JPH1154345A

JPH1154345A - トランス

Info

Publication number: JPH1154345A
Application number: JP9221939A
Authority: JP
Inventors: Mikio Kotani; 幹雄小谷
Original assignee: Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Current assignee: Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Priority date: 1997-08-04
Filing date: 1997-08-04
Publication date: 1999-02-26

Abstract

(57)【要約】【目的】薄型化および大電流化を可能とし、コイルの
抵抗を低減したトランス。【構成】エッジワイズコイルとボビンからなるコイル
素子３は、平坦面の中心にコア組込用の中空穴５を有
し、他のコイル７を積層して、Ｅ型コア１とＩ型コア２
を組み込みトランスとなり、該トランスの端子の一方
は、前記エッジワイズコイルの端末４で形成し、他方の
端子は、あらかじめボビンに配設された端子であって、
平面巻コイル７の端末を接続する。なお、コイル素子の
上面四隅には、斜めの切欠部６があり、該切欠部６に接
着剤を塗布してコイル素子３とＥ型コア１、Ｉ型コア２
を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に用
いられる比較的大きな電流に適したトランスに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、低背型のトランスは、使用機器の
小型化、電源の分散化によるオンボード毎への搭載によ
り、需要の拡大傾向にあります。また、前記トランスの
構造も、円断面の電線を用いたコイルから銅箔を用いた
プリントコイルへと変化しております。該プリントコイ
ルは、積層接続して所要のコイル巻回数を得ていまし
た。また、比較的大きな電流に対しては、プリントコイ
ルを並列に接続したり、銅板を打ち抜いた１ターンコイ
ルを接続してコイルの電流容量をとっていた。

【０００３】図７が前記１ターンコイルの接続を示す図
である。銅板等の導体を打ち抜き等の工法により、１タ
ーンコイル２１、２２、２３を作製し、該１ターンコイ
ルを複数枚接続してトランスのコイルを形成し、他のコ
イルを積層した後、フェライトなどからなるコアを組み
込んでトランスとなる。なお、図７では、２種類の１タ
ーンコイルパターンを使用して、３ターンのコイルを構
成するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の構成において、
図７に示した１ターンコイルよるトランスのコイルで
は、トランスとしての薄型化は可能であるが、コイルと
他のコイルの接続部２４及び入出力端子との接続部２５
における接触抵抗で問題が発生していました。すなわ
ち、接続部２４及び２５の接触抵抗は、コイルを流れる
電流が小さければ影響は少ないが、電流が大きくなれば
なるほど前記接触抵抗により損失が大きくなり、場合に
よっては、局部的な発熱が発生することもあった。

【０００５】また、コイルの接続は半田等による接続作
業によりおこなわれているが、検査による導通試験で
は、前記接続が点接触であっも良品の判定になるため、
極めて慎重な接続作業を必要とし、検査においても他製
品に比べて検査項目を増す必要があり、作業効率を阻害
するものであった。

【０００６】本発明は、以上のことを解決すべく、薄型
で電流容量を充分に持ち、しかも作業性の良いトランス
を提供するものである。

【０００７】

【発明を解決するための手段】本発明は、少なくとも２
つのコイルと耐熱樹脂からなるボビンと磁性材料からな
るコアを用いたトランスにおいて、１つのコイルは、平
角導帯の幅広面を巻回軸に対して垂直に巻回してなるエ
ッジワイズコイルであって、該エッジワイズコイルは、
前記ボビンと樹脂により一体のコイル素子を形成し、該
コイル素子と他のコイルに磁性材料からなる一対のコア
を組み込んでなるトランスである。

【０００８】また本発明は、平角導帯の幅広面を巻回軸
に対して垂直に巻回してなるエッジワイズコイルを用い
たトランスにおいて、前記エッジワイズコイルは、イン
ジェクションによりボビンと一体成形されたコイル素子
を形成し、該コイル素子と他のコイルに磁性材料からな
る一対のコアを組み込んでなるトランスである。

【０００９】また本発明は、少なくとも１つのコイルは
エッジワイズコイルからなり、他のコイルは、プリント
コイルあるいは平面巻コイルから構成され、また、トラ
ンスの端子に、エッジワイズコイルの端末を用いたトラ
ンスである。

【００１０】また本発明は、少なくとも２つのコイルと
耐熱樹脂からなるボビンと磁性材料からなる一対のコア
を用いたトランスにおいて、ボビンは枠状あるいは箱状
の形であって、少なくとも端子が２個配設され、前記ボ
ビンの枠内に平角導帯の幅広面を巻回軸に対して垂直に
巻回してなるエッジワイズコイルが収まった状態で、樹
脂によりボビンとエッジワイズコイルで一体のコイル素
子を形成し、エッジワイズコイルの端末はボビン側面よ
り導出し、また、他のコイルは前記コイル素子に配設し
た端子に接続して、前記コイル素子と他のコイルに磁性
材料からなる一対のコアを組み込んでなるトランスであ
る。

