JP3543869B2 - 培養皮膚およびその製造法 - Google Patents
培養皮膚およびその製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3543869B2 JP3543869B2 JP04758795A JP4758795A JP3543869B2 JP 3543869 B2 JP3543869 B2 JP 3543869B2 JP 04758795 A JP04758795 A JP 04758795A JP 4758795 A JP4758795 A JP 4758795A JP 3543869 B2 JP3543869 B2 JP 3543869B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- skin
- cultured
- collagen
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M25/00—Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
- C12M25/14—Scaffolds; Matrices
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M21/00—Bioreactors or fermenters specially adapted for specific uses
- C12M21/08—Bioreactors or fermenters specially adapted for specific uses for producing artificial tissue or for ex-vivo cultivation of tissue
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/0068—General culture methods using substrates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/06—Animal cells or tissues; Human cells or tissues
- C12N5/0697—Artificial constructs associating cells of different lineages, e.g. tissue equivalents
- C12N5/0698—Skin equivalents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2502/00—Coculture with; Conditioned medium produced by
- C12N2502/09—Coculture with; Conditioned medium produced by epidermal cells, skin cells, oral mucosa cells
- C12N2502/094—Coculture with; Conditioned medium produced by epidermal cells, skin cells, oral mucosa cells keratinocytes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2502/00—Coculture with; Conditioned medium produced by
- C12N2502/13—Coculture with; Conditioned medium produced by connective tissue cells; generic mesenchyme cells, e.g. so-called "embryonic fibroblasts"
- C12N2502/1323—Adult fibroblasts
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2533/00—Supports or coatings for cell culture, characterised by material
- C12N2533/50—Proteins
- C12N2533/54—Collagen; Gelatin
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Sustainable Development (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Prostheses (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は培養皮膚およびその製造法に関する。さらに詳しくは、熱傷、創傷、褥瘡または皮膚潰瘍などの皮膚欠損創に用いて、欠損組織を早期に再建させるまたは治療するための培養皮膚用基材、培養皮膚およびそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より浅達性II度熱傷など真皮の浅い部分に達する皮膚欠損創の治療としては創傷被覆材の適用あるいは軟膏塗布ガーゼなどを適用するのが一般的に行われてきた治療である。しかしながら、深達性II度熱傷、III度熱傷あるいはII度以上の褥瘡など真皮の深い部分に達する皮膚欠損を負ったばあい、自己の表皮細胞増殖による皮膚組織の再建は期待できない。そこで、まず壊死組織あるいは不良肉芽組織を切除し、同種皮膚または創傷被覆材などを適用して良好な肉芽組織を再建したのち、自家分層植皮を行うことにより皮膚を再建するという治療が行われてきた。しかし、自家分層植皮を行うばあいには、自己の健全な部位から採皮するが、採皮した部位には傷跡が残るという整容についての問題が生じる。また患部が広範囲であるばあいには、自家分層植皮が困難である。
【0003】
この問題を解決するために、わずかな皮膚片から表皮細胞あるいは線維芽細胞を採取し、フラスコ中で大量培養する技術が開発され、これらの培養細胞を用いた種々の培養皮膚が開発されてきている。
【0004】
ハワード・グリーン(H.Green)、ジェームズ・レインワルド(J.Rheinwald)らが開発した培養表皮は、切手大の皮膚を採取し、表皮細胞をフラスコ中で大量培養して表皮シートをうるものであるが、該シートをフラスコから剥離する際の酵素処理によって最も重要な細胞である基底細胞が損傷を受けるために自家移植において生着率が低いという問題点が指摘されている(黒柳能光、生体材料9巻、1991年2月号参照)。
【0005】
またユージーン・ベル(E.Bell)ら(サイエンス(Science)、211巻、1052〜1054頁、1981年参照)は、皮膚から分離、採取した表皮細胞および線維芽細胞を各々フラスコ中で大量に培養し、線維芽細胞を組み込んだコラーゲンゲル上に表皮細胞を重層化させた培養皮膚を開発した。しかしコラーゲンゲルは、細胞培養中に極端に収縮するのが欠点であった。
【0006】
さらに、スティーブン・ボイス(S.Boyce)ら(サージェリー(SURGERY)、103巻、421〜431頁、1988年4月号参照)は、皮膚からえられる表皮細胞をフラスコ中で大量に培養し、コラーゲンにコンドロイチン−6−硫酸を少量添加してスポンジ状にした基材上に表皮細胞を重層化させた培養皮膚を開発した。
【0007】
また、アテロコラーゲンを基材として有する培養皮膚が、特開昭62−246371号公報および特開平第4−332561号公報に記載されている。特開昭62−246371号公報には、アテロコラーゲンシートを基材とする培養皮膚が記載されているが、シートに貫通孔がないので、適用創面からもたらされる細胞増殖などに欠かすことのできない栄養分がシートを透過してシート上の表皮細胞にまで供給され難いために自家移植においては、表皮の生着率が低いという問題があった。
【0008】
また、線維芽細胞のみを組み込んだ培養皮膚を作製したばあいにおいても、やはり適用創面からもたらされる栄養分が培養皮膚基材全体へ供給され難いために線維芽細胞の増殖と代謝が不活発となること、生理活性物質の放出が円滑になされなくなることなどのために皮膚の再建または良性肉芽の形成に支障をきたすことがある。
【0009】
さらに貫通孔がないことで、適用部に浸出液が過度に貯留し、この排出が適度になされず感染の温床となるという問題もあった。
【0010】
特開平第4−332561号公報には、前記のような問題点を解決するために貫通孔を設けたアテロコラーゲンスポンジが記載されているが、貫通孔を設けると細胞を播種する際に細胞が落下逸脱してしまうので、これを防ぐために細胞播種前にあらかじめアテロコラーゲンゲルなどでスポンジをコーティングすることを必須としたものであり、こうした方法は、煩雑であるばかりでなくコストの高い培養皮膚となってしまうという問題がある。そのため、より安価で簡便な代替品または手法の開発が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来からコラーゲンを基材として用いた培養皮膚において課題とされていた点は、
1.細胞の培養中における培養皮膚の収縮、
2.皮膚欠損組織に適用後に、培養皮膚基材がバリアーとなり、適用創面から培養皮膚全体への栄養供給が円滑にいかないこと、
3.皮膚欠損組織への適用後に、培養皮膚適用部に浸出液が過度に貯留すること、および
4.前記2および3を防ぐために基材に貫通孔を設けたばあい、細胞播種時に細胞が落下逸脱してしまうことであった。
【0012】
本発明はかかる1〜4の課題を解消するためになされたものであり、熱傷、創傷、褥瘡または皮膚潰瘍など皮膚欠損創に用いて、皮膚欠損組織を早期に再建させるまたは治療するための培養皮膚を提供することを目的とする。さらに詳しくは、適用創面から培養皮膚の細胞への栄養分供給および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうる機能を有し、しかも同時に収縮をおさえて安価に作製しうる培養皮膚を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、培養皮膚用コラーゲン基材へ細胞を播種する際の細胞の落下逸脱の防止を目的とした処理を必要としない手段で、培養皮膚を適用する時点では貫通孔を設けられていることによって、培養皮膚に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうると同時に収縮をおさえた培養皮膚を提供することである。
【0014】
したがって本発明は、
a)コラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材に貫通孔を生じるための突起物を有する手段内で作製する工程、
b)該基材に皮膚由来の細胞を播種培養する工程および
c)培養皮膚が適用される前に突起物を有する手段により貫通孔が設けられる工程
からなり、工程a)およびb)は同時に行ってもよい培養皮膚の製造法、
突起物を有する手段により培養皮膚が適用される前に貫通孔が設けられる、コラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材の製造法に関する。
【0015】
前記製造法において好ましくは、工程b)が該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種する工程、該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程または該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種培養し、かつ該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程であり、工程c)が該突起物を取除くことにより成し遂げられ、突起物を有する手段が突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器であり、コラーゲンはアテロコラーゲンであり、および/または培養皮膚用基材がヒアルロン酸を含んでなる。
【0016】
さらに本発明は、
中空の貫通孔を有するコラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材ならびに
中空の貫通孔を有するコラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材および線維芽細胞、表皮細胞またはこれらの組合せである皮膚由来の細胞からなる培養皮膚に関する。
【0017】
本発明においては、突起物を有する手段として、けんざんのようなもので、培養皮膚用基材作製後に貫通孔を設けることもできるが好ましくは、中空の貫通孔が突起物を有する手段により設けられ、突起物を有する手段が配された、該突起物を取除くことにより生じる中空の貫通孔を有し、突起物を有する手段が突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器であり、コラーゲンがアテロコラーゲンであり、および/または培養皮膚用基材がヒアルロン酸を含んでなる。
