JP3546757B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼へと一時的に切り換えるリッチスパイク処理を実行する内燃機関の燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料を吸気行程中に噴射し機関燃焼室に均一に分散させて燃焼させる均質燃焼に加え、同燃料を圧縮行程中に噴射し機関燃焼室内の点火プラグ近傍に偏在させて燃焼させる成層燃焼を行うようにした内燃機関が提案されている(例えば、特開平7−332071号公報参照)。
【0003】
こうした内燃機関では、排気に含まれる窒素酸化物(NOx)が成層燃焼中に増大するため、その排気通路にNOx吸蔵還元触媒(以下、「NOx触媒」と略記する)を設けるようにしている。このNOx触媒は、成層燃焼時のように空燃比が理論空燃比よりもリーンに設定されているときに、排気中のNOxを吸蔵する一方、空燃比が理論空燃比よりもリッチに設定されているときに、吸蔵したNOxを窒素(N2)に還元して排気通路中に放出することにより、NOxを浄化するものである。
【0004】
こうしたNOx触媒を備えた内燃機関にあっては、成層燃焼が長時間継続されてNOxの吸蔵量がその限界量近くにまで達したときに、燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に一時的に切り換える処理、いわゆるリッチスパイク処理を実行するようにしている。このリッチスパイク処理の実行により、NOx触媒に吸蔵されているNOxは浄化された後に排気通路中に放出されるようになるため、同触媒のNOx吸蔵能力が維持されるようになる。
【0005】
また、リッチスパイク処理時に燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換えるに際し、燃料噴射量を増量するだけでは、燃焼形態の切り換えに伴う機関出力(トルク)の不必要な増大を招くこととなる。そこで、従来では、上記公報に記載されるように、燃焼形態を切り換える際に、スロットル開度を併せて減少させることにより吸入空気量を減量するようにしている。その結果、機関トルクを一定に保持したまま燃焼形態を切り換えことができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、NOx触媒には、NOx吸蔵量がその限界量近くまで増大した状態で空燃比が理論空燃比近傍(以下、ストイキ近傍という)に保持されると、NOxを浄化しないまま放出してしまう特性がある。このため、上記リッチスパイク処理の実行に際しては以下のような問題も無視できないものとなっている。
【0007】
すなわち、燃料噴射弁の開弁時間の変更に伴って燃料噴射量は速やかに変化するのに対し、吸入空気量は所定の応答遅れ時間が経過した後でなければスロットルバルブの開度に対応した量にまで変化しない。このため、図7のタイミングチャートに示すように、リッチスパイク処理が開始されると(同図7に示すタイミングt0)、燃料噴射量は燃料噴射弁の開弁時間の増大に伴って速やかに増加するものの、吸入空気量は燃料噴射量の増大よりも遅れて均質リッチ燃焼時に対応した量にまで徐々に減少するようになる。
【0008】
そして、こうした吸入空気量の応答遅れに起因して空燃比もまたリーン領域からリッチ領域へと緩やかに移行するようになるため、同空燃比がストイキ近傍を通過するのに比較的長い時間(τs)を要するようになる。その結果、NOx触媒から浄化されずに放出されてしまうNOxの量が増大するようになり、同NOx触媒における浄化能力の実質的な低下も避けきれないものとなる。
【0009】
この発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リッチスパイク処理の実行に際し、NOx触媒からのNOxの放出を抑制することのできる内燃機関の燃焼制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明では、燃料噴射形態を圧縮行程中に燃料を気筒内に直接噴射する形態として成層燃焼を実行するとともに前記燃料噴射形態を吸気行程中に燃料を噴射する形態として均質リッチ燃焼を実行する内燃機関の燃焼制御装置において、機関トルクが一定となるように成層燃焼から均質リッチ燃焼へと切り換えるに際し、燃料噴射形態を変更せずにスロットル開度を均質リッチ燃焼時に要求される開度に設定し燃料噴射量を該設定されるスロットル開度に応じて制御する燃焼形態を一旦実行した後、燃料噴射形態を変更し燃焼形態を均質リッチ燃焼へと切り換える切換手段を備えることをその要旨とする。
【0011】
同構成においては、切換手段は、リッチスパイク処理の実行時、成層燃焼から均質リッチ燃焼へと切り換えるに際し、最初、燃料噴射形態は変更せずにスロットル開度の設定のみ成層燃焼時に設定された開度から均質リッチ燃焼に要求される開度に設定を変更し、燃料噴射量を該設定されるスロットル開度に応じて制御する燃焼形態を一旦実行する。その後、燃料噴射形態を変更し燃焼形態を均質リッチ燃焼へと切り換える。そのため、リッチスパイク処理の実行に際して、機関トルクの変化をなくしつつ、NOxがNOx触媒によって浄化されずに放出されてしまうストイキ近傍の空燃比域を通過する時間を短縮することができるようになる。その結果、NOxエミッションの悪化を抑制できる。
【0012】
