JP3542242B2 - トルクコンバータ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータ、特にロックアップクラッチ機構を有しロックアップスリップ制御を行うトルクコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にトルクコンバータは、主として、フロントカバーと、3種の羽根車(インペラ,タービン,ステータ)とからなり、インペラがフロントカバーとともに回転すると、この回転に伴って作動油がインペラ,タービン,ステータの間を循環し、インペラの回転がタービンに伝達される。また、トルクコンバータには、フロントカバーとタービンとを機械的に連結することのできるロックアップクラッチ機構を備えているものがある。
【0003】
ロックアップクラッチ機構の連結及び連結解除を制御する作動油は、連結解除時には、タービンの内周部とフロントカバーとの隙間から導入され、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間を通り、インペラの外周部とタービンの外周部との間からインペラとタービンとの間に形成される空間に流れる。この作動油は、インペラとタービンとを流体的に連結する作動油と合流し、タービンの内周部とステータの隙間もしくはインペラの内周部とステータの隙間から排出される。ロックアップクラッチ機構を連結するときには、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間の作動油がタービンの内周部とフロントカバーとの隙間からドレン(排出)され、油圧差でロックアップクラッチ機構がフロントカバーに圧接する。
【0004】
このようなロックアップクラッチ機構を有するトルクコンバータにおいて、近年、ロックアップスリップ制御が行われるようになっている。ロックアップスリップ制御とは、ロックアップクラッチ機構のダンパー特性だけでは十分に振動を抑えることが困難な場合に、これに加えてフロントカバーと接するロックアップクラッチ機構の摩擦フェーシングをスリップさせることにより振動を吸収させる制御である。ここでは、エンジン回転数と出力回転数を基に上記の油圧差を調整することによってスリップの制御を行う。この制御を使えば、振動等の問題から従来ロックアップクラッチ機構を作動させることのできなかった比較的速度の低い領域において、ロックアップクラッチ機構を作動させることができる。そして、このようにしてロックアップクラッチ機構を作動させることのできる範囲が広がると、トルク伝達効率が向上し、このトルクコンバータを備える車両などの燃費が向上する。
【0005】
一方、ロックアップスリップ制御を行うと、スリップすることによって摩擦フェーシング及びこれに対向するフロントカバーの面が発熱する。この発熱は摩擦フェーシングの寿命を低下させる。この対策として、従来は、摩擦フェーシングに油溝を設けることなどにより油を流通させ、摩擦フェーシングやフロントカバーを冷却している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、車両などの燃費向上の要請から、より広い領域においてロックアップスリップ制御の適用によるロックアップクラッチ機構の作動範囲の拡大が望まれている。しかし、このような場合にはより大きな摩擦熱が発生する。
【0007】
したがって、従来よりも冷却性を高めなければ、摩擦フェーシング等の寿命を維持することができない。
【0008】
本発明の課題は、ロックアップスリップ制御により発生する熱の冷却性の高い構造を有するトルクコンバータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトルクコンバータは、フロントカバーと、インペラと、タービンと、ロックアップクラッチ機構と、摺動面板とを備えている。フロントカバーはエンジン側の部材に連結される。インペラは、フロントカバーに固定されており、フロントカバーとともに油室を形成する。タービンは、油室内でインペラに対向して配置され、トランスミッション側の部材に連結される。ロックアップクラッチ機構は、摩擦部を有しており、フロントカバーとタービンとの間に配置される。摺動面板は、フロントカバーとの間に油が流通する空間が確保されるようにフロントカバーに装着され、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接することによりフロントカバーからロックアップクラッチ機構へトルクを伝達する。そして、摺動面板とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが摺動あるいは圧接した状態で、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間はロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通している。
【0010】
また、摺動面板は、装着部と接触部と連結部とを有している。装着部はフロントカバーに装着される。接触部は、フロントカバーとの間に一定のすき間を有するように配置されており、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接する。連結部は装着部と接触部とを連結している。さらに、摺動面板は、ロックアップクラッチ機構の摩擦部との摺動及び圧接時に、ロックアップクラッチ機構の弾性変形による摩擦部の傾きに対して接触部の傾きが追従するような弾性特性を有している。
【0011】
ロックアップクラッチ機構が作動していないときは、インペラがフロントカバーとともに回転すると、作動油を介してこの回転がタービンに連結するトランスミッション側の部材に伝達される。
【0012】
ロックアップクラッチ機構を作動させると、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間の作動油の圧力が低下し、油圧差によってロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板に圧接する。これにより、フロントカバーの回転が作動油を介さずにロックアップクラッチ機構を介してタービンに伝達される。
【0013】
ここで、ロックアップスリップ制御を行うと、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動面板との間でスリップ(すべり)が発生し、ロックアップクラッチ機構に含まれるダンパー特性だけでは抑えられない振動を抑えることができる。一方、このロックアップスリップ制御を行うと、スリップによって摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部が発熱する。
【0014】
ここでは、摺動面板とフロントカバーとの間に油が流通する空間が確保されており、この空間を流通する油が摺動面板を冷却する。また、摺動面板を冷却することにより、ロックアップクラッチ機構の摩擦部も冷却される。
【0015】
従来では、構造上、ロックアップクラッチ機構の摩擦部の摺動するフロントカバーの面を直接冷却せずに、摺動している部分の周囲を冷却している。また、摺動部分を直接冷却するように摩擦フェーシングに油溝を設けている場合も、その小さな溝を流れる油の量は限られており、冷却効果は小さい。
【0016】
これに対し、本請求項に記載のトルクコンバータの場合は、摺動面板を直接冷却でき、また、摺動面板とフロントカバーとの間に油が流通する空間には十分な油の量が確保できる。したがって、本請求項のトルクコンバータは、従来よりもロックアップスリップ制御により発生する熱の冷却性の高い構造である。
