JPH05161250A - ディジタル形電圧平衡継電器 - Google Patents

ディジタル形電圧平衡継電器

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JPH05161250A
JPH05161250A JP3347958A JP34795891A JPH05161250A JP H05161250 A JPH05161250 A JP H05161250A JP 3347958 A JP3347958 A JP 3347958A JP 34795891 A JP34795891 A JP 34795891A JP H05161250 A JPH05161250 A JP H05161250A
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voltage
frequency
amplitude value
relay
digital
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JP3347958A
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Chikao Sato
力生 佐藤
Kazunobu Fukuda
和宜 福田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディジタル形電圧平衡継電器において、発電
機の起動時(低い周波数時)であっても、低感度化する
ことなく電圧の不平衡を検出できるようにする。 【構成】 入力された2つの交流電圧V1 ,V2 を各々
一定時間間隔でサンプリングしてディジタル量に変換
し、前記ディジタル量を用いてマイクロコンピュータに
より該入力電圧の振幅値を求めて演算を行ない、所定の
特性を得るようにしたディジタル形保護継電器におい
て、前記入力電圧v(t)の時刻t1 における瞬時値v
(t1 )及び時刻t1−Δtにおける瞬時値v(t1
Δt)と、前記2つの各瞬時値と各々がτだけ時刻の異
なる瞬時値v(t1 −τ)及びv(t1−Δt−τ)を
導出し、前記各瞬時値からv(t1 −Δt)・v(t1
−τ)−v(t1 )・v(t1 −Δt−τ)なる演算に
よって前記2つの入力電圧V1 ,V2 の各々の振幅値|
1 |,|V2 |を求め、2つの振幅値の比較演算|V
1 |/|V2 |又は|V2 |/|V1 |が予め定められ
た値以上又は以下となったときに出力する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタル形保護継電装
置、特に広い周波数範囲にわたって保護が必要な発電機
保護に使用されるディジタル形電圧平衡継電器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図10に電圧平衡継電器1を発電機Gの系
統に適用した例を示す。同図のPTは発電機Gの端子電圧
Eに応じた電圧V1 及びV2 に変換するための計器用変
圧器、Fは過電流保護用のヒューズである。計器用変圧
器PTは目的別に2組で構成されるのが一般的であり、例
えばV1 の電圧は自動電圧調整器へ導入され、V2 の電
圧は計器及び保護継電器に導入される。電圧V1 又はV
2 は計器用変圧器PTの不良あるいはヒューズFの断線に
より変化するため、保護継電器(主に距離継電器)ある
いは自動電圧調整器等が誤動作する時がある。電圧平衡
継電器1は前述機器の誤動作を防止する目的で使用さ
れ、継電器に導入されたV1 及びV2 を比較し、その差
電圧が一定値以上となった時に出力する。動作式で表わ
すとV2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合 |V2 |−|V1 |≧K0 (K0 は定数) ………(1) 式 V1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合 |V1 |−|V2 |≧K0 (K0 は定数) ………(2) 式 となり、その特性は図11の如くとなる。なお、|V1
及び|V2 |は入力電圧V1 ,V2 を所定の時間間隔で
サンプリングし、そのサンプル値をディジタルデータに
変換し、そのディジタルデータから振幅値を算出したも
のである。
【0003】一例として一般に使用されている振幅値演
