JP3544408B2 - パリソン径可変ダイノズル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はパリソン径可変ダイノズルに関し、詳しくは押出機のダイヘッド部に配設され、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形するときに用いられるパリソン径可変ダイノズルに関する。本発明のパリソン径可変ダイノズルは、ブロー成形用の押出機のダイヘッド部に特に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、中空状の樹脂成形品を成形するのにブロー成形が用いられている。このブロー成形は、熱可塑性材料を押出しによって管状のパリソンに予備成形し、このパリソンを金型で挟み、内部に空気を吹き込んで膨らませ型面に押し付けて成形した後、冷却固化する方法である。
【0003】
ここで、上記パリソンを押出機により成形する際に、ブロー成形品の形状に応じて、またパリソンのドローダウンによる偏肉を防止する目的で、パリソンの長手方向の肉厚を積極的に変化させたい場合がある。このようにパリソンの長手方向の肉厚を変化させるために、従来より、図23に示すダイバージ方式や、あるいは図24に示すコンバージ方式のダイノズルをダイヘッド部にもつ押出機が用いられている。
【0004】
図23に示すダイバージ方式のダイノズルは、先端に向かうにつれて大径となるノズルテーパ面80aをもち、軸方向にスライド可能なノズル80と、ノズルテーパ面80aと対向するダイテーパ面81aを有するダイ81とから構成されている。そして、ノズル80を下降させれば、ノズルテーパ面80aがダイテーパ面81aから離反するのでパリソンの肉厚を厚くすることができ、ノズル80を上昇させれば、ノズルテーパ面80aがダイテーパ面81aに近接するのでパリソンの肉厚を薄くすることができる。
【0005】
一方、図24に示すコンバージ方式のダイノズルは、先端に向かうにつれて小径となるノズルテーパ面90aをもち、軸方向にスライド可能なノズル90と、ノズルテーパ面90aと対向するダイテーパ面91aを有するダイ91とから構成されている。そして、ノズル90を下降させれば、ノズルテーパ面90aがダイテーパ面91aに近接するのでパリソンの肉厚を薄くすることができ、ノズル90を上昇させれば、ノズルテーパ面90aがダイテーパ面91aから離反するのでパリソンの肉厚を厚くすることができる。
【0006】
なお、上記ダイバージ方式及びコンバージ方式のいずれのダイノズルにおいても、パリソン径自身は、ノズルテーパ面80a、90a及びダイテーパ面81a91aのそれぞれの最先端部における径により一義的に決定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においてには、三次元的に折曲した成形品をブロー成形により、しかもバリ無しブロー成形により成形する要望が高まっている。
しかし、上記従来のダイノズルをダイヘッド部に有する押出機では、パリソンの肉厚を変化させることができるもののパリソン径を変化させることができないため、この従来の押出機を用いて、バリ無しで三次元ブロー成形しようとすると、以下に示すような問題がある。
【0008】
例えば、均一な径を有するパリソンから部分的に径が大きくなった大径部を有する管状部品をバリ無しブロー成形する場合、パリソンの大径部に相当する部分において、ブローアップ時に樹脂材料のブローアップ率の限界値を越えたときに破れが発生してしまうので、部分的に径を大きくすることには限界がある。
また、当然のことながらパリソンの大径部に相当する部分は、上記ダイバージ方式及びコンバージ方式のダイノズルにより、他の部分よりも肉厚を厚くするわけだが、このような肉厚制御にも限界がある。このため、パリソンの大径部に相当する部分を例えば最大限に厚くした場合、必然的に他の部分の肉厚もある程度は厚くなってしまう。その結果、成形品全体の重量が重くなる等の不都合を生ずる。
【0009】
さらに、ブローアップ率の限界値の小さい樹脂、例えばPP−GFやPA−GF等のガラス入りの樹脂等を用いる場合は、部分的に径が大きくなった成形品をバリ無しブロー成形することはほとんど不可能である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形することのできるパリソン径可変ダイノズルを創出することを解決すべき技術課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決する請求項1記載のパリソン径可変ダイノズルは、押出機のダイヘッド部に配設され、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形するためのパリソン径可変ダイノズルであって、大径用エッジ部と、該大径用エッジ部の先端側に該大径用エッジ部と同軸状に設けられ該大径用エッジ部の外周側面よりも小さな外径の外周側面を有する小径用エッジ部とをもつノズルと、上記大径用エッジ部の外周側面と対向する内周側面を有する固定ダイと、上記小径用エッジ部の外周側面と対向する内周側面を有し、上記固定ダイの先端側に位置し上記ノズルの軸と略直角方向にスライド可能な分割ダイとを備えたことを特徴とするものである。
