JP3543467B2 - チョークコイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に用いられるチョークコイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来におけるチョークコイルとしては、図6〜図8に示すように構成されていた。すなわち、従来のチョークコイルは、両端に鍔を有するコイルボビン1にコイル2を巻回し、このコイルボビン1にE型ラミネートコア3が組込まれ、このE型ラミネートコア3にはI型ラミネートコア4が突合わせられ、このE型ラミネートコア3とI型ラミネートコア4との突合わせ部には両コア間にギャップを形成するためのI字状のスペーサ5が配置され、このI型ラミネートコア4の組込み側の鍔にはI型ラミネートコア4を保持する突出部6が設けられて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成においては図8に示すようにコイルボビン1の鍔の突出部6間の寸法Aの精度やI字状のスペーサ5の幅寸法の精度により、I型ラミネートコア4の積層方向の全てにまたがるようにスペーサ5が位置せず、I型ラミネートコア4の端部のものがスペーサ5に当接せずE型ラミネートコア3に当接するように落ち込み、リアクタンス特性に悪影響を及ぼし、良品とならなくなるといった問題があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点を除去し、特性、品質に優れたチョークコイルを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のチョークコイルは、両端に鍔を有しコイルを巻回したコイルボビンと、このコイルボビンに組込まれるE型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアに突合わされて日字状の閉磁路を形成するI型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアとI型ラミネートコア間に配置され上記コイルボビンの鍔で位置決めされるH字状のスペーサとで構成したものである。
【0006】
この本発明によれば、リアクタンス特性の安定した高品質なチョークコイルが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、両端に鍔を有しコイルを巻回したコイルボビンと、このコイルボビンに組込まれるE型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアに突合わされて日字状の閉磁路を形成するI型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアとI型ラミネートコア間に配置され上記コイルボビンの鍔で位置決めされるH字状のスペーサとで構成したものであり、スペーサが組立時に位置ずれを発生せず、確実に両ラミネートコア間に位置してI型ラミネートコアの一部が落込んでリアクタンス特性に悪影響を与えるようなことは阻止できることになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、コイルボビンの鍔に外方に突出しI型ラミネートコアを保持する一対の突出部を設け、この突出部によってH字状のスペーサの位置決めを行うようにしたもので、H字状のスペーサの確実な位置決めが行えることになる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、コイルボビンの鍔にH字状のスペーサと合致する凹部を設けて、この凹部でH字状のスペーサを位置決めするもので、H字状のスペーサのより確実な位置決めが行えることになる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、コイルボビンの鍔のH字状のスペーサを位置決めする部分にH字状のスペーサを固定する保持部を設けたものであり、組立時に振動が加わったり、逆向きにされてもスペーサが脱落せず、生産性の向上が図れることになる。
【0011】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、第1の実施の形態について図1,図2を用いて説明する。図1,図2において、10はポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂によって筒部11の両端に鍔12を有し、一方の鍔12の外端面に筒部11を延長するように外方に突出するように一対の突出部13を設けたコイルボビンであり、このコイルボビン10には絶縁皮膜銅線を巻回したコイル14が形成されている。
【0012】
