JP3543044B2 - 電子部品実装装置および電子部品実装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を基板に移送搭載する電子部品実装装置および電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置は、移載ヘッドをパーツフィーダの上方へ移動させ、そこで移載ヘッドに備えられたノズルに下降・上昇動作を行わせて、ノズルの下端部に電子部品を真空吸着してピックアップし、次に移載ヘッドを基板の上方へ移動させ、そこで再度ノズルに下降・上昇動作を行わせて、電子部品を基板の所定の座標位置に搭載するようになっている。
【0003】
上述のように、ノズルに下降・上昇動作を行わせてパーツフィーダの電子部品をピックアップする場合、下降ストロークが大きすぎるとノズルの下端部は電子部品の上面を強く押圧して電子部品を破壊する。また下降ストロークが小さすぎると、ノズルは電子部品の上面に着地できず、電子部品をピックアップミスする。したがってノズルの下降ストロークは最適に制御しなければならない。
【0004】
ノズルの下降ストロークを最適に制御するための方法として、特開平4−164397号公報に記載された方法が提案されている。このものは、部品供給ユニット(パーツフィーダ)に備えられた電子部品の上面の高さを反射型距離測定センサにより測定して、吸着ノズルの下降ストロークを制御するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来方法の反射型距離センサは、ノズルの下降動作、すなわち実際のピックアップ動作とは無関係に電子部品の上面の高さを測定していたため、測定結果の信頼性は十分に高いものではなく、したがってこの測定結果に基いてノズルに実際にピックアップ動作を行わせた場合、ピックアップミスを多発しやすいという問題点があった。またノイズによる測定ミスなどの反射型距離測定センサに特有の測定ミスを生じやすいものであり、このことからも信頼性は十分に高いものではなかった。
【0006】
したがって本発明は、パーツフィーダに備えられた電子部品の上面の高さを正しく検知して、ノズルにより電子部品を確実にピックアップすることができる電子部品実装装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このために本発明は、移載ヘッドと、この移載ヘッドをパーツフィーダと基板の位置決
め部の間を移動させる移動テーブルとを備え、前記移載ヘッドにより前記パーツフィーダに備えられた電子部品を前記位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置であって、前記移載ヘッドが、電子部品を真空吸着するノズルと、このノズルを上下動自在に保持するブロックと、このブロックに上下動作を行わせる上下動手段と、前記ブロックの高さ方向の位置を検出する位置検出手段と、このノズルを前記ブロックに対して下方へ弾発するスプリングと、このノズルが前記パーツフィーダに備えられた電子部品の上面に着地して前記スプリングが前記ブロックにより圧縮されて所定量の高低差C変形したことを検知する検知手段と、この高低差Cを既知の設計値として登録する記憶部とを有し、かつ前記スプリングの変形量と前記検知手段が検知したときの前記ブロックの高さ方向の位置に基いて前記電子部品の上面の高さAをA=B−Cとして計算する計算手段を設けたものである。
【0008】
また移載ヘッドをパーツフィーダの上方へ移動させ、そこで上下動手段を駆動してノズルを上下動自在に保持し、且つこのノズルを下方へ弾発するスプリングを有するブロックを下降させてこのノズルの下端部をパーツフィーダに備えられた電子部品の上面に着地させた後、さらに前記上下動手段を駆動して前記ブロックを下降させることにより前記スプリングを変形させてこのスプリングが既知の設計値として記憶部に登録されている所定量の高低差C変形されたことを前記移載ヘッドに一体的に設けられた検知手段により検知すると共に、このときの前記ブロックの高さ方向の位置を位置検出手段で検出し、この変形量と前記位置検出手段で検出した前記ブロックの高さ方向の位置に基いて前記電子部品の上面の高さを計算手段によりA=B−Cとしてこの計算結果のデータを記憶部に登録し、以後、この登録されたデータに基いて前記上下動手段による前記ノズルの下降ストロークを制御して前記パーツフィーダに備えられた電子部品を前記ノズルで真空吸着してピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、移載ヘッドのノズルをパーツフィーダの電子部品の上面に実際に着地させてノズルを弾発するスプリングを変形させ、スプリングが所定量変形したことを移載ヘッドに一体に設けられた検知手段により検知し、この検知結果に基いて電子部品の上面の高さ、すなわちノズルが電子部品の上面に着地するのに必要なノズルの下降ストロークの大きさを直接的に求めることができる。したがって各々のパーツフィーダに備えられた電子部品の上面の高さを予め検知して、そのデータを記憶部に登録しておくことにより、各々のパーツフィーダ毎にノズルの下降ストロークを最適に制御して電子部品のピックアップを行うことができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は同移載ヘッドとその制御系の構成図、図3は同電子部品の上面の高さの検知工程図である。