【0017】
また、ロックアップスリップ制御を行っているときには摺動面板とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが摺動している。このとき、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間の作動油は、ロックアップクラッチ機構を作動させるようにドレンされている。すなわち、ロックアップスリップ制御時には、ロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側とは油の連通が原則として禁止されていて殆ど油が連通しない状態であり、かつフロントカバー側の作動油がドレンされている。
【0018】
ここでは、冷却のために設けられた摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間がロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通しているので、ロックアップスリ ップ制御時にもこの空間には油が確保され油が流通する。これにより、摩擦熱が発生するロックアップスリップ制御時にも、摺動面板が冷却され、摺動面板を介してロックアップクラッチ機構の摩擦部も冷却される。
【0019】
また、ロックアップクラッチ機構が作動するときには、ロックアップクラッチ機構はロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側との油圧差や遠心力により弾性変形を起こす。これに従い、ロックアップクラッチ機構の摩擦部もフロントカバーや摺動面板に対する角度位置がずれる。
【0020】
ここでは、ロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板に対して傾いた状態で押し付けられても、摺動面板の弾性特性により接触部がロックアップクラッチ機構の摩擦部の傾きに追従して傾く。すなわち、摺動面板の接触部とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが偏当たり状態ではなく、一様に接触した状態でトルク伝達を行うため、トルクの伝達が安定し、つながりフィーリングも向上する。また、ロックアップクラッチ機構の摩擦部の寿命も向上する。
【0021】
請求項2に記載のトルクコンバータは、請求項1に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板の連結部には、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間とロックアップクラッチ機構作動時に油圧が低下するロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間とを連通させる孔が設けられている。
【0022】
ロックアップスリップ制御時には、ロックアップクラッチ機構の摩擦部を油圧差により摺動面板に押し付けるために、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の作動油はドレンされる。そして、ロックアップクラッチ機構のタービン側の作動油がロックアップクラッチ機構の摩擦部を摺動面板に押し付ける。
【0023】
ここでは、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間はロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通しており、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油の圧力はロックアップクラッチ機構のタービン側の作動油圧と等しい。これに対し、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間の作動油は、ロックアップスリップ制御時にはドレンされて圧力が低い状態である。したがって、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油が摺動面板の連結部の孔を通ってロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間に流れる。これにより、ロックアップスリップ制御時にも、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間を十分に油が流通し、摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部を冷却する。
【0024】
なお、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油が摺動面板の連結部の孔を通ってロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間に流れることにより、孔を設けない場合に較べて、ロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側との油圧差に影響が出る。したがって、ロックアップクラッチ機構の作動やロックアップスリップ制御を考慮して、孔の大きさや数を制限する必要がある。
【0025】
請求項3に記載のトルクコンバータは、請求項1又は2に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板は補強部をさらに有している。補強部は、接触部からフロントカバー側に延び、少なくともロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態においてフロントカバーと当接する。
【0026】
ロックアップクラッチ機構が作動すると、ロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板の接触部に押し付けられる。この押し付け荷重により、摺動面板には応力が発生し、摺動面板は弾性変形する。摺動面板は、強度的に成り立つとともに、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間を維持するために変形量が抑えられる構造であることが必要である。
【0027】
ここでは、荷重を受ける接触部からフロントカバー側に延びる補強部が摺動面板に設けられている。そして、この補強部は、少なくとも押し付け荷重が最も大きくなるロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態において、フロントカバーと当接する。すなわち、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態においては、摺動面板の接触部は装着部及び連結部に加えて補強部にも支持される状態となる。したがって、補強部が設けられていない場合と比較すると、例えば板厚を薄くするなど摺動面板の軽量化を図っても、強度や弾性変形量を保つことができる。このため、摺動面板の軽量化が図れるとともに、例えば薄肉化すれば摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部の冷却効率も向上する。
【0028】
請求項4に記載のトルクコンバータは、請求項3に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板は円環状の部材である。摺動面板の装着部は摺動面板の内周部である。連結部は、摺動面板の半径方向中間部であり、装着部と接触部との軸方向の位置が異なる状態となるように両者を連結している。接触部は摺動面板の外周部であり、補強部は接触部の外周端に設けられている。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1を示している。ここでは、O−Oがトルクコンバータ1の回転軸線であり、図の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。