(2)好適な態様において、前記ノズルは軸方向にスライド可能とされ、前記大径用エッジ部の外周側面は先端に向かうにつれて大径となる第1ノズルテーパ面とされ、前記小径用エッジ部の外周側面は先端に向かうにつれて小径となる第2ノズルテーパ面とされ、前記固定ダイの内周側面は先端に向かうにつれて大径となる第1ダイテーパ面とされ、前記分割ダイの内周側面は先端に向かうにつれて小径となる第2ダイテーパ面とされる。
(3)好適な態様において、前記ノズルの大径用エッジ部の外形状は略楕円形状とされ、前記分割ダイは2分割された一対の第1分割ダイ部材及び第2分割ダイ部材よりなり、該第1分割ダイ部材及び該第2分割ダイ部材は該楕円の長軸方向に相互に近接又は離隔する方向にスライド可能とされる。
(4)好適な態様において、前記分割ダイは、直線状に延びる溝状被係合凹部と該溝状被係合凹部と所定角度をなして直線状に延びる係合突起部とをそれぞれ有する少なくとも3個の分割ダイ部材よりなり、各該分割ダイ部材の係合突起部がそれぞれ隣接する分割ダイ部材の該溝状被係合凹部とスライド可能に連結され、連結された各分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部が各該分割ダイ部材のスライドにより縮径又は拡径するように構成される。
(5)上記課題を解決する請求項5記載のパリソン径可変ダイノズルは、押出機のダイヘッド部に配設され、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形するためのパリソン径可変ダイノズルであって、外周側面が先端に向かうに連れて小径となる多角錐側面形状のノズルテーパ面とされた先端エッジ部を先端に有し、軸方向にスライド可能なノズルと、内周側面が上記ノズルの先端エッジ部の外周側面に対向し、上記ノズルの軸と略直角方向にそれぞれスライド可能な上記多角錘と同角数に分割された分割ダイ部材よりなる分割ダイとを備え、上記各分割ダイ部材の内周側面は先端に向かうに連れて小径となるダイテーパ面とされるとともに、各該分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部が各該分割ダイ部材のスライドにより上記ノズルの先端エッジ部の多角錐側面形状と対応した相似形状を維持しつつ拡大又は縮小するように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
(1)請求項1記載のパリソン径可変ダイノズルでは、パリソンの大径部を成形する際には分割ダイを相互に離反する方向に移動させ、分割ダイの内周側面が固定ダイの内周側面よりも外側に位置するように分割ダイを開いた状態で樹脂材料を押出成形する。これにより、ノズルの大径用エッジ部の外周側面と固定ダイの内周側面との間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、パリソンの大径部が成形される。そして、パリソンの小径部を成形する際には分割ダイを相互に近接する方向に移動させ、分割ダイの内周側面が固定ダイの内周側面よりも内側に位置するように分割ダイを閉じた状態で樹脂材料を押出成形する。これにより、ノズルの小径用エッジ部の外周側面と分割ダイの内周側面との間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、パリソンの小径部が成形される。
(2)また、上記ノズルを軸方向にスライド可能とし、大径用エッジ部の外周側面を先端に向かうにつれて大径となる第1ノズルテーパ面とし、小径用エッジ部の外周側面を先端に向かうにつれて小径となる第2ノズルテーパ面とし、固定ダイの内周側面を先端に向かうにつれて大径となる第1ダイテーパ面とし、分割ダイの内周側面を先端に向かうにつれて小径となる第2ダイテーパ面とした場合は、パリソンの大径部、小径部を成形する際、それぞれの肉厚を可変とすることができる。すなわち、パリソンの大径部を成形する際において、ノズルを先端方向に移動させれば、大径用エッジ部の第1ノズルテーパ面と固定ダイの第1ダイテーパ面との間のクリアランスが拡大されるので、パリソンの大径部の肉厚を厚くすることができ、一方、ノズルを逆方向に移動させれば、上記クリアランスが縮小されるので、パリソンの大径部の肉厚を薄くすることができる。また、パリソンの小径部を成形する際において、ノズルを先端方向に移動させれば、小径用エッジ部の第2ノズルテーパ面と分割ダイの第2ダイテーパ面との間のクリアランスが縮小されるので、パリソンの小径部の肉厚を薄くすることができ、一方、ノズルを逆方向に移動させれば、上記クリアランスが拡大されるので、パリソンの小径部の肉厚を厚くすることができる。
(3)さらに、ノズルの大径用エッジ部の外形状を略楕円形状とし、分割ダイを2分割された一対の第1分割ダイ部材及び第2分割ダイ部材より構成するとともに、該第1分割ダイ部材及び該第2分割ダイ部材を該楕円の長軸方向にスライド可能とした場合は、分割ダイを開いた状態でパリソンの大径部を成形した後に小径部を成形するために分割ダイを閉じる際、成形されたパリソンの大径部が分割ダイで挟まれる領域を減少させることができ、パリソンの破損等を効果的に防ぐことができる。
