JP3546655B6 - 磁気ヘッド支持機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気ディスク装置用磁気ヘッド支持機構に係り、特に耐衝撃性能に優れた磁気ヘッド支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置では、ディスク面と直角方向に大きな衝撃が加わると、スライダは磁気ディスク面から飛び上がり、飛び上がった状態でスライダが傾き、スライダの浮上用レールの角部から磁気ディスク表面に接触し、ディスク表面に損傷を与えることが報告されている(富士通論文IEEE Trans. Vol. No. pp.)。また、この論文には、上記の衝撃によるディスク損傷を低減するためにはスライダの上に“ジャンプストップ”を設けることが有効であることが報告されている。
【0003】
また、特開平8−102159号公報では、磁気ディスク装置のカバーとベースにピン突起(リミッター部)を設け、磁気ディスク装置が衝撃を受けて、磁気ヘッドを自由端に有するサスペンションが振れた場合にも、サスペンションの自由端は前記のピン突起に接触し、それ以上にベース、あるいはカバーに向けて変位しない機構が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、従来の機構では衝撃を受けて、スライダがディスク面から離れた場合の、ジャンプ高さを、ジャンプストップ、あるいはピン突起部により規制し、所定の高さ以下に押さえることにより、スライダがディスクに衝突する時の、速度、加速度を小さくする。これにより、衝突時のスライダとディスクの損傷を低減し、磁気ディスク装置の衝撃性能を向上させることを目的にしている。
【0005】
一方、損傷の大きさ(ダメージの程度)は、スライダがディスクと接触するときの速度、加速度の大きさと共に、接触面積の大きさにより決まる。つまり、スライダの浮上面(ディスク面と対向する面で、浮上力の発生面)がディスク面と平行な状態で接触するか、あるいはスライダが回転しスライダの浮上面の角部、あるいはブリード面(ディスク面と対向する面で、浮上力を発生面しない面)でディスク面と接触するかにより、接触面積が大きく異なる。このため、同じ、速度、加速度でスライダがディスク面と接触した場合にも、両者の接触面積、つまりスライダのディスク面への衝突姿勢により、接触面圧(応力)が大きく異なり、その結果、損傷の程度も大きく違ったものになる。公知例(従来技術)ではこの点についての考慮がされていない。
【0006】
換言すると衝撃を受けてスライダがジャンプし、ディスク面と再接触する時のスライダの姿勢(角度、状態)を制御することにより接触面積を確保し(接触面積の減少を防ぎ)、接触面圧(応力)、つまりダメージ(損傷)を小さくできる。
【0007】
本発明はこの点に鑑み、磁気ディスク装置が大きな衝撃を受けて、スライダがディスク面上にジャンプし、その後、再接触するときのスライダの接触姿勢を制御することにより、接触面積の減少を防ぎ、かつ接触損傷(ダメージ)を低減して、耐衝撃性能を向上できる磁気ヘッド支持機構を提供することを目的にしている。
また、本発明の他の目的は、磁気ディスク装置の耐衝撃性能を向上させると共に、スライダをサスペンションに容易に取付けでき、組み立て性能にも優れた磁気ヘッド支持機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の磁気ヘッド支持機構は、磁気ヘッドを搭載したスライダとディスク面に対するスライダの押し付け荷重を発生するサスペンションとを備え、サスペンションは荷重を発生するばね部を有するロードビームとスライダをロードビームに取り付けるジンバルとを備え、ジンバルはスライダを取り付ける取付部とロードビームの先端方向の先端部で取付部を支持して取付部の両側に沿って先端部の反対側の端部に向かって伸びロードビームとの接合部に連接された2本の可撓性指部とを備え、ロードビームはスライダ側に突き出した突起を備えると共に、通常は可撓性指部と接触せずスライダが突起を中心にしてディスクの面外方向へ回転したときに可撓性指部の先端と相互の接合側の面で接触するルーフ部を備える。
また上記他の目的を達成するために、ルーフ部に窓を設けるとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
磁気ヘッド支持機構は、磁気ヘッドを搭載するスライダと、スライダを保持し、スライダの背面(ディスク対向面の反対側の面)からスライダをディスク面に押し付けるサスペンションから構成されており、サスペンションはジンバル(フレクチャーとも呼ばれる)とロードビームからなっている。
【0010】
ジンバルにはスライダを取付けるための(通常接着剤で接合)取付け部と、取付け部の一端に連接する段差部と、段差部の他端から前記取付部の両側に沿ってに伸びる2つの可撓性指部と、可撓性指部の他端と連接し、前記ロードビームと接合するための接合部から構成されており、接合部はロードビームの先端に接合(通常スポット溶接で接合)されている。
【0011】
ジンバルはスライダの浮上面と直角な面外方向(浮上面と直角方向)に対してはスライダの運動を拘束することない低い剛性を持ち、面内方向(浮上面と平行な方向)に対しては高い剛性を有する。
【0012】
ロードビームは、アーム取付け部、ばね部とフランジ部からなり、フランジ部の先端に前記ジンバルの接合部が接合されている。一方、フランジ部の他端はばね部と連接し、該ばね部の他端は剛性の高いアーム部に取付けるためのアーム取付け部に連接している。ばね部で発生した荷重はフランジ部を伝わりフランジ部の先端にスライダ方向に突出して設けられたピボット(突起)を介して、スライダの背面に取付けられた前記ジンバルの取付け部に伝えられる。前記取付け部はスライダの背面と接合されているために、舌状部に伝えられた荷重はスライダの押し付け荷重となる。ばね部での発生荷重は、磁気ディスク装置装着する前に所定の角度でばねを曲げておき、装着時にばねがディスク面に略平行に装着されることにより、発生させている。
【0013】
スライダは前述したように、前記ジンバルによりロードビームに取付けられ、前記ピボットによりピボット支持されているために、浮上面に対し直角な面外方向にはピボットを中心にして自由に回転する構造となっている。
【0014】
上述した機構を持つ磁気ヘッド支持機構において、ロードビームのフランジ部の先端を、スライダの背面まで延在させたルーフ部を設ける。さらに詳細に説明すると、該ルーフ部は、ルーフ部をジンバルに投影してしてみた場合に、その大きさがジンバルの大きさと略一致するか、ジンバルよりわずかに小さい大きさとなっている。また、該ルーフ部はフランジ部と一体的に、フランジ部の平坦部を延長して形成しており、ルーフ部がジンバルの可撓性指部、段差部と通常は接触することはない。つまり、ルーフ部がスライダの運動を拘束することはない。
【0015】
上述した構成とすることにより、磁気ディスク装置に大きな衝撃が加り、スライダがディスク面からジャンプし、ピボット周りに大きく回転しようとしても、スライダと共に回転するジンバルが、前記ルーフ部に接触するために、スライダの回転を規制することができる。これにより、ジャンプ後のスライダのディスク面への接触姿勢(状態)を制御することができる。具体的には、スライダの大回転により、スライダのブリード面のエッジ(スライダの4角)、あるいは浮上面のエッジがディスク面と接触し、接触面積が小さいために、接触面圧(応力)が高くなり、ディスクを損傷させることを防ぐことができる。
