールの係止片をそれぞれ係止する係止孔と嵌合突子の受部とを設け、タンクレールの嵌合突子を受部に臨ませて該タンクレールを横方向へスライドさせることにより係止片を係止孔にそれぞれ係止させると共に、嵌合突子を受部に受容させ、それによつてタンクレールを機構板に取付けるようにしたものである。
【0007】
また、タンクレールの上流側が位置する機構板に突起を設け、一方、タンクレールの上流側に位置した後側壁の裏面に前記突起に嵌合し得る凹溝を設け、該凹溝を突起に嵌合するか又はタンクレールの後側壁の下縁部を突起で受けることによりタンクレールの傾斜勾配を変更可能なようにしたものである。
【0008】
さらに、タンクレールの後側壁又は機構板のいずれか一方に係止孔を設け、他方にはタンクレールを取付けた状態で係止孔に合致する弾性係止片を設け、該弾性係止片の先端を係止孔の開口縁に当接させることにより、タンクレールの横ズレを防止するようにしたものである。
【0009】
また、タンクレールの取付けを容易にするため、機構板に位置決め用のガイド突条を設けることが好ましい。
【0010】
【作用】
タンクレールの取付けは、まずタンクレールの嵌合突子を機構板の受部に、またタンクレールの係止片を機構板の係止孔にそれぞれ対応させ、然るのちにタンクレールを横方向にスライドさせることによって達らせれる。これによって、嵌合突子が受部に嵌合して受容され、係止片が係止孔にそれぞれ係止されてタンクレールが機構板に確固と取付け固定される。
【0011】
そして、タンクレールの傾斜勾配の変更は、機構板の突起とタンクレールの凹溝とを嵌合させるか、又はタンクレールの後側壁の下縁部を突起で受けさせるようにすることによって容易に達せられる。
【0012】
また、タンクレールの横ズレ防止は、タンクレールの取付け時において、該タンクレールの後側壁を機構板に当接して弾性係止片を押圧しながら横方向へスライドさせてタンクレールを取付ける。この取付けと同時に弾性係止片と、係止孔とが一致し、該弾性係止片が押圧から釈放されて弾発力で復帰する。これによって、弾性係止片の先端が係止孔の開口縁に当接して該タンクレールの横ズレを確実に防ぐ。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。図1は本発明が適用されるパチンコ機の裏面図であり、1はパチンコ機の前面枠、2は前面枠1の裏面に着脱自在に取付けられる遊技盤、3は遊技盤2の裏面に開閉自在に装着される合成樹脂製の機構板である。この機構板3の裏面上部には景品球タンク4が固着される。景品球タンク4の下方には、該景品球タンク4の球を整列して導き出すタンクレール5が設けられる。タンクレール5の下流端は、球圧を弱めるための屈曲レール25を介して景品球払出装置26に接続されている。従って、景品球タンク4の球は、タンクレール5、屈曲レール25により整列されながら景品球払出装置26に連続して導かれることになる。
【0014】
図2は本実施例の特徴となるタンクレール5の取付構造を説明するため、該タンクレール5を機構板3から分離して示す要部斜視図、図3はタンクレール5の裏面斜視図である。タンクレール5は、機構板3の外側表面に当接する後側壁6と底部7および前側壁8とにより上面開放の樋状に形成されると共に、底部7に仕切壁7a,7aを設けて長手方向に3条の球通路9(図7参照)が形成されている。なお、本発明は、図示しないが球通路9が2条のタンクレールにも同様に適用することができる。
【0015】
しかして、前記タンクレール5の上流側に位置する後側壁6の側縁部裏面に係止片10aが形成され、下側縁部には同じように係止片10b,10cが形成されている。また、係止片10aが形成された側縁部の裏面には横長の凹溝11が形成され、さらにタンクレール5の下流端近くの下側縁部には嵌合突子12が突設されている。前記各係止片10a,10b,10cは、後側壁6の裏面との間に挿入間隔Lが形成されるように平面から見てL字形(図3において左向き)に形成される。そして、これら挿入間隔Lは機構板3の肉厚とほぼ等しく形成される。
【0016】