【0018】
【実施例】
本明細書において「中空」という語は、ゲルなどを含まない状態、たとえば前記突起物が取除かれた状態などを意味する。
【0019】
本願発明の培養皮膚用基材には、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ポリグリコール酸、コンドロイチン硫酸またはヒアルロン酸などのムコ多糖類などを用いることができ、前記コラーゲンは、たとえばアテロコラーゲンなどのように生体適合性に優れたものであることが好ましい。
【0020】
本発明に用いられるコラーゲンスポンジは、酸性に調製したコラーゲン溶液をホモジナイザーを用いてホモジナイズすることにより充分に気泡を含ませたものを突起物を有する手段、すなわち突起物を有する支持体を設置したプラスチックなどの容器もしくは突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器に流し込み、アンモニアガス雰囲気中に静置してゲル化させたのち凍結乾燥を行い、ついで紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入することにより作製することができる。
【0021】
本発明においてコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とすることによりえられる。ゲル化はアンモニアなどのガス雰囲気下で必要に応じて数分〜2時間程度行い、こののち、凍結乾燥を行う。
【0022】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンスポンジの大きさは患部の大きさにあわせて適宜選択される。また、コラーゲンスポンジの厚さおよび形状は適用される患部の状態によって変化するが、厚さ0.2〜30mm、形状は、シート状、板状、棒状、球状、紡錘状あるいは両側凸のレンズ状などに成形するとよい。
【0023】
本発明に用いられるコラーゲンシートは、コラーゲン溶液を前記スポンジ作製と同様の容器に入れ、乾燥機の中で風乾してシートを形成させたのち、紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入することにより作製することができる。
【0024】
前記コラーゲンシート作製に用いられるコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とすることによりえられる。
【0025】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンシートの大きさおよび厚さは患部の状態にあわせて適宜選択される。
【0026】
本発明に用いられるコラーゲンゲルは、コラーゲン溶液を前記スポンジを作製するのと同様の容器に流し込み、熱をかけるかあるいはアンモニアガス雰囲気中に放置してゲル化させることにより作製することができる。
【0027】
前記コラーゲンゲルを作製するのに用いられるコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とし、ゲル化はアンモニアなどのアルカリ性ガス雰囲気下で必要に応じて数分〜2時間行う。ゲル化後、緩衝液などでよくすすぐ。または、コラーゲンの中性溶液(pH6.5〜8)をゲル化させるばあい濃度0.1〜1w/v%、好ましくは0.2〜0.5w/v%でアルカリ性ガスなどは用いずに36〜40℃(度)に静置してゲルをうる。
【0028】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンゲルの大きさは患部の大きさに合わせて適宜選択される。また、コラーゲンゲルの厚さおよび形状は適用される患部の状態によって適宜選択されればよいが、厚さ0.2〜30mm、形状は、シート状、板状、棒状、紡錘状あるいは両側凸のレンズ状などに成形するとよい。
【0029】
本発明の培養皮膚は、培養皮膚の収縮を抑え同時に適用創面から培養皮膚に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうるよう突起物を配して貫通孔が設けられるように作製されるが、該貫通孔を設ける手段は、たとえばゲルによる被覆のように細胞播種時の細胞の落下逸脱を目的とした特定の前処理などを必要としないものである。
【0030】
このような培養皮膚の収縮を抑え同時に貫通孔を設ける手段としては、基材を作製する際に用いられ、培養皮膚適用前に除去される、突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器などがあげられる。
【0031】
支持体は、好ましくは網目状の骨格を有し、その骨格上に突起物が配されるものである。
【0032】
前記支持体の骨格となる網目の形状はたとえば多角形、円形、楕円形などでよいがとくに限定されず、また必ずしも全体にわたって同一の形状である必要はない。また空隙の大きさも適宜変化してよいが、支持体の面積の少なくとも1/2以上を有して、均斉にあることが好ましい。網目が交差する各部位のあいだの距離は5〜30mm、好ましくは7〜20mmとするとよい。支持体の厚さは破損しない程度に薄い方が好ましい。
【0033】
突起物の形状、数、大きさもとくには限定されないが、作製および取扱い操作において簡便であるものがよい。突起物の高さは、えられる基材の厚さ以上であればよく、また搾設される面積が、0.003〜0.25cm2/cm2、好ましくは0.01〜0.12cm2/cm2を満たす太さまたは形状を有する。具体的には、円柱形、円錐形、多角柱形、多角錐形などのものが好適に用いられる。なお、これらの形状の先端は丸みを帯びていてもよい。
【0034】
また、培養皮膚基材の片面および/または内部に細胞が播種、培養増殖されるばあい、支持体の骨格は網目などの空隙を含まない平板でよく、支持体は該平板の少なくとも片面に突起物が配されたものである。
【0035】
一方、ここで培養皮膚作製に用いる容器は、その底部に前記支持体上に配したのと同様の突起物を有する。
【0036】
前記支持体および容器およびそれらの突起物は、たとえばプラスチック、ステンレス、アルミニウム、ガラス、セラミックなどによって作製される。支持体は、創傷面に培養皮膚を適用する際に培養皮膚が支持体から容易に剥がれうるように曲げやすい材質が好ましい。
【0037】
前記支持体および容器の骨格は貫通孔が均斉に設けられる、突起物が均斉に配される構造となるように設計されることが培養皮膚の収縮を良好に抑え、培養皮膚全体にわたって栄養分がゆきわたり、適用部よりの浸出液の排出も効率よく行われうるため好ましい。
【0038】
さらに、前記突起物を有する支持体ないし容器は、剥離シートを伴ったものを用いてもよい。剥離シートは創傷面に培養皮膚を適用する際に培養皮膚が容器から容易にはがれるように端部が折り曲げられ(図4の5参照)るような材質が好ましい。たとえばプラスチックシート、ステンレス、アルミシートなどがあげられる。
【0039】
しかしながら、本発明の培養皮膚用基材に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうる貫通孔を設けうると同時に培養皮膚の収縮を抑え、細胞播種時の細胞の落下逸脱を目的とした特定の前処理などを必要としない手段であれば、本発明の製造法に用いることができるであろうことは理解される。
【0040】
本発明の培養皮膚用基材には、その少なくとも片面において哺乳動物皮膚由来の表皮細胞および/または線維芽細胞が播種され培養増殖される。前記表皮細胞とは、基底細胞を含む角質化細胞および表皮細胞層に通常存在するその他の細胞を意味するが、このうち培養増殖させるのは角質化細胞である。前記線維芽細胞とは、真皮中の主要な細胞であり、コラーゲンをはじめとする結合組織成分を産生し、これらの成分と結合して結合組織を形成している細胞をいう。
【0041】
本発明の培養皮膚は、播種される細胞に応じて以下の3種類を作製することが可能である:
▲1▼本発明のコラーゲン基材の好ましくは両面、少なくとも片面に線維芽細胞のみを播種培養した培養皮膚(複合培養真皮)、
▲2▼本発明のコラーゲン基材の片面に表皮細胞を播種培養した培養皮膚(複合培養表皮)および
▲3▼本発明のコラーゲン基材の少なくとも片面で線維芽細胞を播種培養して、該基材の片面に表皮細胞を播種培養した培養皮膚(複合培養皮膚)。このばあい、先に線維芽細胞を播種培養する工程を行う方が、表皮細胞の脱落を防ぐことができるのでより好ましいが、表皮細胞をまず播種培養増殖させたのち、線維芽細胞を播種培養する工程で行うこともできる。
【0042】
前記の3種類の培養皮膚は、患部の面積、深さおよび患者の症状などによって適宜使い分けることでより効果が発揮される。また、これらの培養皮膚を自家、他家で適宜使い分けることもできる。
【0043】
前記表皮細胞は以下の手順で調製される。清潔な環境下で採取された皮膚(表皮および、真皮の一部または真皮全層)を消毒し、抗生物質を含有する生理食塩水またはハンクス(Hank′s)液などの緩衝液に浸漬する。この皮膚をディスパーゼ濃度を1000U/mlに調製したダルベッコ変法イーグル最小必須培地(DMEM)(以下、「ディスパーゼ溶液」という)に浸漬したのち表皮と真皮に分離する。えられた表皮をトリプシン濃度0.25w/v%、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(EDTA)濃度0.005mM/mLに調製したハンクス液(以下、「トリプシン溶液」という)中、37℃で約15分間浸漬したのち10v/v%ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM(以下、「DMEM+10%FCS」という)などの培地中に移し、振とうすることにより細胞を分散させ、約400×g、5分間、遠心分離して採取させることによってうることができる。えられた表皮細胞は、たとえばグリーン(Green)培地、NCTC168培地、MCDB153培地、とくに好ましくはグリーン培地を加えて表皮細胞懸濁液とする。 前記グリーン培地とはDMEMとHam′s F−12を3:1に混合し、ヒドロコルチゾン(0.4μg/mL)、インスリン(5μg/mL)、トランスフェリン(5μg/mL)、トリヨードチロニン(0.0013μg/mL)、コレラ毒素(0.01μg/mL)、アデニン(24.3μg/mL)、表皮増殖因子(0.01μg/mL)と抗生物質を添加し、10%FCSを含んでなる表皮細胞増殖培地である(セル(Cell)、40巻、677〜683頁、1985年3月参照)。
【0044】
前記表皮細胞を高効率で増殖させるには、たとえばマイトマインシン処理や放射線照射などによって増殖能を停止させたマウス由来の線維芽細胞である3T3細胞などを支持細胞として定着させたフラスコ中で培養を行うことが好ましい。
【0045】
具体的には、この3T3細胞を培養したのち、培地を除去してハンクス液ですすぎ、これを除去する。ついでマイトマイシンC 4μg/mL含有DMEM溶液を細胞全体が充分漬かるように(75cm2フラスコでは、2〜4mL程度が好ましい)加え37℃にて2時間程度静置したのち緩衝液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。こうして、3T3細胞は生きたままで増殖能のみが停止せしめられる。この増殖能を有さない3T3細胞を採取して、前記グリーン培地に懸濁し、1×103〜5×104cells/cm2、好ましくは5×103〜3×104cells/cm2の密度になるように調製したのちフラスコへ播種する。このフラスコに前記表皮細胞を3T3細胞を播種したのちに5×103〜5×105cells/cm2、好ましくは1×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にて播種する。
【0046】
たとえば約2×2cmの分層皮膚からえた前記皮膚細胞を5%CO2インキュベーター中、37℃にて培養する。3T3細胞はこの培養継続中に表皮細胞がコロニーを形成する過程においてフラスコ底面より培地中に浮き上がり、培地を交換する際に除去されるので、最終的にえられる表皮細胞にはほとんど含まれない。
【0047】
培養増殖した表皮細胞は、ディスパーゼ溶液を加え37℃にて約2時間静置することにより剥す。これをトリプシン溶液に加え表皮細胞を分散させたのち、採取し、グリーン培地を添加して細胞懸濁液をえる。表皮細胞は、必要に応じて継代培養する。具体的には、前記支持細胞を必要数量作製し前記したように培養増殖した表皮細胞を採取して、支持細胞に播種培養する。この際、表皮細胞が角質化しないよう注意して継代培養する。えらえた表皮細胞は、突起物を有する支持体を設置した容器内で収縮を抑えて作製された、たとえば約6×9.5cm、厚さ1mmのコラーゲンスポンジ基材に、5×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にて播種する。
