JP3693399B2 - 薄形積層トランスおよびその製造方法 - Google Patents

薄形積層トランスおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に使用される積層コイルを使用した薄形積層トランスおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トランスは高周波化、小型化、薄形化の技術ニーズに対応するため、プリントエッチング技術を使用したプリントコイル積層トランス、銅板を打ち抜いて形成する打ち抜きコイル積層構成のトランス、あるいは電線を渦巻状に形成したスパイラルコイル積層構成のトランス等が開発されてきた。
【0003】
現実には、上記技術ニーズに加えて時代背景として徹底した低コスト化、高安全化の要望が強く叫ばれており、この点を抜きにしては実用化はありえないものとなってきている。
【0004】
薄形トランスを低コストで提供するためには、どんな積層コイルをどのように構成するかであるが、エッチング工法によるプリントコイルはコストアップとなること、および厚膜化という点で電流容量に制限が生じる等の理由でどうしてもコスト、汎用性を考慮すると、打ち抜き工法によるコイルや電線を渦巻状に形成したスパイラルコイル積層構成のトランスを採用する必要が生じてきている。さらに、高安全性化を達成するため、樹脂充填、モールド等を施すこともある。
【0005】
渦巻コイルを用いて樹脂充填した薄形積層トランスとしては図9〜図10に示すものが一般的である。
【0006】
以下、従来のトランスを図9、図10の渦巻コイルを用いて樹脂充填した薄形積層トランスについて説明する。
【0007】
図10は従来の薄形積層トランスの積層構成を説明する図、図9は断面図であり、同図によると、1は磁心、2は巻線、3は絶縁紙、4はスペーサ、5はコイルケース、6は充填樹脂を示している。
【0008】
同図10により構成を説明すると、電線をコイル単独で渦巻状に巻回形成してなる巻線
2と渦巻コイルの位置を決めるスペーサ4と絶縁紙3をコイルケース5の中で交互に積層して積層コイルを完成させた後、このコイルを積層した方向から、閉磁路を構成する磁心1を組み込んで薄形積層トランス本体を完成させるものである。本従来技術においては、巻線2は交互に2組積層しているが、トランスとして1次巻線と2次巻線を有していれば、2組以上であっても同様である。
【0009】
なお、トランスは、コイルケース5の開口部より、樹脂6を充填した後、トランス本体を完成させるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成においては、コイルケース5の中で、巻線2を積層する際、引き出しリード線2aがコイルケース5の側壁に当接して、巻線2が可動し、巻線間の結合が不安定となる。
【0011】
また、渦巻コイルを積層した後、コイルを上下方向から押さえていないのでコイル積層厚みが変動し、巻線間の結合が不安定となる。また、樹脂6を充填する場合は、さらに充填樹脂6によって巻線2が動くため、巻線間の結合は、さらに不安定となる。
【0012】
これら巻線の可動による巻線間の結合が不安定になるということは、実用上は電気性能のばらつきとなって現われ、渦巻コイルを積層して安価に提供する上で致命的欠陥となるものである。
【0013】
本発明は上記課題を解決するもので、渦巻コイルを使用した巻線を積層して電気性能の安定した薄形積層トランスを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、引き出しリード線を有する渦巻コイルと、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方から配置したコイルベースと他方から配置したコイル押さえカバーと、前記渦巻コイルに組み込んだ磁心とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出した構成である。
【0015】
上記構成によって、積層コイルをコイル押さえカバーで押さえながら、引き出しリード線を下方に引き出せることになり、コイル積層厚みの安定化と引き出しリード線の影響による巻線の可動を防止し、電気性能の安定した薄形積層トランスを提供できるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、引き出しリード線を有する渦巻コイルと、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方から配置したコイルベースと他方から配置したコイル押さえカバーと、前記渦巻コイルに組み込んだ磁心とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出したものであり、コイル積層厚みの安定化と引き出しリード線の影響による巻線可動防止が同時に達成でき、積層巻線間の結合状態が安定し、電気性能のばらつきも少なくできるものである。