JPH09162656A - 歪補償回路 - Google Patents

歪補償回路

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JPH09162656A
JPH09162656A JP10055196A JP10055196A JPH09162656A JP H09162656 A JPH09162656 A JP H09162656A JP 10055196 A JP10055196 A JP 10055196A JP 10055196 A JP10055196 A JP 10055196A JP H09162656 A JPH09162656 A JP H09162656A
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Akihiro Kamiogura
明宏 上小倉
Seizo Hirose
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歪補償回路の小型化を目的とする。 【解決手段】 外部直流バイアスを印加しない3端子
4,5,6の半導体素子3において、ゲート端子4を回
路7に接続し、ドレイン端子5を出力回路8に接続し、
ソース端子6を接地することにより高周波用増幅器で発
生する歪波を抑圧でき、かつ従来用いられていた分配器
や結合器、減衰器の複雑な組み合わせで成る回路が不要
になり、回路の小型化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波増幅器、
高出力増幅器等の出力信号中に発生する非線形性歪の補
償を行うための、歪補償回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波用高出力増幅器(HPA)等で
は、半導体等の非線形性により、出力信号中に歪波を生
じる。この非線形性歪を補償するため、歪補償回路が多
用されている。歪補償回路には種々の回路構成のものが
あるが、大別すると、歪を補償すべき増幅器の前段に設
置し、歪補償回路の出力信号を上記増幅器の入力信号と
して用いるプレディストーション型と、歪を補償すべき
増幅器の出力信号に、歪補償回路の出力信号を合成する
ことにより歪を補償するフィードフォワード型の二つが
ある。このうち電力効率の点から、前者のプレディスト
ーション型がよく用いられている。
【0003】例えば図20は1994 Asia Pa
cific MicrowaveConference
(pp567−570)に示された、従来のプレディス
トーション型歪補償回路の等価回路図である。この歪補
償回路では、第一の結合器61の一方の出力端子65
に、歪発生用増幅器57と、第一の減衰器59と、第一
の等電力分配器71が順次接続され、もう一方の出力端
子66には、第二の減衰器60と、線形増幅器58と、
第二の等電力分配器72が順次接続されている。また、
第一の等電力分配器71の出力端子と、第二の等電力分
配器72の一方の出力端子が、第二の結合器62の入力
端子67,68に接続され、この第二の結合器62の出
力端子には、第一の可変減衰器73を介して、第四の結
合器64の入力端子69が接続されている。さらに、第
二の等電力分配器72のもう一方の出力端子には、第二
の可変減衰器74および第三の結合器63を介して、第
四の結合器64のもう一方の入力端子70に接続されて
いる。この歪補償回路は、誘電体基板上にマイクロ波集
積回路技術を用いて構成されており、歪発生用増幅器5
7および線形増幅器58には半導体素子として電界効果
トランジスタ、HEMT等を、また減衰器には窒化タン
タル等からなる薄膜抵抗体を使用している。
【0004】次に動作について説明する。第一の結合器
61の入力端子1から入力された信号は、出力端子6
5,67に等分配され、歪発生用増幅器57と、線形増
幅器58に供給され、それぞれ増幅される。歪発生用増
幅器57では、出力側に第一の減衰器59が接続されて
いるのに対して、線形増幅器58では、入力側に第二の
減衰器60が接続されているため、歪発生用増幅器57
が先に飽和する。このため、入力信号の増加に対する歪
発生用増幅器57と、線形増幅器58の出力信号の振幅
特性(利得特性)は、それぞれ図21の曲線A,Bに示
すようになる。なお、これらの特性は入力電力が小さい
時の値を基準にした相対値を示している。これら2つの
出力信号が、等電力分配器71,72を経て、端子6
7,68に出力され、第二の結合器62において逆相で
合成される。合成された信号は、第一の可変減衰器73
でレベル調整され、入力端子69には曲線Cで示す振幅
特性の信号が出力される。また、第二の等電力分配器7
2のもう一方の出力端子の信号は、入力端子68と同じ
振幅特性を有する信号が現れ、第二の可変減衰器74で
レベル調整された後、第三の結合器63を介して入力端
子70に出力される。これら入力端子69,70の信号
は、第四の結合器64において同相で合成され、出力端
子2では、曲線Dに示すように上反りの振幅特性の出力
信号を得る。
【0005】以上の説明では振幅特性について述べた
が、位相特性についても同様である。すなわち、歪発生
用増幅器57と線形増幅器58の、入力信号に対する出
力信号の位相特性は、それぞれ図22の曲線E,Fに示
すようになっており、入力端子69には曲線Gで示す位
相特性の信号が得られる。また、これらの信号G,F
を、第四の結合器64において同相で合成することによ
り、曲線Hに示すような、下反りの位相特性の出力信号
を得る。
【0006】一般に高周波用増幅器の出力信号の振幅
は、図23(a)の曲線Iに示すように、入力信号の増
加とともに、徐々に利得が減少する特性を持つ。これに
対して、歪補償回路は図21の曲線Dに示すように、入
力信号の増加とともに、徐々に利得が増大する特性を持
つ。したがって、この歪補償回路を高周波用増幅器の入
力側に接続することにより、曲線Jで示される理想的な
振幅特性を得ることができる。すなわち、この歪補償回
路を用いることにより、高周波用増幅器で発生する歪波
を抑圧することができ、線形性の優れた出力信号を得る
ことができる。
【0007】また位相についても同様で、高周波用増幅