【0030】
このトルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフトからトランスミッションのメインドライブシャフト11にトルクを伝達するための機構であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー3と、3種の羽根車(インペラ4,タービン5,ステータ6)からなるトルクコンバータ本体と、ロックアップクラッチ機構2とから構成されている。フロントカバー3とインペラ4のインペラシェル4aとは外周部で溶接され、両者で作動油室を形成している。
【0031】
フロントカバー3の外周部エンジン側面には、複数のナット13が固定されている。このナット13を介して、エンジン側のクランクシャフトに連結されるフレキシブルプレート(図示せず)がフロントカバー3に装着される。このようにして、フロントカバー3はエンジン側のクランクシャフトに連結されている。また、フロントカバー3の外周部トランスミッション側面には、摺動面板12が固定されている。
【0032】
この摺動面板12は、円環状の部材であって、図2に示すように、フロントカバー3に溶接される装着部12aと、装着部12aの外周側に位置する連結部12bと、連結部12bの外周側に位置する接触部12cと、接触部12cの外周端からフロントカバー3側に延びる複数の補強部12dとから構成される。接触部12cは、フロントカバー3との間に空間が確保されるようにフロントカバー3と隙間をあけた状態に配置される。すなわち、接触部12cは、軸方向の位置が装着部12aよりもトランスミッション側にずれている。また接触部12cは、後述するロックアップクラッチ機構2のピストン17に接着されている摩擦フェーシング22に対向するように配置される。連結部12bは、装着部12aの外周端と接触部12cの内周端とを連結しており、外周側と内周側とを連通させる油穴12eを1つ有している。
【0033】
インペラ4は、インペラシェル4aと、インペラシェル4aの内側に固定された複数のインペラブレード4bと、インペラシェル4aの内周端に固定されているインペラハブ4cとから構成されている。
【0034】
タービン5は、作動油室内でインペラ4と対向するように配置されており、主に、タービンシェル5aと、タービンシェル5aに固定された複数のタービンブレード5bとから構成されている。タービンシェル5aの内周端は、タービンハブ8のフランジ8aに複数のリベット9により固定されている。また、タービンハブ8の内周には、トランスミッション側から延びるメインドライブシャフト11と連結するためのスプライン孔が形成されている。
【0035】
ステータ6は、インペラ4とタービン5との間の径方向内方に配置されており、ワンウェイクラッチ7を介して、トランスミッションのハウジングに固定されたステータシャフト10に固定されている。
【0036】
ロックアップクラッチ機構2は、軸方向においてフロントカバー3とタービン5との間に配置されている。ロックアップクラッチ機構2は、主に、円板状のピストン17と、弾性連結機構18と、摩擦フェーシング22とから構成されている。
【0037】
円板状のピストン17は、外周側端部と内周側端部とにトランスミッション側に延びる筒状の筒部17a,17bがそれぞれ形成されている。内周側の筒部17bは、タービンハブ8の外周壁に軸方向及び円周方向に摺動自在に支持されている。
【0038】
弾性連結機構18は、ピストン17の外周側の筒部17aの内周側に配置されており、円板状のリテーニングプレート19と、ドリブンプレート20と、複数のトーションスプリング21とから構成されている。リテーニングプレート19は、リベットにより内周端がピストン17に固定されている。また、リテーニングプレート19は、外周部に円環状に延びる筒部19aを有しており、筒部19a内にトーションスプリング21を収容している。ドリブンプレート20は、リング状の部材であり、タービンシェル5aのエンジン側に固定されている。ドリブンプレート20には複数の折り曲げ爪が形成されており、これらがトーションスプリング21の円周方向両端部に係止している。各トーションスプリング21の円周方向両端部は、ドリブンプレート20の折り曲げ爪に係止するとともに、リテーニングプレート19に形成された折り曲げ爪19bに支持されている。このように、ピストン17とタービンシェル5aとは弾性連結機構18を介して円周方向に弾性的に連結されている。
【0039】
摩擦フェーシング22は、環状の部材であり、摺動面板12の接触部12cに対向するようにピストン17の外周部のエンジン側の側面に接着されている。
【0040】
次に、作動油について説明する。フロントカバー3とインペラシェル4aとで形成される作動油室には、インペラ4とタービン5とを流体的に連結するため及びロックアップクラッチ機構2を作動させるための作動油が充填されている。この作動油は、トルクコンバータ1の外部から導入され、トルクコンバータ1内を循環し、トルクコンバータ1の外部へと流出される。このような作動油の循環は、トルクコンバータ1内での発熱をトルクコンバータ1の外部に流出させる働きも兼ねている。
【0041】
タービンシェル5aとフロントカバー3との間の空間には、ロックアップクラッチ機構2を作動させるための作動油が導入される。この作動油は、メインドライブシャフト11の内部を通ってタービンハブ8とフロントカバー3の内周部との隙間から導入され、ピストン17とフロントカバー3との隙間を通って弾性連結機構18周辺に流れる。この作動油は、インペラ4の外周部とタービン5の外周部との隙間からインペラ4とタービン5との間に形成される空間に流入し、ステータ6の内周部とタービンシェル5aの内周部との隙間からステータシャフト10とメインドライブシャフト11との隙間を通って流出される。
【0042】
次に、動作について説明する。エンジン側のクランクシャフトからのトルクは、図示しないフレキシブルプレートからフロントカバー3に入力される。このトルクはインペラシェル4aに伝達される。これにより、インペラ4が回転し、作動油がインペラ4からタービン5へと流れる。この作動油の流れによりタービン5は回転し、タービン5のトルクはタービンハブ8を介してメインドライブシャフト11に出力される。
【0043】
以上が、作動油を介して流体的にトルクの伝達を行うときのトルクコンバータ1の動作である。ここでは流体を介しているため、後述するようなロックアップクラッチ機構2を介して機械的にトルク伝達を行う場合に較べて、トルクの伝達効率は劣る。したがって、このように流体的にトルク伝達を行う割合を減らして、後述のロックアップクラッチ機構2によるトルク伝達の割合を増やすことが、トルクコンバータ1を備える車両の燃費を向上させることにつながる。但し、流体的に連結する場合、振動の吸収性は優れている。
【0044】
次に、ロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。ここでは、ロックアップスリップ制御を行いながらロックアップクラッチ機構2を作動させるが、まず、ロックアップスリップ制御を除いたロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。
【0045】
