JP3543380B2 - ディジタル形電圧平衡継電器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はディジタル形保護継電装置、特に広い周波数範囲において保護が必要な発電機保護継電装置に使用されるディジタル形電圧平衡継電器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に電圧平衡継電器1を発電機Gの系統に適用した例を示す。同図のPTは発電機Gの端子電圧Eに応じた電圧V1 及びV2 に変換するための計器用変圧器、Fは過電流保護用のヒューズである。計器用変圧器PTは目的別に2組で構成されるのが一般的であり、例えばV1 の電圧は自動電圧調整器へ導入され、V2 の電圧は計器及び保護継電器に導入される。
【0003】
電圧V1 又はV2 は計器用変圧器PTの不良あるいはヒューズFの断線により変化するため、保護継電器(主に距離継電器)あるいは自動電圧調整器等が誤動作する場合がある。電圧平衡継電器1は、前述した機器の誤動作を防止する目的で使用され、継電器に導入された電圧V1 及びV2 を比較し、その差電圧が所定値以上となった時に出力する。動作式で表わすと、
【0004】
【数1】
V2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合:
|V2 |−|V1 |≧K(Kは定数) ………(1)
V1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合:
|V1 |−|V2 |≧K(Kは定数) ………(2)
となり、その特性は図7の如くなる。
【0005】
なお、|V1 |及び|V2 |は入力電圧V1 ,V2 を所定の時間間隔でサンプリングし、そのサンプル値をディジタルデータに変換し、そのディジタルデータから振幅値を算出したものである。一例として、一般に使用されている振幅値演算アルゴリズムを下記に示す。
【0006】
【数2】
Vm =|Vm |+|Vm−3 |+1/2||Vm |−|Vm−3 ||
振幅値|V|=(Vm +Vm−1 +Vm−2 )/k ………(3)
Vm ,Vm−1 ,Vm−2 ……はサンプリングされたサンプル値。
kは定数。
【0007】
一方、発電機の系統は、発電機起動時において低い周波数から立ち上げていくため、商用周波数付近での保護以外に、起動時における低い周波数から商用周波数までの広域周波数保護が必要であり、広域周波数に適用可能な保護継電器が必要である。電圧平衡継電器においては、従来商用周波数での適用を前提としてきたが、近年初期の事故検出を目的として起動時(低い周波数)からの適用が要求されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来方式のものは、入力電圧が商用周波数付近にあること、及び発電機Gの端子電圧Eが発電機Gの定格出力電圧であることが前提に適用が考えられている。このため、従来の継電器を起動時(低い周波数)から適用しようとした場合、以下の問題点が生じる。
【0009】
第1に前述した従来方式のアルゴリズム(3) 式は、入力電圧V1 ,V2 が商用周波数付近にあることを前提として考えられているため、入力電圧V1 ,V2 が商用周波数付近、例えば、50Hz付近では性能上十分な精度が得られるが、商用周波数から離れた入力に対しては誤差が大きくなると言う問題がある。一例として、(3) 式に示す従来方式のアルゴリズムの周波数特性を図8に示す。図8の中で、f0 は商用周波数であり、ハッチング部分が誤差の範囲である。
【0010】
第2に(1) ,(2) 式で示した定数Kは入力電圧V1 ,V2 が定格電圧(発電機Gの端子電圧Eが発電機Gの定格出力電圧の時)であることを前提に決められた差電圧の検出感度であるが、このままで発電機の起動時(低い周波数)に適用すれば、起動時も同じ感度のままで検出する(振幅値演算アルゴリズムの周波数特性を無視した場合)ことになる。
【0011】
しかし、図9に示す如く発電機の出力電圧は、過励磁状態で出力することがないよう、低い周波数においても、電圧Vに比例し周波数fに反比例する量、即ち、V/fなる量が一定以下となるように制御される。例えば商用周波数f0 、発電機の定格出力電圧時の継電器入力電圧をVf0とした場合は商用周波数以外においても、
【数3】
V/f=Vf0/f0 =一定
を超えることはない。
【0012】