このようにコイル14を備えたコイルボビン10には、ケイ素鋼板を打抜いてブロック化されない状態で積層したE型ラミネートコア15が組込まれ、このE型ラミネートコア15の磁脚の端面には同じくケイ素鋼板を打抜いてブロック化されない状態で積層したI型ラミネートコア16が突合わせられるようにコイルボビン10の突出部13間に保持されて組込まれ、その結果として日字状の閉磁路を構成する。
【0013】
また、このE型ラミネートコア15とI型ラミネートコア16の突合わせ部には、絶縁紙からなるH字状のスペーサ17が配置される。このスペーサ17は、H字状とするため両端の両側に外方に突出する突部18を有しており、この突部18がコイルボビン10の突出部13を挟持することになり、これでスペーサ17はコイルボビン10に対して位置決めされることになる。
【0014】
すなわち、スペーサ17がコイルボビン10の鍔12の突出部13によって位置決めされることにより、このコイルボビン10の筒部11に位置決めされて組込まれるE型ラミネートコア15および突出部13に位置決めされて組込まれるI型ラミネートコア16に対してスペーサ17は位置決めされることになり、しかも突出部13間の寸法やH字状のスペーサ17の寸法精度にばらつきがあってもスペーサ17の両端には突部18が存在するため、I型ラミネートコア16の端部がずり落ちてE型ラミネートコア15に当接するようなことは完全になくなり、リアクタンス特性が設計値に対して変動するといったことはなくなる。つまり、E型ラミネートコア15とI型ラミネートコア16の間には、スペーサ17分のギャップが形成されたことになる
そして、最終的には、ラミネート15,16の周囲に鉄心カバー(図示せず)を組込んで完成品とする。
【0015】
(実施の形態2)
次に第2の実施の形態について図3を用いて説明する。基本構成は第1の実施の形態と殆どが同一であり、異なる点はコイルボビン10の一方の鍔12の端面にH字状のスペーサ17に合致する凹部19を設け、この凹部19にH字状のスペーサ17をはめこんでより確実な位置決めが行え、スペーサ17の突部18も凹部19にはまりこむため何かに引掛かってめくり上げられるといったこともなく、品質面での向上が図れることになる。
【0016】
(実施の形態3)
次に第3の実施の形態について図4,図5を用いて説明する。基本の構成は第1の実施の形態と殆ど同一であり、異なる点はコイルボビン10の一方の鍔12の外端面に設けた突出部13の端面にH字状のスペーサ17の突部18をスペーサ17を組込んだときに係合して固定する係合爪からなる保持部20を設けた点である。
【0017】
この構成とすることにより、チョークコイルの組立工程時に振動が加わったり、逆向きにして組立てを行う場合にもスペーサ17が脱落することがないため、生産性の合理化が図れることになる。
【0018】
なお、第2の実施の形態においても凹部19の端部に保持部を設けてスペーサ17を固定することもできるし、係合爪の構成でなく三角形状のリブを設けてスペーサ17の端面を喰込ませて固定する構成とすることもできる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明のチョークコイルは構成されるため、スペーサがコイルボビンに対して位置決めされるため、I型ラミネートコアの一部がスペーサの位置ずれによって落込んでE型ラミネートコアに当接することがなくなり、設計通りのリアクタンス特性が得られ高品質なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチョークコイルの一実施の形態における分解斜視図
【図2】同斜視図
【図3】他の実施の形態の分解斜視図
【図4】さらに他の実施の形態の分解斜視図
【図5】同上面図
【図6】従来のチョークコイルを示す分解斜視図
【図7】同斜視図
【図8】同断面図
【符号の説明】
10 コイルボビン
11 筒部
12 鍔
13 突出部
14 コイル
15 E型ラミネートコア
16 I型ラミネートコア
17 スペーサ
18 突部
19 凹部
20 保持部

Claims (4)

  1. 両端に鍔を有しコイルを巻回したコイルボビンと、このコイルボビンに組込まれるE型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアに突合わされて日字状の閉磁路を形成するI型ラミネートコアと、このE型ラミネートコアとI型ラミネートコア間に配置され上記コイルボビンの鍔で位置決めされるH字状のスペーサで構成したチョークコイル。
  2. コイルボビンの鍔に外方に突出しI型ラミネートコアを保持する一対の突出部を設け、この突出部によってH字状のスペーサを位置決めする請求項1記載のチョークコイル。
  3. コイルボビンの鍔部にH字状のスペーサと合致する凹部を設け、この凹部によってH字状のスペーサを位置決めする請求項1記載のチョークコイル。
  4. コイルボビンの鍔のH字状のスペーサを位置決めする部分にH字状のスペーサを固定する保持部を設けた請求項1記載のチョークコイル。
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