器の位相特性は図23(b)の曲線Kとなるのに対し
て、歪補償回路の位相特性は曲線Hに示すようになるた
め、歪補償回路の出力信号を高周波用増幅器を入力信号
とすることにより、曲線Lで示すような、線形性の優れ
た特性を得ることができる。
【0008】なお図24〜図26は高周波帯の高出力増
幅器に用いられる歪補償回路を構成する歪発生用増幅器
57と線形増幅器58の出力信号の振幅特性、位相特
性、高出力増幅器の出力信号の振幅特性をそれぞれ示し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の歪補償回路は以
上のように構成されており、多数の結合器61,62,
63,64、および減衰器59,60,73,74を用
いているため、歪補償回路全体が非常に大きく、高価に
なるという問題点があった。
【0010】また、歪を補償すべき増幅器の特性に応じ
て、増幅器57,58や、減衰器59,60,73,7
4などの特性を調整する必要があり、出力信号の微調整
が複雑で、調整に多くの時間が必要であるという問題点
もあった。
【0011】さらに、減衰器59,60,73,74や
電力分配器71,72を多数組み合わせているため、歪
補償回路全体の損失が非常に大きいため、後段に接続さ
れる高周波用増幅器、高出力増幅器の利得を高くする必
要がある。これにより、高周波用増幅器、高出力増幅器
の段数を多くする必要があり、増幅器全体の電力効率が
低減するという問題点があった。
【0012】さらにまた、結合器61,62,63,6
4、および減衰器59,60,73,74が周波数特性
を持っており、これらを多数組み合わせることにより、
歪補償回路の周波数帯域が狭くなるという問題点もあっ
た。
【0013】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたものであり、小型、低損失で、出力信号の
調整が容易でかつ、広帯域な歪補償回路を得ることを目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る歪補償
回路は、半導体素子に外部直流バイアスを印加せず、使
用するものである。
【0015】また、第2の発明に係る歪補償回路は、第
1の発明における半導体素子の、少なくとも1つの端子
を、抵抗を含むリターン回路で接地したものである。
【0016】第3の発明に係る歪補償回路は、第1の発
明における半導体素子の、少なくとも1つの端子を、コ
ンデンサを含むリターン回路で接地したものである。
【0017】また、第4の発明に係る歪補償回路は、半
導体素子の何れか1つの端子に外部直流バイアスを印加
して、使用するものである。
【0018】第5の発明に係る歪補償回路は、第4の発
明における、半導体素子への外部直流バイアスを、ダイ
オードを介して印加したものである。
【0019】また、第6の発明に係る歪補償回路は、入
力回路の前段に、可変減衰器を接続したものである。
【0020】第7の発明に係る歪補償回路は、入力回路
の前段に、増幅器を接続したものである。
【0021】また、第8の発明に係る歪補償回路は、結
合器を用いて複数の歪補償回路を、並列接続したもので
ある。
【0022】第9の発明に係る歪補償回路は、複数個の
増幅器モジュールを多段接続した構成の高周波増幅器に
おいて、少なくとも1個の増幅器モジュールを、外部直
流バイアスを印加せず、歪補償回路として使用したもの
である。
【0023】また、第10の発明に係る歪補償回路は、
半導体素子のゲート端子には負の直流バイアスを印加す
るとともに、ドレイン端子にはニー電圧以下の負または
正の直流バイアスを印加したものである。
【0024】第11の発明に係る歪補償回路は、第10
の発明の半導体素子のゲート端子あるいはドレイン端子
に印加する直流バイアスを温度に対して変化させたもの
である。
【0025】また、第12の発明に係る歪補償回路は、
第10の発明の入力回路の前段に可変減衰器あるいは可
変利得増幅器等からなる入力レベル調整回路を接続した
ものである。
【0026】第13の発明に係る歪補償回路は、第12
の発明の入力レベル調整回路の設定レベルを高温で信号
が増加するようにしたものである。
【0027】また、第14の発明に係る歪補償回路は、
第10の発明の入力回路の前段に入力レベル設定回路を
接続するとともに、出力回路の後段には可変減衰器ある
いは可変利得増幅器等からなる出力レベル設定回路を接
続したものである。
【0028】第15の発明に係る歪補償回路は、第14
の発明の入力レベル設定回路および出力レベル設定回路
の設定レベルを高温になるに従い信号が増加するように
したものである。
【0029】さらに、第16の発明に係る歪補償回路
は、複数個の増幅器モジュールを多段接続して構成した
高出力増幅器において、少なくとも一個の増幅器モジュ
ールにニー電圧以下の直流バイアスを印加し、歪補償回
路として使用したものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1を示
す、歪補償回路の等価回路図である。1は入力端子、2
は出力端子であり、この歪補償回路は、半導体素子3の
ゲート端子4に入力回路7を、ドレイン端子5には出力
回路8をそれぞれ接続し、またソース端子6を接地した
構成のものである。そのうえ、半導体素子3の各端子
4,5,6のいずれにも、外部直流バイアスを印加して
いない。この歪補償回路で用いている入力回路7および
出力回路8は、所要の振幅、位相特性を得るためのもの
であり、例えば図2に示す回路構成のものである。図2
(a)は、電源インピーダンス、あるいは負荷インピー
ダンスと、同一の特性インピーダンスを持つ伝送線路9
で構成したものであり、図2(b)はインピーダンス調
整機能を備えるため、インピーダンス調整用スタブ10
と、伝送線路9からなる構成のものである。なお、この
発明の実施の形態1ではソース端子6を接地し、ドレイ
ン端子5を出力回路8に接続したが、ソース端子6を出
力回路8に接続し、ドレイン端子5を接地した構成でも
良い。
【0031】次に動作について説明する。一般に、電界
効果トランジスタ等の3端子を有する半導体素子3は、
簡易的に図3(a)に示す等価回路で表現できる。この
