JPH0419402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は直接々触式温水ヒーターの最下部に設
けられている貯湯部の底部を貫通して設けられて
いる燃焼筒の下部に上向きにバーナーが取り付け
られているバーナー下取付式直接々触式温水ヒー
ターであつて、燃焼筒の焼損を防止できると共
に、貯湯部に貯湯される温水の貯水量に対する配
慮を必要としないバーナー下取付式直接々触式温
水ヒーターに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、最下部に設けられている貯湯部の上
方に燃焼室が設けられており、該燃焼室の上方に
吸熱材が充填されている吸熱室が設けられてい
て、該吸熱室の上方より該吸熱材上に水を散水し
て落下して来る水と該燃焼室で燃焼せしめられた
燃料の燃焼ガスとを直接々触せしめて最下部の貯
湯部に所望温度の温水を得る構造の直接々触式温
水ヒーターに関する技術思想は実公昭38−15983
号、実公昭39−10965号、実開昭48−26543号など
に開示されている。

このような直接々触式温水ヒーターは、加熱さ
れるべき水が燃焼室の上方の吸熱室から下方の貯
湯部へ流下する過程で直接に燃焼ガスと接触する
構造であるために熱効率が非常に良く、密閉容器
内で温水を得るための従来のボイラなどと異なつ
て大気圧下で水を加熱する方式であるため家庭で
も使用できると共に、得られる温水はその中に含
まれていた溶存酸素が脱気された防錆上良好な温
水であると共に燃焼ガス中に含まれている炭酸ガ
スが取り込まれているので風呂用として使用する
疲労回復など通常の水道水をそのまま風呂釜で加
熱した温水にない効果を有していてその用途はか
なり広いことが予測される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような直接々触式温水ヒー
ターは、燃焼室で燃焼せしめられる燃焼ガスがヒ
ーター内横断面を均一に流動するようにしようと
すると必然的にバーナーはヒーター本体の底部中
央に位置せしめられることになるので、バーナー
が燃焼室内に直接設置することができないもので
あるとヒーター本体の下部に位置する貯湯部の底
部を貫通して燃焼筒を設けてこの燃焼筒の下部に
上向きにバーナーを取り付けなければならない。
このようなヒーター本体の下部に位置する貯湯部
の底部を貫通して燃焼筒を設けてこの燃焼筒の下
部に上向きにバーナーを取り付けたバーナー下取
付式直接々触式温水ヒーターにおいては、燃焼筒
は貯湯部に貯湯される温水がバーナー上に流入し
て来ないようにするために貯湯部に貯湯される温
水の最高水位以上の高さを有していなければなら
ず、その結果貯湯部に貯湯される温水の水面上に
位置する燃焼筒はバーナーよりの燃焼炎に直接に
曝されることになるため短期間のうちに焼損して
しまうという問題点があつた。

このような問題点を解決するための手段として
は、最下部の貯湯部に流下して来て溜る温水の水
位を燃焼筒の最高位置直下の位置に可及的に位置
せしめるように制御する方法や、燃焼筒の材質を
焼損しがたい材質とする方法が考えられるが、前
者の方法は温水の使用量と見合つた水を上方より
散水して効率良く稼動させるために水位や水量の
検出・制御に高価な設備を必要として好ましくな
く、また後者の方法は燃焼筒の内面を高価な耐火
断熱材等で内張りするなどの複雑な構造を採用し
なければならないので、高価となり、更に貯湯部
の温水面が燃焼室に対して開放状態になつている
ため貯湯部に貯湯される温水量が少なくなると燃
焼室内の燃焼ガスによつて過熱された温水が温水
送水管から吹き出したり空炊きが生じたりするこ
とに対する別の配慮が必要となるという問題点が
あつた。

更に、従来の直接々触式温水ヒーターにおいて
は、最下部に設けられている貯湯部の上方に設け
られている燃焼室とその上方に設けられている吸
熱材が充填されている吸熱室とを区画する多孔板
が実開昭48−26543号に開示されている如く単に
水平に設置されているために、上方より散水させ
た水が多孔板に穿設されている孔から直接水滴と
して落下して燃焼室で燃焼せしめられた燃料の燃
焼ガスが燃焼室の側壁を加熱焼損する現象が生じ
るという問題点もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案者らはかかる直接々触式温水ヒーターの
最下部に設けられている貯湯部の底部を貫通して
設けられている燃焼筒の下部に上向きにバーナー
が取り付けられている状態のバーナー下取付式直
接々触式温水ヒーターにおける燃焼筒の焼損及び
貯湯部に貯湯される温水の貯水量に起因する問題
点及び燃焼室の側壁が加熱焼損する問題点を解消
すべく鋭意研究の結果、燃焼室と吸熱室とを区画
する多孔板を円錐形状などの錐状として上方より
散水させた水を穿設されている孔から直接水滴と
して落下させることなく外周に案内する錐状多孔
板とし、且つこの錐状多孔板の外周から燃焼室の
側壁に沿つて流下してきた温水を燃焼筒の外周の
上部直下に案内すると共に貯湯部を燃焼室と区画
する水案内板を設けることによつて温水が常時燃
焼筒の外周に沿つて流下して燃焼筒を外面から冷
却する構造にすれば良いことを究明して本考案を
完成したのである。