また、請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記切換手段は、前記燃料噴射形態を変更せずにスロットル開度を均質リッチ燃焼時に要求される開度に設定し燃料噴射量を該設定されるスロットル開度に応じて制御する燃焼形態の実行期間を、前記スロットル開度の設定に伴う機関の吸入空気量変化の応答遅れ期間より長い期間に設定することをその要旨とする。
【0013】
燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼へと切り換えるに際し、空燃比はリーン領域からリッチ領域へ移行する。そのとき空燃比は機関の吸入空気量の変化に対応して変化することとなるが、同構成によれば、吸入空気量の変化が終了してから、すなわち吸入空気量変化の応答遅れに影響されずに前記空燃比の移行が行われることとなる。そのため、より確実に空燃比がストイキ近傍を通過する時間を短縮することができるようになる。その結果、NOxエミッションの悪化も確実に抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を筒内燃料噴射式ガソリンエンジンの燃焼制御装置に適用するようにした一実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。
【0015】
図1は本実施の形態に係る燃焼制御装置を示す概略構成図である。同図1に示されるエンジン10のシリンダブロック11に形成された複数のシリンダ15(図1ではその一つを示す)内には、コネクティングロッド16を介してクランクシャフト14に連結されたピストン13が往復動可能にそれぞれ設けられている。このピストン13の上面とシリンダ15の内壁面及びシリンダヘッド12の下面によって燃焼室17が区画形成されている。この燃焼室17はシリンダヘッド12に形成された吸気ポート18及び排気ポート19を介して吸気管20及び排気管21に接続されている。
【0016】
吸気管20にはサージタンク22が設けられるとともに、その上流側にはスロットルモータ54によって開度(スロットル開度)が調節されるスロットルバルブ34が設けられている。このスロットルバルブ34によって燃焼室17に導入される吸入空気の量が調節される。
【0017】
シリンダヘッド12には燃焼室17内に燃料を直接噴射するインジェクタ50と、燃焼室17内の混合気を点火する点火プラグ26とが各シリンダ15に対応してそれぞれ設けられている。燃料噴射量及び燃料噴射時期は、インジェクタ50の開閉動作に基づいて調節される。
【0018】
排気管21には三元触媒23が設けられ、さらにその下流側にはNOx触媒24が設けられている。燃焼室17から排気管21に排出される排出ガスはこれら各触媒23,24によって浄化される。
【0019】
吸気管20においてスロットルバルブ34の近傍にはアクセルセンサ64が設けられている。このアクセルセンサ64は運転者によって操作されるアクセルペダル46とワイヤ(図示略)により連結されており、同センサ64からはアクセルペダル46の踏込量(アクセル開度ACCP)に応じた検出信号が出力される。
【0020】
また、排気管21は、排気還流(EGR)通路42を介してサージタンク22に接続されている。このEGR通路42の途中には、排気還流バルブ(EGRバルブ)43が設けられている。このEGRバルブ43の開度に基づいて、排気管21からEGR通路42を通じて吸気管20に再循環される排気の量(EGR量)が調整される。
【0021】
クランクシャフト14の近傍にはクランクセンサ65が設けられ、また、このクランクシャフト14の回転と同期して回転する各カムシャフト30,31の一方の近傍にはカムセンサ66が設けられている。これら各センサ65,66からはクランクシャフト14の回転角(クランク角CA)と、同クランクシャフト14の回転速度(機関回転速度NE)とに応じた信号が出力される。
【0022】
サージタンク22には吸気圧センサ67が設けられており、同センサ67からは吸気管20内の吸入空気の圧力(吸気圧PM)に応じた検出信号が出力される。
【0023】
これら各種センサ64〜67の検出信号はエンジン10の電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)60に入力される。ECU60はこれら検出信号に基づいてアクセル開度ACCP、クランク角CA、機関回転速度NE、吸気圧PMをそれぞれ検出する。ECU60はこれら各検出値に基づいてインジェクタ50の電磁弁、スロットルモータ54、EGRバルブ43等を駆動することにより、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量、及びEGR量等を機関運転状態に適合するように制御する。ECU60はこうした各種制御を所定の手順にしたがって実行するための制御プログラムや関数データが予め記憶されたメモリ61を備えている。
【0024】
本実施の形態におけるエンジン10は、以下の4つのモードの間で切り換えられるようになっている。
1.成層燃焼
燃焼形態として成層燃焼が選択されると、燃料噴射時期は、圧縮行程後期に設定される(圧縮行程噴射)。また、燃焼室17内における混合気の平均的な空燃比は理論空燃比よりもリーンに設定される。
【0025】
2.均質ストイキ燃焼
燃焼形態として均質ストイキ燃焼が選択されると、燃料噴射時期は吸気行程中に設定され(吸気行程噴射)、空燃比はストイキ近傍に設定される。
