JPH0335941Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガンタイプバーナに関し、特に12000
〜70000K_CALの家庭用中型ガンタイプバーナに関
するものである。

従来、この種の家庭中型ガンタイプバーナで
は、使用ノズルの噴霧圧力が一定（約７Kg／cm²）
であることが必要であり、ノズルへ供給される油
の圧力を低下させることにより燃油量を減少し、
発熱量を調整させようとすれば、燃焼状態が不安
定となり、また不完全燃焼を生じることとなつ
て、結局発熱量の調整制御が極めて困難であつ
た。このようにノズル毎に燃油量が定まつてお
り、噴霧吐出口を変えるにはノズルを取替える必
要があつた。

家庭用給湯器に於て、冬季と夏季の給水温度に
対応して給湯能力を追従させるうえで、従来の上
記のようなガンタイプバーナでは至難であつた。

また、従来例として特開昭51−111929合公報に
開示のバーナでは次のような欠点があつた。即
ち、特性の全く相違する２種類のバーナを要す
る欠点、燃焼量変化はあくまでも燃料供給圧力
の制御によつて行うため、燃焼状態が不安定で不
完全燃焼の心配もある点、気化促進板を特別に
要し、気化促進板を加熱する時間が必要であつて
点火に時間が掛かる（応答性が悪い）という欠
点、等があつた。

また、別の従来例として実公昭39−21762号公
報に開示のバーナ自動制御装置では、多くの圧
力スイツチを要する欠点、燃料の供給圧力が必
ず増減変動するから、燃焼状態が不安定であると
共に不完全燃焼の虞もある欠点、等があつた。

本考案は、従来のこのような問題点を解決し
て、常に安定して完全燃焼が得られ、確実に燃油
量（燃焼熱量）を増減出来るようにすることを目
的とする。

そこで、本考案の特徴とする処は、燃焼室に、
送風機とこれに連通連結される風箱を付設すると
共に、該風箱を、内壁部と、貫孔を有する固定本
体部と該貫孔に施蓋状に着脱自在に取付けられる
蓋体とを備えた外壁部と、から形成し、かつ、上
記風箱の内壁部を貫通状として上記燃焼室内に複
数の燃焼筒を突入させたガンタイプバーナにおい
て；上記風箱の外壁部の貫孔に上記燃焼筒の外端
部を対応させると共に、ノズルとそのノズルアダ
プタを各々の上記蓋体に一対ずつ取付けて各ノズ
ルを燃焼筒内に内有させ、かつ、複数の該ノズル
の内の１個にのみ点火用電極棒を付設して先発燃
焼ノズルを形成し、該先発燃焼ノズルを上記燃焼
室の燃焼中は常に燃焼させ、さらに、該先発燃焼
ノズルを除く残りには点火用電極棒を設けずに従
燃用ノズルを形成すると共に、該従燃用ノズルへ
燃料を送る送油管の流路を開閉する電磁弁を設
け、各ノズルへの燃焼供給圧力を一定のままで熱
交換器に設けた温度検出器の検出温度によつて該
電磁弁を断接させて、上記従燃用ノズルを消火・
燃焼させ、全体の燃焼熱量の増減制御を行うよう
に構成した点にある。

以下、図示の実施例に基き本考案を詳説する。

第１図に於て、家庭用の石油小型給湯器１を示
し、その内部に本考案に係るガンタイプバーナ２
が付設される。７は燃焼室であり、熱交換器３が
この燃焼室７の上部及び周囲に形成され、また４
は消音器であつて排気ガスは矢印Ａの如く上方へ
排出される。

しかして、第２図と第３図に上記ガンタイプバ
ーナ２の全体図を例示し、第４図と第５図はその
要部拡大であるが、これ等の図に於いて、５，６
は夫々上下に所定間隔をもつて設けられた燃焼筒
であり、扁平箱型の風箱８の内壁部８ａを貫通し
て該燃焼筒５，６が固着されている。そして各々
の燃焼筒５，６内には１個ずつノズル９，９が内
有される。具体的には風箱８の外壁部８ｂに保持
金具１０を介してノズルアダプタ１１を取付け、
該ノズルアダプタ１１の内端部に上記ノズル９を
固着して、燃焼筒５，６の内端よりに該ノズル９
が保持される。

また、２５、２５は下燃焼筒６のノズル９の直
前に先端部２５ａ，２５ａ配設された点火用電極
棒であり、電線ケーブル１２にて図外の電源側に
接続される。１３，１４は夫々上下のノズル９，
９に灯油を送る送油管である。なお、風箱外壁部
８ｂは具体的には、上下に２個の貫孔を有する固
定本体部と、該貫孔を施蓋状に取付けられる蓋体
１５，１５とからなり、前記ノズルアダプタ１１
とノズル９は保持金具１０をもつて該蓋体１５に
固着され、かつ蓋体１５はボルト等の固着具１６
…にて着脱自在に固定本体部に取付けられる構造
となつている。

しかして、１７は燃焼用空気を風箱８内に送り
込む送風機であり、第３図と第５図に示すよう
に、斜上方から矢印Ｂのように空気を送り込む。
風箱８内には整流板１８が付設され、風箱８内に
開口する燃焼筒５，６の外端開口部５ａ，６ａ
に、適宜比率で燃焼用空気を分配する。