【0048】
表皮細胞が基材に接着したのち、グリーン培地を加えて5%のCO2インキュベーター中37℃にて3日ごとに培地を交換しながら7〜21日間培養する。このようにして複合培養表皮がえられる。
【0049】
前記線維芽細胞は、採取された皮膚を前記と同様に表皮と真皮に分離したのち、えられた真皮をハサミ、ホモジナイザーなどを用いて砕き、0.5w/v%のコラゲナーゼのDMEM溶液(以下、「コラゲナーゼ溶液」という)に加えて、約6時間、約37℃にて振とうして結合組織を溶解させたうえで約400×g〜約1,000×g、好ましくは約600×g〜約800×gで遠心分離して採取する。えられた線維芽細胞は、DMEM+10%FCSなどを培地としてCO2インキュベーター中37℃にてサブコンフルエントとなるまで培養し、必要に応じて多くの線維芽細胞をうるように継代培養する。
【0050】
培養した線維芽細胞をトリプシン溶液を用いてフラスコからはがし、採取して、DMEM+10%FCS中で調製する。この線維芽細胞懸濁液を5×103〜5×105cells/cm2、好ましくは5×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にてコラーゲン基材に播種する。細胞が基材に接着したのち、DMEM+10%FCSを加え、5%CO2インキュベーター中37℃にて3日ごとに培地を交換しながら1〜14日間培養を行う。このようにして複合培養真皮をうることができる。複合培養真皮は基材の少なくとも片面に線維芽細胞を培養増殖させてえられる。
【0051】
表皮細胞および真皮細胞の両方を併せて有する複合培養皮膚は、以下のように作製される。前記した複合培養真皮の作製工程にて線維芽細胞を播種し、細胞を良好に基材に接着させたのち該基材を支持体ごと裏返し、複合培養表皮の作製における工程を行い複合培養皮膚をうる。
【0052】
このようにしてえらえた培養皮膚は、創面に適用される前に、DMEMを用いて洗浄し、FCSを除いた同様の培地に置き換えておくことが好ましい。
【0053】
貫通孔を設けられていない基材を用いた培養皮膚では、その適用部に浸出液などが過度に貯留し、感染の温床となることがあるのに対し、本発明の基材を用いた培養皮膚においては、前記のように患部への適用前に貫通孔を設けることによって患部における浸出液の排出が良好に行われ、良好な肉芽組織を形成するうえで極めて有用である。
【0054】
本発明の培養皮膚に用いられるヒアルロン酸は、創傷などを負ったばあいに初期の段階で細胞から産出される生理活性物質であり、患部の治癒過程において表皮細胞および線維芽細胞のいずれもがコラーゲン基材上で良好に移動する上で必要なものであるといわれている。ヒアルロン酸は細胞の足場をゆるやかにすることにより細胞を移動しやすくするという機能を果たしていると考えられている。ヒアルロン酸は、コラーゲン基材を作製する際にコラーゲンの0.1%〜5%の濃度で用いられる。
【0055】
細胞を基材に良好に接着させるために、細胞接着因子としてフィブロネクチンやラミニンなどを本発明の基材に被覆しておくとさらに良好な培養皮膚がえられる。
【0056】
以下に本発明を実施例をあげてさらに詳細に説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定されるものではない。
【0057】
実施例1
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔が設けられたアテロコラーゲンゲルの作製
0.2w/v%アテロコラーゲンDMEM溶液(pH7.4(株)高研製)20mlを、縦8mm、横8mmの間隔にて長さ7mm、一辺1mmの正四角柱形の突起物を配した網目の空隙が7×7mmである網目構造を有するプラスチック製の支持体(5.5×9cm)を設置したプラスチックケース(6×9.5cm、高さ2.8cm)に注加し、37℃、1時間静置してゲル化させ、UVを2mW/cm2、30分間照射して厚さ0.3cmのアテロコラーゲンゲルをえた。
【0058】
実施例2
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けた複合培養真皮(ゲル状)の作製
清潔な環境下で採取されたヒトの皮膚片(約2×2cm、厚さ約0.5mm)をイソジン溶液に浸漬し、ハンクス液で洗浄後ストレプトマイシン(1000μg/mL)、ペニシリン(1000U/mL)およびアンホテリシンB(2.5μg/mL)を混合したハンクス液に室温、30分間浸漬した。
【0059】
つぎに、ディスパーゼ(合同酒精(株)製)溶液10mlに4℃にて12時間浸漬し、ピンセットを用いて表皮と真皮に分離し、えられた真皮部分をハサミでペースト状に砕いてコラゲナーゼ溶液10mlで約6時間、37℃にて処理して結合組織を除去したのち、約700×g、5分間の遠心分離にて線維芽細胞をえた。えられた線維芽細胞はDMEM(ギブコ社製)+10%FCSを用いて5%のCO2インキュベーター中37℃にてプラスチック製培養フラスコ中で3日ごとに培地を交換しながら継代培養し、増殖させた。
【0060】
こののち、トリプシン溶液を用いて細胞をフラスコから剥がし、5×104cells/cm2の細胞密度にて実施例1で作製したアテロコラーゲンゲルに播種した。そのまま、細胞をゲルに接着させるため播種後、室温にて12時間静置したのち前記DMEM+10%FCS15mlを加え、5%のCO2インキュベーター中で37℃にて7日間、3日ごとに培地を交換しながら培養し、支持体が装着された状態にある複合培養真皮をえた。
【0061】
本発明の複合培養真皮は、培養皮膚用コラーゲン基材へ細胞を播種する際の細胞の落下逸脱の防止を目的とした処理を必要としない手段で作製され、著明に収縮率が抑えられており、また該培養皮膚は、適用の際支持体のまま患部に貼設でき、そののち支持体を剥がすことにより貫通孔が設けられ、細胞への栄養分の供給および移植部よりの浸出液の排出が良好にできた。
【0062】
実施例3
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けたアテロコラーゲンスポンジの作製
1w/v%となるよう調製したアテロコラーゲン((株)高研製)の水溶液(塩酸でpH4に調整)100mlをホモジナイザー((株)日本精機製作所製)を用いて1分間撹拌することにより気泡をいれ、縦8mm、横8mmの間隔にて長さ8mm、直径1mmの円柱形の突起物を配した網目の空隙が7×7mmである網目構造を有するプラスチック製の支持体(5.5×9cm)を設置したプラスチックケース底部(6×9.5cm、高さ2.3cm)に25ml注加し、これをアンモニアガス雰囲気下に1時間静置したのち、凍結乾燥を行って厚さ約1mmのアテロコラーゲンスポンジをえた。ついで、このスポンジの片面にUVを1mW/cm2、30分間照射したのちプラスチックケースに入れたままエチレンオキサイドガス滅菌を行った。
【0063】
実施例4
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けた複合培養皮膚(スポンジ状)の作製
表皮細胞は、清潔な環境下にて採取されたヒトの皮膚(約2×2cm、厚さ約0.5mm)から実施例2に記載したのと同様に分離した表皮を、トリプシン溶液10mlに移し、この中で15分間、37℃にて処理したのち実施例2で用いたものと同様のDMEM+10%FCS中に移し、振とうすることにより細胞を分散させ、約400×g、5分間の遠心分離にて沈殿させることによって集め、前記の組成よりなるグリーン培地に懸濁した。表皮細胞を高効率で増殖させるために、以下の支持細胞を用いた。マウス由来線維芽細胞である3T3細胞は前記DMEM+10%FCS中、サブコンフルエントとなるまで5%CO2インキュベーター中37℃にて培養した。ついで、培地を除去してハンクス液ですすぎ、実施例2と同様のDMEMを加えて最終濃度が0.0004%になるようにマイトマイシンC(和光純薬工業(株)製)含有生理的食塩水溶液(0.1mg/mL)を添加した。このフラスコを37℃で2時間静置したのち、ハンクス液を用いて洗浄してマイトマイシンCを除き、増殖能が停止した3T3細胞を採取した。えられた細胞を、グリーン培地に懸濁し、計数後2×104cells/cm2の密度となるよう調製してフラスコに播種した。
【0064】
このようにして調製した3T3細胞を播種した翌日、前記表皮細胞をこれに播種し、37℃にて5%のCO2インキュベーター中で培養増殖させた。
【0065】
一方、実施例3でえられたアテロコラーゲンスポンジに実施例2と同様に線維芽細胞を1×104cells/cm2の密度で播種し、前記DMEM+10%FCS中で2日間培養した。つぎに培地を除去し、アテロコラーゲンスポンジをケース中で支持体ごと反転させ、前記で培養増殖させた表皮細胞を支持体の裏側からスポンジの裏側へ2×105cells/cm2の密度で播種した。これをクリーンベンチの中で8時間静置したのち、グリーン培地を加えて5%のCO2インキュベーター中で37℃にて3日毎に培地を替えながら、14日間培養し、複合培養皮膚をえた。
【0066】
実施例5
ヒアルロン酸を含有する培養皮膚用基材(スポンジ状)の作製
塩酸でpH3に調整した蒸留水にアテロコラーゲン((株)高研製)1gを溶解したのち、水酸化ナトリウム水溶液でpH4.5に調整した水溶液をえた。ついでヒアルロン酸(分子量約200万)0.01gをこのアテロコラーゲン水溶液に溶かし、これにpH4.5に調整した蒸留水を加えて100mLとした(アテロコラーゲン1w/v%、ヒアルロン酸0.01w/v%溶液)。これを1分間ホモジナイズしたのち突起物を有する支持体を設置した6×9.5cm、高さ2.3cmのケース底部にこのアテロコラーゲン−ヒアルロン酸水溶液25mLを流し込んだ。突起物を有する支持体において、突起物は支持体からの長さ8mm、一辺2mmの正四角柱であり、相互に7mm間隔で配置されたものを用いた。これをアンモニアガス雰囲気下にて2時間静置してゲル化させ、水洗したのち、凍結乾燥を行った。
【0067】
これに1mW/cm2でUVを30分間照射した後、エチレンオキサイドガス滅菌を行ってヒアルロン酸を含有したアテロコラーゲン基材をえた。
【0068】
えられた基材に実施例2と同様、線維芽細胞を播種し培養増殖させ、支持体より取出すことにより貫通孔を有する収縮度の小さい複合培養真皮を作製した。
【0069】
この複合培養真皮を2×2cmの全層皮膚欠損を作製したヌードマウスの背部に欠損の大きさに合わせて切り取り移植した。適用後、2週間では、適用部に浸出液の貯留は認められず、肉芽組織が良好に形成され、順調な治癒経過を示した。
【0070】
実施例6
剥離シートを伴う突起物を有する容器を用いて貫通孔を設けた複合培養真皮の作製
底面に四角柱(一辺2mmの正四角柱、高さ7mm)の突起物を配した容器を準備して、この容器(6×9.5cm)の底部上に突起物部分をくり抜いたポリエステルシートを設置した。なお、このシートには取っ手が造作されている。
【0071】
0.2%コラーゲンDMEM中性溶液(セルゲン(CELLGEN)、(株)高研製)20mLと線維芽細胞を混合し、播種密度1×105cells/cm2となるように調製した。
【0072】
この混合液を前記容器に流し込んで、ふたをして37℃に5時間静置した。こののち、実施例2と同様のDMEM+10%FCSを加え、1週間培養して複合培養真皮をえた。適用の際には、ふたをとり、シートの取手部を持ち上げることにより複合培養真皮およびシートが容器から容易にはずれた。こうして貫通孔ができ、複合培養真皮もシートから簡単にはずすことが可能であった。
【0073】
比較例1
実施例6において突起物を設置してない容器を用いて同様に実施したところ細胞を播種培養開始したのち5日目までには、コラーゲンゲルは著しく収縮し、実施例6で作製した複合培養皮膚の面積で25%、体積で約15%となった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、コラーゲン基材に細胞を播種する際に生ずる細胞の落下逸脱の防止を目的とした前処理を必要としない手段を用いて、培養皮膚を創面に適用する前に該培養皮膚に貫通孔を設けることによって、培養増殖された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうると同時に収縮をおさえた培養皮膚を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の支持体を用いて貫通孔が設けられた複合培養皮膚の作製手順を示す図である。
【図2】本発明にしたがった突起物を有する容器および剥離シートの上面(a)ならびに断面(b)を示す図である。
【図3】前記の容器に設置された剥離シートの上面(a)および断面(b)を示す図である。
【図4】前記の容器に培養皮膚を完成させた横断面(a−b)および前記の容器からはずされた培養皮膚の付いた剥離シートの断面(a´−b´)を示す図である。