【0016】
以下本発明の実施例を説明する。
本発明の第1の実施例を図1から図9を用いて説明する。
【0017】
図1に本発明の第1実施例の磁気ヘッド支持機構を搭載した磁気ディスク装置の全体図を示す。
【0018】
情報を記録するための磁気ディスク1はスピンドル2に積層され、情報を磁気ディスクに記録・再生するための磁気ヘッド(図示せず)は磁気ヘッド支持機構5のスライダ4に搭載され、磁気ヘッド支持機構5はアーム6に連結されている。磁気ヘッドは、ピボットベアリング7、ボイスコイルモータ8からなるキャリッジ9により所定の半径位置に位置決めされる。これらの機構はランチボックス型のベースに搭載され、カバー(図示せず)により密封されている。この装置において、本発明の磁気ヘッド支持機構を用いることにより、可搬型の磁気ディスク装置構成としても耐衝撃性が向上し、高精度の記録再生が可能となる。
【0019】
図2に第1実施例の磁気ヘッド支持機構5の全体を示す。アーム取付け部10はばね部11に連接し、ばね部11はフランジ部12に連接している。フランジ部12の先端側にはくびれ部が設けられ、くびれ部の先にピボット13とルーフ14が設けられている。なお、本実施例では、ピボット部等は便宜上平坦部12aの先端部に設けていることとして説明する。スライダの押し付け荷重は、ばね部11を装置に装着する前に所定の角度で曲げておき、装着時にディスク面に略平行に取付けることにより、その撓みにより発生させる。前記押し付け荷重はフランジ部12を通り、ピボット13を介してスライダに伝わる。なお、くびれ部を設けずに平坦部12aの先端側を連続して細くし、そこにピボットとルーフを設けることも可能である。このルーフの構成や作用については後述する。
【0020】
図3に、磁気ヘッド支持機構の先端部の詳細を示す。フランジ部12の平坦部12aの先端側にくびれ部を設けその先端側にピボット13とルーフ14が設けられている。またルーフ14には紫外線入射用とスライダ取付け状態観測用を兼ねた窓16が設けられている。ルーフ14の下に、ジンバル20の先端部にスライダ4が接着により取付けられている。ルーフ14の幅はジンバル20の幅と略等しいかそれより大きく、またその先端はジンバル20の先端と略同じ所まで伸びている。
【0021】
また、窓16は図13に示すように、スライダ4の背面が直接観測できる。図では窓16の幅方向の中央に長手方向に沿ってスライダ4の左右の側面(側縁)を観測することができる。これにより、ルーフ14をジンバル20の上に設けてもスライダ4が所定の角度でジンバル20に取付けられたか否かを容易に確認できる。なお、接着剤として紫外線硬化型の接着剤を用いることにより、窓16から、スライダとジンバルの取付け部に紫外線(UV)を直接照射し接着剤を硬化させ接着することができるため、接着時間の短縮と所定の接着強度を確保する事ができる。なお、光は斜め入射できるので、窓16のピボット13側の縁の真下が(スライダ側が)、前記取付面の縁と一致するようになっている。これら取付け部、窓の形状寸法については後述する。
【0022】
図4に第1実施例の磁気ヘッド支持機構の側面図を示す。フランジ部12の平坦部12aの先端側のくびれ部の先にピボット13が設けられており、また、平坦部の下にジンバル20が取付けられている。ジンバル20のフランジ側の端面は平坦部12aに溶接されており、他端は段差部23によりスライダ側に降ろされ、段差部に連接して設けられた取付け部24にスライダが接着剤により取付けられている。ピボット13の頂部は取付け部24を介して、荷重をスライダに印加している。
【0023】
図5に第1実施例のロードビームのルーフ部詳細を示す。薄板からエッチングにより全体形状、及び窓を作り、フランジのU曲げ部12bはプレス加工により成形している。また、平坦部12aの先端にはプレスにより成形されたピボット14が、その周りに2つの窓16を持つルーフ14が形成されている。ルーフ14、ピボット13は平坦部12aと同一の薄板から形成されている。
【0024】
第6図に本実施例で用いたジンバル形状を示す。ジンバルはロードビームと接合するための、接合部21、2つの可撓性指部22、段差部23とスライダの取付け部24から構成されている。可撓性指部22はスライダ浮上面と直角方向(面外方向)のスライダの動きを拘束することなくスライダを支持する。段差部23は取付け部24に取付けられるスライダと可撓性指部22が接触するのを防ぎ、またピボット支持を可能とし、スライダが自由に動くように設けられている。図6(2)、(3)に側面図と、D−D面からの投影図を示す。
【0025】
次に本発明の効果について図7、図8、図9を用いて説明する。
【0026】
図7(1)に図3のA−A断面、図7(2)にスライダのロール方向の最大回転角Θrを示す。ジンバルの厚さはスライダの大きさ(厳密には空気膜剛性)により、ピボット高さは薄板のプレス加工の安定性により、ロードビーム厚さはばね部の弾性係数から決定される。本発明では図7(2)に示すように、外部衝撃などによりスライダが回転しても、可撓性指部22の先端がルーフ14と接触するため、所定の角度以上にスライダが回転することを防ぐことができる。
【0027】
この時のロール方向の最大回転角ΘrMaxは、例えばルーフ幅が1.6mmで、ルーフ14と可撓性指部22の隙間が0.045mmの場合、3.2°(arctan(0.045/0.8))である。
【0028】
一方、図13に示す従来型磁気ヘッド支持機構では図13(1)に示すように、フランジ部の先端部にはピボット13のみでルーフが無い。このため、ジンバルの可撓性指部22の上面を覆うものはない。図13(2)に従来のロードビームのみを示す。この図13(2)と第1実施例の図5との比較から明らかなように、従来のピボット13取付け部の幅は本発明の第1実施例のルーフを除いた幅となっている。
【0029】
図13のB−B断面を図14に示す。この図から、前述したように可撓性指部22の上面(スライダと反対側)には、その動きを遮るものはない。このため、衝撃などによりスライダが回転した場合、ジンバルの取付け部24がピボット13の側縁に当たるまで回転する。
【0030】
このため、例えば取付部24とピボット側縁までの隙間が0.089mmでピボット側縁の幅が0.72mmの場合、スライダの最大回転角は14°(arctan(0.089/0.36))に達する。これは、ルーフ付き磁気ヘッド支持機構に比べて、約4倍(=14°/3.2°)の大きさとなる。
【0031】
このように大きな角度でスライダが回転しながらディスク面に接触した場合の、角度と接触面積の関係を図9に示す。横軸にはスライダの回転角を、縦軸には接触面積の逆数を示している。つまり、値が大きいほど接触面積は小さく、つまり接触面圧が大きく、ディスク面での損傷が大きいことを示している。
【0032】
