JP3894401B2 - 電力増幅装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、増幅する変調波のベースバンド周波数または2倍波におけるバイアス回路のインピーダンス制御や、変調波のベースバンド周波数の信号または2倍波をバイアス回路から注入することで、増幅器で発生する相互変調歪の振幅、位相を制御する電力増幅装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図14は、例えば『堀川浩二、小川博世(NTTワイヤレスシステム研究所)共著、1996年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B−230、”EVEN−ORDER PRE−DISTORTIONによる高出力増幅器歪低減の提案”、P231』に示された従来の電力増幅装置の構成を示す図である。
【0003】
図14において、101は入力端子、102は分配器、103は振幅変調器、104は高出力増幅器、105は出力端子、106は偶数乗積生成器、107、110はフィルター、108は移相器および可変減衰器から構成される振幅位相制御回路、109は歪補償回路である。
【0004】
つぎに、前述した従来の電力増幅装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0005】
入力電力は、入力端子101に加えられ、分配器102で線形経路と歪経路とに2分配する。線形経路では信号成分をそのまま伝送し、歪経路では偶数乗積生成器106で発生させた偶数時歪のうち2倍周波数帯に発生する歪をフィルタ107により抽出し、振幅位相制御回路108により制御する。振幅変調器103で線形経路の信号を2倍周波数帯発生する歪成分で変調し、フィルタ110により伝送帯域内信号を抽出する。そして、以上の歪補償回路109によって得られた信号を高出力増幅器104で増幅後、出力端子105から出力する。
【0006】
高出力増幅器104に歪補償回路109を前置する事で、高出力増幅器104で発生する相互変調歪と逆位相の相互変調歪を発生させ、高出力増幅器104で発生する相互変調歪を抑圧する。この時、入力信号の2倍周波数帯に発生する歪の振幅、位相を制御することで、歪補償回路109で発生させる相互変調歪の振幅、位相を制御する。
【0007】
従来の他の電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図15は、例えば『特開昭63−204913号公報』に示された従来の他の電力増幅装置の構成を示す図である。
【0008】
図15において、121は入力端子、122、133はコンデンサ、123、134はバイアス用線路、124、135はバイアス端子、125は入力側低インピーダンス線路、128はトランジスタ、130は出力側低インピーダンス線路、131は3倍波用誘電体共振器、132は2倍波用誘電体共振器、136は出力端子である。
【0009】
3倍波用誘電体共振器131、2倍波用誘電体共振器132を用いることで、トランジスタ128の出力端子から負荷を見込む2倍波、3倍波に対するインピーダンスを基本波と独立に制御する。
【0010】
従来の別の他の電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図16は、例えば『特開平03−128508号公報』に示された従来の別の他の電力増幅装置の構成を示す図である。
【0011】
図16において、140はトランジスタ、141は増幅器、142は逓倍器、143は帯域通過フィルタ、144は移相器である。
【0012】
基本波信号の一部を取り出し、この信号を2倍波信号に変換し、半導体増幅器140からでる2倍波信号と逆位相にして半導体増幅器140の出力側に印加することによって等価的に2倍波を確実に短絡する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の電力増幅装置では、歪補償のためには歪補償回路を高出力増幅器に前置する必要があるという問題点があった。
【0014】
また、上述したような従来の他の電力増幅装置では、2倍波のインピーダンスを主信号線路近傍に誘電体共振器をおくことで、2倍波のインピーダンスを制御していが、バイアス回路と2倍波制御回路を一体化できず、回路が大型となるという問題点があった。
【0015】
さらに、上述したような従来の別の他の電力増幅装置では、出力側から2倍波を注入し、半導体増幅器で発生する2倍波を等価的に短絡状態にする必要があるという問題点があった。