等価回路において、11はゲート,ソース間の抵抗、1
2はゲート,ソース間の容量であり、13はゲート,ソ
ース間の容量に生じる電位差Vgに依存する擬似電流源
である。また14はドレイン、ソース間の容量、15は
ドレイン、ソース間の抵抗である。本歪補償回路のよう
に、半導体素子3に外部直流バイアスを印加しない場
合、擬似電流源13は一定値と見ることができるので、
これを擬似電圧源16に置換し、図3(b)に示す等価
回路で表現できる。この等価回路の伝達関数は、負荷イ
ンピーダンスZ0 を用いて、次式のように表わされる。
【0032】
【数1】
【0033】電界効果トランジスタ等の3端子を有する
半導体素子の場合、電子情報通信学会秋季大会(199
3,C−24)に示されるように、入力信号が増大し、
線形動作から大信号動作へ移行するにしたがって、ドレ
イン,ソース間の抵抗Rds15が、徐々に小さくなるこ
とが知られている。上式において、抵抗Rds15が小さ
くなると、出力信号の振幅|VOUT |は大きく、通過位
相∠Vout は負方向へ変化する。すなわち、入力信号が
増大するにしたがって、出力信号の振幅|VOU T |は大
きく、通過位相∠VOUT は負方向へ変化するので、半導
体素子3の入力信号に対する出力信号の振幅、および位
相の特性は、従来例で示した歪補償回路と同様、それぞ
れ図23に示す曲線D,Hのようになる。
【0034】このことから、本歪補償回路を高周波増幅
器の入力側に接続することにより、曲線Jで示される理
想的な振幅特性を得ることができる。すなわち、この歪
補償回路を用いることにより、高周波用増幅器で発生す
る歪波を抑圧することができ、線形性の優れた出力信号
を得ることができる。
【0035】また本歪補償回路は、従来例に較べて非常
に簡単な回路で構成されるため、回路全体の大きさを小
型化できる。
【0036】さらにまた、本歪補償回路は、結合器や減
衰器を使用しないため、周波数特性を広くできる。
【0037】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2を示す、歪補償回路の等価回路図であり、実施の
形態1に示した回路において、ゲート端子4を、抵抗1
7を含むリターン回路を介して接地した構成になってい
る。
【0038】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態1と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0039】しかるに本回路構成では、リターン回路中
の、抵抗17の値を変化させることにより、直流電流の
振幅を変化させることができ、出力信号の振幅および位
相特性を微調整できる。よって後段に接続される、歪を
補償すべき高周波用増幅器の特性に応じて、図23の曲
線D,Hで示される出力信号を、最適な振幅および位相
特性に設定することが可能である。
【0040】実施の形態3.図5は、この発明の実施の
形態3を示す、歪補償回路の等価回路図であり、実施の
形態1に示した回路において、ドレイン端子5を、コン
デンサ18を含むリターン回路を介して接地した構成に
なっている。
【0041】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態1と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0042】しかるに本回路構成では、半導体素子3の
少なくとも1個の端子を、コンデンサ18を含むリター
ン回路を介して接地し、高周波信号に対するインピーダ
ンスを変化させることにより、出力信号の振幅および位
相特性を微調整できる。よって後段に接続される、歪を
補償すべき高周波用増幅器の特性に応じて、図23の曲
線D,Hで示される出力信号を、最適な振幅および位相
特性に設定することが可能である。
【0043】実施の形態4.図6は、この発明の実施の
形態4を示す、歪補償回路の等価回路図であり、半導体
素子3の端子のうち、ゲート端子4のみに、バイアス線
路19が接続され、外部直流バイアスVgが端子20よ
り印加されている。なおコンデンサ21は、バイアス線
路に漏れ込む高周波信号をショートするため接続された
ものである。
【0044】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態1と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0045】しかるに本回路構成では、半導体素子3の
ゲート端子4へ印加する外部直流バイアスを変化させる
ことにより、出力信号の振幅および位相特性を、電気的
に微調整できる。よって後段に接続される、歪を補償す
べき高周波用増幅器の特性に応じて、図23の曲線D,
Hで示される出力信号を、最適な振幅および位相特性
に、電気的に設定することが可能である。
【0046】実施の形態5.図7は、この発明の実施の
形態5を示す、歪補償回路の等価回路図であり、実施の
形態4に示した回路において、端子20への外部直流バ
イアスVgを、ダイオード22を介して印加する。
【0047】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態4と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0048】しかるに本回路構成では、ダイオード22
を介して外部直流バイアスを印加し、直流電流の向きを
制御することにより、出力信号の振幅および位相特性を
微調整できる。よって後段に接続される、歪を補償すべ
き高周波用増幅器の特性に応じて、図23の曲線D,H
で示される出力信号を、最適な振幅および位相特性に設
定することが可能である。
【0049】実施の形態6.図8は、この発明の実施の
形態6を示す、歪補償回路の等価回路図であり、実施の
形態1に示した回路において、可変減衰器23を、入力
回路7の前段に接続した構成になっている。
【0050】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態1と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0051】しかるに本回路構成では、可変減衰器23
