JP3377354B2 - 人工皮膚 - Google Patents

人工皮膚

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JP3377354B2
JP3377354B2 JP35152795A JP35152795A JP3377354B2 JP 3377354 B2 JP3377354 B2 JP 3377354B2 JP 35152795 A JP35152795 A JP 35152795A JP 35152795 A JP35152795 A JP 35152795A JP 3377354 B2 JP3377354 B2 JP 3377354B2
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    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/50Materials characterised by their function or physical properties, e.g. injectable or lubricating compositions, shape-memory materials, surface modified materials
    • A61L27/60Materials for use in artificial skin

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工皮膚およびその
製造法に関する。さらに詳しくは、熱傷、創傷、褥瘡ま
たは皮膚潰瘍などの皮膚欠損創において、広範囲でかつ
真皮の深部に達する皮膚欠損に用いて、良性肉芽組織の
形成を促進する。狭い範囲の皮膚欠損であれば、良性肉
芽組織の形成と共に表皮を含む欠損組織の再建を促進す
る、または治療するための人工皮膚およびその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より熱傷や擦過傷または褥瘡など皮
膚に創傷を負ったばあい、ガーゼや脱脂綿などに軟膏を
併用した治療が行なわれてきた。これらは、細菌感染防
止能が低く、かつ、浸出液を迅速に吸収するため創面を
乾燥させてしまい、除去の際に新生表皮細胞を剥離し、
痛みや出血を伴うことも多かった。また、ガーゼや脱脂
綿の交換も頻繁に行なわねばならなかった。
【0003】こうした状況に鑑みて、近年、種々の創傷
被覆材が開発されてきている。
【0004】たとえば、合成被覆材、生体被覆材および
ハイブリッド被覆材などがあげられる。前記合成被覆材
としては、合成高分子からなり、フィルム、ハイドロゲ
ルなどの形態のものがあるが、ポリウレタンなどからな
るフィルムやハイドロコロイドドレッシングと呼ばれる
創傷被覆材は閉塞性が高いために、患部に浸出液を貯留
させ治癒を遅延させることがしばしばある。
【0005】またナイロンなどの不織布による創傷被覆
材では、患部への密着が強く、交換の際に形成した肉芽
組織や上皮が剥離する問題があった。シリコーン膜+ナ
イロン繊維+コラーゲンからなるハイブリッド被覆材も
開発されているが、患部への密着性が強すぎ、上皮化が
阻害されるという問題がある。前記生体被覆材として
は、凍結乾燥豚皮、コラーゲンを原料として用いた不織
布またはスポンジ、キチンおよび/またはキトサンを不
織布としたものがあるが、生体適合性は高く、合成被覆
材より創傷治癒効果は認められるばあいがあるが、満足
できるものではない。
【0006】これらの創傷被覆材は、材質特性により一
長一短があり、またいずれも満足した治癒効果がえられ
ていないのが現状である。
【0007】一方、これらの問題を解決するために、わ
ずかな皮膚片から表皮細胞あるいは線維芽細胞を採取
し、培養フラスコ中で大量培養する技術が開発され、こ
れらの培養細胞を用いた種々の培養皮膚が開発されてき
ている。
【0008】ハワード・グリーン(H.Green)、
ジェームズ・レインワルド(J.Rheinwald)
らが開発した培養表皮シートは、切手大の皮膚を採取
し、表皮細胞を培養フラスコ中で大量培養して表皮シー
トをうるものである(ハワード・グリーン(H.Gre
en)、サイエンティフィック・アメリカン(SCIE
NTIFIC AMERICAN)、1991年11月
号参照)。
【0009】さらに、スティーブン・ボイス(S.Bo
yce)ら(サージェリー(SURGERY)、103
巻、632〜641頁、1993年4月号参照)は、皮
膚からえられる表皮細胞をフラスコ中で大量に培養し、
コラーゲンにコンドロイチン−6−硫酸を少量添加して
スポンジ状にした基材上に表皮細胞を重層化させた培養
皮膚を開発した。
【0010】また、線維芽細胞をコラーゲン基材に組み
込み、この上に表皮細胞を重層化させた培養皮膚が、特
開平第4−332561号公報に記載されている。
【0011】このようにして培養された皮膚は自家培養
皮膚および他家培養皮膚に分けられる。前記したように
自家培養皮膚は一部に市販されてはいるが、生着率が非
常に悪いという報告がなされている(ローリング・ダブ
リゥー・リウ(LoringW. Rue)など、ザ・
ジャーナル・オブ・トラウマ、35巻、No.5、19
93年5月号参照)。また、短期間の保存しかできない
ので、受注時生産となるため膨大なコストがかかってし
まう。一方、他家培養皮膚は基本的には生着しないが、
細胞から産生される種々の生理活性物質によって良性肉
芽組織の形成を促進し、皮膚欠損が深部にいたらないば
あいには表皮を含む皮膚の再建も可能である。また、大
量生産も可能であるのでコストをある程度低減できる。
しかしながら、このばあいでも長期に在庫できず、培養
皮膚を凍結保存したり、播種する細胞を凍結保存して細
胞の活性(生存)を確保しておく必要がある。凍結保存
方法としてはプログラムフリーザーを用いて室温から−
80℃程度まで−1℃/minで凍結し、液体窒素中約
−196℃に漬けるか、または−150℃程度の液体窒
素気相中かまたは超低温冷凍庫−80℃以下にて保存す
ることが好ましい。このような方法は煩雑で、これらの
装置は非常に高価であり、また、このような方法であっ
ても細胞の生存率は半年ほどで半減してしまう。さら
に、培養皮膚の流通の段階においては、培養皮膚に組み
込まれた細胞の活性(生存)を確保するために新鮮な培
地中で適切な温度を保ち、早急に使用せねばならない。
凍結したまま流通させるばあいは前記のような低温を保
った状態で運搬し、使用前に凍結保存液を培地などで置
きかえて細胞の活性を回復する必要がある。これらの結
果、培養皮膚は大変高価なものになってしまう。そのた
め、簡便に利用でき、より安価な代替品または手法の開
発が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】熱傷、創傷、褥瘡また
は皮膚潰瘍など皮膚欠損創に用いて、早期に良性肉芽組
織を形成させるもしくは表皮を含む欠損組織の再建を促
進するまたは治療するための人工皮膚を提供することを
目的とする。さらに詳しくは、哺乳動物皮膚の細胞由来
の生理活性物質により欠損組織を早期にしかも良好に再
建し、しかも培養皮膚などに比べて安価にかつ安定に長
期間保存できる人工皮膚を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、コラーゲ
ン、キチン、キトサン、ゼラチン、ヒアルロン酸、コン
ドロイチン硫酸およびポリグリコール酸などからなる培
養皮膚用基材に哺乳動物皮膚由来の細胞を播種培養して
培養皮膚を作製し、これを凍結真空乾燥することで、創
傷被覆材より早期にしかも良好に皮膚欠損組織における
良性肉芽組織を形成できあるいは皮膚を再建でき、かつ
培養皮膚などに比べて非常に簡便に扱え、安価に安定に
長期間保存のできる人工皮膚を提供することである。
【0014】したがって本発明は、哺乳動物皮膚由来の
細胞をスポンジ状、不織布状または織布状の培養皮膚用
基材に播種培養してえられたところの、細胞および基材
からなる培養皮膚を、培養により基材に生理活性物質が
沈着した状態で凍結乾燥することを特徴とする人工皮膚
およびその製造法に関する。
【0015】本発明において好ましくは、培養皮膚用基
材がコラーゲン、キチン、キトサン、ゼラチン、ヒアル
ロン酸、コンドロイチン硫酸およびポリグリコール酸か
