JPH09262897A - ブロー成形方法およびブロー成形エアスポイラー - Google Patents

ブロー成形方法およびブロー成形エアスポイラー

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JPH09262897A
JPH09262897A JP7442196A JP7442196A JPH09262897A JP H09262897 A JPH09262897 A JP H09262897A JP 7442196 A JP7442196 A JP 7442196A JP 7442196 A JP7442196 A JP 7442196A JP H09262897 A JPH09262897 A JP H09262897A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】扁平細幅で端部が極端に屈曲したエアスポイラ
ーを全体に均一な肉厚を有して成形することを可能にし
た成形方法と、その成形方法により成形されたエアスポ
イラーとを提供する。 【解決手段】溶融樹脂を筒状のパリソン(P) として押し
出した後に同パリソン(P) の周面にローラー(20)を一定
の曲率を有する円弧状に当接させて同パリソン(P) を略
楕円形の横断面形状に変形させる。続いて、パリソン
(P) を成形金型(3O)に収容端部(P1)を開放して内外圧差
を無くして収容する。このため、変形された横断面形状
を維持できると共に、型閉め時にもパリソン(P) は金型
(30)の形状に沿って全体が局部的な薄肉部が生じさせる
ことなく屈曲される。また、パリソン(P) は略楕円形状
の横断面を有するため、同金型(30)とほぼ線状に接触す
るにすぎず、パリソン(P) 表面の樹脂が局部的に冷却さ
れることがない。この状態でブロー成形がなされるた
め、パリソン(P) は金型(30)内面に沿って均一に膨張
し、全体に均一な肉厚を有するエアスポイラーを得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空体をブロー成形
する方法に関し、特に車両のエアスポイラーのような扁
平で湾曲部を有する中空体をブロー成形する方法及びそ
の成形体であるエアスポイラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、例えば自動車の天井パネルやエ
アスポイラー等の扁平で且つ湾曲した形態を有する中空
体は、円筒状のパリソンを金型に収容しブロー成形しよ
うとすると、金型を閉じる際にパリソンが金型面に押し
潰されて扁平になり、このときパリソンは広い面で金型
の内面に接触し、その接触部は金型により冷却されるた
め、後にブロー成形がなされたときに同接触部の樹脂は
流動しににくなり、均一な肉厚のブロー成形体を得るこ
とが困難であった。更に、金型を閉じる際に、特に湾曲
しているキャビティ部分においてパリソンの対向する内
面同士が接合してしまい、ブロー成形することができな
い場合さえあった。
【0003】このような課題を軽減し、ブロー成形によ
る扁平な中空体の成形を可能にする方法として、例えば
特開平2−128825号公報には扁平な中空体のブロ
ー成形方法が開示されている。同公報に開示されたブロ
ー成形方法では、ダイス(ブローヘッド)から円筒状に
押し出されたパリソンはピンチ具により開放する金型間
に引き取られながら案内される。前記ダイスと金型との
間にはパリソンの押出方向に直交して押出路を挟んで所
要の間隙をもたせた一対の案内ローラーが配されてお
り、パリソンは押出直後に前記案内ローラーに当接して
その断面形状を扁平な長円形とされて送り出される。こ
のとき、扁平なパリソンの押出先端は前記ピンチ具によ
り閉鎖されると共に挟持されて金型の内部を引き取られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、円筒状
に押し出されるパリソンを予め扁平な形状にして、より
金型の内面形状に近づけて金型に送られるとしても、ピ
ンチ具によってパリソンの押出先端が閉鎖されると共に
引き取られるとき、押出直後のパリソンの内部は樹脂の
溶融温度と略同一の高温となっており、押出直後に案内
ローラーを当接させて断面を扁平な形状とされたパリソ
ンも、外気に触れると内部の空気が膨張してその断面が
円形に復元してしまい、金型の内面に接触しやすくな
る。また、その復元を見越して前記一対の案内ローラー
を互いに接近させて配すると、パリソンの対向する内面
同士が接着するおそれがある。
【0005】そこで、上記公報に開示された方法では、
金型の内部にパリソンの周面に熱風を吹き付ける案内板
が設けられ、同金型を閉じるまでの間、前記パリソンに