【0016】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、歪補償回路をトランジスタに前置する必要がなく、トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪を低減することができる電力増幅装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る電力増幅装置は、入力端子から加えられた変調波信号を増幅するトランジスタと、前記入力端子と前記トランジスタのゲートの間に接続された入力整合回路と、前記トランジスタのゲートに接続された第1のバイアス回路と、前記トランジスタのドレインと出力端子の間に接続された出力整合回路、前記トランジスタのドレインに接続された第2のバイアス回路とを備え、前記第1のバイアス回路は、前記トランジスタのゲートに接続された第1のインダクタ及び第1の電源の第1の直列回路を含むとともに、前記第2のバイアス回路は、前記トランジスタのドレインに接続された第2のインダクタ及び第2の電源の第2の直列回路と、前記第2の直列回路と並列に接続されたローパスフィルタ及びインピーダンス回路の第3の直列回路とを含み、隣接した第1及び第2の周波数の和信号を前記入力端子に入力すると、前記トランジスタの偶数次の非線形性により前記第1及び第2の周波数の差信号であるベースバンド周波数の信号が前記第2のバイアス回路の前記ローパスフィルタを通過後、前記インピーダンス回路に導かれ、前記第2のバイアス回路のベースバンド周波数に対するインピーダンスを変化させて、前記トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように前記ベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、前記トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪を低減するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る電力増幅装置の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0027】
図1において、1は入力端子、2は入力整合回路、3、8はインダクタ、4、12は電源、5はトランジスタ(FET)、6、13はバイアス回路、7はローパスフィルタ、9はインピーダンス回路、10は出力整合回路、11は出力端子、14、15はコンデンサである。
【0028】
入力端子1から加えられた変調波信号は、トランジスタ5で増幅される。このとき、トランジスタ5の非線形性により発生した変調波のベースバンド周波数の信号はローパスフィルタ7を通過後、インピーダンス回路9に導かれる。基本波や2倍波などの高い周波数の信号は、ローパスフィルタ7で反射され、インピーダンス回路9には導かれない。基本波は出力端子11に導かれ、出力される。
【0029】
つぎに、この実施の形態1に係る電力増幅装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、出力電力(Pout)に対する3次の相互変調歪(IM3)の計算結果を示す図である。
【0030】
電力増幅装置の入力端子1に、隣接した周波数f1、f2の和信号を入力すると、トランジスタ5の偶数次の非線形性によりベースバンド周波数Δf=f1−f2の電流がドレインに発生する。このベースバンド周波数は、入力信号の周波数と比較して非常に低いため、コンデンサのインピーダンスは非常に高くなり、ベースバンド周波数の信号の電流はバイアス回路6に流れる。
【0031】
その結果、バイアス回路6のベースバンド周波数に対するインピーダンスが0オームでない場合にはドレイン端子にはベースバンド周波数の電圧が発生する。この電圧変動は入力信号を変調し、2f1−f2や2f2−f1等の相互変調歪を発生させる。この偶数次の非線形性による相互変調歪は、問題となるトランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と同じ周波数に発生することから、トランジスタ5の偶数次の非線形性により発生したベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、半導体増幅器(トランジスタ5)の相互変調歪の振幅、位相を制御することが可能である。
【0032】
バイアス回路6のベースバンド周波数に対するインピーダンス回路9の値をZ=0+j0オーム(従来)、Z=−50+j0オームとし、周波数f1、f2の和信号を図1の回路に入力した場合に発生する3次相互変調歪IM3をハーモニックバランス法を用いて計算した。用いたトランジスタはゲート幅2.4mmのGaAsFETで、周波数は1.9GHz帯で計算した。
【0033】
図2に出力電力に対する3次の相互変調歪の計算結果を示す。バイアス回路6のベースバンド周波数に対するインピーダンスを変化させ、ベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、相互変調歪の振幅、位相を制御できていることがわかる。また、バイアス回路6のベースバンド周波数に対するインピーダンスを適当な値とし、トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるようにベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、問題となる奇数次の相互変調歪を低減できることがわかる(図2の右上を参照)。