【符号の説明】
1 突起物
2 孔
3 容器
4 剥離シート
5 取手
6 培養皮膚
【産業上の利用分野】
本発明は培養皮膚およびその製造法に関する。さらに詳しくは、熱傷、創傷、褥瘡または皮膚潰瘍などの皮膚欠損創に用いて、欠損組織を早期に再建させるまたは治療するための培養皮膚用基材、培養皮膚およびそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より浅達性II度熱傷など真皮の浅い部分に達する皮膚欠損創の治療としては創傷被覆材の適用あるいは軟膏塗布ガーゼなどを適用するのが一般的に行われてきた治療である。しかしながら、深達性II度熱傷、III度熱傷あるいはII度以上の褥瘡など真皮の深い部分に達する皮膚欠損を負ったばあい、自己の表皮細胞増殖による皮膚組織の再建は期待できない。そこで、まず壊死組織あるいは不良肉芽組織を切除し、同種皮膚または創傷被覆材などを適用して良好な肉芽組織を再建したのち、自家分層植皮を行うことにより皮膚を再建するという治療が行われてきた。しかし、自家分層植皮を行うばあいには、自己の健全な部位から採皮するが、採皮した部位には傷跡が残るという整容についての問題が生じる。また患部が広範囲であるばあいには、自家分層植皮が困難である。
【0003】
この問題を解決するために、わずかな皮膚片から表皮細胞あるいは線維芽細胞を採取し、フラスコ中で大量培養する技術が開発され、これらの培養細胞を用いた種々の培養皮膚が開発されてきている。
【0004】
ハワード・グリーン(H.Green)、ジェームズ・レインワルド(J.Rheinwald)らが開発した培養表皮は、切手大の皮膚を採取し、表皮細胞をフラスコ中で大量培養して表皮シートをうるものであるが、該シートをフラスコから剥離する際の酵素処理によって最も重要な細胞である基底細胞が損傷を受けるために自家移植において生着率が低いという問題点が指摘されている(黒柳能光、生体材料9巻、1991年2月号参照)。
【0005】
またユージーン・ベル(E.Bell)ら(サイエンス(Science)、211巻、1052〜1054頁、1981年参照)は、皮膚から分離、採取した表皮細胞および線維芽細胞を各々フラスコ中で大量に培養し、線維芽細胞を組み込んだコラーゲンゲル上に表皮細胞を重層化させた培養皮膚を開発した。しかしコラーゲンゲルは、細胞培養中に極端に収縮するのが欠点であった。
【0006】
さらに、スティーブン・ボイス(S.Boyce)ら(サージェリー(SURGERY)、103巻、421〜431頁、1988年4月号参照)は、皮膚からえられる表皮細胞をフラスコ中で大量に培養し、コラーゲンにコンドロイチン−6−硫酸を少量添加してスポンジ状にした基材上に表皮細胞を重層化させた培養皮膚を開発した。
【0007】
また、アテロコラーゲンを基材として有する培養皮膚が、特開昭62−246371号公報および特開平第4−332561号公報に記載されている。特開昭62−246371号公報には、アテロコラーゲンシートを基材とする培養皮膚が記載されているが、シートに貫通孔がないので、適用創面からもたらされる細胞増殖などに欠かすことのできない栄養分がシートを透過してシート上の表皮細胞にまで供給され難いために自家移植においては、表皮の生着率が低いという問題があった。
【0008】
また、線維芽細胞のみを組み込んだ培養皮膚を作製したばあいにおいても、やはり適用創面からもたらされる栄養分が培養皮膚基材全体へ供給され難いために線維芽細胞の増殖と代謝が不活発となること、生理活性物質の放出が円滑になされなくなることなどのために皮膚の再建または良性肉芽の形成に支障をきたすことがある。
【0009】
さらに貫通孔がないことで、適用部に浸出液が過度に貯留し、この排出が適度になされず感染の温床となるという問題もあった。
【0010】
特開平第4−332561号公報には、前記のような問題点を解決するために貫通孔を設けたアテロコラーゲンスポンジが記載されているが、貫通孔を設けると細胞を播種する際に細胞が落下逸脱してしまうので、これを防ぐために細胞播種前にあらかじめアテロコラーゲンゲルなどでスポンジをコーティングすることを必須としたものであり、こうした方法は、煩雑であるばかりでなくコストの高い培養皮膚となってしまうという問題がある。そのため、より安価で簡便な代替品または手法の開発が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来からコラーゲンを基材として用いた培養皮膚において課題とされていた点は、
1.細胞の培養中における培養皮膚の収縮、
2.皮膚欠損組織に適用後に、培養皮膚基材がバリアーとなり、適用創面から培養皮膚全体への栄養供給が円滑にいかないこと、
3.皮膚欠損組織への適用後に、培養皮膚適用部に浸出液が過度に貯留すること、および
4.前記2および3を防ぐために基材に貫通孔を設けたばあい、細胞播種時に細胞が落下逸脱してしまうことであった。
【0012】
本発明はかかる1〜4の課題を解消するためになされたものであり、熱傷、創傷、褥瘡または皮膚潰瘍など皮膚欠損創に用いて、皮膚欠損組織を早期に再建させるまたは治療するための培養皮膚を提供することを目的とする。さらに詳しくは、適用創面から培養皮膚の細胞への栄養分供給および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうる機能を有し、しかも同時に収縮をおさえて安価に作製しうる培養皮膚を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、培養皮膚用コラーゲン基材へ細胞を播種する際の細胞の落下逸脱の防止を目的とした処理を必要としない手段で、培養皮膚を適用する時点では貫通孔を設けられていることによって、培養皮膚に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうると同時に収縮をおさえた培養皮膚を提供することである。
【0014】
したがって本発明は、
a)コラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材に貫通孔を生じるための突起物を有する手段内で作製する工程、
b)該基材に皮膚由来の細胞を播種培養する工程および
c)培養皮膚が適用される前に突起物を有する手段により貫通孔が設けられる工程
からなり、工程a)およびb)は同時に行ってもよい培養皮膚の製造法、
突起物を有する手段により培養皮膚が適用される前に貫通孔が設けられる、コラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材の製造法に関する。
【0015】
前記製造法において好ましくは、工程b)が該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種する工程、該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程または該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種培養し、かつ該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程であり、工程c)が該突起物を取除くことにより成し遂げられ、突起物を有する手段が突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器であり、コラーゲンはアテロコラーゲンであり、および/または培養皮膚用基材がヒアルロン酸を含んでなる。
【0016】
さらに本発明は、
中空の貫通孔を有するコラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材ならびに
中空の貫通孔を有するコラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材および線維芽細胞、表皮細胞またはこれらの組合せである皮膚由来の細胞からなる培養皮膚に関する。
【0017】
本発明においては、突起物を有する手段として、けんざんのようなもので、培養皮膚用基材作製後に貫通孔を設けることもできるが好ましくは、中空の貫通孔が突起物を有する手段により設けられ、突起物を有する手段が配された、該突起物を取除くことにより生じる中空の貫通孔を有し、突起物を有する手段が突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器であり、コラーゲンがアテロコラーゲンであり、および/または培養皮膚用基材がヒアルロン酸を含んでなる。
【0018】
【実施例】
本明細書において「中空」という語は、ゲルなどを含まない状態、たとえば前記突起物が取除かれた状態などを意味する。
【0019】
本願発明の培養皮膚用基材には、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ポリグリコール酸、コンドロイチン硫酸またはヒアルロン酸などのムコ多糖類などを用いることができ、前記コラーゲンは、たとえばアテロコラーゲンなどのように生体適合性に優れたものであることが好ましい。
【0020】
本発明に用いられるコラーゲンスポンジは、酸性に調製したコラーゲン溶液をホモジナイザーを用いてホモジナイズすることにより充分に気泡を含ませたものを突起物を有する手段、すなわち突起物を有する支持体を設置したプラスチックなどの容器もしくは突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器に流し込み、アンモニアガス雰囲気中に静置してゲル化させたのち凍結乾燥を行い、ついで紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入することにより作製することができる。
【0021】
本発明においてコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とすることによりえられる。ゲル化はアンモニアなどのガス雰囲気下で必要に応じて数分〜2時間程度行い、こののち、凍結乾燥を行う。
【0022】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンスポンジの大きさは患部の大きさにあわせて適宜選択される。また、コラーゲンスポンジの厚さおよび形状は適用される患部の状態によって変化するが、厚さ0.2〜30mm、形状は、シート状、板状、棒状、球状、紡錘状あるいは両側凸のレンズ状などに成形するとよい。
【0023】
本発明に用いられるコラーゲンシートは、コラーゲン溶液を前記スポンジ作製と同様の容器に入れ、乾燥機の中で風乾してシートを形成させたのち、紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入することにより作製することができる。
【0024】
前記コラーゲンシート作製に用いられるコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とすることによりえられる。
【0025】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンシートの大きさおよび厚さは患部の状態にあわせて適宜選択される。
【0026】
本発明に用いられるコラーゲンゲルは、コラーゲン溶液を前記スポンジを作製するのと同様の容器に流し込み、熱をかけるかあるいはアンモニアガス雰囲気中に放置してゲル化させることにより作製することができる。
【0027】
前記コラーゲンゲルを作製するのに用いられるコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4、濃度が0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%とし、ゲル化はアンモニアなどのアルカリ性ガス雰囲気下で必要に応じて数分〜2時間行う。ゲル化後、緩衝液などでよくすすぐ。または、コラーゲンの中性溶液(pH6.5〜8)をゲル化させるばあい濃度0.1〜1w/v%、好ましくは0.2〜0.5w/v%でアルカリ性ガスなどは用いずに36〜40℃(度)に静置してゲルをうる。
【0028】
架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は250〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよい。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラーゲンゲルの大きさは患部の大きさに合わせて適宜選択される。また、コラーゲンゲルの厚さおよび形状は適用される患部の状態によって適宜選択されればよいが、厚さ0.2〜30mm、形状は、シート状、板状、棒状、紡錘状あるいは両側凸のレンズ状などに成形するとよい。
【0029】