の減衰量を調整し、半導体素子3へ入力される高周波信
号の振幅を調整することにより、出力信号の振幅および
位相特性を微調整できる。よって後段に接続される、歪
を補償すべき高周波用増幅器の特性に応じて、図23の
曲線D,Hで示される出力信号を、最適な振幅および位
相特性に設定することが可能である。
【0052】実施の形態7.図9は、この発明の実施の
形態7を示す、歪補償回路の等価回路図であり、実施の
形態1に示した回路において、デュアルゲートFET2
4を、入力回路7の前段に接続した構成になっている。
【0053】本構成の歪補償回路の動作と、出力信号の
振幅および位相特性は、実施の形態1と同一である。ま
た、本歪補償回路の出力信号を用いて、後段に接続され
る高周波用増幅器の非線形性を補償する過程は、図23
に示されるように、上記実施の形態1と同一である。
【0054】しかるに本回路構成では、デュアルゲート
FET24を入力回路7の前段に接続し、第二ゲート2
5への印加電圧Vg2を調整して、半導体素子3へ入力
される高周波信号の振幅を調整することにより、出力信
号の振幅および位相特性を、電気的に微調整できる。よ
って後段に接続される、歪を補償すべき高周波用増幅器
の特性に応じて、図23の曲線D,Hで示される出力信
号を、最適な振幅および位相特性に、電気的に設定する
ことが可能である。
【0055】また本回路構成では、デュアルゲートFE
T24の入力側のインピーダンス整合を取ることによ
り、本歪補償回路の反射特性を良好にすることができ
る。
【0056】さらにまた本回路構成では、デュアルゲー
トFET24を入力回路7の前段に接続したことによ
り、損失の少ない歪補償回路を実現できる。
【0057】実施の形態8.図10(a)は、この発明
の実施の形態8を示す、歪補償回路の等価回路図であ
る。1は入力端子、2は出力端子であり、ハイブリッド
で構成された分配器26の出力端子27には、第一の入
力回路36と、第一の半導体素子32と、第一の出力回
路37が順次接続され、分配器26のもう一方の出力端
子28には、第二の入力回路42と、第二の半導体素子
38と、第二の出力回路43が順次接続され、ハイブリ
ッドで構成された合成器29の入力端子30,31に、
第一の出力回路37および第二の出力回路43が、それ
ぞれ接続された構成である。
【0058】また図10(b)は、この発明の実施の形
態8の他の例を示す、歪補償回路の等価回路図であり、
実施の形態1に示した回路において、入力回路7の前段
に、アイソレータ44を接続した構成である。
【0059】本構成の歪補償回路の動作と出力信号の振
幅特性は、実施の形態1と同一である。また、本歪補償
回路の出力信号を用いて、後段に接続される増幅器の非
線形性を補償する過程は、図23に示されるように、上
記実施の形態1と同一である。
【0060】しかるに本回路構成では、ハイブリッドか
らなる分配器26と合成器29、あるいはアイソレータ
44を用いることにより、入力および出力端子での反射
特性を改善でき、反射特性が良好な歪補償回路を実現で
きる。
【0061】実施の形態9.図11は、この発明の実施
の形態9を示す、歪補償回路を内蔵した、高周波用増幅
器のブロック図である。1は入力端子、2は出力端子で
あり、直流バイアスを印加しない増幅器モジュール45
と、他の増幅器モジュール46と、高出力増幅器47を
縦続接続して、構成されている。
【0062】外部直流バイアスを印加しない増幅器モジ
ュール45の出力信号は、実施の形態1に示した歪補償
回路と同様、それぞれ図23に示す曲線D,Hのような
振幅および位相特性を持つ。この増幅器モジュール45
の出力信号が、曲線I,Kで示される振幅および位相特
性を持つ、後段に接続された高出力増幅器47の出力信
号を、曲線J,Lのように線形性の優れた特性へ補償す
る。
【0063】本増幅器では、高周波用増幅器モジュール
を構成する増幅器モジュールの一つに、外部直流バイア
スを印加せず歪補償回路として用いることにより、従来
の外部歪補償回路を接続した場合と同様に、高周波増幅
器の歪波を抑圧できるので、高周波用増幅器の小型化、
低価格化が可能である。
【0064】実施の形態10.図12は、この発明の実
施の形態10を示す等価回路図であり、1は入力端子、
2は出力端子、3は半導体素子、4はゲート端子、5は
ドレイン端子、6はソース端子、7は入力回路、8は出
力回路、48はゲートバイアス回路、49はドレインバ
イアス回路、50,51はそれぞれ直流電源である。こ
の歪補償回路は、ソース端子6が接地された半導体素子
3とゲート端子4に接続された入力回路7とドレイン端
子5に接続された出力回路8およびゲート端子3、ドレ
イン端子5にそれぞれ所望の直流バイアスを印加するた
めのゲートバイアス回路48、ドレインバイアス回路4
9とから成る。
【0065】また、半導体素子3のゲート端子4にはゲ
ートバイアス回路9を介して、直流電源11から負の直
流バイアスが、ドレイン端子5にはドレインバイアス回
路10を介して直流電源12から負または正の直流バイ
アスがそれぞれ供給されている。ドレイン端子5に供給
される直流バイアスは通常、増幅器等では3V〜10V
程度の比較的高電圧を供給するのに対して、この歪補償
回路ではニー(Knee)電圧以下の低電圧(例えば−
1.5V〜1.5V)を供給している。これは低入力電
力で半導体素子3の非線形性を得るためである。
【0066】図13は、FET(半導体素子3)のニー
(Knee)電圧を説明するための図であり、図13
(a)はFETの接続図であり、図1の構成に対応す
る。図13(b)はFETの静特性を示す図である。図
13においてVdsはドレイン・ソース間電圧、Vgs
はゲート・ソース間電圧、Idはドレイン電流、wは本
発明の適用範囲(例えば−1.5V〜1.5V)であ
る。
【0067】さらに、この歪補償回路で用いている入力
回路7および出力回路8は、所要の振幅、位相特性を得
るためのものであり、例えば図2に示す回路構成のもの
である。図2(a)は、電源インピーダンスあるいは負
荷インピーダンスと同一の特性インピーダンスを持つ、
例えば特性インピーダンス50オームの伝送線路13で