【0034】
この実施の形態1では、トランジスタ5の出力側のバイアス回路6に対して本発明を適用したが、入力側のバイアス回路13に対して行っても同様な結果が得られる。
【0035】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0036】
図3において、1は入力端子、2は入力整合回路、3、8はインダクタ、4、12は電源、5はトランジスタ、13はバイアス回路、9はインピーダンス回路、10は出力整合回路、11は出力端子、14、15はコンデンサである。
【0037】
また、同図において、16はハイパスフィルタ、17はバイアス回路、18はバンドパスフィルタである。
【0038】
入力端子1から加えられた変調波信号は、トランジスタ5で増幅される。トランジスタ5の非線形性により発生した2倍波は、ハイパスフィルタ16を通過後、インピーダンス回路9に導かれる。この時、基本波は、ハイパスフィルタ16で反射され、インピーダンス回路9には導かれない。基本波はバンドパスフィルタ18通過後、出力端子11に導かれ、出力される。
【0039】
つぎに、この実施の形態2に係る電力増幅装置の動作について図面を参照しながら説明する。図4は、出力電力に対する3次の相互変調歪の計算結果を示す図である。
【0040】
電力増幅装置の入力端子1に、隣接した周波数f1、f2の和信号を入力すると、トランジスタ5の偶数次の非線形性により2倍波2f1、2f2の電流がドレインに発生する。この2倍波の周波数は、入力信号と比較して高いため、ハイパスフィルタ16を通過し、2倍波の電流はバイアス回路17に流れる。
【0041】
その結果、バイアス回路17の2倍波に対するインピーダンスが0オームでない場合にはドレイン端子には2倍波の周波数の電圧が発生する。この電圧変動は入力信号を変調し、2f1−f2や2f2−f1等の相互変調歪を発生させる。この相互変調歪は、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と同じ周波数に発生することから、トランジスタ5の偶数次の非線形性により発生した2倍波の振幅、位相を制御することで、増幅器(トランジスタ5)の相互変調歪の振幅、位相を制御することが可能である。
【0042】
バイアス回路17の2倍波に対するインピーダンス回路9の値をZ=0+j0オーム(従来)、Z=100+j0オームとし、周波数f1、f2の和信号を図3の回路に入力した場合に発生する3次の相互変調歪IM3を計算した。図4に出力電力に対する3次の相互変調歪の計算結果を示す。2倍波の周波数に対するバイアス回路17のインピーダンスを変化させ、2倍波の周波数の振幅、位相を制御することで、相互変調歪の振幅、位相を制御できていることがわかる。
【0043】
また、バイアス回路17の2倍波の周波数に対するインピーダンスを適当な値とし、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように2倍波の振幅、位相を制御することで、相互変調歪を低減できることがわかる。
【0044】
この実施の形態2では、トランジスタ5の出力側のバイアス回路17に対して本発明を適用していたが、入力側のバイアス回路13に対して行っても同様な結果が得られる。
【0045】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態3に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0046】
図5において、1は入力端子、2は入力整合回路、3、8はインダクタ、4、12は電源、5はトランジスタ、13はバイアス回路、7はローパスフィルタ、10は出力整合回路、11は出力端子、14、15はコンデンサである。
【0047】
また、同図において、19は内部インピーダンス50オームの信号源、20はバイアス回路である。
【0048】
入力端子1から加えられた変調波信号は、トランジスタ5で増幅される。このとき、変調波のベースバンド周波数の信号をバイアス回路20からトランジスタ5に注入する。基本波は、出力端子11に導かれ、出力される。
【0049】
次に、この実施の形態3の動作について説明する。電力増幅装置の入力端子1に、隣接した周波数f1、f2の和信号をトランジスタ5のゲートに入力し、バイアス回路20からベースバンド周波数Δf=f1−f2の信号を注入すると、トランジスタ5はゲートからの入力信号を変調し、2f1−f2や2f2−f1等の相互変調歪を発生させる。この相互変調歪は、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と同じ周波数に発生することから、ドレインから注入したベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、増幅器(トランジスタ5)の相互変調歪の振幅、位相を制御することが可能である。