このため、商用周波数以外の起動時においてはVf0/f0 の値を1PUとすると、差電圧を検出する基準電圧(発電機出力電圧)は1PUの軌跡以下の電圧である。仮に、基準電圧が1PUの軌跡上にあるとすれば、電圧平衡継電器の動作限界点は図中のaの軌跡上にある。商用周波数f0 の点では定格電圧Vf0が基準電圧であり、他方の電圧が検出感度K以下となった時(図中b点)に動作する。
【0013】
同様に周波数がf′の時は基準電圧がe点の電圧であり、他方の電圧がc点の電圧となった時に動作する。このことは、電圧平衡継電器の検出感度が周波数f′の基準電圧に対する比c/eが、商用周波数のときの基準電圧に対する比b/Vf0に対して低感度化することを意味する。更に周波数が低下し図中d点以下となった時は動作できなくなると言う問題があった。
【0014】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、発電機の起動時(低い周波数)にても低感度化することなく電圧の不平衡を検出し、かつ検出誤差の小さいディジタル形電圧平衡継電器を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るディジタル形電圧平衡継電器は、2つの交流電圧波形を一定時間間隔でサンプリングし、各サンプル値をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換部と、変換されたディジタル量を用いて演算処理し判定処理をして保護指令を出力する中央演算処理部と、データメモリ、プログラムメモリ及び出力部とを少なくとも備え、前記変換された交流電圧の半波または半波の整数倍の各期間中におけるサンプル値のディジタル量を用いて、2つの交流電圧波形の面積に対応した2つの各々の量を計算し前記計算された2つの各量の差が所定値以上となったとき出力するディジタル形電圧平衡継電器において、前記演算処理部にはディジタル量に変換された電圧の零クロス点をディジタル量の符号の変化にて検出する零クロス点検出部を設け、基準となる一方の交流電圧の半波、又は前記半波の整数倍の期間中におけるサンプル値のディジタル量を用いて、2つの交流電圧波形の面積に対応した量を計算すると共に、他方の交流電圧波形の面積に対応した量を、前記基準となる交流電圧波形の面積に対応した量を計算したのと同じ時刻及び期間でのサンプル値のディジタル量で計算し、前記計算された2つの量の差が所定値以上となったとき出力するように構成した。
【0016】
本発明の請求項2に係るディジタル形電圧平衡継電器は、請求項1において、一方の基準電圧V1 に比例した量をP1 、他方の交流電圧V2 に比例した量をP2 としたとき、P1 はV1 /fに、又P2 はV2 /fに夫々比例したものとなり、V2 電圧を基準としたとき、判定部ではP2 −P1 ≧K(Kは定数)を判定するようにした。
【0017】
本発明の請求項3に係るディジタル形電圧平衡継電器は、請求項2において、V1 電圧を基準としたとき、判定部ではP1−P2≧K(Kは定数)を判定するようにした。
【0018】
【作用】
本発明の請求項1〜請求項3のディジタル形電圧平衡継電器において、上記した量P1 及びP2 を一般的に表わすと下記となる。
【数4】
但し、iは基準となる交流電圧の正波又は負波の先頭の
サンプリング番号。
jは基準となる交流電圧の正波又は負波に含まれる
サンプリング番号。
【0019】
更に電圧V1 ,V2 の不平衡を検出するために下記の計算を行なう。
【数5】
V2 電圧を基準の交流電圧とし、V1 電圧の低下を検出する場合:
P2 −P1 ≧K(Kは定数)
V1 電圧を基準の交流電圧とし、V2 電圧の低下を検出する場合:
P1 −P2 ≧K(Kは定数)
【0020】
以上の演算を行なうことにより、周波数fの変化に応じた差電圧検出が可能となる。即ち、低い周波数においても低感度化することなく電圧の不平衡を検出し、かつ広域の周波数において誤差の少ないディジタル形電圧平衡継電器を提供することができ、発電機の起動時(低い周波数)における初期の事故検出が可能となる。
【0021】
【実施例】
以下図面を参照して実施例を説明する。
図1は本発明の請求項1に係るディジタル形電圧平衡継電器の一実施例のブロック構成図であり、中央演算処理部(CPU)1において実行される電圧の不平衡を検出する演算処理を説明するブロック図として示す。図1において1は中央演算処理部で、零クロス点検出部11,P1 算出演算部12,P2 算出演算部13,P2 −P1 ≧Kを判定する判定部14からなる。
【0022】
2は交流電圧V1 ,V2 をディジタル変換するためのアナログ/ディジタル変換部であり、V1 ,V2 は図7の発電機Gの端子電圧Eを計器用変圧器PTで変換したものである。なお、中央演算処理部1は後述する演算を行ない、その結果、入力電圧V1 ,V2 に不平衡が生じたときには、これを検出し、出力する。