一方、機構板3には、タンクレール5の係止片10a,10b,10cにそれぞれ対応する係止孔13a,13b,13cが形成される。また、機構板3にはタンクレール5の凹溝11に嵌合する突起14とタンクレール5の嵌合突子11に対応する受部15とタンクレール5の下流側に位置する後側壁6の上縁部に当接するガイド突条16がそれぞれ形成される。
【0017】
前記係止孔13a,13b,13cの横幅寸法は、係止片10a,10b,10cの折曲部から先端までの距離より若干大きく形成されている。また、受部15は上面と一側(図2では左側)が開口した袋状に形成されており、嵌合突子12を側部から受容可能なように形成されている。
【0018】
前記タンクレール5の係止片10aは、強度を増すため角形基部17を有し、かつ他の係止片10b,10cより縦長に大きく形成されている。このため、係止片10aに対応する係止孔13aも他の係止孔12b,12cより大きく形成されている。また、角形基部17の上部には対向片18が突設され、該対向片18と後側壁6とによつて係止孔13aの上縁部に挿入し得るガイド溝19が形成されている。また対向片18には係止孔13aの上縁部裏面に当接する突出片20が一体に形成されている。さらに、前記係止片10aの先端内側には爪部21が形成されており、機構板3の裏面にはタンクレール5を取付けたとき爪部21が係止される係止溝22が形成されている。
【0019】
このような構成からなる本発明において、タンクレール5を機構板3に取付けるには、まず、図5に示すようにタンクレール5の後側壁6を機構板3の外側表面に当接し、嵌合突子11を受部15の側部に臨ませると共に、各係止片10a,10b,10cを係止孔13a,13b,13cにそれぞれ臨ませる。なお、この際に、タンクレール5の凹溝11と突起14が係合し、さら後側壁6の上縁部をガイド突条16に沿わせることによりタンクレール5の正確な位置づけ機能が与えられる。
【0020】
次いで、タンクレール5を横方向(図4において右方向)にスライドさせると、図6に示すように嵌合突子11が受部15に嵌合して受容されると共に、図7および図8に示すように各係止片10a,10b,10cが係止孔13a,13b,13cに係止されることになり、これによつてタンクレール5が機構板3に取付けられる。そして、タンクレール5の取付け状態において係止片10aの先端爪部21は、図7に示すように機構板3の係止溝22に嵌入してタンクレール5の横ズレを防止するように機能する。また、各係止片13a,13b,13cの挿入間隔Lは、タンクレール5を機構板3に密着させて該タンクレール5の前後方向のガタつきを無くすように機能し、タンクレール5の確固とした取着状態を保証する。
【0021】
また、本発明のタンクレールの取付構造は、図6鎖線で示すようにタンクレール5の傾斜勾配を容易に変更することが可能である。このタンクレール5の傾斜勾配の変更は基本的には合成樹脂の弾性を利用して行うもので、タンクレール5が取付けられた状態においてタンクレール5の上流側を手で持って上方へ回動するようにひねりを与える。これによって、機構板3とタンクレール5の後側壁6とが僅かに離間し、突起14と凹溝11との係合を外すことが可能となる。そして、突起14と凹溝11との係合を外した状態で図9鎖線のようにタンクレール5の上流側を上方へ押上げ、さらに図10に示すように後側壁6の下縁部を突起14で受けさせることにより達せられる。なお、前記ガイド溝19および突出片20は、タンクレール5の傾斜勾配を変更するときに該タンクレール5の上下方向の移動を確実に行わせるように機能する。
【0022】
また、本発明では、タンクレール5を機構板3に取付けた状態において該タンクレール5の横ズレをさらに確実に防止するための手段を備えている。すなわち、図2および図4に示すようにタンクレール5の上流側に位置する後側壁6の下縁部に係止孔23を形成し、機構板3にはタンクレール5を取付けた状態においてその係止孔23と合致する位置に弾性係止片24を形成している。この弾性係止片24は、先端が常に機構板3の表面から突出し、外力で押さえつけられたとき元の突出位置に復帰するように弾性が備えられている。