構成したものであり、図2(b)はインピーダンス調整
機能を備えるため、インピーダンス調整用スタブ14
と、伝送線路13から成る構成のものである。
【0068】つぎに動作について説明する。一般に、F
ET,HEMT等の3端子を有する半導体素子3は、簡
易的に図3(a)に示す等価回路で表現できる。この等
価回路において、11はゲート・ソース間の抵抗Ri
n、12はゲート・ソース間の容量Cinであり、13
はゲート・ソース間の容量Cinに生じる電位差Vgに
依存する擬似電流源である。また、14はドレイン・ソ
ース間の容量Cds、15はドレイン・ソース間の抵抗
Rdsである。この歪補償回路のように、半導体素子3
に低電圧の直流バイアスを印加するような場合、擬似電
流源13は一定値と見ることができるので、これを擬似
電圧源16に置換し、図3(b)に示す等価回路で表現
できる。この等価回路の伝達関数は、負荷インピーダン
スZ0 を用いて、数2のように表わされる。
【0069】
【数2】
【0070】FET,HEMT等の3端子を有する半導
体素子3の場合、電子情報通信学会秋季大会(199
3,C−24)に示されるように、入力信号が増大し、
線形動作から大信号動作へ移行するにしたがって、ドレ
イン・ソース間の抵抗Rds15が、徐々に小さくなる
ことが知られている。“数2”において、抵抗15が小
さくなると、出力信号の振幅|Vout|は大きく、通
信位相∠Voutは負方向へ変化する。すなわち、入力
信号が増大するにしたがって、出力信号の振幅|Vou
t|は大きく、通過位相∠Voutは負方向へ変化する
ので、半導体素子3の入力信号に対する出力信号の振幅
および位相の特性は、従来例で示した歪補償回路と同
様、それぞれ図24,25に示す曲線D,Hのようにな
る。
【0071】このように、この歪補償回路では半導体素
子3のドレイン端子5にニー電圧以下の直流バイアスを
供給する事により、高出力増幅器の振幅特性および位相
特性とは逆の特性を得ることができる。このため、この
歪補償回路を高出力増幅器の入力側に接続することによ
り、高出力増幅器の出力信号として、図26の曲線J,
Lで示される線形性の優れた出力信号を得ることができ
る。
【0072】以上のように、この歪補償回路では、従来
の歪補償回路で用いていた多数の結合器61,62,6
3,64や減衰器59,60,73,74等が不要とな
るため、回路構成が非常に簡単になり、回路の小型化を
図ることができるとともに広帯域化も図ることができ
る。また、半導体素子3にのみ低い直流バイアスを供給
するだけで済むため、著しい消費電力の低減が図れる。
【0073】実施の形態11.図14は、この発明の実
施の形態11を示す歪補償回路の直流バイアス依存性で
ある。この図では一例としてドレイン端子5に印加する
直流バイアス電圧Vdsを0V〜−0.5Vまで変化さ
せた場合の振幅および位相特性を示している。一般にF
ET,HEMT等の半導体素子3ではドレイン電圧に対
するドレイン電流はドレイン電圧がニー電圧以下の領域
で非直線となる。即ち、この領域における高周波帯でド
レイン・ソース間抵抗Rds15はドレイン電圧に対す
るドレイン電流の傾きでほぼ決まるため、設定ドレイン
電圧によって高周波帯でのドレイン・ソース間抵抗Rd
s15を変えることができる。従って、図14に示すよ
うにドレイン電圧、即ち、ドレイン端子5に印加する直
流バイアス電圧を0Vから−0.5V変化させることに
より、振幅および位相特性は破線から実線のように変わ
る。
【0074】図15は高出力増幅器の入力電力に対する
振幅および位相の温度特性の一例である。高出力増幅器
に用いる半導体素子3は一般に高温でドレイン・ソース
間抵抗Rdsが大きくなるため、入力電力に対するRd
sの変化幅が大きくなる。このため、この図に示すよう
に低温に比べ高温で振幅および位相の変化が大きくな
る。
【0075】このような高出力増幅器の歪補償を行うに
は振幅および位相特性を可変できる歪補償回路が必要で
ある。この発明の歪補償回路では図14で述べたよう
に、ドレイン電圧を変化させることにより、振幅および
位相特性を変えることができる。即ち、高温で半導体素
子3に印加する直流バイアスを高くするように設定する
ことにより、各温度で図26のJ,Lで示した理想的な
振幅および位相特性を得ることができる。
【0076】以上のように半導体素子3に印加する直流
バイアスを温度に対して変えることにより、各温度に対
して高出力増幅器の歪補償が可能となる。
【0077】実施の形態12.図16(a),(b)
は、この発明の実施の形態12を示す構成図であり、図
16(a)は図12に示した歪補償回路の入力回路の前
段に、入力レベル調整回路52として可変減衰器を、ま
た、図16(b)は可変利得増幅器を接続した場合であ
る。一般に歪補償回路に用いる半導体素子3には特性バ
ラツキがある。このため、図26の曲線I,Hで示す歪
補償回路の振幅および位相特性において直線から非直線
に変わる入力電力が異なってしまう。例えば、利得の高
い半導体素子3を用いた場合、直線から非直線に変わる
入力電力が小さくて済む。このように、半導体素子のバ
ラツキにより、半導体素子3に入力される入力電力が一
定であっても、歪補償回路の振幅および位相特性にバラ
ツキが生じてしまう。
【0078】これに対処するために、図16(a)の歪
補償回路では入力側に可変減衰器からなる入力レベル調
整回路52を接続しており、半導体素子3の特性に応じ
て、入力レベル調整回路52の減衰量を調整することに
より、半導体素子3に入力される高周波信号の振幅を調
整することができる。このため、半導体素子3の特性バ
ラツキがあった場合でも所望の歪補償回路の振幅および
位相特性を得ることができる。なお、この歪補償回路を
用いて、後段に接続される高出力増幅器の非線形性を補
償する過程は、実施の形態10と同一である。
【0079】また、図16(b)は入力レベル調整回路
52として、デュアルゲートFET等からなる可変利得
増幅器を用いた場合である。入力レベル調整回路52と
して可変減衰器を用いるものでは、半導体素子3に入力
すべき絶対電力が決まっているため、歪補償回路の入力
端子1に入力される電力に十分余裕がある場合に有効で
ある。これに対して、この発明のように可変利得増幅器