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成のものにおいて、前記コイル押さえカバーの外周部に設けた基板への接続端子部を有し、前記接続端子部まで前記渦巻コイルの外周端面から、所定の前記引き出しリード線を引き回したものであり、トランスの基板実装投影面積を非常に小さくできるものである。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記渦巻コイルで形成される1次または2次巻線の少なくとも一方を3層絶縁被覆電線としたものであり、安全性を向上するとともに、薄形積層トランスの小形化に寄与できるものである。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記コイル押さえカバーの外周面上の前記磁心と前記接続端子部間に突起状の鍔部を設けたものであり、磁心と接続端子部の沿面距離が確保しやすくなり、さらに基板実装面積を小さくすることが可能となるものである。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記櫛形状突起部と対向する前記コイル押さえカバーの内面壁に、前記引き出しリード線を引き出すための略V字状の凹形の引き出しリード案内溝を設けたものであり、引き出しリード線の位置決めが可能となるとともに、引き出しリード線間の接触も防げるという効果を有するものである。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コイルベースの中央部に磁心を通す中芯ガイド鍔部を設け、前記中芯ガイド鍔部と前記コイル押さえカバーとを隙間なく嵌合するとともに、前記コイルベース外周部と前記コイル押さえカバーの内面壁との間に開口部を設け、この開口部から樹脂を充填したもので、コイルの発熱の高放熱化および安全性の向上が図れるものである。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項6のものにおいて、前記渦巻コイルを積層するコイルベースの裏面に凸状の鍔部を形成し、前記鍔部と前記コイル押さえカバーの内面壁との間に開口部を設けるとともに、前記鍔部の高さと前記コイル押さえカバーの内面壁を構成する鍔部の高さとを概ね同一高さにし、前記開口部を樹脂溜まり部としたものであり、樹脂注型する際、樹脂があふれず注型作業が容易となるという効果を有するものである。
【0023】
請求項8に記載のものは、請求項1に記載のものにおいて、前記渦巻コイルを積層するコイルベース面に貫通穴を設けたものであり、樹脂回りが速くなるため、樹脂注型スピードが速くなる、つまり、注型工数が削減できるという効果を有するものである。さらに、樹脂注型しない場合でもコイル温度の低減等の効果が得られるものである。
【0024】
請求項9に記載のものは、請求項1に記載のものにおいて、前記コイル押さえカバーの中央部に磁心を通す中芯ガイド壁部を設け、前記コイルベースの中央部に磁心を通す中芯ガイド鍔部を設け、前記中芯ガイド壁部とコイルベースの中芯ガイド鍔部とを嵌合したものであり、巻線と磁心間の沿面距離が、基板実装面積を大きくしなくても確保できるという効果を有するものである。
【0025】
請求項10に記載のものは、引き出しリード線を有する渦巻コイルを順次、積層する工
程と、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方からコイルベースを配置するとともに、他方からコイル押さえカバーを配置する工程と、前記渦巻コイルに磁心を組み込む工程とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出す工程を設けた薄形積層トランスの製造方法であり、上記方法によりコイル積層厚みの安定化と引き出しリード線の影響による巻線の可動防止が可能な製造方法が提供できるものである。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図8により説明する。
【0027】
なお、以降の実施の形態の説明に当っては、従来技術と同一個所は同一番号を付与し、説明を省略して説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は側断面図であり、図2は磁心を除いた状態の分解斜視図である。
【0029】