【0023】
しかして、タンクレール5の取着時において該タンクレール5の後側壁6を機構板3に当接して図11鎖線で示すように弾性係止片24を押圧しながら横方向へスライドさせて該タンクレール5を取付ける。この取付けと同時に後側壁6で押圧されていた弾性係止片24が弾発力で復帰し、図11実線のようにその先端を係止孔23に突出させて該係止孔23の開口縁に当接し、これを係止する。これによつて、タンクレール5の横ズレが確実に防止されることになる。なお、このタンクレール5の横ズレ防止手段は、例えば図13に示すようにタンクレール5に弾性係止片24を形成し、機構板3に係止孔23を形成するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るパチンコ機におけるタンクレールの取付構造は、簡単な構造であり、しかもビス止めすることなくワンタッチ操作でタンクレールを機構板に取付けることができ、作業性の向上、低コスト化等に優れた効果を発揮する。
【0025】
また、タンクレールの傾斜勾配の変更もワンタッチ操作で容易にできると共に、タンクレールの横ズレを防止してタンクレールの取付け状態を確実かつ安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図である。
【図2】タンクレールを機構板から分離して示す要部の斜視図である。
【図3】タンクレールの裏面斜視図である。
【図4】タンクレールを機構板に取付けた状態の要部斜視図である。
【図5】タンクレールを取付ける状態の要部の正面図図である。
【図6】タンクレールを取付けた状態の要部の正面図である。
【図7】タンクレールの上流側の後側壁部分の係止状態を示す断面図である。
【図8】タンクレールの後側壁の下側縁部分の係止状態を示す断面図である。
【図9】機構板の突起とタンクレールの凹溝との係合部分を示す断面図である。
【図10】タンクレールの後側壁の下縁部分の正面図である。
【図11】機構板の弾性係止片とタンクレールの係止孔との係止状態を示す断面図である。
【図12】図11の他の実施例図である。
【図13】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
2 遊技盤
3 機構板
4 景品球タンク
5 タンクレール
6 後側壁
10a,10b,10c 係止片
11 凹溝
12 嵌合突子
13a,13b,13c 係止孔
14 突起
15 受部
16 ガイド突条
23 係止孔
24 弾性係止片
Claims (2)
- 遊技盤の裏面に景品球タンク,該景品球タンクの球を整列して景品球払出装置へ導く樋状のタンクレール等を組付けた機構板を配設してなる
パチンコ機において、
機構板の外側表面に当接するタンクレールの後側壁にL字形の係止片と嵌合突子を設け、一方、機構板にはタンクレールの係止片をそれぞれ係止する係止孔と嵌合突子の受部とを設け、タンクレールの嵌合突子を受部に臨ませて該タンクレールを横方向へスライドさせることにより係止片を係止孔にそれぞれ係止させると共に、嵌合突子を受部に受容させ、それによつてタンクレールを機構板に取付けるようにし、さらに、タンクレールの上流側が位置する機構板に突起を設け、一方、タンクレールの上流側に位置した後側壁の裏面に前記突起に嵌合し得る凹溝を設け、該凹溝を突起に嵌合するか又はタンクレールの後側壁の下縁部を突起で受けることによりタンクレールの傾斜勾配を変更可能なように構成したことを特徴とするパチンコ機におけるタンクレールの取付構造。 - タンクレールの下流側が位置する機構板に、該タンクレールの後側壁に設けた嵌合突子を受部に臨ませた状態で、該後側壁の上縁を当接させるガイド突条を設けたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機におけるタンクレールの取付構造。
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