また、ここでは計算の条件としてスライダのブリード部が直角(90°)の場合と、45°に面取りした場合を示している。回転角度が14°の場合と3°の場合の接触面積比を比較すると、3°の場合はその値を著しく低下させる(10%以下)ことができることがわかる。この効果はスライダの流出端を45°の面取り(チャンファー加工)をした場合にも変わらないことがわかる。
【0033】
図8に第1実施例のジンバル先端部の最大ピッチ角と、従来型の最大ピッチ角との比較を示す。第1実施例では、ルーフ14があるために、スライダがピッチ方向(前傾)に回転しても、可撓性指部22の先端がルーフ14と接触し回転を小さく抑える事ができる。その時の接触角は例えばピボットから先端までの長さが0.5mmで、可撓性指部23との隙間が0.06mmの場合、7°(=arctan(0.06/0.5)となる。このためスライダは7°以上回転しない。
【0034】
本実施例ではルーフ先端は可撓性指部23の先端と略同一の長さ(位置)まで伸びている。ルーフ先端を可撓性指部の先端を越えて、たとえばスライダの磁気ヘッドのさらに後方まで伸ばしても、最大ピッチ角を小さくできないばかりか、ロードビーム自体の重さが増加することにより、磁気ヘッド支持機構の固有振動数が低下したり、アクセス速度が遅くなるという問題が発生する。
【0035】
また、スライダの後端に設けられた磁気ヘッドからの信号線を浮上面に直角方向に、つまりロードビームの方向に引き出す場合は、もしルーフをスライダの磁気ヘッドより後方に延在させると、ルーフが前記信号線の引き回しの障害となる。このため、ルーフ14の先端長さ(位置)は、ジンバルの可撓性指部の長(位置)と略同一の長さが最も良い。
【0036】
図8(2)に示すように、従来型ではルーフが無いためにピボット頂部からロードビーム先端までは短く、またルーフが無いため取付け部24がロードビーム先端と接触するまで回転する。その時の接触角度は、例えばピボットから先端までの長さが0.38mmで、取付部24との隙間が0.1mmの場合、その回転角度は15°に達する。
【0037】
以上の事から、ルーフを設けることによりピッチの最大回転角を従来の46%に低減することが可能となる。この計算ではロードビームの先端部がピボットにより変形し、可撓性指部と接触しなくなる位置をU曲げ部の終端と仮定している。これはU曲げが無くなり、変形しやすくなると共に、平坦部12aの幅も狭くなるためである。
【0038】
また、上記の計算角度はピボット高さ、ジンバル、ロードビーム形状により変化するものであるが、本発明のルーフの効果は変化するものではない。
【0039】
上述したように本発明の第1実施例では磁気ヘッド支持機構にスライダの姿勢を制御するためのルーフを設けることにより、ディスク装置に大きな衝撃が加わりスライダがジャンプし、その後、ディスク面と接触する時のスライダの接触姿勢を制御することができるので、スライダとディスクとの接触面圧を小さくできる。このため、耐衝撃性能に優れた磁気ヘッド支持機構を提供できるとともに、該磁気ヘッド支持機構を搭載する磁気ディスク装置の耐衝撃性能を向上させることができる。また、前記ルーフに接着剤硬化用の紫外線取り入れ窓と、スライダの取付け状態観察用の窓を設けることにより、磁気ヘッド支持機構の生産性も向上させることができる。
【0040】
本発明の第2の実施例を図10を用いて説明する。図10には本実施例のルーフ部のみを詳細に示している。他の部位は第1実施例と同様なので省略する。第1実施例と第2実施例との違いは、本実施例ではルーフ部に回転角度調整溝40を設けている点である。
【0041】
この溝は、ジンバルの可撓性指部とルーフとの隙間を調整することを目的にしている。具体的には、第1の実施例では図7(1)に示すように、可撓性指部22とルーフ14の隙間は0.045mmであり、最大回転角度は3.2°であった。この隙間をコントロールすることにより、接触角度を調整することができる。第1実施例ではピボット高さにより隙間を制御している。一方、ピボットはプレスにより成形されるために、高さ、精度に制約がある。本実施例では第1実施例のルーフのジンバル対向面に回転角度調整溝40を設けた、段差付きルーフ17を備えている。
【0042】
この回転角度調整溝40の深さを変えることにより、前記隙間を制御することができる。これにより、ピボット高さだけで、前記隙間(回転角)を制御する必要がなくなり、設計の自由度がます。さらに該溝の深さを機械加工、エッチングなどにより正確にコントロールすることにより、最大回転角を正確に制御することができる。耐衝撃用磁気ヘッド支持機構としては、衝撃が加わらないときには、ピボットなどの製作時の加工ばらつきを考慮してもジンバルとルーフが接触することは避ける必要があり、一方、衝撃が加わった場合にはなるべく小さい角度でスライダの回転を止める必要がある。
【0043】
本実施例では、段差付きルーフを設けることによりジンバルとルーフの隙間を制御することができるので、この要求を満足することができる。また、本実施例においても、第1の実施例と同様に耐衝撃性能とともに、紫外線の入射用窓、接着状態観察用窓を設けることにより生産性も向上させる事ができる。
【0044】
本発明の第3の実施例を図11を用いて説明する。本実施例と第2の実施例との違いは、本実施例では、回転角度調整溝40をプレス加工により設けた点である。このため、図11に示すように、段差付ルーフは窓部の高さと異なっている。一方、回転角度調整溝は、第2の実施例と同様に、ジンバルの可撓性指部の上面に所定の隙間を介して設けられている。ここで、回転角度調整溝40を持つ段差付ルーフは第2の実施例と同様にピボット高さを含め、ジンバル厚さ、ロードビーム厚さ、長さなどの設計の自由度を増加させる。また、ピボットと同時にプレス加工できるために、第2の実施例に比べ生産性(量産性)に優れていることが特長である。また、本実施例においても第1の実施例と同様に耐衝撃性能と量産性能に優れている。
【0045】
本発明の第4の実施例を図12を用いて説明する。本実施例と第1の実施例との違いは、図12に示すように本実施例ではルーフを4点押さえルーフ19とした点である。
【0046】
ルーフ19は4つの庇(突起)を持ち、各々の庇の先端は、第1実施例のルーフ14の4つのコーナの大きさ(位置)に対応している。4点のみを押さえる構造にしたために、第1の実施例で必要であった紫外線入射窓、接着状態観測用窓が不要となるだけでなく、ルーフ部の自重を小さくする事ができる。
【0047】
このため、第1の実施例と同様に耐衝撃性能を向上させることができるとともに、生産性も向上させる事ができる。さらに、ルーフ部の軽量化により、磁気ヘッド支持機構の固有振動数が低下することがない。これにより、磁気ヘッドの高速、高精度の位置決めが可能となる。
【0048】
本発明の第5実施例を、図15、図16、図17を用いて説明する。図15は第5実施例のロードビームのルーフ部詳細を示している。本発明と第1の実施例との違いは、フランジ部12の平坦部12aの先端にリング形のルーフ30を設けた点である。
【0049】
このリング形ルーフ30は中央に窓を持つドーナツ状となっている。ピボット13は第1実施例と同様に、平坦部12aの先端付けられており、リング形ルーフ30はピボット13の平坦部12a側の両側から延びてリング状のルーフを形成している。ロードビームの中心線に沿ったC−C断面も同図に示す。この断面図が示すように、ピボット13は第1実施例と同様に、スライダ取付け側に凸の構造となっている。また、ルーフ先端部30aは窓16によりピボット13と分離されている。