すなわち、本考案は最下部に設けられている貯
湯部の上方に燃焼室が設けられており該燃焼室の
上方の取り付けられており上方より散水させた水
を穿設されている孔から直接水滴として落下させ
ることなく外周に案内する錐状多孔板上に吸熱板
が充填されている吸熱室が設けられていて該吸熱
室の上方より該吸熱材上に水を散水して落下して
来る水と該燃焼室で燃焼せしめられた燃料の燃焼
ガスとを直接々触せしめて該貯湯部に所望温度の
温水を得る直接々触式温水ヒーターにおいて、該
貯湯部の底部を貫通して設けられている燃焼筒の
下部に上向きにバーナーが取り付けられており、
該燃焼室の側壁に沿つて流下してきた温水を該燃
焼筒の外周の上部直下に案内すると共に該貯湯部
を該燃焼室と区画する水案内板が該燃焼室の側壁
部に固設されていることを特徴とするバーナー下
取付式直接々触式温水ヒーターを提供するもので
ある。

〔実施例〕

以下、本考案に係るバーナー下取付式直接々触
式温水ヒーターについて詳細に説明する。

図面は本考案に係るバーナー下取付式直接々触
式温水ヒーターの１実施例の説明用断面図であ
る。

図面中、位置はヒーター本体であり、２はヒー
ター本体１の最下部に設けられている貯湯部であ
る。３は貯湯部２の上方に設けられている燃焼室
であり、この燃焼室３には図示した如く貯湯部２
の底部を貫通して設けられている燃焼筒１０の下
部に上向きにバーナー４が取り付けられており、
この燃焼筒１０の下部に取り付けられているバー
ナー４に供給される燃料が燃焼せしめられ、その
燃焼ガスは燃焼筒１０内から燃焼室３を経てヒー
ター本体１の上部より排出せしめられる。５は燃
焼室３の上方に設けられている吸熱室であり、こ
の吸熱室５は燃焼室３と円錐形状などの錐状の多
孔板６で区画されておりこの多孔板６の上に吸熱
材７が充填されている。８は吸熱室５の吸熱材７
の上方に設置されており吸熱材７上の加熱される
べき水を散水させる給水ノズル、９はヒーター本
体１の吸熱室５の上方に設けられており燃焼室３
で燃焼され吸熱室５で水を加熱した燃焼ガスが排
出される排気筒である。１０ａは燃焼筒１０の上
端にフランジ状に外側に突出して設けられている
飛沫避けであり、この飛沫避け１０ａは給水ノズ
ル８よりの給水量が多い場合には設けられている
ことが好ましい。１１は燃焼室３の側壁に沿つて
流下してきた温水を燃焼筒１０の外周の上部直下
に案内すると共に貯湯部２を燃焼室３と区画する
水案内板であり、燃焼室３の側壁部に固設されて
いる。１２は燃焼室３内を側壁及び水案内板１１
に沿つて流下してくる温水の水膜、１３は水案内
板１１に沿つて流下してきて燃焼筒１０の外周の
上部直下から燃焼筒１０の外周に沿つて貯湯部２
に流下する温水の水膜、１４は貯湯部２の温水を
ポンプ１５により温水使用箇所に供給するための
温水送水管である。

〔作用〕

このような構造の本考案に係るバーナー下取付
式直接々触式温水ヒーターを使用するには、バー
ナー４より燃料を供給して燃焼せしめて燃焼室１
０から燃焼室３に燃焼ガスを供給すると共に給水
ノズル８より多孔板６上の吸熱室５の吸熱材７に
散水すると、燃焼ガスは燃焼室３から吸熱室５を
経て上部の排気筒９より排出され、また散水され
た水は吸熱材７中を多孔板６の斜面に沿つて流下
するまでに燃焼ガスによつて加熱され、次いで多
孔板６に沿つて多孔板６の周囲まで流下される過
程、燃焼室３の周囲側壁に沿つて水膜１２となつ
て流下される過程、燃焼室３の下部の水案内板１
１の上面上を水膜１２となつてを燃焼筒１０の外
周の上部直下まで移動する過程，更に燃焼筒１０
の外周に沿つて水膜１３となつて流下する過程で
それぞれ加熱されて所望温度の温水となる。