算アルゴリズムを下記に示す。 Vm =|vm |+|vm-3 |+1/2 ||vm |−|vm-3 || 振幅値|V|=(Vm +Vm-1 +Vm-2 )/k ………(3) 式 vm ,vm-1 ,vm-2 ……はサンプリングされたサンプル値 kは定数 一方、発電機の系統は発電機起動時において、低い周波
数から立ち上げていくため、商用周波数付近での保護以
外に、起動時における低い周波数から商用周波数までの
広域周波数保護が必要であり、広域周波数に適用可能な
保護継電器が必要である。電圧平衡継電器においては、
従来商用周波数での適用を前提としてきたが、近年、初
期の事故検出を目的として起動時(低い周波数)からの
適用が要求されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した通り、従来方
式のものは入力電圧が商用周波数付近にあること、及び
発電機Gの端子電圧Eが発電機Gの定格出力電圧である
ことが前提に適用が考えられている。このため、従来の
継電器を起動時(低い周波数)から適用しようとした場
合、以下の問題点が生じる。第1に前述した従来方式の
アルゴリズム(3) 式は、入力電圧V1 ,V2 が商用周波
数付近にあることを前提として考えられているため、入
力電圧V1 ,V2 が商用周波数付近、例えば50Hz付近で
は性能上十分な精度が得られ、商用周波数から離れた入
力に対しては誤差が大きくなる。
【0005】一例として(3) 式に示す従来方式のアルゴ
リズムの周波数特性を図12に示す。図12の中でf0 は商
用周波数であり、ハッチング部分が誤差の範囲である。
第2に(1) ,(2) 式で示した定数K0 は入力電圧V1
2 が定格電圧(発電機Gの端子電圧Eが発電機Gの定
格出力電圧の時)であることを前提に決められた差電圧
の検出感度であるが、このままで発電機の起動時(低い
周波数)に適用すれば、起動時も同じ感度のままで検出
する(振幅値演算アルゴリズムの周波数特性を無視した
場合)ことになる。しかし、図13に示す如く発電機の出
力電圧は過励磁状態で出力することがないよう、低い周
波数においても、電圧Vに比例し周波数fに反比例する
量、即ち、v/fなる量が一定以下となるように制御さ
れる。例えば商用周波数f0 、発電機の定格出力電圧時
の継電器入力電圧をvf0 とした場合は、商用周波数以
外においても、v/f=vf0 /f0 =一定を越えるこ
とはない。
【0006】このため、商用周波数以外の起動時におい
てはvf0 /f0 の値を1puとすると、差電圧を検出す
る基準電圧(発電機出力電圧)は1puの軌跡以下の電圧
である。仮に、基準電圧が1puの軌跡上にあるとすれ
ば、電圧平衡継電器の動作限界値は図中のaの軌跡上に
ある。商用周波数f0 の点では定格電圧vf0 /f0
基準電圧であり、他方の電圧が検出感度K0 以下となっ
た時(図中b点)に動作し、同様に周波数がf′の時
は、基準電圧がe点の電圧であり、他方の電圧がc点の
電圧となった時に動作する。このことは、電圧平衡継電
器の検出感度が周波数f′の基準電圧に対する比c/e
が商用周波数の時の基準電圧に対する比b/vf0 に対
して低感度化することを意味する。更に周波数が低下し
図中d点以下となった時は動作できなくなると言う問題
があった。本発明は上問題点を解決するためになされた
ものであり、発電機の起動時(低い周波数)であっても
低感度化することなく、電圧の不平衡を検出し、かつ検
出誤差の小さいディジタル形電圧平衡継電器を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では一定時間間隔
でサンプリングされディジタル量に変換された2つの交
流電圧V1 ,V2 のサンプル値を用い、該交流電圧の振
幅値|v1 |,|V2 |を従来の振幅値演算アルゴリズ
ムとは別の、広い周波数(特に低い周波数)においても
振幅値の誤差が生じない振幅値演算アルゴリズムを用い
て算出し、一方の電圧振幅値を基準に他方の電圧振幅値
の比(|v1 |/|V2 |又は|V2 |/|v1 |)が
一定値を越えたことを検出し、2つの交流電圧V1 ,V
2 の不平衡(主に基準電圧とは別の電圧の低下)を検出
しようとするものである。
【作用】発電機起動時の出力は低周波数より徐々に商用
周波数に近づくが、この時の電圧も周波数に比例した電
圧で立ち上がってくる。即ち、励磁状態を示すv/f値
が1pu(定格電圧/商用周波数)を越えることはなく、
発電機起動時の低周波数域では発電機電圧も低いものと
なっている。前述した振幅値は、一例として既に周知で
ある次の演算アルゴリズムを用いて演算することができ