トルクコンバータ1の速度比(入力側回転数に対する出力側回転数の比)が上がり、メインドライブシャフト11が一定の回転速度になると、ロックアップクラッチ機構2が作動する。すなわち、ピストン17とフロントカバー3との隙間の作動油がメインドライブシャフト11の内部を通ってドレンされる。この結果、ピストン17のフロントカバー3側とタービン5側との油圧差によって、ピストン17がフロントカバー3側に圧力を受け、摩擦フェーシング22が摺動面板12の接触部12cに圧接される。これにより、フロントカバー3のトルクは、ピストン17から弾性連結機構18を介してタービン5に伝達される。つまり、フロントカバー3が機械的にタービン5に連結され、フロントカバー3のトルクがタービン5を介してメインドライブシャフト11に出力される。但し、ロックアップスリップ制御を行っていない場合、連結時に発生する振動をロックアップクラッチ機構2の弾性連結機構18のダンパー特性のみによって許容値に抑えなければならず、必然的にロックアップクラッチ機構2を作動させることのできるトルクコンバータ1の速度比域は限定される。
【0046】
次に、ロックアップスリップ制御を含めたロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。
【0047】
トルクコンバータ1の速度比が上がると、ロックアップスリップ制御をかけながらロックアップクラッチ機構2を作動させる。この速度比は、ロックアップスリップ制御を行わない場合に較べ、小さい値を設定することができる。ここでは、エンジン回転数と出力回転数とを監視し、これらの情報からフィードバック制御をかけて、ピストン17のタービン5側の油圧、すなわちピストン17のフロントカバー3側の空間を除くトルクコンバータ1内の油圧を調整する。これにより、タービン5側からピストン17にかかる圧力が制御される。この制御では、制御目標回転数より低い回転数のときには油圧を大きくし制御目標回転数よりも高い回転数のときには油圧を小さくすることによって、入力側と出力側との回転数の差を所定に値に制御する。このような制御下では、摩擦フェーシング22と摺動面板12の接触部12cとは摺動しながらトルクを伝達する。このように、ロックアップスリップ制御では、ロックアップクラッチ機構2の弾性連結機構18のダンパー機能に加えて摩擦フェーシング22のスリップによるダンパー機能が働いて振動を吸収する。
【0048】
上記のようなロックアップスリップ制御では、摩擦フェーシング22をスリップさせることによって、速度比が小さなときにロックアップクラッチ機構2を作動させることにより発生する大きな振動を吸収することができる。しかし、スリップにより摩擦フェーシング22及びこれと摺動する摺動面板12に摩擦熱が発生するため、摩擦フェーシング22の寿命を維持するためにはこの部分を冷却する必要がある。ここでは、摩擦フェーシング22を直接フロントカバー3に摺動させずに、フロントカバー3との間に隙間が確保されるように固定された摺動面板12に摺動させており、従来よりも冷却効果が向上している。摩擦フェーシング22が摺動面板12と摺動しているときには、ピストン17とフロントカバー3との間の空間であって摺動面板12及び摩擦フェーシング22の内周側の部分からは油がドレンされ、油圧が小さくなる。これに対し摺動面板12とフロントカバー3との間の空間を含むその他のトルクコンバータ1内の油圧は大きいため、摺動面板12とフロントカバー3との間の空間から摺動面板12の内周側のピストン17とフロントカバー3との間の空間に油穴12eを通って油が流れる。これによって、摺動面板12のフロントカバー3側の側面が油の流れにより冷却され、摺動面板12の熱が奪われて間接的に摺動面板12と摺動する摩擦フェーシング22の温度も下がる。
【0049】
このように従来よりも冷却性が向上しているため、スリップする摺動部分に厳しい条件がかかるようなロックアップスリップ制御も可能となり、ロックアップクラッチ機構2を作動させることのできるトルクコンバータ1の速度比域が広がる。そして、より広い範囲でロックアップクラッチ機構2が使用できるため、流体的にトルク伝達を行う割合を減らしロックアップクラッチ機構2によるトルク伝達の割合が増えるような制御が可能となり、トルクコンバータ1を備える車両の燃費が向上する。
【0050】
また、摺動面板12と摩擦フェーシング22との摺動あるいは圧接時には、ピストン17が油圧及び遠心力を受け弾性変形をおこす。これに従い、このピストン17に固定されている摩擦フェーシング22の摩擦面が傾いた状態となる。これに対し、ここでは、摩擦フェーシング22から受ける力による摺動面板12の弾性変形によって接触部12cの傾きが摩擦フェーシング22の傾きに追従するように摺動面板12の剛性が設定されている。したがって、摺動面板12の接触部12cと摩擦フェーシング22とが偏当たり状態とならず、一様に面接触した状態でトルク伝達を行う。これにより、トルクの伝達が安定し、つながりフィーリングが向上するとともに、偏当たりがなくなることから摩擦フェーシング22の寿命も向上する。
【0051】
さらに、摺動面板12は補強部12dを有しており、摺動面板12と摩擦フェーシング22との摺動あるいは圧接時に補強部12dのフロントカバー3側の端部がフロントカバー3に当接する。このように、荷重を受ける接触部12cは、内周側を装着部12a及び連結部12bによって、外周部を補強部12dによって支持された状態となるため、補強部12dがない場合(接触部12cが片持ちの状態でフロントカバー3に支持される場合)に較べて軽量化を図ることができる。ここでは、補強部12dを設けることにより接触部12cなどを薄肉化している。接触部12cが薄肉化したことによって、接触部12cを介して冷却される摩擦フェーシング22の冷却性も向上している。なお、この補強部12dは円周方向に隙間をあけて配置されており、摺動面板12とフロントカバー3との間に確保される空間とピストン17のタービン5側の空間との連通は確保されている。
【0052】
【発明の効果】
本発明では、ロックアップクラッチ機構の摩擦部を、直接フロントカバーと摺動させる代わりに、フロントカバーとの間に油が流通する空間が確保された摺動面板をフロントカバーに固定してこの摺動面板と摺動させる構造とした。このため、フロントカバーと摺動面板の間の空間に油を流すことによって摺動部分の発熱を冷却することができ、従来よりも冷却性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるトルクコンバータの縦断面概略図。
【図2】図1の摺動面板付近の拡大断面図。
【符号の説明】
1 ルクコンバータ
2 ロックアップクラッチ機構
3 フロントカバー
4 インペラ
5 タービン
12 摺動面板
12a 装着部
12b 連結部
12c 接触部
12d 補強部
12e 油穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータ、特にロックアップクラッチ機構を有しロックアップスリップ制御を行うトルクコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にトルクコンバータは、主として、フロントカバーと、3種の羽根車(インペラ,タービン,ステータ)とからなり、インペラがフロントカバーとともに回転すると、この回転に伴って作動油がインペラ,タービン,ステータの間を循環し、インペラの回転がタービンに伝達される。また、トルクコンバータには、フロントカバーとタービンとを機械的に連結することのできるロックアップクラッチ機構を備えているものがある。
【0003】