【0050】
また、窓16は第1実施例ではスライダの側面に沿って2つ設けていたが、窓16のサイズをスライダの幅以上に大きくすることにより1つとしている。これにより、第1実施例と同様に、この窓16からUV光線を照射する事により、スライダ4とジンバルの取付部24を接着剤で取付け、その接着剤を短時間で硬化させる事が出来る。
【0051】
図16に第5実施例のジンバル部を示す。基本的な構造は第1実施例のジンバル形状(図6)と同じで、可撓性指部22、段差部23、取付け部24から構成されている。第1実施例のジンバルとの違いはスライダの取付け部24にくびれ部24aを設けている点である。スライダはくびれ部24aに掛からないように、取付部24に取付けられる。このため、くびれ部24a自体も可撓性指部22と同様の働きをして、スライダの浮上面と直交するスライダの動き(ピッチング、ローリング、上下運動)を拘束することなく、スライダを支持する事が可能となる。
【0052】
換言すれば、スライダの小型化に伴い、スライダの空気膜剛性が低下しており、そのためにスライダの面外方向(浮上面と直交する方向)の動きを拘束することなく支持する事がジンバルに求められている。このため、本実施例のジンバルではくびれ部24aを設ける事により、ジンバルのピッチングとローリング剛性を低下させて、スライダの運動を拘束することなく、スライダを支持する事を可能としている。
【0053】
図17に第5実施例の全体図を示す。図17(a)に示すように、リング形ルーフ30はジンバルの可撓性指部22の上面に重なるように形成されており、ルーフ先端30aは、ジンバルの先端に設けられた2つの段差部23にほぼ重なるように形成されている。しかし、ルーフ先端30aはジンバルの先端を超えていない。
【0054】
また、図中のD−D断面図に示すように、リング形ルーフ30は可撓性指部22と略同じ幅を持ち、可撓性指部22の上面を覆っている。リング形ルーフ30の窓16の中に、スライダ取付け面24を見ることが出来る。前述したように、この窓16からスライダ取付け面24に向けてUV光を照射することにより、スライダと取付け面の間の接着剤を短時間で硬化させる事が可能となる。スライダは取付け部24の略真下に付けられているため図示していない。UV光は直接に接着剤に当てても、また、反射(散乱)光として、斜めから入射してもよいことは言うまでもない。
【0055】
本発明の効果を図17(b)機能説明図を用いて説明する。本実施例においても、第1の実施例と同様に、衝撃によりスライダがローリング運動(左右の回転運動)を行った場合においても、可撓性指部22の上部に設けたリング形ルーフ30がその運動を拘束するために、スライダが大きく回転することを防ぐ事が可能となる。これにより図9に示した接触面積比を小さくすることが可能となり、ディスクとの接触損傷を低減することが出来る。
【0056】
また、衝撃によるスライダのピッチング運動(前後の回転運動)に関しては、ルーフ先端30aがジンバルの先端を覆っているために、スライダと共に回転するジンバルがルーフに接触するためにスライダがピッチング方向に大きく回転することはない。このため、前述と同様に接触面積比を小さくすることが可能となり、接触損傷を低減できる。
【0057】
ここで、ルーフの機械的な剛性はジンバルのそれに比べて高いため、スライダの運動に伴って運動するジンバルの変形を止めることが可能となっている事は言うまでもない。さらに、本実施例においても重要なことは、ルーフの先端が、ジンバルの先端を超えず、略ジンバルの形状と同一になっている点である。これにより、ルーフを設ける事によるロードビームの質量の増加を最小限に押させ、且つ、スライダの衝撃による回転を小さく抑える事が可能となる。もし、ジンバルの大きさを超えて、ルーフを設けると、ロードビームの質量が増加し、これにより特にキャリッジ回転中心からのヘッド換算質量が著しく増加し、データのアクセス速度の低下を誘起する。
【0058】
また、固有振動を低下させ、磁気ヘッドの位置決め精度を低下させるという問題が発生する。さらに、ジンバルの大きさを超えたルーフを設けても、そのルーフの効果はジンバルと同等の大きさのルーフと効果が変わらない。これは、ルーフにより拘束される回転角がルーフの大きさをジンバルの大きさにしても変化しないためである。
【0059】
以上述べたように、本実施例においても第1の実施例と同様な効果を得る事ができる。また、空気膜剛性の小さいスライダに対して最適な、耐衝撃磁気ヘッド支持機構を提供する事が可能となる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ルーフ部を設けたことにより、スライダのディスクとの接触角を制御することができるので、接触による両者の損傷を低減でき、耐衝撃性能の高い磁気ヘッド支持機構を提供することができる。またルーフ部に窓を設け、この窓を紫外線入射用窓や接着状態観測用窓として使用することにより、生産性にも優れた磁気ヘッド支持機構を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体図
【図2】第1実施例の磁気ヘッド支持機構
【図3】第1実施例の磁気ヘッド支持機構先端部の詳細
【図4】第1実施例の磁気ヘッド支持機構の側面図
【図5】第1実施例のロードビームのルーフ部詳細
【図6】ジンバル形状
【図7】第1実施例におけるロール最大回転角
【図8】最大ピッチ角の比較
【図9】効果の説明図(接触角度と面積比)
【図10】第2実施例のルーフ部
【図11】第3実施例のルーフ部
【図12】第4実施例のルーフ部
【図13】従来型磁気ヘッド支持機構
【図14】従来型のロール最大回転角度
【図15】第5実施例のルーフ部
【図16】第5実施例のジンバル部
【図17】第5実施例の全体図
【符号の説明】
4…スライダ、5…磁気ヘッド支持機構、11…ばね部、12…フランジ部、12a…平坦部、12b…U曲げ部、13…ピボット、14…ルーフ、16…窓、20…ジンバル、22…可撓性指部、23…段差部、24…取付部。
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気ディスク装置用磁気ヘッド支持機構に係り、特に耐衝撃性能に優れた磁気ヘッド支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気ディスク装置では、ディスク面と直角方向に大きな衝撃が加わると、スライダは磁気ディスク面から飛び上がり、飛び上がった状態でスライダが傾き、スライダの浮上用レールの角部から磁気ディスク表面に接触し、ディスク表面に損傷を与えることが報告されている(富士通論文IEEE Trans. Vol. No. pp.)。また、この論文には、上記の衝撃によるディスク損傷を低減するためにはスライダの上に“ジャンプストップ”を設けることが有効であることが報告されている。
【0003】