らなる群より選ばれた少なくとも1つの生体適合物質よ
りなり、培養皮膚用基材がゲル状、スポンジ状、薄膜
状、不織布状または織布状であり、培養皮膚用基材に貫
通した孔が設けられ、コラーゲンとしては、アテロコラ
ーゲンである。
【0016】
【実施例】本発明において、哺乳動物とはヒトを含むあ
らゆる哺乳動物を意味する。
【0017】本発明において、培養皮膚用基材として、
コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、または、ヒ
アルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類また
はポリグリコール酸などの生体適合物質を好ましく用い
ることができる。さらには、前記コラーゲンとしては、
アテロコラーゲンが生体親和性の点で好ましい。
【0018】本発明に用いられるコラーゲンゲルは、コ
ラーゲン溶液をプラスチックなどの容器に流し込み、熱
をかけるかあるいはアンモニアガス雰囲気下などでゲル
化させ平衡塩溶液などに置換することにより作製するこ
とができる。
【0019】前記コラーゲンゲルを作製するのに用いら
れるコラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラ
ーゲンから調製して、pHを好ましくは2〜4、濃度が
0.2〜5w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%と
して、ゲル化はアンモニアなどのガス雰囲気下で必要に
応じて数分〜2時間行なう。ゲル化後、平衡塩溶液など
に置換してコラーゲンゲルをうる。あるいは、コラーゲ
ンの中性溶液(pH6.5〜8)をゲル化させるばあい
濃度0.1〜1w/v%、好ましくは、0.2〜0.5
w/v%でアルカリ性ガスなどは用いずに35〜40℃
に静置してゲルをうる。
【0020】ゲルが簡単に溶解しないようにこののち架
橋するのが好ましい。架橋は、紫外線(UV)を照射す
ることによるかまたは架橋剤を用いて行なう。紫外線を
照射するばあい、架橋に用いる紫外線の主波長は250
〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500〜1
2000mWsec/cm2、好ましくは1000〜5
000mWsec/cm2を照射するとよい。本発明に
用いられる架橋剤の例としてはたとえば、グルタルアル
デヒド、ホルマリン、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどがあげられる。また、コラーゲンゲルの
大きさは適用する創面の大きさにあわせて適宜選択され
る。また、コラーゲンゲルの厚さおよび形状は適用され
る創面の状態によって適宜選択すればよいが、厚さ0.
3〜30mm、形状は、薄板状、板状、棒状、紡錘状あ
るいは両側凸のレンズ状などに成形するとよい。
【0021】本発明に用いられるコラーゲンスポンジ
は、コラーゲン溶液をホモジナイザーを用いてホモジナ
イズすることにより充分に気泡を含ませたものを前記ゲ
ル作製と同様の容器に流し込み、アンモニアガス雰囲気
中に静置してゲル化させたのち凍結乾燥を行ない、つい
で紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入す
ることにより作製することができる。
【0022】前記コラーゲンスポンジ作製に用いられる
コラーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲ
ンから調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃
度が0.2〜5w/v%、好ましくは0.5〜2w/v
%とすることによりえられる。ゲル化は前記と同様に必
要に応じて数分〜2時間行ない、こののち、凍結乾燥を
行なって架橋することで作製される。
【0023】架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は2
50〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500
〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000
〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよ
い。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、
グルタルアルデヒド、ホルマリン、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラ
ーゲンスポンジの大きさは適用する創面の大きさにあわ
せて適宜選択される。また、コラーゲンスポンジの厚さ
および形状は適用される患部の状態によって変化する
が、厚さ0.3〜30mm、形状は、薄板状、板状、棒
状、球状、紡錘状あるいは両側凸のレンズ状などに成形
するとよい。
【0024】本発明に用いられるコラーゲン薄膜は、コ
ラーゲン溶液を前記ゲルおよびスポンジ作製と同様の容
器に入れ、乾燥機の中で風乾して薄膜を形成させたの
ち、紫外線照射または架橋剤によって分子間架橋を導入
することにより作製することができる。また、通常用い
られる湿式抄紙法などによりコラーゲン短繊維から不織
布を作製してもよく、コラーゲン繊維を織って織布を作
製してもよい。
【0025】前記コラーゲン薄膜作製に用いられるコラ
ーゲン溶液は、ウシ真皮などからえられたコラーゲンか
ら調製して、pHを好ましくは2〜4に調整し、濃度が
0.2〜3w/v%、好ましくは0.5〜2w/v%と
することによりえられる。
【0026】架橋に用いる紫外線(UV)の主波長は2
50〜270nmのものが好ましく、紫外線量は500
〜12000mWsec/cm2、好ましくは1000
〜5000mWsec/cm2の線量を照射するとよ
い。本発明に用いられる架橋剤の例としてはたとえば、
グルタルアルデヒド、ホルマリン、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどがあげられる。また、コラ
ーゲン薄膜の大きさおよび厚さは適用する創面の大きさ
にあわせて適宜選択される。
【0027】本発明に用いられるコラーゲン不織布は、
一般的な湿式抄紙法により作製される。すなわち、塩
酸、酢酸などを用いてpHを1.5〜4、好ましくは2
〜3に調整し、濃度を0.5〜5w/v%、好ましくは
1〜3w/v%にしたコラーゲン水溶液(紡糸原液)を
紡糸ノズルから濃厚塩溶液へ紡出することによりコラー
ゲン繊維をえる。紡糸ノズルは、0.1〜0.4mm、
好ましくは0.15〜0.3mmの直径を有するもので
あってもよい。前記濃厚塩溶液は、20〜26w/v%
に調整された塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ア
ンモニウムなどの水溶液であってよい。えられたコラー
ゲン繊維は室温にて風乾したのち、カッター、はさみな
どの切断手段を用いて繊維を3〜10mm、好ましくは
4〜8mmの長さの短繊維となるよう切断される。つい
で、えられたコラーゲン短繊維を水に対して不溶性とす
るためにポリエポキシ化合物、アルデヒド化合物などに
より架橋する。この方法は、たとえばつぎのようにして
遂行できる。えられた短繊維を繊維に対して0.01〜
0.1w/v%のグルタルアルデヒド化合物などの10
%程度の塩化ナトリウム水溶液あるいは硫酸ナトリウム
水溶液などを分散媒として用いて1〜3時間浸漬する。
【0028】こののち、充分に水洗し、蒸留水などに分
散させ叩解処理して均一な分散液(スラリー)をうる。
抄紙は、たとえばナイロン、ポリエステルなどの繊維、
ステンレスなどの金属または樹脂から作製された50〜
100メッシュの篩上で手抄する。もしくは工業的に
は、前記短繊維の分散液を抄紙機にかけて抄紙する。え
られる薄板状のものを脱水し、25〜35℃でゆるやか
に風乾するかまたは室温にて減圧乾燥することによりコ
ラーゲン不織布がえられる。
【0029】さらに、強度を持たせるばあいには、コラ
ーゲンまたはゼラチンの希薄な水溶液を不織布表面に噴
霧し、架橋させる。たとえば、乾燥させた不織布にグル
タルアルデヒド0.01v/v%を含む0.01〜0.