【0023】
次に不平衡検出の演算を説明する。ここでは入力電圧V1 を基準にした場合について説明する。先ず、ディジタル量に変換された電圧V1 は、零クロス点検出部11にて、電圧V1 の零クロス点(つまり正波から負波、又は負波から正波に変わる時点)をディジタル量の符号(+又は−)の変化+→−又は−→+にて検出する。
【0024】
この零クロス点検出部11により、電圧V1 の半波の期間を規定することができる。つまり、ある零クロス点(例えば+→−)から次の零クロス点(例えば−→+)までを一定期間とすると、その期間が半波期間に相当する。又、電圧V1 はP1 算出演算部12において後述する(5) 式に基づき、|V1 /f|に比例した量P1 の近似値が計算される。
【0025】
一方のディジタル量に変換された電圧V2 は、P2 算出演算部13において後述する(5′) 式に基づき、|V2 /f|に比例した量P2 の近似値が計算される。P1 ,P2 算出演算部12,13にて計算された2つの電気量P1 ,P2 は、次の判定部14において後に述べる(6) 式に基づき、予め整定された定数KとP1 −P2 の差電圧が比較される。差電圧が定数Kより大きいときに、V2 側の計器用変圧器故障又はヒューズ断と判断して、V2 側異常として出力する。
【0026】
図2は電圧比較の演算に用いる基準電圧|V1 |の算出手法を説明する図である。一例として入力交流電圧V1 の周波数fが50Hzで、サンプリング周波数が600Hzの場合を示している。なお、図2に示すように入力交流電圧V1 を一定周期(1/600秒)でサンプリングし、これをアナログ/ディジタル変換した電圧のサンプル値をVm−1 ,Vm ,Vm+1 …Vm+12と表わしている。
【0027】
そして本発明では図2に示すハッチング部の面積、即ち、正波もしくは負波いずれかの半波の面積は、電圧V1 の大きさに比例し、電圧V1 の周波数fにほぼ反比例することを知得してなされたものである。要するに図2に示すハッチング部の面積は、各サンプル値Vm ,Vm+1 …Vm+5 の和に比例する。したがって(4) 式を計算することにより、V1 /fに比例した量P1 の近似式が得られる。
【0028】
【数6】
但し、iは電圧V1 の正波又は負波の先頭のサンプリング番号。
(前記した零クロス点検出部11にて符号の変化を検出した
サンプリング番号。)
jは電圧V1 の正波又は負波に含まれるサンプリング値の数。
(前記した零クロス点検出部11にて符号の変化を検出し、
次に符号の変化を検出するまでにサンプリングした数。)
【0029】
定格電圧Vf0、商用周波数f0 の時の比(Vf0/f0 )を1PUとすると、周波数を変えた1PU入力時における入力電圧を(5) 式に基づいて計算した値P1 は、実用的な周波数範囲60Hz以下において、ほぼ等しい値(誤差±4.1%以下)となる。つまり、V1 の値は(5) 式に基づいて算出することにより、周波数fの変化に関係なく一定の量P1 となる。
【0030】
図3は電圧比較の演算に用いる検出側電圧|V2 |の算出方法を説明する図である。図3(a) は基準側電圧V1 と検出側電圧V2 の位相が同じ場合を示し、図3(b) は基準側電圧V1 と検出側電圧V2 の位相が異なる場合を示す。零クロス点は基準側電圧V1 にて検出(図3のイ,ロ点)し、その期間(イからロの期間)の電圧V2 の面積P2 を算出する。面積P2 の算出方法は前記したP1 の算出方法と同様に行なう。一般的に表わすと(5′) 式となる。
【0031】
【数7】
但し、iは基準電圧V1 の正波又は負波の先頭のサンプリング番号
(零クロス点検出部11にて符号の変化を検出したサンプリング
番号)と同じV2 側のサンプリング番号。
jは基準電圧V1 の正波又は負波に含まれるサンプリング値の
数(零クロス点検出部11にて符号の変化を検出し、次に符号の
変化を検出するまでにサンプリングした数)と同じV2 側の
サンプリング値の数。
【0032】
図3(a) は電圧V1 とV2 は同相であり、零クロス点も同じとなるため電圧V2 の面積P2 は、電圧V2 の半波の面積に等しくなる。又、図3(b) は電圧V1 とV2 は位相がずれているが、同一周波数である限り、基準電圧V1 で規定された期間(半波の期間)の正波の絶対値と負波の絶対値の和は電圧V2 の半波の面積に等しくなる。つまり、電圧V1 とV2 の位相に関係なく、検出側電圧V2 も基準側電圧V1 と同様に半波の面積P2 を得ることができる。このことは、基準側電圧V1 と同様に、周波数fの変化に関係なく一定の量P2 となることを意味する。