また、特開平8−102159号公報では、磁気ディスク装置のカバーとベースにピン突起(リミッター部)を設け、磁気ディスク装置が衝撃を受けて、磁気ヘッドを自由端に有するサスペンションが振れた場合にも、サスペンションの自由端は前記のピン突起に接触し、それ以上にベース、あるいはカバーに向けて変位しない機構が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した、従来の機構では衝撃を受けて、スライダがディスク面から離れた場合の、ジャンプ高さを、ジャンプストップ、あるいはピン突起部により規制し、所定の高さ以下に押さえることにより、スライダがディスクに衝突する時の、速度、加速度を小さくする。これにより、衝突時のスライダとディスクの損傷を低減し、磁気ディスク装置の衝撃性能を向上させることを目的にしている。
【0005】
一方、損傷の大きさ(ダメージの程度)は、スライダがディスクと接触するときの速度、加速度の大きさと共に、接触面積の大きさにより決まる。つまり、スライダの浮上面(ディスク面と対向する面で、浮上力の発生面)がディスク面と平行な状態で接触するか、あるいはスライダが回転しスライダの浮上面の角部、あるいはブリード面(ディスク面と対向する面で、浮上力を発生面しない面)でディスク面と接触するかにより、接触面積が大きく異なる。このため、同じ、速度、加速度でスライダがディスク面と接触した場合にも、両者の接触面積、つまりスライダのディスク面への衝突姿勢により、接触面圧(応力)が大きく異なり、その結果、損傷の程度も大きく違ったものになる。公知例(従来技術)ではこの点についての考慮がされていない。
【0006】
換言すると衝撃を受けてスライダがジャンプし、ディスク面と再接触する時のスライダの姿勢(角度、状態)を制御することにより接触面積を確保し(接触面積の減少を防ぎ)、接触面圧(応力)、つまりダメージ(損傷)を小さくできる。
【0007】
本発明はこの点に鑑み、磁気ディスク装置が大きな衝撃を受けて、スライダがディスク面上にジャンプし、その後、再接触するときのスライダの接触姿勢を制御することにより、接触面積の減少を防ぎ、かつ接触損傷(ダメージ)を低減して、耐衝撃性能を向上できる磁気ヘッド支持機構を提供することを目的にしている。
また、本発明の他の目的は、磁気ディスク装置の耐衝撃性能を向上させると共に、スライダをサスペンションに容易に取付けでき、組み立て性能にも優れた磁気ヘッド支持機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の磁気ヘッド支持機構は、磁気ヘッドを搭載したスライダとディスク面に対するスライダの押し付け荷重を発生するサスペンションとを備え、サスペンションは荷重を発生するばね部を有するロードビームとスライダをロードビームに取り付けるジンバルとを備え、ジンバルはスライダを取り付ける取付部とロードビームの先端方向の先端部で取付部を支持して取付部の両側に沿って先端部の反対側の端部に向かって伸びロードビームとの接合部に連接された2本の可撓性指部とを備え、ロードビームはスライダ側に突き出した突起を備えると共に、通常は可撓性指部と接触せずスライダが突起を中心にしてディスクの面外方向へ回転したときに可撓性指部の先端と相互の接合側の面で接触するルーフ部を備える。
また上記他の目的を達成するために、ルーフ部に窓を設けるとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
磁気ヘッド支持機構は、磁気ヘッドを搭載するスライダと、スライダを保持し、スライダの背面(ディスク対向面の反対側の面)からスライダをディスク面に押し付けるサスペンションから構成されており、サスペンションはジンバル(フレクチャーとも呼ばれる)とロードビームからなっている。
【0010】
ジンバルにはスライダを取付けるための(通常接着剤で接合)取付け部と、取付け部の一端に連接する段差部と、段差部の他端から前記取付部の両側に沿ってに伸びる2つの可撓性指部と、可撓性指部の他端と連接し、前記ロードビームと接合するための接合部から構成されており、接合部はロードビームの先端に接合(通常スポット溶接で接合)されている。
【0011】
ジンバルはスライダの浮上面と直角な面外方向(浮上面と直角方向)に対してはスライダの運動を拘束することない低い剛性を持ち、面内方向(浮上面と平行な方向)に対しては高い剛性を有する。
【0012】
ロードビームは、アーム取付け部、ばね部とフランジ部からなり、フランジ部の先端に前記ジンバルの接合部が接合されている。一方、フランジ部の他端はばね部と連接し、該ばね部の他端は剛性の高いアーム部に取付けるためのアーム取付け部に連接している。ばね部で発生した荷重はフランジ部を伝わりフランジ部の先端にスライダ方向に突出して設けられたピボット(突起)を介して、スライダの背面に取付けられた前記ジンバルの取付け部に伝えられる。前記取付け部はスライダの背面と接合されているために、舌状部に伝えられた荷重はスライダの押し付け荷重となる。ばね部での発生荷重は、磁気ディスク装置装着する前に所定の角度でばねを曲げておき、装着時にばねがディスク面に略平行に装着されることにより、発生させている。
【0013】
スライダは前述したように、前記ジンバルによりロードビームに取付けられ、前記ピボットによりピボット支持されているために、浮上面に対し直角な面外方向にはピボットを中心にして自由に回転する構造となっている。
【0014】
上述した機構を持つ磁気ヘッド支持機構において、ロードビームのフランジ部の先端を、スライダの背面まで延在させたルーフ部を設ける。さらに詳細に説明すると、該ルーフ部は、ルーフ部をジンバルに投影してしてみた場合に、その大きさがジンバルの大きさと略一致するか、ジンバルよりわずかに小さい大きさとなっている。また、該ルーフ部はフランジ部と一体的に、フランジ部の平坦部を延長して形成しており、ルーフ部がジンバルの可撓性指部、段差部と通常は接触することはない。つまり、ルーフ部がスライダの運動を拘束することはない。
【0015】
上述した構成とすることにより、磁気ディスク装置に大きな衝撃が加り、スライダがディスク面からジャンプし、ピボット周りに大きく回転しようとしても、スライダと共に回転するジンバルが、前記ルーフ部に接触するために、スライダの回転を規制することができる。これにより、ジャンプ後のスライダのディスク面への接触姿勢(状態)を制御することができる。具体的には、スライダの大回転により、スライダのブリード面のエッジ(スライダの4角)、あるいは浮上面のエッジがディスク面と接触し、接触面積が小さいために、接触面圧(応力)が高くなり、ディスクを損傷させることを防ぐことができる。
【0016】
以下本発明の実施例を説明する。
本発明の第1の実施例を図1から図9を用いて説明する。
【0017】
図1に本発明の第1実施例の磁気ヘッド支持機構を搭載した磁気ディスク装置の全体図を示す。
【0018】
情報を記録するための磁気ディスク1はスピンドル2に積層され、情報を磁気ディスクに記録・再生するための磁気ヘッド(図示せず)は磁気ヘッド支持機構5のスライダ4に搭載され、磁気ヘッド支持機構5はアーム6に連結されている。磁気ヘッドは、ピボットベアリング7、ボイスコイルモータ8からなるキャリッジ9により所定の半径位置に位置決めされる。これらの機構はランチボックス型のベースに搭載され、カバー(図示せず)により密封されている。この装置において、本発明の磁気ヘッド支持機構を用いることにより、可搬型の磁気ディスク装置構成としても耐衝撃性が向上し、高精度の記録再生が可能となる。
【0019】
