JP3546709B2 - Ct飽和検出可能なディジタルリレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三相交流送電線系統から時間的に続く電流データをサンプリングして取り込み、所定の演算を行うことにより判定出力を出すディジタルリレーに具備される、CT飽和の検出機能に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記ディジタルリレーとして、比率差動リレーを例にとって説明する。比率差動リレーは、複数の電流入力の差量を検出して系統事故を判断する保護リレーである。
【0003】
実際の比率差動リレーでは、外部故障時に線路電流を検出する変流器(以下「CT」という)の飽和による誤動作が生ずることがある。
【0004】
図4は、CT電流波形を図示したものである。破線はCT入力波形を示し、実線はこれに重ねたCT出力波形を示す。CT入力電流がある程度立ち上がってくると、鉄心が飽和し、CTの出力電流が低下する。
【0005】
したがって、CT飽和期間中は、比率差動リレーの誤動作を防止するために、リレー要素の出力をロックする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CT飽和の検出と判定は、交流の1サイクルの中の非常に短い期間中に行わなければならず、そのために判定のアルゴリズムの動作のスピードを上げる必要である。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な演算により、CT飽和の判定が確実に行える、ディジタルリレーを実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のディジタルリレーは、各時点のサンプルデータと、その1つ前の時点のサンプルデータとの差をとる差データ算出手段と、ある差データが、その1つ前の時点の差データ及び1つ後の時点の差データの和と比べて所定差又は所定率以上突出しているかどうかを判断する判定手段と、前記判定手段により突出していると判定された場合にCT飽和とみなして、ディジタルリレーの判定出力をロックするロック手段とを有するものである。
【0009】
前記の構成によれば、差データをとり、ある差データがその1つ前の差データ及び1つ後の差データの和と比べて所定差又は所定率以上突出しているかどうかを判断するところに特徴がある。
【0010】
図1を用いて説明する。図1は、サンプルデータ及びその差データの波形を示すグラフである。CTに飽和がない状態では、サンプルデータ波形は図1(a) に示すように正弦波状であり、差データの波形も図1(b) に示すようになめらかである。ところが、CTに飽和が起これば、サンプルデータ波形は図1(c) に示すように、非正弦波状になり、その微分波形が立ち上がる。すなわち、図1(d) に示すように差データの波形に鋭いピークが現れる。
【0011】
そこで、本発明では、ある差データがその1つ前の差データ及び1つ後の差データの和と比べて所定差又は所定率以上突出しているかどうかを判定する
ことによりCTの飽和と判断する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図2は、送電線に設置された比率差動リレーの機能ブロック図である。これらの機能のほとんどは、比率差動リレーを構成するマイクロコンピュータにより実現されるものである。
【0014】
比率差動リレーは、送電線の一端(A端という)に設置された中央処理部1と、他端(B端という)に設置された端末部2とからなる。
【0015】
中央処理部1は、A端に設置された変流器CT1の検出電流を入力する補助変圧器11、1サイクルを複数(幾つと限定されないが、例えば12)の期間に分けてそれぞれサンプリングするサンプルホルダー13、A/D変換器14、ディジタルフィルタ15aを有している。
【0016】
また、端末部2からの光ファイバ伝送信号を処理することにより当該伝送信号に含まれているB端の電流を現す電流信号を得る伝送端末装置20、ディジタルフィルタ15bを有している。
【0017】
さらに、ディジタルフィルタ15a,15bの出力信号に基づいて、周知の比率差動演算を行う電流差動リレー判定部16と、A端、B端の電流に基づいて、CT飽和判定を行うCT飽和判定部17と、RAM17aとを有している。RAM17aは、CT飽和判定を行うために、少なくとも3サンプリング前までの電流差データを記憶する先入れ先出し型のメモリである。
【0018】
ここで、「電流差データ」の意味を説明しておくと、この電流差データとは、電流のあるサンプリング値とその1つ前のサンプリング値との差のことをいう。例えば、今回の電流差データとは、今回のサンプリング値から前回のサンプリング値をひいたもの、前回の電流差データとは、前回のサンプリング値から前々回のサンプリング値をひいたものとなる。
【0019】
電流差動リレー判定部16の出力とCT飽和判定部17の出力は、論理回路部18に入り、この結果により補助リレー19を駆動する。なお、論理回路部18は、ここではソフトウェアで実現されるが、演算増幅器などハードウェアで実現してもよいことはいうまでもない。
【0020】
一方、端末部2は、B端に設置された変流器CT2の検出電流を入力する補助変圧器31、1サイクルを複数の期間に分けてそれぞれサンプリングするサンプルホルダー33、A/D変換器34、及び伝送端末装置35を有している。
【0021】