る。 更に、電圧V1 ,V2 の不平衡を検出するために下記の
計算を行なう。 V2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合 |V1 |/|V2 |≦K (Kは定数) V1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合 |V2 |/|V1 |≦K (Kは定数) 以上の演算を行なうことにより、基準電圧の大きさに応
じた電圧差を検出することが可能となる。即ち、低い周
波数においても低感度化することなく電圧の不平衡を検
出し、かつ広域の周波数において誤差のないディジタル
形電圧平衡継電器を提供することができる。これにより
発電機の起動時(低い周波数)における初期の事故検出
が可能となる。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。図1
は図2の中央演算部(CPU)3において実行される処
理内容を示すフローチャートである。ステップS11 では
アナログ/ディジタル変換部(A/D)2にてディジタ
ル量に変換されたサンプル値(vm ,xm+1 ……)が取
り込まれて、ステップS12 へ移る。ステップS12 では後
述する(4)式に基づき、入力電圧V1 ,V2 の振幅値|
1 |,|V2 |が算出される。ステップS13 では後述
する(11)式に基づき、予め整定された定数Kと|V1
と|V2 |の比(|V1 |/|V2 |)が比較される。
この比が定数Kよりも小さいときに、ステップS15 に移
ってV1 側の計器用変圧器又はヒューズ断と判断してV
1 側異常として出力する。又、|V1 |/|V2 |の値
が定数Kより大きいときはステップS14 に移り、ステッ
プS14 では後述する(14)式に基づき、予め整定された定
数Kと|V2 |と|V1 |の比(|V2 |/|V1 |)
が比較される。この比が定数Kより小さいときにステッ
プS16 に移り、V2 側の計器用変圧器又はヒューズ断と
判断してV2 側異常として出力する。又、|V2 |/|
1 |の値が定数Kよりも大きいときはそのまま終了す
る。なお、ステップS15 ,S16 で出力した指令は外部シ
ーケンス処理により距離継電器又は自動電圧調整器等の
誤動作を防止する目的で使用される。
【0009】図2は本発明によるディジタル形電圧平衡
継電器1の一実施例の構成図である。図のV1 ,V2
図10で示した発電機Gの端子電圧Eを計器用変圧器PTで
変換した電圧であり、ディジタル形電圧平衡継電器1は
従来公知なディジタルリレーによって構成されたもので
ある。導入された交流電圧V1 ,V2 はアナログ/ディ
ジタル変換部(A/D)2を介して、一定周期でサンプ
リングされてディジタル量に変換される。中央演算部
(CPU)3はプログラムメモリ(ROM)5にて予め
記憶されたプログラムに従い、上記したディジタル量と
データメモリ(RAM)4とを用いて後述する演算を行
ない、その結果、入力電圧V1 ,V2に不平衡が生じた
時に検出し、出力部(OUT)6より出力する。
【0010】図3は本発明の電圧比較の演算に用いる振
幅値|V1 |,|V2 |の周波数特性例である。本発明
に用いられる振幅値演算アルゴリズムは、低い周波数に
おいても精度良く電圧比較を行なう必要から、従来の振
幅値演算アルゴリズム(3) 式とは異なり、低い周波数に
おいても振幅値の誤差が生じない振幅値演算アルゴリズ
ムを用いなければならない。低い周波数においても振幅
値の誤差が生じない振幅値演算アルゴリズムの一例とし
て、例えば周知の特公昭56−13909号がある。以
下では上記公報にある振幅値アルゴリズムである(4) 式
を用いた場合について説明する。 ここで、入力電圧の周波数fは60Hzで、サンプリング周
波数は720HZとし、vm は現時点におけるサンプリング
データ,vm-3 は3サンプリング前、即ち、90°前のサ
ンプリングデータ,vm-6 は6サンプリング前、即ち、
180 °前のサンプリングデータである。上記した演算式
は既に周知であり詳述を要しないが、概要を述べると次
の通りである。
【0011】即ち、入力電気量をV=Esin ωt(ωは
角周波数)=v(t1 )とし、入力電気量の現時点t1
におけるサンプリングデータをv(t1 )、時間Δtだ
け前のサンプリングデータをv(t1 −Δt)とする。
更にこれらの2つのサンプリングデータより時間τだけ
前のサンプリングデータをv(t1 −τ),v(t1
Δt−τ)とする。これら4つのサンプリングデータを