5w/v%コラーゲン水溶液を100mL/m2程度で
噴霧して、風乾する。こののち水洗し、再度風乾させ
る。
【0030】本発明に用いられるコラーゲン織布は前記
のようにしてえられたコラーゲン繊維を通常の方法で織
ることにより作製される。
【0031】本発明で用いられるヒアルロン酸薄膜は、
ヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解させ、このの
ち、水酸化ナトリウム水溶液を加え、これに架橋剤を加
えて撹拌する。このヒアルロン酸ナトリウム水溶液をシ
ャーレに流し込んで、60℃程度に加熱することでゲル
状物をえた。これを0.1〜1規定の塩酸などの酸性の
水溶液に浸漬することで中和し、水洗したのち、凍結乾
燥してヒアルロン酸薄膜をえた。
【0032】本発明で用いられるヒアルロン酸含有コラ
ーゲンスポンジおよび薄膜は、以下のように作製され
る。すなわち、ヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解
させ、このヒアルロン酸ナトリウム水溶液をコラーゲン
水溶液に加え撹拌する。前記コラーゲン水溶液は、ウシ
真皮などからえられたコラーゲンから調製して、pHを
好ましくは3〜4.5に調整し、濃度が0.2〜5w/
v%、好ましくは0.5〜2w/v%とすることにより
えられる。ヒアルロン酸の濃度は、0.01〜0.2m
g/mLが好ましい。このヒアルロン酸−コラーゲン混
合液を用いて前記コラーゲンスポンジおよび薄膜の作製
方法でヒアルロン酸含有コラーゲンスポンジおよび薄膜
を作製する。
【0033】本発明で用いられる基材には、その少なく
とも片面において哺乳動物皮膚の表皮細胞が播種され培
養増殖されるのが好ましいが、哺乳動物皮膚の線維芽細
胞であってもよい、当然表皮細胞と線維芽細胞の両方が
播種培養されていてもよい。
【0034】基材がゲルのばあいは、これら細胞と中性
コラーゲン溶液とを混合してゲル化する。前記表皮細胞
とは、基底細胞を含む角質化細胞およびその他の表皮細
胞層に通常存在する細胞を意味するが、ここでは主に角
質化細胞をいう。前記線維芽細胞とは、主に真皮中の主
要な細胞であり、コラーゲンをはじめとする結合組織成
分を産生して、これらの成分と結合して結合組織を形成
している細胞をいう。
【0035】前記表皮細胞は、一例として、以下の手順
で調製される。清潔な環境下で採取された皮膚(表皮お
よび、真皮の一部または皮膚全層)を消毒し、抗生物質
を含有する生理食塩水またはハンクス(Hank´s)
液などの緩衝液に浸漬する。この皮膚をディスパーゼ濃
度1000U/mLに調製したハンクス液(以下、「デ
ィスパーゼ溶液」という。)に浸漬したのち表皮と真皮
に分離する。えられた表皮をトリプシン濃度0.25w
/v%、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDT
A)濃度0.5mM/mLに調製したハンクス液(以
下、「トリプシン溶液」という。)中、37℃で約15
分間浸漬したのち10v/v%ウシ胎児血清(FCS)
を含むダルベッコ変法イーグル最少必須培地(DME
M)(以下、「DMEM+10%FCS」という。)な
どの培地中に移し、振とうすることにより細胞を分散さ
せ、約400×g、5分間、遠心分離にてうることがで
きる。えられた表皮細胞は、たとえばグリーン(Gre
en)培地、NCTC168培地、MCDB153培
地、とくに好ましくはグリーン培地を加えて表皮細胞懸
濁液とする。
【0036】前記グリーン培地とはDMEMとHam´
s F−12を3:1に混合し、ハイドロコルチゾン
(0.4μg/mL)、インスリン(5μg/mL)、
トランスフェリン(5μg/mL)、トリヨードチロニ
ン(0.0013μg/mL)、コレラ毒素(0.01
μg/mL)、アデニン(24.3μg/mL)、表皮
増殖因子(0.01μg/mL)と抗生物質を添加し、
10%FCSを含んでなる表皮細胞増殖培地である(セ
ル(Cell)、40巻、677〜683頁、1985
年3月号参照)。
【0037】前記表皮細胞を高効率で増殖させるには、
たとえばマイトマイシン処理や放射線照射などによって
増殖能を消失させたマウス由来の線維芽細胞である3T
3細胞などを支持細胞として定着させた培養フラスコ中
で表皮培養を行なうことが好ましい。
【0038】具体的には、この3T3細胞を培養したの
ち、培地を除去してハンクス液ですすぎ、これを除去す
る。ついでマイトマイシンC4μg/mL含有DMEM
溶液を細胞全体が充分漬かるように75cm2フラスコ
では、1〜3mL加え37℃にて2時間程度静置したの
ちハンクス液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。
こうして、3T3細胞は生きたままで増殖能のみが消失
せしめられる。えられた増殖能を有しない3T3細胞を
採取して、前記グリーン培地に懸濁し、1×103〜5
×104cells/cm2、好ましくは5×103〜3
×104cells/cm2の密度になるよう調製したの
ち培養フラスコへ播種する。この培養フラスコに前記表
皮細胞を3T3細胞と同時にまたは3T3細胞播種の1
〜2日後に5×103〜5×105cells/cm2
好ましくは1×104〜2×105cells/cm2
細胞密度にて播種して、5%CO2インキュベーター
中、37℃にて培養する。3T3細胞はこの培養継続中
に表皮細胞がコロニーを形成する過程においてフラスコ
底面より培地中に浮き上がり、培地を交換する際に除去
されるので、最終的にえられる表皮細胞にはほとんど含
まれない。
【0039】培養増殖させた表皮細胞は、ディスパーゼ
溶液を加え37℃にて約2時間静置することにより剥が
す。これをトリプシン溶液に加え表皮細胞を分散させた
のち遠心分離して採取し、グリーン培地を添加して細胞
懸濁液をえる。
【0040】表皮細胞は、必要に応じて継代培養する。
具体的には、前記支持細胞を必要数量作製し、前記した
ように培養増殖した表皮細胞を採取して支持細胞に播種
培養する。この際、表皮細胞が角質化しないように注意
して継代培養する。
【0041】えられた表皮細胞を作製されたたとえば約
6×9.5cm、厚さ2mmのコラーゲンスポンジ基材
