JP3545125B2 - 歪み補償回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歪み補償回路に関し、特に、予歪を与えて非線形特性を有する素子の歪みを補償する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、増幅器やレーザ回路等の非線形特性を有する素子や回路に対して歪み補償を行う場合、歪み補償の対象となる非線形素子の逆の特性を持つ非線形回路を、歪み補償の対象となる非線形素子の前段に配置して予め予歪を与えておくことにより歪みを補償するプリディストータ(予歪み)方式が多く用いられていた。
【0003】
図12は、従来のプリディストータ方式を説明する図である。
図12において、1201は歪み補償の対象となる非線形素子1202の逆の特性を持つ歪み補償回路(プリディストータ回路)、1202は歪み補償の対象となる非線形素子である。
【0004】
ここで、例えば、非線形素子1202の入出力特性が図12(c)に示す非線形特性を有する場合、図12(b)に示すように、歪み補償回路1201の入出力特性を非線形素子1202の入出力特性の逆の特性に設定しておく。
【0005】
そして、図12(a)に示すような線形特性を有する入力信号を歪み補償回路1201に供給して予歪みを与えることにより、図12(b)に示す非線形特性を持たせる。次に、この非線形特性が与えられた入力信号を、図12(c)に示す非線形特性を有する非線形素子1202に供給し、歪み補償回路1201で与えられた予歪みで非線形素子1202により発生する歪みを補償することにより、図12(d)に示すような線形特性を有する出力信号を得ることができる。
【0006】
このようなプリディストータ方式は、高周波無線伝送において出力段の非線形歪みを除去するために広く用いられている。なお、歪み補償回路は非線形素子の後段に設けてもよい。
【0007】
次に、従来の歪み補償回路1201について説明する。
図13は、従来の歪み補償回路1201の構成を示すブロック図である。
図13において、1301、1306は方向性結合器、1302は遅延素子、1303は歪み成分生成部、1304はアッテネータ、1305は位相調整部である。
【0008】
方向性結合器1301に入力された入力信号は2つの信号に分岐され、遅延素子1302及び歪み成分生成部1303に供給される。歪み成分生成部1303は、入力信号に基づいて、歪み成分のみを生成する。そして、歪み成分生成部1303で生成された歪み成分は、アッテネータ1304及び位相調整部1305で振幅や位相の調整が行われ、方向性結合器1306に供給される。
【0009】
一方、遅延素子1302に供給された入力信号は、歪み成分生成部1303、アッテネータ1304及び位相調整部1305における遅延量だけ遅延された後、方向性結合器1306に供給され、位相調整部1305から出力される歪み成分と合成される。
【0010】
この図13の歪み補償回路1201は、アッテネータ1304及び位相調整部1305により、予歪を制御することができる。
次に、従来の歪み補償回路1201のその他の例について説明する。
【0011】
図14は、従来の歪み補償回路1201のその他の構成を示す回路図である。
図14において、1401、1411、1412、1421、1422は方向性結合器、1402は180°結合器、1403、1407、1413、1417はダイオード、1404〜1406、1408〜1410、1414〜1416、1418〜1420は抵抗器、1423は偶数次歪み生成部、1424は奇数次歪み生成部である。
【0012】
方向性結合器1401に入力された入力信号fは2つの信号に分岐され、偶数次歪み生成部1423及び奇数次歪み生成部1424に供給される。
偶数次歪み生成部1423は、入力信号を180°結合器1402において位相を180°ずらして2つの信号に分岐させる。そして、180°結合器1402から出力された信号は、ダイオード1403及びダイオード1407にそれぞれ供給されて歪みが与えられる。ここで、ダイオード1403及びダイオード1407に供給される信号は位相が180°ずれているため、方向性結合器1411で合成される際にダイオード1403及びダイオード1407で生成された奇数次歪み成分が打ち消され、方向性結合器1411から偶数次歪み信号(Af2 +Bf4 ・・・)が出力される。なお、Af2 ,Bf4 は、それぞれA sin2ωtが及びB sin4ωt等の高周波に対応する。
【0013】
また、奇数次歪み生成部1424は、入力信号を方向性結合器1412において2つの信号に分岐させる。そして、方向性結合器1412から出力された信号は、ダイオード1413及びダイオード1417にそれぞれ供給されて歪みが与えられる。ここで、ダイオード1413とダイオード1417との向きが互いに逆になっているため、方向性結合器1421において合成される際にダイオード1413及びダイオード1417で生成された偶数次歪み成分が打ち消され、方向性結合器1421から奇数次歪み信号(f+Cf3 ・・・)が出力される。
【0014】
偶数次歪み生成部1423で生成された偶数次歪み信号(Af2 +Bf4 ・・・)及び奇数次歪み生成部1424で生成された奇数次歪み信号(f+Cf3 ・・・)は方向性結合器1422において合成され、歪み信号(f+Af2 +Cf3 +Bf4 ・・・)が出力される。
【0015】
この図14の歪み補償回路1201は、DC〜500MHz程度の帯域に渡って歪み補償が可能であるとともに、奇数次の歪みと偶数次の歪みとをそれぞれ独立に調節可能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13の歪み補償回路は、歪み成分生成部1303や位相調整部1305において、位相を回転させる90°結合器や主信号成分を打ち消す180°結合器が必要とされるため、回路規模が大きくなって高価になるという問題があった。