【0050】
周波数f1、f2の和信号をゲートから、電力−10dBmのベースバンド周波数の信号をバイアス回路20から注入し、3次の相互変調歪IM3を計算した。図6にベースバンド周波数の信号の注入の有無をパラメータとしたときの出力電力に対する3次の相互変調歪の計算結果を示す。
【0051】
ベースバンド周波数の信号を注入することで、相互変調歪の振幅、位相を制御できていることがわかる。また、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように、注入するベースバンド周波数の信号の振幅、位相を適当に選ぶことで、奇数次の非線形歪による相互変調歪を低減できることがわかる。
【0052】
尚、本実施の形態3では、注入する信号電力を一定の値としたが、入力電力に応じて注入する電力を変化させてもよい。これにより、相互変調歪を低減できる電力範囲を拡大できる。また、注入に変調波のベースバンド周波数の信号源を用いたが、入力信号から変調波のベースバンド周波数の信号を作り出し、これを利用しても同様の効果が得られる。
【0053】
この実施の形態3では、トランジスタ5の出力側のバイアス回路20に対して本発明を適用していたが、入力側のバイアス回路13に対して行っても同様な結果が得られる。
【0054】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態4に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0055】
図7において、1は入力端子、2は入力整合回路、3、8はインダクタ、4、12は電源、5はトランジスタ、13はバイアス回路、10は出力整合回路、11は出力端子、14、15はコンデンサである。
【0056】
また、同図において、16はハイパスフィルタ、18はバンドパスフィルタ、19は内部インピーダンス50オームの信号源、21はバイアス回路である。
【0057】
入力端子1から加えられた信号は、トランジスタ5で増幅される。このとき、変調波の2倍波の信号をバイアス回路21からトランジスタ5に注入する。基本波は、出力端子11に導かれ、出力される。
【0058】
次に、この実施の形態4の動作について説明する。電力増幅装置の入力端子1に、隣接した周波数f1、f2の和信号をトランジスタ5のゲートに入力し、バイアス回路21から周波数f1、f2の2倍波を注入すると、トランジスタ5はゲートからの入力信号を変調し、2f1−f2や2f2−f1等の相互変調歪を発生させる。この相互変調歪は、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と同じ周波数に発生することから、バイアス回路21から注入した2倍波の振幅、位相を制御することで、増幅器(トランジスタ5)の相互変調歪の振幅、位相を制御することが可能である。
【0059】
周波数f1、f2の和信号をゲートから、電力−10dBmの2倍波をバイアス回路21から注入し、図7の回路に発生する3次の相互変調歪IM3を計算した。図8に2倍波注入の有無をパラメータとしたときの出力電力に対する3次の相互変調歪の計算結果を示す。
【0060】
2倍波の信号を注入することで、相互変調歪の振幅、位相を制御できていることがわかる。また、トランジスタ5の奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように注入する2倍波の振幅、位相を適当に選ぶことで、相互変調歪を低減できることがわかる。
【0061】
尚、本実施の形態4では、注入する信号電力を一定の値としたが、入力電力に応じて注入する電力を変化させてもよい。これにより、相互変調歪を低減できる電力範囲を拡大できる。また、注入に2倍波の信号源を用いたが、入力信号から変調波の2倍波の信号を作り出し、これを利用しても同様の効果が得られる。
【0062】
この実施の形態4では、トランジスタ5の出力側のバイアス回路21に対して本発明を適用していたが、入力側のバイアス回路13に対して行っても同様な結果が得られる。
【0063】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態5に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0064】
図9において、22、23は上記の実施の形態1〜4のいずれかの電力増幅装置、24は電力分配器、25は電力合成器である。なお、電力増幅装置22及び23は、異なる実施の形態のものである。例えば、電力増幅装置22は実施の形態1の電力増幅装置、電力増幅装置23は実施の形態2の電力増幅装置である。
【0065】
入力端子1から加えられた信号は、電力分配器24により分配され、電力増幅装置22、23に導かれる。電力増幅装置22、23で増幅後、電力合成器25で電力合成され、出力端子11に出力される。
【0066】