かかる温水の加熱過程において、多孔板６を図
示した如く水平に対する傾斜角度が10〜60度の円
錐や角錐などの錐状とし、且つ穿設されている孔
を丸孔などの上方から流下して来た水が孔の周囲
に沿つて順次下方に流下するように形成したこと
により、給水ノズル８から吸熱室５内の吸熱材７
上の散水された水は吸熱材７中を流下した後に多
孔板６に沿つて流下して多孔板６の周囲から燃焼
室３の側壁に沿つて水膜１２となつて流下してき
て燃焼室３内の下部に位置する水案内板１１上を
水膜１２となつて燃焼筒１０の外周の上部直下ま
で案内されて燃焼筒１０の外周に沿つて水膜１３
となつて流下して貯湯部２に貯湯されるので、多
孔板６に穿設されている孔から直接水滴となつて
落下することがないため燃焼室３内の燃焼ガスが
落下する水滴で不完全燃焼することがないと共
に、燃焼筒１０はその外周に沿つて水膜１３とな
つて流下する温水によつて常に冷却されているの
で加熱焼損することがなく、更に貯湯部２は燃焼
室３と水案内板１１で区画されているので貯湯部
２に貯湯されている温水の量が少なくても貯湯部
２に貯湯されている温水が過熱されて貯湯部に貯
湯される温水送水管１４から吹き出したり空炊き
が生じたりする心配も無いのである。すなわち、
水案内板１１は燃焼室３の側壁に沿つて水膜１２
となつて流下してきた温水を燃焼筒１０の外周に
導くことと、貯湯部２と燃焼室３とを区画すると
いう２つの作用を同時に果たすのである。

〔効果〕

以上詳述した如き本考案に係るバーナー下取付
式直接々触式温水ヒーターは、貯湯部２の底部を
貫通して設けられている燃焼筒１０の下部に上向
きにバーナー４が取り付けられており、燃焼室３
の側壁に沿つて水膜１２となつて流下してきた温
水を燃焼筒１０の外周の上部直下に水膜１２とし
て案内すると共に貯湯部２を燃焼室３と区画する
水案内板１１が燃焼室３の側壁部に固設されてい
るから、水案内板１１から燃焼筒１０の上部直下
に案内された温水は水膜１３となつて燃焼筒１０
を冷却しながら貯湯部２に流下するので燃焼筒１
０が過熱されて焼損することが無いと共に、貯湯
部２が燃焼室３と水案内板１１で隔離されている
ので貯湯部２の温水が過熱されて温水送水管１４
から吹き出したり、貯湯部２の側壁や底部が空炊
きされるという恐れも無くなるのである。

このような効果を有する本考案に係るバーナー
下取付式直接々触式温水ヒーターは、熱効率が良
いなど種々の利点を有している直接々触式温水ヒ
ーターを瞬間給湯用のヒーターとして一般家庭な
どに広く普及させるための障害を取り除いた実用
的価値の非常に大きなものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るバーナー下取付式直接々触
式温水ヒーターの１実施例の説明用断面図であ
る。 １……ヒーター本体、２……貯湯部、３……燃
焼室、４……バーナー、５……吸熱室、６……多
孔板、７……吸熱材、８……給水ノズル、９……
排気筒、１０……燃焼筒、１０ａ……飛沫避け、
１１……水案内板、１２……水膜、１３……水
膜、１４……温水送水管、１５……ポンプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 最下部に設けられている貯湯部２の上方に燃
   焼室３が設けられており該燃焼室３の上方に取
   り付けられており上方より散水させた水を穿設
   されている孔から直接水滴として落下させるこ
   となく外周に案内する錐状多孔板６上に吸熱材
   ７が充填されている吸熱室５が設けられていて
   該吸熱室５の上方より該吸熱材７上に水を散水
   して落下して来る水と該燃焼室３で燃焼せしめ
   られた燃料の燃焼ガスとを直接々触せしめて該
   貯湯部２に所望温度の温水を得る直接々触式温
   水ヒーターにおいて、貯湯部２の底部を貫通し
   て設けられている燃焼筒１０の下部に上向きに
   バーナー４が取り付けられており、該燃焼室３
   の側壁に沿つて流下してきた温水を該燃焼筒１
   ０の外周の上部直下に案内すると共に該貯湯部
   ２を該燃焼室３と区画する水案内板１１が該燃
   焼室３の側壁部に固設されていることを特徴と
   するバーナー下取付式直接々触式温水ヒータ
   ー。 ２ 燃焼筒１０が、その上端にフランジ状に外側
   に突出した飛沫避け１０ａが設けられている燃
   焼筒である実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のバーナー下取付式直接々触式温水ヒータ
   ー。