本発明の培養皮膚は、培養皮膚の収縮を抑え同時に適用創面から培養皮膚に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうるよう突起物を配して貫通孔が設けられるように作製されるが、該貫通孔を設ける手段は、たとえばゲルによる被覆のように細胞播種時の細胞の落下逸脱を目的とした特定の前処理などを必要としないものである。
【0030】
このような培養皮膚の収縮を抑え同時に貫通孔を設ける手段としては、基材を作製する際に用いられ、培養皮膚適用前に除去される、突起物を有する支持体、突起物を有する容器または剥離シートを伴う突起物を有する支持体ないし容器などがあげられる。
【0031】
支持体は、好ましくは網目状の骨格を有し、その骨格上に突起物が配されるものである。
【0032】
前記支持体の骨格となる網目の形状はたとえば多角形、円形、楕円形などでよいがとくに限定されず、また必ずしも全体にわたって同一の形状である必要はない。また空隙の大きさも適宜変化してよいが、支持体の面積の少なくとも1/2以上を有して、均斉にあることが好ましい。網目が交差する各部位のあいだの距離は5〜30mm、好ましくは7〜20mmとするとよい。支持体の厚さは破損しない程度に薄い方が好ましい。
【0033】
突起物の形状、数、大きさもとくには限定されないが、作製および取扱い操作において簡便であるものがよい。突起物の高さは、えられる基材の厚さ以上であればよく、また搾設される面積が、0.003〜0.25cm2/cm2、好ましくは0.01〜0.12cm2/cm2を満たす太さまたは形状を有する。具体的には、円柱形、円錐形、多角柱形、多角錐形などのものが好適に用いられる。なお、これらの形状の先端は丸みを帯びていてもよい。
【0034】
また、培養皮膚基材の片面および/または内部に細胞が播種、培養増殖されるばあい、支持体の骨格は網目などの空隙を含まない平板でよく、支持体は該平板の少なくとも片面に突起物が配されたものである。
【0035】
一方、ここで培養皮膚作製に用いる容器は、その底部に前記支持体上に配したのと同様の突起物を有する。
【0036】
前記支持体および容器およびそれらの突起物は、たとえばプラスチック、ステンレス、アルミニウム、ガラス、セラミックなどによって作製される。支持体は、創傷面に培養皮膚を適用する際に培養皮膚が支持体から容易に剥がれうるように曲げやすい材質が好ましい。
【0037】
前記支持体および容器の骨格は貫通孔が均斉に設けられる、突起物が均斉に配される構造となるように設計されることが培養皮膚の収縮を良好に抑え、培養皮膚全体にわたって栄養分がゆきわたり、適用部よりの浸出液の排出も効率よく行われうるため好ましい。
【0038】
さらに、前記突起物を有する支持体ないし容器は、剥離シートを伴ったものを用いてもよい。剥離シートは創傷面に培養皮膚を適用する際に培養皮膚が容器から容易にはがれるように端部が折り曲げられ(図4の5参照)るような材質が好ましい。たとえばプラスチックシート、ステンレス、アルミシートなどがあげられる。
【0039】
しかしながら、本発明の培養皮膚用基材に播種された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうる貫通孔を設けうると同時に培養皮膚の収縮を抑え、細胞播種時の細胞の落下逸脱を目的とした特定の前処理などを必要としない手段であれば、本発明の製造法に用いることができるであろうことは理解される。
【0040】
本発明の培養皮膚用基材には、その少なくとも片面において哺乳動物皮膚由来の表皮細胞および/または線維芽細胞が播種され培養増殖される。前記表皮細胞とは、基底細胞を含む角質化細胞および表皮細胞層に通常存在するその他の細胞を意味するが、このうち培養増殖させるのは角質化細胞である。前記線維芽細胞とは、真皮中の主要な細胞であり、コラーゲンをはじめとする結合組織成分を産生し、これらの成分と結合して結合組織を形成している細胞をいう。
【0041】
本発明の培養皮膚は、播種される細胞に応じて以下の3種類を作製することが可能である:
▲1▼本発明のコラーゲン基材の好ましくは両面、少なくとも片面に線維芽細胞のみを播種培養した培養皮膚(複合培養真皮)、
▲2▼本発明のコラーゲン基材の片面に表皮細胞を播種培養した培養皮膚(複合培養表皮)および
▲3▼本発明のコラーゲン基材の少なくとも片面で線維芽細胞を播種培養して、該基材の片面に表皮細胞を播種培養した培養皮膚(複合培養皮膚)。このばあい、先に線維芽細胞を播種培養する工程を行う方が、表皮細胞の脱落を防ぐことができるのでより好ましいが、表皮細胞をまず播種培養増殖させたのち、線維芽細胞を播種培養する工程で行うこともできる。
【0042】
前記の3種類の培養皮膚は、患部の面積、深さおよび患者の症状などによって適宜使い分けることでより効果が発揮される。また、これらの培養皮膚を自家、他家で適宜使い分けることもできる。
【0043】
前記表皮細胞は以下の手順で調製される。清潔な環境下で採取された皮膚(表皮および、真皮の一部または真皮全層)を消毒し、抗生物質を含有する生理食塩水またはハンクス(Hank′s)液などの緩衝液に浸漬する。この皮膚をディスパーゼ濃度を1000U/mlに調製したダルベッコ変法イーグル最小必須培地(DMEM)(以下、「ディスパーゼ溶液」という)に浸漬したのち表皮と真皮に分離する。えられた表皮をトリプシン濃度0.25w/v%、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(EDTA)濃度0.005mM/mLに調製したハンクス液(以下、「トリプシン溶液」という)中、37℃で約15分間浸漬したのち10v/v%ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM(以下、「DMEM+10%FCS」という)などの培地中に移し、振とうすることにより細胞を分散させ、約400×g、5分間、遠心分離して採取させることによってうることができる。えられた表皮細胞は、たとえばグリーン(Green)培地、NCTC168培地、MCDB153培地、とくに好ましくはグリーン培地を加えて表皮細胞懸濁液とする。 前記グリーン培地とはDMEMとHam′s F−12を3:1に混合し、ヒドロコルチゾン(0.4μg/mL)、インスリン(5μg/mL)、トランスフェリン(5μg/mL)、トリヨードチロニン(0.0013μg/mL)、コレラ毒素(0.01μg/mL)、アデニン(24.3μg/mL)、表皮増殖因子(0.01μg/mL)と抗生物質を添加し、10%FCSを含んでなる表皮細胞増殖培地である(セル(Cell)、40巻、677〜683頁、1985年3月参照)。
【0044】
前記表皮細胞を高効率で増殖させるには、たとえばマイトマインシン処理や放射線照射などによって増殖能を停止させたマウス由来の線維芽細胞である3T3細胞などを支持細胞として定着させたフラスコ中で培養を行うことが好ましい。
【0045】
具体的には、この3T3細胞を培養したのち、培地を除去してハンクス液ですすぎ、これを除去する。ついでマイトマイシンC 4μg/mL含有DMEM溶液を細胞全体が充分漬かるように(75cm2フラスコでは、2〜4mL程度が好ましい)加え37℃にて2時間程度静置したのち緩衝液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。こうして、3T3細胞は生きたままで増殖能のみが停止せしめられる。この増殖能を有さない3T3細胞を採取して、前記グリーン培地に懸濁し、1×103〜5×104cells/cm2、好ましくは5×103〜3×104cells/cm2の密度になるように調製したのちフラスコへ播種する。このフラスコに前記表皮細胞を3T3細胞を播種したのちに5×103〜5×105cells/cm2、好ましくは1×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にて播種する。
【0046】
たとえば約2×2cmの分層皮膚からえた前記皮膚細胞を5%CO2インキュベーター中、37℃にて培養する。3T3細胞はこの培養継続中に表皮細胞がコロニーを形成する過程においてフラスコ底面より培地中に浮き上がり、培地を交換する際に除去されるので、最終的にえられる表皮細胞にはほとんど含まれない。
【0047】
培養増殖した表皮細胞は、ディスパーゼ溶液を加え37℃にて約2時間静置することにより剥す。これをトリプシン溶液に加え表皮細胞を分散させたのち、採取し、グリーン培地を添加して細胞懸濁液をえる。表皮細胞は、必要に応じて継代培養する。具体的には、前記支持細胞を必要数量作製し前記したように培養増殖した表皮細胞を採取して、支持細胞に播種培養する。この際、表皮細胞が角質化しないよう注意して継代培養する。えらえた表皮細胞は、突起物を有する支持体を設置した容器内で収縮を抑えて作製された、たとえば約6×9.5cm、厚さ1mmのコラーゲンスポンジ基材に、5×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にて播種する。
【0048】
表皮細胞が基材に接着したのち、グリーン培地を加えて5%のCO2インキュベーター中37℃にて3日ごとに培地を交換しながら7〜21日間培養する。このようにして複合培養表皮がえられる。
【0049】
前記線維芽細胞は、採取された皮膚を前記と同様に表皮と真皮に分離したのち、えられた真皮をハサミ、ホモジナイザーなどを用いて砕き、0.5w/v%のコラゲナーゼのDMEM溶液(以下、「コラゲナーゼ溶液」という)に加えて、約6時間、約37℃にて振とうして結合組織を溶解させたうえで約400×g〜約1,000×g、好ましくは約600×g〜約800×gで遠心分離して採取する。えられた線維芽細胞は、DMEM+10%FCSなどを培地としてCO2インキュベーター中37℃にてサブコンフルエントとなるまで培養し、必要に応じて多くの線維芽細胞をうるように継代培養する。
【0050】
培養した線維芽細胞をトリプシン溶液を用いてフラスコからはがし、採取して、DMEM+10%FCS中で調製する。この線維芽細胞懸濁液を5×103〜5×105cells/cm2、好ましくは5×104〜2×105cells/cm2の細胞密度にてコラーゲン基材に播種する。細胞が基材に接着したのち、DMEM+10%FCSを加え、5%CO2インキュベーター中37℃にて3日ごとに培地を交換しながら1〜14日間培養を行う。このようにして複合培養真皮をうることができる。複合培養真皮は基材の少なくとも片面に線維芽細胞を培養増殖させてえられる。
【0051】
表皮細胞および真皮細胞の両方を併せて有する複合培養皮膚は、以下のように作製される。前記した複合培養真皮の作製工程にて線維芽細胞を播種し、細胞を良好に基材に接着させたのち該基材を支持体ごと裏返し、複合培養表皮の作製における工程を行い複合培養皮膚をうる。
【0052】
このようにしてえらえた培養皮膚は、創面に適用される前に、DMEMを用いて洗浄し、FCSを除いた同様の培地に置き換えておくことが好ましい。
【0053】
貫通孔を設けられていない基材を用いた培養皮膚では、その適用部に浸出液などが過度に貯留し、感染の温床となることがあるのに対し、本発明の基材を用いた培養皮膚においては、前記のように患部への適用前に貫通孔を設けることによって患部における浸出液の排出が良好に行われ、良好な肉芽組織を形成するうえで極めて有用である。
【0054】
本発明の培養皮膚に用いられるヒアルロン酸は、創傷などを負ったばあいに初期の段階で細胞から産出される生理活性物質であり、患部の治癒過程において表皮細胞および線維芽細胞のいずれもがコラーゲン基材上で良好に移動する上で必要なものであるといわれている。ヒアルロン酸は細胞の足場をゆるやかにすることにより細胞を移動しやすくするという機能を果たしていると考えられている。ヒアルロン酸は、コラーゲン基材を作製する際にコラーゲンの0.1%〜5%の濃度で用いられる。
【0055】
細胞を基材に良好に接着させるために、細胞接着因子としてフィブロネクチンやラミニンなどを本発明の基材に被覆しておくとさらに良好な培養皮膚がえられる。
【0056】
以下に本発明を実施例をあげてさらに詳細に説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定されるものではない。
【0057】
実施例1
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔が設けられたアテロコラーゲンゲルの作製
0.2w/v%アテロコラーゲンDMEM溶液(pH7.4(株)高研製)20mlを、縦8mm、横8mmの間隔にて長さ7mm、一辺1mmの正四角柱形の突起物を配した網目の空隙が7×7mmである網目構造を有するプラスチック製の支持体(5.5×9cm)を設置したプラスチックケース(6×9.5cm、高さ2.8cm)に注加し、37℃、1時間静置してゲル化させ、UVを2mW/cm2、30分間照射して厚さ0.3cmのアテロコラーゲンゲルをえた。
【0058】
実施例2
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けた複合培養真皮(ゲル状)の作製
