JP3543271B2 - 直火式温水装置における排水方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、バーナの点火始動時あるいは消火時に、熱交換された高温湯中にバーナの未燃焼ガスが混入するのを確実に防止し、常に未燃焼ガスが含まれない良質の高温湯を給送することができる直火式温水装置における排水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼室から吸熱室に向け焔上するバーナの燃焼熱気と、散水器から吸熱室を経て燃焼室に向け流下する水とを直接熱交換して高温湯としながら給湯口より給湯することができる直火式温水装置は、本出願前例えば実公昭50−34349号公報に記載されて公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従前のこの種直火式温水装置においては、高温湯を得るための熱源として一般に灯油を主燃料としたバーナの燃焼熱気が利用されていたので、バーナの点火始動直後の燃焼焔は完全燃焼状態となるまで安定せず、どうしても悪臭や未燃物を伴った未燃焼ガスが発生する。
したがって、給湯の開始に際しバーナを点火始動すると同時に、散水した場合には、前記発生した未燃焼ガスが熱交換された高温湯中に混入し、無臭でしかも良質の高温湯を最初から連続して給湯することができない。
【0004】
また、バーナの消火時においても消火直後に発生した上述と同様の未燃焼ガスが高温湯中に混入するため貯留中の高温湯が汚されるという問題点があった。
【0005】
本発明は、バーナの点火始動時、あるいは消火時に際し、所定時間散布された水を給湯口より外部に切替え排水せしめて未燃焼ガスが混入した水が給送されるのを未然に防止し、常に無臭で良質の高温湯を最初から連続して給送することができる直火式温水装置における排水方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の直火式温水装置における排水方法は、燃焼室から吸熱室に向け焔上するバーナの燃焼熱気と、散水器から吸熱室を経て燃焼室に向け流下する水とを直接熱交換して高温湯としながら給湯口より給送したものにおいて、前記バーナの点火始動時には所定時間散水器からの散水を給湯口より外部へ切替え排水したものである。
【0007】
また、燃焼室から吸熱室に向け焔上するバーナの燃焼熱気と、散水器から吸熱室を経て燃焼室に向け流下する水とを直接熱交換して高温湯としながら給湯口より給送したものにおいて、前記バーナの消火時には散水器より所定時間散水せしめて該水を給湯口より外部へ切替え排水したものである。
【0008】
【作用】
給湯の開始に際し、先ず切替弁を排水側に切替操作し、次いで、散水器から吸熱室内に散水すると同時に、バーナを点火始動して得られた燃焼熱気を燃焼室から吸熱室内に向け焔上させる。
【0009】
さすれば、散水された水は吸熱室より燃焼室を通って受皿上に落水する過程で焔上する燃焼熱気と何回となく直接熱交換され高温湯となって給湯口より切替弁を経て外部に排水される。
【0010】
したがって、バーナの点火始動時にバーナの燃焼部が冷却されていることにより、バーナの燃焼焔が安定せず、その結果、悪臭や未燃物を伴った未燃ガスが発生し、該未燃ガスが高温湯中に混入しても、未燃ガスが混入された高温湯は総て切替弁を介し外部に排水される。
【0011】
そして、所定時間経過し、バーナが完全燃焼状態となり、未燃ガスが発生しなくなったら切替弁を給湯側に切替えて未燃ガスが混入しない無臭で良質の高温湯を連続して貯湯送に給槽すればよい。
【0012】
また、バーナの消火時に際しては、散水状態のもとでバーナを消火すると同時に、切替弁を排水側に切替え操作すれば、バーナの消火により発生した未燃ガスが混入された水は給湯口より切替弁を経て外部に排水されるので、貯湯槽内に貯湯されていた高温湯中に未燃ガスが混入されるのを未然に防止することができる。
【0013】
【実施例】
本発明に係る直火式温水装置における排水方法を実施させるための直火式温水装置の実施例を図1ないし図3に基づき説明する。
図1は、バーナの点火始動時における一部を切欠した直火式温水装置の縦断正面図であり、図2は、給湯時における一部を切欠した縦断正面図であり、さらに図3は、バーナの消火時における一部を切欠した直火式温水装置の縦断正面図であって、1は、断面形状が円形、正方形あるいは多角形等とした立体状の本体であって、該本体1の上段位置には複数のロストル状の仕切体3を適当間隔をおいて水平に敷設することで吸熱室2を形成する。そして、前記ロストル状の仕切体3上には耐熱耐腐蝕性の吸熱材4が取り出し自在に載置されている。なお、吸熱材4は、耐熱、耐腐蝕性を有する素材であれば、その材質は勿論のこと形状は如何なるものであってもよい。また、本発明の実施例においてはセラミック製多孔体を使用した場合が示されている。
そして、吸熱材4を載置した吸熱室2内の上部には給水弁6を途中に設けた散水器5を設置して水を吸熱材4上へ略均等量宛散水せしめる。
前記吸熱室2の下段の本体1内周面には環状を呈する仕切壁7を間隔をおいて立設せしめたことで本体1内周部に貯水槽8を形成するとともに、貯水槽8の上端側は開放状となし、下端側は漏斗状を呈する受皿9により閉塞して散水器5より散水された水の一部を貯水槽8内に貯水せしめる。10は、周囲を仕切壁7により囲まれ、上部側は吸熱材4で、また下部側は受皿9により囲まれて形成された燃焼室であって、該燃焼室10の一側には熱気導入口11を設けるとともに、前記熱気導入口11内には噴焔側を燃焼室10内にのぞませたバーナ12が収納されて、バーナ12の燃焼熱気を燃焼室10より吸熱材4を経て吸熱室2に向け焔上せしめる。なお、前記バーナ2の燃料は液体燃料、気体燃料のいずれであってもよい。
受皿9の底位部に設けた給湯口13には切替弁15を備えた給送管14が接続されており、前記給送管14の下端は本体1の底部に配設した貯湯槽16内にのぞませて燃焼熱気との直接熱交換により得られた高温湯を切替弁15の切替作用で随時貯湯槽16内へ給送したり、あるいは切替弁15に接続した配水管17を介し外部に排水せしめる。したがって、不完全燃焼により悪臭や未燃物を伴った未燃ガスが発生するバーナ12の点火始動時あるいは消火時には、切替弁15を排水側に切替えて未燃ガスが混入された水を配水管17を介し外部に排水し、未燃ガスを含まない良質の高温湯のみを貯湯槽16内に給送できるようにする。
18は、貯湯槽16の一側に接続した給湯管であって、該給湯管18の途中には給湯ポンプ19が設けられている。なお、給湯管18は給送管14と直接接続した構成として、温水を給湯ポンプ19で給送せしめてもよい。
20は、貯湯槽16内に設けたオーバフロー管であり、21は、本体1の上端側に開口した排気口である。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような方法を具備しているので、以下に記載されたような効果を奏する。
バーナの点火始動時にバーナの燃焼部が冷えていることによりバーナが不完全燃焼状態となって悪臭や未燃物を伴った未燃ガスが発生しても、該未燃ガスが混入した高温湯を給送することなく給湯口より切替弁を介し外部に排水することができる許りか、所定時間経過し、バーナが完全燃焼状態となって未燃ガスが発生しなくなったら切替弁の切替作動で未燃ガスが混入していない無臭で、良質の高温湯を連続して給送することができるとともに、バーナの消火時に際しても所定時間散水器より散水せしめ、消火時に発生した未燃ガスが混入した水を給湯口より切替弁を介し外部に排水し、貯湯中の高温湯中に未燃ガスが混入したり給送するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バーナの点火始動時における一部を切欠した直火式温水装置の縦断正面図である。
【図2】給湯時における一部を切欠した直火式温水装置の縦断正面図である。
【図3】バーナの消火時における一部を切欠した直火式温水装置の縦断正面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 吸熱室
5 散水器
9 受皿
10 燃焼室
12 バーナ
13 給湯口
14 給送管
15 切替弁
16 貯湯槽
17 排水管

Claims (2)

  1. 燃焼室から吸熱室に向け焔上するバーナの燃焼熱気と、散水器から吸熱室を経て燃焼室に向け流下する水とを直接熱交換して高温湯としながら給湯口より給送したものにおいて、前記バーナの点火始動時には所定時間散水器からの散水を給湯口より外部へ切替え排水したことを特徴とする直火式温水装置における排水方法。
  2. 燃焼室から吸熱室に向け焔上するバーナの燃焼熱気と、散水器から吸熱室を経て燃焼室に向け流下する水とを直接熱交換して高温湯としながら給湯口より給送したものにおいて、前記バーナの消火時には散水器より所定時間散水せしめて該水を給湯口より外部へ切替え排水したことを特徴とする直火式温水装置における排水方法。
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