同図によると、7はコイルベース、7aは櫛形状突起部、7bは中芯ガイド鍔部、8はコイル押さえカバー、8aはコイルとの対向面を示し、両端に櫛形状の突起部7aを形成し、中央部に磁心を通す中芯ガイド鍔部7bを有するコイルベース7上に内外周端面の少なくとも一部に所定幅と高さを有する凸部を形成してなる平板状のコイルスペーサ4、渦巻状に巻回形成してなる巻線(渦巻コイル)2を櫛形状突起部7a間に引き出しリード線2aを配線しながら交互に積層した後、絶縁紙3を積層し、上面から渦巻コイル2と面対向する部分8aを有するコイル押さえカバー8を被せて積層コイルを構成する。この時、コイル押さえカバー8を被せた時の引き出しリード線2aの状態は、図1のようにコイルベース7の櫛形状突起部7aを設けた端面部とコイル押さえカバー8の内面壁との隙間から引き出せるようにコイルベース7とコイル押さえカバー8の隙間寸法を設定している。このように構成された積層コイルの上下から、閉磁路を構成する磁心1(図2では図示していない。)を組み込んで薄形積層トランスを完成させる。
【0030】
以上の構成によれば、渦巻コイル2の引き出しリード線2aは、コイルベース7上に設けた櫛形状突起部7a間で位置規制されながら積層された後、コイル押さえカバー8に設けた渦巻コイル2との対向面8aで渦巻コイル2を押さえ、引き出しリード線2aをコイル押さえカバー8の内面壁によって隙間から下方に折り曲げられて引き出されることとなり、コイル積層厚みの安定化と引き出しリード線2aの影響による巻線2の可動の防止が同時に達成できる。このことにより、積層巻線間の結合状態が安定し、電気性能のばらつきも少なくできる。
【0031】
なお、上記構成とするためには製造方法としてコイルベース7上に渦巻コイル2を順次積層する第1の工程と、積層コイルの上面からコイル押さえカバー8を被せることによって上記コイルベース7の端面部とコイル押さえカバー8の内面壁との隙間から、渦巻コイルの引き出しリード線2aを折り曲げて引き出す第2の工程を経て、閉磁路を構成する磁心1を組み込み、薄形積層トランスを完成させることになる。
【0032】
(実施の形態2)
図3(a)は他の実施の形態の平面図、図3(b)は側断面図、図3(c)は図3(a)および(b)の実施形態と異なる形態を示す側断面図であり、同図によると8bはコイル押さえカバー8の外周面上に設けた突起状の鍔部、9aはコイル押さえカバー8の外周部に設けた基板への接続用の端子ピン、9bはコイル押さえカバー8の外周部に設けた基板への接続用のL形端子ピンであり、図3(a)に示すように、実施の形態1と同様に櫛形状の突起部7aを形成したコイルベース7に引き出しリード線2aを配線しながら渦巻コイル2を順次積層し、その後、図3(b)または図3(c)に示すように、渦巻コイル2の外周端面から基板への接続端子部まで所定の引き出しリード長さLを確保しながら、コイル押さえカバー8の外周部に設けた接続用の端子ピン9aまたは9bまで引き回して引き出しリード線2aを配線するものである。ここで確保すべき引き出しリード線2aの長さLは各種設計仕様によって異なるが、考慮すべき点はまず、第1に、接続端子部等からの熱的影響による引き出しリード線2aの絶縁被膜劣化が懸念されるため、引き出しリード線2aと内部の渦巻コイル2あるいは渦巻コイル2間の短絡事故等を未然に防ぐだけの距離を確保することができるとともに各国安全規格の規制による沿面距離の確保も容易に行えるものである。
【0033】
また、引き出しリード線2aの長さLを確保する際、コイル押さえカバー8の周囲を引き回して配線しているため、従来のように水平方向のみならず、高さ方向をも利用することによって垂直方向にも確保できることとなり、トランスの基板実装投影面積を非常に小さくできるものである。
【0034】
なお、1次または2次巻線に3層絶縁被覆電線を用いたものにあっては、より、トランスの基板実装投影面積をより小さくできる小形の薄形積層トランスの提供を可能とするものである。
【0035】
また、図3(b)のごとく、磁心1と接続端子部の沿面間に突起状の鍔部8bをコイル押さえカバー8の外周面上に設けることにより、磁心1と接続端子部の沿面距離が確保しやすくなり、さらに基板実装面積を小さくすることが可能となる。この場合、突起状の鍔部8bの位置は、磁心1と接続端子部を直線で結んだ中間の位置が理想であり、磁心1および接続端子部より例えば、最低1mm以上離れた位置に設けてやれば、安全規格上の解釈として沿面距離は突起状の鍔部8bの表面に沿った距離とできるため、鍔部8bの高さ寸法も利用でき、直線距離を小さくできることとなり、トランスの基板実装面積をさらに小さくできるものである。
【0036】
なお、コイル押さえカバー8の厚みが大きい場合は、上記突起状の鍔部8bに替えて凹部状の1mm以上の溝を設けても同様の効果が得られるものである。
【0037】
(実施の形態3)
図4(a)はさらに他の実施の形態の平面図、図4(b)は側断面図である。
【0038】
なお、図4(b)は説明の都合上、実施の形態1および2のものと上下逆にして示している。
【0039】
実施の形態1または2と異なるところは、コイル押さえカバー8の引き出しリード線2aを引き出す内周面に略V字状の凹形の引き出しリード案内溝8cを設けた点である。
【0040】