清潔な環境下で採取されたヒトの皮膚片(約2×2cm、厚さ約0.5mm)をイソジン溶液に浸漬し、ハンクス液で洗浄後ストレプトマイシン(1000μg/mL)、ペニシリン(1000U/mL)およびアンホテリシンB(2.5μg/mL)を混合したハンクス液に室温、30分間浸漬した。
【0059】
つぎに、ディスパーゼ(合同酒精(株)製)溶液10mlに4℃にて12時間浸漬し、ピンセットを用いて表皮と真皮に分離し、えられた真皮部分をハサミでペースト状に砕いてコラゲナーゼ溶液10mlで約6時間、37℃にて処理して結合組織を除去したのち、約700×g、5分間の遠心分離にて線維芽細胞をえた。えられた線維芽細胞はDMEM(ギブコ社製)+10%FCSを用いて5%のCO2インキュベーター中37℃にてプラスチック製培養フラスコ中で3日ごとに培地を交換しながら継代培養し、増殖させた。
【0060】
こののち、トリプシン溶液を用いて細胞をフラスコから剥がし、5×104cells/cm2の細胞密度にて実施例1で作製したアテロコラーゲンゲルに播種した。そのまま、細胞をゲルに接着させるため播種後、室温にて12時間静置したのち前記DMEM+10%FCS15mlを加え、5%のCO2インキュベーター中で37℃にて7日間、3日ごとに培地を交換しながら培養し、支持体が装着された状態にある複合培養真皮をえた。
【0061】
本発明の複合培養真皮は、培養皮膚用コラーゲン基材へ細胞を播種する際の細胞の落下逸脱の防止を目的とした処理を必要としない手段で作製され、著明に収縮率が抑えられており、また該培養皮膚は、適用の際支持体のまま患部に貼設でき、そののち支持体を剥がすことにより貫通孔が設けられ、細胞への栄養分の供給および移植部よりの浸出液の排出が良好にできた。
【0062】
実施例3
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けたアテロコラーゲンスポンジの作製
1w/v%となるよう調製したアテロコラーゲン((株)高研製)の水溶液(塩酸でpH4に調整)100mlをホモジナイザー((株)日本精機製作所製)を用いて1分間撹拌することにより気泡をいれ、縦8mm、横8mmの間隔にて長さ8mm、直径1mmの円柱形の突起物を配した網目の空隙が7×7mmである網目構造を有するプラスチック製の支持体(5.5×9cm)を設置したプラスチックケース底部(6×9.5cm、高さ2.3cm)に25ml注加し、これをアンモニアガス雰囲気下に1時間静置したのち、凍結乾燥を行って厚さ約1mmのアテロコラーゲンスポンジをえた。ついで、このスポンジの片面にUVを1mW/cm2、30分間照射したのちプラスチックケースに入れたままエチレンオキサイドガス滅菌を行った。
【0063】
実施例4
本発明にしたがい突起物を有する支持体を用いて貫通孔を設けた複合培養皮膚(スポンジ状)の作製
表皮細胞は、清潔な環境下にて採取されたヒトの皮膚(約2×2cm、厚さ約0.5mm)から実施例2に記載したのと同様に分離した表皮を、トリプシン溶液10mlに移し、この中で15分間、37℃にて処理したのち実施例2で用いたものと同様のDMEM+10%FCS中に移し、振とうすることにより細胞を分散させ、約400×g、5分間の遠心分離にて沈殿させることによって集め、前記の組成よりなるグリーン培地に懸濁した。表皮細胞を高効率で増殖させるために、以下の支持細胞を用いた。マウス由来線維芽細胞である3T3細胞は前記DMEM+10%FCS中、サブコンフルエントとなるまで5%CO2インキュベーター中37℃にて培養した。ついで、培地を除去してハンクス液ですすぎ、実施例2と同様のDMEMを加えて最終濃度が0.0004%になるようにマイトマイシンC(和光純薬工業(株)製)含有生理的食塩水溶液(0.1mg/mL)を添加した。このフラスコを37℃で2時間静置したのち、ハンクス液を用いて洗浄してマイトマイシンCを除き、増殖能が停止した3T3細胞を採取した。えられた細胞を、グリーン培地に懸濁し、計数後2×104cells/cm2の密度となるよう調製してフラスコに播種した。
【0064】
このようにして調製した3T3細胞を播種した翌日、前記表皮細胞をこれに播種し、37℃にて5%のCO2インキュベーター中で培養増殖させた。
【0065】
一方、実施例3でえられたアテロコラーゲンスポンジに実施例2と同様に線維芽細胞を1×104cells/cm2の密度で播種し、前記DMEM+10%FCS中で2日間培養した。つぎに培地を除去し、アテロコラーゲンスポンジをケース中で支持体ごと反転させ、前記で培養増殖させた表皮細胞を支持体の裏側からスポンジの裏側へ2×105cells/cm2の密度で播種した。これをクリーンベンチの中で8時間静置したのち、グリーン培地を加えて5%のCO2インキュベーター中で37℃にて3日毎に培地を替えながら、14日間培養し、複合培養皮膚をえた。
【0066】
実施例5
ヒアルロン酸を含有する培養皮膚用基材(スポンジ状)の作製
塩酸でpH3に調整した蒸留水にアテロコラーゲン((株)高研製)1gを溶解したのち、水酸化ナトリウム水溶液でpH4.5に調整した水溶液をえた。ついでヒアルロン酸(分子量約200万)0.01gをこのアテロコラーゲン水溶液に溶かし、これにpH4.5に調整した蒸留水を加えて100mLとした(アテロコラーゲン1w/v%、ヒアルロン酸0.01w/v%溶液)。これを1分間ホモジナイズしたのち突起物を有する支持体を設置した6×9.5cm、高さ2.3cmのケース底部にこのアテロコラーゲン−ヒアルロン酸水溶液25mLを流し込んだ。突起物を有する支持体において、突起物は支持体からの長さ8mm、一辺2mmの正四角柱であり、相互に7mm間隔で配置されたものを用いた。これをアンモニアガス雰囲気下にて2時間静置してゲル化させ、水洗したのち、凍結乾燥を行った。
【0067】
これに1mW/cm2でUVを30分間照射した後、エチレンオキサイドガス滅菌を行ってヒアルロン酸を含有したアテロコラーゲン基材をえた。
【0068】
えられた基材に実施例2と同様、線維芽細胞を播種し培養増殖させ、支持体より取出すことにより貫通孔を有する収縮度の小さい複合培養真皮を作製した。
【0069】
この複合培養真皮を2×2cmの全層皮膚欠損を作製したヌードマウスの背部に欠損の大きさに合わせて切り取り移植した。適用後、2週間では、適用部に浸出液の貯留は認められず、肉芽組織が良好に形成され、順調な治癒経過を示した。
【0070】
実施例6
剥離シートを伴う突起物を有する容器を用いて貫通孔を設けた複合培養真皮の作製
底面に四角柱(一辺2mmの正四角柱、高さ7mm)の突起物を配した容器を準備して、この容器(6×9.5cm)の底部上に突起物部分をくり抜いたポリエステルシートを設置した。なお、このシートには取っ手が造作されている。
【0071】
0.2%コラーゲンDMEM中性溶液(セルゲン(CELLGEN)、(株)高研製)20mLと線維芽細胞を混合し、播種密度1×105cells/cm2となるように調製した。
【0072】
この混合液を前記容器に流し込んで、ふたをして37℃に5時間静置した。こののち、実施例2と同様のDMEM+10%FCSを加え、1週間培養して複合培養真皮をえた。適用の際には、ふたをとり、シートの取手部を持ち上げることにより複合培養真皮およびシートが容器から容易にはずれた。こうして貫通孔ができ、複合培養真皮もシートから簡単にはずすことが可能であった。
【0073】
比較例1
実施例6において突起物を設置してない容器を用いて同様に実施したところ細胞を播種培養開始したのち5日目までには、コラーゲンゲルは著しく収縮し、実施例6で作製した複合培養皮膚の面積で25%、体積で約15%となった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、コラーゲン基材に細胞を播種する際に生ずる細胞の落下逸脱の防止を目的とした前処理を必要としない手段を用いて、培養皮膚を創面に適用する前に該培養皮膚に貫通孔を設けることによって、培養増殖された細胞への栄養供給、および適用部に過度に貯留する浸出液の排出が円滑に行われうると同時に収縮をおさえた培養皮膚を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の支持体を用いて貫通孔が設けられた複合培養皮膚の作製手順を示す図である。
【図2】本発明にしたがった突起物を有する容器および剥離シートの上面(a)ならびに断面(b)を示す図である。
【図3】前記の容器に設置された剥離シートの上面(a)および断面(b)を示す図である。
【図4】前記の容器に培養皮膚を完成させた横断面(a−b)および前記の容器からはずされた培養皮膚の付いた剥離シートの断面(a´−b´)を示す図である。
【符号の説明】
1 突起物
2 孔
3 容器
4 剥離シート
5 取手
6 培養皮膚
Claims (6)
- a)コラーゲンスポンジ、コラーゲンシートまたはコラーゲンゲルからなる培養皮膚用基材を、貫通孔を生じるために、網目状の骨格を有しその骨格上に突起物が配された支持体を用いて作製する工程、
b)該基材に皮膚由来の細胞を播種培養する工程および
c)培養皮膚が適用される前に該支持体により貫通孔が設けられる工程
からなり、工程a)およびb)は同時に行ってもよい培養皮膚の製造法。 - 工程b)が該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種培養する工程、該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程または該基材の少なくとも片面に皮膚由来の線維芽細胞を播種培養し、かつ該基材の片面に表皮細胞を播種培養する工程である請求項1記載の製造法。
- 工程c)が前記支持体を取除くことにより成し遂げられる請求項1または2記載の製造法。
- 前記支持体が、剥離シートとともに使用される請求項1、2または3記載の製造法。
- コラーゲンがアテロコラーゲンである請求項1、2、3または4記載の製造法。
- 培養皮膚用基材がヒアルロン酸を含んでなる請求項1、2、3、4または5記載の製造法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04758795A JP3543869B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 培養皮膚およびその製造法 |
US08/611,006 US5906937A (en) | 1995-03-07 | 1996-03-05 | Culture skin and process for preparing the same |
EP96103395A EP0731163A3 (en) | 1995-03-07 | 1996-03-05 | Culture skin and process for preparing the same |
US09/020,669 US6057148A (en) | 1995-03-07 | 1998-02-09 | Apparatus for preparing skin cell culture |
US09/075,519 US6043089A (en) | 1995-03-07 | 1998-05-11 | Skin culture and process for preparing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04758795A JP3543869B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 培養皮膚およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08243156A JPH08243156A (ja) | 1996-09-24 |
JP3543869B2 true JP3543869B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=12779397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04758795A Expired - Fee Related JP3543869B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 培養皮膚およびその製造法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US5906937A (ja) |
EP (1) | EP0731163A3 (ja) |
JP (1) | JP3543869B2 (ja) |
Families Citing this family (64)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10136977A (ja) * | 1996-11-11 | 1998-05-26 | Toyobo Co Ltd | 組織付属器官様構造体を含む人工組織およびその製造方法 |