用いて次式の演算を行なうと、 v(t1 −Δt)・v(t1 −τ)−v(t1 )・v(t1 −Δt−τ) =E2 sin ωΔt・sin ωt ……(5) 式 となって、振幅値の2乗に比例した値が得られる。更に
ここでΔt=τとすると、(5) 式は次のようになる。 v2 (t1 −τ)−v(t1 )・v(t1 −2τ) =E2 (1−cos 2 ωτ ……(6) 式 ここで、例えばτ=3/720 sec (60Hzでの電気角90°
に相当)とし、ω=2π×60とすれば、τは90°相当で
あるため、前述のvm ,vm-3 ,vm-6 を用いて上記の
各サンプリングデータを表わすと、 v(t1 )=vm ……………(7) 式 v(t1 −τ)=vm-3 ……………(8) 式 v(t1 −2τ)=vm-6 ……………(9) 式 となり、(6) 式は vm-3 2 −vm ・vm-6 =E2 …………(10)式 となる。従って振幅値の2乗値が得られるので、前記
(4) 式により入力電圧Vの振幅値を求めることができ
る。この(4) 式による振幅値演算は、図3に示す周波数
特性を有している。即ち、図3に示すように、商用周波
数60Hz以外の周波数でも、前記従来例で説明したような
誤差の幅はない。しかし、商用周波数を離れると利得は
減少し、例えば20Hz及び100 HZでは0.5 程度の利得とな
る(但し商用周波数での利得を1とする)。
【0012】前述した振幅値アルゴリズムの(4) 式から
得られた各々の振幅値|V1 |,|V2 |は、更に電圧
1 ,V2 の不平衡を検出するために、次の演算を行な
う。 V2 電圧を基準にV1 電圧の低下を検出する場合 |V1 |/|V2 |≦K (Kは定数) ………(11)式 変形すると |V1 |≦K|V2 | ………(12)式 このことは、検出電圧V1 が基準電圧V2 のK倍(K<
1とする)以下に下がった時にV1 異常として検出する
ことを意味する。更に変形すると |V2 |−|V1 |≧k|V2 | 但し、K=1−k …(13) このことは、差電圧が基準電圧V2 のk倍以上となった
時にV1 異常として検出することを意味する。(11),(1
2),(13)式のいずれの検出を行なっても同じであり、(1
1)式の|V1 |と|V2 |の比を見ることに変わりはな
い。 V1 電圧を基準にV2 電圧の低下を検出する場合 |V2 |/|V1 |≦K (Kは定数) ………(14)式 内容はと同様である。
【0013】次に作用について説明する。先ず、(11),
(14)式に基づく本発明のディジタル形電圧平衡継電器の
特性を図4に示す。(11),(14)式はV1 とV2 の比が一
定値以下となる場合に動作する式であるため、その動作
限界は(11)式が図4上の(イ)の特性となり、(14)式が
図4上の(ロ)の特性となる。例えば、(14)式で説明す
ると、V1 側の入力電圧がv1 とすると(14)式によりV
2 側電圧はKv1 以下の時に動作することになる。V1
側の入力電圧がv1 ′となった場合も同様に、V2 側電
圧はKv1 ′以下の時に動作する。つまり、図4(ロ)
の特性の傾きはKに等しくなる。図4(イ)の特性も同
様である。
【0014】次に周波数と図4の特性との関係について
述べる。振幅値アルゴリズムの(4)式は図3の周波数特
性に示す如く、商用周波数を離れると利得は減少する
が、商用周波数以外においても振幅値の誤差が生じない
アルゴリズムのため、比較する電圧値の振幅値|V
1 |,|V2 |は共に図3の周波数特性に基づいた同じ
利得をもつ値となる。周波数の変化による利得の減少は
前述した如く振幅値|V1 |,|V2 |共に同じ利得と
なる。かつ、本継電器は(11)式,(14)式に基づいた値
(|V1 |と|V2 |の比)を検出するため、低い周波
数の入力電圧V1 ,V2 の比較を行なっても、図4と同
一の特性となる。例えば20Hzの点で考えると振幅値|V
1 |,|V2 |共に利得は0.5 となり、これを(11)式に
あてはめると 0.5 ×|V1 |/0.5 ×|V2 |≦K となる。このことは利得1(商用周波数)の時と傾きK
に変化がないことを意味する。つまり、本発明の電圧平
衡継電器は、入力電圧の周波数に関係なく図4の特性を
得ることができる。この関係を示したのが図5である。
【0015】図5は本発明の電圧平衡継電器の検出感度
と発電機の起動時出力との関係を示したものである。図
5に示す如く、発電機の出力電圧は過励磁状態で出力す
ることがないよう、低い周波数においても電圧Vに比例