に5×104〜2×105cells/cm2の細胞密度
にて播種する。表皮細胞が基材に接着したのち、グリー
ン培地を加えて5%のCO2インキュベーター中37℃
にて3日ごとに培地を交換しながら1〜20日間培養す
る。このようにしてコラーゲンスポンジ基材に表皮細胞
が付着した培養表皮がえられる。
【0042】線維芽細胞は、採取された皮膚を前記と同
様に表皮と真皮に分離したのち、えられた真皮をハサ
ミ、ホモジナイザーなどを用いて砕き、0.5w/v%
のコラゲナーゼDMEM溶液(以下、「コラゲナーゼ溶
液」という)に加え、約6時間、約37℃にて振とうし
て結合組織を溶解させたうえで約400×g〜約1,0
00×g、好ましくは約600×g〜約800×gで遠
心分離して採取する。えられた線維芽細胞は、DMEM
+10%FCSなどを培地として5%CO2インキュベ
ーター中37℃にてサブコンフルエントとなるまで培養
し、必要に応じて多くの線維芽細胞をうるように継代培
養する。
【0043】こうしてえられた線維芽細胞をたとえば約
6×9.5cm、厚さ2mmのコラーゲンスポンジ基材
に播種するばあい、培養した線維芽細胞をトリプシン溶
液を用いて剥がし、遠心分離して採取し、DMEM+1
0%FCS中で線維芽細胞懸濁液を調製する。この細胞
懸濁液を5×103〜5×105cells/cm2、好
ましくは5×104〜2×105cells/cm2の細
胞密度にてコラーゲン基材に播種する。細胞が基材に接
着したのち、DMEM+10%FCSを加え、5%CO
2インキュベーター中37℃にて3日ごとに培地を交換
しながら1〜20日間培養を行なう。このようにしてコ
ラーゲンスポンジに線維芽細胞が付着した培養真皮をう
ることができる。
【0044】また、表皮細胞および真皮細胞の両方を併
せて有する複合培養皮膚は、以下のように作製される。
前記した培養真皮の作製工程にて線維芽細胞を播種し3
時間〜3日程度培養したのち該基材を裏返し、培養表皮
の作製における工程を行ない複合培養皮膚をうることが
できる。
【0045】本発明の人工皮膚の作製方法は以下のとお
りである。こうして作製された培養表皮、培養真皮また
は複合培養皮膚である培養皮膚を−5℃以下、好ましく
は−10℃以下で凍結する。凍結手段としては凍結乾燥
機、冷凍庫、超低温冷凍庫、液化炭酸ガスなどを用い
る。凍結された培養皮膚を−5℃〜−85℃、好ましく
は凍結させた温度で真空下にて乾燥を開始する。この
際、真空度は、凍結温度における氷の水蒸気圧以下とす
る。乾燥の過程は、凍結せしめた培養皮膚の温度を測定
することで観測する。凍結した培養皮膚を真空乾燥する
と、氷結は昇華し蒸発潜熱が奪われるので、培養皮膚
(人工皮膚)の(凍結)設定温度より低温であるが、昇
華が完了した時点で設定温度と同程度となる。しかし、
こののちわずかな水分が水蒸気の状態で人工皮膚中に残
存するので昇華完了後さらに10〜72時間真空下で乾
燥する。
【0046】乾燥が完了したのち5〜20℃、好ましく
は5〜10℃で取り出し、20℃以下、好ましくは10
℃以下にて保存する。培養皮膚作製において前記のよう
に血清を含む培地を用いたばあいには、人工皮膚作製に
おいて凍結前に培養した培地を除去し、血清を含まない
DMEMまたはMCDB153培地に置換したうえで凍
結乾燥を行なうことが好ましい。
【0047】培養皮膚作製において、MCDB153培
地などの無血清培地を用いたばあいには、そのまま凍結
乾燥を行なうことができる。
【0048】本発明における培養皮膚用基材には、貫通
した孔を設けることができる。前記孔は、とくに培養皮
膚用基材に厚みがあるばあい(たとえば0.5mm以
上)には設けられているのが好ましい。
【0049】本発明における培養皮膚用基材に用いられ
るヒアルロン酸は、創傷などを負ったばあいに初期の段
階で細胞から出現する生体由来高分子であり、患部の治
癒過程において細胞の足場をゆるやかにすることにより
細胞を移動しやすくするという機能を果たしていると考
えられている。ヒアルロン酸は、コラーゲン基材を作製
する際に0.01〜0.2mg/mLの濃度で用いられ
る。
【0050】また、細胞を基材に良好に接着させるため
に、細胞接着因子としてフィブロネクチンやラミニンな
どを本発明の基材に被覆しておくとさらに良好な培養皮
膚がえられる。
【0051】本発明に用いられる培養皮膚は、移植用に
作製され長期に培養された培養皮膚または凍結保存され
た培養皮膚が細胞生存率の低下により破棄することとな
ったものを利用することができる。このばあい、簡単に
乾燥するだけで本発明の人工皮膚へ転換することがで
き、培養皮膚の有効利用が可能である。凍結保存された
培養皮膚を当該人工皮膚に転換するばあい、凍結保護剤
(グリセロール、DMSOなど)を除去したうえで人工
皮膚を作製することが好ましい。
【0052】哺乳動物皮膚の細胞を用いて作製された培
養皮膚より作製された人工皮膚は、以下のようにして創
傷治癒に有効に働くと考えられる。
【0053】創傷の治癒過程は、血管の収縮による止
血、血小板による血液凝固(血液凝固期)、白血球の遊
走・食作用(炎症期)、線維芽細胞の増殖・コラーゲン
の産生(増殖期)、組織の再構築(構築期)からなる4
段階の連鎖反応である。
【0054】こうした創傷治癒過程には、様々な生理活
性物質が関与している。
【0055】炎症期には、炎症反応によって浸潤する好
中球、リンパ球、マクロファージが、種々の炎症性の生
理活性物質を産出する。これらの炎症細胞の出現が引き
金となって連鎖反応が起り生理活性物質が産生されるこ
とで線維芽細胞が増殖し、コラーゲンやフィブロネクチ
ンなどが産出して細胞外基質が形成される。同時に血管
内皮細胞の増殖が進み血管新生が促進され肉芽組織が再
構築される。引き続き、表皮細胞が残存しているか、ま
たは狭い範囲の創傷であれば、これらの生理活性物質の
作用により表皮細胞が増殖、移動して皮膚組織を再構築
する。
【0056】ここで、生理活性物質とは、成長因子およ
びサイトカインのことである。成長因子とは、特異的な
レセプターを介して細胞の増殖、分化を制御している物
質であり、大部分はポリペプチドである。サイトカイン
とは、免疫応答、炎症反応など細胞間相互作用を媒介す
る糖タンパク質であり、マクロファージ、リンパ球、線
