JP2001077637A - プリディストーション回路 - Google Patents

プリディストーション回路

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JP2001077637A
JP2001077637A JP24832299A JP24832299A JP2001077637A JP 2001077637 A JP2001077637 A JP 2001077637A JP 24832299 A JP24832299 A JP 24832299A JP 24832299 A JP24832299 A JP 24832299A JP 2001077637 A JP2001077637 A JP 2001077637A
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circuit
power
distortion
amplifier
power amplifier
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JP24832299A
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English (en)
Inventor
Keiichi Kitamura
圭一 北村
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YRP KOKINO IDOTAI TSUSHIN KENK
YRP Advanced Mobile Communication Systems Research Laboratories Co Ltd
Original Assignee
YRP KOKINO IDOTAI TSUSHIN KENK
YRP Advanced Mobile Communication Systems Research Laboratories Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサを不要として部品点数を削減す
る。 【解決手段】 FET12をバッファアンプ11と補助
増幅器13との間とアース間に接続する。ゲート電極に
所定のバイアス電圧を与えたFET12の微分抵抗はド
レイン・ソース間電圧が高くなると右上がりに指数関数
的に上昇し、また、ゲート・ソース間電圧が高くなると
微分抵抗は低くなる。このような、微分抵抗の非線形を
利用することにより、電力増幅器3の非線形特性を補償
してほぼ線形とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線形性を有する
電力増幅器を補償するためのプリディストーション回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】無線システムや映像システムにおける送
信機の最終段とされる高周波信号の電力増幅器に非線形
性が生じていると、複数の周波数の異なるキャリア信号
を増幅する際に相互変調(Inter Modulation)が生じる
ようになる。例えば図10に示すように、電力増幅器に
入力される第1のキャリア信号の周波数をf1とし、第
2のキャリア信号の周波数をf2(ただし、f2>f1
とすると、スプリアスの周波数が(2f2−f1)および
(2f1−f2)とされる3次相互変調歪成分や、スプリ
アスの周波数が(3f2−2f1)および(3f1−2
2)とされる5次相互変調歪成分が生じるようにな
る。このように、相互変調が生じると、多くのスプリア
スが発生し、隣接するチャンネルに妨害を与えるように
なる。そこで、電力増幅器には、3次相互変調歪成分の
キャリア信号に対する抑圧量(IM3)および5次相互
変調歪成分のキャリア信号に対する抑圧量(IM5)を
規定されている所定量以上の大きな抑圧量とできる増幅
特性が求められている。ただし、5次相互変調歪成分は
3次相互変調歪成分に比べて小さな電力のスプリアスと
されることから、現実的には3次相互変調歪成分の電力
を所定値以下とすればよいことになる。
【0003】しかし、電力増幅器としては、電力効率の
点から一般に非線形性を有しているC級とされた飽和増
幅器が用いられている。そこで、飽和増幅器を用いても
非線形特性により生じる3次相互変調歪成分の電力を所
定値以下とするために、電力増幅器に前置して電力増幅
器の非線形と逆の非線形を有するプリディストーション
回路を設けるようにしている。
【0004】18GHz帯の電力増幅器におけるプリデ
ィストーション回路の従来の一例(信学技報 TECNICAL
REPORT OF IEICE. NW-99-54(1999-7) P.27-32)を図1