対して周辺から熱風を吹き付け、同パリソンが金型の内
面に接触するのを防止している。そのため、樹脂の流動
性を局部的に損なうことはなくなる。しかるに、このよ
うにパリソンの周面に熱風を吹き付ける場合には、パリ
ソンの内面同士が接合しやすくなり、これを避けるため
にはパリソン内部に低圧の空気を吹き込む必要がある。
そのため、いずれにしても扁平な形状を維持するために
は内外からの高精度の圧力制御が必要となるが、同パリ
ソンは順次押し出されるため、その内部の容積変化及び
外表面の面積変化に対応して内外の圧力のバランスを取
ることは非常に困難である。
【0006】また、たとえ圧力制御により扁平な形状を
維持できたとしても、上述の方法では軸方向に同一の径
を有するローラーを当接させているため、パリソンのロ
ーラーへの当接面は平面となり、金型を閉じたときには
その平面の大半が金型の内面と面接触し、パリソンはブ
ロー前に従来以上に広い面にわたって冷却されることに
なる。そのためブロー時の樹脂の流動が少なくなり、特
に金型を閉めたときに同金型に当接していない周縁部の
樹脂のみが流動することとなり、同周縁部における肉厚
が極端に薄くなってしまう。
【0007】更に、緩やかに湾曲する形態をもつ中空成
形品を得ようとする場合には、上述の方法のように押出
端部が閉鎖されていても、その湾曲部に過大な負担が生
じることはないが、例えばエアスポイラーのように細幅
で両端が極端に屈曲して大きく立ち上がった形態の中空
体を成形するような場合には、前述のように端部が閉鎖
されていると前記屈曲部の外角部がより大きく引っ張ら
れ、内角部では樹脂が弛んだ状態で屈曲され、外角部は
極端に薄肉となってしまう。また、特に前記エアスポイ
ラーでは、後方の視界を遮ることなく空力特性を十分に
発揮し、且つスポーティーな外観が要求されるが、その
ためには端部の立ち上がったスタンドオフ部を高くする
ことが望まれている。このスタンドオフ部の高さを大き
くすると、走行時の空力による屈曲部の負担が更に大き
くなり、特に空圧による応力の集中する屈曲部において
十分な肉厚を必要とする。
【0008】そこで、本発明はブロー時に樹脂が均等に
且つ円滑に流動し、大きな湾曲部をもつ中空体であって
も均一な肉厚に成形可能で、特にエアスポイラーのよう
に扁平細幅で端部が屈曲して大きく立ち上がった形態を
もつ中空体においても、均一な肉厚に成形することが可
能な成形方法を提供すると共に、その成形方法により成
形され、特に屈曲部においても十分な強度を有するエア
スポイラーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、溶融樹脂を筒状のパリソンとして押し出
し、前記パリソンの周面に当て部材を当接させてパリソ
ンの横断面形状を異形に変化させると共に、同横断面形
状を維持しつつ同パリソンを少なくとも2分割された成
形金型に収容し、金型の閉じた後に同パリソン内部に加
圧流体を吹き込むことを特徴とするブロー成形方法を主
要な構成とする。
【0010】異形に変化された前記横断面形状を維持す
るためには、前記成形金型への異形にされた前記パリソ
ンの収容時は同パリソンの収容端部が開放されているこ
とが好ましい。また、前記当て部材のパリソン周面に対
する当接形状が曲線をなしており、筒状の同パリソンの
横断面を前後寸法と左右寸法が相対的に変化した横断面
形状となすことが好ましい。
【0011】上述の方法によれば、筒状に押し出されて
当て部材により横断面形状を異形に変化されたパリソン
は、その端部が開放しておりパリソン内部が外気と連通
しているために、何ら内部の圧力を制御することなくそ
の断面形状を維持した状態で金型内に収容することがで
きる。更に金型を閉める際にも端部が開放しているた
め、例えばエアスポイラーのように細幅で両端が屈曲し
て大きく立ち上がった形状の金型であっても、屈曲部に
おいて外角部と内角部とでそれぞれにパリソンが移動し
ながら屈曲できるため、外角部においてパリソンが延伸
されて極端に薄肉となることがない。また、前記当て部
材のパリソンの周面に対する当接形状が曲線をなしてお
り、即ちパリソンはどの部位においても平坦な面は備え
ていないため、金型に収容したときに同金型と線状に接
触するにすぎず、広い面で金型と接触して冷却されるこ
とはないため、樹脂の流動性を十分に保つことができ
る。そのため、均一な肉厚の成形品を得ることができ
る。
【0012】本発明においては、前記当て部材のパリソ
ン周面に対する当接形状が一定の曲率を有して前記パリ
ソンに当接し、又は前記当て部材のパリソン周面に対す
る当接形状が複数の曲線を滑らかに連結して得られる曲
線状をなし前記パリソンに当接することが好ましい。