ロックアップクラッチ機構の連結及び連結解除を制御する作動油は、連結解除時には、タービンの内周部とフロントカバーとの隙間から導入され、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間を通り、インペラの外周部とタービンの外周部との間からインペラとタービンとの間に形成される空間に流れる。この作動油は、インペラとタービンとを流体的に連結する作動油と合流し、タービンの内周部とステータの隙間もしくはインペラの内周部とステータの隙間から排出される。ロックアップクラッチ機構を連結するときには、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間の作動油がタービンの内周部とフロントカバーとの隙間からドレン(排出)され、油圧差でロックアップクラッチ機構がフロントカバーに圧接する。
【0004】
このようなロックアップクラッチ機構を有するトルクコンバータにおいて、近年、ロックアップスリップ制御が行われるようになっている。ロックアップスリップ制御とは、ロックアップクラッチ機構のダンパー特性だけでは十分に振動を抑えることが困難な場合に、これに加えてフロントカバーと接するロックアップクラッチ機構の摩擦フェーシングをスリップさせることにより振動を吸収させる制御である。ここでは、エンジン回転数と出力回転数を基に上記の油圧差を調整することによってスリップの制御を行う。この制御を使えば、振動等の問題から従来ロックアップクラッチ機構を作動させることのできなかった比較的速度の低い領域において、ロックアップクラッチ機構を作動させることができる。そして、このようにしてロックアップクラッチ機構を作動させることのできる範囲が広がると、トルク伝達効率が向上し、このトルクコンバータを備える車両などの燃費が向上する。
【0005】
一方、ロックアップスリップ制御を行うと、スリップすることによって摩擦フェーシング及びこれに対向するフロントカバーの面が発熱する。この発熱は摩擦フェーシングの寿命を低下させる。この対策として、従来は、摩擦フェーシングに油溝を設けることなどにより油を流通させ、摩擦フェーシングやフロントカバーを冷却している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、車両などの燃費向上の要請から、より広い領域においてロックアップスリップ制御の適用によるロックアップクラッチ機構の作動範囲の拡大が望まれている。しかし、このような場合にはより大きな摩擦熱が発生する。
【0007】
したがって、従来よりも冷却性を高めなければ、摩擦フェーシング等の寿命を維持することができない。
【0008】
本発明の課題は、ロックアップスリップ制御により発生する熱の冷却性の高い構造を有するトルクコンバータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のトルクコンバータは、フロントカバーと、インペラと、タービンと、ロックアップクラッチ機構と、摺動面板とを備えている。フロントカバーはエンジン側の部材に連結される。インペラは、フロントカバーに固定されており、フロントカバーとともに油室を形成する。タービンは、油室内でインペラに対向して配置され、トランスミッション側の部材に連結される。ロックアップクラッチ機構は、摩擦部を有しており、フロントカバーとタービンとの間に配置される。摺動面板は、フロントカバーとの間に油が流通する空間が確保されるようにフロントカバーに装着され、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接することによりフロントカバーからロックアップクラッチ機構へトルクを伝達する。そして、摺動面板とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが摺動あるいは圧接した状態で、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間はロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通している。
【0010】
また、摺動面板は、装着部と接触部と連結部とを有している。装着部はフロントカバーに装着される。接触部は、フロントカバーとの間に一定のすき間を有するように配置されており、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接する。連結部は装着部と接触部とを連結している。さらに、摺動面板は、ロックアップクラッチ機構の摩擦部との摺動及び圧接時に、ロックアップクラッチ機構の弾性変形による摩擦部の傾きに対して接触部の傾きが追従するような弾性特性を有している。
【0011】
ロックアップクラッチ機構が作動していないときは、インペラがフロントカバーとともに回転すると、作動油を介してこの回転がタービンに連結するトランスミッション側の部材に伝達される。
【0012】
ロックアップクラッチ機構を作動させると、フロントカバーとロックアップクラッチ機構との間の作動油の圧力が低下し、油圧差によってロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板に圧接する。これにより、フロントカバーの回転が作動油を介さずにロックアップクラッチ機構を介してタービンに伝達される。
【0013】
ここで、ロックアップスリップ制御を行うと、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動面板との間でスリップ(すべり)が発生し、ロックアップクラッチ機構に含まれるダンパー特性だけでは抑えられない振動を抑えることができる。一方、このロックアップスリップ制御を行うと、スリップによって摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部が発熱する。
【0014】
ここでは、摺動面板とフロントカバーとの間に油が流通する空間が確保されており、この空間を流通する油が摺動面板を冷却する。また、摺動面板を冷却することにより、ロックアップクラッチ機構の摩擦部も冷却される。
【0015】
従来では、構造上、ロックアップクラッチ機構の摩擦部の摺動するフロントカバーの面を直接冷却せずに、摺動している部分の周囲を冷却している。また、摺動部分を直接冷却するように摩擦フェーシングに油溝を設けている場合も、その小さな溝を流れる油の量は限られており、冷却効果は小さい。
【0016】
これに対し、本請求項に記載のトルクコンバータの場合は、摺動面板を直接冷却でき、また、摺動面板とフロントカバーとの間に油が流通する空間には十分な油の量が確保できる。したがって、本請求項のトルクコンバータは、従来よりもロックアップスリップ制御により発生する熱の冷却性の高い構造である。
【0017】
また、ロックアップスリップ制御を行っているときには摺動面板とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが摺動している。このとき、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間の作動油は、ロックアップクラッチ機構を作動させるようにドレンされている。すなわち、ロックアップスリップ制御時には、ロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側とは油の連通が原則として禁止されていて殆ど油が連通しない状態であり、かつフロントカバー側の作動油がドレンされている。
【0018】
ここでは、冷却のために設けられた摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間がロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通しているので、ロックアップスリ ップ制御時にもこの空間には油が確保され油が流通する。これにより、摩擦熱が発生するロックアップスリップ制御時にも、摺動面板が冷却され、摺動面板を介してロックアップクラッチ機構の摩擦部も冷却される。