維芽細胞、表皮細胞、血管内皮細胞で産生される。
【0057】成長因子とサイトカインは、一般に厳密に
区別して取り扱われていないのが現状であるので、ここ
では総称してサイトカインと呼ぶ。
【0058】前記した創傷治癒過程とサイトカインの関
係は、未だ不明な点が多いが、最近次第に解明されつつ
ある。
【0059】具体的には、炎症期にマクロファージが、
インターロイキン(IL)−1、IL−6、腫瘍壊死因
子(TNF)−α、トランスホーミング成長因子(TG
F)−β、線維芽細胞増殖因子(FGF)など多くの創
傷治癒反応を促進するサイトカインを産生する。
【0060】続いて、線維芽細胞は、血小板由来増殖因
子(PDGF)、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞
増殖因子(FGF)などの作用を受け増殖する。線維芽
細胞はIL−1、IL−6、インターフェロン(IF
N)−β、インスリン様成長因子(IGF)−Iなどを
産生して、自己分泌(オートクライン)的な増殖も認め
られている。オートクラインとは、細胞が自ら成長因子
をつくってその細胞自身に作用することを言う。
【0061】細胞外基質の形成にはTGF−αが重要な
働きをしている。肉芽組織の形成には、血管新生が不可
欠であり、FGF、血小板由来血管内皮細胞成長因子
(PD−ECGF)が働いている。(徳永昭ら、創傷治
癒とサイトカイン、バイオメディカル・パースペクティ
ブ(Biomedical Perspective、
4巻、No.1、15〜22頁、1995年参照)。
【0062】表皮のケラチノサイトからは、IL−1、
IL−3、IL−6、顆粒球マクロファージコロニー刺
激因子(GM−CSF)、TGFが産出されており、そ
のメカニズムはほとんど解明されていないが、皮膚構成
細胞に様々に作用し、毛包などに残存する表皮細胞また
は創周辺の表皮細胞の増殖、移動を促進して表皮を形成
する。
【0063】小野らは、浅達性II度熱傷で生じた水疱中
の浸出液に含まれる種々のサイトカイン(IL−1α、
IL−1β、IL−6、IL−8、TGF−α、TGF
−β1、TGF−β2、PDGF、EGF、ベイシック
FGF(bFGF))の定量を行ない、同時に、浸出液
が表皮細胞(ケラチノサイト)の増殖を促進することを
確認している(バーンズ(Burns)、21巻、N
o.5、352〜355頁、1995年参照)。
【0064】IL−6は、マクロファージのみならず、
血管内皮細胞、線維芽細胞、表皮細胞から産出されてい
る。これら外的な侵襲に際して、生体防御の最前線にあ
る細胞がIL−6を産出することから、非特異的生体防
御反応の早期にIL−6が働いていること考えられてい
る。表皮細胞表面には、IL−6レセプターが存在する
ことは明らかになっており、IL−6のオートクライン
機構も考えられている(吉崎和幸、IL−6、サイトカ
イン94、74〜81頁、1994年参照)。
【0065】哺乳動物皮膚からえられ、培養した線維芽
細胞、表皮細胞の培養液には、種々のサイトカインが存
在している。培養ケラチノサイトからは、正常な表皮に
比し、多くのサイトカインを放出していると言われてい
る。
【0066】これらの培養細胞を前記培養皮膚用基材に
播種、培養した状態で、培養細胞から生理活性物質が分
泌される。そして、この一部は培養細胞に付着し、一部
は、培養皮膚用基材に沈着して留まり、また一部は培地
中に拡散すると考えられる。
【0067】こうして作製した培養皮膚を凍結乾燥する
ことで細胞は死滅するが、ポリペプチドや糖タンパク質
である生理活性物質の一部は、人工皮膚中に温存され
る。
【0068】こうしてえられた人工皮膚を創面に適用す
ることで創傷治癒を促進することができる。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例をあげてさらに詳細に
説明するが、本発明はもとよりこれら実施例に限定され
るものではない。
【0070】実施例1 アテロコラーゲンゲルを基材とする培養皮膚を用いた人
工皮膚の作製 清潔な環境下で採取されたヒトの正常皮膚片(約2×2
cm、厚さ約0.5mm)をイソジン溶液(明治製菓
(株)製)に浸漬し、ついでストレプトマイシン(10
00μg/mL)、ペニシリン(1000U/mL)お
よびアンホテリシンB(2.5μg/mL)を混合した
ハンクス液に室温、30分間浸漬した。
【0071】つぎに、ディスパーゼ(合同酒精(株)
製)溶液10mLに4℃にて12時間浸漬し、ピンセッ
トを用いて表皮と真皮に分離し、えられた真皮部分をハ
サミでペースト状になるまで砕いたのち、コラゲナーゼ
(和光純薬工業(株)製)溶液10mLで約6時間、3
7℃にて処理して結合組織を除去し、約700×g、5
分間の遠心分離にて沈殿させることによって線維芽細胞
をえた。えられた線維芽細胞はDMEM(ライフテック
オリエンタル社製)+10%FCSに懸濁してプラスチ
ック製培養フラスコに播種し、5%CO2インキュベー
ター中、37℃にて初代培養した。この線維芽細胞が増
殖したのち、継代培養し、さらに増殖させた。
【0072】培養フラスコ中で増殖した線維芽細胞をト
リプシン(ギブコ(GIBCO)社製)溶液を用いて剥
がし、遠心分離してこれを採取し、DMEM+10%F
CSに懸濁させた。
【0073】こうしてえた線維芽細胞を計数したのち、
プラスチックケース(6×9.5cm、高さ2.8c
m)にアテロコラーゲン溶液と線維芽細胞を混合して5
×104cells/cm2の細胞密度になるように混合
して前記プラスチックケースに注加した。
【0074】ここで用いたアテロコラーゲン溶液は、
0.2w/v%アテロコラーゲンDMEM溶液(pH
7.4、アテロコラーゲンは(株)高研製)20mLで
ある。
【0075】線維芽細胞を含んだアテロコラーゲン溶液
は、5%CO2インキュベーター中、37℃に静置する
ことでゲル化した。5時間静置したのち、DMEM+1
0%FCSにて培地を置換し、5%CO2インキュベー
ター中、37℃にて6日間、3日ごとに培地を交換しな
がら培養した。
【0076】培養後、この培養皮膚の培地をDMEMで
置換し、過剰な培地を除去した。こののち、凍結乾燥機
に入れ、−0.5℃/minにて−30℃まで凍結し、