(4)さらに、前記分割ダイが、直線状に延びる溝状被係合凹部と該溝状被係合凹部と所定角度をなして直線状に延びる係合突起部とをそれぞれ有する少なくとも3個の分割ダイ部材よりなり、各該分割ダイ部材の係合突起部がそれぞれ隣接する分割ダイ部材の溝状被係合凹部とスライド可能に連結され、連結された各分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部が各該分割ダイ部材のスライドにより縮径又は拡径するように構成されている場合は、分割ダイのスライド時に、成形されたパリソンが分割ダイからはみ出したり、分割ダイにより挟まれて破損したりすることを、連結された各分割ダイ部材の連続した内周側面により確実に防止することができる。
(5)請求項5記載のパリソン径可変ダイノズルでは、パリソンの大径部を成形する際には、ノズルを先端方向に進出させた状態で、かつ、各分割ダイ部材の内周側面で形成される中央開口部が拡大する方向に各分割ダイ部材を移動させて分割ダイを開いた状態で樹脂材料を押出成形する。なお、この時、ノズルの先端エッジ部のノズルテーパ面と分割ダイ部材のダイテーパ面との間のクリアランスが成形されるパリソンの肉厚となるので、該クリアランスが所定量となるようにノズルの軸方向スライド量を調整する。これにより、ノズルの先端エッジ部のノズルテーパ面と各分割ダイ部材のダイテーパ面との間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、所定の肉厚を有するパリソンの大径部が成形される。そして、パリソンの小径部を成形する際には、ノズルを後退させた状態で、かつ、各分割ダイ部材の内周側面で形成される中央開口部が縮小する方向に各分割ダイ部材を移動させて分割ダイを閉じた状態で樹脂材料を押出成形する。この際も、ノズルの先端エッジ部のノズルテーパ面と分割ダイ部材のダイテーパ面との間のクリアランスが所定量となるように、ノズルの軸方向スライド量を調整する。これにより、ノズルの先端エッジ部のノズルテーパ面と各分割ダイ部材のダイテーパ面との間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、所定の肉厚を有するパリソンの小径部が成形される。
【0012】
また、パリソンの大径部又は小径部の成形中や、大径部と小径部との境界部の成形中に、ノズルを軸方向にスライドさせてノズルの先端エッジ部のノズルテーパ面と各分割ダイ部材のダイテーパ面との間のクリアランスを拡大、縮小させることにより、成形されるパリソンの肉厚を制御することができる。
さらに、各分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部がノズルの先端エッジ部の外形状と対応した相似形状を維持しつつ拡大又は縮小するように各分割ダイ部材がスライドするので、分割ダイのスライド時に、成形されたパリソンが分割ダイからはみ出したり、分割ダイにより挟まれて破損したりすることを確実に防止することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例は、図9に示すように、両端側に設けられた小径部40a、40aと、中央部に各小径部40a、40aと連続的に設けられた大径部40bとを有するパリソン40を押出成形するもので、このパリソン40は自動車用として搭載されるレゾネータ(消音機構)付きダクトをブロー成形する際に用いることができる。
【0014】
図1〜図4に示すように、本実施例のパリソン径可変ダイノズルは、ブロー成形用の押出機のダイヘッド部10に配設されており、ノズル1と、固定ダイ2と、一対の分割ダイ部材3、3とから主に構成されている。なお、ダイヘッド部10は第1の樹脂材料を注出する第1流路10aと、第2の樹脂材料を注出する第2流路10bとを有している。また、図1は分割ダイ部材3、3が開いた状態を示す部分断面図であり、図2は図1の状態を下から見た底面図であり、図3は分割ダイ部材3、3が閉じた状態を示す部分断面図であり、図4は図3の状態を下から見た底面図である。
【0015】
ノズル1は、正面図を図5に、側面図を図6に、平面図を図7に、底面図を図8にそれぞれ示すように、大径用エッジ部11と、大径用エッジ部11の先端側に大径用エッジ部11と同軸状に設けられた小径用エッジ部12とを有している。大径用エッジ部11の外形状は楕円形状であり、大径用エッジ部11の上側の外周側面は先端側(図5の下方側)に向かうに連れて大径となる第1ノズルテーパ面11aとされている。小径用エッジ部12の外形状は、上記大径用エッジ部11の外形状をなす楕円の短軸長より若干短い直径を有する真円形状である。この小径用エッジ部12は、大径用エッジ部11の下端から傾斜面13を介して連続的に設けられている。そして、小径用エッジ部12の外周面は、先端に向かうにつれて小径となる第2ノズルテーパ面12aとされている。なお、ノズル1の中心には、後述する駆動装置に連接された軸部にノズルを固定するための取付穴1aが設けられている。
【0016】
このノズル1の上端には、図1に示すように、図示しない油圧シリンダ等の駆動装置に連接された軸部14がボルト15により固定され、該ノズル1はダイヘッド部10に対して軸方向(図1の上下方向)にスライド可能とされている。
固定ダイ2はダイヘッド部10にボルト21により固定されている。固定ダイ2の内面形状は大径用エッジ部11の外形状と対応する楕円形状を有し、その内周側面は大径用エッジ部11の第1ノズルテーパ面11aと対向するように先端に向かうにつれて大径となる第1ダイテーパ面2aとされている。