【0026】
3.均質リッチ燃焼
燃焼形態として均質リッチ燃焼が選択されると、燃料噴射時期は均質ストイキ燃焼時と同様、吸気行程中に設定される(吸気行程噴射)。また、空燃比は理論空燃比よりもリッチに設定される。なお、この均質リッチ燃焼は、後述するリッチスパイク処理中においてのみ選択される。
【0027】
4.過渡時成層燃焼
この過渡時成層燃焼は、リッチスパイク処理により燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換える途中及び均質リッチ燃焼から成層燃焼に切り換える途中に一時的に選択される。燃焼形態として過渡時成層燃焼が選択されると、燃料噴射時期は成層燃焼時と同じ圧縮行程後期に設定され(圧縮行程噴射)、スロットル開度及びEGR開度はいずれも成層燃焼時よりも小さく、均質リッチ燃焼時における開度と等しくなるように設定される。従って、吸入空気量は、成層燃焼時よりも少なくなり、均質リッチ燃焼時の量と等しくなる。さらに、燃料噴射量は、この吸入空気量の減少の伴って機関トルクが低下するのを抑制し得る量まで成層燃焼時の燃料噴射量よりも増量される。また、燃焼室17内における混合気の平均的な空燃比は理論空燃比よりもリーンに設定される。
【0028】
これら燃焼形態の切り換えは、ECU60によって、機関運転状態やNOx触媒24のNOx吸蔵量等に基づいて行われる。以下、こうした燃焼形態の切換手順について説明する。
【0029】
まず、ECU60は、図2に示すようなアクセル開度ACCP及び機関回転速度NEと基本燃料噴射量Qbseとの関係を示すマップから基本燃料噴射量Qbseを求める。なお、このマップは前記メモリ61に記憶されている。この基本燃料噴射量Qbseはエンジン10の負荷状態を反映するものである。
【0030】
次に、ECU60は、こうして求められた基本燃料噴射量Qbseと機関回転速度NEとに基づいて燃焼モード指示値fmodeを決定する。この燃焼モード指示値fmodeは、前述した各燃焼形態のうちの何れを選択するかを決定するためのものである。
【0031】
例えば、この燃焼モード指示値fmodeが「0」である場合には、燃焼形態として成層燃焼が選択され、燃焼モード指示値fmodeが「12」である場合には、燃焼形態として均質ストイキ燃焼がそれぞれ選択される。さらに、燃焼モード指示値fmodeが「2」である場合には、燃焼形態として過渡時成層燃焼が選択され、燃焼モード指示値fmodeが「11」である場合には、燃焼形態として均質リッチ燃焼がそれぞれ選択される。
【0032】
ECU60のメモリ61には、この燃焼モード指示値fmodeの値と機関回転速度NE及び基本燃料噴射量Qbseとの関係を定義する関数データが記憶されている。図3はこの関数データを概略的に示すマップである。
【0033】
例えば、機関回転速度NE及び基本燃料噴射量Qbseが同図3に示す一点鎖線に沿って点Aに示す状態から点Bに示す状態に変化する場合、燃焼モード指示値fmodeは「0」から「12」と変化し、燃焼形態は成層燃焼から均質ストイキ燃焼に変更されることとなる。
【0034】
一方、ECU60は所定の実行条件が満たされると、リッチスパイク処理を開始する。リッチスパイク処理が開始されると、前記燃焼モード指示値fmodeは「0」から「2」を経て「11」に切り換えられ、この切り換えに伴って、燃焼形態は成層燃焼から過渡時成層燃焼を経て均質リッチ燃焼にまで強制的に切り換えられるようになる。
【0035】
以下、こうしたリッチスパイク処理について説明する。
本実施の形態におけるリッチスパイク処理では、燃料噴射量及び吸入空気量をそれぞれ成層燃焼に対応する量から均質リッチ燃焼に対応する量へと変更する際に、その変化に応答遅れがある吸入空気量を先に変更し、所定期間が経過した後に再度、燃料噴射量を変更するようにしている。そして、このように吸入空気量と燃料噴射量の変更時期をずらすことにより、空燃比をリーン領域からリッチ領域にすばやく移行させ、同空燃比がストイキ近傍を通過するのに要する時間を短縮するようにしている。
【0036】
次に、このリッチスパイク処理の実行手順の一例を、図4,図5に示すフロチャート及び図6に示すタイミングチャートを併せ参照して詳細に説明する。なお、ECU60は、これら図4,図5のフローチャートに示す一連の処理を、例えば所定のクランク角周期毎に実行する。
【0037】
まず、ECU60は、図4に示すステップ100において、前記アクセルセンサ64、カムセンサ66、及びクランクセンサ65等から出力される検出信号に基づき、それぞれ現在のアクセル開度ACCP、クランク角CA、及び機関回転速度NE等のデータを得る。そして、このアクセル開度ACCP及び機関回転速度NEに基づき前記マップから現在の基本燃料噴射量Qbseを求め、ステップ110に移行する。
【0038】
このステップ110において、ECU60は、リッチスパイク処理実行フラグ(以下、単にRS実行フラグという)XRSが「ON」であるか否かを判断する。このRS実行フラグXRSはリッチスパイク処理が実行中であるか否かを判断するためのフラグであり、同リッチスパイク処理が実行中は「ON」とされ、非実行中は「OFF」とされる。なお、このRS実行フラグXRSは、図6において、タイミングt1に「ON」とされ、タイミングt4に「OFF」とされる。そのため、同図6においてリッチスパイク処理はタイミングt1〜タイミングt4の期間に実行されることとなる。