図2に第1実施例の磁気ヘッド支持機構5の全体を示す。アーム取付け部10はばね部11に連接し、ばね部11はフランジ部12に連接している。フランジ部12の先端側にはくびれ部が設けられ、くびれ部の先にピボット13とルーフ14が設けられている。なお、本実施例では、ピボット部等は便宜上平坦部12aの先端部に設けていることとして説明する。スライダの押し付け荷重は、ばね部11を装置に装着する前に所定の角度で曲げておき、装着時にディスク面に略平行に取付けることにより、その撓みにより発生させる。前記押し付け荷重はフランジ部12を通り、ピボット13を介してスライダに伝わる。なお、くびれ部を設けずに平坦部12aの先端側を連続して細くし、そこにピボットとルーフを設けることも可能である。このルーフの構成や作用については後述する。
【0020】
図3に、磁気ヘッド支持機構の先端部の詳細を示す。フランジ部12の平坦部12aの先端側にくびれ部を設けその先端側にピボット13とルーフ14が設けられている。またルーフ14には紫外線入射用とスライダ取付け状態観測用を兼ねた窓16が設けられている。ルーフ14の下に、ジンバル20の先端部にスライダ4が接着により取付けられている。ルーフ14の幅はジンバル20の幅と略等しいかそれより大きく、またその先端はジンバル20の先端と略同じ所まで伸びている。
【0021】
また、窓16は図13に示すように、スライダ4の背面が直接観測できる。図では窓16の幅方向の中央に長手方向に沿ってスライダ4の左右の側面(側縁)を観測することができる。これにより、ルーフ14をジンバル20の上に設けてもスライダ4が所定の角度でジンバル20に取付けられたか否かを容易に確認できる。なお、接着剤として紫外線硬化型の接着剤を用いることにより、窓16から、スライダとジンバルの取付け部に紫外線(UV)を直接照射し接着剤を硬化させ接着することができるため、接着時間の短縮と所定の接着強度を確保する事ができる。なお、光は斜め入射できるので、窓16のピボット13側の縁の真下が(スライダ側が)、前記取付面の縁と一致するようになっている。これら取付け部、窓の形状寸法については後述する。
【0022】
図4に第1実施例の磁気ヘッド支持機構の側面図を示す。フランジ部12の平坦部12aの先端側のくびれ部の先にピボット13が設けられており、また、平坦部の下にジンバル20が取付けられている。ジンバル20のフランジ側の端面は平坦部12aに溶接されており、他端は段差部23によりスライダ側に降ろされ、段差部に連接して設けられた取付け部24にスライダが接着剤により取付けられている。ピボット13の頂部は取付け部24を介して、荷重をスライダに印加している。
【0023】
図5に第1実施例のロードビームのルーフ部詳細を示す。薄板からエッチングにより全体形状、及び窓を作り、フランジのU曲げ部12bはプレス加工により成形している。また、平坦部12aの先端にはプレスにより成形されたピボット14が、その周りに2つの窓16を持つルーフ14が形成されている。ルーフ14、ピボット13は平坦部12aと同一の薄板から形成されている。
【0024】
第6図に本実施例で用いたジンバル形状を示す。ジンバルはロードビームと接合するための、接合部21、2つの可撓性指部22、段差部23とスライダの取付け部24から構成されている。可撓性指部22はスライダ浮上面と直角方向(面外方向)のスライダの動きを拘束することなくスライダを支持する。段差部23は取付け部24に取付けられるスライダと可撓性指部22が接触するのを防ぎ、またピボット支持を可能とし、スライダが自由に動くように設けられている。図6(2)、(3)に側面図と、D−D面からの投影図を示す。
【0025】
次に本発明の効果について図7、図8、図9を用いて説明する。
【0026】
図7(1)に図3のA−A断面、図7(2)にスライダのロール方向の最大回転角Θrを示す。ジンバルの厚さはスライダの大きさ(厳密には空気膜剛性)により、ピボット高さは薄板のプレス加工の安定性により、ロードビーム厚さはばね部の弾性係数から決定される。本発明では図7(2)に示すように、外部衝撃などによりスライダが回転しても、可撓性指部22の先端がルーフ14と接触するため、所定の角度以上にスライダが回転することを防ぐことができる。
【0027】
この時のロール方向の最大回転角ΘrMaxは、例えばルーフ幅が1.6mmで、ルーフ14と可撓性指部22の隙間が0.045mmの場合、3.2°(arctan(0.045/0.8))である。
【0028】
一方、図13に示す従来型磁気ヘッド支持機構では図13(1)に示すように、フランジ部の先端部にはピボット13のみでルーフが無い。このため、ジンバルの可撓性指部22の上面を覆うものはない。図13(2)に従来のロードビームのみを示す。この図13(2)と第1実施例の図5との比較から明らかなように、従来のピボット13取付け部の幅は本発明の第1実施例のルーフを除いた幅となっている。
【0029】
図13のB−B断面を図14に示す。この図から、前述したように可撓性指部22の上面(スライダと反対側)には、その動きを遮るものはない。このため、衝撃などによりスライダが回転した場合、ジンバルの取付け部24がピボット13の側縁に当たるまで回転する。
【0030】
このため、例えば取付部24とピボット側縁までの隙間が0.089mmでピボット側縁の幅が0.72mmの場合、スライダの最大回転角は14°(arctan(0.089/0.36))に達する。これは、ルーフ付き磁気ヘッド支持機構に比べて、約4倍(=14°/3.2°)の大きさとなる。
【0031】
このように大きな角度でスライダが回転しながらディスク面に接触した場合の、角度と接触面積の関係を図9に示す。横軸にはスライダの回転角を、縦軸には接触面積の逆数を示している。つまり、値が大きいほど接触面積は小さく、つまり接触面圧が大きく、ディスク面での損傷が大きいことを示している。
【0032】
また、ここでは計算の条件としてスライダのブリード部が直角(90°)の場合と、45°に面取りした場合を示している。回転角度が14°の場合と3°の場合の接触面積比を比較すると、3°の場合はその値を著しく低下させる(10%以下)ことができることがわかる。この効果はスライダの流出端を45°の面取り(チャンファー加工)をした場合にも変わらないことがわかる。
【0033】
図8に第1実施例のジンバル先端部の最大ピッチ角と、従来型の最大ピッチ角との比較を示す。第1実施例では、ルーフ14があるために、スライダがピッチ方向(前傾)に回転しても、可撓性指部22の先端がルーフ14と接触し回転を小さく抑える事ができる。その時の接触角は例えばピボットから先端までの長さが0.5mmで、可撓性指部23との隙間が0.06mmの場合、7°(=arctan(0.06/0.5)となる。このためスライダは7°以上回転しない。
【0034】
本実施例ではルーフ先端は可撓性指部23の先端と略同一の長さ(位置)まで伸びている。ルーフ先端を可撓性指部の先端を越えて、たとえばスライダの磁気ヘッドのさらに後方まで伸ばしても、最大ピッチ角を小さくできないばかりか、ロードビーム自体の重さが増加することにより、磁気ヘッド支持機構の固有振動数が低下したり、アクセス速度が遅くなるという問題が発生する。
【0035】