5時間後、真空度3×10-2mbarにて真空乾燥を開
始し、品温(人工皮膚温度)が棚温(設定温度:−30
℃)とほぼ同じになったのち棚温を5℃に上昇させ、さ
らに15時間乾燥し凍結乾燥機より取り出し、スポンジ
状の本発明の人工皮膚をえた。この人工皮膚を5℃冷蔵
庫で保存した。
【0077】実施例2 アテロコラーゲンスポンジを基材とする培養皮膚を用い
た人工皮膚の作製 アテロコラーゲン((株)高研製)を塩酸でpH3に調
整した蒸留水100mLに1w/v%になるように加
え、溶解させたのち、pH4に調整した。これをホモジ
ナイザー((株)日本精機製作所製)を用いて1分間撹
拌することにより気泡を入れた。これをプラスチックケ
ース(6×9.5cm、高さ2.8cm)に25mL注
加し、アンモニアガス雰囲気中に2時間静置してゲル化
させたのち、流水中にて水洗し、凍結乾燥を行なって厚
さ2mmのアテロコラーゲンスポンジをえた。ついで、
このスポンジの片面にUVを1mW/cm2、30分間
照射したのちプラスチックケースに入れたままエチレン
オキサイドガス滅菌した。
【0078】えられたアテロコラーゲンスポンジにDM
EM+10%FCSを加え24時間浸漬した。ついで余
分なDMEM+10%FCSを除去し、実施例1と同様
にして採取、培養してえられた線維芽細胞を5×104
cells/cm2の細胞密度で播種し、5時間静置し
たのち、DMEM+10%FCSを加え、蓋をして5%
CO2インキュベーター中、37℃にて6日間で3日毎
に培地を交換して6日間培養し、線維芽細胞を組み込ん
だ培養皮膚をえた。
【0079】この培養皮膚の1cm2を2片切り取り、
実施例1に記載されたコラゲナーゼ溶液に入れ、それぞ
れ溶解させ、基材のコラーゲンスポンジが溶解したの
ち、トリパンブルー色素排除法にて生細胞数を計測し
た。生細胞数は1.3×105cells/cm2であっ
た。
【0080】こののち実施例1の条件と同様に凍結乾燥
し、本発明の人工皮膚をえた。この人工皮膚を冷蔵庫で
5℃にて保存した。
【0081】実施例3 アテロコラーゲンスポンジを基材とする複合培養皮膚を
用いた人工皮膚の作製表皮細胞は、バイオプシーでえら
れたヒトの皮膚(約2×2cm、厚さ約0.5mm)か
ら実施例1に記載したと同様に分離した表皮を、実施例
1に記載されたトリプシン溶液10mLで15分間、3
7℃にて処理したのちDMEM+10%FCS中に移
し、振とうすることにより細胞を分散させ、400×
g、5分間の遠心分離にて沈殿させることによってこれ
を集め、前記組成よりなるグリーン培地に懸濁した。
【0082】表皮細胞を高効率で増殖させるために、以
下の支持細胞を用いた。マウス由来線維芽細胞である3
T3細胞をDMEM+10%FCSに懸濁させ、これを
培養フラスコ中に播種し、サブコンフルエントとなるま
で5%CO2インキュベーター中、37℃にて培養し
た。ついで、培地を除去してハンクス液ですすぎ、DM
EMを加えてここに最終濃度が0.0004%になるよ
うにマイトマイシンC(和光純薬工業(株)製)含有生
理的食塩水溶液(0.1mg/mL)を添加した。この
培養フラスコを37℃で2時間静置したのち、ハンクス
液を用いて洗浄してマイトマイシンCを除き、増殖能が
停止した3T3細胞を採取した。えられた細胞は、グリ
ーン培地に懸濁し、計数後2×104cells/cm2
の密度となるように調製して培養フラスコに播種した。
このようにして調製した3T3細胞を播種して20時間
後に、前記表皮細胞を前記3T3細胞上に播種し、37
℃にて5%のCO2インキュベーター中で培養増殖させ
た。
【0083】一方、実施例2と同様にしてアテロコラー
ゲンスポンジに線維芽細胞を播種し、DMEM+10%
FCS中で2日間培養し、線維芽細胞が付着した培養皮
膚を作製した。
【0084】つぎに前記培養皮膚が入ったプラスチック
ケース中の培地を除去し、線維芽細胞が付着した培養皮
膚をケース中で反転させ、前記のように培養増殖させた
表皮細胞を1×105cells/cm2の細胞密度で播
種した。ここで用いた表皮細胞は、前記したようにして
培養増殖させたものを、実施例1に記載されたディスパ
ーゼ溶液を培養フラスコに加えて37℃で1時間静置す
ることにより剥がし、これを遠心分離して、採取したの
ち実施例1に記載されたトリプシン溶液を加えて分散さ
せ、再び遠心分離してこれを採取した。こうしてえられ
た表皮細胞にグリーン培地を加え、計数後、前記のよう
に線維芽細胞を付着させた培養皮膚に播種したものであ
る。
【0085】表皮細胞の播種後、クリーンベンチの中で
8時間静置したのち、グリーン培地を加えて5%のCO
2インキュベーター中で37℃にて3日毎に培地を交換
しながら10日間培養し、複合培養皮膚をえた。
【0086】えられた複合培養皮膚の入ったケースの培
地を除去し、前記培養皮膚をDMEMで洗浄し、過剰な
DMEMを除去したのち−1℃/minにて−80℃ま
で凍結した。1カ月後、これを凍結の状態で真空下乾燥
した。この際の凍結乾燥条件は、−30℃、2×10-2
mbarであり、品温(人工皮膚温度)が棚温(設定温
度:−30℃)とほぼ同じになってから棚温5℃として
15時間真空乾燥し、本発明の人工皮膚をえた。
【0087】実施例4 ヒアルロン酸含有コラーゲンスポンジを基材とする培養
皮膚を用いた人工皮膚の作製 塩酸でpH3に調整した蒸留水100mLにアテロコラ
ーゲン((株)高研製)を溶解して1w/v%の水溶液
とした。こののち、アテロコラーゲン水溶液をpH4に
調整した。また、別にヒアルロン酸ナトリウム(紀文フ
ードケミファ(株)製)0.01gを蒸留水に溶かして
1w/v%の水溶液を調製した。この溶液1mLを前記
アテロコラーゲン水溶液と混合して100mLとし、ヒ
アルロン酸−アテロコラーゲン水溶液(ヒアルロン酸
0.01w/v%溶液)をえた。これを1分間ホモジナ
イズしたのち、プラスチックケース(6×9.5cm、
高さ2.8cm)にヒアルロン酸−アテロコラーゲン水
溶液25mLを流し込んだ。これをアンモニア雰囲気下
にて2時間静置してゲル化させ、水洗したのち、凍結乾
燥を行なった。
【0088】これに1mW/cm2でUVを30分間照
射したのち、エチレンオキサイドガス滅菌を行なってヒ