【0017】
また、図13の歪み補償回路は、周波数帯域が原理的に制限される90°結合器の使用が必須であるため、広帯域の歪み補償に適用できないという問題があった。
【0018】
さらに、図13の歪み補償回路は、2次歪みが帯域外に出ていくため、3次歪みの補正に限定されるという問題があった。
一方、図14の歪み補償回路は、方向性結合器1401、1411、1412、1421、1422を多用するため、回路規模が大きくなって高価になるとともに、周波数帯域も方向性結合器1401、1411、1412、1421、1422により制限されるという問題があった。
【0019】
また、図14の歪み補償回路は、予歪み特性をきめ細かく調整することが困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、予歪み特性をきめ細かく調整可能であるとともに、広帯域の歪み補償を行うことが可能な歪み補償回路を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明によれば、歪み付与部および減衰手段が並列に接続され入力信号の前記歪み付与部および前記減衰手段への分配比が前記減衰手段の減衰量により定まる歪み補償回路であって、前記歪み付与部は第1および第2の手段と歪み発生手段より構成され、前記第1の手段は前記歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、前記歪み発生手段は非線形素子を含み前記第1の手段の出力信号に歪みを付加し前記歪み量は前記非線形素子のバイアス制御により制御され、前記第2の手段は前記第1の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記歪み付与部の出力として出力し、前記減衰手段の減衰特性が周波数特性を持ち前記入力信号の分配比が周波数特性を持っことにより前記第1の歪み付与部により付加される歪み量が調整される。
【0021】
このことにより、歪み発生手段の直流バイアスを調節してその動作点を移動させることにより歪み発生手段で与えられる歪み量を正確に調節できるとともに、電力量調節手段における減衰量を変化させて歪み発生手段に与えられる電力量を調節することにより歪み発生手段により与えられる歪み量を調節することができる。さらに、電力量調節手段は減衰手段からなるので伝送路とインピーダンス整合を取ることにより、広帯域に渡って歪み補償を行うことができる。
【0022】
また、本発明の一態様によれば、歪み発生手段の周波数特性と逆の周波数特性を減衰手段に持たせるようにしている。
このことにより、歪み発生手段における歪み量の周波数特性を、歪み発生手段に供給される電力量の周波数特性により打ち消すことができ、予歪み量の周波数特性を改善することができる。
【0023】
また、本発明の一態様によれば、歪み発生手段はソース/ドレイン間を短絡した化合物半導体からなる電界効果トランジスタである。
歪み発生手段に供給する電力量を調整するとともに、インピーダンス整合をとることのできる減衰手段と、広帯域の電界効果トランジスタからなる歪み発生手段との作用があいまって、広帯域に渡って均一な予歪みを簡単な構成で生成することができる。
【0024】
したがって本発明によれば、数KHzから1GHz以上の広帯域にわたって、歪み補償することができるので、例えば100〜150チャネルの多チャネルのビデオ・オン・デマンドサービスにも好適する歪み補償回路を提供できる。
【0025】
また、本発明の一態様によれば、一第 1 および第 2 の歪み付与部および減衰手段が並列に接続され入力信号の前記第1および第2の歪み付与部および前記減衰手段への分配比が前記減衰手段の減衰量により定まる歪み補償回路であって、前記第1の歪み付与部は第1および第2の手段と第1の歪み発生手段より構成され、前記第2の歪み付与部は第3および第4の手段と第2の歪み発生手段より構成され、前記第1の手段は前記第1の歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、前記第3の手段は前記第2の歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、前記第1の歪み発生手段は第1の非線形素子を含み前記第1の手段の出力信号に歪みを付迦し前記第1の非線形素子による歪み量は前記第1の非線形素子のバイアス制御により制御され、前記第2の歪み発生手段は前記第1の非線形素子と同一で逆向きに接続された第2の非線形素子を含み前記第3の手段の出力信号に歪みを付加し、前記第2の非線形素子による歪み量は前記第2の非線形素子のバイアス制御により制御され、前記第2の手段は、前記第1の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記第1の歪み付与部の出力として出力し、前記第4の手段は、前記第2の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記第2の歪み付与部の出力として出力し、前記減衰手段の減衰特性が周波数特性を持ち、前記入力信号の分配比が周波数特性を持つことにより前記第1の歪み付与部により付加される歪み量が調整される。
【0026】
また、本発明の一態様によれば、伝送路を介して供給された入力信号を減衰させる減衰手段と、前記減衰手段の入力信号の一部を直流信号と重ね合わせて歪ませる第1の歪み発生手段と、前記減衰手段と前記第1の歪み発生手段とを交流的に接続する第1の結合手段と、前記減衰手段の出力信号の一部を直流信号と重ね合わせて歪ませる第2の歪み発生手段と、前記減衰手段と前記第2の歪み発生手段とを交流的に接続する第2の結合手段とを備えている。
【0028】
また、本発明の一態様によれば、伝送路を介して供給された入力信号を減衰させる第1の減衰手段と、前記第1の減衰手段の出力信号を減衰させる第2の減衰手段と、前記第2の減衰手段の入力信号の一部を直流信号と重ね合わせて歪ませる歪み発生手段と、前記第2の減衰手段と前記歪み発生手段とを交流的に接続する結合手段とを備えている。