【0017】
一対の分割ダイ部材3、3は、上記固定ダイ2の先端側に位置して上面が固定ダイ2の下面と摺接し、ダイヘッド部10にボルト締めされた一対の案内部32、32に沿って、水平方向(ノズル1の軸と直角方向)で上記大径用エッジ部11の外形状である楕円の長軸方向に相互に近接又は離隔する方向にスライド可能とされている。なお、各分割ダイ部材3、3が開いた状態では、分割ダイ部材3の後述する第2ダイテーパ面3aの先端の最小径部が上記固定ダイ2の第1ダイテーパ面2aの先端の最大径部よりも外側に位置するように設定されている。各分割ダイ部材3の後退側端面には、シリンダ装置31のロッド部31aの先端が固定された押さえ板31bが固定されている。このシリンダ装置31は、ダイヘッド部10にボルト締めされた枠体31cに連結されている。そして、両分割ダイ部材3、3が完全に閉じた状態で、各分割ダイ部材3の上方側の内面形状は固定ダイ2の内面形状と一致する楕円形状をなし、下方側の内周側面は先端に向かうにつれて小径となる第2ダイテーパ面3aとされるとともに、両分割ダイ部材3、3の第2ダイテーパ面3a、3aの先端により形成される中央開口形状はノズル1の小径用エッジ部12の先端の最小径部よりも大径の真円形状とされている。
【0018】
上記構成を有する本実施例のパリソン径可変ダイノズルでは、パリソンの大径部を成形する際には、油圧シリンダ31、31の駆動により分割ダイ部材3、3を相互に離反する方向に移動させて、分割ダイ部材3の第2ダイテーパ面3aの先端の最小径部が固定ダイ2の第1ダイテーパ面2aの先端の最大径部よりも外側に位置するよう分割ダイ部材3、3を開いた状態で、ダイヘッド部10の例えば第1流路10aを介して第1の樹脂材料を注出し、押出成形する。これにより、ノズル1の大径用エッジ部11の第1ノズルテーパ面11aと固定ダイ2の第1ダイテーパ面2aとの間のクリアランスA(図2に斜線で示す部分)から樹脂材料が押し出されて、パリソンの大径部が成形される。このとき、ノズル1を図示しない駆動装置により先端方向(下方)に移動させれば、大径用エッジ部11の第1ノズルテーパ面11aと固定ダイ2の第1ダイテーパ面2aとの間のクリアランスAが拡大されるので、パリソンの大径部の肉厚を厚くすることができ、一方、ノズル1を逆方向に移動させれば、上記クリアランスAが縮小されるので、パリソンの大径部の肉厚を薄くすることができる。
【0019】
そして、パリソンの小径部を成形する際には、油圧シリンダ31、31の駆動により分割ダイ部材3、3を相互に近接する方向に移動させて、両分割ダイ部材3、3の第2ダイテーパ面3a、3aの先端により形成される中央開口形状がノズル1の小径用エッジ部12の先端の最小径部よりも大径の真円形状となるように分割ダイ部材3、3を閉じた状態で、ダイヘッド部10の第1流路10aを介して第1の樹脂材料を注出し、押出成形する。なお、分割ダイ部材3、3の移動は、樹脂材料を連続的に注出している状態で行うことができる。これにより、ノズル1の小径用エッジ部12の第2ノズルテーパ面12aと分割ダイ部材3、3の第2ダイテーパ面3a、3aとの間のクリアランス(図4にBで示す斜線部)から樹脂材料が押し出されて、パリソンの小径部が成形される。このとき、図示しない駆動装置によりノズル1を先端方向(下方)に移動させれば、小径用エッジ部12の第2ノズルテーパ面12aと分割ダイ部材3、3の第2ダイテーパ面3a、3aとの間のクリアランスBが縮小されるので、パリソンの小径部の肉厚を薄くすることができ、一方、ノズル1を逆方向に移動させれば、上記クリアランスBが拡大されるので、パリソンの小径部の肉厚を厚くすることができる。
【0020】
このように、パリソンの大径部を成形する段階と小径部を成形する段階とを樹脂材料を注出しながら連続的に切り換えることにより、大径部及び小径部を連続的に成形することができ、しかも大径部又は小径部の肉厚を制御しつつ押出成形することができる。
また、本実施例では、ノズル1の大径用エッジ部11の外形状が楕円形状とされ、分割ダイ部材3、3が該楕円の長軸方向にスライド可能とされているので、分割ダイ部材3、3を開いた状態でパリソンの大径部を成形した後に小径部を成形するために分割ダイ部材3、3を閉じる際、成形されたパリソンの大径部が分割ダイ部材3、3で挟まれる領域(図2にCで示す領域)を、例えば大径用エッジ部11の外形状が真円形状とされている場合と比較して減少させることができ、パリソンの破損等を効果的に防ぐことができる。なお、分割ダイ部材3、3の下方において、成形されたパリソンが分割ダイ部材3、3で挟まれることを防止すべく、分割ダイ部材3、3のスライド方向と直角な水平方向にスライド可能でパリソンを外方から内方に向かって押さえることのできる押さえ治具を配設したり、同方向にエアを吹き出すことのできるエア吹出装置を配設したりすることも可能である。
【0021】
なお、パリソンの大径部を成形している段階から小径部を成形する段階、又は小径部を成形している段階から大径部を成形する段階へ切り換える際には、樹脂材料の注出を中止してもよく、あるいは注出速度を遅めてもよい。
また、押出成形の途中で、第1流路10aを介する第1の樹脂材料の注出を中止し、直ちに第2流路10bを介して第2の樹脂材料を注出するようにすることにより、複数種類の樹脂よりなるパリソンを成形することも可能である。