【0039】
ここで、RS実行フラグXRSが現在「ON」である、すなわちリッチスパイク処理が現在、実行中と判断した場合は、ECU60はステップ210の処理に移行する。一方、リッチスパイク処理が現在、非実行中と判断した場合は、ECU60はステップ120の処理に移行する。以下において、このリッチスパイク処理が非実行中であって処理をステップ120に移行する場合について説明する。
【0040】
ECU60は、ステップ120において、上記燃焼モード指示値fmodeの値が「0」、すなわち、現在、成層燃焼が行われているか否かを判断する。ここで燃焼モード指示値fmodeの値が「0」でないと判断した場合、ECU60は処理を一旦終了する。これは、ECU60は、現在、燃焼モード指示値fmodeの値は「12」であり、燃焼形態として均質ストイキ燃焼が実行されていると判断したためである。すなわち、均質ストイキ燃焼中にはリッチスパイク処理は行われない。なお、燃焼モード指示値fmodeの値は「12」である場合には、別の処理ルーチンを通じて均質ストイキ燃焼時に対応したスロットル開度、燃料噴射量等が算出される。
【0041】
一方、同ステップ120において、燃焼モード指示値fmodeの値が「0」あると判断した場合、ECU60はステップ130の処理に移行する。
このステップ130において、ECU60は、機関回転速度NE及び基本燃料噴射量Qbseと目標スロットル開度TRT(=trt0map(NE,Qbse))との関係を示す成層燃焼時用のマップ(図示略)から、現在の目標スロットル開度TRTを求める。同様に、機関回転速度NE及び基本燃料噴射量QbseとEGRバルブ43の目標開度である目標排気還流バルブ開度EGR(=egr0map(NE,Qbse))との関係を示す成層燃焼時用のマップ(図示略)から、現在の目標排気還流バルブ開度EGRを求める。また、ECU60は、最終燃料噴射量QINJを現在の基本燃料噴射量Qbseに等しい量に設定して、ステップ140に移行する。
【0042】
このステップ140において、ECU60は、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αに達したか否かを判断する。ここで触媒カウンタCNT1は、燃焼形態として成層燃焼が選択されている期間、すなわち燃焼モード指示値fmodeの値が「0」または「2」に設定されている期間を累積してカウントするタイマカウンタであり、別の処理ルーチンを通じて操作されるものでる。そして、この触媒カウンタCNT1のカウント数に応じて前記NOx 触媒24に吸蔵されたNOx量が推定される。ここで、上記所定数αは、NOx触媒24に吸蔵されたNOx量が限界量近傍に達しているときの値として設定されている。
【0043】
ECU60は、同ステップ140において、触媒カウンタCNT1のカウント数がまだ所定数αに達していないと判断した場合には、リッチスパイク処理を実行する必要がないため、処理を一旦終了する。一方、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αに達したと判断した場合、ECU60は、ステップ150以降に移行し、リッチスパイク処理を開始する。なお、図6に示すタイミングチャートにおいては、この触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αに達する時点は、タイミングt1にて示される。
【0044】
このステップ150において、ECU60は、fmodeカウンタCNT2に対して加算動作の開始を指示するとともに、RS処理実行フラグXRSを「ON」とする。さらに、燃焼モード指示値fmodeの値を「2」とする(図6)。ここでfmodeカウンタCNT2は、燃焼形態を過渡時成層燃焼に保持する期間をカウントするタイマカウンタであり、別の処理ルーチンを通じて操作されるものである。
【0045】
またステップ160において、ECU60は、機関回転速度NE及び基本燃料噴射量Qbseと目標スロットル開度TRT(=trt11map(NE,Qbse))との関係を示す均質リッチ燃焼時用のマップ(図示略)から、目標スロットル開度TRTを求める。同様に、機関回転速度NE及び基本燃料噴射量Qbseと目標排気還流バルブ開度EGR(=egr11map(NE,Qbse))との関係を示す均質リッチ燃焼時用のマップ(図示略)から、目標排気還流バルブ開度EGRを求める。ちなみに、前記成層燃焼時用のマップに基づいて算出される目標スロットル開度TRT(=trt0map)及び目標排気還流バルブ開度EGR(=egr0map)と、均質リッチ燃焼時用のマップに基づいて算出される目標スロットル開度TRT(=trt11map)及び目標排気還流バルブ開度EGR(=egr11map)とを比較した場合、常に、TRT(=trt0map)>TRT(=trt11map),EGR(=egr0map)>EGR(=egr11map)といった関係が成立している。
【0046】
さらに、ECU60は、最終燃料噴射量QINJを前記目標スロットル開度TRT(=trt11map)に基づいて決定される噴射量qinj(trt11map)に設定する。
ここで、前記噴射量qinjの値は、過渡時成層燃焼時においても成層燃焼時と同等の機関トルクを確保することができ、かつ空燃比をリーンの領域に保持し得る値として実験等に基づいて設定されている。ECU60はここで処理を一旦終了する。