【0029】
また、偶数次の歪みを打ち消すことにより、前記入力信号に3次の歪みを与える3次歪み発生手段とを備えている。
【0030】
また、本発明の一態様によれば、入力信号の信号レベルを下げることにより、3次以降の歪みが発生することを抑制しながら前記入力信号に2次歪みを与える2次歪み発生手段と、前記2次歪み発生手段とカスケード接続されており、偶数次の歪みを打ち消すことにより、前記入力信号に3次の歪みを与える3次歪み発生手段とを備えている。
【0031】
このことにより、2次の歪み量と3次の歪み量とを独立して調節することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1実施例による歪み補償回路の構成を示すブロック図である。
図1において、歪み発生手段101は、入力信号に対して歪みを発生させるもので、例えば、ダイオードなどの非線形素子を含み、入力信号をこの非線形素子に供給することにより歪みを発生させる。歪み発生手段101により発生する歪み量は、非線形素子に供給するバイアス電流を変化させることにより調節される。
【0034】
減衰手段102は、伝送路を介して供給された信号を減衰させるもので、例えば、抵抗器やPINアッテネータ回路などにより構成され、伝送路とインピーダンス整合がとられる。また、減衰手段102における減衰量を調節することにより、歪み発生手段101に供給する電力量を調節し、入力信号に与えられる歪み量を調節する。
【0035】
第1の結合手段103は、減衰手段102の入力側と歪み発生手段101の入力側とを交流的に結合するもので、減衰手段102の入力信号から交流成分のみを取り出して歪み発生手段101に供給する。
【0036】
第2の結合手段104は、減衰手段102の出力側と歪み発生手段101の出力側とを交流的に結合するもので、歪み発生手段101により歪みが与えられた交流信号と減衰手段102の出力信号とを合成する。
【0037】
第1の結合手段103及び第2の結合手段104は、例えば、コンデンサなどにより構成される。
このような構成において、減衰手段102は伝送路とインピーダンス整合がとられているため、広帯域に渡って信号の伝送が可能になるとともに、減衰手段102に入力される信号の一部を第1の結合手段103を介して歪み発生手段101に供給して歪みを与えることができる。この際、歪み発生手段101と減衰手段102との間における直流成分の伝達は第1の結合手段103及び第2の結合手段104により遮断され、歪みを与える非線形素子の動作点を減衰手段102の動作にかかわりなく常に一定に保つことができるため、歪み発生手段101におけるバイアス電流を変化させることにより入力信号に与えられる歪み量を正確に調節することができる。
【0038】
次に、本発明の第2実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第2実施例による歪み補償回路の構成を示す回路図であり、図1の歪み補償回路のより具体的な回路構成を示すものである。
【0039】
図2において、201は入力信号に歪みを与える歪み発生部、202は歪み発生手段に供給する電力量を調節する減衰器部、203,205は高周波成分が歪み補償回路から外部に送出されることを阻止するインダクタンス、204はGaAs電界効果トランジスタ206にバイアス電流を供給する電流源、206は歪みを発生させる非線形素子であり、この例の場合、ソース/ドレイン間が短絡されたGaAs電界効果トランジスタ、207、208は歪み発生部201と減衰器部202とを交流結合させるコンデンサ、209〜211は伝送路とインピーダンス整合をとるための抵抗器である。
【0040】
なお、歪み発生部201はインダクタンス203、205、電流源204、GaAs電界効果トランジスタ206から構成され、減衰器部202は抵抗器209〜211から構成されている。
【0041】
ここで、抵抗器209〜211はπ型に接続され、抵抗器210、211の一方の端子は接地端子に接続され、抵抗器209と抵抗器210との接続点に伝送路からの入力端子が接続され、抵抗器209と抵抗器211との接続点に伝送路への出力端子が接続されている。
【0042】
伝送路からの入力端子はコンデンサ207を介してGaAs電界効果トランジスタ206のゲート端子に接続され、伝送路への出力端子はコンデンサ208を介してGaAs電界効果トランジスタ206のソース端子及びドレイン端子に接続されている。また、GaAs電界効果トランジスタ206のゲート端子はインダクタンス203を介して電源端子に接続され、電流源204の入力端子はインダクタンス205を介してGaAs電界効果トランジスタ206のソース端子及びドレイン端子に接続され、電流源204の出力端子は接地端子に接続されている。
【0043】
このような構成において、電流源204からの直流電流はインダクタンス203、205を介してGaAs電界効果トランジスタ206に供給され、GaAs電界効果トランジスタ206のバイアス点を設定する。ここで、コンデンサ207、208は、電流源204からの直流電流が減衰器部202に伝わることを阻止する。
【0044】
入力信号fが減衰器部202に供給されると、高周波成分がコンデンサ207を介して歪み発生部201に供給され、GaAs電界効果トランジスタ206により歪み成分が付加された出力信号(f+Af2 +Bf3 ・・・)が出力される。この際、減衰器部202は伝送路とインピーダンス整合がとられているので、数kHz〜1GHz以上の広帯域に渡って歪み補償を行うことができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施例による歪み補償回路における歪み量の制御方法について説明する。
図3は、電流源204からの直流電流を調節して、歪み量を制御する方法を説明する図である。