【0022】
さらに、樹脂材料の注出中にノズル1の軸方向スライドを介してパリソン径を可変とすることができるので、エクスチェンジブロー成形における異種材料間でのパリソン径スウェル差を吸収して、パリソン径が均一なパリソンを成形することが可能となる。また均一な径のパリソンとすることで、パリソンの金型キャビティ挿入性を向上させることができる。
【0023】
(実施例2)
本実施例は、図10〜図14に示すように、ノズル1の大径用エッジ部11の外形状及び固体ダイ2の内面形状を真円形状とするとともに、分割ダイを4分割された4個の第1〜第4分割ダイ部材4A〜4Dより構成したこと以外は、上記実施例1のパリソン径可変ダイノズルと基本的に同様の構成を有する。なお、図10は分割ダイ部材4A〜4Dが開いた状態を示す部分断面図であり、図11は図10の状態を下から見た底面図であり、図12は分割ダイ部材4A〜4Dが閉じた状態を示す部分断面図であり、図13は図12の状態を下から見た底面図である。
【0024】
各分割ダイ部材4A〜4Dは、分解斜視図を部分的に図14に示すように、基部41と、基部41に一体的に設けられた棒状部42とから構成されている。基部41には、その上面側に直線状に延びる溝状被係合凹部41aが形成されている。なお、基部41の内周面の一部は、棒状部42の根元部から溝状被係合凹部41aの開口部に向けて円弧状に抉られた円弧抉り部41bとされている。一方、棒状部42には、溝状被係合凹部41a内をスライド可能で、溝状被係合凹部41aと直角方向に直線状に延び係合突起部42aが形成されている。また、棒状部42の下方側の内周側面、及び基部41の円弧抉り部41bの下方側の内周側面は、先端に向かう(図10の下方側)に連れて中心方向に延びる第2ダイテーパ面43とされている。なお、基部41の下面側には、この第2ダイテーパ面43と整合して、該第2ダイテーパ面43を収納可能なテーパ状凹部41cが形成されている。
【0025】
各分割ダイ部材4A〜4Dは、各分割ダイ部材4A〜4Dの係合突起部42aがそれぞれ隣接する分割ダイ部材4A〜4Dの溝状被係合凹部41aとスライド可能に連結され、連結された各分割ダイ部材4A〜4Dの内周側面により形成される中央開口部44が各分割ダイ部材4A〜4Dの同期的なスライドにより縮径又は拡径するように構成されている。すなわち、第1分割ダイ部材4Aの係合突起部42aが第2分割ダイ部材4Bの溝状被係合凹部41aにスライド可能に連結され、第2分割ダイ部材4Bの係合突起部42aが第3分割ダイ部材4Cの溝状被係合凹部41aにスライド可能に連結され、第3分割ダイ部材4Cの係合突起部42aが第4分割ダイ部材4Dの溝状被係合凹部41aにスライド可能に連結され、第4分割ダイ部材4Dの係合突起部42aが第1分割ダイ部材4Aの溝状被係合凹部41aにスライド可能に連結されている。また、各分割ダイ部材4A〜4Dは、図示しないアクチュエータに接続され、図11のA〜H方向に均等にかつ同期的に移動可能とされている。これにより、各分割ダイ部材4A〜4Dの係合突起部42aが被係合凹部41a内を前進して各分割ダイ部材4A〜4Dが相互に最も近接し、各分割ダイ部材4A〜4Dの内周側面で形成される中央開口部44が最も縮径された状態で、該中央開口部44は、ノズル1の小径用エッジ部12の先端の最小径部より若干大径の真円形状とされる。なお、この状態で、各分割ダイ部材4A〜4Dの外形状は正方形状とされる(図13参照)。一方、各分割ダイ部材4A〜4Dの係合突起部42aが被係合凹部41a内を後退して各分割ダイ部材4A〜4Dが相互に最も離隔し、各分割ダイ部材4A〜4Dの内周側面で形成される中央開口部44が最も拡径された状態で、該中央開口部44は、固定ダイ2の第1ダイテーパ面2aの先端の最大径部より開口径が大きい略正方形状とされる。
【0026】
本実施例のパリソン径可変ダイノズルでは、上記実施例1と同様の作用、効果の他、以下に示す作用、効果を奏する。すなわち、各分割ダイ部材4A〜4Dの内周側面で形成される中央開口部44は、各分割ダイ部材4A〜4Dのスライド時に、常に連結された状態で縮径又は拡径するので、各分割ダイ部材4A〜4Dのスライド時に、成形されたパリソンが分割ダイ部材4A〜4Dからはみ出したり、分割ダイ部材4A〜4Dにより挟まれて破損したりすることを確実に防止することができる。
【0027】
なお、上記実施例2では、分割ダイを4分割する例について説明したが、この分割数は特に限定されるものではなく、3個以上の分割数であれば適用可能である。
(実施例3)
図15〜図22に示すように、本実施例のパリソン径可変ダイノズルは、ブロー成形用の押出機のダイヘッド部10に配設されており、ノズル1と、固定板5と、8分割された第1〜第8分割ダイ部材6A〜6Hと、回転板7とから主に構成されている。なお、図15は各分割ダイ部材6A〜6Hが開いた状態を示す部分断面図であり、図16は回転板7を図示しない場合において各分割ダイ部材6A〜6Hが開いた状態を下から見た説明図であり、図17は各分割ダイ部材6A〜6Hが閉じた状態を示す部分断面図であり、図18は回転板7を図示しない場合において各分割ダイ部材6A〜6Hが閉じた状態を下から見た説明図である。また、図19は固定板5、第1〜第8分割ダイ部材6A〜6H及び回転板7を分解した状態を模式的に示す斜視図である。