【0013】前記当て部材は上記曲線からなる母線を有
する回動可能なローラーを使用することができる。前記
ローラーの一例して、単一の支軸に回動可能に支持さ
れ、長さ方向に対して変化する径を有するローラーがあ
る。この場合には部品の点数が少なくできるが、より好
ましい他の例としては、単一の支軸に回動可能に支持さ
れた径の異なる複数のローラーからなり、各ローラーに
より前記当接形状を任意の曲線とする。このとき各ロー
ラーが自由回動するように支持すれば、径の異なる各ロ
ーラーがそれぞれにパリソンに当接できるため、それぞ
れがパリソンの押し出しに追随して回動でき、パリソン
の表面に皺や歪みが生じることがない。また、複数の支
軸に回動可能に支持された径の異なる複数のローラーか
らなり、各ローラーにより前記当接形状を任意の曲線と
することもできる。この場合には、各ローラーをパリソ
ンの押出速度に合わせてそれぞれに駆動回転させること
がでる。更に、長さ方向にわたって複雑な曲線形状に配
置することもでき、金型の断面形状と略同一の形状に変
形可能となり、より均一な肉厚の成形品を得ることがで
きる。
【0014】前述のブロー成形方法によれば、細幅で両
端が屈曲して大きく立ち上がった形状のエアスポイラー
を高品質に成形することができる。即ち、その応力が集
中する屈曲部においても十分な肉厚で成形できるため、
スタンドオフ部を高くすることが可能となり、空力特性
を十分に備え且つスポーティーな外観のエアスポイラー
を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図示実施例を参照して詳細に説明する。図1
は本発明のブロー成形方法に用いられるエアスポイラー
のブロー成形装置1の概略図である。これらの図におい
て、符号10はダイス、20は前記ダイス10から押し
出されるパリソンPに当接する本発明の当て部材として
の一対のローラー、30は金型を示している。
【0016】前記ダイス10からABS樹脂または変形
PPOなどの樹脂は溶融されて直径320mm、平均肉厚
4mmの円筒状のパリソンPとして押し出される。一対の
前記ローラー20,20は、ダイス10と前記金型30
との間に押出方向と直交してパリソンPを挟んで配設さ
れている。また、本実施例では前記ローラー20は流体
圧シリンダー等からなる進退駆動装置20aにより、パ
リソンPに対して接離可能に駆動される。前記金型30
はコア型30aとキャビ型30bとからなり、ダイプレ
ート31に図示せぬクランプ部材により取り付けられて
いる。同金型30は、前記コア型30aとキャビ型30
bとを閉じたとき、両端が極端に屈曲して大きく立ち上
がったスタンドオフ部が高いエアスポイラーを成形する
ためのキャビティが形成される。
【0017】図2は図1に示すI−I線に沿った横断面
図である。ローラー20はその長さ方向の中央部が最も
小径で、両端部に向けて径を漸増する略鼓状をなしてお
り、パリソンPの周面に対する当接形状は一定の曲率を
有する滑らかな円弧をなし、前記一対のローラー20に
より挟まれて円形断面形状をなすパリソンPはその横断
面を前後寸法と左右寸法が相対的に変化した長径と短径
の比が約3:1の楕円形状に変形される。前記ローラー
20,20の間隙は前記進退駆動装置20aにより所望
の間隙に設定され、前記長径と短径の比を任意に設定す
ることができるが、前記ローラー20,20が最も接近
した状態でも間隙を有しており、パリソンPの対向する
面を密着させることはない。
【0018】前記ローラー20により断面が楕円形状に
変形されたパリソンPは、前記金型30のコア型30a
とキャビ型30bとの間に押出端部が前記金型30の下
端に到達するまで送り込まれ収容される。このときの収
容端部P1は開放されており、パリソンPの内部と外気
とが連通しているため、パリソンPは変形された横断面
形状を維持した状態で金型30内に収容される。その
後、前記金型30を閉じるが、このとき収容端部P1が
開放しているパリソンPは、スタンドオフ部が高い本実
施例のエアスポイラーを成形する場合であっても、屈曲
部を構成する金型30の内面に沿って屈曲する際に、そ
の屈曲部の内角面と外角面とでそれぞれが圧縮方向と展
延方向とに円滑に流動しながら屈曲されるため、外角面
においてパリソンPが均等に延伸され極端な薄肉となる
ことはないし、内角面は均斉な肉厚をもつようになり、
スタンドオフ部が高く且つ強力な空力にも十分に耐え得
るエアスポイラーが成形される。
【0019】図3はブロー前の金型30が閉鎖された状
態を示す図1のII−II線に沿った断面図である。同図に
示すように、パリソンPはその周面が一定の曲率を有す
る滑らかな円弧面に形成されているため、コア型30a