【００１１】また本発明は、エッジワイズコイルに、予
め導帯表面に絶縁コートを施されているトランスであ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明のトランスは、該トランス
の入力端子から出力端子まで１つの導体で構成すること
により、半田等による接続箇所のないトランスのコイル
を造ることができるものである。その形態は、コイルを
構成する導体の形として、薄板状の帯状の導体を用い、
更に、前記帯状導体の幅広面を巻回軸に対して垂直方向
にし、螺旋状に巻回してバネ状のコイルを構成します。

【００１３】前記コイルは、バネ状であるため、上下よ
り力を加えることにより、隣接する導帯が密着した積層
構造を形成することができ、更に、前記コイルを予めボ
ビンと一体にすることで、組立工数を大幅に低減でき
る。また、比較的大きな電流に対して、半田等による接
続箇所を設けることに利点はなく、トランスの端子に、
コイルの端末を用いたことで、入力端子から出力端子ま
で接続箇所のないトランスを形成することができる。

【００１４】図を用いて本発明の実施例を説明する。図
１から図４に本発明のトランスの一実施例を示す。

【００１５】銅板からなる平角導帯をエッジワイズコイ
ルとし、ボビンと一体ものとしたコイル素子３は、平坦
面の中心にコア組込用の中空穴５を有し、他のコイル７
を積層して、図１では、Ｅ型コア１とＩ型コア２を組み
込みトランスとなる。また、該トランスの一方の端子
は、前記エッジワイズコイルの端末４を用い、該コイル
端末４は、コイル素子３の一側面より導出し、図２の完
成図に示すように、コイル素子３の底面に折り返され、
トランスの端子を形成する。

【００１６】また他方の端子は、あらかじめボビンに配
設された端子であって、平面巻コイル７を接続するもの
である。この平面巻コイル７の上下あるいは一方に絶縁
のためのシート等が必要であるが、平面巻コイル７を三
層絶縁電線等の被覆電線を用いることで、前記絶縁シー
トを省くことができる。なお、コイル素子の上面四隅に
は、斜めの切欠部６があり、該切欠部６に接着剤を塗布
してコイル素子３とＥ型コア１、Ｉ型コア２を固定す
る。

【００１７】図３は、コイル素子３の構造を示すのもで
あり、エッジワイズコイル７は同一方向へ端末４が引き
出され、四角の枠状ボビン８に納められている。該ボビ
ン８には、予め、エッジワイズコイル７の端末引き出し
に適すよう、一側面に段違いの溝９を設け、エッジワイ
ズコイル７を安定して、ボビン内に納まるようにした。

【００１８】また、このエッジワイズコイル７は、密着
した積層とするため、巻層毎に絶縁を施す必要があり、
この実施例においては、作業性、機能的にも最も好まし
い絶縁コートを、エッジワイズコイル７の表面に施し
た。このエッジワイズコイル７を収納したボビン８に、
エポキシ樹脂等を用いて、ボビン枠内に樹脂を充填す
る。この時、図１に示すコア組込用の中空穴５が前記樹
脂充填により設けられる。また前記作業により、エッジ
ワイズコイル７とボビン８は、図１に示した一体のコイ
ル素子３となる。

【００１９】図３に於けるボビン８は、コイル端末の導
出用溝が一側面にあって、エッジワイズコイル７は段違
いの溝９を用いるが、溝でなくても穴でもよく、樹脂充
填作業では、穴の方が好ましい。また、エッジワイズコ
イル７とボビン８を一体とする方法は、インジェクショ
ン成形等により、ボビン成型時に予めコイルをボビン内
に内蔵する方法もある。

【００２０】図４は、本発明のトランスの断面図を示す
もので、エッジワイズコイル８は、ボビン９と樹脂１２
によって一体のコイル素子となり、エッジワイズコイル
８の端末４は、トランスの側面より導出してトランスの
底面に折り曲げられ、前記トランスの端子を構成する。
また、コイル素子の上面には、平面巻コイル７が積層
し、その端末は、ボビン９に配設された端子１１へ導出
し、半田等により接続される。このトランスは、電流が
大きい回路側にエッジワイズコイル、電流が小さい回路
側に平面巻コイルを接続するものである。