1に示す。図11に示すプリディストーション回路にお
いては、入出力間に並列に接続されたダイオードD1の
非線形特性を利用している。すなわち、ダイオードD1
には電源+Vcから抵抗R1で定まる電流が供給され
て、ダイオードD1のアノードには所定量のバイアス電
圧が生じている。ここで、コンデンサC1を介して入力
端子INから供給された入力信号がダイオードD1のア
ノードに印加されると、入力信号の信号電力の増加に伴
いその波形がクリップされてダイオードD1に整流電流
が流れるようになる。これにより、ダイオードD1に流
れる電流に整流電流が加算されて、結果的にそのバイア
ス点が移動する。移動したバイアス点では、アノード電
流はより大きくなるがアノード電圧は低くなり、移動し
たバイアス点における交流抵抗は、移動前のバイアス点
の交流抵抗より大きくなる。
【0005】このように、入力端子INに入力された入
力信号の信号電力が大きくなるほど、ダイオードD1の
交流抵抗が大きくなってダイオードD1による減衰量が
減少し、出力端子OUTから出力される信号電力はより
大きくなる。すなわち、出力端子OUTに後続される電
力増幅器と逆の特性を得ることができるようになる。な
お、前置される第1の増幅器Amp1は入力側に整合し
た入力インピーダンスのバッファアンプであり、ダイオ
ードD1により減衰される入力信号のレベルを第1の増
幅器Amp1と後置される第2の増幅器Amp2で補償
するようにしている。また、コンデンサC1,C2はダ
イオードD1に印加された直流のバイアス電圧に入力端
子INあるいは出力端子OUTの直流レベルが影響しな
いように、直流を遮断する直流カット用のコンデンサで
ある。さらに、ダイオードD1に並列に接続されたコン
デンサC3は、プリディストーション回路の非線形特性
を調節してプリディストーション回路で補償された高周
波電力増幅器の出力電力特性を線形にすると共に、出力
される信号の位相を補償するためのコンデンサであり、
信号周波数が18GHzとされた際に0.35pFとさ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、業務用
の通信における周波数帯には400MHz帯の低い周波
数が割り当てられている場合があり、このような周波数
帯における電力増幅器におけるプリディストーション回
路を、前記した図11に示すプリディストーション回路
とすると、直流カット用コンデンサC1,C2およびコ
ンデンサC3の容量を大きくしなければならず、直流カ
ット用コンデンサC1,C2およびコンデンサC3の物
理的大きさが大きくなることから回路全体が大きくなっ
てしまうという問題点があった。また、通過帯域幅が直
流カット用コンデンサC1,C2の容量によって決定さ
れてしまうという欠点も有していると共に、部品点数を
多く必要とするという問題点もある。さらに、集積化す
る際には、直流カット用コンデンサC1,C2およびコ
ンデンサC3を外付けしなければならず、その端子を設
ける必要があることから、回路の組立が煩雑であると共
に集積回路パターンも複雑になるという問題点があっ
た。
【0007】そこで、本発明は、コンデンサを不要とし
て部品点数を少なくすることができると共に、容易に集
積化・小型化することのできるプリディストーション回
路を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のプリディストーション回路は、電力増幅器に
前置して設けられると共に、その非線形性を補償するた
めのプリディストーション回路であって、入力端子と出
力端子とを接続するラインとアース間に並列に接続され
たトランジスタと、該トランジスタの制御電極に所定の
バイアス電圧を与えるバイアス電圧源とを備えている。
【0009】また、上記本発明のプリディストーション
回路において、前記トランジスタが電界効果トランジス
タとされ、そのドレイン電極が前記ラインに接続され、
そのソース電極がアースに接続されていてもよい。さら
に、上記本発明のプリディストーション回路において、
前記入力端子と前記トランジスタが接続されているライ
ン間にバッファ増幅器が挿入されていると共に、前記ト
ランジスタが接続されているラインと前記出力端子との
間に、前記トランジスタによる減衰量を補償するための
補助増幅器が挿入されていてもよい。さらにまた、上記
本発明のプリディストーション回路において、前記バイ
アス電圧源が、可変電圧源とされていてもよい。
【0010】このような本発明によれば、制御電極に与
えるバイアス電圧により非線形特性を変化することので
きるトランジスタの非線形特性を利用したプリディスト
ーション回路としたので、直流カット用コンデンサを省
略することができると共に、コンデンサにより非線形特
性を調節する必要がなくなる。これにより、コンデンサ