を用いるものでは歪補償回路に入力される入力電力が小
さい場合に有効であり、半導体素子3の特性にバラツキ
があった場合でも可変利得増幅器の利得を調整する事に
より、所望の入力電力で半導体素子3を動作させること
ができる。
【0080】以上のように、この発明の歪補償回路では
可変減衰器あるいは可変利得増幅器からなる入力レベル
調整回路52を入力回路7の前段に接続することによ
り、半導体素子3の特性にバラツキがあった場合でも半
導体素子3の特性に応じて、所望の入力電力を印加する
ことができ、特性バラツキの少ない歪補償回路を得るこ
とができる。
【0081】実施の形態13.この発明の実施の形態1
3では実施の形態12で示した入力レベル調整回路52
の設定レベルを高温になるに従い増加するようにしたも
のである。一般に歪補償回路に用いている半導体素子3
は温度によって特性が変化する。例えば、入力レベル調
整回路52を接続しない図12の構成のものでは図17
に示すように振幅および位相特性が温度によって変化す
る。即ち、半導体素子3の利得が高い低温では低い入力
電力で振幅および位相特性が直線から非直線に変わって
しまう。
【0082】これに対処するために、実施の形態13の
ように可変減衰器を高温で小さくするか、可変利得増幅
器の利得を増加するように入力レベル調整回路52のレ
ベル調整を行うことにより、歪補償回路に入力される入
力電力が一定でも半導体素子3には高温でより大きな入
力電力を入力させることができる。このため、温度に対
して一定の振幅および位相特性を得ることができ、温度
特性の良好な歪補償回路が得られる利点がある。なお、
この歪補償回路を用いて、後段に接続される高出力増幅
器の非線形性を補償する過程は、実施の形態10と同一
である。
【0083】実施の形態14.図18はこの発明の実施
の形態14を示す歪補償回路の構成図である。この回路
は図16に示した歪補償回路の出力回路8の後段に、可
変減衰器のあるいは可変利得増幅器からなる出力レベル
調整回路53を接続したものである。一般に歪補償を行
うための高出力増幅器では使用する半導体素子等のバラ
ツキにより、利得にバラツキがある。このような高出力
増幅器の前段に歪補償回路を接続して歪補償を行う場
合、高出力増幅器の利得に応じて、高出力増幅器に入力
される信号レベルを設定する必要がある。
【0084】この発明の歪補償回路のように出力回路8
の後段に出力レベル調整回路53を接続し、この出力レ
ベル調整回路53の減衰量あるいは利得を可変すること
により、高出力増幅器に入力される信号レベルを所望の
値に設定できる。このため、高出力増幅器の利得にバラ
ツキがあっても歪補償が可能である。なお、入力回路7
の前段に設けている入力レベル調整回路52は実施の形
態12で述べたように、歪補償回路に用いている半導体
素子3の特性にバラツキがあった場合、それを補償する
ために用いる。
【0085】実施の形態15.この発明の実施の形態1
5は実施の形態14で示した歪補償回路の入力レベル調
整回路52および出力レベル調整回路53の信号の設定
レベルを高温になるに従い増加するようにしたものであ
る。歪補償回路の後段に接続される高出力増幅器の利得
は実施の形態13で説明したように、半導体素子3のバ
ラツキによりバラツキが生じる他に、半導体素子3自身
の温度特性により変動する。即ち、高温になるに従い、
利得が減少する。このような高出力増幅器の歪補償を行
うには高温になるに従い、高出力増幅器に入力される入
力電力を増加させる必要がある。
【0086】この歪補償回路のように出力レベル調整回
路53を設け、それに用いている可変減衰器の減衰量を
小さくするか、可変利得増幅器の利得を増加させること
により、高温で高出力増幅器の入力電力を増加させるこ
とができる、従って、温度により高出力増幅器の利得が
変動しても各温度で歪補償が可能となる。なお、入力回
路7の前段に設けている入力レベル調整回路52は実施
の形態13で示したように歪補償回路自身の温度特性を
改善するためのものである。
【0087】実施の形態16.図19はこの発明の実施
の形態16を示す高出力増幅器のブロック図である。こ
の増幅器はニー電圧以下の直流バイアスを印加した増幅
器モジュール54と、通常のバイアスを印加した増幅器
モジュール55および高出力増幅器モジュール56を縦
続接続して構成したものであり、これらの増幅器54,
55,56にはソース端子6を接地した半導体素子3が
使われている。
【0088】ニー電圧以下の直流バイアスを印加した増
幅器モジュール54の出力信号は、実施の形態10で示
した歪補償回路と同様、それぞれ図26に示す曲線D,
Hのような振幅および位相特性が得られる。これに対し
て、歪波を発生する高出力増幅器モジュール25の振
幅、位相特性はそれぞれ曲線I,Kとなるため、高出力
増幅器モジュール25の振幅、位相特性を増幅器モジュ
ール23の振幅、位相特性で相殺することができ、高出
力増幅器の特性として、曲線J,Lのような線形性の優
れた特性を得ることができる。
【0089】従って、高出力増幅器を構成する増幅器モ
ジュールの一つに、ニー電圧以下の直流バイアスを印加
し、歪補償回路として用いることにより、特に歪補償回
路を用いなくとも低歪な高出力増幅器を得ることがで
き、高出力増幅器の小型化、低価格化が可能となる。
【0090】
【発明の効果】第1の発明によれば、外部直流バイアス
を印加しない半導体素子を用いることにより、後段に接
続される高周波用増幅器の、歪補償に必要な出力信号を
得る。
【0091】また、第2の発明によれば、リターン回路
中の抵抗値を調整することにより、出力信号の振幅およ
び位相特性を調整できる。
【0092】第3の発明によれば、リターン回路中のコ
ンデンサを調整することにより、出力信号の振幅および
位相特性を調整できる。
【0093】また、第4の発明によれば、外部直流バイ
アスを調整することにより、出力信号の振幅および位相
特性を、電気的に調整できる。
【0094】第5の発明によれば、外部直流バイアスを
ダイオードを介して印加するため、出力信号の振幅およ
び位相特性を微調整できる。
【0095】また、第6の発明によれば、入力回路の前
段に可変減衰器を接続したことにより、出力信号の振幅