【0019】
また、ロックアップクラッチ機構が作動するときには、ロックアップクラッチ機構はロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側との油圧差や遠心力により弾性変形を起こす。これに従い、ロックアップクラッチ機構の摩擦部もフロントカバーや摺動面板に対する角度位置がずれる。
【0020】
ここでは、ロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板に対して傾いた状態で押し付けられても、摺動面板の弾性特性により接触部がロックアップクラッチ機構の摩擦部の傾きに追従して傾く。すなわち、摺動面板の接触部とロックアップクラッチ機構の摩擦部とが偏当たり状態ではなく、一様に接触した状態でトルク伝達を行うため、トルクの伝達が安定し、つながりフィーリングも向上する。また、ロックアップクラッチ機構の摩擦部の寿命も向上する。
【0021】
請求項2に記載のトルクコンバータは、請求項1に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板の連結部には、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間とロックアップクラッチ機構作動時に油圧が低下するロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間とを連通させる孔が設けられている。
【0022】
ロックアップスリップ制御時には、ロックアップクラッチ機構の摩擦部を油圧差により摺動面板に押し付けるために、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の作動油はドレンされる。そして、ロックアップクラッチ機構のタービン側の作動油がロックアップクラッチ機構の摩擦部を摺動面板に押し付ける。
【0023】
ここでは、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間はロックアップクラッチ機構のタービン側の空間と連通しており、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油の圧力はロックアップクラッチ機構のタービン側の作動油圧と等しい。これに対し、ロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間の作動油は、ロックアップスリップ制御時にはドレンされて圧力が低い状態である。したがって、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油が摺動面板の連結部の孔を通ってロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間に流れる。これにより、ロックアップスリップ制御時にも、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間を十分に油が流通し、摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部を冷却する。
【0024】
なお、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間の油が摺動面板の連結部の孔を通ってロックアップクラッチ機構のフロントカバー側の空間に流れることにより、孔を設けない場合に較べて、ロックアップクラッチ機構のタービン側とフロントカバー側との油圧差に影響が出る。したがって、ロックアップクラッチ機構の作動やロックアップスリップ制御を考慮して、孔の大きさや数を制限する必要がある。
【0025】
請求項3に記載のトルクコンバータは、請求項1又は2に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板は補強部をさらに有している。補強部は、接触部からフロントカバー側に延び、少なくともロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態においてフロントカバーと当接する。
【0026】
ロックアップクラッチ機構が作動すると、ロックアップクラッチ機構の摩擦部が摺動面板の接触部に押し付けられる。この押し付け荷重により、摺動面板には応力が発生し、摺動面板は弾性変形する。摺動面板は、強度的に成り立つとともに、摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間を維持するために変形量が抑えられる構造であることが必要である。
【0027】
ここでは、荷重を受ける接触部からフロントカバー側に延びる補強部が摺動面板に設けられている。そして、この補強部は、少なくとも押し付け荷重が最も大きくなるロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態において、フロントカバーと当接する。すなわち、ロックアップクラッチ機構の摩擦部と接触部との圧接状態においては、摺動面板の接触部は装着部及び連結部に加えて補強部にも支持される状態となる。したがって、補強部が設けられていない場合と比較すると、例えば板厚を薄くするなど摺動面板の軽量化を図っても、強度や弾性変形量を保つことができる。このため、摺動面板の軽量化が図れるとともに、例えば薄肉化すれば摺動面板及びロックアップクラッチ機構の摩擦部の冷却効率も向上する。
【0028】
請求項4に記載のトルクコンバータは、請求項3に記載のトルクコンバータにおいて、摺動面板は円環状の部材である。摺動面板の装着部は摺動面板の内周部である。連結部は、摺動面板の半径方向中間部であり、装着部と接触部との軸方向の位置が異なる状態となるように両者を連結している。接触部は摺動面板の外周部であり、補強部は接触部の外周端に設けられている。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1を示している。ここでは、O−Oがトルクコンバータ1の回転軸線であり、図の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。
【0030】
このトルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフトからトランスミッションのメインドライブシャフト11にトルクを伝達するための機構であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー3と、3種の羽根車(インペラ4,タービン5,ステータ6)からなるトルクコンバータ本体と、ロックアップクラッチ機構2とから構成されている。フロントカバー3とインペラ4のインペラシェル4aとは外周部で溶接され、両者で作動油室を形成している。
【0031】
フロントカバー3の外周部エンジン側面には、複数のナット13が固定されている。このナット13を介して、エンジン側のクランクシャフトに連結されるフレキシブルプレート(図示せず)がフロントカバー3に装着される。このようにして、フロントカバー3はエンジン側のクランクシャフトに連結されている。また、フロントカバー3の外周部トランスミッション側面には、摺動面板12が固定されている。
【0032】