を不要とすることができ、部品点数を少なくすることが
できると共に、小型化することができる。さらに、集積
化する際にも外付け部品を必要とすることのないプリデ
ィストーション回路とすることができるので、電力増幅
器内に一体にプリディストーション回路を集積化するこ
とができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプリディストーション回
路の実施の形態における回路構成を図1に示す。図1に
示すプリディストーション回路1の入力端子INには、
入力信号源2から入力信号einが入力されており、プリ
ディストーション回路1の出力端子OUTには電力増幅
器3が後置されている。この電力増幅器3の出力は負荷
抵抗RL4に供給されるが、電力増幅器3が送信機の最
終段とされる場合は負荷抵抗RL4はアンテナ系とな
る。アンテナ系は、一般に整合回路とアンテナから構成
される。そして、プリディストーション回路1を前置す
ることにより、入力信号einに対する電力増幅器3の出
力信号の入力・出力特性がほぼ線形とされる。
【0012】プリディストーション回路1は、利得がほ
ぼ0dBとされるバッファアンプ11と、バッファアン
プ11に後置接続された補助増幅器13を含んでいる。
このバッファアンプ11と補助増幅器13の入力インピ
ーダンスは入力側のインピーダンスに整合していると共
に、その出力インピーダンスは出力側のインピーダンス
に整合するようにされている。そして、バッファアンプ
11の出力を補助増幅器13に入力させるラインとアー
ス間に電界効果トランジスタ(FET)12が接続され
ている。このFET12は、例えばNチャンネルMOS
(Metal OxideSemiconductor)FETとされており、そ
のドレイン電極(D)が上記ラインに接続され、ソース
電極(S)がアースに接続されている。さらに、ゲート
電極(G)にはバイアス電圧源14からのバイアス電圧
Vgsが供給されている。一般に、電界効果トランジス
タにおいてドレイン・ソース間電圧を変化させた時に、
ドレイン電流の変化は非線形特性となる。すなわち、ド
レイン・ソース間電圧に対するドレイン・ソース間抵抗
は非線形に変化するようになる。この非線形特性は、ゲ
ート電極に印加されるバイアス電圧Vgsにより変化す
るようになる。本発明に係るプリディストーション回路
1は、この非線形特性を利用して後置される電力増幅器
3の非線形特性を補償するようにしている。
【0013】上記プリディストーション回路1の等価回
路を図2に示す。この等価回路では、プリディストーシ
ョン回路1におけるFET12は入出力間に並列接続さ
れた抵抗Rdsとして示されている。ただし、バッファ
アンプ11と補助増幅器13の入出力インピーダンス
は、入力側および出力側に整合されて後述する伝達特性
に影響を与えないためバッファアンプ11と補助増幅器
13を省略して示している。なお、入力信号源2のイン
ピーダンスはRsで表され、入力インピーダンスRsは
例えば50Ωとされ、負荷抵抗はRLで表され、負荷抵
抗RLは例えば50Ωとされる。このプリディストーシ
ョン回路1の入出力伝達特性Gは、 G={Rds・RL/(Rds+RL)}/{Rs+Rds・RL/(Rds +RL)} (1) と表される。ただし、RdsはFET12のドレイン・
ソース間微分抵抗すなわち交流抵抗である。
【0014】FET12のId−Vds特性と、微分抵
抗Rdsのドレイン・ソース間電圧Vdsに対する特性
を図3に示す。図3に示すように、ドレイン・ソース間
電圧Vdsの変化に対するドレイン電流Idは右上がり
の飽和特性を示し、Vgs1<Vgs2<Vgs3とさ
れていることからドレイン電流Idは、ゲート・ソース
間電圧Vgsが大きくなるほど大きくなることがわか
る。そして、図3に示すようにドレイン・ソース間電圧
Vdsに対する微分抵抗Rdsは指数関数的に右上がり
に変化するようになり、微分抵抗Rdsはドレイン・ソ
ース間電圧Vdsが大きくなると増加すると共に、微分
抵抗Rdsはゲート・ソース間電圧Vgsが大きくなる
と減少するようになる。すなわち、ゲート・ソース間電
圧がVgs1の時の微分抵抗Rds1は図示する変化特
性となり、ゲート・ソース間電圧がVgs1より大きい
Vgs2となると、微分抵抗Rds2は図示するように
微分抵抗Rds1の変化特性を右下にシフトした微分抵
抗が全体的に減少した変化特性になる。さらに、ゲート
・ソース間電圧がVgs2より大きいVgs3となる
と、微分抵抗Rds3は図示するように微分抵抗Rds
2の変化特性を右下にシフトしたより微分抵抗が全体的
に減少した変化特性になる。
【0015】このように微分抵抗Rdsが変化すること
から、上記(1)式で示す伝達特性によるプリディスト