および位相特性を調整できる。
【0096】第7の発明によれば、入力回路の前段に接
続した増幅器により、出力信号の振幅および位相特性を
調整できる。
【0097】また、第8の発明によれば、バランス型の
回路構成としたこと、またはアイソレータを接続したこ
とにより、入出力端子からみた歪補償回路の反射特性を
改善できる。
【0098】第9の発明によれば、高周波用増幅器を構
成する、増幅器モジュールの一部への外部直流バイアス
を印加せず、歪補償回路として用いたことにより、高周
波用増幅器の歪波を補償できる。
【0099】また、第10の発明によれば、ニー電圧以
下の直流バイアスを印加した半導体素子を用いることに
より、簡単な構成で後段に接続される高出力増幅器の歪
補償を行う出力信号を得ることができる。このため、歪
補償回路の小形化、低価格化を図ることができる。
【0100】第11の発明によれば、半導体素子に印加
する直流バイアスを温度に対して変化させることによ
り、高出力増幅器の振幅、位相特性の形が温度で変化す
るような場合であっても、容易に各温度で歪補償を行う
ことができる。
【0101】また、第12の発明によれば、入力回路の
前段に入力レベル調整回路を設けることにより、歪補償
回路を構成する半導体素子の特性にバラツキがあった場
合でも半導体素子を所望の入力電力で動作させることが
でき、特性のバラツキの小さな歪補償回路を得ることが
できる。
【0102】第13の発明によれば、入力回路の前段に
入力レベル調整回路を設け、信号の設定レベルを高温に
なるに従い増加するようにすることにより、温度特性の
優れた歪補償回路を得ることができる。
【0103】また、第14の発明によれば、入力回路の
前段に入力レベル調整回路を設けるとともに、出力回路
の後段に出力レベル調整回路を設けることにより、歪補
償回路および高出力増幅器に用いている半導体素子の特
性バラツキがある場合でもそれぞれの特性バラツキを吸
収できる。このため、歪補償回路と高出力増幅器とを組
み合わせた全体とし、バラツキが小さく、低歪な特性が
得られる。
【0104】第15の発明によれば、歪補償回路の入力
レベル補償回路および出力レベル調整回路の設定レベル
を高温になるに従い、増加させることにより、歪補償回
路および高出力増幅器の温度補償ができる。このため、
歪補償回路と高出力増幅器とを組み合わせた全体とし
て、低歪出、温度特性の優れた性能が得られる。
【0105】また、第16の発明によれば、高出力増幅
器を構成する多数の増幅器モジュールの内、少なくとも
一個の増幅器モジュールにニー電圧以下の直流バイアス
を印加し、歪補償回路として使用することにより、特に
歪補償回路を使用しなくとも低歪な特性を得ることがで
き、高出力増幅器の低価格化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図2】 伝送線路、あるいはインピーダンス調整機能
を備えた伝送線路で構成された入力回路、または出力回
路の一例である。
【図3】 半導体素子の簡易的な等価回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態5に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態6に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図9】 この発明の実施の形態7に示す歪補償回路の
等価回路図である。
【図10】 この発明の実施の形態8に示す歪補償回路
の等価回路図である。
【図11】 この発明の実施の形態9に示す歪補償回路
を備えた、高周波用増幅器のブロック図である。
【図12】 この発明による歪補償回路の実施の形態1
0を示す図である。
【図13】 FETのニー(Knee)電圧を説明する
ための図である。
【図14】 この発明の実施の形態11の歪補償回路の
入力電力に対する振幅、位相特性の直流バイアス依存性
を示す図である。
【図15】 高出力増幅器の入力電力に対する振幅、位
相特性の温度依存性を示す図である。
【図16】 この発明による歪補償回路の実施の形態1
2を示す図である。
【図17】 この発明の歪補償回路の入力電力に対する
振幅、位相特性の温度依存性を示す図である。
【図18】 この発明による歪補償回路の実施の形態1
4を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態16を示す歪補償回
路を備えた、高出力増幅器のブロック図である。
【図20】 従来の歪補償回路の等価回路を示す図であ
る。
【図21】 従来の歪補償回路の動作原理を説明するた
めの入力電力に対する振幅特性を示す図である。
【図22】 従来の歪補償回路の動作原理を説明するた
めの入力電力に対する位相特性を示す図である。
【図23】 歪補償回路による高周波増幅器の歪補償の
原理を説明するための入力電力に対する振幅および位相
特性を示す図である。
【図24】 従来の歪補償回路の動作原理を説明するた
めの入力電力に対する振幅特性を示す図である。
【図25】 従来の歪補償回路の動作原理を説明するた
めの入力電力に対する位相特性を示す図である。
【図26】 歪補償回路による高出力増幅器の歪補償の
原理を説明するための入力電力に対する振幅および位相
特性を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、2 出力端子、3 半導体素子、4 半
導体素子のゲート端子、5 半導体素子のドレイン端
子、6 半導体素子のソース端子、7 半導体素子の入
力回路、8 半導体素子の出力回路、9 伝送線路、1
0 インピーダンス調整用スタブ、11 ゲート,ソー
ス間の抵抗、12 ゲート,ソース間の容量、13 擬
似電流源、14 ドレイン,ソース間の容量、15 ド
レイン,ソース間の抵抗、16 擬似電圧源、17 リ
ターン回路中の抵抗、18 リターン回路中のコンデン
サ、19 外部直流バイアス線路、20 外部直流バイ
アスの印加端子、21 高周波信号ショート用コンデン
サ、22 ダイオード、23可変減衰器、24 デュア
ルゲートFET、25 デュアルゲートFETの第二ゲ
ート、26 ハイブリッドで構成された分配器、27