US20030015825A1 (en) * | 2000-02-03 | 2003-01-23 | Toshimasa Sugie | Spongy moldings comprising water-soluble polymeric material and method of controlling pores thereof |
DE60120151D1 (de) * | 2000-04-28 | 2006-07-06 | Childrens Medical Center | Isolierung von mesenchymalen stammzellen und deren verwendung |
DE10032808A1 (de) * | 2000-06-30 | 2002-01-17 | Tom Witascheck | Vorrichtung zur multilayerartigen Zusammenführung unterschiedlicher Zelltypen in bestimmten Formen und Mustern zu Geweben oder Organen |
US6770721B1 (en) * | 2000-11-02 | 2004-08-03 | Surface Logix, Inc. | Polymer gel contact masks and methods and molds for making same |
FR2828206B1 (fr) * | 2001-08-03 | 2004-09-24 | Centre Nat Rech Scient | Utilisation d'inhibiteurs des lysyl oxydases pour la culture cellulaire et le genie tissulaire |
MXPA04004813A (es) * | 2001-11-21 | 2004-08-11 | Yeda Res & Dev | Procedimientos para la produccion de leucocitos fagociticos mononucleares humanos. |
KR100874543B1 (ko) * | 2002-04-22 | 2008-12-16 | 동아제약주식회사 | 인공피부 배양물 및 그 제조방법 |
JP4097544B2 (ja) * | 2003-02-27 | 2008-06-11 | 独立行政法人理化学研究所 | 人工リンパ節 |
WO2004103333A1 (de) * | 2003-05-24 | 2004-12-02 | Juvena (International) Ag | Gewebekulturmedien als bestandteil von kosmetika |
DE10326747B4 (de) * | 2003-06-13 | 2006-11-02 | Gerlach, Jörg, Dr.med. | Perfusionseinheit und Perfusionsstation zur Hautwundbehandlung sowie dessen Verwendung |
EP1684580A2 (en) | 2003-10-22 | 2006-08-02 | Fred Hutchinson Cancer Research Center | Methods, compositions and devices for inducing stasis in tissues and organs |
EP1609462B1 (en) * | 2004-04-22 | 2015-07-29 | La Prairie Group AG | Cosmetic or dermatological preparation comprising a nutrient medium phase |
DE102004024834A1 (de) * | 2004-05-19 | 2006-01-12 | Universität Rostock | Vorrichtung zur Durchführung einer Liquid-Air-Kultur von Epithel |
HUP0401054A2 (en) * | 2004-05-26 | 2006-07-28 | Dr Juhasz Zsuzsanna Rethyne | Process for growing of living tissue on living organism |
JP4716092B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-07-06 | オリンパステルモバイオマテリアル株式会社 | タンパク質多孔マトリックスの製造方法 |
PL1879599T3 (pl) * | 2005-04-20 | 2014-03-31 | Hutchinson Fred Cancer Res | Sposoby, kompozycje i wyroby do zwiększania przeżywalności komórek, tkanek, narządów i organizmów |
JP2005305177A (ja) * | 2005-05-11 | 2005-11-04 | Toyobo Co Ltd | 組織付属器官様構造体を含む人工組織およびその製造方法 |
US20080260794A1 (en) * | 2007-02-12 | 2008-10-23 | Lauritzen Nels J | Collagen products and methods for producing collagen products |
US9056151B2 (en) * | 2007-02-12 | 2015-06-16 | Warsaw Orthopedic, Inc. | Methods for collagen processing and products using processed collagen |
JP5165320B2 (ja) * | 2007-05-15 | 2013-03-21 | 有限会社 ハナ・ドット・コム | 骨再生能を有する骨補填材の製造方法 |
US20080318864A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Fred Hutchinson Cancer Research Center | Methods and compositions regarding polychalcogenide compositions |
US20090004455A1 (en) * | 2007-06-27 | 2009-01-01 | Philippe Gravagna | Reinforced composite implant |
US9308068B2 (en) | 2007-12-03 | 2016-04-12 | Sofradim Production | Implant for parastomal hernia |
WO2009155334A1 (en) * | 2008-06-20 | 2009-12-23 | Escape Therapeutics, Inc. | Differentiation of mesenchymal stem cells into fibroblasts, compositions comprising mesenchymal stem cell-derived fibroblasts, and methods of using the same |
US9242026B2 (en) * | 2008-06-27 | 2016-01-26 | Sofradim Production | Biosynthetic implant for soft tissue repair |
KR100947765B1 (ko) * | 2008-08-18 | 2010-03-18 | (주)다림티센 | 조직수복재료로서의 콜라겐 기반 매트릭스 및 이의 제조방법 |
US20100158985A1 (en) * | 2008-12-19 | 2010-06-24 | Xylos Corporation | Porous structures of microbial-derived cellulose for in vivo implantation |
US9701937B2 (en) * | 2009-01-06 | 2017-07-11 | Koken Co., Ltd. | Carrier for cultivation of cells |
FR2944706B1 (fr) | 2009-04-28 | 2012-08-24 | Biom Up | Nouveaux materiaux en collagene et procedes d'obtention. |
FR2949688B1 (fr) | 2009-09-04 | 2012-08-24 | Sofradim Production | Tissu avec picots revetu d'une couche microporeuse bioresorbable |
FR2954706B1 (fr) * | 2009-12-31 | 2013-01-18 | Biom Up | Matrice composite |
US8790699B2 (en) | 2010-04-23 | 2014-07-29 | Warsaw Orthpedic, Inc. | Foam-formed collagen strand |
US8460691B2 (en) | 2010-04-23 | 2013-06-11 | Warsaw Orthopedic, Inc. | Fenestrated wound repair scaffold |
FR2972626B1 (fr) | 2011-03-16 | 2014-04-11 | Sofradim Production | Prothese comprenant un tricot tridimensionnel et ajoure |
JP5592842B2 (ja) | 2011-06-24 | 2014-09-17 | Kisco株式会社 | 細胞培養用基膜、細胞培養用基材、及び細胞培養用基材の製造方法 |
FR2977790B1 (fr) | 2011-07-13 | 2013-07-19 | Sofradim Production | Prothese pour hernie ombilicale |
FR2977789B1 (fr) | 2011-07-13 | 2013-07-19 | Sofradim Production | Prothese pour hernie ombilicale |
EP2760494B1 (en) | 2011-09-30 | 2017-04-19 | Sofradim Production | Reversible stiffening of light weight mesh |
FR2985170B1 (fr) | 2011-12-29 | 2014-01-24 | Sofradim Production | Prothese pour hernie inguinale |
FR2985271B1 (fr) | 2011-12-29 | 2014-01-24 | Sofradim Production | Tricot a picots |
FR2994185B1 (fr) | 2012-08-02 | 2015-07-31 | Sofradim Production | Procede de preparation d’une couche poreuse a base de chitosane |
FR2995779B1 (fr) | 2012-09-25 | 2015-09-25 | Sofradim Production | Prothese comprenant un treillis et un moyen de consolidation |
FR2995778B1 (fr) | 2012-09-25 | 2015-06-26 | Sofradim Production | Prothese de renfort de la paroi abdominale et procede de fabrication |
FR2995788B1 (fr) | 2012-09-25 | 2014-09-26 | Sofradim Production | Patch hemostatique et procede de preparation |
CA2880380C (en) | 2012-09-28 | 2020-09-15 | Sofradim Production | Packaging for a hernia repair device |
FR3006578B1 (fr) | 2013-06-07 | 2015-05-29 | Sofradim Production | Prothese a base d’un textile pour voie laparoscopique |