し周波数fに反比例する量、即ち、V/fなる量が一定
以下となるように制御される。定格電圧Vf0 ,商用周
波数f0 とした時の比(Vf0 /f0 )を1puとし、仮
に基準となる入力電圧が1puの軌跡上にあるとすれば、
本発明の電圧平衡継電器の動作限界点はAの軌跡上にあ
る。商用周波数f0 の点では、定格電圧Vf0 が基準電
圧であり、他方の電圧がKVf0 以下となた時(図中B
点)に動作する。同様に周波数がf′の時は、基準電圧
がVf′の電圧であり、他方の電圧がKVf′以下とな
った時(図中C点)に動作する。このことは、本発明の
継電器の検出感度(動作限界点A)がKの傾きを持って
いることに等しい。即ち、周波数fが変化すると共に基
準電圧もV/f=一定の関係で変化するため、見掛上周
波数の変化に合った検出感度となる。このことは、図3
に示す従来の継電器による低い周波数での低感度化、又
は不動作となるようなことはなくなる。
【0016】以上説明したように、本実施例によれば一
定周期でサンプリングされてディジタル量に変換された
データを用い、(4) 式にて振幅値|V1 |,|V2 |を
得、(11)式,(14)式で示されるような比較を行なうこと
により、見掛上周波数fの変化に応じた電圧平衡検出が
可能となる。即ち、低い周波数においても低感度化する
ことなく電圧の不平衡を検出し、かつ広域の周波数にお
いて誤差のないディジタル形電圧平衡継電器を提供する
ことができ、発電機の起動時(低い周波数)における初
期の事故検出が可能となる。
【0017】上実施例では、振幅値演算に のアルゴリズムを用いて説明したが、振幅値演算は本ア
ルゴリズムに限定されるものではなく、広域周波数(特
に低い周波数)において振幅値の誤差の幅を生じない他
のアルゴリズムによる振幅値を用いて、(11),(14)式の
演算を行なって電圧平衡検出を行なっても良い。振幅値
の誤差の幅が生じなければ、上実施例と同一の効果が得
られる。
【0018】図6は本発明の電圧平衡継電器の他の実施
例である。本実施例では、入力電圧V1 ,V2 が共に小
さい場合に、電圧V1,V2 の比較を行なわないように
したものである。図6において、図1と同じステップ番
号は同一動作(演算)を行なうため説明を省略し、異な
る部分についてのみ説明する。ステップS61 は入力電圧
1 の振幅値|V1 |と予め整定された定数K1 が比較
され、振幅値|V1 |がK1 より小さい時はステップS6
2 へ移る。一方、振幅値|V1 |がK1 より大きい時は
ステップS13 へ移り、図1で説明した内容と同じ処理,
判定を行なう。ステップS62 では更に入力電圧V2 の振
幅値|V2 |と予め整定されたK1 が比較され、振幅値
|V2 |がK1 より小さい時は、|V1 |と|V2 |の
電圧比較は行なわず、そのまま終了する、一方、振幅値
|V2 |がK1 より大きい時はステップS13 へ移り、図
1で説明した内容と同じ処理,判定を行なう。つまり、
本実施例では|V1 |,|V2|共に定数K1 より小さ
い時は、比較判定を行なわない処理を追加した構成のも
のである。
【0019】図8は本実施例による電圧平衡継電器の特
性図である。図8の(イ),(ロ)は図4で説明した内
容と同じである。図4では入力電圧V1 ,V2 が共に小
さい場合(共に0付近)では、リレー誤差や計器用変圧
器等の誤差の影響により、正確な電圧比較ができず、誤
判定を招く可能性がある。このため、入力電圧V1 ,V
2 共に小さい領域(図8ではK1 以下)では、電圧比較
を行なわないようにしたものである。K1 の値を適当に
選ぶことにより、入力電圧の小さい場合でも誤判定がな
く、かつ広い周波数において電圧平衡検出を行なえる電
圧平衡継電器を提供することができる。
【0020】図7は本発明の電圧平衡継電器の更に他の
実施例である。本実施例では比較する電圧V1 ,V2
差電圧が小さい場合において、電圧V1 とV2 の比較を
行なわないようにしたものである。図7において、図1
と同じステップ番号は同一動作(演算)を行なうため説
明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。ステッ
プS71 は入力電圧V1 ,V2 の振幅値|V1 |,|V2
|の差電圧の絶対値|V1 |−|V2 |と予め整定され
た定数K2 が比較され、差電圧の絶対値がK2 より小さ
い時は、電圧|V1 |と|V2 |の電圧比較結果は行な
わず、そのまま終了する。一方、差電圧の絶対値がK2