ーション回路1の損失特性は図4に示すように右下がり
の非線形特性となる。ただし、図4において、横軸は入
力信号源2の入力信号einの入力信号振幅であり、図3
に示す微分抵抗Rds1,Rds2,Rds3の変化特
性とされた際のプリディストーション回路1の損失特性
が示されている。図4において、プリディストーション
回路1の損失が最も小さくなるのは微分抵抗Rdsが最
大になった場合であり、例えば微分抵抗Rdsが無限大
になったとすると上記(1)式で示される伝達関数G
は、GRds=∞=RL/(Rs+RL)となる。ここで、
Rs=RLとされていると、GRds=∞=1/2となる。
すなわち、プリディストーション回路1の最小損失は、
図示するように6dBとなる。また、入力信号振幅がゼ
ロとされた際に、微分抵抗Rdsは最も小さくなるから
プリディストーション回路1の損失は最大となる。例え
ば、ゲート・ソース間電圧がVgs3とされた際の入力
信号振幅がゼロの時の微分抵抗Rds3が10オームで
あったとすると、伝達関数Gが約0.142となること
からプリディストーション回路1の損失は約17dBと
なる。このことから、プリディストーション回路1の損
失を補償する図1に示す補助増幅器13の利得は、15
dBないし20dBとされる。
【0016】以上のことを総合すると、図1に示すプリ
ディストーション回路1の動作は図5に示すフローのよ
うになる。すなわち、図5に示すように入力信号源2の
入力信号einの振幅が大きくなる(ステップS1)と、
FET12のドレイン・ソース間電圧Vdsが増加し
(ステップS2)、この結果図3に示すように微分抵抗
Rdsが増加し(ステップS3)、図4に示すようにプ
リディストーション回路1の損失が減少するようになる
(ステップS4)。このように、入力信号源2の入力信
号einの振幅が大きくなると、プリディストーション回
路1の損失が減少するので、より大きな入力信号が電力
増幅器3に入力されるようになる。このため、図6にa
で示す飽和特性とされた電力増幅器3の非線形特性が、
図6にbで示すプリディストーション回路1の非線形特
性で補償されて出力レベルはほぼ線形となる。すなわ
ち、電力増幅器3の非線形特性とプリディストーション
回路1非線形特性が逆の特性とされるので、図6にcで
示すようにプリディストーション回路1を前置した電力
増幅器3の総合特性はほぼ線形となるのである。
【0017】次に、プリディストーション回路1により
電力増幅器3の非線形特性を補償する際のシミュレーシ
ョン結果を図7ないし図9を参照しながら説明する。図
7は、シミュレーションに用いた図1に示すプリディス
トーション回路1におけるFET12のドレイン電流I
d−ドレイン・ソース間電圧Vds特性である。このF
ET12のコンダクタンス係数Kpは、Kp=0.2A
/m2(K=0.1A/V2)とされ、その閾値電圧Vt
hは、Vth=0Vとされている。また、プリディスト
ーション回路1に後置する電力増幅器3は、1dB利得
圧縮出力P1dBが43dBmとされ、そのインターセ
プトポイントIP3が60dBmとされ、その利得が2
0dBとされているものとする。なお、このような電力
増幅器3において、出力電力Poutが43dBmとさ
れたときの3次相互変調歪成分のキャリアに対する抑圧
量IM3(以下、「3次相互変調歪IM3」という)は
約−31dBcとなり、出力電力Poutが20dBm
とされたときの3次相互変調歪IM3は約−80dBc
となる。
【0018】上記した条件によりシミュレーションを行
った結果を図8に示す。図8は、3次相互変調歪IM3
のゲート・ソース間電圧Vgsの依存性を表すグラフで
あり、横軸はゲート・ソース間電圧Vgsであり、縦軸
は3次相互変調歪IM3とされている。ただし、電力増
幅器3の特性は、1dB利得圧縮出力P1dBが43d
Bmとされ、インターセプトポイントIP3が60dB
mとされ、利得は20dBとされている。電力増幅器3
の出力電力Poutが20dBmとされた際の電力増幅
器3の単体の3次相互変調歪IM3は、図8にcとして
示すように−80dBcとなる。そして、プリディスト
ーション回路1を電力増幅器3に前置した際の3次相互
変調歪IM3は、図8にdとして示すようにFET12
のゲート・ソース間電圧Vgsに依存しており、バイア
ス電圧源14を調節してゲート・ソース間電圧Vgsを
1.2Vから2.2Vまで変化させると3次相互変調歪
IM3は約−70dBcから約−114.3dBcまで
変化する。最も3次相互変調歪IM3が小さくなるのは
FET12のゲート・ソース間電圧を1.85Vと設定
した時であり、この際には電力増幅器3単体の3次相互
変調歪IM3が、図示するようにプリディストーション
回路1の作用により34.3dB改善されるようにな
る。