次に、この実施の形態5の動作について説明する。隣接した周波数f1、f2の和信号を入力端子1に入力し、上記の実施の形態1〜4のいずれかの電力増幅装置22、23で増幅する。この時、ベースバンド周波数の信号の振幅、位相や2倍波の振幅、位相を制御することで、増幅器で発生する相互変調歪の振幅、位相を制御する。
【0067】
図10に、相互変調歪の振幅、位相を制御した電力増幅装置22(amp−A)を2台並列接続した電力増幅装置(amp−A+amp−A)と、相互変調歪の振幅、位相を制御した電力増幅装置23(amp−B)を2台並列接続した電力増幅装置(amp−B+amp−B)の出力電力に対する相互変調歪(太い点線と細い点線)を示す。
【0068】
また、本実施の形態5に係る、電力増幅装置22(amp−A)と電力増幅装置23(amp−B)を並列接続した電力増幅装置(amp−A+amp−B)の出力電力に対する相互変調歪(実線)も図10に示す。
【0069】
電力増幅装置(amp−A+amp−B)の計算結果から、amp−A、Bで発生する相互変調歪が互いに逆相になるように、ベースバンド信号の振幅、位相や2倍波の振幅、位相を制御することで、電力増幅装置(amp−A+amp−A)や電力増幅装置(amp−B+amp−B)のように同種の電力増幅装置を組み合わせたものよりも相互変調歪を低減できることがわかる。
【0070】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図11は、この発明の実施の形態6に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0071】
図11において、22、23は上記の実施の形態1〜4のいずれかの電力増幅装置、24は電力分配器、26、27は指向性アンテナである。なお、電力増幅装置22及び23は、異なる実施の形態のものである。
【0072】
入力端子1から加えられた信号は、電力分配器24により分配され、電力増幅装置22、23に導かれる。電力増幅装置22、23で増幅後、指向性アンテナ26、27で空間に放射され、空間で電力合成される。
【0073】
次に、この実施の形態6の動作について説明する。隣接した周波数f1、f2の和信号を入力端子1に入力し、実施の形態1〜4の電力増幅装置22、23で増幅する。この時、ベースバンド周波数の信号の振幅、位相や2倍波の振幅、位相を制御することで、増幅器で発生する相互変調歪の振幅、位相を制御する。
【0074】
図12に、ベースバンド周波数に対するバイアス回路のインピーダンスを制御することで相互変調歪の振幅、位相を制御した電力増幅装置22、23(amp−A、amp−B)の入力電力に対する基本波及び相互変調歪の位相を示す。基本波は、amp−A、Bでほぼ同じ位相であるのに対し、相互変調歪は約15度ほど位相がずれていることから、空間に放射された相互変調波の等位相面は、基本波の等位相面に対して15度ほど左右に傾く事がわかる。これより、基本波はアンテナから正面方向に放射されるのに対し、相互変調歪は正面から左右に15度ほどずれた方向に放射されることがわかる。よって、アンテナ正面では相互変調歪を低減する事ができる。
【0075】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7に係る電力増幅装置について図面を参照しながら説明する。図13は、この発明の実施の形態7に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【0076】
図13において、28は上記の実施の形態1〜4のいずれかの電力増幅装置、29は電力増幅器である。
【0077】
次に、この実施の形態7における動作について説明する。入力端子1から加えられた信号は、電力増幅装置28においてベースバンド周波数の信号の振幅、位相や2倍波の振幅、位相を制御することで相互変調歪を発生させ、増幅器29で発生する相互変調歪の振幅、位相を制御する。
【0078】
ここで、増幅器29で発生する歪と逆相の歪を電力増幅装置28で発生させた場合、増幅器29の相互変調歪を低減できる。この時、電力増幅装置28は増幅器29の歪補償回路として動作している。これより、上記の実施の形態1〜4の電力増幅装置は、歪補償回路としての動作も期待できる。