分配器の第一の出力端子、28 分配器の第二の出力端
子、29 ハイブリッドで構成された合成器、30 合
成器の第一の入力端子、31 合成器の第二の入力端
子、32 第一の半導体素子、33 第一の半導体素子
のゲート端子、34 第一の半導体素子のドレイン端
子、35 第一の半導体素子のソース端子、36 第一
の半導体素子の入力回路、37 第一の半導体素子の出
力回路、38 第二の半導体素子、39 第二の半導体
素子のゲート端子、40 第二の半導体素子のドレイン
端子、41 第二の半導体素子のソース端子、42 第
二の半導体素子の入力回路、43 第二の半導体素子の
出力回路、44 アイソレータ、45 外部直流バイア
スを印加しない増幅器モジュール、46 増幅器モジュ
ール、47 高出力増幅器、48 ゲートバイアス回
路、49 ドレインバイアス回路、50 直流電源、5
1 直流電源、52 入力レベル調整回路、53 出力
レベル調整回路、54 ニー電圧以下の直流バイアスを
印加した増幅器モジュール、55 増幅器モジュール、
56 高出力増幅器モジュール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上小倉 明宏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 広瀬 晴三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート端子、ソース端子、ドレイン端子
    を有する半導体素子と、入力回路および出力回路で構成
    され、上記入力回路にはゲート端子を、上記出力回路に
    はドレイン端子あるいはソース端子のいずれか一方を接
    続し、上記出力回路に接続されないソース端子あるいは
    ドレイン端子を接地するとともに、上記半導体素子のい
    ずれの端子にも、外部直流バイアスを印加しないことを
    特徴とする歪補償回路。
  2. 【請求項2】 上記半導体素子の、少なくとも1個の端
    子を、抵抗を含むリターン回路を介して接地したことを
    特徴とする、請求項1記載の歪補償回路。
  3. 【請求項3】 上記半導体素子の、少なくとも1個の端
    子を、コンデンサを含むリターン回路を介して接地した
    ことを特徴とする、請求項1記載の歪補償回路。
  4. 【請求項4】 ゲート端子、ソース端子、ドレイン端子
    を有する半導体素子と、入力回路および出力回路で構成
    され、上記入力回路にはゲート端子を、上記出力回路に
    はドレイン端子あるいはソース端子のいずれか一方を接
    続し、上記出力回路に接続されないドレイン端子あるい
    はソース端子を接地するとともに、上記半導体素子の、
    いずれか1個の端子に、外部直流バイアスを印加するこ
    とを特徴とする歪補償回路。
  5. 【請求項5】 上記半導体素子への外部直流バイアス
    を、ダイオードを介して印加したことを特徴とする、請
    求項4記載の歪補償回路。
  6. 【請求項6】 上記入力回路の前段に、可変減衰器を接
    続したことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに
    記載の歪補償回路。
  7. 【請求項7】 上記入力回路の前段に、増幅器を接続し
    たことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載
    の歪補償回路。
  8. 【請求項8】 並列に配置した複数個の歪補償回路の、
    入力端子と出力端子間を、それぞれ結合器を用いて接続
    したことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記
    載の歪補償回路。
  9. 【請求項9】 高周波用増幅器を構成する複数個の増幅
    器モジュールのうち、少なくとも1個の増幅器モジュー
    ルに直流バイアスを印加せず、歪補償回路として用いた
    ことを特徴とする歪補償回路。
  10. 【請求項10】 ゲート端子、ソース端子、ドレイン端
    子を有する半導体素子と、上記半導体素子のゲート端
    子、ドレイン端子にそれぞれ接続された入力回路および
    出力回路とからなり、上記半導体素子のソース端子を接
    地するとともに、上記ゲート端子には負の直流バイアス
    を、上記ドレイン端子にはニー電圧以下の負または正の
    直流バイアスを印加するように構成したことを特徴とす
    る歪補償回路。
  11. 【請求項11】 上記半導体素子のゲート素子あるいは
    ドレイン端子に印加する直流バイアスを温度に対して変
    化させたことを特徴とする請求項1記載の歪補償回路。
  12. 【請求項12】 上記入力回路の前段に、可変減衰器あ
    るいは可変利得増幅器等からなる入力レベル調整回路を
    接続したことを特徴とする請求項1または2記載の歪補
    償回路。
  13. 【請求項13】 上記入力レベル調整回路の設定を、高
    温になるに従って信号レベルが増加するようにしたこと
    を特徴とする請求項3記載の歪補償回路。
  14. 【請求項14】 上記入力回路の前段に入力レベル調整
    回路を設けるとともに、上記出力回路の後段には可変減
    衰器、可変利得増幅器等からなる出力レベル調整回路を
    接続したことを特徴とする請求項1または2記載の歪補
    償回路。
  15. 【請求項15】 上記入力レベル調整回路および出力レ
    ベル調整回路の設定を高温になるに従って信号のレベル
    が増加するようにしたことを特徴とする請求項5記載の
    歪補償回路。
  16. 【請求項16】 半導体素子を用いた複数個の増幅器モ
    ジュールから成る高出力増幅器において、上記複数個の
    増幅器モジュールのうち、少なくとも一個の増幅器モジ
    ュールにニー電圧以下の直流バイアスを印加し、歪補償
    回路として用いたことを特徴とする歪補償回路。
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