【0047】
次に、上記ステップ110に戻って、ECU60が、現在、RS処理実行フラグXRSが「ON」であると判断し、処理をステップ210に移行する場合を説明する。
【0048】
ステップ210において、ECU60は、燃焼モード指示値fmodeの値が「2」であるか否かを判断する。ここで燃焼モード指示値fmodeの値が現在、「2」であると判断した場合、ECU60は図5に示すステップ310に移行する。なお、ここで、ECU60が燃焼モード指示値fmodeの値が「2」であると判断する場合は、図6に示されるタイミングt1〜タイミングt2の間、及びタイミングt3〜タイミングt4の間の2区間である。
【0049】
一方、同ステップ210において、燃焼モード指示値fmodeの値が現在、「2」ではないと判断した場合、ECU60は処理をステップ220に移行する。ここで、ECU60が燃焼モード指示値fmodeの値が「2」でないと判断する場合は、図6に示されるタイミングt2〜タイミングt3の間に対応し、このときの燃焼モード指示値fmodeの値は、同図6に示されるように「11」(均質リッチ燃焼)となる。
【0050】
以下、まずステップ210において、ECU60が燃焼モード指示値fmodeの値が現在、「2」であると判断した場合から説明する。
図5に示すステップ310において、ECU60は、fmodeカウンタCNT2のカウント数が所定数γに達したか否かを判断する。ここで前記所定数γは、燃焼形態を過渡時成層燃焼に保持する期間の長さを設定するためのものであり、同保持期間が吸入空気量の応答遅れ時間よりも十分に長く、また、機関燃焼状態を安定化させることのできる期間となるように設定されている。
【0051】
そのため、ECU60は、同ステップ310において、fmodeカウンタCNT2のカウント数がまだ所定数γに達していないと判断した場合、さらに過渡時成層燃焼を継続させるべく、処理を一旦終了する。一方、fmodeカウンタCNT2のカウント数が所定数γに達したと判断した場合、ECU60は、ステップ320に移行する。
【0052】
そして、このステップ320において、ECU60は、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αを越えているか否かを判断する。触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αを越えていると判断した場合には、ステップ330に移行する。
【0053】
このステップ330において、ECU60は、fmodeカウンタCNT2をゼロリセットするとともに、燃焼モード指示値fmodeの値を均質リッチ燃焼に対応した「11」とする。また、ECU60は、触媒カウンタCNT1に対して、これまでの加算動作から減算動作に切り換えるように指示する。さらに、ECU60は、均質リッチ燃焼を実行するために最終燃料噴射量QINJを(基本燃料噴射量Qbse × 所定係数FRSPK)に設定する。なお、前記噴射量(Qbse×FRSPK)の値は、リッチスパイク処理が開始されたときの成層燃焼時と同等の機関トルクを得ることのできる値に設定されている。ここで、ECU60は処理を一旦終了する。
【0054】
一方、ステップ320において、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αを越えていないと判断した場合、燃焼形態を過渡時成層燃焼から成層燃焼に切り換える時期と判断してステップ340に移行する。
【0055】
そして、このステップ340において、ECU60は、fmodeカウンタCNT2をゼロリセットするとともに燃焼モード指示値fmodeの値を「0」(成層燃焼)とし、さらに、RS実行フラグXRSを「OFF」とする。そして、ECU60は処理を一旦終了する。
【0056】
さて、ここで先の図4に示されるステップ210に戻って説明する。前述したように同ステップ210において、ECU60は、燃焼モード指示値fmodeの値が現在、「2」ではないと判断した場合、すなわち、燃焼モード指示値fmodeの値が現在、「11」(均質リッチ燃焼)であると判断した場合、ECU60は処理をステップ220に移行する。
【0057】
このステップ220において、ECU60は、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数βまで減算されたか否かを判断する。ECU60は、同ステップ220において、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数βまで減算されたと判断した場合(図6のタイミングt3)、均質リッチ燃焼を終了すべく処理をステップ230に移行する。
【0058】
ステップ230において、ECU60は、触媒カウンタCNT1に対して、これまでの減算動作から加算動作に切り換えるように指示するとともに、fmodeカウンタCNT2に対して加算動作の開始を指示する。また、燃焼モード指示値fmodeの値を「2」とする。さらに、ECU60は、最終燃料噴射量QINJを先のステップ160と同様に噴射量qinj(trt11map)に設定する。そして、ECU60は、処理を一旦終了する。
【0059】
一方、先のステップ220において、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数βまで減算されていないと判断した場合、ECU60は、均質リッチ燃焼を継続するため、処理を一旦終了する。