【0019】また、電力増幅器3の出力電力Poutが
43dBmとされた際の電力増幅器3の単体の3次相互
変調歪IM3は図8にaとして示すように約−31dB
cとなる。そして、プリディストーション回路1を電力
増幅器3に前置した際の3次相互変調歪IM3は、図8
にbとして示すようにFET12のゲート・ソース間電
圧Vgsに大きく依存しており、ゲート・ソース間電圧
Vgsを1.2Vから2.2Vまで変化させると3次相
互変調歪IM3は約−25dBcから約−39.5dB
cまで変化する。ここで、バイアス電圧源14により設
定されたFET12のゲート・ソース間電圧を1.85
Vとすると、図示するように電力増幅器3単体のIM3
がプリディストーション回路1の作用により6.6dB
改善されるようになる。このように、図8に示す特性を
参照して最も3次相互変調歪IM3が改善されるよう
に、バイアス電圧源14で設定するゲート・ソース間電
圧Vgsの大きさを決定するようにする。この場合に
は、ゲート・ソース間電圧Vgsが1.85Vに設定さ
れる。
【0020】また、図9は3次相互変調歪電力IM’3
と出力電力Poutの入力電力の依存性を表すグラフで
あり、横軸は入力電力であり、縦軸は3次相互変調歪電
力IM’3および出力電力Poutとされている。図9
において、入力電力に対する出力電力Poutの特性は
cで示すようになる。ここで、入力電力が0dBmとさ
れた際の電力増幅器3の出力電力Poutは20dBm
であり、利得は20dBとされている。また、入力電力
が24dBmとされた際の電力増幅器3の出力電力Po
utは43dBmとなり、利得は19dBとなる。すな
わち、1dB利得圧縮出力P1dBが43dBmとな
る。ここでは、最大43dBmまでの出力電力の範囲で
使用するものとする。
【0021】また、入力電力に対する3次相互変調歪電
力IM’3の特性は、プリディストーション回路1なし
の場合はaで示され、プリディストーション回路有りの
場合がbで示されている。43dBmまでの出力電力P
outの範囲内ではプリディストーション回路1なしの
場合よりプリディストーション回路有りの場合の3次相
互変調歪電力IM’3が低減されていることがわかる。
例えば、入力電力が0dBmとされた際に、電力増幅器
3から出力される3次相互変調歪電力IM’3は、プリ
ディストーション回路1を前置しない場合に−60dB
mであり、プリディストーション回路1を前置した場合
に約−94.3dBmとなる。すなわち、入力電力が0
dBmの場合は3次相互変調歪電力IM’3は、34.
3dB低減されることになる。
【0022】さらに、入力電力が24dBmとされた際
に、電力増幅器3から出力される3次相互変調歪電力I
M’3は、プリディストーション回路1を前置しない場
合に12dBmであり、プリディストーション回路1を
前置した場合に約5.4dBmとなる。すなわち、入力
電力が24dBmの場合は3次相互変調歪電力IM’3
は、6.6dB低減されることになる。なお、3次相互
変調歪電力IM’3が−60dBmの場合、3次相互変
調歪IM3はIM’3−Pout=−80dBcとな
り、3次相互変調歪電力IM’3が−94.3Bmの場
合、3次相互変調歪IM3はIM’3−Pout=−1
14.3dBcとなる。また、3次相互変調歪電力I
M’3が12dBmの場合、3次相互変調歪IM3はI
M’3−Pout=−31dBcとなり、3次相互変調
歪電力IM’3が5.4dBmの場合、3次相互変調歪
IM3はIM’3−Pout=−37.6dBcとな
る。このように、本発明のプリディストーション回路1
を電力増幅器3に前置することにより、電力増幅器3が
C級の飽和増幅器とされても線形性を向上することがで
き、規定の3次相互変調歪IM3を達成することができ
る。
【0023】なお、図1に示すプリディストーション回
路1におけるFET12としては、NチャンネルMOS
FETに限られるものではなく、PチャンネルMOSF
ETであってもよい。また、MOS型に限るものではな
くMIS(Metal InsulatorSemiconductor)等の絶縁ゲ
ート型、MES(Metal Semiconductor )、SIT(St
atic induction Transistor)等のジャンクション型の
いずれでもよい。さらにまた、電界効果トランジスタに
替えてバイポーラトランジスタ、HEMT(High Elect
ron Mobility Transistor)やHBT(Heterojunction
BipolarTransistor)を使用してもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、制御電極
に与えるバイアス電圧により非線形特性を変化すること
のできるトランジスタの非線形特性を利用したプリディ