より大きい時はステップS13 へ移り図1で説明した内容
と同じ処理,判定を行なう。
【0021】図9は本実施例による電圧平衡継電器の特
性図であり。図9の(イ),(ロ)は図4で説明した内
容と同じである。先の実施例で説明した如く、入力電圧
1 ,V2 が共に小さい場合(共に0付近)では誤判定
を招く可能性がある。入力電圧V1 ,V2 が共に小さい
場合では、一方の電圧が変化してもその差電圧も小さい
値である。このため、電圧V1 ,V2 の差電圧が小さい
場合において電圧比較を行なわないようにすることによ
り、入力電圧V1 ,V2 が共に小さい領域(図9ではK
2 以下)では電圧比較の誤判定を防止することが可能と
なる。なお、入力電圧が大きい領域で、かつ差電圧が小
さい場合でも電圧比較判定を行なわないが、図9
(イ),(ロ)の判定限界以内であり問題ない。K2
値を適当に選ぶことにより、入力電圧の小さい場合でも
誤判定がなく、かつ広い周波数において電圧平衡検出を
行なえる電圧平衡継電器を提供できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば一
定周期でサンプリングされディジタル量に変換されたデ
ータを用いると共に、商用周波数のみならず広い周波数
においても、振幅値の誤差の幅が生じない振幅値演算ア
ルゴリズムを用い、これにて得られた2つの電気量の比
が一定以下になったことを検出するように構成したの
で、見掛上周波数の変化に応じた電圧平衡検出が可能で
ある。即ち、低い周波数においても低感度化することな
く電圧の不平衡を検出し、かつ広域の周波数において検
出誤差のないディジタル形電圧平衡継電器を提供するこ
とができ、発電機の起動時(低い周波数)における初期
の事故検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタル形電圧平衡継電器の一
実施例の構成図であり、中央演算部で実行される電圧比
較検出の演算処理を説明するためのフローチャート図。
【図2】本発明を実現するためのディジタルリレーの構
成図。
【図3】本発明の中で使用する振幅値演算アルゴリズム
の周波数特性図。
【図4】本発明の電圧平衡継電器の特性図。
【図5】本発明の電圧平衡継電器の検出感度と発電機の
起動時出力との関係図。
【図6】本発明の他の実施例の処理内容を示すフローチ
ャート。
【図7】本発明の更に他の実施例の処理内容を示すフロ
ーチャート。
【図8】図6の処理結果の継電器特性図。
【図9】図7の処理結果の継電器特性図。
【図10】電圧平衡継電器が適用される発電機系統図。
【図11】従来の電圧平衡継電器の特性図。
【図12】従来の振幅値演算アルゴリズムの周波数特性
図。
【図13】従来の電圧平衡継電器の検出感度と発電機の起
動時出力との関係図。
【符号の説明】
1 ディジタル形電圧平衡継電器 2 アナログ/ディジタル変換部 3 中央演算部 4 プログラムメモリ 5 データメモリ 6 出力部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された2つの交流電圧V1 ,V2
    各々一定時間間隔でサンプリングしてディジタル量に変
    換し、前記ディジタル量を用いてマイクロコンピュータ
    により該入力電圧の振幅値を求めて演算を行ない、所定
    の特性を得るようにしたディジタル形保護継電器におい
    て、前記入力電圧v(t)の時刻t1 における瞬時値v
    (t1 )及び時刻t1 −Δtにおける瞬時値v(t1
    Δt)と、前記2つの各瞬時値と各々がτだけ時刻の異
    なる瞬時値v(t1 −τ)及びv(t1 −Δt−τ)を
    導出し、前記各瞬時値からv(t1 −Δt)・v(t1
    −τ)−v(t1 )・v(t1 −Δt−τ)なる演算に
    よって前記2つの入力電圧V1 ,V2 の各々の振幅値|
    1 |,|V2 |を求め、2つの振幅値の比較演算|V
    1 |/|V2 |又は|V2 |/|V1 |が予め定められ
    た値以上又は以下となったときに出力することを特徴と
    するディジタル形電圧平衡継電器。
JP3347958A 1991-12-03 1991-12-03 ディジタル形電圧平衡継電器 Pending JPH05161250A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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