【0060】
以上説明した処理手順に従って、ECU60は、リッチスパイク処理の実行時、上記燃焼モード指示値fmodeを、「0」(成層燃焼)→「2」(過渡時成層燃焼)→「11」(均質リッチ燃焼)→「2」(過渡時成層燃焼)→「0」(成層燃焼)と順次、切り換える。
【0061】
次に、このリッチスパイク制御処理中における燃焼形態の時間的推移及び同処理の作用について図6に示すタイミングチャートを参照して説明する。
同図6に示すように、触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数αに達するタイミングt1において、RS実行フラグXRS(同図6(c))が「ON」に設定されるとともに、燃焼モード指示値fmode(同図6(d))が「0」から「2」に変更され、燃焼形態が成層燃焼から過渡的成層燃焼に切り換えられる。またこのとき、この過渡的成層燃焼の実行期間(τ1)をカウントするfmodeカウンタCNT2がそのカウントを開始する(同図6(b))。
【0062】
そしてこのタイミングt1において、最終燃料噴射量QINJは、前述したように、均質リッチ燃焼時の目標スロットル開度TRT(=trt11map)に基づく噴射量であるqinj(trt11map)に増量して設定される(同図6(e))。このとき、前述したように、機関トルクの変化が生じることなく空燃比もリーン領域に留まる。
【0063】
また、目標スロットル開度TRTは、均質リッチ燃焼時の目標スロットル開度TRT(=trt11map)にまで減少させた値に設定される。また、目標排気還流バルブ開度EGRも、前記目標スロットル開度TRTの減少に伴って、同じく均質リッチ燃焼時の目標排気還流バルブ開度EGR(=egr11map)にまで減少させた値に設定される。そして、これら目標スロットル開度TRT及び目標排気還流バルブ開度EGRは、タイミングt4に至るまで変更されない(同図6(f),図6(g))。
【0064】
こうした目標スロットル開度TRTの減少に伴って、タイミングt1以降、吸入空気量と相関を有する吸気圧PM(同図6(h))も減少するが、この吸気圧PM(吸入空気量)の変化には、前述したように目標スロットル開度TRTの変化と比較して応答遅れ(Δτ)が存在している。これは、目標スロットル開度TRTに基づいてスロットルモータ54を駆動させスロットルバルブ34を変更したとしても、同スロットルバルブ34の開度が目標スロットル開度TRTと等しくなるまで、また、吸気圧PMがその目標スロットル開度TRTに対応した大きさにまで変化するまでには所定の時間が必要になるからである。
【0065】
一方、タイミングt1において空燃比A/Fの値は、上記最終燃料噴射量QINJの増加に伴って一旦急激に減少し、その後は吸入空気量(吸気圧PM)の変化に対応してゆっくり減少するようになる(同図6(i))。
【0066】
次に、タイミングt1以降、上記fmodeカウンタCNT2のカウント数が増加して所定数γに達するタイミングt2において、すなわちタイミングt1から同所定数γによって定まる所定期間τ1が経過した時、燃焼モード指示値fmodeが「2」から「11」に変更され、燃焼形態が過渡時成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換えられる。このとき、前述したように、最終燃料噴射量QINJは、均質リッチ燃焼を実行するために(基本燃料噴射量Qbse × 所定係数FRSPK)としてさらに増量される(同図6(e))。また、燃料噴射形態が圧縮行程噴射から吸気行程噴射に変更される。このように燃料噴射形態が変更されるため、燃料噴射量が増量されても機関トルクの変化は生じない。
【0067】
なお、このタイミングt2において、目標スロットル開度TRT及び目標排気還流バルブ開度EGRの値は変更されない。また、上記所定期間τ1は上記吸気圧PMの応答遅れ時間(Δτ)よりも長い時間として設定されるとともに、最終燃料噴射量QINJの変化に対する機関燃焼形態の安定性を確保できる時間として設定される。
【0068】
このように、本実施の形態においては、このタイミングt2において燃焼形態を過渡時成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換える際、最終燃料噴射量QINJは増量されるものの吸入空気量(吸気圧PM)は一定に維持されるため、空燃比A/Fは、吸入空気量の変化に影響されることなく噴射量QINJのみに依存してリーン領域からリッチ領域に素早く移行するようになる。そのため、同空燃比A/Fはストイキ近傍を短時間に通過できることとなる(同図6(i))。
【0069】
その結果、空燃比がストイキ近傍を通過する際にNOx触媒24からNOxが浄化されずに放出されるということは好適に抑制されるようになる。また機関トルクの変化を生じさせないように燃焼形態が切り換えられるため、運転上のショックも抑制される。
【0070】
続いてタイミングt2以降、所定期間τ2の間、燃焼形態が均質リッチ燃焼に設定されて空燃比がリッチに保持されるため、NOx触媒24に吸蔵されているNOxは還元され、その吸蔵量は徐々に減少するようになる。なお、前記触媒カウンタCNT1によるカウント数の減算操作量は、上記所定期間τ2がNOx触媒24の吸蔵量を所定下限量にまで低下させるに十分な期間となるように、予め実験等に基づいて設定されている。