【0028】
本実施例のノズル1は、外周側面が先端に向かうに連れて小径となる正8角錐側面形状のノズルテーパ面13aとされた先端エッジ部13を先端に有し、上記実施例1と同様軸方向にスライド可能とされている。
固定板5は、ノズル1が挿通可能な中央孔5aが設けられ、図示しないボルトによりダイヘッド部10に固定されている。この固定板5の下面には、固定板5を図19の下から見た底面図を図20に示すように、上記中央孔5aの周囲近傍から外方に向かって直線状に延びる8本の案内溝51が設けられている。各案内溝51の延びる方向は、各案内溝51の中心側端部と中央孔5aの中心とを結ぶ直線に対して垂直方向とされている。なお、固定板5の上面には温度調節用の4本の溝52が設けられている。
【0029】
第1〜第8分割ダイ部材6A〜6Hはそれぞれ同一形状をなす。代表して第1分割ダイ6Aについて、その形状を図21(a)〜(d)を参照しつつ説明する。なお、図21(a)は分割ダイ部材6Aを図19の下から見た底面図であり、図21(b)は図21(a)のA視側面図、図21(c)は図21(a)のB視側面図、図21(d)は図21(a)のC視側面図である。分割ダイ部材6Aの上方部(固定板5側の部分)61は平面形状が直角二等辺三角形の板状をなし、分割ダイ部材6Aの下方部(回転板7側の部分)は、本発明に係るダイテーパ面62aとなる傾斜面を形成すべく、上方部61と同一の直角二等辺三角形状の平面をその直角二等辺三角形の一方の斜辺方向(図21(a)のP矢印方向)に連続的にずらした板状をなす。上方部61の上面には、直角二等辺三角形の底辺から頂点方向に所定角度傾斜して延びる案内突起61aが設けられている。この案内突起61aは上記固定板5の案内溝51内をスライド可能とされている。また、下方部62の下面の所定位置にはピン穴62bが設けられ、このピン穴62bには、回転板7の後述する弧状係合溝71にスライド可能に係合する回転用ピン63(図16、図18参照)が嵌合されている。なお、下方部62の下面のピン穴62b近傍には、位置決め用のねじ穴62cが設けられている。
【0030】
回転板7は中央口7aを有し、図示しないボルトによりダイヘッド部10に固定されている。この回転板7の上面には、回転板7を図19の上から見た平面図を図22に示すように、上記中央口7aの周囲近傍から外方に向かって弧状に延び、上記回転用ピン63がスライド可能に係合する8本の弧状係合溝71が設けられている。なお、回転板7は、図示しないアクチュエータにより回転駆動可能とされている。また回転板7には、温度調節用の溝72が設けられている。
【0031】
上記形状を有する各第1〜第8分割ダイ部材6A〜6Hは、それぞれの分割ダイ部材の下方部62の直角三角形状の底辺部分が、隣接する分割ダイ部材の下方部62の直角三角形状の一斜辺部分と一致するように組み合わされ、各分割ダイ部材6A〜6Hの下方部の直角三角形状の底辺部分の中心側により形成される中央開口部60は正八角形状をなす(図16、図18参照)。各分割ダイ6A〜6Hの内周側面には、ノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと対向し、先端方向(図15、図17の下方)に向かうに連れて小径となるダイテーパ面62aが形成される。そして、各分割ダイ部材6A〜6Hは、回転板7の回転が回転されると、回転用ピン63が回転板7の弧状係合溝71の端部で押されることにより各分割ダイ部材6A〜6Hが同期的にスライドする。この各分割ダイ部材6A〜6Hのスライド方向は、固定板5の案内溝51内を各分割ダイ部材6A〜6Hの案内突起61aが案内されてスライドすることにより、一定方向に規制されている。この回転板7の回転に伴う各分割ダイ部材6A〜6Hの同期的なスライドにより、各分割ダイ部材6A〜6Hの内周側面により形成される中央開口部60は、ノズル1の先端エッジ部13の正八角錐側面形状と対応した正八角形の相似形状を維持しつつ拡大又は縮小する。
【0032】
したがって、本実施例のパリソン径可変ダイノズルでは、パリソンの大径部を成形する際には、ノズル1を先端方向(図15の下方側)に進出させた状態で、かつ、回転板7の回転により、各分割ダイ部材6A〜6Hの内周側面で形成される中央開口部60が拡大する方向に各分割ダイ部材6A〜6Hを移動させて分割ダイ6を開いた状態で樹脂材料を押出成形する。なお、この時、ノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと各分割ダイ部材6A〜6Hのダイテーパ面62aとの間のクリアランスが成形されるパリソンの肉厚となるので、該クリアランスが所定量となるようにノズル1の軸方向スライド量を調整する。これにより、ノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと各分割ダイ部材6A〜6Hのダイテーパ面62aとの間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、所定の肉厚を有するパリソンの大径部が成形される。そして、パリソンの小径部を成形する際には、ノズル1を後退させた状態で、かつ、各分割ダイ部材6A〜6Hの内周側面で形成される中央開口部が縮小する方向に各分割ダイ部材6A〜6Hを移動させて分割ダイ6を閉じた状態で樹脂材料を押出成形する。この際も、ノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと分割ダイ部材6A〜6Hのダイテーパ面62aとの間のクリアランスが所定量となるように、ノズル1の軸方向スライド量を調整する。これにより、ノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと各分割ダイ部材6A〜6Hのダイテーパ面62aとの間のクリアランスを樹脂材料が押し出されて、所定の肉厚を有するパリソンの小径部が成形される。