【００２１】なおコイル素子作製に於ける実際の寸法
は、エッジワイズコイル７は、１５μｍ厚のエポキシ樹
脂がコートされ、２．５ｍｍ幅、０．３５ｍｍ厚の銅か
らなる導帯を用い、４．５ターンの巻回数とした。この
時、密着状態での積層厚さ寸法が、２．３ｍｍの薄型コ
イルとなる。また、コイル素子後のコイル部厚さは、
２．４ｍｍ厚となり、薄型のコイル素子を形成すること
ができた。なお、該コイル素子を用いた図２に於けるト
ランスの完成後の寸法は、１７．６ｍｍ×１８．２ｍ
ｍ、高さ６．５ｍｍの小型、薄型のトランスとなった。

【００２２】図５および図６は、本発明の別のトランス
を示すものです。このトランスは、エッジワイズコイル
８をインジェクション成形により、ボビンと一体のコイ
ル素子を構成し、該コイル素子の両端には、垂直方向に
延伸する端子１４が配設され、該端子１４には、プリン
トコイル１３が積層接続するものであって、エッジワイ
ズコイルとプリントコイルで変成コイルを構成する。な
お、このトランスは、電流が大きい回路側にエッジワイ
ズコイル、電流が小さい回路側にプリントコイルを接続
するものである。

【００２３】以上説明したトランスでは、エッジワイズ
コイルが大電流回路に接続するものと記載しています
が、一方のコイルがボビンと一体のエッジワイズコイル
であって、他方が前記エッジワイズコイルよりも電流容
量の大きいエッジワイズコイルを組み合わせることもあ
り、必ずしもボビンと一体のエッジワイズコイルが大電
流側とは限らない。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、トランスのコイルを、
導帯からなるエッジワイズコイルで構成したことで、薄
型でトランスの大電流化を容易にし、なおかつ、入力端
子から出力端子まで１つの導帯で構成するので、接触抵
抗の低減がはかれ、性能を飛躍的に改善し、信頼性を向
上させるものである。また、コイルとボビンを１体とす
ることで、作業に於ける取り扱いを容易とし、組立作業
の大幅な改善ができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のトランスの分解斜視図

【図２】本発明のトランスの組立完成図

【図３】本発明のトランスに用いるコイル素子の分解図

【図４】本発明のトランスの断面図

【図５】本発明の別のトランスの斜視図

【図６】本発明の別のトランスの断面図

【図７】従来の積層コイル

【符号の説明】

１Ｅ型コア２Ｉ型コア３コイル素子４コイル端末５中空穴６切欠部７コイル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも２つのコイルと耐熱樹脂から
なるボビンと磁性材料からなるコアを用いたトランスに
おいて、１つのコイルは、平角導帯の幅広面を巻回軸に
対して垂直に巻回してなるエッジワイズコイルであっ
て、該エッジワイズコイルは、前記ボビンと樹脂により
一体のコイル素子を形成し、該コイル素子と他のコイル
に磁性材料からなる一対のコアを組み込んでなることを
特徴とするトランス。
【請求項２】平角導帯の幅広面を巻回軸に対して垂直
に巻回してなるエッジワイズコイルを用いたトランスに
おいて、前記エッジワイズコイルは、インジェクション
によりボビンと一体成形されたコイル素子を形成し、該
コイル素子と他のコイルに磁性材料からなる一対のコア
を組み込んでなることを特徴とするトランス。
【請求項３】少なくとも１つのコイルはエッジワイズ
コイルからなり、他のコイルは、プリントコイルあるい
は平面巻コイルから構成されていることを特徴とする請
求項１、２記載のトランス。
【請求項４】トランスの端子は、エッジワイズコイル
の端末を用いたことを特徴とする請求項１、２記載のト
ランス。
【請求項５】少なくとも２つのコイルと耐熱樹脂から
なるボビンと磁性材料からなる一対のコアを用いたトラ
ンスにおいて、ボビンは枠状あるいは箱状の形であっ
て、少なくとも端子が２個配設され、前記ボビンの枠内
に平角導帯の幅広面を巻回軸に対して垂直に巻回してな
るエッジワイズコイルが収まった状態で、樹脂によりボ
ビンとエッジワイズコイルで一体のコイル素子を形成
し、エッジワイズコイルの端末はボビン側面より導出
し、また、他のコイルは前記コイル素子に配設した端子
に接続して、前記コイル素子と他のコイルに磁性材料か
らなる一対のコアを組み込んでなることを特徴とするト
ランス。
【請求項６】エッジワイズコイルは、予め導帯表面に
絶縁コートを施されていることを特徴とする請求項１、
２、３、４、５記載のトランス。