【0071】
そして、タイミングt2から所定期間τ2が経過し、そのカウント数を減少させている触媒カウンタCNT1のカウント数が所定数βに達するタイミングt3において(同図6(a))、燃焼モード指示値fmodeが「11」から再び「2」に変更される。そして、このタイミングt3から、燃焼形態は再び過渡時成層燃焼に切り換えられるとともに、その継続期間(τ3)がfmodeカウンタCNT2によってカウントされる(同図6(b))。
【0072】
また、このタイミングt3において、燃焼形態を均質リッチ燃焼から過渡時成層燃焼に切り換えるために、最終燃料噴射量QINJが、前記噴射量qinj(trt11map)に設定される。そのため、このタイミングt3において、空燃比A/Fの値は、同噴射量QINJのみに依存してリッチ領域から再びリーン領域に移行するようになる(同図6(i))。また、このとき燃料噴射形態が吸気行程噴射から圧縮行程噴射に変更される。
【0073】
そしてタイミングt3以降、所定期間τ3(=τ1)が経過して、上記fmodeカウンタCNT2のカウント数が所定数γに達するタイミングt4において(同図6(b))、RS実行フラグXRSが「OFF」とされるとともに(同図6(c))、燃焼形態が過渡時成層燃焼から成層燃焼に切り換えられる。
【0074】
また、このタイミングt4において、最終燃料噴射量QINJは、噴射量qinjから基本燃料噴射量Qbseへとさらに減量され、前記タイミングt1の直前の噴射量に戻されるとともに(同図6(e))、目標スロットル開度TRT及び目標排気還流バルブ開度EGRも各々、前記タイミングt1の直前の開度に戻される。その後、空燃比A/Fの値は、吸入空気量(吸気圧PM)に対応したかたちでリッチスパイク処理が実行される前の値に戻る(同図6(i))。
【0075】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)リッチスパイク処理によって、燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換える際、空燃比A/Fは、吸入空気量の変化に影響されることなく噴射量QINJのみに依存してリーン領域からリッチ領域に素早く移行するようになる。すなわち、同空燃比A/Fはそのストイキ近傍を短時間に通過できることとなる。その結果、空燃比がストイキ近傍を通過する際に同NOx触媒24からNOxが浄化されずに放出されるということも好適に抑制され、NOxエミッションの悪化を抑制できる。
【0076】
(2)リッチスパイク処理の実行に際して、機関トルクが一定に保持されるように燃焼形態を切り換えているため、リッチスパイク処理に伴なう運転上のショックも好適に抑制される。
【0077】
(3)本実施の形態によれば、過渡時成層燃焼を継続する所定期間τ1は上記吸気圧PMの変化時間Δτよりも長い期間として設定されるとともに、最終燃料噴射量QINJの変化に伴う機関燃焼状態の安定性を確保できる時間として設定される。そのため、燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換える際、吸入空気量の変化が空燃比A/Fの変化におよぼす影響を確実になくし、上記(1)の効果をより確実なものとするとともに、リッチスパイク処理に伴う機関燃焼状態への影響をより低減させることができるようになる。
【0078】
なお、上記実施の形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・上記実施の形態においては、燃焼モード指示値fmodeの切り換え(「0」→「2」→「11」→「2」→「0」)に際し、触媒カウンタCNT1及びfmodeカウンタCNT2を使用しその所定カウント数に基づいて行う例を示したが、これら燃焼モード指示値fmodeの切り換え態様は、これらカウンタを使用したものに限られない。例えば、排気中のNOx濃度を検出し、その検出結果に基づいて同fmodeの切り換えを行うようにしてもよい。
【0079】
・また、上記実施の形態のようにカウンタを使用して上記燃焼モード指示値fmodeの切り換え等を行う場合にあっても、そのカウンタの使用態様は、上記実施の形態に限られない。例えば1個のカウンタを使用して同指示値fmodeを切り換えるようにもよいし、あるいは3個のカウンタを使用するものであってもよい。また、先の図5に示したステップS320の判断に係る処理を、触媒カウンタCNT1のカウント数αに基づいて行う代わりに、例えば、別途前記タイミングt3にて「OFF」とされるNOx吸蔵フラグ等を設定し同フラグに基づいて行うようにしてもよい。
【0080】
・上記実施の形態においては、目標スロットル開度TRT及び目標排気還流バルブ開度EGRを上記リッチスパイク処理の際に変更するようにしたが、目標排気還流バルブ開度EGRの同変更は割愛するようにしてもよい。
【0081】
・上記実施の形態において、均質リッチ燃焼の後に実行される過渡時成層燃焼の継続時間(実行期間)τ3を、同均質リッチ燃焼の前に実行される過渡時成層燃焼の実行期間τ1よりも短くするものであってもよい。これは、先の図6に示されるように、上記実行期間τ3には吸気圧PMの応答遅れ時間Δτは含まれないため、同実行期間τ3を短縮することができることによる。このように実行期間τ3を短縮することにより、リッチスパイク処理に要する時間を短縮することができる。