【0033】
また、パリソンの大径部又は小径部の成形中や、大径部と小径部との境界部の成形中に、ノズル1を軸方向にスライドさせてノズル1の先端エッジ部13のノズルテーパ面13aと各分割ダイ部材6A〜6Hのダイテーパ面62aとの間のクリアランスを拡大、縮小させることにより、成形されるパリソンの肉厚を制御することができる。
【0034】
さらに、本実施例では、各分割ダイ部材6A〜6Hの内周側面により形成される中央開口部60がノズル1の先端エッジ部13の外形状と対応した相似形状を維持しつつ拡大又は縮小するように各分割ダイ部材6A〜6Hがスライドするので、分割ダイ6のスライド時に、成形されたパリソンが分割ダイ6からはみ出したり、分割ダイ6により挟まれて破損したりすることを確実に防止することができる。
【0035】
なお、上記実施例3では、ノズル1の先端エッジ部13の外形状を正八角錐形状とし、かつ、分割ダイ6を8分割に分割する例について説明したが、この多角錐の角数及び分割数は特に限定されるものではない。
また、本実施例では、本発明のパリソン径可変ダイノズルを用いてブロー成形用のパリソンを押出成形する例について説明したが、単なる押出成形により異径部を有する管状樹脂成形品を成形する際にも本発明のパリソン径可変ダイノズルを利用可能であることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載のパリソン径可変ダイノズルは、分割ダイを開いた状態ではノズルの大径用エッジ部の外周側面と固定ダイの内周側面とによりパリソンの大径部を成形し、分割ダイを閉じた状態ではノズルの小径用エッジ部の外周側面と分割ダイの内周側面とによりパリソンの小径部を成形することができ、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形することが可能となる。
【0037】
また、上記ノズルを軸方向にスライド可能とし、大径用エッジ部及び小径用エッジ部の外周側面、並びに固定ダイ及び分割ダイの内周側面を所定のテーパ面とした場合には、パリソンの大径部、小径部を成形する際、ノズルのストロークを大きくすることなく、それぞれの肉厚を制御することができる。
さらに、ノズルの大径用エッジ部の外形状を略楕円形状とし、分割ダイを該楕円の長軸方向にスライド可能とした場合は、分割ダイによるパリソンの挟み込みを減少することができ、パリソンの破損等を効果的に防ぐことができる。
【0038】
また、請求項5記載のパリソン径可変ダイノズルによれば、成形中にパリソンの肉厚を自由に制御しつつ、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形することができ、しかも分割ダイ移動時にパリソンの挟み込みによる破損等を確実に防ぐことができる。
そして、本発明のパリソン径可変ダイノズルによれば、異径部が連続的に形成されたパリソンを成形することができるので、従来、一体成形では不可能とされていた形状のバリ無しブロー成形品の成形が可能となる。また、ブローアップ率の限界値の低い樹脂材料、例えばTPE(熱可塑性エラストマー)、PP−GF、PA−GF等の樹脂材料を用いて、部分的に径が大きくなった成形品をバリ無しブロー成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが開いた状態を示す部分断面図である。
【図2】本実施例1に係るパリソン径可変ダイノズルの図1の状態を下から見た底面図である。
【図3】本実施例1に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが閉じた状態を示す部分断面図である。
【図4】本実施例1に係るパリソン径可変ダイノズルの図3の状態を下から見た底面図である。
【図5】本実施例1に係るノズルを示す正面図である。
【図6】本実施例1に係るノズルを示す側面図である。
【図7】本実施例1に係るノズルを示す平面図である。
【図8】本実施例1に係るノズルを示す底面図である。
【図9】本実施例1により成形したパリソンの断面図である。
【図10】本実施例2に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが開いた状態を示す部分断面図である。
【図11】本実施例2に係るパリソン径可変ダイノズルの図10の状態を下から見た底面図である。
【図12】本実施例2に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが閉じた状態を示す部分断面図である。
【図13】本実施例2に係るパリソン径可変ダイノズルの図12の状態を下から見た底面図である。