同図において、櫛形状突起部7aと対向するコイル押さえカバー8の内面壁に、引き出しリード線2aを引き出すための略V字状の凹形の引き出しリード案内溝8cを設けているため、引き出しリード線2aは凹形の引き出しリード案内溝8cの中に収まった状態で外部に引き出されることになることとなり、引き出しリード線2aの位置決めが可能となるとともに、引き出しリード線2a間の接触も防げるという効果を有するものである。
【0041】
なお、図4(a),(b)においては、コイル押さえカバー8の外周部にも略V字状の凹形の引き出しリード案内溝8cを設けているため、コイル押さえカバー8の外周部に設けた接続用の面実装端子ピン9cまで引き回す際、さらに位置決め精度が向上し接続作業も容易となる。
【0042】
なお、接続用の面実装端子ピン9cは、特に面実装用でなくても上記効果は得られることはいうまでもない。
【0043】
(実施の形態4)
図5(a)はさらに他の実施の形態の要部であるコイル押さえカバー8の部分拡大断面図であり、他は実施の形態3と同構成のものであり、同図によると、コイル押さえカバー8の外周面に突起部8dを設け引き出しリード線2aを突起部8dに固定するとともに引き出しリード線2aの少なくとも一部に被覆除去部9dを設けることで、この被覆除去部9dを有する突起部8dをプリント基板へ挿入してプリント基板へ実装接続するもので、基板への接続用の端子が不要となること、および接続点が減るため接続信頼性も向上するという効果を有するものである。
【0044】
(実施の形態5)
図5(b)はさらに他の実施の形態の要部であるコイル押さえカバー8の部分拡大断面図であり、他は実施の形態4と同構成のものであり、同図によると、コイル押さえカバー8の外周面に凹形水平溝8eを設けて、凹形水平溝8eに引き出しリード線2aを押し込むことで、リード線のたるみを防止し、隣接リード線間の接触防止を行うものである。
【0045】
(実施の形態6)
図6はさらに他の実施の形態の側断面図であり、実施の形態1との相違点のみ説明すると、10はコイルベース7とコイル押さえカバー8を嵌合した後の開口部、11は嵌合部であり、コイルベース7の中央部に磁心1を通す中芯ガイド鍔部7bを設け、中芯ガイド鍔部7bとコイル押さえカバー8とを隙間なく嵌合して嵌合部11とするとともに、コイルベース7の外周部とコイル押さえカバー8の内面壁との間に開口部10を形成したことによって、この開口部10から注型樹脂6を充填して薄形積層コイルを完成させるものである。
【0046】
従って、コイルベース7にコイル押さえカバー8を被せた後、積層コイルを反転させることで、開口部10を上方に向け、極めて容易に注型樹脂6が充填できるとともに、コイルの発熱の高放熱化および安全性の向上が図れるものである。
【0047】
なお、高接着性の樹脂を真空注型し、コイル内のボイドを除去すれば、沿面距離等も緩和され、さらなる小形化が可能となる。
【0048】
また、上記構成とするためには、実施の形態1で述べた第1、第2の工程に加えて積層コイルにコイル押さえカバー8を被せた後、積層コイルを上下反転させる第3の工程と、反転後コイル押さえカバー8の内面壁とコイルベース7の外周部との間にできる開口部10より、樹脂を充填する第4の工程を経て、閉磁路を構成する磁心1を組み込み完成させる製造方法を用いれば良いものである。
【0049】
(実施の形態7)
図7はさらに他の実施の形態の側断面図であり、同図によると、6aは樹脂だまり部、7cは渦巻コイルを積層するコイルベース7の裏面に設けられた凸状の鍔部、7dはコイ
ルベース7の渦巻コイル2を積層する面に設けた貫通穴、8fはコイル押さえカバー8の鍔部であり、コイルベース7の裏面に凸状の鍔部7cを形成し、開口部10を形成するコイル押さえカバー8の鍔部8fの高さを概ね、鍔部7cと同一高さに形成して、樹脂だまり部6aを設けたものであり、樹脂注型する際樹脂あふれがなくなり、注型作業が容易となるという効果を有するものである。
【0050】
なお、コイルベース7に貫通穴7dを設けることにより、樹脂注型する際、この貫通穴7dも開口部として利用できることとなり、樹脂回りが速くなり、樹脂注型スピードが速くなる。つまり、注型工数が削減できるという効果も有するものである。さらに、この貫通穴7dは、通風孔としても利用できるため、樹脂注型しない場合でもコイル温度の低減等の効果が得られるものである。
【0051】