アルロン酸を含有したアテロコラーゲン基材をえた。
【0089】この基材に実施例2と同様の方法で採取
し、増殖せしめた線維芽細胞を5×104cells/
cm2の細胞密度で播種し、培養増殖させた。
【0090】こののち、培地を除去し、この培養皮膚を
DMEMで洗浄し、余分なDMEMを除去した。このの
ち、凍結乾燥機に入れ約−1℃/minにて−30℃ま
で冷凍して凍結させた5時間後、真空度2×10-2mb
arにて真空乾燥を開始し、品温(人工皮膚温度)が棚
温(設定温度:−30℃)とほぼ同じになってから棚温
を5℃として15時間真空下で乾燥したのち、凍結乾燥
機から取り出し本発明の人工皮膚をえた。この人工皮膚
を冷蔵庫で5℃にて保存した。
【0091】実施例5 ヒアルロン酸薄膜を基材とする培養皮膚を用いた人工皮
膚の作製 ヒアルロン酸ナトリウム0.2gに蒸留水1mLを加
え、これに1N水酸化ナトリウム水溶液0.5mLを加
えて溶解させ、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液とした。
グリセロールポリグリシジルエーテル(デナコール E
X−313メディカルグレード、ナガセ化成工業(株)
製)2gをエタノール5mLに溶解させた。グリセロー
ルポリグリシジルエーテルのエタノール溶液0.43g
をヒアルロン酸ナトリウム水溶液に加えてよく撹拌し
た。この混合液を直径約2cmのプラスチックシャーレ
に入れ乾燥機で60℃、15分間加熱した。
【0092】えられた薄膜をこのシャーレからはずして
蒸留水で水洗したのち、0.1N塩酸にて中和し、50
v/v%エタノール水溶液に置換してまた蒸留水中に浸
漬した。そののち、実施例2と同様に、線維芽細胞を播
種し培養増殖させ、凍結乾燥して本発明の人工皮膚をえ
た。
【0093】試験例1 本発明の人工皮膚に温存された生理活性物質は、創面に
おいて浸出液に溶解または拡散し前記したような機構で
創傷治癒を促進すると考えられる。人工皮膚にて創傷治
癒が促進されることを動物実験にて確認した。
【0094】4週齢のオスICRマウス(4匹)を飼育
室で2週潤化させてから以下の実験に供した。マウスを
左手でしっかり保持したのち、生理的食塩水で5倍に希
釈したペントバルビタール(ピボット社)を50mg/
kgの濃度で腹腔内に投与し、深麻酔に至ってから背部
中央の3cm四方を剃毛した。翌日、マウスに前日と同
様の麻酔を施し、深麻酔に至ったマウスをコルク板上に
固定した。70%アルコールで背部正中皮膚を消毒した
のち、左右2カ所の皮膚剥離位置にそれぞれ直径20m
mの皮膚切離マークを施した。円形マークの頭側の円周
上の一点をピンセットでつまみ上げ、マークの内縁に沿
って眼科用ハサミで約2mmを切り、ここを拠点として
皮切を伸ばして行き、出血および皮下筋層の切断なしに
直径20mmの移植床を2カ所作製した(図1)。
【0095】実施例2で作製したスポンジ状の人工皮膚
を6ケ月間5℃にて保存したのち、直径20mmに切
り、DMEMに浸漬後、室温に30分間放置し、充分に
DMEMになじませてから、人工皮膚より大きな滅菌ガ
ーゼで覆った。このとき、人工皮膚と滅菌ガーゼを密着
させたまま、移植床の中央に置き、人工皮膚を移植床面
に隙間が残らないように広げた。
【0096】このようにして、移植床と人工皮膚の辺縁
を合わせたのち、周辺の6ケ所を6−0ナイロン糸付角
型縫合針(協和時計工業(株)製)で縫合した。
【0097】人工皮膚の上に、直径20mmの円形に作
製した創傷被覆用不織膜を載せ、人工皮膚と同様に6カ
所を縫合し、さらに25mm四方に折りたたんだ滅菌ガ
ーゼ2〜3枚を載せ、弾性包帯を胸腹部に巻き固定し
た。
【0098】同時に、実施例2の前半で作製方法を開示
したコラーゲンスポンジを対照として人工皮膚の代わり
に同一マウスに使用し、同様の処置をした。移植後は、
隔離式のケージを用い一匹毎に飼育した。
【0099】移植した人工皮膚の観察および2次移植
は、一週間ごとに4週間行なった。観察を行なう時に
は、前記同様、麻酔を施し、包帯を除去したのち、眼科
用ハサミで抜糸し、移植した人工皮膚を取り除いた。創
面を肉眼的に観察したのち、前述同様に人工皮膚を移植
し(2次移植)さらに実験終了まで毎週同様の操作を繰
り返した。
【0100】観察全期間を通して、創面の壊死、硬結、
浮腫などの所見を伴う拒絶反応は出現しなかった。移植
後1週間では、人工皮膚移植面(図2右創面)は、創全
面に良性肉芽組織が形成しているのが観察できたが、コ
ラーゲンスポンジのみを適用した創面(図2左創面)で
は、肉芽の発達が良くなく、若干の感染と若干の皮膚拘
縮が見られた。2週間後には、人工皮膚移植面(図3右
創面)は、さらに肉芽が発達し、周囲からの表皮の伸展
が明らかとなっているのに対して、コラーゲンスポンジ
のみを適用した創面(図3左創面)は、肉芽組織の形成
および表皮の伸展共に人工皮膚を貼付したものほどでは
なかった。4週間後には、人工皮膚を移植した創面(図
4右創面)は、コラーゲンスポンジのみを適用した創面
(図4左創面)に比し、表皮の閉塞が早く、かつ、拘縮
もみられず良好に治癒していた。
【0101】試験例2 IL−6の定量 本発明の人工皮膚中に温存されたIL−6タンパク質量
は、固相上に固定化した抗体により、測定すべきIL−
6タンパク質をトラップし、酵素標識二次抗体を使って
トラップされたIL−6タンパク質の定量を行なう、サ
ンドイッチ型酵素免疫測定法(ELISA法)で行なっ
た。
【0102】実施例2で作製した人工皮膚および対照と
して実施例2前半で作製したコラーゲンスポンジを20
mm四方に切り、あらかじめ眼科用ハサミで細断し、1
0倍容量のDMEM+10%FCSとともにプラスチッ
ク製チューブ(住友ベークライト(株)製)に入れ、ポ
リトロン型ホモジナイザー(キネマチカ(Kinema
tica)社製)を用いて1000rpmで5〜10回
上下させながら、30秒間破壊し測定試料を調製した。
そののち、孔径0.22μmのメンブレンフィルターを
通過させることにより試料中の残骸(デブリ)を取り除
いてから、IL−6タンパク質の定量に供した。
【0103】固相としてポリスチレン製のマイクロタイ
タープレート(日本インターメッド(株)製)を使用し
た。抗IL−6抗体(カペル社)を0.05Mリン酸ナ