この摺動面板12は、円環状の部材であって、図2に示すように、フロントカバー3に溶接される装着部12aと、装着部12aの外周側に位置する連結部12bと、連結部12bの外周側に位置する接触部12cと、接触部12cの外周端からフロントカバー3側に延びる複数の補強部12dとから構成される。接触部12cは、フロントカバー3との間に空間が確保されるようにフロントカバー3と隙間をあけた状態に配置される。すなわち、接触部12cは、軸方向の位置が装着部12aよりもトランスミッション側にずれている。また接触部12cは、後述するロックアップクラッチ機構2のピストン17に接着されている摩擦フェーシング22に対向するように配置される。連結部12bは、装着部12aの外周端と接触部12cの内周端とを連結しており、外周側と内周側とを連通させる油穴12eを1つ有している。
【0033】
インペラ4は、インペラシェル4aと、インペラシェル4aの内側に固定された複数のインペラブレード4bと、インペラシェル4aの内周端に固定されているインペラハブ4cとから構成されている。
【0034】
タービン5は、作動油室内でインペラ4と対向するように配置されており、主に、タービンシェル5aと、タービンシェル5aに固定された複数のタービンブレード5bとから構成されている。タービンシェル5aの内周端は、タービンハブ8のフランジ8aに複数のリベット9により固定されている。また、タービンハブ8の内周には、トランスミッション側から延びるメインドライブシャフト11と連結するためのスプライン孔が形成されている。
【0035】
ステータ6は、インペラ4とタービン5との間の径方向内方に配置されており、ワンウェイクラッチ7を介して、トランスミッションのハウジングに固定されたステータシャフト10に固定されている。
【0036】
ロックアップクラッチ機構2は、軸方向においてフロントカバー3とタービン5との間に配置されている。ロックアップクラッチ機構2は、主に、円板状のピストン17と、弾性連結機構18と、摩擦フェーシング22とから構成されている。
【0037】
円板状のピストン17は、外周側端部と内周側端部とにトランスミッション側に延びる筒状の筒部17a,17bがそれぞれ形成されている。内周側の筒部17bは、タービンハブ8の外周壁に軸方向及び円周方向に摺動自在に支持されている。
【0038】
弾性連結機構18は、ピストン17の外周側の筒部17aの内周側に配置されており、円板状のリテーニングプレート19と、ドリブンプレート20と、複数のトーションスプリング21とから構成されている。リテーニングプレート19は、リベットにより内周端がピストン17に固定されている。また、リテーニングプレート19は、外周部に円環状に延びる筒部19aを有しており、筒部19a内にトーションスプリング21を収容している。ドリブンプレート20は、リング状の部材であり、タービンシェル5aのエンジン側に固定されている。ドリブンプレート20には複数の折り曲げ爪が形成されており、これらがトーションスプリング21の円周方向両端部に係止している。各トーションスプリング21の円周方向両端部は、ドリブンプレート20の折り曲げ爪に係止するとともに、リテーニングプレート19に形成された折り曲げ爪19bに支持されている。このように、ピストン17とタービンシェル5aとは弾性連結機構18を介して円周方向に弾性的に連結されている。
【0039】
摩擦フェーシング22は、環状の部材であり、摺動面板12の接触部12cに対向するようにピストン17の外周部のエンジン側の側面に接着されている。
【0040】
次に、作動油について説明する。フロントカバー3とインペラシェル4aとで形成される作動油室には、インペラ4とタービン5とを流体的に連結するため及びロックアップクラッチ機構2を作動させるための作動油が充填されている。この作動油は、トルクコンバータ1の外部から導入され、トルクコンバータ1内を循環し、トルクコンバータ1の外部へと流出される。このような作動油の循環は、トルクコンバータ1内での発熱をトルクコンバータ1の外部に流出させる働きも兼ねている。
【0041】
タービンシェル5aとフロントカバー3との間の空間には、ロックアップクラッチ機構2を作動させるための作動油が導入される。この作動油は、メインドライブシャフト11の内部を通ってタービンハブ8とフロントカバー3の内周部との隙間から導入され、ピストン17とフロントカバー3との隙間を通って弾性連結機構18周辺に流れる。この作動油は、インペラ4の外周部とタービン5の外周部との隙間からインペラ4とタービン5との間に形成される空間に流入し、ステータ6の内周部とタービンシェル5aの内周部との隙間からステータシャフト10とメインドライブシャフト11との隙間を通って流出される。
【0042】
次に、動作について説明する。エンジン側のクランクシャフトからのトルクは、図示しないフレキシブルプレートからフロントカバー3に入力される。このトルクはインペラシェル4aに伝達される。これにより、インペラ4が回転し、作動油がインペラ4からタービン5へと流れる。この作動油の流れによりタービン5は回転し、タービン5のトルクはタービンハブ8を介してメインドライブシャフト11に出力される。
【0043】
以上が、作動油を介して流体的にトルクの伝達を行うときのトルクコンバータ1の動作である。ここでは流体を介しているため、後述するようなロックアップクラッチ機構2を介して機械的にトルク伝達を行う場合に較べて、トルクの伝達効率は劣る。したがって、このように流体的にトルク伝達を行う割合を減らして、後述のロックアップクラッチ機構2によるトルク伝達の割合を増やすことが、トルクコンバータ1を備える車両の燃費を向上させることにつながる。但し、流体的に連結する場合、振動の吸収性は優れている。
【0044】
次に、ロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。ここでは、ロックアップスリップ制御を行いながらロックアップクラッチ機構2を作動させるが、まず、ロックアップスリップ制御を除いたロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。
【0045】
トルクコンバータ1の速度比(入力側回転数に対する出力側回転数の比)が上がり、メインドライブシャフト11が一定の回転速度になると、ロックアップクラッチ機構2が作動する。すなわち、ピストン17とフロントカバー3との隙間の作動油がメインドライブシャフト11の内部を通ってドレンされる。この結果、ピストン17のフロントカバー3側とタービン5側との油圧差によって、ピストン17がフロントカバー3側に圧力を受け、摩擦フェーシング22が摺動面板12の接触部12cに圧接される。これにより、フロントカバー3のトルクは、ピストン17から弾性連結機構18を介してタービン5に伝達される。つまり、フロントカバー3が機械的にタービン5に連結され、フロントカバー3のトルクがタービン5を介してメインドライブシャフト11に出力される。但し、ロックアップスリップ制御を行っていない場合、連結時に発生する振動をロックアップクラッチ機構2の弾性連結機構18のダンパー特性のみによって許容値に抑えなければならず、必然的にロックアップクラッチ機構2を作動させることのできるトルクコンバータ1の速度比域は限定される。
【0046】
次に、ロックアップスリップ制御を含めたロックアップクラッチ機構2の作動について説明する。
【0047】