【0011】
図1において、1はXテーブル、2はYテーブルであり、Yテーブル2には移載ヘッド10が保持されている。Xテーブル1とYテーブル2は、移載ヘッド10を水平方向へ任意に移動させる移動テーブルである。3はパーツフィーダである。パーツフィーダ3は横方向に多数個並設されており、それぞれ電子部品6を備えている(図2も参照)。パーツフィーダ3の前方には基板4をクランプして位置決めする位置決め部5が設けられている。
【0012】
図2において、移載ヘッド10は、電子部品6を真空吸着するノズル11を有している。ノズル11はブロック12に上下動自在に保持されており、ノズル11とブロック12の間にはスプリング13が介装されている。スプリング13はノズル11を下方へ弾発している。ブロック12の上部にはナット14が結合されている。ナット14には垂直な送りねじ15が挿着されている。モータ16が駆動して送りねじ15が正逆回転すると、ナット14は送りねじ15に沿って上下動し、ノズル11も上下動する。すなわち、ナット14、送りねじ15、モータ16はノズル11の上下動手段である。17は制御部であり、モータドライバ18を介してモータ16を制御する。19は記憶部であり、プログラムデータなどの様々なデータを記憶する。
【0013】
ブロック12の下部にはカギ形のアーム20が延出している。アーム20の下端部には間隔をおいて互いに対向する発光素子と受光素子を備えた検知手段21が取り付けられている。またノズル11側には遮光板22が設けられている。検知手段21が遮光板22に対して下降し、遮光板22が発光素子と受光素子の間を遮光することにより、ブロック12がスプリング13を所定量(検知手段21と遮光板22の高低差C)圧縮したことが検知され、その情報は制御部17へ出力される。
【0014】
23は、位置検出器としてのエンコーダであり、モータの回転に伴なってパルス信号を制御部17やモータドライバ18へ出力する。制御部17はこのパルス信号をカウントすることによりブロック12の高さ方向の位置を検出する。本実施の形態では制御部17とエンコーダ23がブロック12の高さ方向の位置を検出する位置検出手段を構成している。
【0015】
この電子部品実装装置は上記のような構成より成り、次に動作を説明する。パーツフィーダ3に備えられた電子部品6を基板4に搭載するのに先立ち、以下のようにして各々のパーツフィーダ3に備えられた電子部品6の上面の高さを検知するためのティーチングを行う。図3は、電子部品6の上面の高さ、すなわちノズル11が電子部品6の上面に着地するのに必要な下降ストロークを検知してティーチングする方法を左から右へ順に示している。まず図3の左側に示すように、移載ヘッド10をパーツフィーダ3の上方へ移動させる。ここでCは検知手段21と遮光板22の高低差である。この高低差Cは設計値(既知)であり、記憶部19に登録されている。
【0016】
次にモータ16を駆動することにより、電子部品6をピックアップするときの速度よりもおそい速度でノズル11を電子部品6の上面に着地させる(図3の中央を参照)、このときの基準レベルLからブロック12の下端までの高低差をAとする。この高低差Aはこの時点では未知である。モータ16をさらに駆動することにより、スプリング13を圧縮しながら、遮光板22が検知手段21を遮光するまでブロック12を下降させる(図3の右側を参照)。制御部17は、検知手段21が検知したことを検出するとエンコーダ23から送られてきたパルス信号のカウント値より、このときの基準レベルLからブロック12の下端までの高低差すなわちブロック12の高さ方向の位置Bを求め、その値を記憶部19に記憶させる。以上により、高低差Bの値が判明したことにより、図3の中央に示すようにノズル11の下端部が電子部品6の上面に着地したときの高低差Aすなわち電子部品6の上面の高さは、A=B−Cとして計算できる。この計算は計算手段である制御部17で行い、その計算結果のデータを記憶部19に登録する。
【0017】
図1に示すように、パーツフィーダ3は多数個あり、したがって各々のパーツフィーダ3について上記した動作を行って、それぞれの高低差Aを求めて、このデータを記憶部19に登録する。
