JPH0236034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は直接々触式温水ヒーターの最下部に設
けられている貯湯部に流下して来た温水の水位の
上限を有効に規制することのでき且つ燃焼焔が温
水と共に噴出することがない上限水位規制装置付
き直接々触式温水ヒーターに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、最下部に設けられている貯湯部の上
方に燃焼室が設けられており、該燃焼室の上方に
吸熱材が充填されている吸熱室が設けられてい
て、該吸熱室の上方より該吸熱材上に水を散水し
て落下して来る水と該燃焼室で燃焼せしめられた
燃料の燃焼ガスとを直接々触せしめて最下部の貯
湯部に所望温度の温水を得る構造の直接々触式温
水ヒーターに関する技術思想は実公昭43−31828
号、実公昭43−31833号などに開示されている。

このような直接々触式温水ヒーターは、加熱さ
れるべき水が燃焼室の上方の吸熱室と下方の貯湯
部とで直接に接触する構造であるために熱効率が
非常に良く、密閉容器内で温水を得るための従来
のボイラなどと異なつて大気圧下で水を加熱する
方式であるため家庭でも容易に使用できると共
に、得られる温水は溶存酸素が脱気された防錆上
良好な温水であると共に燃焼ガス中に含まれてい
る炭酸ガスが取り込まれているので風呂用として
使用すると疲労回復など通常の水道水をそのまま
風呂釜で加熱した温水にない効果を有していてそ
の用途はかなり広いことが予測される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の直接々触式温水ヒーター
は、得られる温水が最下部の貯湯部に流下して来
て溜る構造であることに起因して、水位検出装置
と貯湯された温水を温水使用箇所に供給するため
の送水ポンプとを必要としていた。

これはもし貯湯部に貯湯されている温水の水位
が低すぎると貯湯部の温水が燃焼焔により過熱さ
れて温水取出管から吹き出すなどの現象が発生す
ると共に必要以上に温水の温度を上昇せしめるこ
とになつて熱効率上好ましくなく、また温水の水
位が高くなりすぎると燃焼室が狭くなつて燃料の
燃焼効率が低下してしまうと共にバーナーへ水が
侵入して失火の怖れがあるからである。

しかるにこのように貯湯部に貯湯されている温
水の水位を検出する水位検出装置を直接々触式温
水ヒーター内に設置することは、直接々触式温水
ヒーターの構造を複雑にすると共にヒーターを小
型化することの障害となり、更に水位検出装置は
必然的に燃焼室内で高温に晒されることになるの
で故障の発生率が高いために有効な方法とは言い
難い問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案者らはかかる従来の直接々触式温水ヒー
ターの最下部に設けられている貯湯部に貯湯され
る温水の水位に起因する問題点を解消すべく鋭意
研究の結果、貯湯部に貯湯された温水が所定水位
を超えた場合にのみ温水が直接々触式温水ヒータ
ーから排出される構造にすれば良いことに着目し
たが、この構造とするために単にオーバーフロー
構造とすると燃焼室内の燃焼焔がオーバーフロー
した温水と共にヒーター外に吹き出して好ましく
ないので、燃焼室と貯湯部のオーバーフロー型温
水取出し用配管とを隔壁で遮断すると共にその隔
壁内を大気圧に維持すればよいことを究明して本
考案を完成したのである。

すなわち、本考案は最下部に設けられている貯
湯部の上方に燃焼室が設けられており該燃焼室の
上方に吸熱材が充填されている吸熱室が設けられ
ていて該吸熱室の上方より該吸熱材上に水を散水
して落下して来る水と該燃焼室で燃焼せしめられ
た燃料の燃焼ガスとを直接々触せしめて該貯湯部
に所望温度の温水を得る直接々触式温水ヒーター
において、該貯湯部の温水を取り出すオーバーフ
ロー型温水取出し用配管の上部を囲んでその下部
が該貯湯部内の温水内に位置する隔壁が燃焼室内
に設置されていると共に該隔壁内を大気圧に維持
する連通管が設けられていることを特徴とする上
限水位規制装置付き直接々触式温水ヒーターを提
供するものである。

〔実施例〕

以下、本考案に係る上限水位規制装置付き直
接々触式温水ヒーターについて詳細に説明する。

第１図及び第２図はそれぞれ本考案に係る上限
水位規制装置付き直接々触式温水ヒーターの１実
施例の説明用断面図である。

図面中、１はヒーター本体であり、２はヒータ
ー本体１の最下部に設けられている貯湯部であ
る。３は貯湯部２の上方に設けられている燃焼室
であり、この燃焼室３には第１図に示す如くヒー
ター本体１の側部に取り付けられた横焚き型のオ
イル又はガスバーナー４や第２図に示す如く燃焼
室３内に設置されている下焚き型のガス又はオイ
ルバーナー4′やその他貯湯部２を貫通した燃焼焔
噴出口の下方に設置されたバーナー（図示なし）
などより供給される燃料が燃焼せしめられ、その
燃焼ガスはヒーター本体１の上部より排出せしめ
られる。５は燃焼室３の上方に設けられている吸
熱室であり、この吸熱室５は燃焼室３と円錐形状
などの錐状の多孔板６で区画されておりこの多孔
板６の上に吸熱材７が充填されている。８は吸熱
室５の吸熱材７の上方に設置されており吸熱材７
上に加熱されるべき水を散水させる給水ノズル、
９はヒーター本体１の吸熱室５の上方に設けられ
ており燃焼室３で燃焼され吸熱室５で水を加熱し
た燃焼ガスが排出される排気筒である。１０は貯
湯部２に貯湯される温水が所定水位を超えると温
水をオーバーフローさせるオーバーフロー型温水
取出し用配管、１１はオーバーフロー型温水取出
し用配管１０の上部を囲んでその下部が貯湯部２
内の温水内に位置しており燃焼室３内に設置され
ている隔壁であり、１２は隔壁１１内を大気圧に
維持するための連通管である。なお、１３は貯湯
部２の温水を完全に排出する際に使用するために
温水取出し用配管１０に接続されている止め弁で
ある。