及びキャビ型30bの内面とは長さ方向にわたって線状
に、或いは多少金型30により左右から押し潰されたと
しても僅かな幅をもって接触するに過ぎず、ブロー成形
時における樹脂の流動性を減じることがない。
【0020】この状態でブロー圧9〜11kgf/cm2
ブロー成形すると、図3に仮想線で示したようにコア型
30a及びキャビ型30bの内面全体に平均肉厚が約
3.5mmの略均一な肉厚で膨張し、特に従来の方法では
薄肉になりやすいコア型30a及びキャビ型30bの図
3における上下壁面においても、他の部位と略同一の肉
厚を有している。最低でも肉厚は2mm以上であり、エア
スポイラーとして要求される強度を得るのに十分な肉厚
を備えており、全体にわたった均一な肉厚のブロー成形
品を得ることができた。
【0021】このようにしてブロー成形されたスタンド
オフ部2aの高いハイウイング型のエアスポイラー2が
取り付けられた車体の後部斜視図を図4に示す。図に示
すように、本発明のエアスポイラーは車幅の略全幅にわ
たって均一な高さで支持されており、ウイング部2bの
長さは約1.3〜1.5m 、スタンドオフ部2aの高
さ、即ち、前記ウイング部2bと取付け面であるトラン
ク上面3との間隙は28cmである。
【0022】一般にエアスポイラーとはルーフ4上を流
れて後部に達する乱れの少ない気流をウイング部で受け
て、高速走行における車体の浮き上がりを防ぐものであ
るが、スタンドオフ部が高いほどその効果は大きくな
る。しかしながら、スタンドオフ部が高くなるとより強
い気流を受けることとなり、特に屈曲部に作用する応力
も大きくなるため、従来はその強度の点から、スタンド
オフ部を数cm程度にしかできなかった。これに対し、本
発明では屈曲部においても他の部位と同様に十分が肉厚
に成形可能であるため、スタンドオフ部2aの高さを従
来に比べて非常に大きな28cmとすることができ、積極
的に強い気流を作用させて高速走行における車体の浮き
上がりをより効果的に防止し、安定性を向上させること
ができる。また、同時に車両のスポーティーな外観が演
出できると共に、ウイング部2bとトランク上面3との
間隙が大きくなったために後方の視界も向上される。
【0023】以上に説明した成形方法に用いたローラー
20は、その長さ方向の中央部が最も小径で、両端部に
向けて径を漸増する形状をなすものであるが、これに限
定されるものではなく、他にも多様な変形が可能であ
る。例えば図5に示すように、前記ローラー20をその
長さ方向において分割し、最小径のローラー21aを中
心にして、端部に向けて順に大径となるようにローラー
21b,21c、21dと対称に並列させて単一の支軸
で支持し、パリソンPとの当接形状を連続した曲線状と
することができる。このときは、各ローラー21a,2
1b…は支軸に自由回転可能に支持され、径の小さな中
央部は最も高速で、径の大きな両端部のローラーは最も
低速で、それぞれに異なる角速度で回転するが、全ての
ローラー間におけるパリソンPの繰り出し長は一致する
ため、パリソンの押し出しによく追随して回転し、パリ
ソン周面に皺や変形が発生させない。なお、複数のロー
ラー21a,21b…を複数の支軸で駆動回転させるこ
とも可能である。
【0024】また、図6に示すように、同一の径を有す
る複数のローラー22a,22b,22c,22dを例
えば金型の横断面形状などの任意の形状に配列し、当接
形状を任意の曲線とすることもできる。このとき、複数
のローラー22a,22b…は同一径を有するため単一
の支軸で支持すると共に、それらローラーを単一の例え
ば減速されたモーター動力などで一括して駆動回転させ
ることもできる。このように、パリソンPを金型の横断
面形状により近似した断面形状に予め変形させることに
より、金型を閉めたときにその金型内面に当接して冷却
されるパリソンの部位がより少なくなり、ブロー成形時
における樹脂の流動性が向上して、より均一な肉厚を有
する成形品を得ることができる。
【0025】なお、上述の実施例ではエアスポイラーの
成形に適用されるブロー成形方法について説明したが、
本発明のブロー成形方法はエアスポイラーに限らず扁平
な形状で屈曲部を有する例えば自動車のドアパネルや天
井パネルにも適用できることは勿論、各種の中空体の成
形に適用できるものである。
【0026】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明のブロー成形方法によれば、筒状に押し出されたパリ
ソンは当て部材を当接させて金型の形状に合わせてその
横断面形状を一定の曲率を有する異形に変化させると共
に、パリソンの端部は閉鎖することなく開放した状態の
まま金型内に収容され、前記パリソン内部が外気と連通