【0046】
図3(a)において、電流源204からの電流バイアス量が小さい場合、入力信号は非線形度の大きな領域にあるバイアス点301を中心に振動し、GaAs電界効果トランジスタ206で与えられる歪み量は大きくなる。
【0047】
また、図3(b)において、電流源204からの電流バイアス量が大きい場合、入力信号は非線形度の小さな領域にあるバイアス点302を中心に振動し、GaAs電界効果トランジスタ206で与えられる歪み量は小さくなる。
【0048】
ここで、歪み発生部201と減衰器部202とはコンデンサ207、208を介して接続されているため、歪み発生部201と減衰器部202との間における直流成分の伝達はコンデンサ207、208により遮断され、GaAs電界効果トランジスタ206に設定される電流バイアス量は常に一定に保たれるので、GaAs電界効果トランジスタ206で与えられる歪み量を正確に調節することができる。
【0049】
次に、本発明の第2実施例による歪み補償回路における歪み量のその他の制御方法について説明する。
図4、5は、減衰器部202における減衰量を調節して、歪み量を制御する方法を説明する図である。
【0050】
図4(a)において、減衰器部202における減衰量を小さくした場合、減衰器部202に供給される電力量402は増加するとともに、歪み発生部201に供給される電力量401は減少する。このため、図4(b)に示すように、歪み発生部201に供給される信号の入力レベルは減少し、歪み発生部201で与えられる歪みは小さくなる。
【0051】
また、図5(a)において、減衰器部202における減衰量を大きくした場合、減衰器部202に供給される電力量502は減少するとともに、歪み発生部201に供給される電力量501は増加する。このため、図5(b)に示すように、歪み発生部201に供給される信号の入力レベルは増加し、歪み発生部201で与えられる歪みは大きくなる。
【0052】
なお、図3,図4,図5において、電流Iを入力、電圧Vを出力とし、それぞれ入力および出力の関係を示すと考えてもよい。
なお、GaAs電界効果トランジスタ206として、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)などを使用してもよく、GaAs電界効果トランジスタ206の代わりにInP、ZnSeなどのその他の化合物半導体電界効果トランジスタを使用してもよい。
【0053】
また、歪み発生素子として、GaAs電界効果トランジスタ206の代わりにダイオードを使用するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の第2実施例による歪み補償回路によれば、歪み発生素子にバイアス電流を流す機能(電流量は可変)を持ち、歪み量をきめ細かく調整することが可能な歪み発生部201と、歪み発生部201に流れ込む信号電力を調整し、高周波信号伝送を可能とする伝送路とインピーダンス整合がとられた減衰器部202と、歪み発生部201と減衰器部202とを直流的に分離するコンデンサ207、208とを備えることにより、高周波まで歪み量を調整可能とすることができる。
【0054】
また、歪み発生素子としてソース/ドレイン間が短絡されたGaAs電界効果トランジスタ206を用いることにより、数kHz〜1GHz以上の広帯域に渡って均一な予歪みを簡単な構成で生成することが可能となる。
【0055】
さらに、1GHz以上の広帯域で歪み補償を行う場合、歪み特性が1GHz以上の帯域まで均一な10GHz以上の帯域を有するダイオードが必要となるが、このようなダイオードとして例えば特殊なショットキーダイオードを用いることが考えられるが、これは超微細形状を持ち、高度な実装技術を要求され、高価である。したがって、特殊なショットキーダイオードの代わりにGaAs電界効果トランジスタ206を用いることにより、より簡単な構成とすることができる。
【0056】
次に、本発明の第3実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。この第3実施例による歪み補償回路は、減衰器部にPINアッテネータ回路を使用し、減衰器部における減衰量を調節できるようにしたものである。
【0057】
図6は、本発明の第3実施例による歪み補償回路の構成を示す回路図である。図6において、601は入力信号に歪みを与える歪み発生部、602は伝送路からの信号を減衰させる減衰器部、603、605は高周波成分を阻止するインダクタンス、604はGaAs電界効果トランジスタ606にバイアス電流を供給する電流源、607、608は歪み発生部601と減衰器部602とを交流結合させるコンデンサ、609はPINアッテネータ回路、610はPINアッテネータ回路のPINダイオードにバイアス電流を供給する電流源である。
【0058】
ここで、図6の歪み補償回路が図2の歪み補償回路と異なる点は、図2の歪み補償回路の減衰器部202の代わりにPINアッテネータ回路609及び電流源610からなる減衰器部602が使用されていることである。
【0059】
このような構成において、電流源610の電流量を調節することにより、PINアッテネータ回路609のPINダイオードのバイアス点を移動させてPINダイオードの抵抗を変えることができ、減衰量を変化させることができる。
【0060】
そして、この減衰器部602の減衰量を変化に応じて、歪み発生部601に供給される信号電力量が変化するので、歪み発生部601により付加される予歪み量をきめ細かく調節することができる。この際、減衰器部602は伝送路とインピーダンス整合がとられているので、数kHz〜1GHz以上の広帯域に渡って歪み補償を行うことができる。
【0061】
図7は、本発明の第3実施例による歪み補償回路のより詳細な構成を示す回路図である。