〔作用〕

このような構造の本考案に係る上限水位規制装
置付き直接々触式温水ヒーターを使用するには、
燃焼室３に横焚き型のバーナー４又は下焚き型の
バーナー４′より燃料を供給すると共に給水ノズ
ル８より多孔板６上の吸熱室５の吸熱材７に散水
すると、燃焼ガスは燃焼室３から吸熱室５を経て
上部の排気筒９より排出され、また散水された水
は吸熱材７中を多孔板６の斜面に沿つて流下する
までに燃焼ガスによつて加熱され、次いで多孔板
６に沿つて多孔板６の周囲まで流下される過程及
び燃焼室３の周囲をヒーター本体１の壁面に沿つ
て流下される過程で加熱され、更に貯湯部２に貯
湯された状態でその上面から加熱されて所望温度
の温水となる。

かかる温水の加熱過程において、多孔板６を図
示した如く水平に対する傾斜角度が10〜60度の円
錐や角錐などの錐状とし且つ穿設されている孔を
丸孔などの上方から流下して来た水が孔の周囲に
沿つて順次下方に流下するように形成したことに
より、給水ノズル８から吸熱室５内の吸熱材７上
に散水された水は吸熱材７中を流下した後に多孔
板６に沿つて流下して多孔板６の周囲からヒータ
ー本体１の壁面に沿つて貯湯部２に流下し、多孔
板６に穿設されている孔から直接水滴となつて貯
湯部２に落下することがないので、燃焼室３内の
燃焼ガスが落下する水滴で不完全燃焼することが
ないのである。

かくして貯湯部２に貯湯される温水が上限水位
を超えると、貯湯部２の温水はオーバーフロー型
温水取出し用配管１０内に流入して温水使用場所
に流出せしめられるため、貯湯部２の温水の水位
が貯湯上限水位を超えることがないのであり、こ
のオーバーフロー型温水取出し用配管１０内に流
入する温水は隔壁１１によつて燃焼室３と区画さ
れている貯湯部２の温水であるので燃焼室３内の
燃焼ガスが温水と共に噴出することがなく、また
隔壁１１内は連通管１２によつて大気圧に維持さ
れているので隔壁１１内の温水の水位が貯湯上限
水位を超えることがないのである。

〔効果〕

以上詳述した如き本考案に係る上限水位規制装
置付き直接々触式温水ヒーターは、貯湯部２の温
水を取り出すオーバーフロー型温水取出し用配管
１０の上部を囲んでその下部が貯湯部２内の温水
内に位置する隔壁１１が燃焼室３内に設置されて
いると共に隔壁１１内を大気圧に維持する連通管
１２が設けられている簡単な構造であるので、安
価且つ容易に製作でき、ヒーター本体１の最下部
に設けられている貯湯部２に貯湯されている温水
を使用場所に取り出すためのオーバーフロー型温
水取出し用配管１０の上端は隔壁１１によつて燃
焼室３と遮断されているので燃焼室内の燃焼ガス
がオーバーフロー型温水取出し用配管１０から噴
出する危険もなく、また隔壁１１内を大気圧に維
持する連通管１２が設けられている構造であるの
で隔壁１１内の温水の水位が貯湯部２に貯湯され
た温水の水位と異なることもないので貯湯部２に
貯湯される湯水の水位が高すぎたり低すぎたりす
ることによる弊害を完全に除去できるのであり、
その実用的価値は非常に大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案に係る上限
水位規制装置付き直接々触式温水ヒーターの１実
施例の説明用断面図である。 １……ヒーター本体、２……貯湯部、３……燃
焼室、４……横焚き型のバーナー、４′……下焚
き型のバーナー、５……吸熱室、６……多孔板、
７……吸熱材、８……給水ノズル、９……排気
筒、１０……オーバーフロー型温水取出し用配
管、１１……隔壁、１２……連通管、１３……止
め弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 最下部に設けられている貯湯部２の上方に燃焼
   室３が設けられており該燃焼室３の上方に吸熱材
   ７が充填されている吸熱室５が設けられていて該
   吸熱室５の上方より該吸熱材７上に水を散水して
   落下して来る水と該燃焼室３で燃焼せしめられた
   燃料の燃焼ガスとを直接々触せしめて該貯湯部２
   に所望温度の温水を得る直接々触式温水ヒーター
   において、該貯湯部２の温水を取り出すオーバー
   フロー型温水取出し用配管１０の上部を囲んでそ
   の下部が該貯湯部２内の温水内に位置する隔壁１
   １が燃焼室３内に設置されていると共に該隔壁１
   １内を大気圧に維持する連通管１２が設けられて
   いることを特徴とする上限水位規制装置付き直
   接々触式温水ヒーター。