次に、１９は図外の油貯蔵タンクに図示省略の
配管にて接続される送油継手であり、ストレーナ
２０及び他の送油継手や管路を経て電磁ポンプ２
１の吐出口側に分岐継手２２を接続して、前記２
本の送油管１３，１４に分流させる。ところが、
上側のノズル９側の送油管１３の途中に流路を断
接する電磁弁２３が接続状態（開状態）にあれ
ば、上下両燃焼筒５，６のノズル９，９が同時に
燃焼する。他方、電磁弁２３が切断状態（閉状
態）にすれば、下燃焼筒６のノズル９のみが燃焼
する。さらに、電磁ポンプ２１を回転停止すれば
当然に上下両燃焼筒５，６のノズル９，９は消化
状態となる。

このように電磁弁２３と電磁ポンプ２１を制御
するために、前記熱交換機３の通水部に温度検出
器（図示省略）を取付けておき、この温度検出器
の検出にて、上下両ノズル９，９の同時燃焼、又
は一方のみの燃焼、及び消火を自動的に制御出来
る。

上述のようにして、上下の燃焼筒５，６の内の
ノズル９，９夫々が、同時燃焼の場合と一方燃焼
の場合とともに、噴霧圧力が一定であり、かつ、
燃焼空気量も一定であり、燃焼筒５，６の内のノ
ズル９，９位置も一定であるから、不完全燃焼の
心配なく、常に安定した燃焼を得ることが出来
る。

なお、本考案は上述の図示の実施例に限定され
ず種々設計変更自由なことは勿論であり、例え
ば、１個の燃焼室７に対応してして燃焼筒５，６
…を３個以上とすることも可能であり、そのとき
は１個・２個・３個…燃焼する燃焼筒５，６…の
数の増減制御が可能となる。また、整流板１８に
て分流分配して、１個の送風機１７を共用するこ
とは大変好ましいが、所望により各燃焼筒５，６
…毎に１個ずつの送風機を対応させるも自由であ
る。

本考案は上述の如く構成されているので、次に
記載する効果を奏する。

ノズル９…が最も修理交換の確率が高い部位
であるが、このノズル９は、蓋体１５のみを取
外すことによつて簡単に燃焼筒５，６から取出
すことができ、簡単に修理作業を行うことがで
きる。また、各ノズル９は同一のものを使用す
ることができ、コスト高とならない利点もあ
る。

先発燃焼ノズルと従燃用ノズルとの同時燃焼
又は先発燃焼ノズルのみの燃焼、及び消火を自
動的に制御でき、必要給湯温度から低下した場
合も直ちにその必要給湯温度とすることができ
る。

従燃焼用ノズル（図例では上方の燃焼筒５内
のノズル９）を消火・燃焼させて全体の燃焼熱
量の増減制御を行うと共に、燃料供給圧力―従
つて噴霧圧力―は一定であるから、不完全燃焼
の危険もなくなり、常に安定した完全燃焼が得
られる。

家庭用給湯記としては、出湯温度の高低幅も
小さく、一層安全面で優れている。

先発燃焼ノズル（図例では下方の燃焼筒６内
のノズル）を、まず点火用電極棒２５にて点火
すればよい。後に、従燃用ノズルの点火は自動
的に行われることとなり、構造が簡素化する。

熱交換器３に設けた温度検出器にて制御する
ため、応答性に優れ、かつ、温度の高低幅が一
層小さくなつて好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面全体側面
図、第２図は拡大側面図、第３図は同正面図、第
４図は要部拡大側面断面図、第５図は要部拡大背
面図である。 ３……熱交換器、５，６……燃焼筒、５ａ，６
ｂ……外端部、７……燃焼室、８……風箱、８ａ
……内壁部、８ｂ……外壁部、９……ノズル、１
１……ノズルアダプタ、１３……送油管、１５…
…蓋体、２３……電磁弁、２５……点火用電極
棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃焼室７に、送風機１７とこれに連通連結され
   る風箱８を付設すると共に、該風箱８を、内壁部
   ８ａと、貫孔を有する固定本体部と該貫孔に施蓋
   状に着脱自在に取付けられる蓋体１５…とを備え
   た外壁部８ｂと、から形成し、かつ、上記風箱８
   の内壁部８ａを貫通状として上記燃焼室７内に複
   数の燃焼筒５，６…を突入させたガンタイプバー
   ナにおいて、 上記風箱８の外壁部８ｂの貫孔に上記燃焼筒
   ５，６の外端部５ａ，６ａを対応させると共に、
   ノズル９とそのノズルアダプタ１１を各々の上記
   蓋体１５…に一対ずつ取付けて各ノズル９…を燃
   焼筒５，６…内に内有させ、かつ、複数の該ノズ
   ル９…の内の１個にのみ点火用電極棒２５を付設
   して先発燃焼ノズルを形成し、該先発燃焼ノズル
   を上記燃焼室７の燃焼中は常に燃焼させ、さら
   に、該先発燃焼ノズルを除く残りには点火用電極
   棒２５を設けずに従燃用ノズルを形成すると共
   に、該従燃用ノズルへ燃料を送る送油管１３の流
   路を開閉する電磁弁２３を設け、各ノズル９…へ
   の燃焼供給圧力を一定のままで熱交換器３に設け
   た温度検出器の検出温度によつて該電磁弁２３を
   断接させて、上記従燃用ノズルを消火・燃焼さ
   せ、全体の燃焼熱量の増減制御を行うように構成
   したことを特徴とするガンタイプバーナ。