図7において、701は入力信号に歪みを与える歪み発生部、702は伝送路からの信号を減衰させる減衰器部、703、705、709、711、718、721は高周波成分を阻止するインダクタンス、704はGaAs電界効果トランジスタ706にバイアス電流を供給する電流源、710はPINダイオード712にバイアス電流を供給する電流源、722はPINダイオード720にバイアス電流を供給する電流源、706は歪みを発生させるGaAs電界効果トランジスタ、707、708は歪み発生部701と減衰器部702とを交流結合させるコンデンサ、715、716は伝送路とインピーダンス整合をとるための抵抗器、713、714はPINダイオード712と伝送路とを交流結合させるコンデンサ、717、719はPINダイオード720と伝送路とを交流結合させるコンデンサ、712、720は減衰量を調整するためのPINダイオードである。
【0062】
減衰器部702において、伝送路の入力端子と出力端子とは直列接続された抵抗器715、716を介して接続されるとともに、伝送路の入力端子はコンデンサ713を介してPINダイオード712のアノード端子に接続され、伝送路の出力端子はコンデンサ714を介してPINダイオード712のカソード端子に接続され、PINダイオード712のアノード端子はコイル709を介して電源端子に接続され、PINダイオード712のカソード端子はコイル711及び電流源710を介して接地端子に接続され、PINダイオード720のアノード端子はコンデンサ719を介して接地端子に接続されるとともにコイル718を介して電源端子に接続され、PINダイオード720のカソード端子はコンデンサ717を介して抵抗器715、716の接続点に接続されるとともにコイル721及び電流源722を介して接地端子に接続されている。
【0063】
このような構成において、電流源710からの直流電流はコイル709、711を介してPINダイオード712に供給され、PINダイオード712のバイアス点を設定する。また、電流源722からの直流電流はコイル718、721を介してPINダイオード720に供給され、PINダイオード720のバイアス点を設定する。このため、電流源710、722の電流量を調節することにより、PINダイオード712、720のバイアス点を移動させてPINダイオード712、720の抵抗を変えることができ、減衰量を変化させることができる。
【0064】
なお、歪み発生素子として、GaAs電界効果トランジスタ606、706の代わりに、ダイオードを用いるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の第3実施例による歪み補償回路によれば、インピーダンス固定で減衰量を変化させることができる減衰器部602、702を使用することにより、歪み発生部601、701に流れ込む信号電力量を変化させることができ、高周波まで歪み量をきめ細かく外部制御可能とすることができる。
【0065】
次に、本発明の第4実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。この第4実施例による歪み補償回路は、減衰器部に周波数特性を持たせて、歪み発生素子の周波数特性を改善するようにしたものである。
【0066】
図8は、本発明の第4実施例による歪み補償回路の構成を示す回路図である。
図8において、801は入力信号に歪みを与える歪み発生部、802は伝送路からの信号を減衰させる減衰器部、803、805は高周波成分を阻止するインダクタンス、804はGaAs電界効果トランジスタ806にバイアス電流を供給する電流源、806は歪みを発生させるGaAs電界効果トランジスタ、807、808は歪み発生部801と減衰器部802とを交流結合させるコンデンサ、809、811〜813は入力信号を減衰させる抵抗器、810は入力信号を減衰させるコンデンサである。
【0067】
図8の歪み補償回路が図2の歪み補償回路と異なる点は、減衰器部202の代わりにGaAs電界効果トランジスタ806の電力の周波数特性と逆の電力の周波数特性を有する減衰器部802を使用することである。
【0068】
すなわち、減衰器部602において、伝送路の入力端子と出力端子とは抵抗器809を介して接続されているとともに、直列接続されたコンデンサ810と抵抗器811とが抵抗器809に並列に接続され、伝送路の入力端子は抵抗器812を介して接地端子に接続され、伝送路の出力端子は抵抗器813を介して接地端子に接続されている。
【0069】
そして、例えば、GaAs電界効果トランジスタ806の歪み量の周波数特性が、図8(c)に示すように、高域において増加する場合、減衰器部802の電力の周波数特性を、図8(b)に示すように、高域において増加させることにより、GaAs電界効果トランジスタ806に供給される電力の周波数特性が、図8(a)に示すように、高域において減少するようにする。
【0070】
このことにより、入力信号が減衰器部802に供給された場合、減衰器部802における高域成分の減衰量が低域成分の減衰量に比べて少なくなり、歪み発生部801に供給される高域成分の電力量が低域成分の電力量に比べて減少するので、この歪み発生部801に供給される高域成分の電力量の減少によりGaAs電界効果トランジスタ806の高域での歪み量の増加が相殺され、図8(d)に示すように、歪み量の周波数特性の平坦な出力信号を得ることができる。
【0071】
なお、歪み発生素子として、GaAs電界効果トランジスタ806の代わりにダイオードを用いるようにしてもよい。また、減衰器部802として、GaAs電界効果トランジスタ806と逆の周波数特性を持たせるようにしたPINアッテネータ回路を用いてもよい。
【0072】
以上説明したように、本発明の第4実施例による歪み補償回路によれば、減衰器部802に周波数特性を持たせることにより、歪み発生素子に流れ込む電力に周波数特性を持たせ、予歪みの周波数特性を制御することができ、広帯域の歪み補償を行うことができる。