【0079】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る電力増幅装置は、以上説明したとおり、入力端子から加えられた変調波信号を増幅するトランジスタと、前記入力端子と前記トランジスタのゲートの間に接続された入力整合回路と、前記トランジスタのゲートに接続された第1のバイアス回路と、前記トランジスタのドレインと出力端子の間に接続された出力整合回路、前記トランジスタのドレインに接続された第2のバイアス回路とを備え、前記第1のバイアス回路は、前記トランジスタのゲートに接続された第1のインダクタ及び第1の電源の第1の直列回路を含むとともに、前記第2のバイアス回路は、前記トランジスタのドレインに接続された第2のインダクタ及び第2の電源の第2の直列回路と、前記第2の直列回路と並列に接続されたローパスフィルタ及びインピーダンス回路の第3の直列回路とを含み、隣接した第1及び第2の周波数の和信号を前記入力端子に入力すると、前記トランジスタの偶数次の非線形性により前記第1及び第2の周波数の差信号であるベースバンド周波数の信号が前記第2のバイアス回路の前記ローパスフィルタを通過後、前記インピーダンス回路に導かれ、前記第2のバイアス回路のベースバンド周波数に対するインピーダンスを変化させて、前記トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように前記ベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御するので、問題となるトランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る電力増幅装置の出力電力に対する3次の相互変調歪の関係を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る電力増幅装置の出力電力に対する3次の相互変調歪の関係を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る電力増幅装置の出力電力に対する3次の相互変調歪の関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る電力増幅装置の出力電力に対する3次の相互変調歪の関係を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態5に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態5に係る電力増幅装置の出力電力に対する3次の相互変調歪の関係を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態6に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態6に係る電力増幅装置の入力電力に対する基本波及び相互変調歪の位相を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態7に係る電力増幅装置の構成を示す図である。
【図14】 従来の電力増幅装置の構成を示す図である。
【図15】 従来の他の電力増幅装置の構成を示す図である。
【図16】 従来の別の他の電力増幅装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、2 入力整合回路、3 インダクタ、4 電源、5 トランジスタ、6 バイアス回路、7 ローパスフィルタ、8 インダクタ、9 インピーダンス回路、10 出力整合回路、11 出力端子、12 電源、13 バイアス回路、14 コンデンサ、15 コンデンサ、16 ハイパスフィルタ、17 バイアス回路、18 バンドパスフィルタ、19 信号源、20 バイアス回路、21 バイアス回路、22、23 電力増幅装置、24 電力分配器、25 電力合成器、26、27 指向性アンテナ、28 電力増幅装置、29 電力増幅器。

Claims (1)

  1. 入力端子から加えられた変調波信号を増幅するトランジスタと、
    前記入力端子と前記トランジスタのゲートの間に接続された入力整合回路と、
    前記トランジスタのゲートに接続された第1のバイアス回路と、
    前記トランジスタのドレインと出力端子の間に接続された出力整合回路、
    前記トランジスタのドレインに接続された第2のバイアス回路とを備え、
    前記第1のバイアス回路は、
    前記トランジスタのゲートに接続された第1のインダクタ及び第1の電源の第1の直列回路を含むとともに、
    前記第2のバイアス回路は、
    前記トランジスタのドレインに接続された第2のインダクタ及び第2の電源の第2の直列回路と、
    前記第2の直列回路と並列に接続されたローパスフィルタ及びインピーダンス回路の第3の直列回路とを含み、
    隣接した第1及び第2の周波数の和信号を前記入力端子に入力すると、前記トランジスタの偶数次の非線形性により前記第1及び第2の周波数の差信号であるベースバンド周波数の信号が前記第2のバイアス回路の前記ローパスフィルタを通過後、前記インピーダンス回路に導かれ、前記第2のバイアス回路のベースバンド周波数に対するインピーダンスを変化させて、前記トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪と逆相になるように前記ベースバンド周波数の信号の振幅、位相を制御することで、前記トランジスタの奇数次の非線形歪によって発生する相互変調歪を低減する
    ことを特徴とする電力増幅装置。
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