【0018】
以上のようにしてすべてのパーツフィーダ3の電子部品6の上面の高さ、すなわちノズル11が各々のパーツフィーダ3の電子部品6の上面に着地する下降ストロークの大きさのティーチングが終了したならば、パーツフィーダ3の電子部品6を基板4に搭載する作業を開始する。すなわち、図1においてXテーブル1とYテーブル2を駆動して移載ヘッド10を所望のパーツフィーダ3の上方へ移動させ、そこでモータ16を駆動してノズル11に上下動作を行わせ、パーツフィーダ3に備えられた電子部品6をノズル11の下端部に真空吸着してピックアップする。この場合、制御部17は記憶部19から、そのパーツフィーダ3に備えられた電子部品6をピックアップするのに必要な高低差Aのデータを読み取って、モータ16の回転量すなわちノズル11の下降ストロークを制御する。次に移載ヘッド10を基板4の上方へ移動させ、そこでノズル11に再度上下動作を行わせて、電子部品6を基板4に搭載する。他のパーツフィーダ3に対しても同様の動作を行って、基板4に多品種の電子部品6を次々に搭載していく。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、移載ヘッドのノズルを各々のパーツフィーダに備えられた電子部品の上面に実際に着地させ、そのときのノズルの下降ストロークを、ノズルを弾発するスプリングの変形量とブロックの高さ方向の位置から直接的に求めるようにしているので、各々のパーツフィーダの電子部品をピックアップするのに必要なノズルの下降ストロークを実際に則して正確に求めることができ、したがって電子部品をピックアップミスなく確実にピックアップして基板に移送搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッドとその制御系の構成図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の電子部品の上面の高さの検知工程図
【符号の説明】
1 Xテーブル
2 Yテーブル
3 パーツフィーダ
4 基板
5 位置決め部
10 移載ヘッド
11 ノズル
12 ブロック
13 スプリング
14 ナット
15 送りねじ
16 モータ
17 制御部
19 記憶部
21 検知手段
22 遮光板
23 エンコーダ

Claims (2)

  1. 移載ヘッドと、この移載ヘッドをパーツフィーダと基板の位置決め部の間を移動させる移動テーブルとを備え、前記移載ヘッドにより前記パーツフィーダに備えられた電子部品を前記位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置であって、前記移載ヘッドが、電子部品を真空吸着するノズルと、このノズルを上下動自在に保持するブロックと、このブロックに上下動作を行わせる上下動手段と、前記ブロックの高さ方向の位置を検出する位置検出手段と、このノズルを前記ブロックに対して下方へ弾発するスプリングと、このノズルが前記パーツフィーダに備えられた電子部品の上面に着地して前記スプリングが前記ブロックにより圧縮されて所定量の高低差C変形したことを検知する検知手段と、この高低差Cを既知の設計値として登録する記憶部とを有し、かつ前記スプリングの変形量と前記検知手段が検知したときの前記ブロックの高さ方向の位置に基いて前記電子部品の上面の高さAをA=B−Cとして計算する計算手段を設けたことを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 移載ヘッドをパーツフィーダの上方へ移動させ、そこで上下動手段を駆動してノズルを上下動自在に保持し、且つこのノズルを下方へ弾発するスプリングを有するブロックを下降させてこのノズルの下端部をパーツフィーダに備えられた電子部品の上面に着地させた後、さらに前記上下動手段を駆動して前記ブロックを下降させることにより前記スプリングを変形させてこのスプリングが既知の設計値として記憶部に登録されている所定量の高低差C変形されたことを前記移載ヘッドに一体的に設けられた検知手段により検知すると共に、このときの前記ブロックの高さ方向の位置を位置検出手段で検出し、この変形量と前記位置検出手段で検出した前記ブロックの高さ方向の位置に基いて前記電子部品の上面の高さを計算手段によりA=B−Cとして計算してこの計算結果のデータを記憶部に登録し、以後、この登録されたデータに基いて前記上下動手段による前記ノズルの下降ストロークを制御して前記パーツフィーダに備えられた電子部品を前記ノズルで真空吸着してピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載することを特徴とする電子部品実装方法。
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