次に、本発明の第5実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。この第5実施例による歪み補償回路は、歪み発生部において偶数次歪みを打ち消すことにより、奇数次歪みのみを生成できるようにしたものである。
【0073】
図9は、本発明の第5実施例による歪み補償回路の構成を示す回路図である。
図9において、901は入力信号に歪みを与える歪み発生部、902は伝送路からの信号を減衰させる減衰器部、903は歪み発生部901で生成された歪みのうち偶数次歪みを打ち消す歪み発生部、904、906、916、918は高周波成分を阻止するインダクタンス、905はGaAs電界効果トランジスタ907にバイアス電流を供給する電流源、915はGaAs電界効果トランジスタ917にバイアス電流を供給する電流源、907、917は歪みを発生させるGaAs電界効果トランジスタ、908、909は歪み発生部901と減衰器部902とを交流結合させるコンデンサ、913、914は歪み発生部903と減衰器部902とを交流結合させるコンデンサ、910〜912は伝送路とインピーダンス整合をとるための抵抗器である。
【0074】
図9の歪み補償回路が図2の歪み補償回路と異なる点は、歪み発生部903をコンデンサ913、914を介して減衰器部902に接続したことである。
この歪み発生部903は、歪み発生部901と同一の構成を有しており、歪み発生部903を歪み発生部901に対して向きを反転させて減衰器部902に接続している点が異なっている。すなわち、減衰器部902の入力端子には、GaAs電界効果トランジスタ907のゲート端子をコンデンサ908を介して接続するとともに、GaAs電界効果トランジスタ917のソース端子及びドレイン端子をコンデンサ913を介して接続し、減衰器部902の出力端子には、GaAs電界効果トランジスタ907のソース端子及びドレイン端子をコンデンサ909を介して接続するとともに、GaAs電界効果トランジスタ917のゲート端子をコンデンサ914を介して接続している。
【0075】
そして、入力信号fを減衰器部902に入力することにより、GaAs電界効果トランジスタ907、917で歪みが生成される。ここで、GaAs電界効果トランジスタ907、917は原点対称となるように接続されているので、GaAs電界効果トランジスタ907、917で生成された偶数次歪み成分は打ち消され、奇数次歪み信号(f+Af3 +Bf5 ・・・)が出力される。
【0076】
このことにより、予歪みとして奇数次歪み成分のみを入力信号に与えることができ、偶数次歪みと独立して奇数次歪みの歪み量を調整することができる。
なお、歪み発生素子として、GaAs電界効果トランジスタ907、917の代わりにダイオードを用いるようにしてもよい。また、減衰器部902として、PINアッテネータ回路を使用してもよく、さらに、GaAs電界効果トランジスタ907、917の周波数特性と逆の周波数特性を減衰器部902に持たせるようにしてもよい。
【0077】
以上説明したように、本発明の第5実施例による歪み補償回路によれば、減衰器部902に対して、歪み発生部901、903を原点対称となるように接続することにより、奇数次の歪みを発生させることなく、偶数次の歪みのみの歪み量を制御することができる。また、方向性結合器などの部品を使用することなしに歪み補償回路を構成することができるので、小型化や低価格化が可能となる。
【0078】
次に、本発明の第6実施例による歪み補償回路について図面を参照しながら説明する。この第6実施例による歪み補償回路は、2次歪みと3次歪みとを独立して調節できるようにしたものである。すなわち、2次歪みを生成する場合、入力信号のレベルを下げて歪みを与えることにより、3次歪みが生成されることを抑制し、3次歪みを生成する場合、歪み発生素子を原点対称に配置して歪みを与えることにより、歪み発生素子で生成された2次歪みを打ち消すようにする。
【0079】
図10は、本発明の第6実施例による歪み補償回路の構成を示す回路図である。
図10において、1001は入力信号の信号レベルを低下させる3次歪み量調整部、1002は入力信号を歪ませる2・3次歪み補正部、1003は入力信号を増幅するアンプ、1004は3次歪みを生成する3次歪み補正部、1005は2次歪み生成部、1006は3次歪み生成部である。
【0080】
2・3次歪み補正部1002は、例えば、図2の歪み補償回路により構成され、3次歪み補正部1004は、例えば、図9の歪み補償回路により構成される。
2次歪み生成部1005は、入力信号に対して2次歪みのみを与えるものであり、3次歪み量調整部1001及び2・3次歪み補正部1002により構成される。ここで、3次歪み量調整部1001は、2・3次歪み補正部1002における3次歪みの歪み量Bが所定の値以下になるように、入力信号の入力レベルを低下させる。この際、2・3次歪み補正部1002における3次歪みの歪み量Bは、2次歪みの歪み量Aに比べて入力信号の入力レベル依存性が大きく、入力信号の入力レベルを調節することにより、2・3次歪み補正部1002における2次歪みの歪み量Aを確保したまま、3次歪みの歪み量Bを低下させることができる。
【0081】
3次歪み生成部1006は、アンプ1003及び3次歪み補正部1004により構成される。ここで、アンプ1003は、3次歪み補正部1004における3次歪みの発生可能なレベルまで入力信号の入力レベルを増幅させるものであり、このアンプ1003からの出力信号を3次歪み補正部1004に供給することにより、3次歪み補正部1004において、3次歪みのみを入力信号に与えることができる。
【0082】
このように、2次歪み生成部1005により与えられる2次歪みと3次歪み生成部1006により与えられる3次歪みとはそれぞれ独立して生成され、2次歪み及び3次歪みを独立して調節することができる。
【0083】
次に、本発明の第6実施例による歪み補償回路の動作を数式を用いてより詳細に説明する。