トリウム緩衝液、pH7.0で20μg/mLの濃度に
溶解し、えられた溶液中に前記プレートを4℃で一夜漬
けて、抗IL−6抗体を固相へ物理的吸着により固定化
した。
【0104】前記プレートを0.05Mリン酸ナトリウ
ム緩衝液、pH7.0で洗浄したのち、同じ緩衝液で3
〜300pg/mLの濃度に希釈した測定試料およびI
L−6標準物質と抗IL−6抗体が固定化されたマイク
ロタイタープレートを37℃で振とうしながら、1時間
インキュベートした。0.05Mリン酸ナトリウム緩衝
液、pH7.0で洗浄後、測定すべきIL−6タンパク
質のトラップされたマイクロタイタープレートと二次抗
体である抗IL−6タンパク質抗体(カペル社)とを3
7℃で1時間インキュベートした。こののち、前記の緩
衝液で洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗体を加えさらに
37℃で1時間インキュベートし、前記緩衝液で洗浄
後、ペルオキシターゼの基質であるABTS(2,2′
−アゾノジ(3−エチルベンズチアゾリン)−6′−ス
ルホン酸)(シグマ社)および過酸化水素を用いた発色
法により、ペルオキシダーゼ活性を定量し、マイクロタ
イタープレート中のIL−6タンパク質量を算出した。
【0105】測定試料の一部を用いて、牛血清アルブミ
ンを標準にしたビシンコニン酸法によるタンパク質定量
を行ない、マイクロタイタープレート各穴毎のタンパク
質量を求めた。最終的な指標として、各マイクロタイタ
ープレート穴毎に、全タンパク質量に対するIL−6タ
ンパク質量を計算し、これを人工皮膚中のIL−6タン
パク質量とした。
【0106】この結果、測定試料中の全タンパク質量あ
たりのIL−6タンパク質量が人工皮膚と培養皮膚に含
有されていることが認められた。
【0107】すなわち、本発明の人工皮膚からは、全タ
ンパク質1mgあたり平均190pgのIL−6タンパ
ク質が検出できた。
【0108】対照として用いたコラーゲンスポンジから
は、IL−6タンパク質は検出されなかった。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、哺乳動物皮膚由来の細
胞を培養皮膚用基材に播種培養してえられる培養皮膚を
凍結乾燥することによって、従来の創傷被覆材より早期
にしかも良好に皮膚欠損組織を再建できかつ培養皮膚な
どに比べて安価かつ安定に流通でき、長期間保存できる
人工皮膚を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全層欠損創(aおよびb)を作製したマウスの
創面をスケッチした図である。図1中、cおよびdは全
層欠損創(aおよびb)の作製時に切り取った皮膚片で
ある。
【図2】人工皮膚移植1週間後のマウスの創面をスケッ
チした図である。右背部(a)は本発明の人工皮膚を適
用した創面であり、左背部(b)は対照のコラーゲンス
ポンジを適用した創面である。図2中、cは創面(a)
に適用した人工皮膚であり、dは創面(b)に適用した
コラーゲンスポンジである。
【図3】移植後2週間後のマウスの創面をスケッチした
図である。右背部(a)は本発明の人工皮膚を適用した
創面であり、左背部(b)は対照のコラーゲンスポンジ
を適用した創面である。図3中、cは創面(a)に適用
した人工皮膚であり、dは創面(b)に適用したコラー
ゲンスポンジである。
【図4】移植後4週間のマウスの創面をスケッチした図
である。右背部(a)は本発明の人工皮膚を適用した創
面であり、左背部(b)は対照のコラーゲンスポンジを
適用した創面である。図4中、cは創面(a)に適用し
た人工皮膚であり、dは創面(b)に適用したコラーゲ
ンスポンジである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−246371(JP,A) 特表 平7−501214(JP,A) 特表 平10−509610(JP,A) 特表 平5−504085(JP,A) 特表 昭55−501130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 A61F 2/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物皮膚由来の細胞をスポンジ状、
    不織布状または織布状の培養皮膚用基材に播種培養して
    えられたところの、細胞および基材からなる培養皮膚
    、培養により基材に生理活性物質が沈着した状態で
    結乾燥することを特徴とする人工皮膚の製造法。
  2. 【請求項2】 培養皮膚用基材がコラーゲン、キチン、
    キトサン、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
    酸およびポリグリコール酸からなる群より選ばれた少な
    くとも1つの生体適合物質よりなる請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】 培養皮膚用基材に貫通した孔が設けられ
    た請求項1または記載の製造法。
  4. 【請求項4】 コラーゲンがアテロコラーゲンである請
    求項2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 哺乳動物皮膚由来の細胞をスポンジ状、
    不織布状または織布状の培養皮膚用基材に播種培養して
    えられたところの、細胞および基材からなる培養皮膚
    、培養により基材に生理活性物質が沈着した状態で
    結乾燥してなる人工皮膚。
  6. 【請求項6】 培養皮膚用基材がコラーゲン、キチン、
    キトサン、ゼラチンヒアルロン酸、コンドロイチン硫
    酸およびポリグリコール酸からなる群より選ばれた少な
    くとも1つの生体適合物質よりなる請求項記載の人工
    皮膚。
  7. 【請求項7】 培養皮膚用基材に貫通した孔が設けられ
    た請求項5または記載の人工皮膚。
  8. 【請求項8】 コラーゲンがアテロコラーゲンである請
    求項記載の人工皮膚。
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