【0082】
・上記所定数γによって定まる過渡時成層燃焼の実行期間τ1を、燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼に切り換える際の目標スロットル開度TRTの変化量ΔTRT(trt0map − trt11map)に応じて可変設定するようにしてもよい。このように同変化量ΔTRTに応じて過渡時成層燃焼の実行期間τ1を可変とすることにより、例えば同変化量ΔTRTが大きい場合は同期間τ1を長く設定し、逆に同変化量ΔTRTが小さい場合には同期間τ1を短く設定することにより、リッチスパイク処理に伴う機関燃焼状態への影響をさらに好適に低減させることができるようになるとともに、リッチスパイク処理に要する時間も最適化できるようになる。
【0083】
・上記実施の形態においては、均質リッチ燃焼が終了してからの後処理において、過渡時成層燃焼(fmode「2」)を介して成層燃焼に切り換えるようにしたが、同過渡時成層燃焼(fmode「2」)を介さずにいきなり成層燃焼に切り換えるようにしてもよい。
【0084】
・上記実施の形態においては、上記過渡時成層燃焼の実行期間τ1を、吸気圧PMの応答遅れ時間Δτより長い期間となるように設定するようにしたが、これに限られない。例えば、同実行期間τ1を同応答遅れ時間Δτと同一あるいは短い期間としてもよい。
【0085】
・上記実施の形態においては、通常の燃焼形態として成層燃焼及び均質ストイキ燃焼が選択されるエンジン10に本発明の燃焼制御装置を適用するようにしたが、例えば、さらに弱成層燃焼(圧縮行程噴射と吸気行程噴射を併用して成層強度を成層燃焼より弱めたもの)あるいは均質リーン燃焼といった燃焼形態が選択されるエンジンにも同様にして適用することができる。
【0086】
最後に、上述した実施の形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果とともに記載する。
(1)請求項2に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記切換手段は、前記実行期間を、前記燃焼形態を成層燃焼から均質リッチ燃焼へと切り換える際の前記スロットル開度の設定値の変化量に応じで可変設定することを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。同構成によれば、例えば前記スロットル開度の設定値の変化量が大きい場合は前記実行期間を長く設定し、逆に同変化量が小さい場合には同期間を短く設定するようにして、リッチスパイク処理に伴う機関燃焼状態への影響をさらに好適に低減させることができるようになるとともに、リッチスパイク処理に要する時間も最適化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる内燃機関の燃焼制御装置をエンジンの燃焼制御装置に適用した一実施の形態についてその構成を示す概略構成図。
【図2】基本燃料噴射量を算出する際に参照されるマップの構造を示すグラフ。
【図3】燃焼方式を切り換える際に参照されるマップの構造を示すグラフ。
【図4】リッチスパイク制御の処理手順を示すフローチャート。
【図5】リッチスパイク制御の処理手順を示すフローチャート。
【図6】リッチスパイク制御の時間的推移の一例を示すタイミングチャート。
【図7】スロットルバルブ開度の変化に係る空燃比の時間的推移を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…ピストン、14…クランクシャフト、15…シリンダ、16…コネクティングロッド、17…燃焼室、18…吸気ポート、19…排気ポート、20…吸気管、21…排気管、22…サージタンク、24…NOx 触媒、26…点火プラグ、30,31…カムシャフト、34…スロットルバルブ、42…EGR通路、43…EGRバルブ、43a…ステップモータ、46…アクセルペダル、50…インジェクタ、53…点火コイル、54…スロットルモータ、60…ECU、61…メモリ、64…アクセルセンサ、65…クランクセンサ、66…カムセンサ、67…吸気圧センサ。

Claims (2)

  1. 燃料噴射形態を圧縮行程中に燃料を気筒内に直接噴射する形態として成層燃焼を実行するとともに前記燃料噴射形態を吸気行程中に燃料を噴射する形態として均質リッチ燃焼を実行する内燃機関の燃焼制御装置において、
    機関トルクが一定となるように成層燃焼から均質リッチ燃焼へと切り換えるに際し、燃料噴射形態を変更せずにスロットル開度を均質リッチ燃焼時に要求される開度に設定し燃料噴射量を該設定されるスロットル開度に応じて制御する燃焼形態を一旦実行した後、燃料噴射形態を変更し燃焼形態を均質リッチ燃焼へと切り換える切換手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
    前記切換手段は、前記燃料噴射形態を変更せずにスロットル開度を均質リッチ燃焼時に要求される開度に設定し燃料噴射量を該設定されるスロットル開度に応じて制御する燃焼形態の実行期間を、前記スロットル開度の設定に伴う機関の吸入空気量変化の応答遅れ期間より長い期間に設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
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