図10において、3次歪み補正部1004に入力信号f′が供給された場合、4次以降の歪みを0とみなして無視すると、3次歪み補正部1004において3次歪みが与えられ、3次歪み補正部1004からの出力信号f′′は(1)式のようになる。
【0084】
f′′=f′+Cf′3 ・・・(1)
また、2・3次歪み補正部1002に入力信号fが供給された場合、4次以降の歪みを0とみなして無視すると、2・3次歪み補正部1002において2次及び3次歪みが与えられ、2・3次歪み補正部1002からの出力信号f′は(2)式のようになる。
【0085】
f′=f+Af2 +Bf3 ・・・(2)
この(2)式を(1)式に代入し、4次以降の項を0とみなして無視すると、
となる。
【0086】
ここで、3次歪み量調整部1001により、2・3次歪み補正部1002における2次歪みの歪み量Aに比べて3次歪みの歪み量Bを無視することができるレベルまで、2・3次歪み補正部1002に供給される入力信号fの信号レベルを減衰させることによって、(3)式における係数Bを係数Cに対して無視することができる。
【0087】
従って、(3)式は(4)式のように近似することができる。
f′′=f+Af2 +Cf3 (∵B≪C) ・・・(4)
(4)式において、2次歪みにおける係数Aは2次歪み生成部1005により独立して調節でき、3次歪みにおける係数Cは3次歪み生成部1006により独立して調節できるので、2次歪み及び3次歪みをそれぞれ独立して調節することができる。
【0088】
なお、歪み発生素子として、ダイオードの他にソース/ドレイン間が短絡されたGaAs電界効果トランジスタを用いるようにしてもよい。また、減衰器部として、π型抵抗器の他にPINアッテネータ回路を使用してもよく、さらに、歪み発生素子の周波数特性と逆の周波数特性を減衰器部に持たせるようにしてもよい。また、2次歪み生成部1005と3次歪み生成部1006との配置を逆にしてもよい。
【0089】
以上説明したように、本発明の第6実施例による歪み補償回路によれば、2次歪み生成部1005と3次歪み生成部1006とをカスケード接続することにより、2次歪みと3次歪みとを独立して調節することができ、方向性結合器などの部品が不要となるため、小型化及び低価格化が可能となる。
【0090】
また、入力信号の信号レベルを低下させるアッテネータを歪み発生回路の前段に配置することにより、3次歪みの発生を抑制しながら2次歪みのみを生成することができるので、180°結合器などの部品を用いることなしに2次歪み発生回路を構成することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、伝送路を介して供給された入力信号を減衰させる減衰手段を設け、減衰手段と歪み発生手段とを交流的に接続することにより、歪み発生手段の直流信号を調節して歪み発生手段により与えられる歪み量を正確に調節できるとともに、減衰手段における減衰量を変化させて歪み発生手段により与えられる歪み量を調節することができる。さらに、減衰手段により伝送路とインピーダンス整合を取ることにより、広帯域に渡って歪み補償を行うことができる。
【0092】
また、本発明の一態様によれば、伝送路と歪み発生手段をコンデンサで結合したので回路規模を小さくでき、したがって回路の占有するスペースを小型化することができる。
【0093】
また、本発明の一態様によれば、歪み発生手段の周波数特性と逆の周波数特性を減衰手段に持たせることにより、歪み発生手段における歪み量の周波数特性を、歪み発生手段に供給される電力量の周波数特性により打ち消すことができ、予歪み量の周波数特性を改善することができる。
【0094】
また、本発明の一態様によれば、ソース/ドレイン間を短絡した化合物半導体からなる電界効果トランジスタを歪み発生素子とすることにより、広帯域に渡って均一な予歪みを簡単な構成で生成することができる。
【0095】
また、本発明の一態様によれば、第1の歪み発生手段と第2の歪み発生手段とを原点対称に配置することにより、第1の歪み発生手段及び第2の歪み発生手段で発生する偶数次歪みは打ち消すことができ、奇数次歪みのみを発生させることができる。
【0096】
また、本発明の一態様によれば、信号レベルを下げて入力信号を歪み発生手段に供給することにより、歪み発生手段での3次以降の歪みの発生を抑制することができ、入力信号に2次歪みのみを与えることができる。
【0097】
また、本発明の一態様によれば、2次歪み発生手段と3次歪み発生手段とをカスケード接続することにより、2次の歪み量と3次の歪み量とを独立して調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る歪み補償回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る歪み補償回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る歪み補償回路の動作を説明する図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る歪み補償回路の動作を説明する図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る歪み補償回路の動作を説明する図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る歪み補償回路の構成を示す回路図である。
【図7】図6の歪み補償回路のより詳細な構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第4実施例に係る歪み補償回路の歪み成分の位相特性を示す図である。
【図9】本発明の第5実施例に係る歪み補償回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第6実施例に係る歪み補償回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第6実施例に係る歪み補償回路の入力レベルによる2次歪み及び3次歪みの歪み量の変化を示すグラフである。