なお、図8に示すごとく、コイル押さえカバー8の中央部に磁心1を通す中芯ガイド壁8gを設け、中芯ガイド壁部8gとコイルベース7の中芯ガイド鍔部7bとを嵌合し、2重嵌合部12としてやれば内部の渦巻コイルを形成する巻線2と磁心1はこの2重嵌合のガイド壁で隔てられるため、巻線2と磁心1間の沿面距離が、基板実装面積を大きくしなくても確保できるという効果を有するものである。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明は、引き出しリード線を有する渦巻コイルと、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方から配置したコイルベースと他方から配置したコイル押さえカバーと、前記渦巻コイルに組み込んだ磁心とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出した構成としたことによりコイル積層厚みの安定化と引き出しリード線の影響による巻線の可動防止が同時に達成でき、積層巻線間の結合状態が安定し、電気性能のばらつきも少なくできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄形積層トランスの一実施の形態の側断面図
【図2】 同分解斜視図
【図3】 (a)同他の実施の形態の平面図
(b)同側断面図
(c)同他の実施の形態の側断面図
【図4】 (a)同他の実施の形態の平面図
(b)同側断面図
【図5】 (a)同他の実施の形態の要部であるコイル押さえカバーの部分拡大断面図
(b)同他の実施の形態の要部であるコイル押さえカバーの部分拡大断面図
【図6】 同他の実施の形態の側断面図
【図7】 同他の実施の形態の側断面図
【図8】 同他の実施の形態の側断面図
【図9】 従来の薄形積層トランスの側断面図
【図10】 同分解斜視図
【符号の説明】
1 磁心
2 巻線(渦巻コイル)
2a 引き出しリード線
3 絶縁紙
4 スペーサ
5 コイルケース
6 充填樹脂
6a 樹脂だまり部
7 コイルベース
7a 櫛形状突起部
7b 中芯ガイド鍔部
7c 鍔部
7d 貫通穴
8 コイル押さえカバー
8a コイルとの対向面
8b 突起状の鍔部
8c 引き出しリード案内溝
8d 突起部
8e 凹形水平溝
8f 鍔部
8g 中芯ガイド壁
9a 端子ピン
9b L形端子ピン
9c 面実装端子ピン
9d 被覆除去部
10 開口部
11 嵌合部
12 2重嵌合部

Claims (10)

  1. 引き出しリード線を有する渦巻コイルと、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方から配置したコイルベースと他方から配置したコイル押さえカバーと、前記渦巻コイルに組み込んだ磁心とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出した薄形積層トランス。
  2. 前記コイル押さえカバーの外周部に設けた基板への接続端子部を有し、前記接続端子部まで前記渦巻コイル外周端面から、所定の前記引き出しリード線を引き回したことを特徴とする請求項1記載の薄形積層トランス。
  3. 1次、または、2次の少なくとも一方に3層絶縁被覆電線を使用した請求項2記載の薄形積層トランス。
  4. 前記磁心と前記接続端子部の沿面間に突起状の鍔部を前記コイル押さえカバー外周面上に設けた請求項2記載の薄形積層トランス。
  5. 前記櫛形状突起部と対向する前記コイル押さえカバーの内面壁に、前記引き出しリード線を引き出すための略V字状の凹形の引き出しリード案内溝を設けた請求項1記載の薄形積層トランス。
  6. 前記コイルベースの中央部に磁心を通す中芯ガイド鍔部を設け、前記中芯ガイド鍔部と前記コイル押さえカバーとを隙間なく嵌合するとともに、前記コイルベース外周部と前記コイル押さえカバーの内面壁との間に開口部を設け、この開口部から、樹脂を充填した請求項1記載の薄形積層トランス。
  7. 前記渦巻コイルを積層する前記コイルベースの裏面に凸状の鍔部を形成し、前記鍔部と前記コイル押さえカバーの内面壁との間に開口部を設けるとともに、前記鍔部の高さと前記コイル押さえカバーの内面壁を構成する鍔部の高さとを概ね同一高さにし、前記開口部を樹脂溜り部としたことを特徴とした請求項6記載の薄形積層トランス。
  8. 前記渦巻コイルを積層するコイルベース面に貫通穴を設けた請求項1記載の薄形積層トランス。
  9. 前記コイル押さえカバーの中央部に磁心を通す中芯ガイド壁部を設け、前記コイルベースの中央部に磁心を通す中芯ガイド鍔部を設け、前記中芯ガイド壁部とコイルベースの中芯ガイド鍔部とを嵌合した請求項1記載の薄形積層トランス。
  10. 引き出しリード線を有する渦巻コイルを順次、積層する工程と、前記渦巻コイルを挟み込むように、一方からコイルベースを配置するとともに、他方からコイル押さえカバーを配置する工程と、前記渦巻コイルに磁心を組み込む工程とを備え、前記コイルベースの端面部には櫛形状に配置した複数の櫛形状突起部を設けるとともに、前記コイル押さえカバーには前記櫛形状突起部と対向する内面壁を設け、前記渦巻コイルの引き出しリード線を前記櫛形状突起部間より引き出すとともに、前記櫛形状突起部と前記内面壁との隙間から引き出す工程を設けた薄形積層トランスの製造方法。
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