トルクコンバータ1の速度比が上がると、ロックアップスリップ制御をかけながらロックアップクラッチ機構2を作動させる。この速度比は、ロックアップスリップ制御を行わない場合に較べ、小さい値を設定することができる。ここでは、エンジン回転数と出力回転数とを監視し、これらの情報からフィードバック制御をかけて、ピストン17のタービン5側の油圧、すなわちピストン17のフロントカバー3側の空間を除くトルクコンバータ1内の油圧を調整する。これにより、タービン5側からピストン17にかかる圧力が制御される。この制御では、制御目標回転数より低い回転数のときには油圧を大きくし制御目標回転数よりも高い回転数のときには油圧を小さくすることによって、入力側と出力側との回転数の差を所定に値に制御する。このような制御下では、摩擦フェーシング22と摺動面板12の接触部12cとは摺動しながらトルクを伝達する。このように、ロックアップスリップ制御では、ロックアップクラッチ機構2の弾性連結機構18のダンパー機能に加えて摩擦フェーシング22のスリップによるダンパー機能が働いて振動を吸収する。
【0048】
上記のようなロックアップスリップ制御では、摩擦フェーシング22をスリップさせることによって、速度比が小さなときにロックアップクラッチ機構2を作動させることにより発生する大きな振動を吸収することができる。しかし、スリップにより摩擦フェーシング22及びこれと摺動する摺動面板12に摩擦熱が発生するため、摩擦フェーシング22の寿命を維持するためにはこの部分を冷却する必要がある。ここでは、摩擦フェーシング22を直接フロントカバー3に摺動させずに、フロントカバー3との間に隙間が確保されるように固定された摺動面板12に摺動させており、従来よりも冷却効果が向上している。摩擦フェーシング22が摺動面板12と摺動しているときには、ピストン17とフロントカバー3との間の空間であって摺動面板12及び摩擦フェーシング22の内周側の部分からは油がドレンされ、油圧が小さくなる。これに対し摺動面板12とフロントカバー3との間の空間を含むその他のトルクコンバータ1内の油圧は大きいため、摺動面板12とフロントカバー3との間の空間から摺動面板12の内周側のピストン17とフロントカバー3との間の空間に油穴12eを通って油が流れる。これによって、摺動面板12のフロントカバー3側の側面が油の流れにより冷却され、摺動面板12の熱が奪われて間接的に摺動面板12と摺動する摩擦フェーシング22の温度も下がる。
【0049】
このように従来よりも冷却性が向上しているため、スリップする摺動部分に厳しい条件がかかるようなロックアップスリップ制御も可能となり、ロックアップクラッチ機構2を作動させることのできるトルクコンバータ1の速度比域が広がる。そして、より広い範囲でロックアップクラッチ機構2が使用できるため、流体的にトルク伝達を行う割合を減らしロックアップクラッチ機構2によるトルク伝達の割合が増えるような制御が可能となり、トルクコンバータ1を備える車両の燃費が向上する。
【0050】
また、摺動面板12と摩擦フェーシング22との摺動あるいは圧接時には、ピストン17が油圧及び遠心力を受け弾性変形をおこす。これに従い、このピストン17に固定されている摩擦フェーシング22の摩擦面が傾いた状態となる。これに対し、ここでは、摩擦フェーシング22から受ける力による摺動面板12の弾性変形によって接触部12cの傾きが摩擦フェーシング22の傾きに追従するように摺動面板12の剛性が設定されている。したがって、摺動面板12の接触部12cと摩擦フェーシング22とが偏当たり状態とならず、一様に面接触した状態でトルク伝達を行う。これにより、トルクの伝達が安定し、つながりフィーリングが向上するとともに、偏当たりがなくなることから摩擦フェーシング22の寿命も向上する。
【0051】
さらに、摺動面板12は補強部12dを有しており、摺動面板12と摩擦フェーシング22との摺動あるいは圧接時に補強部12dのフロントカバー3側の端部がフロントカバー3に当接する。このように、荷重を受ける接触部12cは、内周側を装着部12a及び連結部12bによって、外周部を補強部12dによって支持された状態となるため、補強部12dがない場合(接触部12cが片持ちの状態でフロントカバー3に支持される場合)に較べて軽量化を図ることができる。ここでは、補強部12dを設けることにより接触部12cなどを薄肉化している。接触部12cが薄肉化したことによって、接触部12cを介して冷却される摩擦フェーシング22の冷却性も向上している。なお、この補強部12dは円周方向に隙間をあけて配置されており、摺動面板12とフロントカバー3との間に確保される空間とピストン17のタービン5側の空間との連通は確保されている。
【0052】
【発明の効果】
本発明では、ロックアップクラッチ機構の摩擦部を、直接フロントカバーと摺動させる代わりに、フロントカバーとの間に油が流通する空間が確保された摺動面板をフロントカバーに固定してこの摺動面板と摺動させる構造とした。このため、フロントカバーと摺動面板の間の空間に油を流すことによって摺動部分の発熱を冷却することができ、従来よりも冷却性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるトルクコンバータの縦断面概略図。
【図2】図1の摺動面板付近の拡大断面図。
【符号の説明】
1 ルクコンバータ
2 ロックアップクラッチ機構
3 フロントカバー
4 インペラ
5 タービン
12 摺動面板
12a 装着部
12b 連結部
12c 接触部
12d 補強部
12e 油穴
Claims (4)
- エンジン側の部材に連結されるフロントカバーと、
前記フロントカバーに固定されて、前記フロントカバーとともに油室を形成するインペラと、
前記油室内で前記インペラに対向して配置され、トランスミッション側の部材に連結されるタービンと、
摩擦部を有し、前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置されるロックアップクラッチ機構と、
前記フロントカバーとの間に油が流通する空間が確保されるように前記フロントカバーに装着され、前記ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接して前記フロントカバーから前記ロックアップクラッチ機構へトルクを伝達する摺動面板とを備え
前記摺動面板と前記ロックアップクラッチ機構の摩擦部とが摺動あるいは圧接した状態で、前記摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間は前記ロックアップクラッチ機構の前記タービン側の空間と連通しており、
前記摺動面板は、前記フロントカバーに装着される装着部と、前記フロントカバーとの間に一定のすき間を有するように配置され前記ロックアップクラッチ機構の摩擦部と摺動あるいは圧接する接触部と、前記装着部と前記接触部とを連結する連結部とを有し、
前記摺動面板は、前記ロックアップクラッチ機構の摩擦部との摺動及び圧接時に、前記ロックアップクラッチ機構の弾性変形による前記摩擦部の傾きに対して前記接触部の傾きが追従するような弾性特性を有する、
トルクコンバータ。 - 前記摺動面板の連結部には、前記摺動面板とフロントカバーとの間に確保される空間と前記ロックアップクラッチ機構作動時に油圧が低下する前記ロックアップクラッチ機構の前記フロントカバー側の空間とを連通させる孔が設けられている、
請求項1に記載のトルクコンバータ。 - 前記摺動面板は、前記接触部から前記フロントカバー側に延び少なくとも前記ロックアップクラッチ機構の摩擦部と前記接触部との圧接状態において前記フロントカバーと当接する補強部をさらに有している、請求項1又は2に記載のトルクコンバータ。
- 前記摺動面板は円環状の部材であり、
前記装着部は前記摺動面板の内周部であり、
前記連結部は、前記摺動面板の半径方向中間部であり、前記装着部と前記接触部との軸方向の位置が異なる状態となるように両者を連結しており、
前記接触部は前記摺動面板の外周部であり、
前記補強部は前記接触部の外周端に設けられている、
請求項3に記載のトルクコンバータ。
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