また、スライダの後端に設けられた磁気ヘッドからの信号線を浮上面に直角方向に、つまりロードビームの方向に引き出す場合は、もしルーフをスライダの磁気ヘッドより後方に延在させると、ルーフが前記信号線の引き回しの障害となる。このため、ルーフ14の先端長さ(位置)は、ジンバルの可撓性指部の長(位置)と略同一の長さが最も良い。
【0036】
図8(2)に示すように、従来型ではルーフが無いためにピボット頂部からロードビーム先端までは短く、またルーフが無いため取付け部24がロードビーム先端と接触するまで回転する。その時の接触角度は、例えばピボットから先端までの長さが0.38mmで、取付部24との隙間が0.1mmの場合、その回転角度は15°に達する。
【0037】
以上の事から、ルーフを設けることによりピッチの最大回転角を従来の46%に低減することが可能となる。この計算ではロードビームの先端部がピボットにより変形し、可撓性指部と接触しなくなる位置をU曲げ部の終端と仮定している。これはU曲げが無くなり、変形しやすくなると共に、平坦部12aの幅も狭くなるためである。
【0038】
また、上記の計算角度はピボット高さ、ジンバル、ロードビーム形状により変化するものであるが、本発明のルーフの効果は変化するものではない。
【0039】
上述したように本発明の第1実施例では磁気ヘッド支持機構にスライダの姿勢を制御するためのルーフを設けることにより、ディスク装置に大きな衝撃が加わりスライダがジャンプし、その後、ディスク面と接触する時のスライダの接触姿勢を制御することができるので、スライダとディスクとの接触面圧を小さくできる。このため、耐衝撃性能に優れた磁気ヘッド支持機構を提供できるとともに、該磁気ヘッド支持機構を搭載する磁気ディスク装置の耐衝撃性能を向上させることができる。また、前記ルーフに接着剤硬化用の紫外線取り入れ窓と、スライダの取付け状態観察用の窓を設けることにより、磁気ヘッド支持機構の生産性も向上させることができる。
【0040】
本発明の第2の実施例を図10を用いて説明する。図10には本実施例のルーフ部のみを詳細に示している。他の部位は第1実施例と同様なので省略する。第1実施例と第2実施例との違いは、本実施例ではルーフ部に回転角度調整溝40を設けている点である。
【0041】
この溝は、ジンバルの可撓性指部とルーフとの隙間を調整することを目的にしている。具体的には、第1の実施例では図7(1)に示すように、可撓性指部22とルーフ14の隙間は0.045mmであり、最大回転角度は3.2°であった。この隙間をコントロールすることにより、接触角度を調整することができる。第1実施例ではピボット高さにより隙間を制御している。一方、ピボットはプレスにより成形されるために、高さ、精度に制約がある。本実施例では第1実施例のルーフのジンバル対向面に回転角度調整溝40を設けた、段差付きルーフ17を備えている。
【0042】
この回転角度調整溝40の深さを変えることにより、前記隙間を制御することができる。これにより、ピボット高さだけで、前記隙間(回転角)を制御する必要がなくなり、設計の自由度がます。さらに該溝の深さを機械加工、エッチングなどにより正確にコントロールすることにより、最大回転角を正確に制御することができる。耐衝撃用磁気ヘッド支持機構としては、衝撃が加わらないときには、ピボットなどの製作時の加工ばらつきを考慮してもジンバルとルーフが接触することは避ける必要があり、一方、衝撃が加わった場合にはなるべく小さい角度でスライダの回転を止める必要がある。
【0043】
本実施例では、段差付きルーフを設けることによりジンバルとルーフの隙間を制御することができるので、この要求を満足することができる。また、本実施例においても、第1の実施例と同様に耐衝撃性能とともに、紫外線の入射用窓、接着状態観察用窓を設けることにより生産性も向上させる事ができる。
【0044】
本発明の第3の実施例を図11を用いて説明する。本実施例と第2の実施例との違いは、本実施例では、回転角度調整溝40をプレス加工により設けた点である。このため、図11に示すように、段差付ルーフは窓部の高さと異なっている。一方、回転角度調整溝は、第2の実施例と同様に、ジンバルの可撓性指部の上面に所定の隙間を介して設けられている。ここで、回転角度調整溝40を持つ段差付ルーフは第2の実施例と同様にピボット高さを含め、ジンバル厚さ、ロードビーム厚さ、長さなどの設計の自由度を増加させる。また、ピボットと同時にプレス加工できるために、第2の実施例に比べ生産性(量産性)に優れていることが特長である。また、本実施例においても第1の実施例と同様に耐衝撃性能と量産性能に優れている。
【0045】
本発明の第4の実施例を図12を用いて説明する。本実施例と第1の実施例との違いは、図12に示すように本実施例ではルーフを4点押さえルーフ19とした点である。
【0046】
ルーフ19は4つの庇(突起)を持ち、各々の庇の先端は、第1実施例のルーフ14の4つのコーナの大きさ(位置)に対応している。4点のみを押さえる構造にしたために、第1の実施例で必要であった紫外線入射窓、接着状態観測用窓が不要となるだけでなく、ルーフ部の自重を小さくする事ができる。
【0047】
このため、第1の実施例と同様に耐衝撃性能を向上させることができるとともに、生産性も向上させる事ができる。さらに、ルーフ部の軽量化により、磁気ヘッド支持機構の固有振動数が低下することがない。これにより、磁気ヘッドの高速、高精度の位置決めが可能となる。
【0048】
本発明の第5実施例を、図15、図16、図17を用いて説明する。図15は第5実施例のロードビームのルーフ部詳細を示している。本発明と第1の実施例との違いは、フランジ部12の平坦部12aの先端にリング形のルーフ30を設けた点である。
【0049】
このリング形ルーフ30は中央に窓を持つドーナツ状となっている。ピボット13は第1実施例と同様に、平坦部12aの先端付けられており、リング形ルーフ30はピボット13の平坦部12a側の両側から延びてリング状のルーフを形成している。ロードビームの中心線に沿ったC−C断面も同図に示す。この断面図が示すように、ピボット13は第1実施例と同様に、スライダ取付け側に凸の構造となっている。また、ルーフ先端部30aは窓16によりピボット13と分離されている。
【0050】
また、窓16は第1実施例ではスライダの側面に沿って2つ設けていたが、窓16のサイズをスライダの幅以上に大きくすることにより1つとしている。これにより、第1実施例と同様に、この窓16からUV光線を照射する事により、スライダ4とジンバルの取付部24を接着剤で取付け、その接着剤を短時間で硬化させる事が出来る。
【0051】
図16に第5実施例のジンバル部を示す。基本的な構造は第1実施例のジンバル形状(図6)と同じで、可撓性指部22、段差部23、取付け部24から構成されている。第1実施例のジンバルとの違いはスライダの取付け部24にくびれ部24aを設けている点である。スライダはくびれ部24aに掛からないように、取付部24に取付けられる。このため、くびれ部24a自体も可撓性指部22と同様の働きをして、スライダの浮上面と直交するスライダの動き(ピッチング、ローリング、上下運動)を拘束することなく、スライダを支持する事が可能となる。
【0052】