【図14】本実施例2に係る分割ダイ部材の分解斜視図を部分的に示す図である。パリソン径可変ダイノズルの図12の状態を下から見た底面図である。
【図15】本実施例3に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが開いた状態を示す部分断面図である。
【図16】本実施例3に係るパリソン径可変ダイノズルの回転板を図示しない場合において、分割ダイが開いた状態を下から見た説明図である。
【図17】本実施例3に係るパリソン径可変ダイノズルを全体構成を示し、分割ダイが閉じた状態を示す部分断面図である。
【図18】本実施例3に係るパリソン径可変ダイノズルの回転板を図示しない場合において、分割ダイが閉じた状態を下から見た説明図である。
【図19】本実施例3に係る固定板、分割ダイ及び回転板を分解した状態を模式的に示す斜視図である。
【図20】本実施例3に係る固定板を図19の下から見た底面図である。
【図21】本実施例3に係る分割ダイ部材を示し、(a)は分割ダイ部材を図19の下から見た底面図、(b)は(a)のA視側面図、(c)は(a)のB視側面図、(d)は(a)のC視側面図である。
【図22】本実施例3に係る回転板を図19の上から見た平面図である。
【図23】従来のダイノズルを説明する部分断面図である。
【図24】その他の従来のダイノズルを説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1はノズル、11は大径エッジ部、11aは第1ノズルテーパ面、12は小径エッジ部、12aは第2ノズルテーパ面、13は先端エッジ部、13aはノズルテーパ面、2は固定ダイ、2aは第1ダイテーパ面、3は分割ダイ、3aは第2ダイテーパ面、31は油圧シリンダ装置、4は分割ダイ、4A〜4Dは第1〜第4分割ダイ部材、41aは溝状被係合凹部、42aは係合突起部、44は中央開口部、5は固定板、51は案内溝、6は分割ダイ、6A〜6Hは第1〜第8分割ダイ部材、61aは案内突起、62aはダイテーパ面、60は中央開口部、7は回転板、71は弧状係合溝、40はパリソン、40aは小径部、40bは大径部である。
Claims (5)
- 押出機のダイヘッド部に配設され、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形するためのパリソン径可変ダイノズルであって、
大径用エッジ部と、該大径用エッジ部の先端側に該大径用エッジ部と同軸状に設けられ該大径用エッジ部の外周側面よりも小さな外径の外周側面を有する小径用エッジ部とをもつノズルと、
上記大径用エッジ部の外周側面と対向する内周側面を有する固定ダイと、
上記小径用エッジ部の外周側面と対向する内周側面を有し、上記固定ダイの先端側に位置し上記ノズルの軸と略直角方向にスライド可能な分割ダイとを備えたことを特徴とするパリソン径可変ダイノズル。 - 前記ノズルは軸方向にスライド可能とされ、前記大径用エッジ部の外周側面は先端に向かうにつれて大径となる第1ノズルテーパ面とされ、前記小径用エッジ部の外周側面は先端に向かうにつれて小径となる第2ノズルテーパ面とされ、前記固定ダイの内周側面は先端に向かうにつれて大径となる第1ダイテーパ面とされ、前記分割ダイの内周側面は先端に向かうにつれて小径となる第2ダイテーパ面とされていることを特徴とする請求項1記載のパリソン径可変ダイノズル。
- 前記ノズルの大径用エッジ部の外形状は略楕円形状とされ、前記分割ダイは2分割された一対の第1分割ダイ部材及び第2分割ダイ部材よりなり、該第1分割ダイ部材及び該第2分割ダイ部材は該楕円の長軸方向に相互に近接又は離隔する方向にスライド可能とされていることを特徴とする請求項1又は2記載のパリソン径可変ダイノズル。
- 前記分割ダイは、直線状に延びる溝状被係合凹部と該溝状被係合凹部と所定角度をなして直線状に延びる係合突起部とをそれぞれ有する少なくとも3個の分割ダイ部材よりなり、各該分割ダイ部材の係合突起部がそれぞれ隣接する分割ダイ部材の該溝状被係合凹部とスライド可能に連結され、連結された各分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部が各該分割ダイ部材のスライドにより縮径又は拡径するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のパリソン径可変ダイノズル。
- 押出機のダイヘッド部に配設され、大径部及び小径部が連続的に成形されたパリソンを押出成形するためのパリソン径可変ダイノズルであって、
外周側面が先端に向かうに連れて小径となる多角錐側面形状のノズルテーパ面とされた先端エッジ部を先端に有し、軸方向にスライド可能なノズルと、
内周側面が上記ノズルの先端エッジ部の外周側面に対向し、上記ノズルの軸と略直角方向にそれぞれスライド可能な上記多角錘と同角数に分割された分割ダイ部材よりなる分割ダイとを備え、
上記各分割ダイ部材の内周側面は先端に向かうに連れて小径となるダイテーパ面とされるとともに、各該分割ダイ部材の内周側面により形成される中央開口部が各該分割ダイ部材のスライドにより上記ノズルの先端エッジ部の多角錐側面形状と対応した相似形状を維持しつつ拡大又は縮小するように構成されていることを特徴とするパリソン径可変ダイノズル。
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