【0033】
電圧V1 ,V2 の不平衡を検出するために、前述したP1 及びP2 を次の動作式に基づいて検出する。
【数8】
V1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合:
P1 −P2 ≧K(Kは定数) …………(6)
なお、この時の零クロス点の基準はV1 電圧側である。
【0034】
以上はV1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合について説明してきたが、V2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合も同様である。
【数9】
V2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合:
P2 −P1 ≧K(Kは定数) …………(7)
なお、この時の零クロス点の基準はV2 電圧側である。
【0035】
次に作用について説明する。
(6) ,(7) 式に基づく本発明のディジタル形電圧平衡継電器の特性を図4に示す。商用周波数における特性▲1▼は前述した従来の電圧平衡継電器の図7の特性と同じであるが、低い周波数(例えば10Hz)においては高感度にV1 とV2 を比較する特性▲2▼に変化する。このことは前述した(6) 式及び(7) 式を、P1 *|V1 /f|,P2 *|V2 /f|であるための下記の如く(8) ,(9) 式で表わすことができることで説明が可能である。なお、*は比例を意味する。以下同じ。
【0036】
【数10】
(6) 式の変形
|V1 /f|−|V2 /f|≧K
さらに
|V1 |−|V2 |≧K・f …………(8)
同様に(7) 式の変形として
|V2 |−|V1 |≧K・f …………(9)
即ち、(8) ,(9) 式は見掛け上、定数Kと周波数fとの積によって決まる検出感度を持つことになる。つまり、周波数fの変化に応じて差電圧検出感度が変化することに等しい。
【0037】
また、図5に本発明のディジタル形電圧平衡継電器の周波数特性を示す。定格電圧Vf0、商用周波数f0 とした時の比(Vf0/f0 )を1PUとし、仮に基準電圧が1PUの軌跡上にあるとすれば、本発明の電圧平衡継電器の動作限界点はAの軌跡上にある。商用周波数f0 の点では定格電圧Vf0が基準電圧であり、他方の電圧が検出感度K以下となった時(図中B点)に動作し、同様に周波数がf′の時は、基準電圧がE点の電圧であり、他方の電圧が検出感度K・f′以下となった時(図中C点)に動作する。
【0038】
このことは本発明の電圧平衡継電器の検出感度が周波数f′の基準電圧に対する比C/Eと商用周波数のときの基準電圧に対する比B/Vf0が等しいことを意味する。即ち、周波数fが変化しても基準電圧に対する検出感度の比は一定となり、従来のように低感度化することはなく、更に、低い周波数においても動作できなくなるようなことはなくなる。
【0039】
以上説明したように本実施例によれば、一定周期でサンプリングされてディジタル量に変換されたデータを用い、(5) 及び(5′) 式で示されるような演算にて得られた量P1 ,P2 を、(6) ,(7) 式で示されるような比較を行なうことにより、周波数fの変化に応じた差電圧検出が可能である。即ち、低い周波数におても低感度化することなく電圧の不平衡を検出し、かつ広域の周波数において誤差の少ないディジタル形電圧平衡継電器を提供することができ、発電機の起動時(低い周波数)における初期の事故検出が可能となる。
【0040】
上記実施例では、入力交流量V1 ,V2 の正波または負波の面積に対応した量P1 ,P2 の比較による電圧平衡検出について説明したが、これに限定されるものではなく、入力交流量V1 ,V2 の1波分または1.5波分など半波の整数倍の面積に対応した量P1 ′,P2 ′の比較による電圧平衡検出としてもよい。例えば1波分の面積を求める場合を図3を用いて示すと(10)式となる。
【数11】
V1 /f*P1 ′=Vm +Vm+1 +…+Vm+5 +|Vm+6 |+
…+|Vm+11| ………(10)