換言すれば、スライダの小型化に伴い、スライダの空気膜剛性が低下しており、そのためにスライダの面外方向(浮上面と直交する方向)の動きを拘束することなく支持する事がジンバルに求められている。このため、本実施例のジンバルではくびれ部24aを設ける事により、ジンバルのピッチングとローリング剛性を低下させて、スライダの運動を拘束することなく、スライダを支持する事を可能としている。
【0053】
図17に第5実施例の全体図を示す。図17(a)に示すように、リング形ルーフ30はジンバルの可撓性指部22の上面に重なるように形成されており、ルーフ先端30aは、ジンバルの先端に設けられた2つの段差部23にほぼ重なるように形成されている。しかし、ルーフ先端30aはジンバルの先端を超えていない。
【0054】
また、図中のD−D断面図に示すように、リング形ルーフ30は可撓性指部22と略同じ幅を持ち、可撓性指部22の上面を覆っている。リング形ルーフ30の窓16の中に、スライダ取付け面24を見ることが出来る。前述したように、この窓16からスライダ取付け面24に向けてUV光を照射することにより、スライダと取付け面の間の接着剤を短時間で硬化させる事が可能となる。スライダは取付け部24の略真下に付けられているため図示していない。UV光は直接に接着剤に当てても、また、反射(散乱)光として、斜めから入射してもよいことは言うまでもない。
【0055】
本発明の効果を図17(b)機能説明図を用いて説明する。本実施例においても、第1の実施例と同様に、衝撃によりスライダがローリング運動(左右の回転運動)を行った場合においても、可撓性指部22の上部に設けたリング形ルーフ30がその運動を拘束するために、スライダが大きく回転することを防ぐ事が可能となる。これにより図9に示した接触面積比を小さくすることが可能となり、ディスクとの接触損傷を低減することが出来る。
【0056】
また、衝撃によるスライダのピッチング運動(前後の回転運動)に関しては、ルーフ先端30aがジンバルの先端を覆っているために、スライダと共に回転するジンバルがルーフに接触するためにスライダがピッチング方向に大きく回転することはない。このため、前述と同様に接触面積比を小さくすることが可能となり、接触損傷を低減できる。
【0057】
ここで、ルーフの機械的な剛性はジンバルのそれに比べて高いため、スライダの運動に伴って運動するジンバルの変形を止めることが可能となっている事は言うまでもない。さらに、本実施例においても重要なことは、ルーフの先端が、ジンバルの先端を超えず、略ジンバルの形状と同一になっている点である。これにより、ルーフを設ける事によるロードビームの質量の増加を最小限に押させ、且つ、スライダの衝撃による回転を小さく抑える事が可能となる。もし、ジンバルの大きさを超えて、ルーフを設けると、ロードビームの質量が増加し、これにより特にキャリッジ回転中心からのヘッド換算質量が著しく増加し、データのアクセス速度の低下を誘起する。
【0058】
また、固有振動を低下させ、磁気ヘッドの位置決め精度を低下させるという問題が発生する。さらに、ジンバルの大きさを超えたルーフを設けても、そのルーフの効果はジンバルと同等の大きさのルーフと効果が変わらない。これは、ルーフにより拘束される回転角がルーフの大きさをジンバルの大きさにしても変化しないためである。
【0059】
以上述べたように、本実施例においても第1の実施例と同様な効果を得る事ができる。また、空気膜剛性の小さいスライダに対して最適な、耐衝撃磁気ヘッド支持機構を提供する事が可能となる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ルーフ部を設けたことにより、スライダのディスクとの接触角を制御することができるので、接触による両者の損傷を低減でき、耐衝撃性能の高い磁気ヘッド支持機構を提供することができる。またルーフ部に窓を設け、この窓を紫外線入射用窓や接着状態観測用窓として使用することにより、生産性にも優れた磁気ヘッド支持機構を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体図
【図2】第1実施例の磁気ヘッド支持機構
【図3】第1実施例の磁気ヘッド支持機構先端部の詳細
【図4】第1実施例の磁気ヘッド支持機構の側面図
【図5】第1実施例のロードビームのルーフ部詳細
【図6】ジンバル形状
【図7】第1実施例におけるロール最大回転角
【図8】最大ピッチ角の比較
【図9】効果の説明図(接触角度と面積比)
【図10】第2実施例のルーフ部
【図11】第3実施例のルーフ部
【図12】第4実施例のルーフ部
【図13】従来型磁気ヘッド支持機構
【図14】従来型のロール最大回転角度
【図15】第5実施例のルーフ部
【図16】第5実施例のジンバル部
【図17】第5実施例の全体図
【符号の説明】
4…スライダ、5…磁気ヘッド支持機構、11…ばね部、12…フランジ部、12a…平坦部、12b…U曲げ部、13…ピボット、14…ルーフ、16…窓、20…ジンバル、22…可撓性指部、23…段差部、24…取付部。
Claims (6)
- 磁気ヘッドを搭載したスライダと、ディスク面に対する前記スライダの押し付け荷重を発生するサスペンションとを備え、
前記サスペンションは、前記荷重を発生するばね部を有するロードビームと、前記スライダを前記ロードビームに取り付けるジンバルとを備え、
前記ジンバルは、前記スライダを取り付ける取付部と、前記ロードビームの先端方向の先端部で前記取付部を支持して前記取付部の両側に沿って前記先端部の反対側の端部に向かって伸び前記ロードビームとの接合部に連接された2本の可撓性指部とを備え、
前記ロードビームは、前記スライダ側に突き出した突起を備えると共に、通常は前記可撓性指部と接触せず前記スライダが前記突起を中心にしてディスクの面外方向へ回転したときに前記可撓性指部の先端と相互の接合側の面で接触するルーフ部を備えた磁気ヘッド支持機構。 - 請求項1に記載の磁気ヘッド支持機構において、前記ロードビームはその先端側にくびれ部を有し、前記ルーフ部を前記くびれ部の先端側で前記取付部の背面に延在させて設け、前記ルーフ部の大きさを前記ジンバルの大きさに略等しいか大きくしたことを特徴とする磁気ヘッド支持機構。
- 請求項1又は2に記載の磁気ヘッド支持機構において、前記ルーフ部に窓を設け、前記窓は、窓からスライダ平面に投影したときに、その投影された窓の中に前記取付部の側縁が入るように形成したことを特徴とする磁気ヘッド支持機構。
- 請求項1に記載の磁気ヘッド支持機構において、前記ロードビームはその先端側にくびれ部を有し、前記ルーフ部を前記くびれ部の先端側で前記取付部の背面に延在させて設け、前記ルーフ部の幅を前記ジンバル先端の幅に略等しいか大きくし、前記ルーフ部の長さを前記ジンバルの略先端まで延在するように構成したことを特徴とする磁気ヘッド支持機構。
- 請求項1又は4に記載の磁気ヘッド支持機構において、前記ルーフ部に窓を設け、前記窓は、窓からスライダ平面に投影したときに、その投影された窓の中に前記スライダの側縁が入るように形成したことを特徴とする磁気ヘッド支持機構。
- 請求項4に記載の磁気ヘッド支持機構において、前記ロードビームの前記ルーフ部の形状をリング形状とし、前記可撓性指部と前記取付部間をくびれ部を設けて接続したことを特徴とする磁気ヘッド支持機構。
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