FR3006581B1 (fr) | 2013-06-07 | 2016-07-22 | Sofradim Production | Prothese a base d’un textile pour voie laparoscopique |
DE102013114855B4 (de) * | 2013-12-23 | 2015-12-17 | Ulrich Mohr | Vorrichtung zur Kultivierung von Zellen |
EP3000433B1 (en) | 2014-09-29 | 2022-09-21 | Sofradim Production | Device for introducing a prosthesis for hernia treatment into an incision and flexible textile based prosthesis |
EP3000432B1 (en) | 2014-09-29 | 2022-05-04 | Sofradim Production | Textile-based prosthesis for treatment of inguinal hernia |
EP3029189B1 (en) | 2014-12-05 | 2021-08-11 | Sofradim Production | Prosthetic porous knit, method of making same and hernia prosthesis |
EP3059255B1 (en) | 2015-02-17 | 2020-05-13 | Sofradim Production | Method for preparing a chitosan-based matrix comprising a fiber reinforcement member |
KR102348046B1 (ko) | 2015-03-31 | 2022-01-10 | (주)아모레퍼시픽 | 인공피부 배양용기 및 이를 이용한 인공피부의 제조방법 |
EP3085337B1 (en) | 2015-04-24 | 2022-09-14 | Sofradim Production | Prosthesis for supporting a breast structure |
EP3106185B1 (en) | 2015-06-19 | 2018-04-25 | Sofradim Production | Synthetic prosthesis comprising a knit and a non porous film and method for forming same |
EP3195830B1 (en) | 2016-01-25 | 2020-11-18 | Sofradim Production | Prosthesis for hernia repair |
KR102311121B1 (ko) * | 2016-04-20 | 2021-10-13 | 교토후고리츠다이가쿠호진 | 배양 상피 시트의 제조 방법 |
US20190143002A1 (en) * | 2016-06-24 | 2019-05-16 | Shiseido Company, Ltd. | Three-dimensionally cultured skin sheet, cell culturing vessel used for production thereof, and method for producing three-dimensionally cultured skin sheet |
EP3312325B1 (en) | 2016-10-21 | 2021-09-22 | Sofradim Production | Method for forming a mesh having a barbed suture attached thereto and the mesh thus obtained |
EP3398554A1 (en) | 2017-05-02 | 2018-11-07 | Sofradim Production | Prosthesis for inguinal hernia repair |
JP7290302B2 (ja) * | 2018-10-26 | 2023-06-13 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | ハイドロゲル膜及びその使用 |
EP3653171B1 (en) | 2018-11-16 | 2024-08-21 | Sofradim Production | Implants suitable for soft tissue repair |
US12064330B2 (en) | 2020-04-28 | 2024-08-20 | Covidien Lp | Implantable prothesis for minimally invasive hernia repair |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62246371A (ja) * | 1986-04-19 | 1987-10-27 | 株式会社 高研 | 人工皮膚及びその製造方法 |
US5712137A (en) * | 1990-03-05 | 1998-01-27 | Smith & Nephew Plc | Laminate of a culture substrate on a carrier for producing an apertured wound dressing |
IT1248934B (it) * | 1990-06-01 | 1995-02-11 | Fidia Spa | Membrane forate biocompatibili,processi per la loro preparazione,loro impiego come supporto per la crescita in vitro di cellule epiteliali, pelli artificiali cosi' ottenute e loro impiego nei trapianti di pelle |
JPH04332561A (ja) * | 1991-05-09 | 1992-11-19 | Koken Co Ltd | 培養皮膚用マトリックス |
JPH05192363A (ja) * | 1991-11-07 | 1993-08-03 | Terumo Corp | 創傷被覆材 |
JPH0759812A (ja) * | 1993-08-27 | 1995-03-07 | Koken Co Ltd | 創傷カバ−材及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP04758795A patent/JP3543869B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-03-05 US US08/611,006 patent/US5906937A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-03-05 EP EP96103395A patent/EP0731163A3/en not_active Withdrawn
-
1998
- 1998-02-09 US US09/020,669 patent/US6057148A/en not_active Expired - Fee Related
- 1998-05-11 US US09/075,519 patent/US6043089A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6057148A (en) | 2000-05-02 |
US6043089A (en) | 2000-03-28 |
EP0731163A2 (en) | 1996-09-11 |
US5906937A (en) | 1999-05-25 |
JPH08243156A (ja) | 1996-09-24 |
EP0731163A3 (en) | 1998-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3543869B2 (ja) | 培養皮膚およびその製造法 | |
Chen et al. | Culturing of skin fibroblasts in a thin PLGA–collagen hybrid mesh | |
Atiyeh et al. | New technologies for burn wound closure and healing—review of the literature | |
JP2820796B2 (ja) | 生物療法性細胞被覆微小球状体 | |
US5015584A (en) | Epidermal graft system | |
RU2645473C2 (ru) | Тканевые конструкции, полученные с помощью биоинженерии, и способы их получения и применения | |
JP3646882B2 (ja) | ヒアルロン酸誘導体を基本とするバイオ適合性物質を支持体として含む人工皮膚 | |
US20060182725A1 (en) | Treatment of tissue with undifferentiated mesenchymal cells | |
CN106730034B (zh) | 基于切片式去细胞支架构建的人工神经移植物及制备方法 | |
JPS58501772A (ja) | 遠心による繊維格子中への細胞の接種方法 | |
CA2591979A1 (en) | Tissue engineering devices for the repair and regeneration of tissue | |
CN110975011B (zh) | 一种皮肤溃疡修复基质的制备方法 | |
JP3554412B2 (ja) | 培養皮膚用基材、培養皮膚およびその製造法 | |
KR100760989B1 (ko) | 생체적합성 스캐폴드에서 섬유아세포와 피부각질세포를공동 배양하는 방법 | |
WO2021012677A1 (zh) | 一种仿生的预脉管化材料及其制备方法和应用 | |
JP3377354B2 (ja) | 人工皮膚 | |
JPH06503735A (ja) | 創傷用包帯剤およびその製造法 | |
US9259445B2 (en) | Integrated implant system (IIS) biocompatible, biodegradable and bioactive, comprising a biocompatible sterile porous polymeric matrix and a gel, integrating in situ the tridimensional matrix structure | |
Yildirimer et al. | Tissue‐Engineered Human Skin Equivalents and Their Applications in Wound Healing | |
JP2005512642A (ja) | 毛根間葉細胞から製造された真皮代替物 | |
US20090186408A1 (en) | Biocompatible bilayer porous matrix and preparation thereof | |
JPH1043213A (ja) | 培養皮膚の製造法、該製造法に用いる支持体および容器、ならびに該製造法によりえられる培養皮膚用基材および培養皮膚 | |
JPH0947502A (ja) | 培養皮膚およびその製造法 | |
EP2040766A2 (en) | Integrated implant system (iis) biocompatible, biodegradable and bioactive, comprising a biocompatible sterile porous polymeric matrix and a gel, integrating in situ the tridimensional matrix structure | |
CN108578778A (zh) | 一种用于眼表损伤修复的细胞植片及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040316 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040330 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |