JPS6337472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、デイーゼル機関等内燃機関の排気中
に含有するHC、カーボン等の微粒子を浄化処理
する装置に関する。

〈背景技術〉 かかる排気微粒子処理装置は、例えば第１図
（特開昭56−115809号及び実開昭58−1713号参照）
に示すようなものが挙げられる。即ち内燃機関１
の排気通路２の途中にトラツプ３を設けここで排
気中の微粒子を捕集する。トラツプ３に所定量の
微粒子が捕集された段階で、トラツプ３の上流側
に設けたバーナ装置４を作動させて排気を加熱し
これによりトラツプ３内の微粒子を焼却してトラ
ツプ３を再生するようにしている。

ここにおいてバーナ装置４は内燃機関１の出口
部における縦向きの排気通路部２Ａに縦に介装さ
れる。

このようなバーナ装置としては、本出願人が先
に実願昭57−145687号として提案したものが従来
使用されており、これについて第２図を用いて説
明する。

この従来のものは本考案の対象とするものとは
異なり排気流が水平方向に流れる部分に介装され
るのに適した横型バーナ装置である。トラツプを
再生させる場合は、グロープラグ１１に通電して
着火に必要な温度まで上昇させた後、燃料と空気
の混合気を混合気供給管１２を介して蒸発筒１３
に供給する。供給された混合気は蒸発筒１３内を
逆方向に流れるが、初期においては燃料の一部が
液状のまま蒸発筒の内壁下面に沿つて流れ、蒸発
筒１３に形成した燃料洩流孔１３ｂによりグロー
プラグ１１上に滴下して着火する。この着火によ
り、蒸発筒１３の排気上流端近傍の開口部１３ａ
より噴出する混合気に引火し、燃焼を開始する。
燃焼が開始されると、その炎で蒸発筒１３が加熱
されて燃料の気化が促進され、空気との混合が改
善されるので、良好な燃焼が継続される。これに
より、燃焼筒１４の多数の排気流入孔１４ａから
流入する排気が加熱され、この加熱された排気に
よつてトラツプに捕集されている微粒子が焼却除
去される。

このような効果的機能を有するバーナ装置を、
第１図に示す縦向き排気通路部２Ａに配設する
と、即ち横型バーナ装置として使用すると、グロ
ープラグ１１が蒸発筒１３の排気上流端部に配設
されているため、混合気供給管１２から供給され
た混合気における始動時の液状燃料が蒸発筒１３
に吹きつけられて溜留し、燃料洩流孔１３ｂに供
給されにくくなつてしまう。このため着火不良を
生じ、円滑な始動が困難となるし、蒸発筒１３の
底壁に溜留した初期の液状燃料が着火後の蒸発筒
１３の加熱で一気に気化がなされて過濃混合気を
形成し、不完全燃焼を生じて、未燃ガスが排気と
共にトラツプに供給されてしまうというおそれが
生じる。

またグロープラグ１１が蒸発筒１３の排気上流
側外周壁に設けられていることは、バーナ装置の
燃焼作動中に開口部１３ａより噴出する燃焼火炎
がグロープラグ１１に直接接触することとなつ
て、グロープラグ１１の溶損を生じ易く或いは耐
久性上不利となる。然も前記開口部１３ａから噴
出する燃焼火炎が、グロープラグ１１外方を覆う
グローカバー１５により遮られて、蒸発筒１３の
外壁全周にわたつて均一に形成されにくく、この
ため蒸発筒の均一加熱が困難となつて、燃料の気
化特性に悪影響を与える。

〈考案の目的〉 そこで本考案では、始動着火性の良い縦型のバ
ーナ装置を構成し、ひいては蒸発筒まわりの火炎
分布の均一化、グロープラグの溶損防止を図るこ
とを目的とするものである。

〈考案の構成〉 このために本考案では、下向きに混合気を供給
する混合気供給管の供給口付近を蒸発筒で囲み込
み、該蒸発筒の上端外周壁に形成された混合気出
口から混合気を噴出させると共に、前記蒸発筒の
底壁直下位置にグロープラグを配設し、蒸発筒の
底壁に該グロープラグに向けて燃料滴下通路を設
けた。

〈実施例〉 以下に本考案の実施例を説明する。

第３図において、バーナ本体２１は第１図に示
す縦向き排気通路部２Ａに介装されて縦置きに使
用される構造である。上端が閉鎖された燃焼筒２
２内の上部に上端及び下端が閉鎖された蒸発筒２
３が配設される。燃料と空気の混合気を供給する
混合気供給管２４は蒸発筒２３内にその上端壁を
貫通して突入し、蒸発筒２３の底壁２３Ａに対向
して供給口２４ａを下向きに開口する。蒸発筒２
３の上端部周壁には混合気の噴出する複数の出口
２３Ｂを設ける。また底壁２３Ａの下面にグロー
カバー２５を装着し、該グローカバー２５内にバ
ーナ本体２１を貫通するグロープラグ２６の先端
加熱部を挿入する。そして該グロープラグ２６に
液状燃料を滴下するための燃料滴下通路２３Ｃを
蒸発筒２３の底壁２３Ａに開設する。

従つて上記構成によると、トラツプに多量の微
粒子が捕集されて再生を行わせる条件になるとグ
ロープラグ２６への通電が行われ、所定時間後に
図示しない燃料供給装置及び空気供給装置から燃
料と空気が混合気供給管２４を介して蒸発筒２３
内に下向きに供給される。

蒸発筒２３に供給された混合気は蒸発筒２３内
を排気流と逆方向（下から上）へ流れるが、着火
前は蒸発筒２３内での混合が良くなく燃料の一部
が液状で存在するため該液状燃料が蒸発筒２３の
底壁に溜まり、これが燃料滴下通路２３Ｃよりグ
ロープラグ２６上に滴下して、予め加熱されてい
るグロープラグ２６により着火する。これによ
り、蒸発筒２３の上端部周壁の出口２３Ｂより同
時に噴出する濃い混合気に引火する。引火後は炎
が蒸発筒２３内全域に広がるから蒸発筒２３は炎
に包まれて加熱昇温される。従つて混合気供給管
２４より供給される燃料と空気は蒸発筒２３の気
化作用により良く混合して良好に燃焼し、その燃
焼火炎は混合気出口２３Ｂより蒸発筒２３の外周
に噴出して蒸発筒２３の加熱を促進し、もつて良
好な燃焼が継続される。

ここにおいて、グロープラグ２６が蒸発筒２３
の外周部にないことから、出口２３Ｂより噴出す
る火炎の一部を遮ることがなく、このため火炎は
蒸発筒２３外周壁全周にわたつて均一に形成され
る。従つて蒸発筒２３の外周加熱を均一に行うこ
とができ温度分布が一様となつて蒸発筒２３の気
化性能を向上させることができる。

またグロープラグ２６及びグローカバー２５は
蒸発筒２３の直下に配設されているから、蒸発筒
２３の出口２３Ｂから噴出する火炎流に直接さら
されることがない。このためグロープラグ２６の
溶損を防止でき耐久性が向上する。

尚本実施例においては、バーナ装置の燃焼作動
中にグロープラグ２６の基端部が燃焼火炎に直接
さらされることを防止するため、グロープラグ２
６の上流側にグロープラグ２６の一部を保護する
プロテクター２７が設けてある。該プロテクター
２７は、その基端が夫々蒸発筒２３及び燃焼筒２
２に接続されてこれらに伝熱放熱させ、プロテク
ター２７自体の加熱をも防止する構造となつてい
る。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案によれば、グロープラ
グを蒸発筒の底壁に設け、該底壁に設けた燃料滴
下通路から始動時の液状燃料を滴下するようにし
たので、縦型バーナ装置の着火性能が向上し、失
火等による未燃燃料成分の生成を抑制して燃料経
済性を向上することができ、またグロープラグが
直接火炎流に接触しないから耐久性が向上し、蒸
発筒外周にグロープラグがないため蒸発筒全周に
わたつて燃焼火炎を均一に分布させることができ
て蒸発筒の温度分布を均一化し燃料気化性能ひい
ては燃焼を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の排気微粒子処理装置の構成配管
図、第２図は従来のバーナ装置を示す縦断面図、
第３図は本考案の一実施例に係るバーナ装置の縦
断面図である。 １……内燃機関、２……排気通路、２Ａ……排
気通路図、３……トラツプ、４……バーナ装置、
２１……バーナ本体、２２……燃焼筒、２３……
蒸発筒、２３Ｂ……出口、２３Ｃ……燃料滴下通
路、２４……混合気供給管、２６……グロープラ
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関の縦向き排気通路であつてかつ排気微
   粒子を捕集するトラツプの上流部分にトラツプ再
   生用のバーナ装置が配設された排気微粒子処理装
   置において、前記バーナ装置は、前記排気通路に
   下向きに燃料混合気を供給する混合気供給管と、
   該混合気供給管の供給口付近を囲み込みその上端
   部外周壁に混合気出口を有する蒸発筒と、上端部
   が閉鎖されかつ下端が解放された形状で前記蒸発
   筒外方を囲む燃焼筒と、前記蒸発筒の底壁直下位
   置に配設された着火用グロープラグと、を含んで
   構成され、前記蒸発筒の底壁に前記グロープラグ
   に向けられた燃料滴下通路を設けたことを特徴と
   する内燃機関の排気微粒子処理装置におけるバー
   ナ装置。