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば一定時間間隔でサンプリングされた2つの交流電圧のサンプリング値を用い、基準となる一方の交流電圧の半波または半波の整数倍の期間中にあるサンプル値の絶対値を加算して、基準電圧に比例した量を得、他方の交流電圧に比例した量を、基準となる交流電圧に比例したP1 を計算したのと同じ時刻及び期間のサンプル値を用いて計算し、前記計算された2つの量の差が所定値以上となったことを検出し、2つの交流電圧の不平衡を検出するよう構成したので、周波数fの変化に応じた差電圧検出が可能である。即ち、低い周波数においても低感度化することはなく電圧の不平衡を検出し、かつ広域の周波数において検出誤差の少ないディジタル電圧平衡継電器を提供することができ、発電機の起動時(低い周波数)における初期の事故検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中央演算処理部において実行される本発明の電圧平衡継電器の演算処理を説明する一実施例のブロック図。
【図2】本発明による電圧平衡継電器のデータ作成概要図。
【図3】本発明による電圧平衡継電器にて比較する量の基本的な考え方を説明する図。
【図4】本発明の電圧平衡継電器の特性図。
【図5】本発明の電圧平衡継電器の周波数特性図。
【図6】電圧平衡継電器が適用される発電機系統図。
【図7】従来の電圧平衡継電器の特性図。
【図8】従来の電圧平衡継電器の周波数特性。
【図9】従来の電圧平衡継電器の周波数特性例。
【符号の説明】
1 中央演算処理部
2 アナログ/ディジタル変換部
11 零クロス点検出部
12 P1 算出演算部
13 P2 算出演算部
14 判定部
Claims (3)
- 2つの交流電圧波形を一定時間間隔でサンプリングし、各サンプル値をディジタル量に変換するアナログ/ディジタル変換部と、変換されたディジタル量を用いて演算処理し判定処理をして保護指令を出力する中央演算処理部と、データメモリ、プログラムメモリ及び出力部とを少なくとも備え、前記変換された交流電圧の半波または半波の整数倍の各期間中におけるサンプル値のディジタル量を用いて、2つの交流電圧波形の面積に対応した2つの各々の量を計算し前記計算された2つの各量の差が所定値以上となったとき出力するディジタル形電圧平衡継電器において、前記演算処理部にはディジタル量に変換された電圧の零クロス点をディジタル量の符号の変化にて検出する零クロス点検出部を設け、基準となる一方の交流電圧の半波、又は前記半波の整数倍の期間中におけるサンプル値のディジタル量を用いて、2つの交流電圧波形の面積に対応した量を計算すると共に、他方の交流電圧波形の面積に対応した量を、前記基準となる交流電圧波形の面積に対応した量を計算したのと同じ時刻及び期間でのサンプル値のディジタル量で計算し、前記計算された2つの量の差が所定値以上となったとき出力することを特徴とするディジタル形電圧平衡継電器。
- 請求項1記載のディジタル形電圧継電器において、一方の基準電圧V1に比例した量をP1、他方の交流電圧V2に比例した量をP2としたとき、P1はV1/fに、又P2はV2/fに夫々比例したものとなり、V2電圧を基準としたとき、判定部ではP2−P1≧K(Kは定数)を判定することを特徴とするディジタル形電圧平衡継電器。
- 請求項2記載のディジタル形電圧継電器において、V1 電圧を基準としたとき、判定部ではP1−P2≧K(Kは定数)を判定することを特徴とするディジタル形電圧平衡継電器。
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JP22875294A JP3543380B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | ディジタル形電圧平衡継電器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0870532A JPH0870532A (ja) | 1996-03-12 |
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Family
ID=16881276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22875294A Expired - Lifetime JP3543380B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | ディジタル形電圧平衡継電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1994
- 1994-08-30 JP JP22875294A patent/JP3543380B2/ja not_active Expired - Lifetime
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