させるため、バリソンの内外圧に差が生じることがなく
パリソンは変形された断面形状を維持することができ
る。その後に金型を閉じると、変形された断面形状を有
するパリソンは金型内面と線状に接触するに過ぎず接触
面積が小さいため、パリソンの全体にわたって均一な樹
脂の流動性を確保することができる。また、例えばエア
スポイラーのように細幅で両端が極端に屈曲して大きく
立ち上がったキャビティ形状をもつ金型内に収容する場
合にも、パリソンの収容端部が開放しているために、そ
の屈曲部での内角部と外角部においてそれぞれに円滑な
樹脂の流動が確保されて屈曲され、局部的な延伸による
極端な肉薄部位が生じることなく、全体に均斉な肉厚を
有し且つ応力が集中する屈曲部においても十分な強度を
有するエアスポイラーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロー成形方法に用いられるエアスポ
イラーのブロー成形装置の概略図である。
【図2】図1のI−I線に沿った横断面図である。
【図3】ブロー前の金型が閉鎖された状態における図1
のII−II線に沿った横断面図である。
【図4】本発明のエアスポイラーが取り付けられた車体
の後部斜視図をである。
【図5】本発明のブロー成形方法に使用される当て部材
であるローラーの変形例を示す上面図である。
【図6】本発明のブロー成形方法に使用される当て部材
であるローラーの他の変形例を示す上面図である。
【符号の説明】
1 ブロー成形装置 2 エアスポイラー 2a スタンドオフ部 2b ウイング部 3 トランク上面 4 ルーフ 10 ダイス 20 ローラー 20a 進退駆動装置 21a,21b… ローラー 22a,22b… ローラー 30 金型 30a コア型 30b キャビ型 31 ダイプレート P パリソン P1 収容端部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂を筒状のパリソンとして押し出
    し、前記パリソンの周面に当て部材を当接させてパリソ
    ンの横断面形状を異形に変化させると共に、同横断面形
    状を維持しつつ同パリソンを少なくとも2分割された成
    形金型に収容し、金型の閉じた後に同パリソン内部に加
    圧流体を吹き込むことを特徴とするブロー成形方法。
  2. 【請求項2】 前記成形金型への異形にされた前記パリ
    ソンの収容時は同パリソンの収容端部が開放されてなる
    請求項1記載のブロー成形方法。
  3. 【請求項3】 前記当て部材のパリソン周面に対する当
    接形状が曲線をなしており、筒状の同パリソンの横断面
    を前後寸法と左右寸法が相対的に変化した横断面形状と
    なす請求項1記載のブロー成形方法。
  4. 【請求項4】 前記当て部材のパリソン周面に対する当
    接形状が一定の曲率を有して前記パリソンに当接する請
    求項2又は3記載のブロー成形方法。
  5. 【請求項5】 前記当て部材のパリソン周面に対する当
    接形状が複数の曲線を滑らかに連結して得られる曲線状
    をなしており、同曲面を前記パリソン周面に当接する請
    求項2又は3記載のブロー成形方法。
  6. 【請求項6】 前記当て部材は上記曲線からなる母線を
    有する回動可能なローラーである請求項3〜5記載のブ
    ロー成形方法。
  7. 【請求項7】 前記当て部材は単一の支軸に回動可能に
    支持され、長さ方向に対して変化する径を有するローラ
    ーである請求項6記載のブロー成形方法。
  8. 【請求項8】 前記当て部材は単一の支軸に回動可能に
    支持された径の異なる複数のローラーからなり、各ロー
    ラーにより前記当接形状を任意の曲線とする請求項6記
    載のブロー成形方法。
  9. 【請求項9】 前記当て部材は複数の支軸に回動可能に
    支持された径の異なる複数のローラーからなり、各ロー
    ラーにより前記当接形状を任意の曲線とする請求項6記
    載のブロー成形方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9記載のブロー成形方
    法で成形してなることを特徴とするエアスポイラー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011051227A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 樹脂成形品の成形方法および成形装置、並びに熱可塑性樹脂製シートの厚みの調整装置
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