【図12】従来のプリディストータ方式を示す図である。
【図13】従来の歪み補償回路の構成を示すブロック図である。
【図14】従来の歪み補償回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
101 歪み発生手段
102 減衰手段
103 第1の結合手段
104 第2の結合手段
201、601、701、801、901、903 歪み発生部
202、602、702、802、902 減衰器部
203、205、403、405、503、505、509、511、518、521、603、605、703、705、709、711、718、721、803、805、906、916、918 コイル
204、404、504、510、522、604、610、704、710、722、804、905、915 電流源
206、506、512、520、606、706、806、907、917GaAs電界効果トランジスタ
207、208、407、408、407、408、513、514、517、519、607、608、707、708、713、714、717、719、807、808、810 コンデンサ
209〜211、409〜411、515、516、715、716、809、811〜813 抵抗器
609 PINアッテネータ回路
712、720 ダイオード
1001 3次歪み量調整部
1002 2・3次歪み補正部
1003 アンプ
1004 3次歪み補正部
1005 2次歪み生成部
1006 3次歪み生成部
Claims (5)
- 歪み付与部および減衰手段が並列に接続され入力信号の前記歪み付与部および前記減衰手段への分配比が前記減衰手段の減衰量により定まる歪み補償回路であって、
前記歪み付与部は第1および第2の手段と歪み発生手段より構成され、
前記第1の手段は前記歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、
前記歪み発生手段は非線形素子を含み前記第1の手段の出力信号に歪みを付加し前記歪み量は前記非線形素子のバイアス制御により制御され、
前記第2の手段は前記第1の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記歪み付与部の出力として出力し、
前記減衰手段の減衰特性が周波数特性を持ち前記入力信号の分配比が周波数特性を持っことにより前記第1の歪み付与部により付加される歪み量が調整されることを特徴とする歪み補償回路。 - 一第1 および第2 の歪み付与部および減衰手段が並列に接続され入力信号の前記第1および第2の歪み付与部および前記減衰手段への分配比が前記減衰手段の減衰量により定まる歪み補償回路であって、
前記第1の歪み付与部は第1および第2の手段と第1の歪み発生手段より構成され、
前記第2の歪み付与部は第3および第4の手段と第2の歪み発生手段より構成され、
前記第1の手段は前記第1の歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、
前記第3の手段は前記第2の歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、
前記第1の歪み発生手段は第1の非線形素子を含み前記第1の手段の出力信号に歪みを付迦し前記第1の非線形素子による歪み量は前記第1の非線形素子のバイアス制御により制御され、
前記第2の歪み発生手段は前記第1の非線形素子と同一で逆向きに接続された第2の非線形素子を含み前記第3の手段の出力信号に歪みを付加し、前記第2の非線形素子による歪み量は前記第2の非線形素子のバイアス制御により制御され、
前記第2の手段は、前記第1の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記第1の
歪み付与部の出力として出力し、
前記第4の手段は、前記第2の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記第2の歪み付与部の出力として出力し、
前記減衰手段の減衰特性が周波数特性を持ち、前記入力信号の分配比が周波数特性を持つことにより前記第1の歪み付与部により付加される歪み量が調整されることを特徴とする歪み補償回路。 - 第1および第2の歪み付与部および減衰手段が並列に接続され入力信号の前記第1および第2の歪み付与部および前記減衰手段への分配比が前記減衰手段の減衰量により定まる歪み補償回路であって、
前記第1の歪み付与部は第1および第2の手段と第1の歪み発生手段より構成され、
前記第1の手段は、前記第1の歪み付与部に入力された信号より交流信号を取り出し出力し、
前記第1の歪み発生手段は第1の非線形素子を含み、前記第1の手段の出力信号に歪みを付加し前記第1の非線形素子による歪み量は前記第1の非線形素子のバイアス制御により制御され、
前記第2の手段は前記第1の歪み発生手段の出力より交流信号を取り出し前記第1の歪み付与部の出力として出力し、
前記第2の歪み付与部は前記第1の歪み付与部と同じ手段および歪み発生手段を有し、
前記減衰手段の減衰特性が周波数特性を持ち、前記入力信号の分配比が周波数特性を持っことにより、前記第1の歪み付与部により付加される歪み量が調整されることを特徴とする歪み補償回路。 - 前記減衰手段はPINアッテネータ回路であり、前記PINアッテネー回路の減衰量を動的に変化させることにより、前記歪み発生手段により付加される歪み量が動的に調整されることを特徴とする請求項1または2記載の歪み補償回路。
- 前記非線形素子は、ソース/ドレイン間を短絡した化合物半導体からなる電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1ないし3記載の歪み補償回路。
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