ストーション回路としたので、直流カット用コンデンサ
を省略することができると共に、コンデンサにより非線
形特性を調節する必要がなくなる。これにより、コンデ
ンサを不要とすることができ、部品点数を少なくするこ
とができると共に、小型化することができる。さらに、
集積化する際にも外付け部品を必要とすることのないプ
リディストーション回路とすることができるので、電力
増幅器内に一体にプリディストーション回路を集積化す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリディストーション回路の実施の形
態における回路構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態のプリディストーション回
路の等価回路を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態のプリディストーション回
路におけるFETのId−Vds特性と、微分抵抗Rd
sのドレイン・ソース間電圧Vdsに対する特性を示す
図である。
【図4】本発明のプリディストーション回路の実施の形
態における入力信号振幅に対する損失特性を示す図であ
る。
【図5】本発明のプリディストーション回路の動作を示
すフロー図である。
【図6】本発明のプリディストーション回路の実施の形
態における入力電力に対する出力電力特性を示す図であ
る。
【図7】本発明のプリディストーション回路のシミュレ
ーションに用いたFETのId−Vds特性を示す図で
ある。
【図8】本発明のプリディストーション回路の実施の形
態における3次相互変調歪IM3のVgs依存性を示す
図である。
【図9】本発明のプリディストーション回路の実施の形
態における3次相互変調歪IM3と出力電力の入力電力
依存性を示す図である。
【図10】相互変調により3次相互変調歪IM3や5次
相互変調歪IM5が発生する原理を示す回路図である。
【図11】従来のプリディストーション回路の回路構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 プリディストーション回路 2 入力信号源 3 電力増幅器 4 負荷抵抗 11 バッファアンプ 12 FET 13 補助増幅器 14 バイアス電圧源 Amp1,Amp2 増幅器 C1,C2 直流カット用コンデンサ C3 コンデンサ D1 ダイオード IN 入力端子 OUT 出力端子 R1 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA21 CA93 FA20 GN03 HA09 HA19 HA25 HA29 HA32 HN02 KA03 KA11 KA12 KA30 SA14 TA02 TA03 TA07 5J091 AA01 AA41 CA21 CA93 FA20 HA09 HA19 HA25 HA29 HA32 KA03 KA11 KA12 KA30 SA14 TA02 TA03 TA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力増幅器に前置して設けられると共
    に、その非線形性を補償するためのプリディストーショ
    ン回路であって、 入力端子と出力端子とを接続するラインとアース間に並
    列に接続されたトランジスタと、 該トランジスタの制御電極に所定のバイアス電圧を与え
    るバイアス電圧源と、 を備えていることを特徴とするプリディストーション回
    路。
  2. 【請求項2】 前記トランジスタが電界効果トランジス
    タとされ、そのドレイン電極が前記ラインに接続され、
    そのソース電極がアースに接続されていることを特徴と
    する請求項1記載のプリディストーション回路。
  3. 【請求項3】 前記入力端子と前記トランジスタが接続
    されているライン間にバッファ増幅器が挿入されている
    と共に、前記トランジスタが接続されているラインと前
    記出力端子との間に、前記トランジスタによる減衰量を
    補償するための補助増幅器が挿入されていることを特徴
    とする請求項1記載のプリディストーション回路。
  4. 【請求項4】 前記バイアス電圧源が、可変電圧源とさ
    れていることを特徴とする請求項1記載のプリディスト
    ーション回路。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040011848A (ko) * 2002-07-30 2004-02-11 주식회사 싸이트론 피드포워드 구조를 가진 사전왜곡 방식의 선형 전력 증폭기
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