伝送端末装置35と伝送端末装置20との間は光ファイバ21で結ばれている。
【0022】
なお、比率差動リレーは、以上に示した構成の他に、中央処理部1と端末部2とのサンプリングの同期をとるための同期信号伝送機能が必要となるが、周知の構成であるので、ここでは図示と説明を省略する。
【0023】
図3は、CT飽和判定部17の判定フローチャートである。図3の流れに沿って説明すると、まず、RAM17aから、今回の電流差データD0を取り込み(ステップS1)、前回の電流差データD1を取り込み(ステップS2)、前々回の電流差データD2を取り込む(ステップS3)。
【0024】
そして、これらのデータに基づいてCT飽和の判定を行う(ステップS4)。CT飽和の判定手順を詳しく説明すると、今回の電流差データD0、前回の電流差データD1、前々回の電流差データD2に基づいて、
|D1|>|D0|+|D2| (1)
が成立しているかどうかを判定する。この判定式は、電流差データが一種の微分値であることを利用して、この微分値がいずれかのサンプリング時点で前後の微分値から突出しているかどうかに基づいて、CT飽和の判定をしようとするものである。なお、判定式の形は、前記(1)式に限定されるものではなく、もっと一般的に、
|D1|>|D0|+|D2|+m (mは正の定数) (2)
又は
|D1|>k(|D0|+|D2|)(kは正の定数) (3)
を用いることもできる。前記(1)式は、(2)式でmが限りなく0に近い場合と考えることもできるし、(3)式でk=1とした場合と考えることもできる。また(3)式でk=1/2とすれば、|D1|と、|D0|と|D2|の平均値とを比べていることになる。
【0025】
前記(1)式、(2)式又は(3)式が成立しているならば、CTが飽和していると判断し、成立していないならば、CTが飽和していないと判定する。
【0026】
CT飽和の判定の結果、CTが飽和していると判定されれば、ステップS5に移りロック中であることを示すフラグ1を立てて、論理回路部18を通じて電流差動リレーの判定をロックする(ステップS6)。そして、カウンタCNTを0にする(ステップS7)。 CTが飽和していないと判定されれば、ステップS8に移り、カウンタCNTがN(具体的にはN=100)かどうかを判断し、CNTがNでなければ、ステップS9に行き、カウンタCNTに1を加える。このカウンタCNTは、ロックを解除する条件が一定時間続いたことを確認するためのカウンタである。
【0027】
カウンタCNTがNに達していれば、フラグを0にして(ステップS10)、ロックを解除する(ステップS11)。
【0028】
本発明の実施の形態は以上に説明したとおりであるが、本発明は、以上の実施の形態に限られるものではない。例えば、電流差動リレーに限らず、CTから電流検出値を入力するディジタルリレー一般に適用が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明のCT飽和検出可能なディジタルリレーによれば、簡単な演算により、CT飽和の判定が確実に行えるので、誤動作する恐れのないディジタルリレーを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンプルデータ及びその微分データの波形を示すグラフである。
【図2】送電線に設置された比率差動リレーの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】CT飽和判定部の判定フローチャートである。
【図4】飽和したCT電流波形を示す図である。
【符号の説明】
1 中央処理部
2 端末部
11 補助変圧器
13 サンプルホルダー
14 A/D変換器
15a,15b ディジタルフィルタ
16 電流差動リレー判定部
17 CT飽和判定部
17a RAM
20 伝送端末装置
21 光ファイバ
31 補助変圧器
33 サンプルホルダー
34 A/D変換器
35 伝送端末装置
Claims (1)
- CTにより検出される時間的に続く電流データをサンプリングして取り込み、所定の演算を行うことにより判定出力を出すディジタルリレーにおいて、
各時点のサンプルデータと、その1つ前の時点のサンプルデータとの差をとる差データ算出手段と、ある差データが、その1つ前の時点の差データ及び1つ後の時点の差データの和と比べて所定差又は所定率以上突出しているかどうかを判断する判定手段と、前記判定手段により突出していると判定された場合にCT飽和とみなして、ディジタルリレーの判定出力をロックするロック手段とを有することを特徴とするCT飽和検出可能なリレー。
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JP20168598A JP3546709B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | Ct飽和検出可能なディジタルリレー |
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-
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- 1998-07-16 JP JP20168598A patent/JP3546709B2/ja not_active Expired - Fee Related
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